第九章「中休み」 |
「いやはや、君も次から次へとよく身体が持つねえ。他にも実験してもらってるケースはあるんだけど、せいぜい二人か三人だよ」 今日のレポートを読んだらしく。リモートコントロールされているらしい正夫のパソコンから、製作者のややあきれた声が聞こえてきた。 「はあ、やり過ぎでしょうか。まだ回ってないターゲットがあるんですが」 「いやいや、もちろんこっちとしてはデータが取れてありがたいんだよ、ただゆっくりやってくれてもいいってことさ」 「ありがとうございます」 「こっちとしては、君がどう収拾をつけるかも楽しみにしてるんだよ。そこらじゅうに、子種付けまくってるみたいだし、ここまで徹底してやる人も稀だねえ」 「そんなもんですか、やるなら徹底してやりたいと思いまして」 「いい心がけだ、こっちは長期的調査にするつもりだから、焦っておかしなボロを出さないようにしてくれればそれでいい」 そういうと、また勝手にPCがシャットアウトした。ゆっくりやっていいという忠言に従うことにして、素子の部屋に行こうかと外に出た。
大人しい感じのロリ巨乳といった風情の梶井素子の家は、もっとも場所が近いこともあって、ご飯をご馳走になりに頻繁に寄っていた。 素子は、すっかり正夫が彼氏だと思い込まされているので、しばらく放置すると向こうからご飯に誘いに来ることもある。急な来訪についても、家に居るときについては快く受け入れてくれる。 亭主関白気取りで正夫が「ごはん」と言うだけで、用意してなくてもあり合わせのもので手早く作ってくれたりもする。あらかじめ作っているときは、初めて来た日もカレーだったが、素子の部屋はカレーの日が多くて、今日もそうだった。好物なのかと聞くと「そうでもないけど簡単にできるし、初めて覚えた料理だったから」という答えが返ってきた。そういうものなのだろうか。 結構素子とやるのは久しぶりなので「じゃ、しようか」といって理解できるかどうかと思ったが、すぐ分かったようで俯いて「はい」と言ってベットを整えだした。話が早くていいなと思い、さっと押し倒したら、素子が恥かしそうに「あのー」と口ごもりはじめた。 「なに?」 「あの、ゴム買ってきたんですけど……」 どうやら、素子はコンドームを買ってきたようだ。そういう機転を利かせるような子には見えなかったので少しびっくりする正夫。だが、狼狽は表にださないように平然と対処するのが催眠の術だ。 「いや、ゴムはいらないよ」 「え……でも、だいたいなんですけど……その危ない日に入り始めてると思うので」 「あー妊娠の心配? いいじゃないできちゃっても」 「ええっ! いや……だって恋人同士でもまだ私は学生だし……」 「いいんだよ、できたら結婚するんだからぼくら」 そんな話は初耳の素子。物凄い急展開だが、当然のように催眠電波の範囲かにあるのでなんとなく納得してしまう。 「ええ、そうなんですか……結婚するんだ……」 「そうだよ、できたらご家族とか連れてきなさい。説得というか、説明するから」 もちろん正夫は、催眠で家族も全員丸め込んでしまうつもりだ。 「そっか……いいんだ」 「むしろ、早く子供作ろうよ。おめでたいことなんだからいいでしょ」 「はい……じゃ作りましょう」 なんとなく心配とは逆の方向に丸め込まれてしまった素子だった。すでに何度もやった間柄なので、素早くお互い準備を済ませて挿入までいってしまう。それにしても、なんど嬲っても飽きないなあこの爆乳と、正夫は思う。正妻は、やっぱり素子だろうな。「あっ……正夫さん……」 嬲る手を止めて聞く。 「私幸せです」 そういって、ぎゅっと抱きついてくる素子。無理やり抱くのもいいが、こういう相思相愛もいいなあと、心から正夫は思いながら、いいように素子の豊満な体を嬲っていく。ぎこちないながらも、正夫の動きに必死にあわせてようとしてくれる素子のいじらしさがいい。正夫は、この実験を始めるまで経験などなかったがさすがに連日連夜やっているので、性交にも手馴れてきた感があり余裕も出て来た。 ほんのすこしだが、重度の引きこもりによって太りきった正夫の肉体にも、締まりが出て来たように感じる。分厚い肉で見えないが、腹筋もついてきたのだろう。これでセックスというのは、運動にもなるのだ。 ジュッジュっと小気味よい音を立てながら、素子が好む体位である正常位で交わる。素子のやわらかい肉の襞が、チンコを擦り取るように刺激してくれる。突いて、引くたびに強い快楽を感じるのか、素子は息を荒げて目をとろけさせる。正夫は幸せを感じて、我慢せず、出してしまうことにした。 「素子出すよ」 「はい……」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
「何しに来たんですか……」 あいかわらず玄関先では、とげとげしい対応で沢石亜沙子が応じる。 「ちゃんとしてるかどうか、調査にきました」 ニマっとイヤラシイ笑いをする正夫。 「もう妊娠しましたか」 「そんなこと! ……まだ分かるわけないでしょう」 「そりゃ、そうですね。では今の状況を報告してください」 「指示通り、旦那と今日はしました……一回口で抜いてから中に出してもらって一回です、自分ではアクメは感じてません……それも指示通り……」 「そうですか、それは何よりです。旦那さんは、何か気がつきましたか」 「いいえ……何も……残念ながら」 旦那への催眠はどうやら必要ないらしい。 「用事が済んだなら、帰ってくれますか。子供がそろそろ起きる時間です」 「そうですか、手早く済ませましょう」 「ええ……するんですか」 泣きそうな顔で、だが従順に応じる亜沙子だった。泣き崩れる亜沙子の顔を見ながら、今日はこのぐらいにしておくかと正夫はつぶやいた。
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「下のお口に食べさせて」 |
午前一時、深夜のファミレスの前でスーツ姿の若い女性が立ち止まった。 「お腹空いたし……夕飯まだ出しなあ」 彼女は仕事で遅くなって、この付近のホテルにも泊まるつもりだった。太るかなあと少し躊躇しつつ、今日は仕事をがんばったのだからという思いもあって思い切って食べることにした。食べるとなったら、がっちりステーキ定食だろう。たしか二時閉店だから、オーダーストップは一時半のはず。大丈夫だなと確認して、店に入店した。 このファミレスには、何度も来たことがあるから……当然のことだが、警戒などすることはなかった。客が自分以外居なかったとしても。
店は、店長の石井圭太とバイトの二人が居た。店内には、この時間特有の気だるさが漂っており、バイトはさっきから厨房で欠伸ばかりしていた。店長も、似たような気分だったのだが、入店してきた若い女性を見て急に身体を強張らせた。それは、客が来たからというだけではないのだが、そのような些細なことに女性は気がつかなかった。 女性に水を出しながら、時計を確認する……午前一時十五分。何度も、このチャンスを待っていたが、これほどまでに好機に恵まれたことはない。 「ステーキ定食ください」 「はい、ステ定ひとつ入ります」 厨房のバイトが注文を聞いて作り始める、調理に約十五分。その間に、水を飲んで眠そうに机にもたれかかっている女性の肢体を物色する圭太。スーツの上からでも、いやだからこそなのだろうが、形のよいオッパイをしているのが分かる。眺めのタイトスカートから、良い腰つきが感じられる。程よい肉付きも圭太の好みだ。ここは、オフィス街に近いのでその会社の人間だろう。顔も疲れきってはいるが、化粧っけがないのに元々の造詣がいいのか、美人の部類に見える。化粧が無いというのは、後片付けを考えると、とてもありがたい。 「よし、このまま順調に進んだら……」 やってしまおうと、圭太は迷いを振り切った。時間通りに、調理を終えてしまうバイト。別に手際がいいというわけではなくて、誰が作ってもそんなものなのだ。 「そろそろ終りだな、俺もう店閉めとくから厨房片付けたら帰っていいよ」 そういうと、茶髪のバイトは眠そうな目を擦りながら 「いいスか……ありがとうございます!」 そういって現金なことに、急にテキパキと厨房の後片付けを始めた。帰れると知った途端にこのスピード。女性のほうに目をやると、黙々とステーキ定食を食べている。十分で厨房の片づけを終えたバイトは、一分もたたないうちに帰り支度を済ませて後はお願いしますとダッシュで消えた。 「あいつもアレぐらい、いつも早く仕事してくれたらなあ」 そういう風に呆れながらも、勝手口の方の戸締りをさっとする。店の方を見ると、女性が食べ終わるところだった。 「お水どうぞ」 さっと、お水を入れた。 「ありがとう」 女性は疲れた顔でニッコリ笑うと、食事の余韻を振り切るようにグッと水を飲んで……笑ったままの顔でゆっくりと前に顔を伏せた。さっと、皿を避けてやる。カウンターに倒れこむように、グーグーと異様なほどの高い寝息を立てて、女性は昏睡してしまった。 午前二時ジャスト、圭太は静かに店のシャッターを下ろした。静かにガッツポーズをすると、女性の食べた皿だけ片付けて女性を抱えて、休憩室へと連れて行く。さて、水に入っていたハルジという睡眠薬は、飲んで一時間は何をやっても目を覚まさないということはすでに確認済みだ。 カバンを開けてみると、財布に五万も金が入っていた。 「結構、溜め込んでるんだなあ……キャリアウーマンって儲かるのか」 もちろん、目的は物取りではないので手はつけない。社員証も一緒に入っていた、これが目的なのだ「倉澤みゆう」二十四歳……たぶん独身。妊娠検査薬が入ってるのが気になるピルは持ってないので避妊はしてないようだ。あとは生理用ナプキンとか、化粧品とか気になるものはない。あ、携帯……シャメに男性が写ってた、なかなかの二枚目だこいつが彼氏というわけだろうか。物色は辞め、もとあるとおりに戻しておく。 「名前が分かると、萌え度が違うからね。みゆうちゃん」 そういって、店長は笑いかけるとするすると服を脱いでいった。 「避妊検査薬を必要とするような悪いことしているのは、このお口でちゅかー」 そういって、みゆうの口を指でニッと開かせる。可愛い顔が間抜けな感じになって笑える、間髪いれず口付けする圭太。無理やり舌を入れて絡ませる、濃厚な香辛料の味がした。この店自慢のステーキの味である。さっき食べたから当たり前か。その味がなくなるまで、徹底的に嘗め尽くしてやる。執拗に口を嬲りながら、起きないかをたしかめる圭太はやはり小心ものなのだろう。 「上のお口で、お肉を堪能したみたいだから、今度は下のお口で肉棒を楽しませてやるよ。みゆうちゃん……」 あえて、一発目はスーツを脱がさなかった。ブラジャーも外さずに、その胸の豊満さを楽しむ圭太。そして黒いスカートをたくし上げて、インナーがあらわになる。地味めなレースがついたベージュの下着だった。するすると降ろしてみると、股の部分が少し汚れている。すぐ、直さないといけないから下着には悪戯せず脇に置く。 オマンコがお目見え、当然のように処女ではないだろう。すっと開くと、まだ濡れてないオマンコがそっと開く。すぐ舌を入れて湿らしてその狭まった穴を広げる作業を開始する。 「ちょっと酸っぱいけど……ジューシーだな」 相手は昏睡しているので、入れられるほど濡れてればいいだろう。そう思って、さっと、股を開いて圭太は自分の腰を落ち着けた。普段風俗には通っているが、やっぱり生で入れるこの感触には変えがたいものがある。ニュルッと入り込んでいって、カリが引っかかるたびに、肉襞が心地よい刺激を与えてくれる。 「ううっ……いいなあ。みゆうちゃんは、下の口も当たりだったようだ」 無言で、ピストンを続ける。あえて、服をぬがさずスーツ姿のままで犯される姿がさらに圭太の扇情をかきたててくれる。 寝息を立てながらも、さすがに感じて来たらしくてみゆうも息が荒くなってきた。 「下の口で、味わうお肉の味はどうでちゅかーみゆうちゃん」 そうやって、ピストンをゆっくりめにして、みゆうの頬をひっぱったりして遊ぶが、当然のように反応は無い。最近溜まっていたので、早くもこみ上げてきてしまった。無理せず出してしまおうか。 「みゆうちゃん、お肉だけじゃなくて精子も飲む?」 ゴムも用意していたんだが、結局生で入れてしまったし、さすがに中だしは拙いかという気持ちもあるが、出してしまいたい。 「みゆうちゃん、いいの中に出しちゃっても。答えないと、膣の中に中だししちゃうよ」 みゆうは当然答えられなくて、息を荒げるだけだ。ブルブルと震えて、どうやら感極まったようだ。キューと、膣壁が収縮して腰から熱いものがこみ上げてくる。 「あっ……もう我慢できない、みゆうちゃん出すよ!」 みゆうの笑顔を食い入るように見つめながら、溜まったものを放出した。
ドピュドピュドピュドピュ!
みゆうの無抵抗の子宮へと、ドクドクと叩き込まれていく。全てを放出し終わって、挿入したまま、圭太はひと心地ついた。このやりきった後の余韻がたまらない。みゆうの頭を撫でながら、圭太は愛を込めて顔中にキスを降らせた。 「さてと」 まだ一発出しただけなので、圭太のものはみゆうの中で硬度をたもっている。みゆうの下の口は、圭太の精液を飲み込んだまま吐き出さないようだ。いいオマンコをしている。圭太の経験のなかでも、みゆうのものは最高級に近い。ゆっくりと、ピストンを開始しながらスーツを脱がし、ブラウスのボタンを外していく。まだ、時間はある。もう一発、いや二発。形のよいベージュのブラを外した。 「これは……」 巨乳なことは見ていたが、仰向けに寝ているのに胸が上を向いて型崩れしない。実にいい乳だ。瞬間、みゆうの彼氏に嫉妬して腰に力が入る。 「羨ましいなあ彼氏が」 ピストンしながら、胸を嬲り腰つきを楽しむ。こんないい女が彼女だったらなあと思う、圭太のスペックでは無理な話だろうが。彼氏は、毎回やっているのだ。俺は今日だけだなあと残念に思う。 すでに、乳頭はビンビンに立っている。乳輪も小さめで、それでいて乳頭が長い。ちゅーちゅーと吸うと、乳を吸っているような気にさせられる。嬲るたびに、昏睡しているはずのみゆうは反応を返す。嬲るように舌を吸って、その感触も楽しむ。
ドピュドピュドピュ……
「ああ、また出ちゃった妊娠したらごめんね。みゆうちゃん」 まだ、硬度が落ちない。今日は何発でもいけそうな感じだ。体位を変えて抱えるようにして、裸のみゆうを抱きしめる。二発も、すべて子宮に飲み込んだみゆうだが、さすがに立たされると接合部から、徐々に愛液と精液の混合物が太ももをつたって流れ始める。 「いいよね、妊娠検査薬持ってるくらいだから、彼氏にも中で出させてるんでしょ」 だから、圭太も中で出していいという理屈はどうだろう。気分を帰るために、駅弁ファック状態で今度は店のほうに持っていって、客用ソファーのところで犯すことにした。抱えるようにして、みゆうを抱きしめて身体を密着させる圭太。
ドプドプドピュ……
また、放出した。圭太が通ったあとに、点々と精液の落ちた後が残るのだった。結局一時間ちょいの間に、圭太はパイズリからイマラチオまでさせて計五発。溜めていたとはいえ、よく出し切ったものだ。その後が大変だった、まず店の匂いを全部消して、股から精液を垂れ流して寝ているみゆうの身体をアルコールタオルで洗浄、まぐあった形跡を消すというのはとても大変な作業なのだ。圭太はなれているので、それも半時間で終わらせた。睡眠薬の効力時間ぎりぎりである。 「ん……んん」 休憩室のベットでみゆうは目を覚ました。 「あー、お客さん大丈夫ですか」 善人そうな顔で、心配げに覗き込む圭太。 「あれ……わたし」 「いや、お客さんがいきなり倒れたから心配しました。お体の具合は大丈夫ですか、医者呼びましょうか」 「え……あれ」 なんだろとみゆうは記憶を呼び覚ます、あーなんかステーキ定食食べたあとで急に眠たくなって寝てしまったようだ。自分としたことがとんでもない失態である。ふっと、身を起こすととりあえず謝った。 「すいません……ご迷惑をおかけしました」 「いや、いいんですよ。うちのお店の料理に問題がなかったかと心配です。お体は本当に大丈夫ですか」 「ええ……まったく元気です。すいませんこのところ過労が続いてたんで、寝てしまっただけみたい」 「そうですか……」 「ご迷惑かけてすいませんでした」 そういって、よろよろと立ち上がるとみゆうは身体の調子をたしかめた。うーむ、よく眠ったみたいで元気だ。 「じゃ、お店のシャッター開けますから。もし、料理に問題があって体調崩されたのならあとからでもいいから連絡してくださいね。わたしは店長の石井といいます」 あくまでも善人そうに、圭太はみゆうをささえながら店の外まで送った。 「すいません……眠ってしまっただけみたいですから」 そういいながら、まるで体中を奇麗にしたみたいに、やけに身体がすっきりとしているのを少し不審に思ったが、店の中に唯一残っていた、みゆうと圭太の愛液の滴りには気がつかないで退店してしまった。 「あー、やっちゃったなあ。過労かな、ホテルで寝なおそう」 そういって、みゆうは深夜営業のホテルに駆けて行くのだった。圭太は充実感を振り切るように、店の片づけを本格的にやって今度は本当に店を閉めた。
あのあと、また何日かしてお店に来て迷惑をかけたことを謝ってきたみゆうだった。気がついた形跡はないことに圭太は安心した。その後何度かお店に来たが、あるときからぱったりと来なくなった。
……九ヵ月後……
ふと圭太が見上げると、私服でお腹が大きくなったみゆうが町を歩いていた。そうか、妊娠して結婚したのかなと思った。圭太の子供である確証などまったくないが、それでもそうならいいなと圭太は思って微笑んだ。そんな笑みに、みゆうは気がつかずに足早に通り過ぎていった。仕事がんばろう、そして引き続きあっちのほうも……と圭太は思うのだった。
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第八章「真辺美樹」 |
伊川蛍子は次の日の遅くなって起き出してからが大変だった。病院にアフターモーニングピル(一応、事後避妊ができる薬)を飲みにいくだの、出来たら絶対に堕児するだの言い始めたため、暗示にかけて「古森正夫に射精されても、絶対に妊娠しない」と言ってみると納得した。どうやら、嘘でも伊川蛍子が看護婦として知っている医学知識に合わないことでも、ちゃんと催眠で納得させられるようである。 蛍子は、休日の午後をゆっくりと過ごすというので、また梶井素子の家にご飯をご馳走になりに行くついでにレポートを仕上げて製作者に送っておいた。そういう報告が一番助かると礼を言われた。さて、どっこいしょとおっさん臭い掛け声と共に、正夫は立ち上がると今度は十一階に向かう。真辺美樹の住んでる階だ。 真辺美樹は二十四歳、伍石商事会長の二女で、関連会社の新興ホールディング社の社長秘書を務めている。いわゆるお嬢様の暮らしもできるのに、あえて新企業の社長秘書として現場で経営学を学んでいる。上昇志向の強い女だ。いつも、きっちりしたスーツで出かけていく意志の強そうな横顔を、正夫は管理人室からいつも羨ましげに見ていたものだ。そんな女も、いまの正夫には自由にできるのだ。
ビィーーー
インターホンのベルを鳴らす。この時間なら、帰宅しているはずなのだが、なかなか出てこない。留守かなと、いきかけた時に扉もあけずにイヤホンから「あなた……誰ですか」と声をかけてきた。用心深いのだなあ。 「あのーすいません、管理人のものなんですが重要な用件がありまして」 「管理会社の人? いつもと違うみたいだけど……」 「いや古森正夫と申しまして、このマンションの管理人なんです」 「このマンションに管理人が居たなんて聞いたことが無いわよ」 なんていう用心深さだ、本当に催眠電波が掛かってるのか疑いたくなる。 「どこに確認してもらってもかまいませんよ。ぼくは、一階に住んでるんですから、ここは完全オートロックだから外部の人間が入れるわけがないでしょう」 「それもそうね、それで用件というのはインターホンで済ませられないんですか」 「あの、電話で済むんなら直接来ないと思うんですけど……」 「しょうがないわね」 ようやく、ガチャっと扉が開いた。若干不安になったが、催眠電波は効いてる……はずだ。 「重要な用件ですので、中でお話してもよろしいですか」 「……しょうがないわね」 中に入れてもらえた。やれやれ、どうやら催眠に掛かり難い人なのかもしれない。意志の強い人間だからだろうか、とにかくこれは骨が折れそうだ。どう責めるべきか。 「そこに座ってもかまいませんよ。いま会社から帰って来たところで疲れてるので、早めに済ませてもらいたいものですね」 言われたように、高級そうなソファーに座る。小さい身体をさらに丸めて座っている薄汚い正夫を、汚らわしいものを見るようにロングの黒髪から覗く切れ長の目が鋭く凝視している。帰宅したばかりとは本当のようで、まだぴっちりとしたスーツを着込んでいる。スーツの上からでもわかるふくよかで、それでいて無駄な贅肉など一片もついてなさそうな物腰。目つきが鋭すぎであることを覗けば、美人と言ってもどこからも文句はでないだろう。それにしても、これじゃどっちが催眠にかかっているのかわからない。とりあえず、催眠に本当に掛かっているのかを確かめるために、正夫は切り込みをかける。 「これから、私がいうことは全て正しいことだと思ってください」 「あなたのいうことを正しいと思ったらいいのね」 OK、どうやら催眠の効果は出てるようだ。つっけんどんなのは、疲れているのと元々の土台のせいだろう。ほっとして、やわらかいソファーに身を委ねながら正夫は始める。それを見つめる美樹の目は、ソファーが汚れると非難しているようだ。 「あなたのお仕事は秘書だ」 「そうよ、何を分かりきったことを……」 「お疲れのところ申し訳ないんですが、この建物では私の秘書をしてもらいます」 「え、何ですってよく理解できなかったんだけど……」 さすがに、面食らったような顔をする美樹。本能的に、聞き取るなと脳が警告音を発しているようだ。正夫は、噛んで含めたように何度も説明して理解させた。 「つまり、この建物ではあなたは管理人の私の秘書として働いてもらいます。これは仕事なんです。わかりましたね」 「……わかりました」 「ぼくは、君の上司でぼくのいうことは絶対です、理解したら返事を」 「……はい」 渋々という感じで頷く美樹。催眠電波は正常のようだ。 「まったく、美樹君は物分りが悪くて困るよ。本当にそれで秘書が務まってるのかね」「な……心外です」 自分の能力をなじられて、騒然となる美樹。有能な上に、親の七光りというバックもある会社でそういうことを言われた経験はないのだろう。 「さあ、こっちに来てぼくに奉仕をしてくれたまえ」 「奉仕? なんで、服を脱ぐんですか、ちょっとやめて! 汚い……です」 スルスルと、正夫は服を脱いでしまった。 「本当に美樹君は理解力に欠けるね、上司が秘書の自宅に来てやることといったら一つに決まってるじゃないか、えぇー」 そういって、イヤラシイ感じで語尾上げする正夫。まったくもって理解できないという感じで、目の前で勃起している汚らしいモノから目をそらし、嫌悪感を抑え切れず顔をゆがめながら硬直している美樹にしょうがなく説明する。 「セクハラだよ、わかるかねセクシャルハラスメント」 「……」 あまりのことに、美樹は黙りこくったままだ。理解の範疇を超えている。 「やれやれ、何とか言ったらどうだね」 「……あの、私の理解ですとセクハラって性的嫌がらせのことですよね。そういう行為というのは、職場ではもっとも忌むべきものであり、女性社員の労働意欲を阻害するというか、それ以前に社会通念的にも法的にも犯罪で、訴訟沙汰になれば行った個人のみならず社名にも傷が」 どこを見ているのか分からないような目で、流れるように語る美樹を押し止めた。 「あーわかったわかった」 「わかっていただきましたか。それならセクハラは止めて下さい」 ほっとしたように、胸をおさえる美樹。 「ぼくがわかったというのは、君がいうことはわかったといったんだよ」 「はぁ?」 「君の理解力が悪いようなので、きちんと説明してあげよう。まず、ここは普通の会社とは違うんだ。ぼくは、マンションの管理人で君の上司で、君はこの中ではその秘書だ。それはまず分かるね」 「はい」 「だから、ここで君がする仕事は違うんだ。君は、ぼくがフェラチオしろといったら、ぼくのチンコを舐めないといけないし、セックスしろといったらぼくとセックスをしないといけない」 「え……そうなんですか、でもそれは」 「口答えはしない、ぼくは美樹君のなに?」 「上司です」 「そう、そして上司の言葉は絶対だ。さあ、フェラチオをしてもらおうか」 「わかり……ました」 悔しそうに呟く美樹。 「あーその前に、スーツの上着は脱いで……そうだな、インナーだけ脱ぐように」 「え……下着だけ脱ぐんですか」 「ほら、ちゃっちゃとやる」 後ろを向いてブラジャーを外して、するするとブラウスの脇から出す。薄紅色でシンプルで清潔感がある下着だ。スカートをはいたままで、隠れて下だけ脱ぐ姿は狙ってやってるわけではないだろうが、余計扇情的に見えて勃起は高まるばかりだ。 「ぼくと部屋に居るときは常に、下着だけは脱いでおくようにね。さあ、舐めてくれたまえ」 そういうと、高そうなソファーに寝そべる正夫。美樹はあくまでも嫌そうに、ちろちろと舐め始めた。じれったいのも心地よさかと思い、しばらく好きに任せることにした正夫だったが、あまりにもらちがあかないので。 「不真面目な舐め方だなあ……君はいつもそういう感じで仕事しているのかね」 舐めるのは辞めずに、キッと睨みつける美樹。おー怖い怖いと笑う正夫。今のセリフが効いたのか、舐め方が若干激しくなった。正夫は執拗なフェラチオの刺激には弱いほうなので、むしろこうやって嫌がるのを無理やり舐めさせるソフトな感じのほうが好みだ。どうせ、口内に発射するつもりはないのだからこれぐらいにしておくかと思い中止を命じた。 「終りですか」 明らかに、ホッとした表情の美樹にさらなる残酷な命令を下す。 「じゃあ、今度はオナニーをするようにね。そうだな、ソファーじゃなくてそこの机の硬そうな椅子に座ってやってもらおうかな」 「はい」 何故か悔しそうな顔をしながら、手でオナニーを開始する美樹。上司の命令は絶対なのでやれといわれたらやらざる得ないのだ。 「うっ……うっ……」 なさけなくなったのか、なんなのか泣き始めた。 「なんか、オナニーにも力はいってないようだね。まったく熱心さが足りないなあ。普段仕事してるみたいにがんばってごらんよ。なんなら、ぼくが美樹君のオマンコを舐めてあげようか」 「け、けっこうです!」 舐められるのが嫌だったのか、がんばってやり始めた。 「美樹君、オナニーは週に何回ぐらいするの」 「そんなことまで、いわないといけないんですか」 手まで止めて、驚いた声をあげる美樹。 「命令は絶対だって言ったでしょ、聞かれたことに対しても積極的に答える。もういい加減覚えてよ」 「わかりました……すいません週二回ぐらいです。仕事でストレスが溜まるのでついしてしまいます。うっ……でも、軽くですよ、軽く」 「ふーん、彼氏はいないの」 「……学生時代はいましたけど、今はいないです。周り馬鹿ばっかりなので」 「そうなんだ、いいような悪いようなだなあ。もう十分に濡れた」 オマンコからは、肉汁が太ももに垂れてきているがあえてそう聞いて見た。 「……はい、もう十分だと思います」 「ふーむ、じゃあ入れるからちゃんとオマンコ手で開いてね、スカートは脱がなくていいからね、そのままーそのまま」 「やっぱりするんですか……」 もう半ば、それは諦めていたようだ。言われたとおり、オマンコを手で開いて待ちうけ状態になるが、そのままで近づいてきたので慌てたように美樹は叫ぶ。 「ちょっとまってください、コンドームは持ってきてないんですか!」 「えー、セクハラなんだから生で入れるに決まってるじゃない常識だよ」 なにが、常識なのかわからないがフェラチオで十分に勃起した亀頭を、濡れ濡れで気持ち良さそうなオマンコに貼り付ける。我慢汁が愛液と交じり合ういいかんじだ。 「そんな、ちょっと待って、私避妊してないですし、今日ぜんぜん大丈夫な日じゃないんですよ」 危険日宣言に喜んだが、びくっと亀頭が震える。玉もキュッとふるえる。美樹の制止も聞かずに、ズブズブと生で入れてしまう。 「ちょ……あぅん、入れちゃった」 十分濡らしてあったこともあるだろうが、中はいい感じだ。美樹の中は、襞の密度が濃密で抵抗感が心地いい。差し入れるときは、抵抗が強すぎるぐらいだが一度ズボっとはまり込んでしまうと、食いつくようにしてなかなか離さない。 「いや、なんか机に手をつかせて椅子の上でやってると、本当にセクハラって感じがしていいね」 そういいながら、強くチンコを押し込み、片手でブラウスのボタンを外して形のよい美樹のおっぱいを出す。突き入れるたびに小さく揺れるのが良い。 「あっ……もう、生は、しょうがないっ……ですから、中で出さないようにしてくださいね」 「馬鹿いっちゃいけないよ美樹君、中だしするに決まってるでしょ」 「そんな……いやぁ妊娠しちゃいますよ、困ります! 私困ります!」 「困るっていわれてもなあ」 「お願いします、何でも……なんでもしますから妊娠だけは勘弁してください」 催眠状態に入ってるので、適当に言いくるめることはできるのだが、ここは妊娠させる宣言だろう。 「いや、ぼくはどうやっても中で出すし、妊娠させるよ」 「あっ……そんなぁー!」 そういいながらも、手では形のよい胸を弄んでいる。キュッと乳頭を吸って立たせたりして弄ぶ正夫。周りにも舌を這わせる。 「一体なにが困るっていうんだい」 「何がって……あっ、だって好きでもない男の子供を、いっ……だめぇです、首筋は駄目です弱いんです……困るに決まってるじゃないですかぁ!」 それには、答えずチュッと口付けした。舌を入れると、ちゃんと絡み返してくる。 「んっ……その堕ろすとか嫌だし、私にシングルマザーになれっていうんですか」 「そうはいってない、そうはさせないよ」 こうやって改めて見ると、やっぱり美樹は目が奇麗だ。 「私と……その、結婚したいの?」 きつい女性だと思ってたけど、こうしてやってると可愛いところもあるんだなと正夫は意外に思った。 「うーん、まあ結婚はしないかもだけど、困らないように考えてあげる。その点は、まったく心配は要らない。ぼくの言うとおりにすれば、美樹君は幸せになれるよ保障する」 いざとなったら、このマンションにいる将来有望な男とでも娶わせてやればいい。それが、美樹の望む出世にも繋がっていくだろうし、まあその結婚もそれはあくまでも形だけのことで、正夫の子供を生んでもらうわけだが。 「そんなこと……うっ、言われても」 「とにかく、ぼくのいうことは絶対なんだから分かるね。君は心配せず、ぼくの子供を孕めばいいんだよ。それが、君の仕事、君の幸せ、わかったら返事は?」 「……はい」 まあ、ここらでいいだろう。舐められたこともあって、美樹の扇情的な格好も手伝って、限界に達しつつある。 「じゃ、中だしするからちゃんと子宮口を開けてぼくの精子を迎えるように。感謝の気持ちを忘れずに、そうだなありがとうございますっていいなさい」 「はい、ありがとうございますっ」 美樹のほうがやや長身だから、椅子の上で大また開かせてそれを抱え込むように腰を押し付けてる変則的な正常位が正夫にはちょうどいい、腰をめいいっぱい押し付けてぎゅっと抱きしてめてやると、正夫の睾丸が限界を迎えた。 「ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます!!」
ドッピュンドッピュンドッピュウ!
三回、大きく子宮を精液の本流が打ち付けるたびに、律儀に美樹はお礼を言った。
「あーよかったよ美樹君」 「それは、ありがとうございます」 「じゃ、このままもう一発いこうか」 「うう……もう寝かせて……」 「しょうがないな、じゃあベットでしてあげるからスカートもブラウスも脱いでいいよ」 「ありがとう、ございますぅー」 結局、この日は三発中で出されてヘトヘトになった美樹は、次の日美樹の人生でほとんど始めてといっていい遅刻をして、同僚から心配された。
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第七章「伊川蛍子」 |
素子が大学に行く前にご飯を食べて、いちゃいちゃして、今日も亜沙子に立ったまま事務的に一発くれてやったあと、新しいターゲットをようやく見に行こうかと思った。製作者は、他にもテストケースを抱えだして忙しくなったらしく、連絡がないので急ぐ必要もないのだが、そろそろ新規開拓をしてもいいころだろう。 今日は七階の伊川蛍子のところである。
ピーンポーン
割と古風な音がでるインターホンだ。まあここら辺は、個人の趣味に任されてる、なんどもいうようだがここは高級マンションなので、外を通さずに来客というのはほとんど想定されていない。蛍子にとっては晴天の霹靂だろう。 中で、バタバタと音がした後で、そーと扉が小さく開いた。チェーンはちゃんとかけてある隙間から、悩ましげな二重の目が覗いている。なぜか、目の辺りにクマが。相当疲れているようだ。 「どなたですか……」 「管理人の古森正夫と申します。重要な件でお伺いしたんですが、扉を開けていただけますでしょうか」 「あの……明日じゃ駄目なんですか、私とっても疲れてるんですよ。昨日の夜勤明けで今までずっと仕事してきて、今何時だと思ってますか午後九時ですよ! ほぼ四十八時間仕事して帰ってきて、今シャワー浴びて寝ようかってところなんです」 当然、このマンションの美人リストを持っている正夫には、彼女の職業が看護婦だと分かっている。明日は休みのはずなので、今日の夜尋ねたわけだが、休みをもらう変わりに相当に働かされたようだ。これは、まずいときに来たかな。 「お疲れのところ申し訳ございません、ほんとにちょっとでいいですから。中に入れてもらえませんか、大事なようなんです」 「……わかりました。寝巻き着るのでちょっと待ってください」 いう声も疲れて見える。さて、どうしたものか。やがて、寝巻きを引っ掛けたのか、戻ってきて「どうぞ」とチェーンを外してくれた。 伊川蛍子二十二歳、看護婦として近くの市立病院に勤めている。医者の一人娘で、当然のように実家は金持ちなので、そこからこのマンション代も出ているようだ。ぼろ布のように、疲れきってる様子で化粧もたぶん寝る前なので落としてしまったのだろう、正夫が目をつけた自慢の美貌にもやや陰りが見える。それでも、出るところは出て引っ込むところはちゃんと引っ込んでいるグラビアモデルのような体型は、看護婦にしておくのがもったいないぐらいである。 「それで、何の御用でしょう」 「はあ、実は今晩はここで寝ようかと思いまして」 「は……」 予想もしていなかった、馬鹿げた話に、疲れ切っていて思考能力が低下している上に、催眠電波の影響下にもあって蛍子は気が遠くなるのを感じていた。 「あなたが、なにを言っているのかまったく理解できないんですが」 「ぼくのいうことは当たり前の常識ですから、よく言うことを聞いて理解してください」 「はい……」 「ぼくは、このマンションの持ち主で管理人です。すなわち、このマンションの全ての空間の持ち主でもあります」 「はあ、それはそうですね」 「だから、ここはあなたの部屋ではありますが、ぼくの部屋でもあるのです」 「え……でも、私はお金を出して借りているわけで」 「そんなこと賃貸契約書に書いてありましたか」 賃貸契約書……そうやって、寝ぼけた頭を動かしてみるが、そんなもの覚えてない。「えっと、ちょっとそれは覚えてませんが……」 「そうでしょう、契約はあなたがここに居ることを認めますが、この部屋の全ての空間はぼくの持ち物であることに代わりは無いのです。これは、当たり前のことですからわかりますよね」 「はい……」 そう強く言われると、そういう気がしてくる蛍子。 「わかってくれて嬉しいです。あなたは気にせず普通に生活してくれてかまわないんですよ。ぼくは、ただ自分の持ち物であるこの部屋で寝るだけですからね」 「はあ……はい。じゃ、わたしは普通に生活するということで、もう寝ますね」 納得したのか、納得してないのか、もう眠たさも限界なのだろうそのままベットに潜り込もうとする蛍子。 「あ、待ってください」 「なんですか……あなたが居るのはしょうがないですが、睡眠の邪魔までするんですか」 「そうじゃなくて、服を脱いでください」 「服! なんで服を脱ぐ必要があるんですか」 「ノーパン健康法を知らないんですか、裸で寝るのが常識ですよ。ましてや、あなたは看護婦でしょう。健康に気を使う必要があるはずです。脱いでください」 「いまは、看護師っていうんですが……わかりました脱いで寝ますよ」 見られるのが嫌だったのか、掛け布団のなかで潜り込んでパジャマと上下のインナーを脱ぎ捨てた。そこに、正夫も裸になって入り込んでくる。ビックっと蛍子の身体が拒否をして後づさる。 「入ってくるんですか」 かなり嫌そうだ。 「ええ、ぼくの空間ですからどう使おうと自由です」 「ちょ、身体に触らないで!」 疲れ切っているというのに、ちょっかいをかけてくる正夫に嫌悪感を隠そうともせず飛び上がった。 「ちょっと、胸を揉まないでください!」 それも気にせずに後ろに回りこんで、乳を揉んでくる正夫に、抵抗する蛍子。抵抗が強くなってきたので、説き伏せてやることにした。 「どうやら、まだ理解してないみたいですね。あなたの周りの空間も全てぼくのものなんですよ。だから、おっぱいの周りの空間の全部ぼくのものだし」 そういって、言葉を止めて手をごそごそと蛍子の股の間に入れてあそこに指をつっこんだ。 「!!」 「ここにも、空間開いてますよね。ここも、ぼくのものなんです」 「そんな……」 疲れて、もうボロボロなのに、こんな変な責め方をされて蛍子は本当に気絶してしまいそうだった。だが、不思議なことにこの理不尽な物言いが、今の蛍子には全て常識に聞こえてしまうのだ。だから、自分が間違ったことをしているような気がして、抵抗の力を緩めてしまう。 「あなたは疲れてらっしゃるのでしょう、普段どおりここで寝ていればいいでしょう。ぼくは、そうだなあ。あなたの股の間のこの空間に勃起したチンコでも入れて楽しみながら寝ることにしますから」 そうやって、ニタっと笑った正夫に蒼然となる蛍子。 「ちょ、ちょっとまってください。セックスするっていうんですか」 「セックスというんですか? いや、ぼくはただ勃起したチンコを自分の空間に入れて楽しむということですよ」 「で、でも、私の……その膣の中に入れるってことですよね」 そうですねえ、ここにこんな感じに、といってさらに人差し指を蛍子のオマンコにねじ入れて、捻くった。 「あっ……ちょっと……んん。私の中に指を入れないでください! あ、乳首も感じやすいので止めてください……というか、ちょっと待って……待って」 そう言ってる間にも正夫は身体を嬲ることを止めてくれない。 「だって! だってあなた膣の中にいれたら……その、そのまま射精しちゃうでしょ。ああ、だから噛まないで、止めてって」 「そうですねえ、ぼくの空間ですから、気持ちよくなったらそこに射精するでしょうね」 そう言いつつも、ここにやるんだぞとばかりに指を二本に増やしてピストンする。そして、左腕はEカップぐらいであろうか、いやらしく蛍子の胸を弄って嬲るのだった。「もう……なんでこうなるの……止めて」 疲れ切った二重の目から涙が滲んでいる。言葉で、半ば呪縛されて力が入らない。これは、常識なんだ当たり前なんだという言葉と、脳の奥から湧き上るように「嫌だ! 嫌だ! 嫌だ!」という叫び声。そのどっちに反応したらいいのか、嬲られるままに蛍子の身体は左右に揺れた。その中途半端な抵抗は、ただ正夫を刺激して喜ばせるだけのものに過ぎなかった。 嫌でしょうがないのに、疲れ切ってボロボロの心とは裏腹に、久しぶりに刺激を受けた蛍子の陰部は、隠微な舌なめずりをするかのように燃え上がり、徐々にその潤滑を増し、ジュッジュというイヤラシイ音を立てるようになってきた。 「おや、もういいかな。ぼくの空間ですけど、一応蛍子さんにも配慮して痛くないように濡れるまで我慢してましたからね、感謝してくださいね」 「ちょっと、本気で!」 蛍子の言葉が終わらぬうちに、股に差し込んだ正夫の亀頭は素股の体勢からズブっとオマンコの中に入り込んでしまった。接合完了である。あとは、腰を振るだけだ。あえて、ゆっくりと差し込んで奥まで埋めると今度は両手で、蛍子の形のいいオッパイをひたすら嬲り始めた。 「あの……私……婚約者にも生で入れられたことないんですよ!」 「ほほ、蛍子さん婚約者がいらっしゃったんですか」 「そうです、親の病院の後継者になる人です。お医者さんで、いまは恋人として付き合ってますけど、しばらく時間置いたら結婚する約束してるんです」 「ほほーそれはいいですねえ」 「だから、お願いだから生で入れないでください。せめて、ゴムつけて」 そういって泣く蛍子の身体をぐっと回転さえて今度は正常位の形ではめて顔を近づけてた。 「だから、ぼくの空間にただ射精するのにゴムなんかつけるわけないでしょ!」 臭い息を吐きかけながら、正夫は残酷なことを言う。 「だって、だって……私も避妊してないですし、妊娠したらどうするんですか」 そう非難する蛍子にめい一杯抱きついて、押し込んでやる。さっき、亜沙子のところで一発やってきたから射精までの余裕は十分なのだ。蛍子が気をやるまで、ピストンしても先にイッてしまうことはないだろう。 「あなたも分からない人だなあ。まず話を整理しましょうね」 そういいつつも、ジュッジュっと下品な音を立てながら腰をピストンすることは止めない。両手はピストンのたびに位置を変え背中から尻から、体中をなでさすっている。「えっと……まずあなたの膣の奥にも子宮口という隙間があって子宮まで空間が開いてますよね。ここは、ぼくのものなんですよね。正確にいうと排卵管もそうなんだけどね。それで、ぼくはその自分の空間に全力で射精するわけです。これはぼくの自由なの、自分のものだからね。それは常識だからわかるよね」 「はい……はい、わかります。でも私結婚前の身体なんですよ! 妊娠したら困るんです。今も危険な日なんです」 「ほう、危険な日なんですか。つまりいつ排卵があるかわからないと」 「最近、恋人ともお互い忙しくて周期は測ってないですけど、大体でも、今週は危険なんです。だからせめて中に出すのだけは止めて」 「さすが説明のしかたが、看護婦だなあ。排卵日近いのはわかりました」 「じゃ、止めてください。ゴムつけたら、もうしてもいいですからお願い……」 そういって泣いて懇願する蛍子。 「いや、だから排卵日が近いのはわかったといっただけですよ。ぼくは今日は断固として、あなたの膣の中に射精します」 「そんな……なんで……」 「なんでって、わからないかなあ。ぼくが、自分の場所であるあなたの子宮に精子出すのは勝手なんですよ。だから、あなたがそこに卵子を排卵するのもあなたの勝手じゃないですか。フィフティーフィフティーでしょ」 すっかり、止めてくれると思った蛍子は頭がポカーンとした。 「そんな! そんな……」 「お互い、出すのは自由ですよね」 「待って、待ってください。だって、精子と卵子が出たら……」 「そうですね、あなたの子宮で受精して着床しますね。それがなにか」 「だって、あなたの子供ができるってことなんですよ。ああ、こうやっているのももう危険なのに……私の中に!」 おぞましいという顔をしながらも、身体はいいように弄ばれている。 「そうですね、あなたとわたしの子供ができちゃいますねえ。困ったもんですねえ」 そうやっていって正夫は笑った。 「そんなの嫌です! 酷いですよ!」 「そういわれても、困りますよ。嫌なら、排卵しなければいいです。受精も、着床もしなければいいでしょ」 「そんな……そんなの無理です。お願いします、明日からこっちで避妊しますから。今日は出さないで!」 「だから、当たり前のことを言わせないでください。ぼくは自分の空間に出すだけなんです。それを止める権利はあなたにはありません」 「そんな……うう……そんなあ……」 手で顔を伏せて蛍子は泣いた。それでも、そんな言葉をおかしいとは思えずに信じ込んでしまうのが催眠の効果なのだ。 「あー、すいませんね。もうイキそうです。ぜひ受精してくださいね」 「嫌ぁぁ」
ドピュドピュドピュドピュ!
一気に、ドクドクと流しきった。そのまま、身動きしないでくださいと注意して、繋がったままで抱き続けた。離すと、どっかに言ってしまいそうだったし、そうやって正夫がまた回復させて、押し問答しながらもう一発放つころには、お互いに疲れ切ってしまい眠ってしまっていた。
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第六章「排卵日」 |
「素子ちゃんとすっかり彼氏彼女の事情だね。君が望むなら実験を中止して、このまま素子ちゃんだけにしても問題ないけどね」 レポートを読んだらしい、製作者の声が汚らしい管理人室に響く。 「いや、今日は沢石亜沙子の排卵日真っ只中のはずですから、きっちり種付けにいきます。終わり次第、次のターゲットも狙っていきます」 「ほほう、頼もしいものだね。私としてもそっちのほうが望ましい」 「素子はいつでもできます、この管理室で溜まった妄念をターゲット全てに吐き出してしまわない限りは、ぼくはやめられないです」 「君をテストプレイヤーにして正解だった、行きたまえ成果に期待している」 そういうと、製作者は勝手に遠隔操作でPCの電源を落とし始めていた。それが落ちきるのを見ることなく、正夫は自室を出て三階の沢石亜沙子の元へ向かう。 「今日も……来たんですね」 いつもにも増して、正夫の薄汚い顔を見た亜沙子の表情は曇っていた。連日来ると覚悟していたのに、昨日は来なかったから、何かの理由で正夫の調査とやらが中止になったかと期待したのに。 「ええ、今日は大事な日ですからね」 そういって、ニッと口をゆがめた。笑ったつもりらしい。旦那は仕事で忙しいようだし、子供は今日も寝ていた。寝る子はよく育つという。子供はすくすくと成長することだろう。そして、亜沙子には、腹に新しい子供をすくすくと育ててもらおう。 今日も可愛らしい子供の寝顔を見ると、すぐに寝室に亜沙子を追いやる。服を脱ぐようにいうと、その場で素直にするすると部屋着と花柄のインナーを脱ぎ捨てる。催眠は完全に浸透して、もう脱げといわれたら脱ぐわけだ。 「あの……管理人さん」 「駄目だな、亜沙子さん。種付けが始まったら、ぼくはもうあなたの夫も一緒なんですから、ちゃんと正夫って名前で呼んでください」 そういいながら、亜沙子の形のよい胸を揉みしだいていく。明らかに、嫌がりを見せる亜沙子に比べて、胸は喜びの声をあげるようだ。旦那は、なんでこんなにいい身体をしている奥さんをほったらかして、仕事に熱を入れているんだろうな。 「正夫さん、お願いですから今日だけは勘弁してくれませんか。今日は」 「そうですね、今日は排卵日ですからね。体温はちゃんと測ってますか」 「はい、順調だと今日排卵すると思います。だから……あっ」 キュッと、乳頭をひねる。ここら辺の手際、なかなか正夫は手馴れてきた。 「だから、今日がんばって種付けするんですよ。排卵してから四十八時間が一番のアタックチャンスですからね」 「そんな……お願いですから、やっぱりいくら調査といっても旦那以外の子供をなんて、私は!」 ベットに押し倒した正夫を見上げて、涙目で懇願する亜沙子。それが、否応無く正夫の性欲を煽り立てているのだと分かっていないようだ。 「調査なんですしかたがないでしょう、往生際が悪いですよ。それに奥さんのここはほしがっているようだ」 亜沙子のオマンコは、これだけの刺激だけですこし滑りだしているように見えた。もしかすると、濡れやすい体質なのかもしれない。そう考えるまもなく、むしゃぶりつく正夫。 「あっ……そんっなに乱暴に舐めないでください、だめです」 「そんなこといわずに、ぼくのも舐めてくださいよ」 そういって、差し出すチンコをオズオズと舐めるしかない。亜沙子、しかし舐めだすと技巧が自然に出てしまうのか、真剣に舐めだし吸う。もしかしたら、膣奥に射精されるまえに、なんとか口内で搾り取ってしまおうという努力か。あまりの、フェラチオの激しさに、そんな予感がしてしまう正夫。まだ今日は出してないので、強烈な吸いは刺激が強すぎる。 一発目の濃いのは、このまま口内に出させてしまうか。実は二発目以降のほうが新鮮で妊娠しやすいともいうし。そんな計算をしているうちに、すさまじい亜沙子の吸いに限界を迎えてしまう。 「ああ……亜沙子さん出ますので飲み込んでください」 無言で、激しく口内に発射された濃い精子をゴキュゴキュと飲み込んでしまう亜沙子。きっちりと舐め取って奇麗にする。その完璧主義が、残念なことに正夫のモノをまた戦闘状態へと持っていく。 「一度出したわけですし、もう辞めにしませんか」 「あなたの旦那さんは、一度口内に出したら辞めますか」 「……」 亜沙子の旦那、雅彦だったか彼もまだ若いはずなので一発出したら終りなんてことはあるまい。亜沙子は、調査のために同じようにする義務があると催眠で思わされているのだ。それ以外のことについては、感情で拒否もできるが。 「じゃ、亜沙子さんのオマンコの準備もできたようなので入れさせてもらいますよ」 そこまで完全に濡れそぼっていないが、もう入れるには十分だろう。亜沙子があーだこーだ言い訳する前に、突っ込んでしまうことにした。亜沙子の唾液の助けもあり、濡れたオマンコにズッズっと亀頭から沈み込んでいく。もう何度か、情を交わしているので、ここらへんは手馴れたものだ。 無心に腰を振り、舌を絡めておっぱいを揉む。一連の動きも、感情はともかく亜沙子の身体は自然に受け入れるようになっていた。我慢しているみたいだが、次第に亜沙子の身体も感じ始めてしまって、声が出てしまう。一度出してしまったので、正夫には余裕がある。いろんな突き方を試してみて、亜沙子の身体を散々に弄んで見た。身体を責められる快楽に、嫌悪の情も薄れだして呆然とし始めてきたように見えたので、正夫は戯言を耳元で囁いてみた。 「今日こそ、当たるかもしれませんね」 「そんなことっ、言わないでください」 途端に、亜沙子は目が覚めたように冷静さを取り戻す。そこに、突き突きして身体をさらに弄る。まるで、全身が粘膜になったようにべっとりと溶け合うような感じがした。全身で全身を犯していると感じると、ぞわぞわと正夫の身体の奥底からもたとえようのない歓喜と熱が湧き上ってきた。 「我慢しなくていいですよ、イッってしまえばいいんです。ぼくもイキますから、それでぼくの子供を孕んでしまえばいいですよ」 そうやって、突きながら歓喜の渦が自らの下腹部に練りあがりつつあるのを感じた。亜沙子の腰にも、その熱と歓喜は伝わる。 「いやぁーそんなこと……いわないでぇ……だめなの……だめ」 いくら抑えても、身体から湧き上る熱さは仕方が無いのだ。気をやってしまえば、正夫の子供を妊娠させられるとでもいうかにように、自らの内側からくる熱から逃げようとする亜沙子、それでも歓喜に抗いきれないでいる。 「可愛い子供、生んでくださいね」 限界を感じた正夫は、最後のピストンのあと、ぐっと腰をを押し付けるようにした。両方の腕でオッパイを強く掴む。 「いや、出しちゃだめぁー、オッパイ……いぁ」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
目の前がカーーーと白くなるような射精だった、真っ白の世界で、ただ正夫は腰を身体を亜沙子の押し付けて、射精し続ける。精子は何もさえぎるものもなく、亀頭を飛び出して子宮口から子宮全体へと広がっていく。 亜沙子は、正夫の胸の中で気をやったらしく小さくガクガクと震えてる。憔悴しきった顔で「出しちゃったんですか……」と全てが終わったことを確認している。避妊や堕児は禁じているが、きっと亜沙子は正夫が帰ったら、すぐさま風呂に入って必死にオマンコを洗うことだろう。それでも排卵さえあれば、ほんの数分あれば、受精には十分な時間なのだ。 正夫は、亜沙子の身体を改めていとおしく撫でた。この吸い付くような肌が、形が良い腰つきが、胸が好きだなと思った。このお腹がやがて、正夫の子供で膨れ上がるころ、この形のよい乳はさらに大きくなり、乳頭から乳を噴出すことだろう。 「おっぱい出るようになったら、飲ませてくださいね」 「はい……」 そうなったら、もう引き返せない亜沙子としてはどうでもよかった。 「じゃ、このままもう一回やりますから」 「えー、まだやるの」 駄目押しの一発がたたき出されるころ、さすがに子供が置きだして泣き出すのだった。股から、正夫の精液を垂らしながら子供をあやす亜沙子を見て、いずれ素子ともそういう所帯を持つのかなあと、漠然と正夫は思った。それも悪くない。
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第五章「愛のある性交」 |
「素子ちゃん生きていたのか。それはよかったね。あのまま放置されていたらショックで死ぬ可能性もあった。私としては死んでもかまわないが、それだと君がタワーマスターを放棄するだろうからね」 研究のためには、人が死んでもかまわないのか冷淡な声で言う制作者。この力は下手に使うと、人を殺すということか。へたれというか、根はさほど悪人でもない正夫は気をつけようと思った。 今日も引きこもりっきりで、報告を終えると新しいターゲットの元へ向かおうとする正夫の自室に来客者があった。マンションの管理業者への連絡等もインターネットでしているので、管理人室への来客などあった試しがないので焦った。ほぼ初めて鳴った玄関ベルに、飛び出てみると、外にはモジモジと手をくんだ素子が立っていた。 「あのーご飯作りすぎちゃったんでよかったら……」 「あー」 顔を赤らめて、俯いたりして、恋人だという暗示をかけたからか。自分でかけておいてなんだが、こういうシチュエーションには慣れてない正夫は困惑する。 「あー、じゃあ君の部屋に食べに行ってもいいかな」 「よ、よろこんで!」 素子の部屋に行った正夫を待っていたのは、作りすぎちゃった満漢全席であった。 「うあ、うまい」 「たくさん、食べてくださいね」 「おれ、これからも食べにきていいかな」 「えっと、いいですよ毎日でもかまいません」 素子ははにかみながら言う。正夫はどうやら、今後食事の心配をする必要がなくなったようだ。 「じゃ、お腹もいっぱいになったし今度は君をいただこうかな」 「えっ……いいですよ」 言ってみるものだなあ。素子がスルスルと服を脱ぐので、正夫もスルスルと服を脱ぎ一糸まとわぬ姿になると、すばやくベットに押し倒した。恋人という設定なので、焦る必要もない。素子は、うっとりとした目で醜い正夫を見つめ、ただただ安心して身体を任せているので、正夫は自分の逸物を素子の秘部に挟み込むように押し当て、ムクムクとした恥丘の感触を確かめる。ぷっくらとした唇を食むように、くわえ込み舌を差し入れると、素子もまたあわせるように積極的に舌を絡める。ほのかに甘い味が広がる。 「まえは、カレーの味しかしなかったからなあ」 素子の口内を味わい尽くすと。もうギンギンになってくるので、まだ十分に濡れないうちから粘膜の触れ合いを亀頭で楽しむ。一気に貫いてしまいたいが、素子はまだ経験が浅いのだ、焦りは禁物だろう。話しかけて、焦燥を抑える。 「素子ちゃん、ぼくは君の何?」 「正夫さんは、マンションの管理人で……私の恋人です」 そうやって、優しげに微笑む。貞操観念の強い素子は、最初にやられた酷いことのショックから自分を守るためにも、深く愛し合った恋人の行為という逃げ道にはまり込んでしまったのだと製作者は言っていた。正夫が計算してなかったことだが、強く激しく踏み込むことで、催眠が深く浸透したということだ。皮肉なことに自分を守るために、何をしても何をされてもいい関係だと素子は信じ込まされていた。 「素子ちゃん、生で入れて中で出してもいいよね」 「ええ、正夫さんが望むならなんでも」 「胸も揉むね」 「お願いします……あっ」 とてもとても、片方の胸も両手で持ちきれぬほどの巨乳。Jカップは伊達じゃないわけだ。しかし、こうしてベットで仰向けに寝ていても、型崩れを起こさぬほど形は整ってて美乳。二つとはないおっぱい、そのバランスは東洋の神秘といえるだろう。 きめ細かい肌に、相応に大きい乳輪……乳頭。その色がとても淡いので、その圧倒的なボリュームでありながらも、可憐さを失わない。 「あっ……んっ……くっ……」 揉みしだくようにして、乳頭へと肉を持っていく刺激だけでピコンと可愛く反応する乳頭、妊娠して乳噴出すようになったらどうなるんだろう。さらにKカップにパワーアップか、ここから乳噴出すか。そう考えると、それを見てみたくてたまらなくなってきた。やはり、孕ませるしかないな。 「この前、寝ながら君の事を犯したのはね」 「いっ……はぁい」 「初めては痛いっていうから、痛みを感じさせたくなかったのさ」 「そうだったんですか、正夫さんはやっぱりやさしいですね」 そういって、素子は目をとろけさせた。そんな、素子の乳を吸う、吸う、吸う。右に左にと吸ううちに、乳頭は指ぐらいにまで膨張してしまう。もういいだろう。こんどは、ぐるっと体勢を変えてシックスナインに体勢にはいり、思いっきり秘所にむしゃぶりつく。展開についてこれないらしくて、素子はあうあう言ってる。 「あの……正夫さんのこれも舐めたほうがいいですよね」 「ああ、そうだね。慣れてないだろうからしゃぶるだけでいいよ」 そういう、正夫も慣れてないのだが力任せにしゃぶる。さすがに、素子のものといってもオマンコは独特の匂いがするが、さかっている正夫にはそれがたまらなくいい香りに思える。まさに女の匂いだ。 「あっ……ふっ……」 舐める舐める、まだ初々しいビラビラを押し分けるようにして、汚い舌を恥かしい丘の谷間にねじりこんでいく。そんな力任せな愛撫も、なれない素子にはきつすぎるようだった。息を吐くたびに、正夫のちんこを舐め吸う動きがおざなりになる。まあ、正夫は今日は口内に発射するつもりもないし、徐々に慣れていってくれればいい。 「よーし、こんなもんだろう。素子ちゃんもう舐めなくていいよ」 素子のオマンコからは、すでにネットリと愛液を吐き出すようになっていた。正夫の汚いものも、唾液で奇麗に洗浄された。ぐるりと、身体を回転させるようにして、立派な亀頭を濡れ濡れの秘所に押し当てた。 「じゃ、素子ちゃん。ぶちこむよ」 「おねがいします……」 ずぶずぶと、やはり一度貫いたオマンコは悦ばしげに、正夫のモノを受け入れていく。すでに、マックスまで高められているものは、準備完了になっている膣壁を擦り入り、最奥へと到達した。 「はぁぁー、正夫さん……」 この肉の密度、正夫の長いオナニー経験では決して得られなかったきめの細やかさ、それは暖かい粘膜の密着だった。素子も正夫も、頭がポワァーとなって何も考えられなくなる。気がついたときには、獣ののように息を吐きながら腰を振っているだけだった。 素子の熱い息と、ジュッジュっと音を立てる接合と、頭を突きぬけるような歓喜と、ただその絶頂の高まりと、優しげで暖かい気持ちの触れ合い。正夫は、初めて人を愛して、愛した人とのセックスをやっている。それを表現する言葉も余裕も、正夫にはなかった。 ただ、全身の熱が自分の限界を感じさせていた。 「素子、もういくよ」 「きてください正夫さん、きてーー」
ドピュドピュドピュドピュ!
ただ、正夫の逸物が独立した生き物のように精を放った。そして、律動する素子のオマンコはいとおしげにそれを受け入れた。瞬時に、正夫の精液は子宮へと流れ込んでいく。これが、恋人同士の愛あるセックスなのかと正夫はおぼろげに思った。意識が遠くなりかけている正夫に対して、その下腹部の逸物は全てを吐き出した後も、強度を保っており、それに押し切られるように。 「素子、このままもう一回」 「はい、いくらでも……ください」 この日、素子の中に出し続けて五回。他の場所に回れる体力は、正夫にはなかった。
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第四章「緑の目」 |
「タワーマスターの、催眠が強すぎると普段の会話ができなくて面白くないと思ったんだが、弱すぎても困るので少し強めてみたんだがこれぐらいでよかったかね」 「そうですね、今のバランスで支障ないですし、これぐらいがちょうどいいかと思います」 あいかわらず、しばらく休んだあと製作者に報告して、相談を受けている正夫。 「あと、一日目の報告書を読んだのだが、早いうちに梶井素子くんのところに再訪したほうがいいと思うぞ」 「そうですか、じゃとりあえず休憩終りってことですぐ行ってきます」 素子の部屋は一階なので、すぐに行ける。反応がないので入ってみて驚いた。まるで幽霊のような素子が、自慢の胸を抱えてあの脱がした部屋着をそのままに、自慢の胸を抱えるようにして部屋の隅で固まっている。普段はぷっくらと健康的なはずの頬はやつれ、目にはくっきりとクマの後がまるで縁取りのようだ。 一体、いつからそんな風にしていたんだろう、カレーの食った後も片付けずにそのままになっていた。 「おい……おい、大丈夫か素子ちゃん!」 しばらく、やはり呆然と目の前を見つめて、虚ろな眼で。 「あ……い……管理人さん?」 「そうだよ、大丈夫。どうしたの」 「記憶がないんです……管理人さん私に何か酷いこと……しましたか」 酷いことと言われて、ズキッと心が痛む。たしかにしました酷いこと。やり終わった後、すっきりして頭は次の陵辱にいってしまってほったらかしにしてしまったのだ。 「管理人さんが……あがってきて……服脱がされて……そこまでは覚えてるんですが……起きたら、私……裸のままで……何故かお腹と……あの、大事なところがズキズキと痛んで……トイレにいったら血が出て、生理じゃなくて……ドロッとした白いのも出て……」 うあーやっちゃったみたいだ。これどうしたらいいんだろ。催眠のマニュアルにも、製作者の助言にもこんなときの対処法がない。そうなったときの正夫はやっぱりただおろおろデブオタだった。 「うーん、どうなんだろうね」 「私と……最後まで一緒にいたの管理人さんですよね……ベットに寝かせたのも管理人さんですか」 次第に、素子の眼に光が戻ってきたのはよかったが、それは普段おっとりとして優しい素子が見せたこともないような、深い緑色をした……それは辛い辛い思いつめた顔だった。 「そうだよ、ぼくが寝かせたんだよ」 「じゃ、管理人さんが私を……犯した」 そういい切って、目をあげた。正夫が見つめたその目は怖い怖い目だった。まるで、正夫の全てを飲み込んでしまいそうな、耐え切れなくなって素子の肩を抱いては言い放った。 「素子ちゃん、ぼくは何?」 「何って管理人さんです」 乾いた目で、乾いた唇で、かすれるように素子はいった。 「そうだね、宿主といえば親も同然と昔は言ったんだ。管理人といえば、恋人も同然……わかるかい素子」 「えっ……はい」 目の色が緑から黒色に戻っていく、それは催眠が浸透した印か。 「つまり、ぼくは管理人で君の恋人なんだ」 「……はい」 「君の身体に起きた変調は、全てぼくが恋人として愛した証だ、だから何も心配することはない。心配することは無いんだ」 そういって、正夫は素子の身体を抱きしめた。素子は、ただ無言でウワーーと泣き崩れた。数時間後、素子は正夫に付き添われて一緒にお風呂に入って、ゆっくりと寝た。さすがに、憔悴し切って寝た素子を襲う気になれず「ちょっと出てきます、また何かあったらぼくの部屋に来てね」とメモを残して去った。性欲処理のほうは、沢石亜沙子のほうでしようと三階に向かったのだ。 亜沙子は、やっぱり来たという暗い顔で正夫を出迎える。 「種付けに来ました、子供さんはどうですか」 「寝てます……残念なことに」 「じゃ、今日も協力お願いしますね」
「じゃ、出すよ」 「いやぁー!」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!!
亜沙子種付けに向けて、今日も三発。デブオタの湧き上る性欲は尽きることが無いかのようだった。
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第三章「沢石亜沙子」 |
管理人室に戻ってしばらく休むと、約束の製作者への報告を終え、いくつか助言を受けた後に、新しいターゲットを決めることにした。今日は、三階の沢石亜沙子にしよう。確か二十四歳、職業主婦。二十一歳の時に学生結婚して、すでに一児の母ではあるが、子供を生んだとは思えないスラリとしたプロポーションを保持し、やや落ち着いた大人の魅力を感じさせる女性である。正夫とは、こちらからはよく視姦しているが、向こうは正夫を管理人として意識していないはずである。とりあえず、出向いてみよう。 「……はーい」 呼び鈴を鳴らして訪問。ここは高級マンションであるので、外部からの来訪者はインターホンを通さない来訪というのはほとんどない。玄関の呼び鈴だけでの来訪というのは、自然と内部の人間ということになる。 紺色のジーパンに黒い上着。金持ちの奥さんでも、部屋着ってこんなもんなんだなと思いながら、前回も素子の件で催眠効果の発生も確認済みだし、いささか落ち着いた対応ができた。 「ぼくは、このマンションの管理人なんですよ」 「はあ、管理人なんていたんですね」 管理人が居たんですねとは、ご挨拶だが実質まったく仕事してないのだからしかたがない。 「管理の仕事の関係で、ちょっとお時間を拝借したいのですが今大丈夫でしょうか」 「まあ旦那も仕事でいませんし、子供もちょうど眠ったところですから」 それは好都合、「じゃ、お邪魔しますね」と強めにいってあがりこんだ。亜沙子は躊躇したものの、止めることはなかった。 「外じゃやり……じゃない話しにくいですからね」 「はあ、それでどういうご用件でしょうか」 「ぼくは、管理人ですからお宅の管理もしなきゃいけないんですよ、それは当然だからわかりますよね」 そう強めに言ってみた。当然とか、常識とかを確認させると催眠がよく浸透していいよと製作者に指摘されたので使ってみる。 「はい、そうですね。管理人さんは管理が仕事ですから、それは当然ですね」 「それでは、管理人のぼくの仕事に積極的に何でも協力してください」 「はい……協力します」 「それでは、まず着ている服を全部脱いでください」 「え……服をですか」 「ぼくは、あなたの管理人です。あなたの全てを管理するためにまずあなたの身体を調べなければならない。常識だからわかりますよね」 「はい……常識ですよね、わかりました」 亜沙子は、多少頬を赤らめたが、意を決したようにすっと着ているものを脱いでいった。黒い上着を、ジーンズを、花柄の合わせたインナーも。 「はい、脱ぎましたよこれでいいですか」 やや、怒った風にすっと肩を怒らせて裸体を晒している亜沙子。前の素子のように、手で覆い隠したりはしなかった、性格の問題かなと思ってみたりする。 「じゃ、胸を触りますね。ぼくは管理人ですから、あなたの身体を調べられます」 言葉に確信と力を込めて、これも製作者に指摘されたところだ。亜沙子の一児の母とは思えない美しいプロポーションを眺めて、後ろ側にまわり形のよい胸を揉みしだいてみる。CかDカップといったところか。これぐらいが、揉みやすくてよい。 「どうですか、気持ちいいですか」 「そうですね……気持ち悪くはないですけど、気持ちよくさせるために揉んでくれてるんだったら、もう少し強めがいいですね」 もう少し強くてもいいというので、強く揉んでみる。乳頭もクイっとひねって勃起させたりしてみる。 「じゃ、質問に答えてくださいね」 「はっん……はい……」 「いま、あなたは妊娠していますか」 「えっと、たぶんしてないはずです」 「たぶんですか、もしかして子作りに入っているとか」 亜沙子の胸を揉む手に思わず力が篭る。 「あっ……そうですね、そろそろ二人目がほしいねと旦那と、いっ……言い合ってます。積極的にではないですが、最近は避妊はしていないです」 「排卵日はいつですか、最近は旦那さんと週何回ぐらいしていますか」 「排卵ですか、えっと多分もう危険日に入っているはずですので、順調なら三日後ぐらいかと思います。旦那は、結構淡白で最近は仕事も忙しいので週二回ほど、週末に連続が多いです、先週にも土日としました」 ふーん、なるほどねえ。子供も出来ていい環境で危険日も近いとは好都合なことであるな。そう思って、そろりそろりと自分も服を脱ぐ。すぐ脱げるように薄着にしてきたのだが。 「え……管理人さんも脱ぐんですか」 「そうですね、これからあなたとセックスしますので」 「!?……そんな、あの私には旦那がいますから。……できません」 顔が陰る。胸を揉ますぐらいは、抵抗が少なかったのだが、さすがにセックスを前面に出すと抵抗が激しいようだ……どうすべきか。 「じゃ、とりあえず一緒にベットに横になってください。それはいいでしょう」 「ええ……それならかまいません。隣の部屋で子供が寝てますから、静かにしてくださいね」 そういって、寝室に案内してもらう。途中で、もう一歳ぐらいになるんだろうか。幼くして子供部屋を与えられている子供の可愛い寝顔もチラッと見せてもらう。正夫にはよくわからないが、とっても可愛らしかったので女の子だろうか。 夫婦の寝室は、フカフカのダブルベットだった。このマンションは、住人が掃除をしようがしまいが家政婦のサービスが付属しているので、常に清潔に保たれている。掛け布団をもちあげると、どさっと横になってしまった。いわゆるマグロである。 正夫も、裸でどかっともぐり込むと亜沙子の肌に密着させた。 「亜沙子さん、ぼくにキスしてください。ディープでお願いします」 「はい……」 亜沙子は、身体を特に突き出てくる正夫の男根をなるべく避けるようにしながらも、口を近づけてキスをした。次第にディープに、さすがに主婦だけあってなかなかうまいものであって、正夫のものはからまる舌や亜沙子の味にさらに強度を増して、腰を押し付ける。そのたびに、亜沙子が嫌そうに身じろいだが、キスをしろという命令には逆らわずいた。 「ん……亜沙子さん、キスはそのくらいでいいです。今度はフェラチオしてください」 口を離すとそう命令してみた。 「フェラ……! できません。何度も言いますけど私には夫が」 なるほど、キスからが駄目なラインなのか。攻め手を変えてみることにして、正夫はその汚い顔をぐっと亜沙子に近づけた。正夫の臭い息に顔を顰める亜沙子。 「なるほど……、ところで亜沙子さん。なんでこうしていまぼくたちが裸になって一緒に寝ているかわかりますか」 「わかりません……あなたが、管理人でそうお願いされたので……しかたなくです」 嫌悪感を顕わにして、吐き捨てるようにいう亜沙子。まあ、嫌がられて当然か。 「そうですね、ぼくは管理人としていまここに居ます。ぼくの言葉は、管理人として世間の常識であり当然の要求です。それはわかりますね」 「はい……」 「では、ぼくは管理人としてあなたたちの夫婦生活を調べる必要があるのです。具体的にいうと、普段どうやってあなたが旦那さんに性行為をしているか、そっくりそのままぼくにしてもらって調査するんです。これは当然です、わかりますか」 自信ありげに、当然のこととして言う。ここで、少しでも隙を見せたらだめだ。 「……わかりました」 「よろしい、では聞きます。あなたは旦那さんのチンポを舐めることはありますか」 「……あります」 「では調査しますので、一緒のように舐めてください」 無言で俯く亜沙子。顔は蒼白になっている。もう一度、おなじセリフを正夫に耳元で繰り返されると、何かに弾かれたように正夫の男根まで顔を持っていき、ペロペロと舐め始めた。最初は唾液を全体に染み込ませるように。 「おぅ……いいですね亜沙子さん」 そして、馴染んだころにバキュームフェラを始めた。慣れてない正夫には、痛いぐらいに感じる。思わず、情けない声をあげてしまう。それに呼応せずに、イッてしまえとばかりに激しいフェラを繰り返す。端整な顔をゆがめて、吸い付く姿に正夫が必死に耐えていると、今度は玉袋を舐め始めた。グルングルンと、玉袋の中の玉が亜沙子の激しい吸い付きに反応して回転するようだ。こ……これはいいプレイ。 限界を感じ取ると、正夫が何も言わなくても奥の奥底まで男根を飲み込む。 「亜沙子さん……飲んで、飲んで」 亜沙子の口に腰を押し付けるようにして、射精。
ドピュドピュドピュドピュ!
精子が、最後の一滴まで飲み込まれていく。旦那以外のしかもキモデブオタの精子を飲み込まされる気持ちはいかなるものであろうか、その全力で顰めた眉に現れているような気がしたが、ちゃんと完璧に飲み込んだ。きっと、結婚三年目の旦那の精子もこうして飲み込んでいるのだろう主婦の鑑である。 正夫にとっては、初フェラチオであった。しばらく、腰が立たなくてぐったりとしていると。亜沙子がうがいをして戻ってきて、「それじゃ、これで終りですね」といった。正夫は、今日のところはこれで終りにしてもいいかなーとも思ったのだが、興奮した正夫の息子はさらなる快楽を求めて疼いているようなので 「いや、まだ調査は終わりません」といった。 何を感づいたか青ざめる亜沙子。 「上の穴は十分調べさせてもらいましたので、今度は下の穴です」 「嫌です……旦那以外とのセックスはダメェ……」 「セックスというより、これは調査ですよ。あなたの旦那さんと普段やっていることをぼくがやるだけでして、具体的に言うと、あなたのオマンコにぼくのチンコを入れます。調査に同意してるんだから、覚悟を決めてください」 そういって、がばっと亜沙子の腰を開くと自分の腰を差込、亜沙子の膣口にフェラチオ終りでテカテカになっている自分の亀頭を突きつけた。 「ああ……すいません危険な日ですから……。わかりましたから……もう諦めましたから、せめてコンドームをつけて調査してください」 泣きながら、ゴムをつけることを懇願する亜沙子。 「ハハハ、何を言ってるのかな亜沙子さんは、あなたは普段旦那さんとゴムをつけてやってるんですか」 「……やってません、でも!」 「じゃあ、旦那さんと同じようにやるだけですよ」 あくまでも、この人何いってんのという姿勢は崩さずに、ぐっと腰を押し付ける。すでにちょっと入っているような按配だが、なかなか太ももが頑強に、正夫の侵入を抑えてきている。 「でも! 生でやって……もし、中で出されたら……万が一、夫以外の子供を妊娠したら……だめです。大変なことになります」 「何をいってるんですか、それが目的なんですよ」 「え……」 亜沙子の顔は、青いを通り越して蒼白になった。 「これは、旦那さんと同じようにする調査といったでしょう。あなたは、旦那さんと子供を設けてますよね。ぼくも、それも同じようにして調査します」 「そ……そんな……」 まさか、そこまでやられるとは予想してなかったのか。太ももの力が抜けたので、その隙にまたぐっと腰を押し付けた、すでに亀頭は完全に膣のなかにニュルっと入った。「えっと、もしかしてさっきの子供は人工授精で作ったんですか」 「……違います」 手でチンコの位置を調整して、さらに腰を押し付ける。正夫もセックスは二回目であるので、膣口位置ぐらいは掴めるようになっていた。 「じゃ、どうやって作ったんですか」 「……」 「ぼくが言いましょうか、オマンコにチンコを入れて危険日に中だしさせたんですよね」 「……はい」 蒼白な顔を少し赤くさせて肯定する。忙しいものだ。 「そうやって、何度もオマンコに中だしされているうちに、あなたの排卵が始まり、あなたの卵子が旦那さんの精子で受精して、着床して妊娠した。そうですね」 「……はい」 すでに、八割がた入ってしまっている。諦めたのか、亜沙子の四肢から完全に抵抗の力が抜けて脱力。いい感じだ、腰を押し付けてぐっと抱きしめて胸を吸う。そのたびにズッズっと腰が埋まっていく。 「あなたは、調査に同意しています。それと同じことをこれから行います。わかりました……か!」 「いっ……わかり……ました」 「物分りが良くてよろしい! じゃ、腰振ってオッパイ吸いますから、亜沙子さんは一生懸命感じてくださいね」 そういうと、正夫は稚拙ながらも精一杯腰を振って、亜沙子の形のいいオッパイになんども食らいついていった。 「うっ……うっ……」 いつのまにか、亜沙子は泣いていた。それを無視するかのように、腰を振ってオッパイにムシャぶりついている正夫。さすがに一度抜いておいたので、すぐに射精することはなさそうだった。悲しくも、稚拙な突きに反応して濡れ始めているオマンコ。亜沙子は、自分の中の女の反応がとても悲しかった。 「……管理人さん、これ調査ですよね……いっ……不倫になりませんよね。雅彦さんへの……うっ……裏切りじゃないですよね」 懸命に自分にからまっている正夫に、半ば呆れつつ涙も乾いた気持ちで亜沙子はふいにそう、正夫に尋ねた。旦那は雅彦っていうのか、どうでもいいけど。 「何をいうかとおもえば、大丈夫ですよ! これはまったく当たり前のことなんですよ。不倫でも、情事でも、セックスでもありません。気になるなら復唱してください」 「……不倫でも、情事でも……セックスでもありません」 「調査のために、ぼくの精子をオマンコいっぱいに受け止めて、子宮で受精して、着床するだけ、はい復唱!」 「調査のために、管理人さんの精子を受け止めて、子宮で受精して、着床……あう」 亜沙子が素直にいいセリフを復唱するので、亜沙子のなかで正夫のものがギンギンになって、反り返るほど。興奮して、正夫は左の乳頭を噛んだ。 「いっ……強く揉みすぎです。あと、乳首噛まないで……旦那はそんなことはしません……」 「ごめん、不慣れなもんで。亜沙子さんも、旦那とするときはもっと笑顔でしょ。笑って、そしてキスして」 そういって、口付けする。そういわれたので、亜沙子は無理に笑顔を作ってみせる。涙も乾くほどの壮絶な笑顔であった。 「あー、亜沙子さんの笑顔始めてみたな。もう出そうなんですけど、旦那がイキそうなときは、亜沙子さんはなんていいますか」 「いっ……雅彦さん来てー思いっきり、中で出してっていいます」 「じゃ、ぼくの名前は正夫なんで、正夫さん中で出してっていってください」 「正夫さん……中で出して……」 「中で出していいのね、じゃいきます!」 「あっ……」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!!
「うぅ……中が熱い……」 正夫が生まれてから、これほど出したことは無いと思うほどの射精が、亜沙子のオマンコのなかで爆発した。オッパイをチューチューすすりながら、余韻に浸る正夫を、亜沙子は乾いた薄笑いで見つめていた。 正夫が余韻を味わい終わると、茫然自失で固まっている亜沙子に声をかける。 「そうだ、旦那さんに、排卵日の報告はしていますか」 「危険な日は、言うほうが燃えるのでそれとなくいってみるときもありますが……」 「いわないときもあると、旦那さんはあなたの生理周期は把握していないんですね」 「だとおもいます」 「だったら、今回はなるべく避けてください。今週は用心して、どうしてもしょうがないと判断した場合以外は身体の調子が悪いとか適当に理由をつけて旦那さんとのセックスは断ってください」 「……うう」 「それが必要なことは、もうお話しましたよね」 「……はい」 「ぼくとこうしていることは、別に言っても平気ですけど、一応旦那さんには言わないでくださいね」 「絶対言いません!」 「じゃ、これから今週は毎日あなたと子作りに来ます。今週であたるといいですね、来週はもう危険日から外れると思うので、旦那さんと自由にセックスして結構です」 そういうと、笑いを崩して思い出したように、しくしくと泣いている亜沙子を尻目に、部屋を後にした。
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第二章「梶井素子 弐」 |
「まさか、本当に気絶されるとは思わなかったな」 ぐったりと正夫に、身体の力に全てを預けてしまった素子は静かに意識を喪失させていた。これを、どうしたものか。とりあえず、ベットのところまで引きずっていって身体を寝かせた。起きないものかと、頬を数回叩いてみたが深く深く気絶しているようでまったく反応がない。 眠ったままするのも悪くないなあと思い、胸を揉んでみる。寝かせても、素子の爆乳は奇跡的な型崩れのなさで、それでいて触るとまるでプリンのような柔らかさとマシュマロのような弾力をあわせ持っている。チュッと、右の胸を吸ってみると、ほのかに甘い味がした。そのまま、舌で転がしていると乳頭が静かに勃起し始めた。清楚な容姿に似合わず、胸の大きさに比例して乳輪も大きい。仄かにピンク色で、吸い付くとしっとりとした肌にぬくもりがある。片方の乳が、両手で抱えても余るほどの圧倒的迫力であるのに、どこか可愛い感じがした。 「うう……我慢できない」 ビンビンにおったてたものを、素子にしがみつくようにしてオマンコに擦り込む。しかし、素子は当然ながら濡れてないし、童貞である正夫も入れ方が分からない。オマンコのビラビラに擦り付けるようにして、正夫は早くもいってしまった。
ドピュドピュドピュドピュドピュ……
外側から膣口にかけてドップリと出された精子、はねあがりぎみに飛び上がったチンポは、腹まで飛沫を吹き飛ばさせた。 「あーでちゃったよ」 ここまで精液を出し切っても、正夫の男根はビクビクと脈打ち強度を失うことがない。指で摘んで、擦り付けてみるとスルっと膣口の先端に引っかかった。 「おぉ!?」 ズブズブと、亀頭が狭い膣口に埋まっていき、その入り口の細さに止まった。 「おぉ……うぅ」 亀頭を包み込む、あまりの気持ちよさに身動きが取れないで居た。ブルブルと、震えながらじっとしていると、正夫の自重でズッズッと、締まりの良すぎる膣壁に亀頭が少しずつ埋まっていくような感じだ。 「うっ……うっ……」 気絶したままの素子は、そのたびに苦しそうな声をあげる。もともと、そういう体質なのか、気絶が深かったせいか目は覚まさない。狭い膣壁に押さえつけられる言語を絶した快楽に、正夫は声をあげて泣いた。 なあに、素子が気がついたら気がついたで、そっからまた催眠でなんとかしてやればいいだけだ。そう開き直ると、さらに凶暴なモノの強度を高めて、その芳醇なオッパイにむしゃぶりついた。さっきは、右だったのでこんどは左胸に。両手に余るボリュームは、正夫の歓喜を加速させる。豊満な乳輪を嘗め回し、その頂点の乳頭を舐め取って勃起させる。正夫の甘噛みに反応して、ピクッっと乳頭は立つ。 「うっ……」 正夫が素子の身体をむさぼるたびに、意識を失ったままの呼吸は乱れて、唸る。その反応が、正夫の快楽を増す。チューと、左の乳頭を吸い上げると口の中に淡い素子の味が駆け巡って、正夫は頂点に達した。
ドピュドピュドピュドピュドピュー!
二回目の射精は、狭い膣壁に叩きつけられた。ドクッドクッっと、叩き込まれる精液の内圧に負けて、ついにプチッっと膜のようなものを破ってズブズブと発射した精液と共に、正夫の腰が埋まっていく。 「うぉーうぉー!」 正夫は、ついに処女膜を破って素子の本当の中へと分け入ったのだった。正夫のデブオタに似つかわしくない凶暴なモノに比べて、そのあまりにも小さい膣内は悲鳴をあげている。結合部からは、処女をやぶった証の鮮血が垂れ下がっていた。 「素子ちゃんー素子ちゃーん」 正夫は、さらに腰を押し付ける。胸の両方を交互に吸う、素子の名前を叫びながら。それはまさに、デブオタが獣に変わった姿であった。正夫の中の何かがぶちぎれてしまい、ただ素子の身体を貪ることしか考え付かなかった。やがて、腰を押し付けて押し付けつくして、素子の口を貪るように吸うと
ドクッドクドクドピュー!
三度目の射精をして、正夫の獣化は納まった。ハァハァと息を荒げて、汗ばんだ身体を素子の胸に押し付ける。素子は、ただただ苦しげな顔をするのみだ。その間にも、誰にも汚されたことの無かった子宮は、正夫の汚らしい精液によって汚されていく。正夫は息を整えると、まだ素子が意識を失ったままであることにほっとした。 「あっ……どうしよ、中出ししちゃったよ」 先ほどまで童貞であった正夫にも、さすがに中だしすると妊娠するという知識はある。ただただ、必死になって素子を貪りつくした正夫であったが、妊娠までは計算に入れてなかった。彼女には大学も、別居だが親も居るだろう。その点をどうするか、頭の中を様々な問題がグルグルと駆け巡る。 それでも、目の前で汗ばんでる素子の寝顔を見ていたらいいやという気になった。こっちには、催眠があるのだ。このマンション内限定ではあるけれども、やってみたらなんとかなるだろう。むしろ、素子を妊娠させる覚悟を決めることにした。いや、素子だけじゃない、他の住人でもめぼしい女性は全員だ。 そう心に決めると、素子の身体をできるかぎり奇麗にしてベットに眠らせて帰ることにした。陵辱されたあげく裸で、掛け布団だけかけられている素子は、起きたらなんと思うであろうか……。
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第一章「梶井素子 壱」 |
まず、最初のターゲットに正夫が思いついたのが、梶井素子(二十一歳大学生)だった。自分と同じ一階に住んでいるし、あの清楚さを感じさせる大人しげの容姿とは、アンバランスな巨乳アイドルのようなオッパイは弄びたい度ナンバーワンだ。 このマンションで、数少ない正夫を見ても嫌悪の目線を送ってこない優しい女性。遊び歩いていることが少ないので、夜の今の時間なら必ず部屋にいるはずだった。一人暮らしなのも好都合。 一階の管理人室から外に出る、高級マンション特有のひんやりとした空気。食事も宅配させて部屋に閉じこもりぎみだったので、外にでるのは久しぶりのような気がする。すぐさま、チャイムを鳴らす。 「はーい」どたどたと、スリッパの音を立てながら素子が出てくる。室内からは、カレーの香りが漂ってきている。どうやら夕食どきだったようだ。 「あらー、誰かと思ったら管理人さんですか、何かご用でしょうか」 この高級マンションで数少ない管理人である自分を認識している人物の一人である。まったくもって普通の反応。本当に、催眠効果が出ているのか不安になる。ええい、自分の臆病者が恨めしい、こんなときのために催眠術マニュアルを熟読して来たんじゃないかと気合をいれる。 「どうしたんですか」 目の前で、汗をかいたり不安げに顔色を白黒させたりしている正夫に、素子も困惑した様子だった。 「もしかして、ご気分が悪いんでしょうか……でしたら」 「いえ、大丈夫です。大丈夫」 慌てて、手を振り上げて元気さをアピールする正夫。すでに、困惑は心配に変わってしまったようだ。素子は「大丈夫なのこの人?」という顔をしてすっかり困っている。「えー、素子さん。ぼくは管理人ですよね」 「ええ、そうですね。それがなにか」 何を当然のことを言い出すのだろうこの人は。 「ぼくは、管理人ですからあなたの生活も管理する必要があります、わかりますか」 「はあ……そうですね」 「そこで、あなたを管理するためにご協力いただきたいのですが」 「協力……ですか」 「そうです、ぼくは管理人としての義務と責任があります。あなたを管理するために、あなたの協力が必要なんです。ご協力いただけますか」 「ええ……まあ、いいですけど」 「じゃ、とりあえずあなたの部屋にあがらせてください。中でゆっくり話をしましょう」 「ええと……はい、いいですよ」 とりあえず、中に入ることには成功した。 「夕食は、カレーですか」 「ええ……」 「私も一緒に食べていいですかね」 「えー、管理人さんもですか……」 いきなりの無遠慮な物言いに、驚く素子。 「味を調べるのも、管理人の仕事なんです」 そう、自信をもって言い切ってみる。 「そうなんですかー、じゃどうせ一人分としては、多く作りすぎたとも思いましたので……どうぞ」 そういいながら、正夫の分もカレーを出してくれる。すこしだが、シーザーサラダもついてきた。わりと、自分で料理したりするんだなあ。いいところのお嬢様なのに、などと暗記している素子のデータを思い起こしながらカレーを食う。 それにしても、いいおっぱいだな。巨乳……いやあのアンダーシャツを猛烈な勢いで押し上げて見えている反則的な谷間は、爆乳という称号こそ相応しい。 「どうしたんですか、じっと見つめられると何か困るんですけど……」 もじもじと、身体をくねらせる素子。その仕草がまた魅惑的だ。 「あなたをよく観察することも、管理人として必要なんです。どうぞ、ぼくの視線は気にしないでください」 そういうものなんですかと、とりあえず落ち着きを取り戻す素子。それは、あくまでもそ知らぬふりを装っているようで、実は気にしているという風でもある。危険がない程度に、自分が建物の中で発しているはずの暗示の力をまず調べないと。それに、食事を終えて満腹したのだから、違う欲求の方も満たしたい。たっぷりと時間をかけて、食後のコーヒーまでいただくとさっそくとばかりに正夫は話はじめた。 「……というわけで、まず管理人の仕事になんでも協力すると約束してほしいのです」「わかりました、約束します」 素子がよく考えないままに、約束させてしまう。 「じゃ、さっそくですが服を全部脱いでください」 「えー、ええー!!」 これができなければ、催眠の力とやらも使えないということだ。さらに、正夫は駄目押しで「さっき、なんでもするって約束しましたよね」と駄目押ししてみた。 「それはー、そうですけど……下着だけ残してはいけませんか」 おお、脱いでくれるのかという喜びは隠して真面目な顔で言う。 「いや、管理の仕事に必要ですから全部お願いします」 「はい……」 そういって、素子は洋服に手をかけうえから脱ぎ始めた。もともと部屋着で、そんなに着ていないから、すぐ脱げてしまう。ブラに手をかけるとき、すがるような眼で正夫を見たが、「お願いします」と駄目押しされて、ブラジャーも外す。 「おお……」 何カップだろうか、みごとな豊乳が顕わになった。そして、下着にも手をかけてすっと降ろすと、素子は一糸まとわぬ裸体となった。 「これでー、いいですか」 もう泣きそうである。 「胸と股間から、手をどけてください」 「あのー、いやらしい眼で見てないですか。管理のお仕事なんですよね」 そう素子から逆襲される。なんか、自分がイメージしていた催眠術ほど従順じゃないなあと思いつつ、もちろんですよ!と真面目な顔をして見せて、手を広げさせる。いい、素晴らしい。圧倒的なボリュームを誇りながらも、決して垂れてはいない。おとなしげな服装なので目立たなかったが、ここまでの爆乳を隠し持っていたとは。手で隠すことも許されずに、身体をくねらせている素子に思わず聞いてみる。 「えっと、素子さん何カップですか」 「えー、それも管理人のお仕事に」 「ぼくが、いうことは全て管理人の仕事です」 「えっとー、一応ブラのサイズはJカップになってます」 「おお、それは……FGHIJ……すごい。最近はそんなブラがあるんですね」 「可愛いのが無いから特注なんです。あのーもういいですか、裸のままでいるのは恥かしいし、ちょっと寒いかなと思い出してきたし」 なんとかして、服を着たいようだ。 「それはいけませんね、暖房をかけましょう。ぽちっとな」 暖房をかける正夫。それにしても、いまどき「ぽちっとな」は、ないだろう。 「あの、それじゃ管理人さんが暑くないですか。やっぱり私が服を着たほうが」 「いや、大丈夫ですよ。ぼくも服を脱ぎますから」 そういって、すらすらと服を脱いでいく。 「ちょっと、やめでください。脱がないで、きゃー!」 素っ裸になってしまった正夫の前に、素子は目を手で覆ってしゃがみこんでしまう。「あー素子さん、目をあけてください。これも仕事に必要なんですよ」 「えー、でも。裸になることがなんで」 「お互いに、裸になることが管理の仕事に必要なんです。さ、立ってください」 いやいや、素子は立ち上がったが、目の前の肌が汚らしいデブオタの肢体やその中央下腹部に屹立している、男根などを見ないようにしている風でありながら、視線の端には捉えているようだ。 「なんで……そのなんであそこが勃起してるんですか……やっぱり仕事じゃないんじゃないですか。いやらしい眼で……見てるんじゃないですか」 そうやって非難げな眼で睨みながら、泣きそうに震えている。どさくさにまぎれて、手でまた胸を隠そうとしたので注意したところだ。 「この勃起したものも、必要なんですよ。目を背けないで見てください」 薄汚いデブオタにしては、分不相応に立派なマグナムを正夫は、裸の素子に突きつけて見ることを強要した。 「そんな……変なにおいがしますからあまり近づかせないでください」 そういえば、風呂に最近入ってなかったなあと思う正夫、まさに股間からは例のイカ臭い匂いが漂っている。童貞特有の恥垢もたっぷりと付着している。 「近づかせないわけにはいかないですよ、ぼくはこれからあなたを抱くんだから」 そういって、正夫は一歩一歩近づいてく。 「きゃー抱くって、どういうことですか!」 「文字通りの意味ですよ、抱きつくってことです」 そういって、正夫は素子に抱きつく。反射的に、拒絶されたが「仕事仕事」と耳元で囁いて、抵抗力を奪う。若干チビの正夫に比べて、もともとスポーツもしていてガタイの良い素子は長身である。顔を近づけると、見上げるような形になるのが正夫は気に入らない。 「すこし、顔を下げてくれませんか……そうだ、素子さん。キスしてください」 「き、キス……そんなことできません。勘弁してください!」 抱きついてきた、正夫を振りほどくことも出来ずに、ただ顔だけ背けて抵抗。 「これも、仕事に必要なんです。なんでも協力するっていったでしょ、さあぼくがしますから、口を開けてください。そうそのままでいてね」 そういって、正夫は嫌がる素子のやわらかそうな唇に吸い付いていった。素子の口内は、さっき食べたカレーの味がした。舌を絡めつつチュパチュパと執拗に吸い上げていくと、ほのかに素子の味が正夫の口内に移っていく。素子は逆に、キモオタの唾液を注ぎ込まれている嫌悪感に気が遠くなっていった。
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序章「塔主の誕生」 |
「おもすれぇ」 古森正夫は、あまりの楽しさにカーテンを閉め切った薄暗い一室で誰にも聞かれることがない雄叫びを上げた。あまりにも、面白いフリーゲームを発見したのだ。ゲーム名は「タワーマスター」 作者のページの情報を信じるなら、信じない理由はないのだが、ごく最近開発されたばかりで、まだクリアもされてないゲームである。フリーつまり無料の素人が開発したゲーム。その種のほとんどは駄作ばかりだ。しかし、このゲームは違った。ネット風に表現するなら神、つまりゴッドな出来だった。ネット界のフリーソフトには古の時代に開発され、いまだに受け継がれているようなコアなゲームがいくつかあるが、そんな伝説のゲームにこれはなるに違いない。近い将来のうちに、だが今このゲームを発見したのは自分を含めて世界には数人……せいぜい数十人しかいないはずだ。 正夫は「ゴクリ」と音を立てて沸いた唾を飲み込んだ。「このゲームを世界で最初にクリアーする」チャンスが与えられたと思ったからだ。この優れたゲームの作者に与えられる栄誉におよぶべくもないが、初めてクリアーしたプレイヤーになるのもゲーマーとしては名誉である。ほとんどかかれていない掲示板を見て、正夫は勝利を確信した。不眠不休でゲームのエンディングを軒並み見終えると、感謝の言葉と共に初クリアー宣言を行った。 そのゲームがフリゲ界に旋風を巻き起こすころ、作者から、一通のメールが届く。それは、彼の予想通り初クリアを讃え感謝の言葉を書き記したものなのだが、問題はその冒頭に「古森正夫殿へ」と本名が入っていたことだ。正夫はネット接続するときに、ハンドルネームしか使わない。「なぜ、この人はぼくの本名を知っているのだろう」と、正夫は冷や汗をかいた。そのとき、急に音声ソフトが立ち上がった。 「突然失礼だが、私のゲームをクリアーしてくれてありがとう」 驚いた正夫は、椅子から飛び上がって、腰を抜かした。 「返信をキーボードで打つ必要はないよ、そちらの音声は全て聞こえているし、ゲームがスパイウエアの役割を果たしてくれているので君の情報は全て入手している。私のゲームを最初にクリアーしてくれたのが、君で助かったよ。君の能力と環境を生かして新しいゲームの開発を手伝ってほしいのだが、話だけでも聞いてみるかね」 正夫は、困惑したがとりあえず話しだけでも聞いてみることにした。 「よろしい、私のゲームは性格分析も兼ねているので、君が断るはずはないとは思っていたが……新しいゲームというのは一種の催眠ソフトなのだ」 「催眠ソフト?」 「使い方によっては、洗脳もできるかもしれないな。システムの名前は君がクリアーしたゲームと同じ『タワーマスター』一つの建物全体の電気配線に作用し、建物内の人間を催眠状態に陥らせることができるものだ。もちろん、その暗示は操作者つまり君だけを相手として作用し、日常生活にも影響がないほどの弱いものなのだが」 「タワーマスター、催眠、洗脳?」 「まあ、使い方はおいおい学んでいくといい。君の状況はよく理解している、親譲りの高級マンションの管理人……といっても、管理会社が管理しているので君はそうやって日がな一日ひきこもっているわけだが、死ぬほど暇を持て余している。君が、住人のなかで、めぼしい女性の個人情報を収集して楽しんでいることも知っているよ」 正夫は、自分の密やかな趣味まで筒抜けになっていることを知って狼狽した。 「もちろん、引き受けなくてもそのことを公にするつもりもない。やる気が無いなら、ただ私のソフトを消去すれば、何も無かったことになる」 製作者は、正夫が考える時間をあたえるように間をおいた。 「だが、このソフトをうまく使えば、君はこのマンションの支配者になれるのだよ。たしかに、いまの君は薄汚いデブオタヒッキーだが、私は君の知性に期待している。システムを使用する代償としては、他言しないことと報告書を提出してくれるだけでいい。やるかね」 このチャンスを使えば、マンションの女性たちを自由にできるかもしれない。デブオタの自分には到底手の届かない彼女たちが……正夫は、ためらうことなく「やります」と答えた。 「よろしい……では使い方を説明するとしよう。ゲームスタートだ」
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