第五章「女性専用車両 破瓜編」 |
俺の名前は、中畑道和。四十二歳で独身……なのはどうでもいいか。そろそろ髪が薄くなり始めた、どこにでもいる冴えない中年を想像してもらえれば、それが俺だ。 どこにでも居るおっさんに過ぎない俺だが、一つだけ特別なことがある。 催眠術師集団DLOの構成員だと言うことだ。俺は結成当初から参加してるメンバーなので幹部クラスと言ってもいい。もちろん、組織の幹部にふさわしくひと通り催眠技術を有している。 俺はここ一年ほどDLOによる『女性催眠車両計画』を統括・実行している。 近頃おなじみになった女性専用車両を、そのまままるごと集団催眠に陥れて管理しようという大胆な作戦だ。 都市の日常にありながら、女性しか存在しない移動する閉鎖空間。集団催眠の舞台に、これほど持って来いな場所もない。 開始から半年以上すぎて、特にトラブルもなく次第に女を犯すのにも飽きかけて来たところで俺が発見したちょっと変わった女。 それが、立花アヤネだった。
西應大学の二回生で、歳は二十歳。後で気になって調べたが今は都内に一人暮らし、実家は京都の名家出身でそこそこに裕福らしい。 まあ彼女が優秀で、頭のいい大学に通ってるとか、日本史に名前の出てくる歌人のでた由緒ある家柄で生家の庭に重要有形民俗文化財に指定されてる庵があるとか、なかなかに華やかな経歴だがそこは問題ではない。そういう本人の資質や生育環境は、調べた限りでは彼女の特別性の原因ではない。 立花アヤネは『女性催眠車両』に入っても規定通りの催眠にかからない特別な女だった。 女性催眠車両に一歩足を踏み入れたら、俺は女性に見えるようになっている。男という異物が入り込んだら、すぐトラブルになるからそれは当然の処置なのだが、催眠車両すべての女が俺を女だと錯覚するなかで、立花アヤネ一人だけが俺をきっちり男だと認識していたのだ。 彼女の強い意志を宿した瞳が、俺を見た時。 ――女性催眠車両の催眠に掛かっていないたった一人の女の子を俺が見つけた時―― 俺は、頭をハンマーでガツンと殴られたような強い衝撃を感じた。 俺は運命の稲妻に撃たれたのだ。 眼の前がパァッと輝いて、世界に鮮やかな色彩が戻ったような気持ち。 齢四十も過ぎて、女など欲望を満たすための肉の塊に過ぎないと達観したつもりの俺が、娘と言ってもおかしくないほどの若い女の子に自分の全てを変えてしまうような可能性を見つける瞬間をどう表現すればいい。 もしかしたら俺は、こっ恥ずかしくて口にすることもはばかられるセリフだが、年甲斐もなく彼女に恋したのかもしれなかった。 確かに彼女は、俺の恋慕に値するだけの価値を持った女の子だった。 いつも垂らしただけの黒髪で、地味な服装をしている。だからパッと見は気が付かないが、アヤネはその没個性的な大人しい服装でも隠し切れないほどの見事なプロポーションをしていた。 見ただけで、相手の裸を想像できる俺はその控えめで居て、隠そうとするからこそ逆に目立つ豊満な色香に、地味な服からちきれんばかりに盛り上がる巨乳や豊かなヒップの稜線に強く欲情した。 容姿だって悪くはない、肌はキメ細かく白磁のように透き通っているし、優美といってもいい整った顔立ち、興奮気味に話すときに健康的に頬が紅潮する様も溜まらなくそそる。 意に沿わぬことがあると相手が怯むぐらいに睨みつけてくる、内面的なキツさかいま見えるところがやや欠点かもしれない。 まあ全体的に見て、秘してこそ花と言おうか、自己主張の激しすぎる都会の女に疲れた俺にとって、アヤネはまさに理想的な女の子に見えた。
だが俺が本当に魅了されたのは、彼女の美貌でも、豊満なプロポーションでもなくて、彼女の芯の強い性格だった。正義感とでも言おうか、もし初めてあったあの日彼女が俺に注意しなければ、女性専用車両に紛れ込んだ闖入者であるこの俺と関わることを拒んで黙っていれば、俺は彼女のことを気づかずに見過ごしてしまっていたかもしれない。 そうであればアヤネは俺の標的にならなかった可能性も高い。その意味では、彼女の正義感は本人にとって不幸であったともいえる。 優秀だがまだ若くモノを知らぬ彼女が、年長者であるこの俺に辛辣な舌鋒を向けてくることさえも新鮮で気持ちよかった。 もちろん女性催眠車両の中で、集団催眠がまったく効いていない立花アヤネを見つけた時、俺は大いに焦った。 洗練に洗練を重ねたDLOの集団催眠技術だが、極稀にかかりの悪い女もいる。いや、初めて会った時のアヤネは全く術にかかっていなかったといっていい。 なぜだろうか、原因を色々探った結果アヤネには催眠空間に発生する同調圧力が全く働いていないことがわかった。 わかりやすくいえば『空気が読めない』女なのだ、アヤネちゃんは。 その空気の読めなさは致命的と言ってもいいレベルだった。 原因さえ分かれば対処はたやすく、俺は久しぶりに自分で労を惜しまず自分の催眠術をアヤネちゃんに向けて行使した。 俺の個人的な催眠技術、会話の抑揚を使い、ワンツーマンで徐々に催眠に落としこんでいった。 これで当面の危険はクリア。 しかし『女性催眠車両』がまったく効かない女。計画の管理者として俺は、この不安要因を早急に除外すべきだった。 排除するのは簡単だ。アヤネの通学時間から計画をずらせばいい。 それなのに、俺はそれをしなかった。むしろ、アヤネの通学時間を徹底的に調べてそれに合わせさえした。俺は、誰もがイイナリになるこの環境にいささか退屈していたのかもしれない。
女性専用車両で、たった一人俺をきちんと男だと認識する女の子。なかなかに刺激的でいいじゃないか。 俺は、アヤネを相手にゲームを始めることにした。 彼女の意志に反して、俺を女だと認めさせるゲームだ。 さすが致命的に『空気が読めない』女の子。車内の全ての女性が俺を女だと言っても、俺が男だという自分の現実を曲げなかった。 この半年間――彼女の車両での記憶は何度もリセットされたので今の彼女は自覚していないことだが――お互いに激しくぶつかり合ってここまできた。 そうして、意固地なアヤネではなく周りの女性を責め立てることで、ついに俺を女だと認めさせることに成功した。 自分の設定したゲームに勝利したことで、俺は満足した。 このゲームの賞品は、アヤネ自身ということになるだろう。 今度は、俺のことを女を思い込んだ彼女と遊ぶターンだった。
※※※
「なんで、黙って居るんですか」 アヤネは俺の顔色を怪訝そうに伺いながら、不安そうに尋ねた。 「……んっ、すまん」 俺としたことが、柄にもなく回想に耽っていたらしい。 「いや、いいんですけどね。私は、ミッちゃんとお話したいわけじゃないですから」 場所はいつも通りの女性専用車両、アヤネの朝の通学時間だ。いつも通りに洗脳車両に乗り込んだ彼女は、すでに諦めているのか逃げる素振りも見せずに俺の前に相対した。 そうして、車両はゆっくりと駅のホームから離れていく。洗脳車両のシステムが動き出すと同時に、時間の感覚が緩やかになる集団催眠も働き出すのでたった三十分足らずの運行が何倍にも引き伸ばされる、あくまで主観的にだが……。 「……ふん」 アヤネとはもう半年以上の付き合いになるが、その記憶は彼女にはない。前回のゲームの記憶はリセットされた。 俺を女と思い込み初めてからの一ヶ月の記憶しか、彼女とは共有できない。今日はなぜか、それを少し寂しく感じている自分が居た。 「また、黙りこむ今日はどうしたんです。今日は、まあそのいっつもおかしいですけど、特におかしいですね」 責められるように、やや厳しい口調でそう詰られて、俺もようやく我に返った。アヤネの言うとおりだ、全く今日の俺はどうかしている。 「すまん、じゃあ早速服を全部脱いで全裸になってもらおうか」 「えっーなんで、そんな話になるんですか……」 アヤネは不満そうだ。 「なんだよ、毎度のことじゃないか」 「だって」 「ほら、俺も脱ぐし、みんなも脱ぐぜ」 そう言うと、俺はさっさとスーツを脱ぎ散らかして全裸になってしまう。俺が脱ぐと、同時に周りの女たちも脱ぎ始める。
集団催眠にかかっているのだ、俺の声が聞こえた範囲の女たちはみんな服を脱ぐ。 「なんでみんな、ううっ……わかりましたよ」 集団催眠が通用しないアヤネも、俺が個別にかけた暗示にはかかっているので俺の指示には従う。 渋々と薄手の手袋を脱ぎ捨て、カーキー色のハーフコートを座席に脱ぎ捨てた。 「ほら、早く脱いで」 俺は待ちきれなくなり、脱ぐのを手伝ってやろうとモノトーンカラーのタートルネックのセーターを引っ張った。 「いやっ、伸びちゃうから引っ張らないでください」 「早く脱がないからだ」 セーターを剥ぎ取るようにすると、大きなブラのカップに包まれた豊満な彼女の胸が露わになる。寒いからだろう、下は厚手のレギンスの上にキャロットスカートまで穿いていたが、それも全て脱がさせる。 今日のアヤネは珍しくロングブーツを履いている。靴を脱ぎ捨てて黒いソックスを脱いでいる彼女を見ながら、俺は良いことを思いついた。 「裸になったら、ロングブーツと手袋だけをつけろ」 「うええっ、なんでそんなこと……」 「つべこべ言うなよ、列車で素足になるよりはいいだろ」 「わかりましたよ……」 レースのついた純白のブラを外し、ショーツをゆっくりと脱ぎ捨てると生まれたままの姿になった。たわわな果実のような胸を揺らしながら、アヤネはゆっくりと一度脱いだ黒いソックスを履き、カーキー色のロングブーツを穿く。 そして、薄手の手袋を身に着けた。 「クックック、いいじゃないか」 「なんでこんな格好しなきゃなんないんですか!」 惜しげも無く晒された裸体に、ロングブーツと手袋をだけを身に着けた姿で電車に立ち尽くすアヤネ。 ただ裸に剥くより、よっぽど非日常的で……素晴らしい。
「……興奮するなあ、こういうのは」 「こんな変態みたいなの嫌です」 アヤネは靴を履いて裸になるのがいつもより羞恥心を刺激するらしく、ほっぺたをリンゴのように真っ赤に紅潮させていた。 もっと恥ずかしいことをしてやろうと、俺はアヤネに長椅子の上でM字に股を開くように命じた。 そうして、自分の指で膣を開かせる。 俺が顔を近づけて股を覗きこむとアヤネの穴の中には、純潔の証であるピンク色の粘膜が確かに張っていた。 「本当に処女なんだな」 「なんでそんなことを貴方に確認されなきゃいけないのかわかりませんけど。そうですよ私に男性経験はありません……見ての通りです」
――処女
ある統計によると、ハタチの処女率は60パーセントだという。 俺から言わすと、嘘をつけと言いたくなる数字だ。こうして、何百人もの女の子にこの車両で股を開かせてきたが、アヤネの年代で処女は数えるほどしか居なかった。 ほとんどが他の男の手垢のついた女たちだったのだ。 もちろん俺はオッサンだから、いまさら処女厨でもあるまいし女の純潔なんか気にしちゃいない。 むしろわざわざ処女を抱くなんて面倒臭いとすら思っていた。股から血は出るし、女は痛みで泣き叫ぶし、そんなにいいもんじゃない。 でもそれでも、アヤネほど男の欲望を触発する白くてむっちりとした太ももを持ったこの女子大生が無垢なまま残っていたのには運命的なものを感じた。 ちょっと大げさかもしれないけれど、その奇跡は俺を感慨に耽らせるのに十分だったのだ。 「もしかしたらアヤネちゃんは結婚するまでは純潔ってやつなのかな」 俺はアヤネの太ももを力強く握ってぐっと股を開かせる。 「ええっ、なんですかそれ。違います、そんな古風なこと思ってませんよ。ただ私が男の人にモテなかっただけです」 この指に吸い付くような柔らかい脾肉に、触れることが出来る男は俺が初めてになったわけだ。俺は、素直にその事実に感動した。 「ふうんモテなかったねえ、そういう事にしておこうかな」 これほどの美貌で、高校生の頃はともかく、共学の大学に通っている今も男に口説かれないなんてことがあるだろうか。 おそらくは言い寄る男がいても、断っているのだろう。アヤネちゃんに釣り合う男が居なかったってところなんだろう。 あまり勿体つけるもんじゃないな、だから俺みたいな男が初上陸してしまうんだ。 「あああっ、痛いっ! 何するんですか」 何するんですかって何するんだよ。
俺が一思いに処女を散らせてやろうと、跨って腰を落とすと意外にも頑強に抵抗した。やはり、破瓜の痛みがあるせいだろうか。 「痛いわけないだろ、チンポを挿れるわけじゃないんだから」 「でっ、でも……」 「ほら、大人しくしろ。それともなにか、俺が男だって認めるのか」 「いえ、それは……分かりました。あのでも、痛くしないでくださいね」 そりゃ無理だ、アヤネはびっちりと硬い膜が張っているタイプなのだろう。穴も狭いし、強引に挿入すれば痛いに決まっている。 「だから痛いわけないんだって、大人しく我慢しろ」 「いたっ、痛くないけど痛いですよ」 言っている意味が分かっているのだろうか。俺は思わず笑ってしまう、俺だってこの狭い穴に挿れるのは苦しいよ。 メリメリと音を立てて、これまで二十年間アヤネを守っていた処女の膜が押し開かれる。 「ふうっ、さすがにキツいな」 「痛くないけど、ウウッ……なんだろこの気分」 アヤネは眼からポロポロ涙を溢している。いいね、感動的だ。 「やっぱり、お前も女だから処女を散らすとなれば感慨深いものがあるのか」 「だから、貴女は男じゃないから処女とか関係ないですってっ!」 興奮した俺は思いっきり奥をえぐるように腰を落としてやった。 「あぎゃあああっ」 「やっぱり痛いのか、初めてだもんな」 「いた、痛くないけど、もうそれ以上動かないでください」 やっぱりきつかったみたいだ、顔を真赤にして泣きはらしている。 「いや悪かったよ、あんまりお前が強情にセックスだって認めないからさ」 「女同士でセックスはできません」 まだそんなことを言うのかと、俺は腰を引いてまた思いっきり打ち付けてやった。
「ひぎゃあああっ、止めてぇぇ、動かないで!」 「どうした、セックスじゃないし痛くもないんじゃなかったのか」 俺はあえて意地悪にそんなことを言う。痛がってる生理反応のせいか、アヤネの膣の濡れは驚くほどいいから挿入できるが、やはり男を受け入れてない穴は狭い。俺だって、強烈な圧迫感に頑張って耐えているのだ。 気を抜くと射精してしまいそうだ。 「……痛いですよ、分かりましたセックスだって認めますから、動かないでください」 「ふうん、最初からそうやって素直になればいいのさ」 腰を密着させて、そのまま抱きしめるとアヤネは苦しそうに顔をそむけた。 「女同士だって、セックスできることもあるかもしれませんしね」 まだそんなことを言っている。 そういうふうに、自分の中で合理化するんならそれもまた良しだ。 「じゃあセックスすれば、女同士だって妊娠するかもしれないよな」 「そんなっ、するわけないじゃないですか!」 まだそんなことを言う元気があったのか。俺はまた腰を打ち付けてやる。俺が無理やり押し込んだ肉に処女膜が削がれて痛いのか、苦しそうに顔を歪ませて瞳に涙を滲ませた。興奮する。 「あっ、痛い止めて動かないでください。ごめんなさい……」 「そうやって、素直に答えろよ。妊娠するかもしれないよなぁああ!」 「はい、そうですね。そうだと思います」 口惜しそうに唇を歪ませながら、アヤネはそう答えた。無理やり言わせただけだ、本当にそうは思っていないと顔を見れば分かる。 でもそれはいい。俺が、そのように思い込ませてやったのだから。 中出しされれば、アヤネもこれまでの女たちと同じように孕むだろう。それなのに、本人はその危険を全く理解せずに、そのばかりで口だけ合わせておけばいいと思っている。その倒錯した状況が、俺を興奮させる。 「このまま中に出されたら俺の子供を妊娠するかもしれないけど、アヤネちゃんはそれでいいのか」 「はい、そうですね。えっと……」
俺の顔色を伺っている。俺はニヤッと笑うと続ける。 「むしろ、孕ませて欲しいんだよな」 「えっ、ああはい。それでいいですから早く終わらせて」 アヤネちゃんはそうは思っていない。この場限りで、痛いことをされたくなくて、俺のゴキゲンを伺うために俺に合わせただけだ。 「よし、じゃあタップリと中に出してやるからな」 「はい、お願いします……クッ」 アヤネちゃんにお願いされて、俺はもう一度奥まで深々と挿入すると、あっけなく射精した。 ドピュッ、ドピュルとアヤネちゃんのお腹の中に俺のエキスが注ぎ込まれる。 「どうだ、中に出されてるのが分かるか」 「はい、感じますなんか……」 本当に感じているのだろうか、合わせているだけなのだろうか。苦悶の表情を浮かべるアヤネちゃんの顔色を見てもわからなかった。 まあそれはどっちでもいいことだ。俺はただ、自らの欲望をアヤネちゃんの中に全部吐き出してから、腰を引きぬいた。 その途端に、ぽっかりと俺の形に開いたアヤネちゃんの肉の穴からドロっと破瓜の赤と俺の白濁したエキスが入り混じった液体が、ポタポタと溢れていく。 「種付けしてやったぞ、良かったな」 「はい、ありがとうございました……」 明らかに、ありがたくなさそうな顔で、アヤネちゃんはそれでもこれで終わったとホッと息を付いて安堵の表情を浮かべている。 もちろんこれで終わりではない。 何度も何度もこれから彼女が孕むまでまぐわって、アヤネちゃんが妊娠していく過程でどこで彼女が今度は俺が女ではないと認めるか。自分が本当に妊娠してしまったと認めるか。 それをこれから、ゆっくりと楽しんでやろう。
ふと車窓を見ると、まだ駅につくまでには時間がありそうだった……。
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後日談18「完全なるハロウィン」 |
十月三十一日、こうしてまた日は昇り、ハロウィンの日がやってきます。 正志は、独り部屋で新しいカボチャマスクの具合を確かめます。 「いい出来だ、我ながら会心の出来栄えだな」 昨晩の夜遅くまでかかって完成させた、新しいマスクです。 よっぽど出来に満足が行ったのか、マントまで付けて変なポーズを取って悦に浸っています。 「クックックッ……我こそはジャック・オー・ランタン。ハロウィンの夜に彷徨うファントム」 あーどうやら、わかりにくいですが「オペラ座の怪人」のモノマネをやっているみたいですね。バカはしばらく放っておきましょう。 正志が、去年作ったカボチャは、まだ深谷家のリビングに飾ってあります。一番最初のカボチャマスクは古びて壊れてしまったのですが、二番目のカボチャマスクは製造技術の向上から一年経ってもまだ綺麗に残っています(きちんと防腐処理をやっていたんですね)。 それを回収せずに、わざわざこうして新しいカボチャマスクを用意したのは、茉莉香の安産のお守りだからです。 もうしばらく、茉莉香の第二子の出産予定日の年末まで深谷家のリビングに鎮座させておくつもりのようです。
今年も子ども会では、ハロウィンイベントが開かれるはずです。 もちろん独身者の正志は招かれざる客ですから、イベントに参加することはありませんが、そっとカーテンの内側から様子を伺います。 ハロウィンイベントの動向をきちんと確認しておくことは、正志がハロウィンの夜に暗躍する助けになるからです。 新マスク装着の興奮冷めやらない正志は、ちょっと気が早いですがマンションの外に出てしまいました。マンションの住人は、ほとんどがイベントの方に行ってるのですから、逆に出歩いても問題ないと言えるのです。 カボチャマスクを被り、黒いマントを翻しながら、ちょっとした予行練習といったところです。 不意に通路を見ると、マンションの目の前に銀灰色の猫が居ました。こんな高層階まで猫が入ってくるなんて珍しい。 「どっかで見たことがある猫だな」 銀灰色の猫は、正志を見上げるとニャ~ンと鳴きました。 その黄金色の瞳に思わず魅せられて、猫が階段を駆け下りていくのを、思わず追ってしまいます。 猫は悠然とした足取りで、踊り場で正志を振り返って止まったりします。犬じゃあるまいし、まさか着いて来いと言っているわけでもないでしょうが、からかわれているのかもしれませんね。 知らない猫に不審者そのモノの正志が近寄っても、その柔らかそうな鬣に触れさせてくれるとは思えませんが、つい追ってしまいます。 あの滑らかな猫の背をひと撫ででもできればいいのに、正志は手を伸ばします。
「あーオジサン、こんなところにいた」 真那ちゃんが、カボチャマスクを被った正志を見つけて声をかけました。 「いや、真奈ちゃん。オジサンじゃなくて、お兄さんでしょ……」 「はいはい、正志お兄さんちょっと来てくれるかな」 真那ちゃんに腕を掴まれてしまいました。 「お兄さんでもなくて。今の俺はジャック・オー・ランタンなんだけど。ほらこのカボチャ頭を見れば分かるでしょう」 真那ちゃんに捕まった正志は、ちょっと困ってしまいました。 猫を追ううちに、ずいぶんと低層階まで降りてきてしまったようです。 イベントの人たちに見つかると、マズいです。なにせ今の正志は完全に不審者ですから。 「そういうハロウィンの仮装なんでしょ」 あたふた慌てている正志を、腕を掴んだまま真那ちゃんが見上げています。 「仮装っていうか、俺は本物なんだけど」 まだ言っていると、正志を呆れたように真那ちゃんはため息をつきました。 こういうときはどっちが子供だかわかりません。 「もう、つまんない冗談いいよ正志お兄さん。それより、お母さんたちが呼んでるからこっちきてよ」 「えっ、いやちょっと待って、お兄さんって呼んでくれるのは嬉しいけどさ」 「待たないよ」 今の正志はジャック・オー・ランタンなのです。 それなのに正志はそのまま、子ども会がハロウィンパーティーの準備をしている広場まで引きずられてしまいます。 真那ちゃんが正志を引く手は、なぜか正志に逆らえないほどの強い力を感じました。
正志は、真那ちゃんと一緒に歩いているところを他の人に見つかると本当にマズいのにどうしようと思います。 ハロウィンの魔術で何とか切り抜けられるでしょうか、正志がそんなことを思案しているうちにマンションの庭園までやってきてしまいました。 魔女やお化けの扮装をした子供たち、箱詰めしてあるお菓子を配るお母さんたち。正志と同じカボチャ頭の格好をした子供もいます。 (これなら目立たないかな) この期に及んでそんなことを考えている正志ものんきですね。ハロウィンは子供のためのフェスティバルなのですから、大の大人なのにカボチャを冠っている正志は目立つにきまっています。 図々しい正志も、さすがにこれは紛れてるなんて過信できませんでした。マンションの子ども会の人たちの目がみんな自分の方に向いている気がします。 まるでダンゴムシが石の下から無理やり追い出され、陽の光の下に晒されたような居たたまれない気分です。 「……」 正志は、ついに黙りこんでしまいました。場違いな自分を意識して、この場から早く離れたい焦りはあるのですが、正志を牽引する真那ちゃんの小さな手をどうしても離すことができないのです。 「お母さん、正志オジ……お兄さん連れてきたよ!」 真那ちゃんは、母親の前で正志のことをどう呼んだらいいか迷って、オジサンとお兄さんが混ざってしまいました。 「今年もその格好なんですね……」 しばらくぶりに見る佳寿美の顔は、まるで別人のように見違えました。やや険のあった瞳は優しい色に変わっています。その静かで落ち着いた物腰から、うちに秘めた活力を感じます。 だからでしょうか、正志がこれまで美人だが騒がしくてキツい女だと思っていた佳寿美が、優しくて可愛らしい母親に見えました。 それは出産を終えて赤ん坊の母になったからかもしれませんし、もしかすると今の母性に溢れる佳寿美こそが本当の彼女で、いままで正志が厳しい眼差しを向けられていたことで、そのように思い込んで見ていただけなのかもしれません。 正志と佳寿美の間に、もう前のような刺々しい敵意はありません。その代わり、その間には佳寿美が押しているベビーカーがあって、そこに可愛らしい男の赤ちゃんが寝ています。 真彦(まさひこ)くんです。 誰にも言うことは許されませんが、正志と佳寿美の間にできた、初めての男の子でした。正志の種とは思えないほど、溌剌とした可愛らしい赤ちゃんです。 あるいは正志も、赤ん坊の頃はこんなに無垢な寝顔をしていたのかもしれませんね。
自分の息子である真彦を見る目は、さすがに正志でも優しくなります。その愛らしい寝顔を一目見ただけで、心が震えるほどの暖かい喜びに包まれます。 一瞬、ここが正志にとって場違いな場所だなんてまったく感じられなくなるほどに輝いて見えました。 「ああ、正志さん来てたんですね」 すでに妊娠八ヶ月の大きなお腹を抱えた深谷茉莉香が、ゆったりとした動きで歩いてきて正志に声をかけました。 茉莉香の手に引かれて、正志の娘、茉悠(まゆ)も一緒にいます。茉悠も危なげなく歩けるほどに成長しました。茉莉香は優美で女性らしさに溢れているし、娘の茉悠もその美しさは母親譲りで将来が楽しみです。 「いや俺は……」 茉莉香に答えようとした途端、正志の後ろから聞き覚えのある澄んだ声が聞こえました。 「田中さんも参加されるんですよね」 そう有無を言わさぬ調子で声をかけた栗原綾子は、妊娠五ヶ月でそろそろお腹が目立ち始めています。妊娠の影響で女性らしい身体つきになったせいでしょうか、優しいクリーム色のゆったりとしたマタニティードレスのせいでしょうか、どこか硬質で隙がなく人を寄せ付けないような美貌だった綾子も、人付きの良い優雅な物腰を手に入れています。 もちろん巻いているストールの着こなしは相変わらず瀟洒で、妊娠中にも関わらず身体のラインをしなやかに見せていますから、女伊達はむしろ妊娠してから上がったようでした。 「いや、ここに俺がいたらマズいだろ」 正志がそう言うと。 「マズいことはないでしょ」「正志さんも参加してもいいんですよ」「あれ、どうしてですか?」 佳寿美に、茉莉香に、綾子に、口々に返されて、正志はもう一度黙り込みます。 そうして、ほんの少し考えてからようやく気が付きました。
自分は、ここにいても、良いのだと。
ここで正志を囲んでいる皆は、正志の知り合いです。 いや、知り合いどころではありません。それどころか、とても心身ともに深い関係を持った女性ばかりです。 そして、その愛する女たちとの間には血肉をわけた子供たちがいます。 いまだに正志は独り身です。 けれど……ここにいるみんなは、まとめて正志の家族なのです。 もう、ハロウィンの夜に冷たい自分部屋に潜んで、厚いカーテンを敷いた窓の隙間から暖かいハロウィンイベントを、たった独りで覗いていなくてもいいのです。 真那ちゃんが、正志もイベントに参加するようにと呼びに来てくれたのです。だから、正志が参加していても誰もおかしいと思う人はここにはいませんでした。 そうして、正志の眼から温かい液体が溢れました。 なんで俺はこんなことで泣いているんだろうと、正志は気恥ずかしくなります。 でも、カボチャマスクだから頬を流れる涙を拭くこともできません。誰にも泣いていることに気が付かれないのは、幸いと言えたかもしれませんが。 「うう……」 その正志の小さな泣き声は、すぐそばで正志の手を握って離さない真那ちゃんにだけ微かに聞こえたようです。 「正志お兄さん泣いてるの?」 見上げてそう心配そうに尋ねる真那ちゃん。 正志は、大きなカボチャ頭を横に振りました。 「ううん、笑ってるんだよ」 そうです、正志の作ったカボチャ頭は泣いていません。ハロウィンのジャック・オー・ランタンは、いつも笑い顔でいるのです。 悲しい伝説に囚われて、そのことをどうして誰も気が付かなかったのか。 正志は、力を込めて暖かい真那ちゃんの手を握りしめました。 彼はこの日、この瞬間、求めて止まなかった大切なモノを手に入れました。 いやもうそれはとっくの昔に、正志の手の中にあったのです。 ただ、その幸せがそこにあることに、彼が今日まで気が付かなかっただけなのでした。
ハロウィンの夜にさまようカボチャ頭の幽霊、ジャック・オー・ランタン。
伝説によると、彼は生前悪賢い遊び人だったそうです。 悪魔を騙し、死んでも地獄に堕ちることがない契約を取り付けたまでは良かったのですが、死後生前の行いの悪さから天国に行くことを拒否され、悪魔との契約により地獄に行く事もできなかったと言います。 悪は必ずその報いを受ける。よく出来た物語なのかもしれません。だが、それは余りにも悲しいバットエンドともいえます。 だから、そこでジャックの物語を終わらせないのです。 咆哮する魂が求め続けるかぎり、その悲しい欠乏が生き続けるかぎり、きっと物語に終わりはありません。 そうしてもしかしたら、流浪する魂は東方の地で安住の場所を見つけるかもしれません。この東の果ての生まれつき性質が浮ついた民は、海外からの文化を無制限に受け入れます。そして、悲しい男の伝説すらも自分たちの都合が良いように、どんどん改善してしまうのです。 恐ろしげな魔女の集会は愛らしい魔法少女のパーティーに、おぞましき古の悪魔たちはユーモラスでコミカルな妖怪大行進に、そして涙も枯れ果てたカボチャお化けにも瑞々しい愛の潤いを与えましょう。 与えられたって構わないですよね。だって厳しい神の目が届かないこの地では、天国も地獄も、全部が陸続きの場所に存在するのです。 だから孤独なジャックだって、長い長い流浪の果てに、求めて止まなかった天国にたどり着いてもいいのです。 さあ手を伸ばしましょうジャック。 貴方が手を伸ばしさえすれば、心に思い描いた幸せも、渇望して止まないハッピーエンドも、すぐそこにあるのだから。
最後にもう一度、ハッピーハロウィン! 幸せなハロウィンをお過ごしください。
「イタズラか、犯しか」後日談 終了 著作ヤラナイカー
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後日談17「真那ちゃんとしよう」 |
時折、正志は岸辺家にも寄るようになりました。出産を間近に控えた佳寿美の様子を見に行くためですが、彼にはもう一つ目的があります。 「じゃあ、真那ちゃんをちょっと借りてくな」 学校帰りの真那ちゃんを家に誘うためでした。 「真那、オジちゃんの家にいっても大人しくしてるのよ」 あれほど、娘に近づく正志を警戒していたのに……いつの頃からか佳寿美は、真那ちゃんが正志の家に行くことを拒まなくなりました。 佳寿美が真那ちゃんに言い聞かせている声を聞いている正志は(やっぱりオジサンって俺を呼ばせてるのは佳寿美なのかよ)と渋面になったりしています。まあ、正志にさんざんオバサン扱いされた佳寿美の意趣返しってところなのでしょうか。 佳寿美がもし、真那ちゃんと正志の接触を拒めば正志は『契約書』を持ちだそうと思っていたのですが、どうやらそれは無駄になりそうです。 「お邪魔しますー」 勝手知ったる他人の家とばかりに、真那ちゃんはたびたび正志の家にお呼ばれに行きます。 それを見る正志も、嬉しそうです。 「じゃあ今日も、性教育を始めようか」 最初はお茶やお菓子を出していた正志も、最近ではいきなりこれです。 「ハーイ」 真那ちゃんもいい返事で、パーカーと下に着ていたシャツを脱いで、黒いスカートをストンと落としました。 上下とも小さいフリルのついた綿の下着姿になりました。 そうして、ソファーに座ると猫の柄のついたニーソックスを履いた二の足を正志に差し出します。 まだ秋口でそれほど肌寒くない季節ですが、真那ちゃんが風邪を引かないよう念の為にエアコンをつけると、くるくると巻くように靴下を脱がせました。 まだ子供だから当たり前ですが、本当に触れたら折れてしまいそうなほどほっそりとして真っ白い足首です。 そうして今度はブラジャーの肩紐を外します。
蓋を外すように正志が恐る恐るブラのカップを外すと、ほんのりと膨らんだ胸が露わになります。乳暈が仄かに桜色でプックラと膨らんでいますが、乳首はまだほとんど発達していません。 発達途上の胸はあまり刺激すると痛いそうなのですが、正志が揉んでも痛いとは言わないので本格的に乳房が発達するのはこれからなのかもしれません。将来有望ですね。 そしてスルッと白い綿のパンツを下ろすと、子供らしい少し膨れた下腹部にほっそりとした股ぐらが露わになります。 その驚くほどの色素の薄さ、ワレメといいますがほんのりと盛り上がった恥丘に本当に縦筋が入っているだけで発毛はほとんどみられません。 全体的に華奢なのは第二次成長期につくはずの皮下脂肪がまだついていないからなのでしょう。 その小さな身体には、性的な興奮とは違う輝くような生命の美しさがあります。 真那ちゃんを脱がして見るたびに、正志は優れた芸術作品を前にしたような感嘆たるため息をつくのです。 「どうしたの?」 「ああ、ごめん始めようか」 そう言うと正志はおもむろに、真那ちゃんの股ぐらに太い指を這わせます。 「ここがクリトリスなんだけど分かる」 「わかんないよ~」 真那ちゃんの小豆は本当に小さな小さな粒にしか過ぎません。ここに触れると気持いいよと、ほっそりした指を持って自分で触らせるようにしますが、真那ちゃんはわかんないみたいです。 仕方がないので正志は自分の舌で真那ちゃんのクリトリスの皮をめくるようにペロペロと舐めまわします。 「どんな感じがする?」 時折顔を上げて、真那ちゃんの反応を確かめます。 「ううっ、わかんない。くすぐったいよ」 しかし、いまいちまだわからないみたいですね。
発達未了の陰核だけではなく、薄い色素のワレメ全体を舐めても、返ってくる答えはくすぐったい、変な感じがするのみです。 それでも、花開けせようと執拗に舐めまわします。 「あははっ、オジサンなんか変な感じになってきたよ」 「オジサンじゃないだろ」 「うっ、うん、じゃあ正志お兄さん……。すごく、くすぐったいよぉ」 本当にくすぐったいのか身を捩ります。 それでも、正志は許さずにほっそりした太ももを押さえつけるようにして執拗にクンニリングスを続けます。 唾液だけでも十分な湿り気になってくると、正志は真那ちゃんの小さなワレメの中にも舌を這わせます。ピンク色の粘膜を優しく舌でノックするのです。そこはまだ、誰の手にも触れない無垢な部分で、ピンク色の粘膜の中心に小さく穴が開いているのが分かります。そこに湿り気を与えるように、正志は一心不乱に舌を動かします。 ただ舐めることだけに集中しています。 「あ……、やああ、んっ」 そうすると、むずがるように身をよじってクスクス笑っていた真那ちゃんの声に変化がありました。 声も心なしか湿ってきたように感じます。 「ああんっ、ああ変な感じがするよぉ」 その変化に背中を押されるように、正志は舐め続けます。 「はあぁ、ふぁん!」 真那ちゃんの動きが、腰を上下させるものに変わりました。 ビクビクとエビ反りになって、身をブブルルルッと震わせました。 「どうしたの、大丈夫」 あまりに違う反応だったので、正志も顔を上げて真那ちゃんの顔を覗き込みました。 「はぁ、はぁ……ううん、なんか変なの来た」 顔を赤くして息を荒げています。絶頂……ではないのでしょうが、もしかしたらオーガズムの芽生えなのかもしれません。もっと舐め回していると、段々と股は唾液以外の湿り気を帯びてきました。 舐めているので、味の変化がわかるのです。
ただの水っぽい味だったのが、仄かに酸味のある味が交るようになってきました。ほんの少し内側の粘膜から粘りが出ています。 「ああっ、変だよ、変だよ」 正志も舐めすぎて舌の根が痺れて来たのですが、真那ちゃんの良い反応に押されるようにして犬のように無心に舐め倒します。 クリトリスも舌で丁寧に皮を向いて、カスが出ることなんて気にせずに舐めて吸って舐めて吸ってを繰り返します。 真那ちゃんの腰の動きがリズミカルになってきました。 まるで舌で真那ちゃんとセックスしているようだと、正志は興味深く感じました。クンニリングスを面白いと感じたのは初めてかもしれません。 舌で犯している征服感があるのです。 「ああっ、変だ。変だよぉぉ、あああーっ!」 真那ちゃんは身体をまたブルブルっと震わせると、腰が抜けたようにソファーにグッタリと身体を倒してしまいました。 全身からブワッと汗がでて、栗色の髪が濡れた額に張り付いています。 「はぁ、どうだ気持よかったか」 「はぁはぁ、わかんないけど。うん気持よかった……のかも」 さすがに正志も疲れました。 「まあ徐々に分かるようになってくればいいよ。よーしじゃあ、今度は俺が気持ちよくさせてもらおうかな」 「はぁ、おチンチン舐めればいいの?」 真那ちゃんはまったく恥ずかしがらずにそんなことを言います。 まだ、自分の言っていることが恥ずかしいことだとは分かっていないのかもしれません。
「いや、今日はマンコで素股させてもらうよ」 「スマタってなに」 真那ちゃんには分からないのも当然ですね。 「俺のおチンチンを真那ちゃんのオマンコを擦り付けることだよ」 「オマンコって真那のここ?」 真那ちゃんは、自分の股を指差します。 「そうだよ」 「でもここはオジ……お兄さんのおチンチンは入んないよ」 自分でもさすがに分かるようです。まあ舌を押しこんでも、深くまでは挿入できないのだから当たり前ですね。 「擦り付けるだけだよ、ほら自分で脚を開いてワレメも指で開いてみてね」 「はーい」 真那ちゃんは指で自分の恥丘を押し開くようにします。舌で何度も馴染ませたせいでしょうか、まったくの未発達の花びらも少し開いてピンク色の粘膜を覗かせています。 下半身裸になると、そこに正志は勃起した赤黒く勃起した亀頭の先を突きつけます。 「痛くはない?」 「うん、大丈夫だけどまた変な感じがする」 痛みはないようなので正志はさらに先っぽを動かして、粘膜をすり合わせます。 このまま思いっきり体重をかけて伸し掛れば、きっと真那ちゃんの処女膜はあっという間に裂けて、もしかしたらセックスできてしまうかもしれません。 でもそんなことをすれば、きっともう二度と家には来てくれなくなると思い、正志は我慢することにします。 いや、正志はもとから、真那ちゃんに傷を残すようなことをするつもりはないのです。 ただ、黒い欲望を真那ちゃんに対しても感じていて、乱暴な妄想をしてしまうからこそ、この微細な刺激でも気持よくなれるのだと言うことなのです。 真那ちゃんで素股を(股でこすっているわけではないのですから、本当は素股にすらなっていませんが)するという行為だけで、十分に興奮します。
「ねえ……正志お兄さん、これってセックスじゃないの」 「おや、素股はわかんないのに、セックスは……知ってるのか。そうだよ一応セックスになるかもしれない」 「赤ちゃんできちゃうんじゃない」 「アハハッ、まだ真那ちゃんは生理来てないから赤ちゃんはできないよ」 まだ学校で性教育を学んでない真那ちゃんも、実地でこれが妊娠する行為だとは知っているようなのです。 「生理って何?」 「教えたじゃないか、赤ん坊の元になる卵がまだ真那ちゃんはできてないから生理はこないんだよ。だから、いくら精子を入れても赤ちゃんはできないよ」 「うーん、わかんないけど。……わかった」 精子だの卵子だの言っても、まだ真那ちゃんには難しいみたいですね。でも、赤ちゃんが出来ないということは分かった様子でした。 正志は真那ちゃんに口づけをして、射精したいもどかしい気持ちを堪えられずに、ピッタリと膣口に亀頭の先を当てたまま陰茎を自分でこすります。 フィニッシュへと至る快楽を、少女の膣口の先に触れるだけでは得られなかったようです。 「ンチュ、ンチュ……」 少女の唇に舌を這わせて、中に押し込んでいきます。本当は、膣にもぶち込んでやりたいところですがそこは先っぽを合わせるだけで我慢。 その代わりとでも言うかのように、たっぷりと舌をつっこんで口内を蹂躙します。真那ちゃんも、殊勝なことに小さい舌を正志の舌の動きと合わせて甘い唾液を出してくれました。 少女の唾液を舌でたっぷりと味わいながら、正志は陰茎を擦り絶頂に達しました。 「うっ……」 ビュルーッと正志の亀頭の鈴口から、真那ちゃんの少し開いたワレメに向けて精液が吐き出されていきます。 ドロッとした精液は真那ちゃんのマンコの中も外もドクドクドロドロと汚していきます。膣口は処女膜がぴっちりガードしているので、さすがに中へはほとんど入りません。 正志にできるのは自分の陰茎を指であやつって、真那ちゃんの膣壁に精液を擦り付けるだけです。
そうして、しばらく射精の余韻に浸ると真那ちゃんのお尻を手で上げるようにして、股からソファーの上にまでこぼれ落ちてしまった精液の塊を濡れタオルで吹きました。染みにならないといいですけどね。 そのようにして、真那ちゃんの性教育は続いていきます。
※※※
「赤ちゃん産まれそうなんだって」 「うん……」 ついに産気づいた佳寿美は、よりにもよって家の留守を正志に任せてしまいました。 正志もまさか病院についていくわけにはいかないので、待っているしかないのですが、そわそわと不安になります。 無事に産まれてくるだろうか、経過は順調とのことでしたが、結果は産まれてくるまでわかりません。 「真那ちゃんの弟なんだよな、近くの産婦人科っていうとあそこか」 「オジサンちょっと落ち着きなよ」 部屋の中をウロウロする正志があまりに浮き足立っているので、真那ちゃんは呆れています。 子供のほうが、よっぽどしっかりしています。 「そうだ君のお父さんはどうしてるの、病院に行ったのか」 「お父さん今スウェーデンだもん、すぐには帰ってこれないよ」 「あー、そうかなのか、こんなときになあ」 よく考えたら、父親が居るのに真那ちゃんを正志に預けていくわけがありません。輸入雑貨商のこの家の主は、よりにもよってこんなときに海外に商売に行っているようです。子供が可愛くないのかと、正志はちょっと憤ります。 それは、仕事の都合というものを理解できない正志の想像力のなさなのですが、だからこそ(自分がここを守らないと)と決心する当たりはまあ好感が持てます。 「まあいいから、オジサン落ち着こう」 真那ちゃんがオジサンと言っても、なかなかいつものツッコミが返って来ません。 正志は、よっぽどテンパッているようです。 「うんわかった、落ち着こう。真那ちゃんじゃあセックスでもしようか」 「アハハ、それは落ち着き過ぎだよ」 もちろん冗談でした。冗談にしても最低の部類ですが、ようやく正志が落ち着いてくれたかと真那ちゃんもホッとします。 「じゃあ、そうだなご飯でも作って食べようか」 もうすぐ夕飯の時間です。正志でも腹が減ったぐらいなのに、育ち盛りの真那ちゃんが空腹でないわけがありません。
料理のできない正志は不意に茉莉香が作ってくれたらと思いますが、茉莉香には茉莉香の家庭があります。 一食ぐらいのことですから、乾麺でも茹でて食べたらいいかとも思います。 「じゃあ、私作るよ」 真那ちゃんが手を上げて、そんなことを言いました。 「えっ、真那ちゃん料理できるの」 正志は驚きます、まあ小学生の女の子ですからね。お母さんの料理の手伝いならわかりますが、出来ないのが普通だと思います。 「できるっていっても、カレーぐらいだけどね。調理実習で習ってるし、お母さんと一緒に作ったことあるから何とかなるでしょ」 「うーんそうか」 ちょっと正志は不安そうな顔をします。 真那ちゃんはそれに頓着せず、冷蔵庫を漁って材料を確かめます。 「野菜とお肉はあるし、カレーの元もあるし、いけるいける。ジャガイモとか人参剥くのオジサンも手伝ってよね」 ピーラー(皮むき器)を渡されます。 まあこれなら、包丁で剥くよりは上手くできるでしょう。 カップ麺よりはいいかと、正志も大人しく野菜を剥くのを手伝うことにしました。 「おっと危ない、お米炊くの忘れるところだったぁー」 そんなことをつぶやきながら、やや危なっかしい様子で真那ちゃんのクッキングが始まります。手足が短くて調理のやりづらそうな真那ちゃんを手伝いながら、やろうと思えばなんとかなるものだなと正志は思いました。 きっと真那ちゃんと一緒でなければ、きちんとした自炊をしようなんて考えたこともありません。独りで居たときはそんな気にもならないし、茉莉香たちと一緒にいるときは相手にやらせっぱなしになってしまっていました。 真那ちゃん相手だからこそ、正志は自分で慣れないことをやろうという気にさせられるのです。 これが家族を持つ男の成長なのかと、正志は感慨にふけったりしています。ちょっと大げさですけどね。
「やってみると面白いもんだな」 「そうでしょう、私も料理の手伝いは嫌じゃないもん」 炊飯器からお米が炊けるいい匂いがしてきました。 カレーの方も、具を入れて煮込むだけですからなんとか形にはなっているようです。出来上がった途端に、さっと皿に配膳して二人でカレーを食べました。 本当はカレーももっと煮込んで、お米も蒸らすといいんですけどね。 「どう美味しい?」 真那ちゃんは先に一口食べた、正志の顔色を伺います。もしかしたら、毒見のつもりかもしれません。 「うん、美味い。家庭のカレーの味だな」 味の方も、幸い上出来な仕上がりだったようです。 正志が美味しそうなので、真那ちゃんも安心して食べます。 さすがにジャガイモの芽を取るのを忘れたりするような、致命的なミスはありませんでした。 真那ちゃんも正志も二杯ほど食べて、満足します。 「お風呂炊けたよオジサン」 真那ちゃんは割とテキパキと家事をこなしています。 お風呂もさっと流してボタン押すだけなのですが、十一歳にしてはよくやっています。普段から身重のお母さんを手伝ってたのが生きてますね。 「一緒に入ろうか」 正志がそう言うと、真那ちゃんはちょっと考えてから。 「うーん、いいよ」 そう頷いて、脱衣所に駆け込みました。
「真那ちゃん、いつもはお母さんと一緒に入ってるの?」 「バカにしてるでしょ、私はもう一人でお風呂に入れるよ」 岸辺家のお風呂場も、ほとんど作りは一緒ですから風呂桶もほぼ一緒の大きさです。例えばこれが茉莉香となら一緒の湯船に入ればいっぱいっぱいになってしまいますが、真那ちゃんとなら余裕があります。 ザブンと二人で入っても、お湯が溢れることもありません。 普段はくくっている髪を解いていますから、湯船の中に真那ちゃんの長い栗色の髪がふわっと広がります。 ソフトクリームみたいに真っ白い肌と、しっとりと濡れた栗色の髪のコントラストが綺麗です。 「そうかー、真那ちゃん大人だからなあ」 正志は、わざと真那ちゃんをからかうように口調を真似して言いました。もう何度も聞いているパターンですから先回りです。 「そうだよ、もう大人だからねぇ」 真那ちゃんはそれを相手にせずに、自分の口癖を繰り返しました。 「オマンコ触っていい」 正志は、湯船のなかで柔らかい真那ちゃんの身体を抱き寄せると、臆面もなくそんなことを尋ねます。 「ちょっとならいいよ」 背中から手を伸ばして、正志は真那ちゃんの股をまさぐります。 未成熟な真那ちゃんの入り口を開いて、何とか感じさせようとする円を描くような触り方。正志の方も、それを受け入れる真那ちゃんの方も慣れたものです。 湯船でのぼせたのか、それとも多少は感じているのか真那ちゃんのホッペタが紅潮していきます。 「オッパイは、あんまり気持ちよくないよ」 正志のイヤラシい手が伸びて、まだ蕾のような小さな乳首を刺激すると真那ちゃんはそう言って身を捩りました。 「おおそうか、んっ……乳首は気持ちよくないってことは、オマンコは気持ちいいのかな」 「……」 真那ちゃんが俯いて黙ってしまうので、正志も妙に興奮してしまいます。
あっけらかんとしていると思えば、大人のような反応を見せることもあって、少女というのは複雑なものだなと、正志は思うのです。 湯船の中で柔らかい身体を抱きしめて、しばらく指先でクリクリと真那ちゃんの小粒を弄っていると、指先に滑りを感じました。ただのお湯とは違う感じです。 どうやら少しは、濡れるようになってきたようです。 「俺のチンチンが入るように、穴をよく、ほぐして置かないとな」 「ええーっ、挿れるの?」 真那ちゃんは、ビックリして振り向きます。 「無理には挿れるつもりはないけど、いずれはな……ほら、真那ちゃんも大人なんだろ」 「そんなとこは、まだ大人にならなくてもいいよぉ」 そんなことを言われると、正志の股間はムクムクと反応して大きくなります。このまま真那ちゃんをすぐにでも大人にしてしまいたいような強い欲望を感じますが、むしろそれは先にとっておいて子供のままの反応を楽しみたいような、正志はそんな相反する気持ちで揺れるのです。 太い指先で真那ちゃんの女の子の中を確認しながら、湯船でポカポカに温まるのは幸せな気持ちになるものです。 「でもさ、お母さんの代わりをしてくれるんなら、やっぱり挿れられるようにならないとダメでしょ」 「あっ……、そうか。うん」 真那ちゃんは、そう言うと頷いてくれます。 もちろん正志は、酷いことをするつもりはないのですが。 「じゃあ、指一本だけ。小指の先だけ中に入れてみていい」 「う、うん……でも痛かったら、すぐ止めてね」 言われるまでもありません、正志はゆっくりと真那ちゃんの中に小指を差し入れました。 濡れているせいか、湯船の中のせいかやけにあっさりと小指をの中ほどまでズブリと受け入れてくれます。 「どう、痛くない?」 「ううん大丈夫だけど、変な感じがする」 変な感じかと正志は呟いて、大事を取ってこれ以上は押しこむのを止めました。小指だけでも、狭い膣穴はかなりの圧力をもって締めつけてくるのです。 こんな穴の中に、正志の太いものを差し込むとかやっぱり無理なんじゃないかと思えてきます。 それ以上挿れない代わりに、小指を上下させて穴を押し広げるようにしました。 ズプズプと小指でピストンできますが、どうにも穴が広がっているようには感じません。 ここまでかと正志は思います。
「じゃあ、今日も真那ちゃんのオマンコで素股してもいいかな」 「うんいいよ」 もう慣れたものなので、真那ちゃんは湯船の中でお尻を浮かせるようにすると、自ら正志の股の上に腰を下ろして自分の穴を正志の完全に突起している肉棒の先っぽに押し当てました。 このまま正志が強引に押し込んで乱暴されるとは思っていないからこそできることです。その程度には、正志も信用されているのです。 痛いほど勃起してビクビクと震える亀頭の先に、妙にヌルヌルとヌメる少女のワレメの感触を感じます。 「じゃあ、こするからね」 「う、うん。強くしないでね……」 真那ちゃんがこすりやすいようにお尻を浮かせてくれているのでその下に滑りこませた腰を動かして、膣口を擦り立てます。 「気持ちいい?」 本当にセックスしているわけではないのですから、気持ちいいわけがないのですが、反射的にそんなことを聞いてくる正志もそうとうなものです。 「わかんないけど、お股におチンチンがあたってるのは分かるよ」 真那ちゃんにそんなことを言われて、正志は興奮してしまいました。思わず腰の動きが早まり、ニュルッと勢いよく真那ちゃんの穴の中に陰茎が滑りこんでいきます。 水流の力もあってか、思いの外勢い良く突き刺さってしまいました。亀頭の先を締め付ける穴の締りの強さに正志は思わず呻きます。 それよりも、心配なのはメリッと音を立てて、真那ちゃんの中が広がったような気がしたことです。 「大丈夫痛くない?」 正志は慌てて、真那ちゃんに尋ねます。 「ううん大丈夫だけど」 どうやら、膜がお風呂でふやけて緩んだのかもしれません。バックから座位で挿れているのもいいのかもしれませんね。 「そうか、痛くないならいいけど。このままいかせてもらうね」 亀頭が完全に真那ちゃんの中に入っています。 このまま力強く押し込んでしまえば、膜を散らせることもできるのでしょうが正志はそれはしません。 それよりも、とりあえず繋がったことで十分満足できるのです。 事セックスに関しては、正志は大人の余裕を、多少は持っているのかもしれませんね。 真那ちゃんの穴の中で、亀頭を挿れたり出したりしながら、興奮を高めていきます。しかしそれだけでは射精に至るまでの快楽の量が足りません。 「真那ちゃんの中に出してもいいかな」 「うんいいよ。出していいよ」 そんなことを言わせながら、腰をお湯のなかでゆっくりと上下に動かします。正志も興奮で息が荒くなっていますが、真那ちゃんも茹だってほっぺを紅潮させてポケッとしているようです。 「赤ちゃん妊娠してもいいのかな」 調子に乗った正志は、そんな最低なことを言います。なにせ真那ちゃんの母親は、いま病院で弟を出産しようって時ですからね、最悪のタイミングです。 「ええー、なんで赤ちゃんできないんじゃないの」 真那ちゃんは少し怒ったように口を尖らせます。さすがに温厚な真那ちゃんでもこれは怒ります。 しかし、自分の股ぐらに凶器を突きつけられている状態では身動きは取れません。 「もちろん今はできないよ。真那ちゃんの身体はまだ赤ちゃんができる準備ができてないからね。でもこれが子作りの行為だってのは知ってるんでしょう」 「うん、それはそうだよね」 それは真那ちゃんも知っています。 なぜなら、実例を見ているのですから。 「真那ちゃんも、もうすぐ大人の身体になるんだよ。そうしたら、俺が真那ちゃんのオマンコに精液を出したらどうなるかってのは分かるでしょう」 「うん……」 真那ちゃんは頷くしかありません。でも、そんなつもりじゃなかったのです。自分に赤ちゃんができることなど、まだ彼女には想像もつかないことです。 母親が妊娠して出産に至る様子を見ているからこそ、自分もああなるとはちょっと考えられないのでした。 「じゃあ、真那ちゃんも俺と赤ちゃんを作っても良いってことだよね」 正志は得意げにそんなことを言いながら、鼻息荒く亀頭の先を擦りつけて真那ちゃんの赤ちゃんを作る入り口を刺激します。
「オジサンとって……、でもそれはやっぱりダメだよ」 真那ちゃんはつれないことを言います。 「なんでダメなの」 「だって結婚しないと赤ちゃん作っちゃダメなんだよ!」 真那ちゃんはちょっと大きな声でそう言いました。お風呂場に、その叫びが響き渡ります。 それは、結婚していないのに子作りをしてしまった自分の母親と正志の両方に言いたいことでした。 真那ちゃんはよく母親を見ていますから、佳寿美が十分それで悩んでいることも知っていますが、それでも納得できるかといえば全然できません。 「じゃあ、結婚したらいいのか」 正志は、自分が母親の件で非難されていることに気が付かないのか、そんなトンチンカンなことを呟いています。 「結婚したらって……、それならいいけど」 真那ちゃんにとっては、このオジサンは何を言っているのだろうって感じです。 「じゃあ真那ちゃんは、今誰か好きな男の子とか居る」 「えっ、いきなりそんなこと聞かれても……、特にクラスにはいないけど」 正志はもしかしたら、正志のことが好きだと答えて欲しかったのかもしれませんね。まあそんな都合のいい話はありません。 「じゃあ、俺と結婚したらいいよ。それなら赤ちゃん作ってもいいんだろ」 「それは、ええっ、私がオジサンと?」 まあ真那ちゃんにしたら、そんなこと考えたこともありませんよね。 「そうだよ、真那ちゃんはお母さんの代わりをしてくれるんだろ。だったら俺と代わりに結婚してくれればいいよ」 正志も、こんなバカな話を本気で言っているわけではありません。 ただ亀頭をこするだけの刺激で、射精するまでの興奮が欲しかっただけです。 しかし真那ちゃんにとっては、冗談では済みません。目を白黒させて、困惑しています。それでも言われたことを真剣に受け止めて、考えては居るようでした。彼女にとっては、自分の小さな股間に、男のモノを擦り付けられているんですから、冗談で流す話にはなりません。
「どうなの、結婚してくれるのしてくれないの」 「ああー、でも私まだ結婚出来る歳じゃないし、困るよぉ」 真那ちゃんはそういう逃げを打ちました。逃げですが、まあ当たり前ですよね。小学生に求婚するほうがバカなんですから。 「じゃあ結婚できる歳になったら結婚してよね」 「ああーどうしよう、ううーん、じゃあ大人になったら考えるっ!」 ちなみに真那ちゃんは、結婚できる年齢が何歳なのかも知りません。 だから漠然とそう答えるしかありませんでした。 「じゃあ、大人になったら俺の赤ちゃんを産むんだぞ」 正志はこんなバカな話をしながら、しっかりと興奮していて声がだんだんと甲高くなっています。 「あー、赤ちゃんは結婚してからじゃないとダメだからね!」 真那ちゃんは冗談と思っていませんから、必死にそんなことを言い返します。 「よしじゃあ、赤ちゃん作ってから結婚しような」 「違うっ、赤ちゃんは結婚してからっ!」 興奮した真那ちゃんが、湯船の中でバタバタと暴れたせいで、さらに股間の中に正志のモノがめり込んでいきました。 メリッ、メリッと強くめり込んでいって亀頭の先どころか陰茎の中ほどまで挿入されます。伸びきった処女膜が、少し切れてしまった程です。 そうなると膣穴はあまりにも強い締め付けですから、正志もようやく射精に至るまでの刺激を受けることができました。 「よし、真那ちゃんの中に精液出すぞ」 「あーん、ダメだよ! まだ赤ちゃんはダメッ!」 さっきまで中に出してもいいと言っていたのに、正志の変な冗談のせいでダメに変わってしまったようです。 しかし、そんな真那ちゃんの拒絶も虚しく射精欲が限界に達した睾丸は収縮を繰り返して陰茎に向けて精液を送り出していきます。
真那ちゃんの中で触れた亀頭の先は、ドピュッ!とまだ誰の手にも触れていないピンク色の膣奥に向けて白く濁った精液を迸らせました。 ドピューッと噴き上がった精液は、真那ちゃんの処女膜に開いた小さな穴の奥へと流れこんでいきます。 そうして、たっぷりと緩んだ膣穴に入り込んで未成熟な子宮口の先までも粘着性の高い精液で汚していくのでした。
「ふうっ……」 正志が満足して腰を引くと、湯船の中のお湯の中に白い精液の塊が流れだしていきます。精液はタンパク質の塊ですから、お湯の中ではすぐ凝固して白い帯になって流れていきます。 「ああーん、中でダメっていたのにぃ……」 ちょっと切れてしまった真那ちゃんの破瓜の血も一緒に流れていくのですが、その一筋の赤はすぐ湯に溶けて見えなくなってしまいます。 だから真那ちゃんが、この日ほんの少し初体験をしたことは正志にも、当の本人にも気が付かれないことでした。 「ごめんごめん、ほら身体を洗ってやるから怒るなよ」 「ううっ……、本当に赤ちゃんはまだダメだからね。分かってるのオジサン?」 「わかってるけど、真那ちゃんもいい加減、オジサンはダメだからね……」 そんなことを言い合いながら、二人は湯船に上がるのでした。
お風呂でたっぷりと温まると、正志はベットで布団にくるまって真那ちゃんを抱くようにして一緒に眠りました。 安らかに眠る真那ちゃんの可愛らしい顔を見ていると、正志も落ち着きます。 佳寿美の方は大丈夫だろうかと不意に頭をよぎりましたが、正志は心地良い疲労感がもたらす眠気には耐えられずまぶたを閉じました。
岸辺佳寿美が、近所の病院で無事に男の子を出産したとの連絡が入ったのは、二人が朝遅く起きだしてきた後の事になります。
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