後日談13「栗原綾子の不妊治療2」 |
五月、新緑の季節。先月末にまた生理が来てしまった栗原綾子(くりはら あやこ)の不妊治療は続きます。 先月の野外調教で、とあるマンションの住人に出くわしてしまってから、「もう二度と野外調教はしない」と綾子に拒絶されたものの(正志も『別の理由で』したくなくなったのでちょうど良かったらしいですが)普通の調教には、やけに素直に応じるようになりました。 それは、正志が驚くほどの変化です。 なにせあれほど嫌がってた動画のアップに積極的になり、ついに全身ヌードを前から撮っても良いと自分から言い出したぐらいです。 もちろん正面から映すといっても、顔を黒い皮のマスクで覆い隠す程度の配慮はしています。 綾子の美しい素顔を知っている正志は、動画の書き込みで「あれけっこう小顔で美人なんじゃない?」「マスクの下はどうせブサイクだろ」などと綾子の素顔について議論されているのを見るのも優越感があって面白いものでした。 なるほど個人特定の危険を冒してまで、多くの人がハメ撮りなどをサイトにアップしている気持ちも、実際に自分がやってみるとわかろうと言うものです。
一方で、どうして綾子がここまで素直になったのかと説明してしまえば、深谷茉莉香という『成功例』を知ってしまったことが大きいのでしょう。 実はあの四月の露出調教の後、綾子は茉莉香と二人だけでじっくり話す機会を得ていました。その影響があって、このように素直に正志を受け入れることになったのです。 勘が鈍い正志は、綾子と茉莉香が自分には内緒で通じ合っていることも気がついていませんし、綾子の態度が突如として柔軟になったこともおかしいとは感じていません。正志に対する茉莉香の反応も、それにともなって以前とは少し変わったはずなのですが、そっちのほうも全く気がついてもいませんでした。 相変わらずまったく考えが浅いというか察しが悪いというか、今回はたまたま綾子と茉莉香の競争意識のようなものが上手く作用したようなので、結果オーライなのかもしれませんが、正志はそのせいで後々驚かされる結果になるのです。
さて、場所は栗原家の寝室です。他のマンションの部屋と違って、最上階で豪華な間取りになっているマンションの最上階のこの部屋は一室が広々としています。テラスから差し込む柔らかい陽射しのなか、デザイナーズブランドとかいうやたら大きな白いシーツのかかったフカフカのベットが置かれています。 塵ひとつない綺麗で広々とした板間にベットが一つだけ、贅沢なスペースの使い方と言えるかもしれませんが、やや生活感に欠けて冷たい感じがします。しかし逆にその生活感の欠如こそが、夫は複数のベンチャー企業を経営する起業家であり、妻は有閑マダムとして都内を忙しく遊び歩いている、そんな夫婦の生活を表していると言えるかもしれません。 そんな部屋の真中で、裸になって転がされている綾子はまるで美術的に据え置かれた標本のようでした。 タイトルをつけるなら、そうですね『まな板の上の美肉』なんてのはどうでしょうか。なにせ、綾子はただ寝そべっているのではなく『裸になって転がされている』のですから。 ベットの上の綾子はただ裸になっているわけではありません。顔全体がSM用の黒皮のフェイスマスクで覆われて、眼は全く見えない状態です。口にはご丁寧にもプラスチックの無骨な塊が咬まされていて(いわゆるギャグボールですね)話すこともできません。 身体はM字開脚の姿勢で、黒いゴム製のロープでグルグル巻きされています。きわめて乱雑な拘束のされ方です。 正志は、どちらかと言えば手先は器用なはずなのですが、この縛り方を見るにつけて縄師としての才能と情熱には欠けていると言えるかもしれません。身体を縛りつけて、オッパイを変形させているロープは、まともな縛り方ではなくても拘束としては機能していますが、その道のプロが見れば「せっかくの素材が勿体無い」と呆れるほどに、いい加減な縛り方です。 あとは綾子の裸体をキャンパスにでも見立てたのか、動画であらかじめこういうの書いてくれと閲覧者に希望を募った隠語を適当にマジックで落書きしてあります。 書かれている落書きの文句は「おまんぽ」だの「おちんぽ挿れて」だのオリジナリティの欠片もありませんが、全体としてSMチックな雰囲気というか、虐げられている感は出ています。 縄による拘束も、身体の落書きも、ただの飾りに過ぎないので、そこら辺は大雑把でいいと正志は考えているようです。むしろ乱暴に扱うことで、綾子の心をより虐げているのかもしれない……とまでは考えすぎですね。 きっと正志は、ただ本能のおもむくままに、綾子を虐げているだけなのですから。
余談ですが、綾子の秀麗な眉目を覆っている皮のマスクやスッと紅いラインを引いたような口を塞いでいるギャグボール、そして身体を拘束するロープに至るまで、去年の冬のはじめに岸辺 佳寿美(きしべ かすみ)の調教につかっていた物の再利用です。 潔癖症の毛のある綾子は、自分の顔や口に触れるものが他人がすでに使った中古品だと知ったら、きっとすごく嫌がるに違いありません。きちんと消毒していると説明しても、小うるさく騒ぐはずです。まあ、そこら辺は知らぬが仏と言ったところでしょうか。 (まったく、自分のマンコも中古品のくせに面倒くさいやつだよな) 正志は綾子が聞いたら怒りそうなことを心のなかでつぶやきながら、皮のマスクやロープで拘束されてベットの上で足を大股開きにしている綾子をジッとカメラで撮影します。 (ふふっ、撮り終わったら、子宮の方も俺の使用済みにしてやるからな) もちろん正志は、そう心で思うだけに留めます。自分の声が映像に入ってはいけませんから撮影中は黙って見ているだけです。そして撮りながら、縛られて身動きが取れない綾子の股ぐらに、ブンブンと唸りをあげる大きなバイブレーターを突っ込んでよがらせます。 形の良い乳房の乳首の先にも、ピンクローターを一つずつ括りつけて綾子を刺激することにしました。 そうして、カメラを向けたまましばらく放置です。 綾子は程なくして我慢しきれなくなったのか、何か叫び声とも嬌声ともつかない呻きをあんあんおんおんと漏らしています。 そうです、いまの綾子は口輪をかまされているので、叫ぼうが呻こうが涎がたらたら垂れるだけで、人間の言葉になりません。 正志は、動物のように戦慄くだけの哀れな女を、ただ自分が満足がいくまで撮り続けていました。 こうして見下して初めて、綾子を完全に手中に収めることが出来た征服感に酔いしれることができます。そこまでしないと満足できないのですから、正志の綾子に持っている劣等感も難儀なものですね。
「よおし、もういいぞ。よく頑張ったな」 正志はハンディーカムのカメラを止めて、綾子の口にかましたギャグボールを外してやります。 そうして、唇の周りに無残に垂れた涎を丁寧に拭いてやるのです。 身体の自由も視野すら奪われている綾子を眺めて、正志はたっぷりと満足できましたから、乱暴なプレイが終わった後は少し優しい気持ちにもなるのです。 「ハァ……ハァ……ありがとう、ございます」 バイブとピンクローターを外して身体の拘束も解いて楽にしてやると、綾子は絶え絶えの息をついて正志にお礼を言いました。 今この瞬間だけは、完全に正志が上です。正志が、綾子のすべてを支配しているのです。正志は、そう思うとだんだんとムラムラしてきました。 「このまま犯してやるからな」 「あっ、ちょっと待ってください」 「んっ、なんだ」 「あの犯すのはいいんですが、やるときに正志さんも目隠ししてくれませんか」 今日の調教をはじめる前に綾子が珍しく正志にプレゼントを手渡してくれたのですが、それはゴーグルタイプのアイマスクでした。 正志が、綾子にマスクさせて視野を奪うなら分かるのですが(実際に今も、綾子は顔の上の部分を覆う皮のフェイスマスクで視野を完全に剥奪しているわけです)この上で、正志までもが目隠しする理由がわかりません。 「ふん、いいぞ。かぶればいいんだな」 綾子の反応が眼で楽しめなくなるのは残念ですが、お互いに全く見えないなかで身体をまさぐり合うのも一興かと思えました。 何より消極的だった綾子が、自分から用意してくれたものなので、ここは乗るべきだと考えたのでしょうね。虐げる相手のお願いをホイホイと聞いてしまうのですから、やっぱり正志にSMの才能はないと言ってしまっていいと思います。
口輪を外された綾子が、ハァハァと荒い息の下で、密かにほくそ笑んでいることにも、正志は気が付きません。 例えば「マスクをかぶったよー」なんて言っておいて。 本当はアイマスクなんてしなくても、フェイスマスクで覆われている綾子にはわからないのですが、妙なところで律儀な正志はきちんとアイマスクをして綾子と身体を重ねました。 「なるほど、見えないと変わった感じがするな」 正志は自分でやってみて、初めてされる側の気持ちが分かった気がしました。視界が奪われているからこそ、他の感覚が鋭敏になるということがあるのです。均整の取れた綾子の肉体を手でまさぐるようにして確認します。 暗闇の中で、相手の暖かさを肌に感じて、確かにそこに生命を持った女が存在すると確かめられたような気がしました。 よく考えるとお互いに目隠しなんかしなくても、カーテンを引いて電気を消せばいいだけなのかもしれませんが、これは気分の問題というものでしょう。 能動的に、お互いの視界を奪ってから求め合う行為はとてもアブノーマルで刺激的だと言えます。 初めての感覚にドキドキしながら、正志は綾子の滑らかな肌に手を滑らせて下腹部をまさぐりました。 そうして、アソコがしっかりと濡れていることを確かめるとぎこちない仕草で腰を擦り付けるようにして、ゆっくりと挿入していきます。 「ああっ、入ってきます……」 綾子の声が正志の耳たぶを優しく震わせます。聴覚と触覚に頼ったセックスは少しぎこちなくて、なんだか初めてセックスしたときのことをその興奮と共に思い出しました。 (悪くない、悪くない感覚だな、これ……) すごく敏感になっている肉棒で割るようにして腰を沈めると、正志の存在そのものが綾子の締めつけてくる牝肉の形を強く感じます。 そのまま綾子を抱きしめて、全身で愛撫します。 「はぁ、気持ちいいです」 さっきたっぷりとバイブレーターで身体をほぐされていた綾子は、気持ちよさそうに身体を震わせます。 視界を奪われて責められるということが分かると、綾子がどんなふうに感じていたのか何となく分かるのです。
(そうすると、こうか……) 腰を沈めながら、形の良い乳房をグイッと掴むと、ビクンビクンッ面白いように綾子が震えます。とても面白い反応です。見えないからこそ、次にどうされるか分からないことが絶妙な効果を生んでいるのです。 正志の方も目隠ししているので、綾子が次にどう反応するかまったく見えませんから、何度も抱いている身体がとても新鮮に感じました。 指で反応を確かめるように、ぎこちなく綾子の身体をまさぐり、尖った乳首の先っぽをちょっと噛んでみたりして綾子に声を上げさせます。 「ああっ、んはぁ……」 正志の耳たぶを震わせる、綾子の吐息がこんなにエロく感じるのは久しぶりでした。まるで、恐る恐る初めて綾子の身体を抱いたときのような初心を思い出します。 (目隠しプレイ、面白いじゃないか) まだ今日の時間はたっぷりとあります。すぐにイッてしまわないように、膣の中で動かさず陰茎を休ませてから、綾子の背中に手を回して形の良い尻の肉をイタズラに手で揉み上げるようにします。 「はぁん、ふぅん……」 綾子の大きな尻の肉を揉んで、悪戯に臀部のワレメを指先で撫でたりして、反応を探ります。マンコに挿入しながらお尻を弄ると、膣内にも反応が伝わってとても気持ちいいのです。 身体のどこかをまさぐるたびに、綾子は違う声色をあげて反応を返すので、まるで楽器を弾いているような陶然とした心地になりました。 しばらくそうやって綾子の身体を弄んでいると、不思議と正志の股間の奥底から獣のような凶暴な欲望が鎌首をもたげてくるのです。 「そろそろ激しくやるぞ」 正志はそう宣言して、さっと身体を引くと綾子の生足をガシっと掴みました。スベスベの太ももから足首にかけて手で触れて、その見事な脚線美をなぞりました。 目で見えないからこそ、綾子の肌のキメ細やかさに深く感じ入ります。綾子の太ももの感触はモチモチで、まるで赤ん坊の肌のようです。 (どんなエステに通ったら、こんなに瑞々しくなるんだろうな) 顔に無骨な皮マスクをかぶせようが、身体中に卑猥な落書きを書きまくろうが、こうやって手で触れるだけでパーツの美しさは変わらないのです。綾子はやっぱりお高い女だなと、自分とのランクの違いに引け目を感じてしまいます。 おっとそんなことを感心してる場合じゃないと正志は、両足を思いっきり押し開いて、そこにドンと身体を乗せます。 綾子がどれほど気位の高い女であろうが、いまは俺の自由になるんだと正志は思い切りました。 「そらよ!」 そんな気合と共に、綾子の足首を抱くようにしてグッグと腰を密着させて生殖器をすり合わせます。綾子の穴は気持ちが良いほどにスルッと正志の元気な陰茎を飲み込みます。 そのまま勢い良く、蕩々に蕩けそうな綾子の媚肉を分け入って、一番奥までえぐるように、硬いペニスでグイッと突き上げました。
「ひああああぁぁぁー」 壊れそうなほどの勢いで、綾子の膣奥が暴力的な突き上げを喰らいました。膣奥のそのさらに奥にある子宮にジーンと響くような振動が伝わると、綾子の心までも強く震わせます。 そうしてすぐにピストン運動が始まります。綾子の膣襞を陰茎の肉傘で嬲るようにズルッと引き、またドンッと突き上げるのです。 一番奥を反り返った陰茎の先でゴツンと突かれるたびに、骨盤ごと子宮を揺さぶられているみたいで、綾子は悲鳴を上げます。 「ひゃんっ」 穴の中をズルズルと硬く太いホースが擦れるたびに、綾子の蕩けそうな内蔵がドロドロのグチャグチャに掻き乱されます。正志の凶暴なピストン運動は、まるでそのために作られた律動機械のように、ドンドンと加速していきます。 「ひっ、ひあぁ、あああぁぁ!」 あまりにも激しい責めに、思わず綾子は苦しそうな悲鳴をあげました。正志の全体重を落としこむような乱暴な縦運動に全身が翻弄されます。吹き飛ばされそうで怖くて、綾子は必死に正志の肩に手を回します。綾子の形の良い乳房も、正志のピストンに合わせて面白いぐらいにブルンブルン震えました。 悲鳴を上げていても、綾子は痛いわけではありません。ずっと求めていた刺激を与えられてとても気持ち良いのですが、その気持ちよさが激しすぎて幻痛を感じるぐらいなので叫んでしまうのです。 鮮烈な快楽が突き上げられる下半身から脊髄を通して脳に駆け上がってくる衝撃に、悲鳴を上げずにはいられない。 まるで他人のように自分の喉を通してひゃんひゃんと出る音を聞きながら、綾子は身体の細胞一つ一つが、喜びの声をあげているように感じました。 それまでのバイブレーターという人工の機械で与えられた感触と、男の生の生殖器が与えてくれる刺激は全然違います。 生の粘膜と粘膜が触れ合う子作りセックスの感覚は、どのような人工物を使っても再現できない気持ちよさなのです。
ここまで感じさせられてしまっては、相手が綾子のような美しい女とはとても不釣り合いの醜い男であるなんてこと、もう関係ありませんでした。 綾子は身体と心を震わせて泣き叫びながら、ただ触れ合う肌と肌、生殖器と生殖器を通して与えられる快楽と愉悦を求めることに、必死になっていました。 綾子は、激しく揺すぶられるマンコからジワァァッと愛液を垂れ流して、ただ正志が自分に精液を与えてくれる瞬間だけを待ちわびます。 生殖器がいやらしくこすれ合う、グジュブジュブジュブジュと言う音だけが視界を奪われた暗闇の世界で響き渡ります。 ただそれだけが、綾子にとっての全てでした。 「イクッ、イクッ」 綾子は目の前の暗闇がパッと輝いて真っ白になるほどの強い閃光を感じます。絶頂です、思わず綾子の内股にグイッと力が入ります。そんなことをしては正志のピストン運動が妨げられるのですが、綾子は自然と長い足首を正志の太い腰に絡めて必死に抱きついていました。 綾子が性的絶頂を感じると同時に、綾子の膣も全力で擦れる正志のものに食い付いて離れませんでした。
全身で、綾子が正志を求めて絡み付いてくるのを感じると正志の方もさすがに腰の奥から熱く滾るマグマが吹き上がってくるのを抑えることができません。 綾子の膣は恐ろしいほどに陰茎を吸い上げて、そのホースの先から子種を注ぎ込んでくれる瞬間を待ちわびています。 「綾子、そろそろいきそうだ」 「くだふぁい、ください……」 綾子の蕩々に蕩けた声を聞くだけで、正志の方も気をやってしまいそう。腰の動きを止めて、気持ちを引き締めて、綾子の形の良い胸が変形するまで五本の指で強く握りしめながら言いました。 「誰の子種が欲しいんだ言ってみろ」 「田中さんです、田中さんの赤ちゃんが欲しいんです」 さすがに長年に及ぶ調教の成果が出ています。 こんなにドロドロのグッチャングッチャンにしてやっても、そう答えるようになっています。 もちろんこんな受け答えは、そうするように何度も何度も正志が教えこんだセリフですが、もしかしたら今だけは、綾子も口先だけでなく心の奥底から望んでくれているのかもしれない。 自分の子供を欲しいと望んでくれているのかもしれない。 正志はそんな自分勝手な想いに、今だけは浸っていたいのです。 「いいんだな、旦那の子供じゃなくて俺の子供で!」 だからくどいほどに何度も言うのです。 「夫のじゃなくていいです、田中さんの赤ちゃんでいいから私に中出しして妊娠させてください!」 「よしっ、そんなら俺の子種をくれてやるっ」 正志は散々にそんなことを言わせて満足すると、綾子の手足を絡ませたブロックが吹き飛ぶぐらいにさらに小刻みで性急に腰を振るいました。 あとはもう射精の瞬間まで、ゼロ秒感覚で脳が焼き切れそうなほどの射精直前の快感を反芻しつつ、全力のピストン運動で綾子の膣を味わうだけです。 「あああっ! イクッイクッイクッイクッイクッイクッ!」 グングンッと綾子の膣の中で、正志の凶暴な陰茎が膨れ上がりながら擦れ合うので綾子もまた怖いぐらいのオーガズムを感じます。 「出る――ッ!」 正志の叫びと共に睾丸から発した怒涛の精液は、その勢いのままで陰茎を通って綾子の膣奥にハマりこんだ亀頭の先から飛び出しました。
ビュルーッ! 激しい音を立てて、湯気が出そうな程の熱い精液の塊が綾子の膣奥に吹き出していきます。 赤黒い亀頭の鈴口に擦り付けるほどの位置に綾子のピンク色の子宮口があって、ドピュドピュルと飛び出してくる精液の迸りの出口はそこしかありませんから、全部綾子の子宮へと流れこんでいきます。 下腹部にジワーっと流れこんでくる新鮮なオスの遺伝子を感じて、綾子は心も身体も蕩々に蕩けてしまいそうになりました。 それは正志もそうなのです、ピッタリと身体を重ねて生殖器同士を合体させて絶頂に達した瞬間というのは、二つの生き物がひとつになった瞬間に違いありません。 まして、お互いに目隠ししているのですから邪魔になるものは存在しません。 ただ綾子と正志はお互いの命の暖かさを触れ合う肌に感じるのみで、そんな中で新しい命が生まれるとするなら、それはエロさを通り越して神性なものすら感じる瞬間でした。
まあ、そんな感じで正志は完全に綾子と一体になった世界にぶっ飛んでいたので、突然、誰かにお尻を掴まれたことにすら最初は気が付きませんでした。 正志のお尻に誰かの手が触れても、正志はまったく声も上げないので、今度は掴むだけじゃなくて、手の平でペチンペチンとお尻を叩きます。 最初、綾子は妙なことをするなと考えていた正志も、綾子の手足は自分の肩と腰にピッタリと張り付いていることにようやく思い当たります。 そもそも正常位の体勢で組み敷いて抱きしめているのですから、正志のお尻に手が触れるなんてことはありえないのです。 (そうすると、この俺のお尻を叩いている手は誰のものなのだ……)
「うわあああぁぁぁ!」 正志は思わず野太い叫び声を上げました。 ハロウィンのジャック・オー・ランタンを名乗ってる癖に、正志はホラーには弱いようで本当に情けないですね。 まあ、まったく見えない第三者が自分の尻を触っている。しかも、自分は目隠しまでして綾子と絡み合って全くの無防備の状態なのですから、叫んでもしょうがないかもしれませんね。 「うふふっ、びっくりしましたか正志さん」 聞き覚えのある声が、後ろから聞こえました。 「……ま、茉莉香かぁ?」 そう言う正志の声は、まだ震えています。 (確かに茉莉香の声だ……) そう思ったら正志のお尻に触れている指の感触だって、とても馴染みのある感触です。茉莉香の指だと、目隠ししていても正志にはすぐわかりました。 「驚きましたか?」 「びっくりしたなんてもんじゃないよ……」 射精の直後に、ホラー展開をやられたんですから。腰が抜けて、立てなくなってしまっています。せっかくビンビンに勃起していた正志の陰茎も綾子の膣の中でショボショボに小さく成っているに違いありません。 「なんで茉莉香が、こんなところにいるんだ」 「おっとそのまま、そのままですよ……綾子さん、正志さんに抱きついて離しちゃダメですよ」 綾子は言われるまま、正志の身体に抱きついて離れません。 (このシチュエーションは、一体何なんだ……) 確かに目隠しをしている自分のお尻を触ったのが茉莉香で安心しましたが、正志はよくよく考えてみても、なんでこんな状況になっているのか皆目見当も付きません。 まさかこれが、最初から計画されて準備されていた茉莉香の罠だったとは、この期に及んでも正志は気がついてもいないのでした。
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後日談12「茉莉香の嫉妬」 |
野外調教を終えた栗原綾子が、一人寂しく自宅でオナニーをしている頃。 深谷家では、茉莉香に引きずられるように連行された正志が、紅茶を出されているところでした。 茉莉香は全くの笑顔でした。しかも自分からは何も聴きません。 それが正志には少し怖いのです。 「いや、あれはそういうんじゃないからね……」 湯気の立つカップをズズズッと無作法に啜って正志は言いました。 「何がそういうんじゃないんでしょうか」 茉莉香は、笑顔のまま眼を細めて正志の言葉を繰り返します。 「だから、別に綾子とはなんでもなくて」 「へー、正志さんは栗原さんのこと呼び捨てなんですねー」 正志がボロを出すと、すぐに突っ込んできました。しかも、笑顔のままです。 「いや……」 正志も困惑しています。こんなときどうしていいかわからないって顔です。 実際のところ、茉莉香の方から『約束をなくしてくれ』と言ったわけですから、別に正志が気にするようなことはないわけです。 「私は別にぃー、栗原さんと正志さんが何かあったとしてもぉー、ぜんぜん非難出来る立場じゃないですからねー、関係ないですもんねー」 しかし、そう言っている茉莉香の辛辣な口調が、正志を普通に非難するよりも苦しめてます。こんなことなら、怒鳴られた方がマシです。 「いや、ごめんって……そんなに怒らないでくれよ」 ついに正志は観念して、謝ってしまいました。 茉莉香はそれで少し気をよくして、肩の力を抜き、こわばった笑顔を解いて「ふうー」とため息を吐きました。 「まあ謝ってもらっても困るんですけどね。約束をなしにしてくれって言ったのは私の方ですし……」 「うん、だからごめん」 正志はとにかく平謝りです。浮気を認めてしまったのはダメですが、あれこれ言い訳するよりはマシってところでしょうか。 「じゃあ許してあげます、私の方もきっとまたこうなるんじゃないかと覚悟してたつもりなのに、嫉妬してゴメンナサイ」 「いや、嫉妬はしてくれたほうが嬉しいけどさ……」 これで済めばいいんですけど、どうも後腐れなしとはいかないようです。
スッと静かにお茶を飲んでから、茉莉香はまた話を続けます。 「でも正志さん、栗原さんみたいな女性が好みだったんですね」 「いやいや、違うよ。俺が好きなタイプは茉莉香だから」 ここはすぐ否定しなきゃいけないところです。普段は空気の読めない正志も慌てて訂正します。 「栗原さん以前キャビンアテンダントしてた、すごい美人さんですもんね。スタイルも抜群ですからね。私みたいに子供産んで体型も崩れてないですもんね」 そう言う茉莉香だって体型が崩れているわけではないのです。むしろ、子供を産んでからのほうが、落ち着いた女性らしい豊かさを感じさせるラインに変化した感じすらあるといえます。 「……いや、違うって」 正志は席から立ち上がると、茉莉香の肩を抱きました。磨き上げられた美しい造形を持つ綾子より、女性らしい柔らかさが溢れる茉莉香の方が魅力的だと本当は言いたいのです。 でも肝心なところで口下手な正志は、触れることでしか伝える術をもたないのです。 「いいんですよ別に、でも私また妊娠したからオッパイ張っちゃって……正志さんに飲んでもらわないと破裂して死んじゃいますよ」 茉莉香は、正志の手を取って自分の大きくて豊満な胸に重ねました。 「ああ、もちろん飲むよ」 正志は柔らかいその感触を手に馴染ませるように、ゆっくりと揉みます。ロングニットのセーター越しに乳房に優しく触れられただけで、茉莉香の乳首は母乳をにじませます。茉莉香の身体は、正志がそのようにしたようなものです。 それを愛おしいと感じることを、どのような言葉にすればいいか正志は迷います。 「おちんちん舐めてもいいですか」 唐突にそのように言い出してくる茉莉香に、正志は少し驚きます。(これってそういう流れか?)と思うのですが、こんなに深い関係になっても相手の気持ちを推し量るのは難しいようです。 「……いきなりだな。先にシャワー浴びないか」 ついさっきまで、綾子と生ハメしていたわけですから、正志の陰茎には綾子の愛液がたっぷり付着しているわけです。 それを茉莉香に舐めさせるなんて、さすがの正志でも抵抗があります。というか、それはかなりマズいことだろうと思うのです。 「いいえ、今がいいんです」 躊躇している正志をよそに、茉莉香はもう跪くように床にしゃがんで一瞬で正志のズボンとパンツを下ろしてしまいました。 野外調教で脱ぎやすい服装をしていた正志の負けです。
「ふぇろ」 そのまま茉莉香は、柔らかくなった陰茎を手のひらで弄ぶと軽く勃たせてから舌を伸ばして舐め始めます。 「あっ、おい茉莉香」 「おふぉうじふぇらふぁふぇふぁふぁったんでふふぇ」 ぷっくらした唇を開いて舌の刺激で硬くなった陰茎を根本まで咥えながら、茉莉香はなんか言っています。 「いや、何言ってるかわからないよ……おおぉ」 たっぷりと口内に唾液を貯めて舐め回したあとで、今度は一心不乱にジュポジュポとディープスロートを始めたので、正志は気持ちよさに呻き声をあげます。 やっぱり舌使い一つとっても、茉莉香のフェラは他の女とは違うと感じます。なんだか、単に気持ちいいだけじゃなくて正志の棒も玉も全部舐めまわされて洗われるような気持ち、茉莉香のお口で正志の全部を包み込まれているような、じんわりとした口内の暖かさが心地よいのです。 こうも丹念に、献身的に舐め回されると、ずっと舐められていたいとすら思う。フェラに対してこんな言い方は可笑しいですが、これは居心地の良さと表現すべきなのかもしれません。 そうして、しばらく舐めまわして正志のちんちんがビクビクッしてもう少しでイキそうというところで寸止めして、茉莉香は唇を離しました。 「栗原さんはフェラしなかったんですねって言ったんですよ」 細くて長い指で、ビクビクッと震える陰茎の根本押さえ、射精しない程度に亀頭の先っぽをクニクニと弄びながら、茉莉香は挑発的に正志を見上げます。 「そうだな、綾子はそんなことはしてくれないな……」 綾子はフェラも上手くないし、熱心でもないしと、正志は思います。それに比べたら、茉莉香の舌技は素晴らしいものがあります。 「ダメだな栗原さんは、正志さんのおちんちんは使い終わったらちゃんと舌で綺麗に舐めてあげないといけないのにね」 そう言いながら茉莉香は、クニックニッとピンク色の亀頭の鈴口を指の先で刺激します。
「茉莉香、そろそろ」 「ふふっ、出したいんですか?」 そんなに指で刺激されて出そうで出せない感じは、なんだか体の芯をくすぐられているような心地です。 「お、おう……」 正志は茉莉香の指技の虜になって、情けなく頷くしかありません。 「うふふっ、どうしようかなー」 「おい……」 根本をきっと押さえつけられていると、射精寸前で刺激されてもなかなか暴発しないものです。 でも、気持いいのに出そうで出ない感じはとても苦しくてもどかしいのですね。 「冗談ですよ、私のお口の中に全部出してくださいね」 そういうと、茉莉香はパクっと正志のビクビクッ震えて反り返っている陰茎を頭からパクっと飲み込んで、押さえつけていた根本を外しました。 そのままジュルジュルジュルッと鈴口の先を啜り込みます。バキュームフェラってやつです、この刺激はたまらず正志はすぐ限界を迎えました。 「茉莉香、出すぞ……」 射精寸前でお預けを食らったせいか、陰嚢がギュルンギュルンするぐらい玉に精液が溜まっています。 亀頭の先がブルンビクンと震えるようにしなって、ビュルルーッと精液のドロッとした塊が勢い良く飛び出しました。 そのまま茉莉香の喉の奥に、熱くて濃い粘液が叩きつけられます。 ねちょっとして飲みにくいそれを、茉莉香は器用にゴクゴクと喉を鳴らして全部飲み下してしまいました。 陰茎の中に残っていた精液の最後の一滴まで、赤ん坊がミルクを啜るみたいにチュウチュウと吸われて、舌でゴシゴシと綺麗にされます。 正志にとっては至福の、たまらなく気持ちが良い瞬間でした。 「ふうっ、ごちそうさまでした……。他で出してるはずなのに、濃いんですね」 「そりゃ茉莉香の口だからな、きっと最初のより濃いのが出たんだろ……」 正志としては、そのように言うしかありません。
「お風呂沸かしますから、正志さん入っていきますよね」 何故かすっかり、機嫌の直った茉莉香は、正志の返事も聞かずにお風呂沸かしに行ったようです。 「うーん、なんだろうなあこれは……」 なんだかすごく疲れて喉が渇いた正志は、テーブルの上に残った紅茶のカップを飲み干します。 こういう修羅場を全く経験したことのない正志には、女心はよくわからないものだと、唸るしかありませんでした。
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いつものお風呂場。 勝手知ったる他人の家とはよく言ったもので、正志は当然のように茉莉香とお風呂に入ります。二人で入るとちょっと狭めの湯船がまた良い感じです。 湯船にプカプカと浮かぶ茉莉香の双乳を手で弄びながら、褐色の乳首から分泌する甘い乳をチューチューと吸い続けます。 二回の射精でぐったりした身体を回復させるために、正志は栄養補給をしないといけませんからね。 吸われる茉莉香の方もほっこりと頬を赤らめて気持ちよさそうにしています。吸えば吸うほど乳を沸き立たせる、茉莉香の親指大に膨れた乳首はまるでミルクの泉のようです。 茉莉香が次の子を懐妊しても、もうつかまり立ちができるほどに成長した娘の茉悠(まゆ)も、いまだに乳離れしていなかったので、毎日かなりの量を吸われているはずですが、Hカップまで成長した正志が両手で掴んでも片乳を覆いきれないほどの重量感のあるオッパイは縮むどころかさらに大きくなっているのではないかという感じがします。 「身体洗ってやるよ」 程よく温まった正志は、湯船からザブリと上がって茉莉香の身体を手にハンドソープを付けて洗い始めました。身体を洗うにしてもタオルでゴシゴシとせずに、手を使うあたりが茉莉香の玉の肌に気を使っているつもりなのでした。 「私も洗ってあげますね」 茉莉香も洗われているだけじゃなくて洗いっこです。しばらくお互いの身体を洗いあっていると、当然のように股の間にも手が伸びます。 茉莉香の股は、常に剃り上げられて(こうして一緒に入る時は、たまに正志が剪毛してあげることもあります)ツルツルになっています。 茉莉香のツルンとした恥丘に触れるたびに「よく夫が気が付かないものだな」と正志は言うのですが、茉莉香は含みを持った微笑みを浮かべるだけでした。 家庭の事情は深く聞かない正志は、答えがなくてもそのツルツルの股ぐらにも泡をつけて綺麗に洗ってあげるだけです。
昔からこうして一緒にお風呂に入っていますが、昔とは違うのは茉莉香のほうも正志を責め立てるということです。 二回の射精をしてさすがに、にわかには硬くならない陰茎も、正志のお尻の穴にまで茉莉香が手を伸ばして、ローションまでつけてニュルッと指を滑り込ませてくるので、その前立腺を責めたてる刺激にはたまらずに勃起します。 「おいっ、茉莉香そこは……」 こうやって親しく付き合う様になって知ったことですが、茉莉香は意外にもお尻の穴で遊ぶのを好むのです。 それは自分のアナルを責められるのが好きだってこともありましたが、逆に正志のお尻の穴を責めるのにも楽しみを見出してきたようなのです。 「ふふっ、正志さんお尻の穴を責められると、たまらない顔をしますよね」 「いやっ、そこはだってダメだろ」 ダメだろでは、止まらないのです。 お尻の穴で遊ぶには、衛生問題に気を使わなくていいお風呂場が最適でした。 「今日はね、こんなのを用意してるんですよ」 茉莉香が差し出したのは、女性に使うようなお尻の穴のバイブではありません。クの字型の変わった形をした、まるで鍵のような変形型の小さいディルドーでした。 「おい、それどこで……」 正志が買い揃えた玩具には、そんなものはありません。 男性用の前立腺を刺激するためのエネマグラなど正志が買うわけがないのです。 「初心者向けの優しいタイプだって書いてありましたから大丈夫大丈夫……」 正志のお尻の穴に硬質の大きな先っぽがヌルッと入り込もうとしてきます。 「いや、大丈夫じゃないだろぉ」 「動かないでちゃんとお尻を差し出してください。ケガをしますよ」 そう言われると、もう身を任せるしかありません。 茉莉香は初めてなのに意外にも慣れた手つきで、正志の奥のちょうど前立腺が当たる部分に、まるで鍵穴をねじ込むように挿入できました。 ローションの助けがあったからということもありますし、いつもお尻の穴を指で弄んでいたからともいえます。
「あっああーっ!」 ゴリッと硬質の先っぽで、腸内の敏感なところを刺激されただけで、正志はガチガチに勃起した陰茎の先っぽからビュルルッと射精しました。 白濁した、正志の精液が茉莉香の顔に引っかかります。 顔にかかった精液をペロリと舌なめずりして、茉莉香はこれまで見たこともないような嗜虐的な微笑みを浮かべました。 「うふふっ、しばらく悪さできないように全部絞り取らないといけませんからね」 「あっ、うわー、やっぱりまだ怒ってるんだろ!」 茉莉香はそういうと、上目遣いに濡れた瞳で一瞬で絶頂に達した正志を見つめていいました。 「怒ってなんかいませんよ、正志さんはこれから天国にイクんですから」 茉莉香は、そういうとエネマグラをゆっくりねじ込みながら、陰茎の裏筋を舌で舐めはじめます。射精を終えて、敏感になっている正志自身をねっとりと根本から先っぽまで舐め上げてから、深く咥え込んで鈴口をチュウチュウ啜りました。 後ろの刺激と前の刺激で、正志の腰が生き物のようにビクンビクンッ震えました。 また茉莉香の口の中で射精してしまったようです。それを茉莉香はごっくんと喉を鳴らしていとも容易く飲み込みます。 そして一呼吸も置かずに、チュウウウッと鈴口から吸い尽くすように吸い続けます。 もう射精したのに、射精した直後の陰茎をさらに激しく責められる、むず痒いようなたまらない気持ちに、正志は恥も外聞もなく吠えます。 「ちょ、ちょっと待ってください、これ以上は、ごめんしてっ!」 「正志クンは、そのままじっとしてるだけでいいでちゅからねー」 「えっ、えっ、待って、なんで急に赤ちゃんにかけるような言葉になった? 怖いよ、怖いよおぉー」 「ママが、もっとおチンチン気持ちよくしてあげまちゅからねー」 「うおーい!」 射精しすぎたおチンチンが痛くもあり、前立腺を刺激され続けているお尻の穴は気持よくもあり、天国と地獄が同居したような時間は、茉莉香が納得いくまで続きます。 肛門ってのは人間の急所の一つです。肛門に深々とモノを挿れられると、人間は力が入らないので逃げることも難しくなるんですね。 「うあー、うあー、茉莉香! 茉莉香ぁぁーっ!」 その日は深谷家のお風呂場で、正志の情けない叫び声が延々と響き渡ったそうです。
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