第十一章「身体の滾り」 |
「ただいま」 勝手知ったる隣の家。 そういうわけで、今日も安西マサキは自宅をスルーして、鳥取家に帰宅した。 「あれ、鍵がかかってる」 この家の主婦である鳥取鶴奈がいるときは、基本的には鍵はかかってないはずなのだが。もしかしたら急の外出かもしれない。鍵が隠してある場所も熟知していたので、さっと空けて入り靴を脱いでリビングに入る。 では、改めて。 「ただいまー」 「おかえりー、って? なに勝手に人の家に自宅みたいにして帰ってきてんの!」 リビングには、鳥取ツバメだけが居た。相変わらず、そのゲームやってるのかよ。 「あれツバメちゃん一人、鶴奈さんは?」 「こっちのつっこみは、スルーか!」 「いい加減、そのセリフも聞き飽きたからね」 相変わらずマサキの顔を見るなり不機嫌そうなツバメだが、今日はなんとなくそれだけではない沈みがあるように感じた。
「……あのね、ヒナが学校で熱出してね。もう病院連れてって、いま部屋で寝てるの」 「それはいけないな」 「たぶん、ただの風邪だって話だから。それでも、寝付くまで義姉さん横についてるってヒナの部屋に居るよ」 「ぼくもお見舞いに行こうかな」 「あんたがいくと、ヒナが寝ないでしょ。私も心配だけど大人しくしてるんだから、余計なことして、義姉さんを困らせないでよ」 そういってぷいっとテレビに向いて、ゲームを再開するツバメ。この子はたしか、学年でも成績上位をキープしてるはずなのだが、マサキが鳥取家に出入りするようになってから、運動しているのを見たことがあっても自宅で勉強しているのは見たことがない。 いつ勉強してるんだろうなと思いながらマサキは、その愛しい横顔を覗き込んだ。 「何よ、ジロジロと。ゲームの邪魔よ」 「ツバメちゃんは、相変わらず可愛いなと思って」 「なっ!」 「ごめんごめん、冗談だよ」 「そう……って、それが冗談だったら余計悪いじゃない!」 手を振り上げて来たので慌てて逃げる。さすがに、コントローラーを投げつけてゲームを破壊するほど理性は失っていないらしい。 ツバメの手元に投げる物がなくてよかった。オーバーリアクションをしてくれるのが楽しくて、ツバメをからかうのに余念がないマサキである。 マサキは、オタの例にもれず内弁慶で。初対面では緊張するが、安心する相手には調子に乗りすぎる傾向があった。憧れであったツバメと、安心して彼氏彼女のような会話ができる。その喜びを噛み締めるマサキ。 「ツバメちゃん、今日もたくさんマッサージするからね」 「わかった……いまゲームしてるから後でね」 マッサージというキーワードを出すと、途端に大人しくなるツバメ。いまの暗示の深度なら、マサキのことを愛させて、ベッタベタの恋人関係でも構築できそうだ。それでも、いまの微妙な距離をもう少し続けて見ようと思うマサキだった。
鳥取家では遠慮する必要がないマサキは、ツバメに止められたのに結局、ヒナに部屋に入った。一応ノックはしてみたが、返答がないのでそっと扉を開けて中に入る。 「……ああ、マサキくんお帰り。いまちょうどヒナが寝付いたところよ」 小さいベットで、ヌイグルミに囲まれるようにして眠っているヒナが見えた。やや苦しげに息を吐いてはいるが、少し顔が赤いかなという程度。たいしたことはなさそうでよかった。 こうして髪をたらして大人しく寝ているヒナの端正な横顔を見ると、やっぱり鶴奈と親子なんだなということがよくわかる。 普段ヒナは、本当に可愛らしい子供子供した感じで、動きやすいように髪を結わえて、笑顔で活発がデフォルトなので、そうは思わないのだが鶴奈に本当はよく似ていて、静かにしていれば可愛いというより美人系の顔立ちなのだ。 やっぱり、子供が心配なのか鶴奈は優しげな眼差しを向けてはいるが、その顔は憂いに満ちている。ちょっと、ため息をついたりして。なぜか不思議と、ちょっとエロスを感じるマサキだった。 「おかゆを食べさせて、熱も薬で下がってきたみたいだから、もう大丈夫だと思うけど。……そうだ今日はごめんなさいね。夕ご飯も何も作る暇がなかったから」 「ああ、気にしないでください。さっき、ツバメちゃんといっしょに冷蔵庫を漁って、卵ご飯勝手に作って食べましたから。普段食べられないものを食べられるとかいって乾麺とかも引っ張り出してたからそれも食べてるかも、けっこう喜んでましたよ」 マサキは、この機会にツバメの手料理を期待したのだが、料理してくれなかった。マサキに食わせる飯はねぇってことなのか、もしかすると料理が苦手なのかもしれない。 「そう……ツバメちゃん。なんか、お風呂も焚いてくれたみたいだし、気を使わせちゃったわね」 そういって、少し疲れたのか鶴奈さんはため息をつく。平日は旦那が留守なのも、こういうとき寂しいんだろうなとマサキは思った。あーなんか、そう考えると今日の鶴奈さんはいつもより色っぽいから、したくなってきた。このあと、ツバメとまたマッサージだし、ヒナが熱だしてる状況で、とても出来る雰囲気じゃないしなあ、などと色々マサキは考えている。
「どうしたの?」 「そうだ、こういうときこそ催眠があるじゃないか」 今日の午後の分はまだ使ってないから。 「催眠?」 「いえいえ、こっちの話ですよ鶴奈さん」 「そう……」 鶴奈は、気もそぞろという感じだ。今日は色々とあって、それどころじゃなかったんだろう。そんな鶴奈をよそ目に、催眠タイムウオッチのボタンを押すマサキ。
キュルルルルルル――
脳髄から視神経へと催眠電波がはじけ飛ぶ。 そして、鶴奈がふっとヒナから視線をマサキに移した瞬間に、すでに鶴奈はマサキの支配下にあった。 「さて……どうやって、暗示をかけるかな」 鶴奈は、目をうつろに口を半開きにして惚けたようにポーとしている。通常のときより、過度なストレスがかかっていたり疲れているときのほうが、催眠がかかりやすいという傾向があることも最近マサキは分かってきた。 とりあえず、ヒナの方を見る。寝ている人間に、暗示がかかるものだろうか。試してみようと思って、ヒナのまぶたをそっと上げてみる。 眼球が上のほうに上がってしまっているので、視線が合わない。熟睡できるように暗示をかけてみたが、効いているのだかわからない。 「まあいいか。次は鶴奈だ」 トロンとした、鶴奈は形容しがたい色っぽさを漂わせてる。今日の鶴奈には、なぜか胸の深い部分で欲望を掻き立てられる。 「鶴奈さん」 「はい」 「あなたは、この場でどうしてもぼくとセックスがしたくなります」 そうマサキは、子供の熱に心配する母親をその場で犯すというマニアックなシチュエーションに興奮しているのだ。中二にして、このフェチがわかるというのは、将来有望というか絶望というか、ある意味で大物と言えた。 一度身を許してしまった鶴奈。抵抗は弱い。 「あなたは、いまこの場で子宮の奥底までぼくの精液で汚しぬいてもらわなければ、居てもたっても居られなくなります」 「…………はい」 だから、このような無茶な暗示でも受け止めてしまうのだった。
催眠は終わった。 「あれ……私」 「どうしました?」 悠然と微笑むマサキ。相変わらず心と一緒で醜い笑み。 「そうだ、看病を……」 そういって、マサキから自分の愛娘のヒナに目線を移そうとした途端に、ドクンっと胸が高鳴るのを感じた。 マサキから視線がはずせない。 「どうして……私どうして」 「大丈夫ですか?」 口だけは、白々しくマサキ。 マサキは、鶴奈からセックスを請わせようと思っているのだ。まさか、寝ているとはいえ娘の前で、そんなことができるわけがない。 (どうして私……こんなにマサキくんに、中に出してもらいたがってるの) マサキのにごった目から視線をはずせず、見ていると吸い込まれそうで、なぜか子宮がキュンとした。 鶴奈にとってははじめての経験だった。 どちらかといえば、鶴奈はセックスには淡白なほうで、旦那との関係も相手を満足させるためで、もちろん好きな相手と結ばれる感覚は得がたい喜びではあったが、セックスへの飢えなど感じたことがない。 オナニーだって、たわれみにしてみることはあっても、切迫感を持ってしたことなどないのだ。十分な満足を感じているからこそ、常に受身だった。 だから、こんな飢えるような、子宮が子種を欲しているような飢餓感を感じたのは初めてだった。前に、マサキとしたときも、あくまでも家族として受け入れた男の子を導くために、仕方なく。そう仕方なくという感じだったから言い訳もできたのに。
今日の鶴奈は、切実にされたがっているのだ。
活きの良いマサキの白濁液を受け入れたい。そう思っただけで、切迫した何かが身体の中を突き抜けていくようだった。 たったいままで、愛娘の心配をしていた母親が、もうこの瞬間に一匹のメスに代わっていた。 もちろん母親としての気持ちも残っている。こんな場所で、よりにもよってこんな場所でだめだと思う。だめだと思うだけ、ここでマサキの精を受け入れることができたら、どれほど気持ちがいいだろうと思うのだった。
それは、タブーを破る快楽。
(今日の自分はどうかしているのだ) それでも、ヒナだってもう寝ているのだし、母親としての勤めは果たした。 ここで、無尽蔵に生成されているであろう、自分の姪の彼氏の精を受けたとして、誰が困るというのだ。そうだ、誰も困らない。 切迫感に常軌を失った鶴奈は、いつになくなめかましい目で熱くマサキを見つけた。
(ああ、この切迫した気持ちを、下腹部からあがってくる熱を、マサキくんが早く気がついてくれればいいのに) 「あの……マサキくん……あの!」
口にすると、恥ずかしいから言いたくない。 マサキくんが、気がついてくれれば。そういう思いを視線にぶつけたはずだった。
もちろん、マサキは気がついていた。昼にとりあえず一発抜いておいたマサキは、じらすだけの余裕はあった。 「どうしたんですか?」という顔で、そらっとぼけて見せる。じらせばじらすほど、マサキの快楽のボルテージは上がっていく。見事な変態だった。 いま自分がどんな顔をしているのか、鶴奈はわかっているのだろうか。マサキは、そんなことを思った。子供を心配して、傍らに立つ母親の顔ではなくなっていた。そう男の精をほしがる、いやらしい女の顔になっていた。 これまで一月ほど鶴奈と付き合ってきたマサキが、始めて見るフェロモンが匂い立つようないい、女の顔だった。日頃、清楚でそっけがないぐらいの鶴奈を知っているからこそ、こういう顔をされるとたまらないものがある。
もう、鶴奈はヒナを見ていない。マサキの目だけ見つめて、身体を不必要なまでに擦り付ける。鶴奈の形のよい胸が、ポヨンとマサキの肩に当たる。まるで、マサキが押し倒されるような体勢だ。 マサキの顔を、見つめ続ける鶴奈だが、ベットに押し倒すようなところまで近づいたところで、熱に冒されて苦しんで眠る娘の顔が視野に入ってしまった。
――女――母親――女――母親――鶴奈の葛藤で顔色はコロコロと変わる。
鶴奈の複雑な色を見せる瞳を見つめているマサキには、まるでその心の動きが手に取るようにわかった。 そして、葛藤の末に女としての鶴奈が勝ったようだった。とろけるような表情のままに、ベットは埋まっているので、鶴奈はマサキを普段ヒナが勉強に使っている学習机の椅子に座らせて、抱え込むように抱きしめていた。
マサキは、わかっていながらニマニマと笑っていながら口だけ「どうしたんですか、大丈夫ですか?」と言ってみる。自分で、暗示をかけた癖に、鶴奈が自分の欲求にどうしようもなく従わなければならないことはわかっている癖に、あくまでも意地悪にしらばっくれてみせるマサキ。 これは嗜虐というものだ。マサキは学ばなくても、自らの欲求を追い求めていく中で、その変態的性欲を自ら見出したのだった。
「私もう……我慢できなくて……マサキ……くん」
恥ずかしさと、葛藤とで鶴奈は泣きそうで、頬はいつになく常軌して瞳に涙を浮かべて、快楽と苦痛にゆれている。いつのまにか、鶴奈の手は、自分の股間をまさぐっていて、鶴奈は触ってみて、自分がどうしようもなく濡れていることを感じていた。 下の口が涎を垂らしているなんて、信じられない。股間が、そしてその奥底の膣が、子宮が……熱い。どうしようもない熱を帯びていた。とどめなく、求めていた。 こんなの自分じゃない。そう思ったから、鶴奈は葛藤を捨てた。完全に女の……いや、メスと化した。こんなのは夢だ。淫夢だ。自分は子供の世話に疲れて寝てしまっていて、そうこれは夢を見ているのだ。
「マサキくん……おねがい」
学生服のままのマサキのズボンをベルトをはずして、脱がしていく。あっというまに、姿を見せた汚らしいチンコは租チンなりに、ビンビンに頂点を向いていた。マサキも、口ではどういっても、感じてくれている。 それが、鶴奈を安心させた。
「なんだ……セックスしてほしいんですか。しょうがないなあ鶴奈さんは」 「そう……したいの、してくれるのね……ありがとう」
もう、気がつかないうちに鶴奈は泣き出していた。 セックスという生々しい単語は、鶴奈が普段は忌避したはずの単語だった。小さなころから、旦那の鷹郷と幼馴染として過ごして、成長の過程で自然と男女の関係になって、暖かくまるで親愛を示すために抱きしめ合う延長上に、愛しあった鷹郷とのセックスは、男女の交合というよりはもっと清い愛の行為だった。 自分の快楽よりも、相手の喜びを。相手が喜んでくれるから、自分も気持ちよくなれる。それは本当に素敵で、理想的な関係だったのだ。鶴奈は、そんな最高の行為をあたりまえの行為としすぎていた。 だが、だからこそ鶴奈は、性への飢えを知らない。 食事にたとえるなら生まれてからいままで、至高の料理だけを口にしているような鶴奈は、飢えた経験がない。そこへ、いきなり三日間絶食させられて、目の前にカップラーメンを差し出されたようなものだ。 極度の飢えに苦しみぬいたあとで口にするカップラーメンは、どんな高級食材より美味く感じる。
本能的に、飛び出したマサキの一物に武者ぶりついていた。交合しやすくするため、セックスをしやすくするため。いまの鶴奈は雄の精を求める、ただ一匹のメスであるのだから。
チュバ……チュバ……
「ふっ……ふぅん」
まるで、犬が鳴くように鼻から息を吐きながら、おいしそうにマサキのモノをいとおしげに舐める鶴奈。天井に向けて、それなりに勢いよくマサキのモノが屹立している。必死だった。そして、いよいよだった。
「ああぁ……入れるわよマサキくん」
さっと真っ赤なインナーを剥ぎ取るように脱ぐ鶴奈。スカートもはいたまま、服を脱ぐ暇すら惜しい。インナーは、もう愛液でドロドロになっていたが、そんなことはどうでもいい。 右手を、マサキの一物に添えて、ニュルッと自らの膣にくわえ込んだ。
「あぁーー!」
ぐっと、自分のオマンコに雄のちんぽがくわえ込まれる。今日の鶴奈はすごかった、すごい絞まりだった。この衝撃は、マサキも予測してなかったものなので、ぐっといきなり射精してしまうのをうめいてなんとかこらえるしかなかった。
「いいぃ……いいわ、マサキくんもっと奥まで押し付けて!」
鶴奈は服も脱がずに、娘が普段勉強している椅子で、それ以前に愛する娘が目の前で熱を出して寝ているというのに。そんなに大きな声を出して、ヒナが起きて目を開けたらどうするつもりなのだろう。まるで、寝ているヒナみ見せ付けるように、学習机の前で、明らかに鶴奈が主導で、交合を繰り返しているというのに。
「あぁ……あぁ……いぁああ!」
いまは、快楽に狂っていても、鶴奈は落ちついた後で絶対に今の自分の行動と理性とのギャップに苦しむ。そして、その悩みは逃げ道を探して、さらなる非常識な催眠へと誘われて行く悪循環に陥るのだ。そうなってしまえば、鶴奈はもう身も心も。 そうやって、腰を振り乱して鶴奈に暴れられては、さすがにマサキも限界を迎えつつあった。だから、マサキは行動をいったんとめる意味でも、鶴奈の涎を吸うように深い口づけをしてから。 「生で入れていいんですか」そう、鶴奈の耳元につぶやいてみた。
「ふえ? 生? あぁ…………大丈夫たぶんだから、いいの、いいからもっとぉ!」
鶴奈は生理が終わった直後だった。厳密にいうと、生理が終わってからは安全日ではない。生理日から排卵日にかけて、徐々に危険度は上がっていく。 (それでも、いまは終わったばかりだし) 鶴奈は、それほど自分が妊娠しやすい方だとは思っていなかった。ここ最近は、ずっと鷹郷と中だしでやっても、子供ができないわけだから。 だから、どれだけ若いマサキの精液が活きがいいといっても、妊娠するわけがない。大丈夫。大丈夫だ。
「あっ……いいっ……うっ……はぁ」
だから、もう鶴奈は子宮がうずいて、自らの奥底に精液を流し込んでもらうことしか考えてなかった。さすがに、鶴奈の激しい腰振りに限界を向かえたのか、マサキも「ううっ」と苦しげにうめく。
「あぁ……いきそうなのね。頂戴! 中にドピュ! ってしてぇ」
ノリノリの鶴奈に押し切られるようにして、我慢できずにマサキは射精した。
ドクドクドク――ドピュドピュドピュ!
鶴奈の膣は生き物のように、脈打ってマサキの白濁液を飲み干していく。子宮へと精子がどんどんせり上がっていく熱さを鶴奈はひたすら感じていた。
「あぁ……いったのね……ハァハァ。よかった」
ようやく、中でだしてもらって一息ついたという鶴奈。
「なかで、暖かいのがお腹に広がっている。マサキくんのが……」 「そう、それは、よかったです……」 積極的に動いてはいないとはいえ、あんなに激しく精を吸い取られて、さすがにマサキも息を上げている。これから、ツバメをマッサージしないといけないし、今日はこのぐらいで。 「もういっかいぐらい、できるよね……」 そういって、いやらしい目で鶴奈はマサキを見つめた。目の色が違う。まるで、いまだに催眠にかかっているみたいな蕩けるような目で見つめる鶴奈。ここまでやれって、暗示した覚えないのに! この後、ツバメとのマッサージが控えてるし、ここで体力を消費するわけには。 葛藤するマサキのことを、まだ勃起したままのマサキのものをくわえ込みながら、ぎゅっと抱きしめる鶴奈。同時に鶴奈の膣がぎゅっと、マサキの一物を抱きしめる。温かい体温を通して、熱い欲望が鶴奈からマサキにも伝染してしまうようだった。マサキの身体も火照る。見つめられると、勃起がひどくて……これは断りきれない。 「いや……じゃあ、わかりました」 「いいのね、また動くから……はぁ……いい!」 そういって、勃起したままのマサキのチンコを抜かないままで二回目を始める鶴奈だった。一度火がついてしまった、女ざかりの鶴奈の滾りはさえ際がない。さらに二度三度……マサキは若いから対応はできるのだが。
結局、鶴奈に全精力を吸い取られたマサキ。無理をしすぎた股間がジンジンと痛んだ。接合部から引き抜くと、ドロっと流れてくる精液がエロスだが。いまはもうやりきったという満足しかない。 床に落ちた精液と愛液を妙に嬉しそうな様子の鶴奈が拭いているうちに、よろよろと部屋から出て行くマサキ。完全に魂が抜けていた。 あとは呆然と、ツバメの後の風呂に浸かるだけ浸かって、身体を拭く時間ももどかしく。ツバメのベットに入り込んで倒れこんでしまう。 まだ寝るつもりはなかったツバメは、勝手にやってきたマサキがなにもいわずに、自分のベットのなかに入り込んで寝入ってしまうので驚いて声をかける。 「おい、ちょっと勝手にねるな。……なに、マッサージはやらないの?」 「ごめん……今日ちょっと無理だから、もうここで……寝るから」 「私のベットで、寝ていいとかいってないんだけど……ちょっと聞いてるの!」
ツバメの叫び声が遠くなっていった。本日のツバメへのマッサージは中止して、一緒に寝るだけにとどめておくことにした。マサキは夢の中でも、鶴奈に延々と責め続けてうなされるのだった。
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第十章「大同小異」 |
「小異を捨てて大同につく」
小さい恨みは忘れて、大きな目標に結束しようということだ。 この理想を高らかに謳って、少数政党をかき集めて大連立を組んだある国の政権は五日で壊滅したが、まあ安西マサキがこれからやろうということを言葉にするとこうなる。
「クラス 総妊娠 計画」
朝のホームルームで教師を退かせて教卓に立った、いじめられっこ安西マサキ改め学級王安西マサキ一世陛下は、このどうしようもない文字を黒板に明朝体で楷書して、こうのたまわれた。
まったく意味が分からない、突然の熱い主張に教室がざわめく。ツバメがぼそっと「最低」とつぶやいたが気にしない。 だいたい、イジメの恨みを晴らそうとかそういうことは小さい。男ならもっと大きくあるべきだ、というわけで(どういうわけだ)来るべき、鳥取ツバメ懐妊にあわせてクラスの女子全員を妊娠させてやるというのが、この計画の骨子である。もちろん、そんな都合よく全員妊娠するわけないが種付けはする。あとは状況しだいだ。
「だいたい、学校の女子で二割がどうしようもないクリーチャーだとすると、八割が普通の女子」 そして、大仰に振り上げた手を、おもむろに教卓の机を叩きつけながら叫ぶ。
「そして……二割が、ぼくの愛すべき美少女たちだ!」
大きな声で、どうしようもない宣言をするマサキ。その割合だと、合計して百二十パーセントになってしまうのだが、わざと言ってるのか本当にボケているのかまったく説明もないまま話は続く。
マサキ理論によると、三十人弱のこのクラスだと美少女は二人か三人ということになる。それにしても毎回、リアルにしろフィクションにしろ、この手の話で、なぜ標的がいつも美少女なのか不思議に感じるのだが、むりやり理由をつけてみれば、マサキたちキモオタは面食いが多いということがあげられる。 ごく普通の一般成人男子が自分の学生時代を思い起こせば、それは美人に目を奪われることもあっただろうが、そりゃ美人は大好きだが、美人にこしたことはないんだが、どう考えても美人が一番だが……失礼。 だからといって美人を好きになるわけではなくて、案外と身近に感じる普通の女子を何かのきっかけで好きになったりするものだ。 一度好きになれば、よい面が拡大されて見えてそれはそれで失敗したりもする。 それに比べてマサキたちキモオタという人種は、普段女子とコミュニケーションを取りたくても取れないので、身近に感じるということが少ない。つまり、女性への評価が極端に外見のみに偏ってしまっても仕方がないのではないだろうか。 いや、仕方がないのではないだろうかで犯される方もたまったものではないが。とりあえず、話を戻そう。
「グループ分けしてみたから、このチームでクラス総妊娠計画を発布する」
黒板にクラスメイトの名前を次々と書いていくマサキ、そこに円を書いたり線を引っ張る。 クラスに女子は十五名で、これを上中下の三グループに分ける。マサキが美少女と認定した、鳥取ツバメ、円藤希、佐藤理沙までの上位三名はマサキ直属として他の男には手出しさせない。
ほか、前章で出てきた伊藤真奈美以下八名の中位ランクは、マサキと同レベルだと思って親交もあったデブオタ四名(命名種付け隊)によって輪姦させて妊娠させる。 「個人的に娶りたいと思った女子ならば付き合っても良し」というマサキの声に、種付け隊の喜びの声がこだまする。 女子中学生で普通クラスなら、どこかしら魅力があるものだ。まして同級生を犯せるなど、中学生の夢といっていい。種付け隊に指名された四人は喜んで、マサキに永遠の忠誠を誓わんと、叫び声をあげた。餌を与え続ける限り、マサキがジークと叫べばハイルと叫ぶ下僕四人のできあがりだ。 それにたいして、女子からは口々に怒号と、嗚咽と、悲鳴があがった。 まさにデブオタ革命の瞬間であった。
問題は餌にもならない、下位グループの女子四名の始末である。阿東、仲島、空木、中沢。最後の中沢陽子は、顔が色黒なだけで多少はマシだが、残りは見事なクリーチャーぞろいである。 実は、マサキのクラスはハズレクラスと一部男子には言われていた。なぜならこの下位グループの四人は、マサキの学園でブス四天王と呼ばれている猛者ぞろいである。 「この四名は、特別にドキュン二人に下賜する」
ドキュンといわれて、誰のことだろうときょろきょろ周りをみる田村、三沢の二名。 「毎回毎回、いい加減に気づけよ、お前らのことだ」とマサキに声をかけられた、田村、三沢の二人は恐ろしくなってそっとブス四天王のほうを向く。 ブス四天王の中でも特に、超巨大クリーチャーとしか言いようがないデブス阿東、メガネ出っ歯の仲島が、かもし出す異様な雰囲気も酷い。吐き気を催すブサイクというのはこの世に存在するのである。神は死んだ。 「特にマサキに対して態度の悪かった田村に罰として、阿東と仲島とつきあわせてどっちかと結婚させる」などといわれて、三沢は半ば自分の怒りも含めて、友達のために騒ぎ出した。 横で田村が何も言わないので、気になって三沢が振り向くと、その横で田村は音もなくぐったりと気を失っていた。真っ白に燃え尽きてしまっていた。 「田村……おいしっかりしろ!」 もう一度、三沢は振り返って阿東美香の方を見た。田村と三沢を見て、ポッと顔を赤くする美香の悪魔的なブサイクさに戦慄が走る。怒りではなく、気持ち悪さのほうで胸がムカつく。あの恐ろしく醜悪な顔を田村は見てしまったのだ。まして、あれと結婚させるとか言われた日にはいったいどこの野蛮な国の拷問なのだ。 (阿東美香にとっては、この事態よかったのかもな。こんな機会でもなければ、あの化け物は一生男と付き合うとか、抱き合うとかありえないもんな……) 友達の田村には悪いが阿東美香が、自分に割り当てられなくてよかった。 (ここで、マサキの心証を悪くして田村と交代とかいわれたら、オレは舌を噛んで死ぬしかなくなる) そう思いなおして、騒ぐのをやめた三沢だった。空木も、中沢は四天王と言うほどにはブサイクではないし、肉付きも悪くない。自分だって贅沢が言える顔ではないのだ。相手の容姿の悪さに、目を瞑れば楽しく抱けるだろう。 (すまん田村……) ドキュンB、三沢は田村を生贄にささげることを心に決めた。
それぞれの思惑から、騒然となるクラスに収拾をつけるために、マサキは催眠タイムウオッチのスイッチを入れた。脳髄の奥からの勝利の鼓動!
「残念ながら、どんなに騒いでもお前らには拒否権はないんだよ!」
絶対的な催眠の力があるかぎり、クラスは、マサキの支配下にあるのだ。全てはマサキの思惑通りに進む……。
――――
「クラス総妊娠計画」が発布された夕方。安西マサキは、グラウンドに姿を見せていた。この学校では運動部の活動はとても盛んだ。広い運動場からは、遠くから野球部の独特な掛け声や、運動部がジョギングしている靴音が響く。
目的は、鳥取ツバメに続いてクラスで第二標的に定めた円藤希。 希は、女子陸上部の秘密兵器と期待されている元気少女である。競争率の高い、百メートルの選手権には同じ部のエースと目されてる喜志一美に敗れて落ちたものの、二百メートルでは去年の県大会で上位の成績を残している。 百メートルではライバルの喜志の圧倒的な初速に負ける、希が勝っているのは中途半端な持久力と容姿である。そう、希は格段に顔が良かった。 健康的な小麦色の肌に、短く刈り上げれても潤いを失わないやや赤みがかった髪に手入れをまったくしていないくせに整った眉、右の目元に星のようなほくろが二つ並んでいるのがアクセントになって魅力を高めている。いわゆる泣きぼくろだ。 身体も他の部員が激しい練習で痩せているのに比べると、出るところは健康的にちゃんと出ている。むしろ出すぎているぐらいで、日に日に女らしくなっていく身体が逆に自分の足を引っ張っている弱点のように思えて、むしろ希にはコンプレックスだった。 だから、無理やりにでも男勝りの動作で、その負い目を隠そうとする。練習は誰よりも必死にやった。それでも、逆に女性らしさが強調されてしまうらしいのが希の悩みだ。 いまも、百メートルをちょうど走りきったところだったが、その陸上をするには豊かすぎる胸が左右に揺れまくり、胸から目をそむければ、尻から太もものラインも魅惑的だし、ちょっと少しはなれて一緒に練習している男子の理性がヤバイ状況だった。
「希、同じクラスの子が尋ねてきてるよ」 そう喜志が声をかける。ちょうど身体が温まって練習が乗ってきたときだったので、舌打ちして円周の外に出る。そこで希を待っていたのは、クラスのデブオタ少年だった。希たちの練習をニヤニヤと笑いながら静かに見つめている。 三年の部長がぼそっと「希の彼氏?」と言う。
マサキにいわれて声をかけた喜志も、まさかそれはないだろうと出来の悪い冗談を聞いたように苦笑した。希は、陸上部の中でも一番の硬派だし、真面目な子だから。それに、希が付き合うにしても、デブオタ少年のマサキは一番嫌うタイプだろうからだ。釣り合いが取れないにも程がある。どうせクラスの用事かなにかだ。 そう思って、他のみんなはすぐ練習に戻った。
「何のようだよ」 マサキを容赦なく睨みつける希。 「まあまあ、とりあえず人気のないところにいこうよ」 練習を邪魔されたうえに、最悪の相手に最悪のセリフ。希はブチ切れ寸前であったが、催眠の効果が効いているのか、とりあえず死ぬほど嫌そうな顔で、引きずられて校舎の裏側に付いて行く。 「私、練習が忙しいんだけど……」 「円藤にも悪い話じゃないからさー」 校舎裏のブロックの段に座るマサキ。マサキは、希にも座るようにいったが、ふてくされたように立っている希。命令は一応聞くものの、素直に言いなりにはならないようだ。 (もともとが意志の強い女だからな) 鳥取家の面々もそうだったが、意志の強い人間は催眠にかかりにくいのだ。だが、マサキもこれまでのマサキではない、対処法はなんとなく習得している。 睨み付ける希の視線を避けずに押さえ込むように見つめながら、マサキは話す。 「円藤、最近また百メートルのタイムが伸び悩んでるらしいな。このままだとまた今年も喜志に、代表枠を取られるな」 希の目の色が変わった。不満の色を濃くする。 「お前、それ誰に聞いた!」 「誰だっていいだろう。あのさ、タイムを伸ばす方法があるっていったら、ぼくの話を聞くか」 希の目は、不満を通り越して怒りの色を濃くしている。可愛い顔して結構凶暴そうな目つきをする。それでも、マサキは目線を外さない。すでに催眠下に入っているという安心感があるから、不安はないのだ。マサキに危害を加えることはできない……はず。 見つめていると暇なので、マサキは希の目を見つめながら、希の中に入って逆に自分を見つめてるようなイメージを創る。 空気を静め、心を冷たくして、大局を読む。最近、なんとなく身についてきた心理掌握術だ。催眠マニュアルには玲瓏と書かれていた。磨かれた玉のように、澄んだ心で。 相手の心を動かすには、それこそ相手になったつもりでその全てを理解し、状況を見つめる。まるで、相手になったようにこの事態を見守るのだ。そうすれば、相手がどう動くかも見えてくる。 「……ちっ、話しだけでも聞くよ、私は忙しいからなるべく手短に頼む」 乗ってきた、そう思ってマサキはにやりと笑う。 「簡単な話だよ、ぼくの精液を身体に取り込めば取り込んだ分だけ、タイムが伸びるよ」 「なっ!」 精液とか、突然ありえない単語が出てきて、血相を変える希。「なんてことを、いいだすのか」か、あるいは単純に「なんなんだいったい」か。大体、希が言いたいのはそんなところだろうなと想定するマサキ。未経験だと思われる中学生にいきなり卑猥な言葉を投げつけるのはきつい、だからこその動揺を誘うマサキ得意の手だ。 動揺して、想像があらぬところにいけば、意志を固めて抵抗がしづらくなる。 「まあ聞けよ、君はぼくの言うことを疑えない」 動揺を振り切って、反抗的な目で見つめてくる円藤。その視線がいかに鋭くても、怖くはない。なにせ、毎日ツバメちゃんの攻撃にも耐え続けてるんだ。いいかげん、耐性というものがついてくる。 円藤は睨み続けていたが、ふっと気を抜いてため息をついた。 「……そうだな、そのマサキの精液を……取り込む。それが本当だとは認める」 「マサキじゃなくて、マサキ様だろ」 「…………教室の中だけだろ」 「周りに誰もいなければ、そう呼べと教えただろう」 「………………マサキ様」 「よし」 スポーツ少女、円藤希も、鳥取ツバメに負けず劣らず、マサキいつか犯してやりたいと思っていた少女だ。その性格もちゃんと把握している。希は、上下関係に妙にこだわるところがある。下級生に対してはキツイし、同級生にも結構冷淡だ。その一方で、自分が信頼しているいまの陸上部の部長や尊敬しているらしい顧問の先生に対しては積極的で、言うことには絶対に逆らわない。 こういうのを権威的な性格というのだろうか。マサキが見るにただ犬っぽいという感じだ。自分より目上で、尊敬している相手には尻尾を振るが、それ以外には懐かない。円藤希に言うことを聞かせるのに、大事なのは上下関係をはっきりさせること。 「じゃあ、さっそく」 「そんなものを出すな! ここは外だぞ!」 上着を脱ぎ、ズボンのファスナーを下して、ちんこを出すマサキ。ここでフェラチオをさせようというのだ。 「どうせ、だれも見てないって」 「んーんー」 ちょっと強めに力を込めてかがませて、顔に勃起したものを押し付けてやる。やっぱり抵抗は少ない。顔を背けているが、多少いやがってくれたほうがマサキは興奮するタイプなのだ。 「ほら、大人しく口をあけろ」 「……」 いわれたまま、口を空けてくれたのでそこに突っ込んでみる。校舎裏の人気がない場所というシチュエーションであるので、興奮はするのだが生暖かい口に突っ込んで反応がないので、このままだとイマラチオになってしまう。 マサキは、オタの類にもれず体力がない。嫌がる相手や、無抵抗な相手の口内をこの結構無理な体勢で無理やり犯すというのは、思いのほか疲れる。腰を振って、口内を蹂躙してみたのだが、やはりイクまで無反応というのはつまらない。 「円藤、もっと舐めるようにしてみてくれ」 恐る恐るという感じで舌をチロチロと這わせてくれる希。顔は嫌がって身体は硬直気味だ。やっぱり口が使えないでいるので鼻息がマサキの逸物に降りかかってるのが気持ちがいい感じだ。マサキは、腰を動かすのをやめて希の拙い舌技を楽しむ。 「あー、じれったい感じが溜まらんが、もうちょっと激しくやらないといつまでも終わらないぞ」 希は、キッと睨みつけると振り切ったように舌を全力で這わせてくれる。 「うあ、それはちょっと激しすぎる」 止めろとはいわれてない、怒りの発散口を見つけたように希は必死になって舌をごりごりと這わせてくる。この反応は読めなかった、舌技はつたないものの、純粋に強烈な刺激を加えられ続けて、今日は一回も出していないこともあって、絶頂を迎えてしまった。 「だめだ、出る……全部ちゃんと飲めよ円藤!」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!
たっぷりと出やがった。希は、突然口の中に放出された粘液に目を白黒させながらも、なんとかゴクゴクと飲み下していった。 「…………気持ち……悪い」 「ぼくは気持ちよかったよ。ごくろうさま」 毎度のことながら、飲ませると征服感があるとマサキはいい気分になる。 「これでいいんだろ……マサキ様」 希は、口を拭いて上目遣いに睨みつける。もちろん、マサキはこれで終わるつもりなど毛頭なかった。なかったのだが。
「おいおい、何これカップル?」 「そんなわけねーよ、こんなブ男と……レイプかなんかじゃね」 「そんなやつ相手にしてないで、俺らとやろうぜ」 「お前もいいよな、彼女借りるぜ?」 男が四人、フラフラと校舎裏の影からやってくる。しまった、どっからか見られてたのか。しかも、相手は悪いことに四人とも体格のいい不良だ。たぶん三年生だろう、マサキのクラスの中途半端なドキュンなど問題にならない、本当の悪。 リーダー格の十字のチョーカーをつけた金髪の男が、先頭を切って近づいてくる。なんかヤバメの薬でも決めた感じの危ない目をして、乾いた笑いを貼り付けてる。こいつが一番やばそうだ。マサキの身長と比べると子供と大人の体格差だ。本当に中学生だろうか。微妙にイケメンなのもムカつくが、そんなこといってる場合じゃない。やば過ぎる空気だ。
(しょうがない、あれを使うか)
ちょっと無理な連続使用になるが、このままやられるままになるわけにはいかない。マサキは催眠タイムウオッチを使おうと、上着のポケットを弄り……。 (しまった!) 上着を脱ぎっぱなしにしていた。あわてて、脱いだ上着に手を伸ばしている間にもすっと近づいてくる不良。一瞬にして間合いを詰められた。間に合わない。殴られる。そう思って、マサキは身を竦めると。 次の瞬間、抱きつくように円藤希がリーダー格に飛び込んでいって、抱きつかれた男はニヤけた笑いを顔に貼り付けたまま……ゆっくりと倒れた。 「おまえ、なにしや、ガァ!」 そう叫び声を上げた二人目の男の側頭部を、希は無言で殴りつける。男はセリフをいいかけたままで、あっけなく倒れた。一気に、前の二人が倒されて囲むようにしていた残り二人は動揺する。 そのまま、希は三人目のピアスの男の股の間に蹴りを放つ。的確に股間を狙っての一撃が見事に決まり。マサキは、泡を吹いて痙攣しながら倒れる男を始めてみた。最後の男は、後ろに飛びのいて逃げようとする。希のリーチが届かない安全圏まで逃れると、クルッと回転して全力疾走で離脱する。他の三人よりは賢明だったようだ。 「ふうん。逃げるのか、なかなかいい判断」
希はそれを見送るようにして、追わない。マサキが追わないのかと思ったら、距離が少し離れたところで、ものすごいダッシュで追っていく。さすが陸上部だ。不良の走りなどものともしない。そのままダッシュの勢いで、飛び込んでいって背中に足蹴りを食らわせる。 「どう、陸上用のスパイクの味は?」 そりゃー超痛いだろうよ。蹴られた男は、ピクピクと身体を震わせながら、虫の息だ。それでも生きていたらしく這うようにしてまだ逃げようとする。そこにさらにさっき蹴った部分に、かかと落としを食らわせた。希の足は長く、頂点から振り下ろされる足が綺麗だとマサキは思った。 綺麗にきまったかかと落としに、一度で呻くようにして動かなくなったのだが、念のためにもう一度、同じ場所にかかとを叩きつける希。もう蹴りつけても、男には反応がない。容赦がない処断だった。
「お前なあ……」 マサキが恐る恐るといった表情で声をかける。 「一人目は金的をひざで当てた、二人目は脳の運動中枢をやった。三人目も金的で、四人目は少し遊んでみた。内蔵への打撲とせいぜい肋骨が折れてる程度だと思う」 凄絶な笑みを浮かべて、マサキを睨みつける。 「少し……すっきりしたよ」
後片付けが大変だった。保健室に連絡したら、アルジェ師匠がなんとかしてくれるというので種付け隊に連絡して、気絶した不良四人を保健室まで運ばせた。目立った外傷はないし、相手は悪なので、職員室を通しても正当防衛でも通るかもしれないが、校舎裏でマサキと希の二人で何をしていたのかばれるとやっかいだ。穏便に処理できるなら、そっちのほうがいい。 この学校は、やっぱり荒れている。不良とか邪魔にならないうちに処理したほうがいいかもしれないとマサキは心に決めておいた。それまで、あんまり危険な場所でプレイしないことも大事だが。
このあと、あれだけ暴れた円藤希を相手に、その場でまたズボンのファスナーをさげて再プレイを挑むマサキも相当に精神が強くなったと思う。 「ありゃ……立たないね」 やっぱりマサキのチンポは恐怖に縮み上がって反応しなかった。むしろめり込んでる勢いだった。それを見て嬉しそうに笑う希。抵抗しないと思ったら、どうやら立たないのを予測していたらしい。マサキはとても敗北した気分だった。 仕方がないので、少し話しをしたら希は陸上をやる前は護身術をやってて、いまでも週一で道場に通っているとか。理論上は十三人までなら、一人で殺せるとか怖いことをたくさん言われた。どういう護身術だ。 そうやって、マサキを萎縮させる作戦なのだろう。だが、マサキにとってはそういう女を屈服させられる喜びを深くしただけだ。今日はもうチンポが役立ちそうになかったので、大人しく帰ることにしたが。 やはり、荒事に慣れてないマサキには今日の出来事はちょっとショッキングだったのだ。
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幽体離脱体験記4 夢中の幽体離脱 |
最初に断っておくが、エロ要素はない。だが、ぼくは大変貴重な体験をしたと思う。また別パターンの幽体離脱に恵まれたのは、小説の神がイメージが枯渇して空虚の淵で死なんとするぼくの意識を哀れんでくれたからか。とにかく、いまぼくは興奮している。パソコンをたちあげる間も、どこかにこの記憶が消え去ってしまうのではないかと恐れているぐらいだ。そして、それと同時にこれがまた夢なのではないかと恐れてもいる。だが、そんなわけはあるまい。こうして覚醒してしまえば、覚醒のレベルが違うことは分かる。
しかし、その恐れはいまもある。なぜなら今から話すできごとは、夢の中で見た明晰夢なのだから。そして、夢は目を覚まして初めて夢だと気がつくのだ。
夕方、ぼくは疲れきっていてなにもできなかった。書くことはもちろん、本を読むことすらできないのは重症だ。そして、これは覚えていて欲しいのだが明晰夢は夕方訪れることが多い。そう、こんな疲れきっている午後には。
ベットに横たわりながら、窓から風に吹かれるカーテンを静かに見つめていた。ぼくは風に舞うカーテンの裏側から差し込む光にいつしか祈っていた。ぼくには力がない。どうか、小説を書く力をください。祈りながら、いつしか眠りについた。
眠ったという意識はなかったから、そこは夢の世界ではあってもぼくにとっては現実だった。いつしか、ぼくは昔の実家へと戻ってきたのだ。そんなに広い家ではない。ぼくには当時、姉がいた。いや、べつにいまもいるにはいるけど。 姉があいかわらずだらしない格好で、自分の部屋で発泡酒を飲んでいた。ぼくが肉を焼いて、つまみに持ってきて一緒に食った。そして食い終わるころに本当に猛烈な眠気に誘われて、姉のベットで勝手に眠ってしまった。 深夜の二十三時。ほとんど夜中だ。ぼくが夢と現実(これも夢なのだが)の間をうつらうつらしていると、部屋の電気がいつの間にか消えていた。姉も一緒のベットで寝たのか。なんとなく、足を伸ばして見ると太ももの感触がするので、逆向きになって寝てるのだなと思った。 何を調子に乗ったのか、ぼくは足の指の先で姉の太ももをぐいぐいと押し付け始めた。普段、さすがにこんなことはしない。夢の中だと若干判断力というものが、曖昧になるようだ。めくれた布団から見えた姉の顔を見ていると、姉であり、姉でないような物体にも思えていた。だが、しっかり姉である姉は自分のベットに闖入してきた上に迷惑行為を繰り返す弟に怒ったのか、出て行ってしまった。たぶん、ぼくの部屋で寝るのだろう。 ここで初めて、ぼくは姉を追い出して一人になりたかったのだと分かった。そう、あの幽体離脱ができる張り詰めた空気が、インスピレーションが自分のモノになっていたからだ。いまなら出来る。調子に乗って、エロ行為に走りすぎて姉のベットで夢精したらどうしようかとか、そこまで冷静に考えられるほどだった。クールだった。 そのまま、身体を仰向けにして眠りに入ると、最速のスピードだった五秒で震えがきて身体から幽体離脱した。今思えば、この感覚はリアルじゃないんだよね。本当の幽体離脱の感覚を”夢が真似をした”ものという感じがする。 とにかく、身体から早く離れなければならない。ぼくは天井から出ようとしたのだが、どうにも出にくい。すると窓からかと思い、窓にいったのだが、ぼくは窓を開けて出るという判断をしなかった。染み出るように、窓の下の壁に身体をすりこませていって、外にでる。浮遊の感覚はほとんどなかった、ぼくは窓の外の瓦をすべり落ちるように、転がっていって。やっぱり地面に落ちた。 当然のごとく、夜で世界は闇に満ちていて視界が悪い。なぜか、目の前の空き地で子供が遊んでいた。深夜なのに、こどもの日だからか。などと、馬鹿なことを考えていた。子供がなにをやっているのかと、見ているとみんなでボール投げをしている。 さすがに、子供は対象外。そうそうに立ち去ると、道の表通りまで出た。ぼくはもうこのとき夢の中ということを気がつかずに幽体離脱していたので不思議にも思わなかったのだが、夢の中の実家の光景だった。表通りには、新しくできた小さな電気店に明かりがついていたので、そこに引き寄せられるように入っていく。本当に小さい店だ、個人店舗兼住宅のような。 もう店に人はいなかったので、住宅に入っていくと息子と父親がチェス盤を睨んでチェスをしていた。母親は、なにか料理をしているようす。一家団欒という暖かい光に包まれていたが、いまのぼくには興味がない。ただ、父親のほうがチェスは優勢だなと思っただけだ。 壁に時計があったので時刻を確認しておくと、二十三時半だった。夢の中の世界なので説明が複雑だが、ぼくは夢の中で寝入ってから、幽体離脱してここまでくるのにちゃんと三十分ほどの時間経過が確認できたということ。 また、壁にすり抜けるように外にでていく。そうすると表通りから、下って裏通りに入る。 裏通りの暗い道、街路灯の明かりがポツポツとあって、あとは民家からの明かりが照らす中を歩いていく。後ろから、茶髪の若い女性が近づいてくるのが見えた。よし、こいつを捕まえてやろう。 幽体離脱中に人間のエネルギーを食うと、活動時間が長くなるという話をぼくは信じている。食うか襲うか迷った、とりあえず羽交い絞めにして押さえ込むと、女にはぼくが見えてないらしく突然の出来事に泣き叫び始めた。 やばいな、向こうの道から人が来ている。オカシイ女が発狂しているだけにしか見えないかもしれないが、トラブルは避けたい。女を掴んだまま、ぼくはさらに浮遊して横道にそれていく。 Cカップぐらいかな、こぶりながら中々良い抱き心地だ。 横道の向こう側の空き地のT字路に、清楚そうな女子高生がさらに見えた。女を羽交い絞めにしている間に、どんどん向こうにいってしまう。二兎を追うものはともいうし、ここは茶髪にしておくかと、明るい民家の前まで引きずっていって剥くことにした。
ここでゲームセット。
襲わずにエネルギーを食うのが正解だったのだなきっと。ぼくは、”実家の姉のベットの中で”半覚醒状態になっている。まだ眠っているのは分かるが、引き戻されたのだということが分かる。 もう一回再戦できるだろうか、今は夜だ。とりあえずトイレに行こうと思ってトイレに行くとなぜかトイレが修理中になっていた。便器に機械がつっこんであって、使用できなくなっている。 はは、これは起きたと思って、まだ夢のパターンだなと思った。尿意を感じたので、ぼくはちゃんと身体を覚醒させることにした。そうして、本当に目を覚ましたなと思う。エロ行為はできなかったが、これも貴重な資料。 窓の外に目を凝らすと、夜中だというのにやっぱり空き地で子供が遊んでいる。ここまでは一緒だったということ。だが、子供たちはボール遊びをしていない。駆け回ったり、縄跳びで遊んだりみんなバラバラなことをやっている。 やはり明晰夢は現実とは違うと納得していた。とにかく、トイレに行ってから記録しよう。私は、いいネタができたと喜んでトイレにいって。そこで、本当に実家ではなく自分の家のベットの上で目を覚ました。
つまり、二段覚醒。現実の世界はまだ夕方だった、たぶん一時間か二時間ぐらいしか寝ていない。ぼくは夢の中で寝て明晰夢を見たことに興奮して今の記録を書いている。面白いものになってないとしたら、たぶんぼくの筆力が悪いのだ。ぼくが研究対象にしようとしている明晰夢が、そのまた夢のなかの出来事であったと気がついたとき、まるで出来のいいミステリーを読み終えたような、背中を突かれるような感動を覚えた。 ぼくの想像力をいつも超えてくる。そう夢は、面白いものなのだ。
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第九章「久しぶりの登校」 |
ツバメを犯してからというもの、マサキの頭にある心配が去来する。
「ツバメが妊娠したらどうしたらいいのか」ということだ。
いや、むしろ妊娠させてしまいたいぐらいなのだが、鶴奈と違ってツバメは学校に行っている。大きなお腹をして、ツバメが学校に行ったらどうなるだろう。町中の噂になるに違いない。 そうなれば、いまのおいしい生活も最悪終わりになってしまう。 それはまずい、なんとかしなければ。 普通なら、学校をその間は休ませるとかそういう現実的な対案が浮かぶはずだが、マサキが考えたのは違った。
「学校全部を自分の支配下におけばいい」ということだ。
まあ、さすが中学生。世界制覇の次ぐらいに大きな野望である。そうしようという計画を相談されたマサキの唯一の理解者であり援助者であるネット探偵は、頭をかかえてしまった。
「おまえ、それがどんなに大変なことか分かってないだろ」
たしかに、DLOでは学校法人や病院や会社などの組織単位で、催眠の支配下に置くことはある。それどころか、町一つ。自治体一つを支配下に収めた例だってある。 ただし、それは組織的な催眠術師団による計画的な催眠でだ。二重三重の安全装置を張った上での用意周到な作戦なのだ。 催眠術師といっても、一個人が学校法人という構成員千名は超えるであろう組織を支配下に収めるなど、無理とまでは言わないが、まず途方もない手間と労力がかかる。 そして、その後の維持にはさらに激しい危険を伴う。漫画じゃないのだから、主人公の都合がいいようにことが運ぶとは限らない。催眠は、一度ボロが出てしまったらこれほど脆い力もない。 しかも、ターゲットが中学生というのはさらにやっかいだ。独立した大人ならともかく、子供には孤児でもない限りは保護者がいる。子供に手を出せば、結果として家族も支配下に収めなければならないから、リスクとコストはそこで二倍三倍にもはねあがる。
「せめて、クラス一つぐらいにしておかないか?」
言い出したら聞かないだろうとは思ったから。ネット探偵は、そうやって譲歩を引き出した。これは善意で言っているのだ。「とりあえず、そこらで我慢します」という言質を取ったから、スカイプの回線を切った。
ネット探偵は、暗い部屋でモニターを見つめてため息をつく。 安西マサキは……きっと止まらない。 新型の催眠マシンの実践テストのテスターとしては、失敗を恐れずにギリギリの危険を冒しまくってるマサキは優秀だとも言える。もうすでに(見習い)の名称を取っ払って催眠術師と呼んでいいぐらい、いい点数をあげている。 上層部からは、もっと安西マサキに勝手にやらせて良いというOKが出てるのだ。 しかし、それはもしマサキがなにかヘマをやらかしたら、すぐさま原状回復のための催眠部隊が出動し、マサキを含めて全てを元の状態に戻すという条件付でのことだ。もちろん、そのことをマサキに伝えることはできない。 「殺されることはないだろうが……」 そうなればマサキは、また元の駄目オタ中学生として暗い人生を送ることになる。DLOとしては、マサキは用済みだから、もう二度と浮上することはないだろう。 「オレも、甘いな」 自分が見出した若者がせっかく才能を示したんだ。できれば順調に戦士として育ってほしいと願うのは、やはり甘さか……だとしても、マサキは昔のオレに似ているから、救ってやりたいのだ、マサキを、あのときのオレを――だから。 ネット探偵は、ため息一つ吐き出すと、気を取り直して直属の上司に定期連絡のメールを打ち始めたのだった。そして、それとは別にもう一通だけメールを打つ。本当に久しぶりに、古い知り合いに向けて――彼女がもし、興味を持ってくれたなら。 無力でも、いま自分ができることをやる。それがネット探偵の過去への贖罪。
―――――
それは、久しぶりの登校だった。このクラス最大の問題児であるところのドキュンA、Bが早速ニヤニヤと笑いながら安西マサキの席にやってきた。 久しぶりの登校だが、マサキの席がこなかったうちに彫刻刀のようなもので目も覆うような低俗な言葉と、女性器とプレイ中の男女を模った卑猥な装飾が掘られている。 お前ら、どうせ童貞だろうとドキュンどもに言ってやりたいマサキである。彫刻刀で机掘るとか、小学生レベルかよと。自分の机がギザギザになろうと、どうせ学校の授業など、まともに受けるつもりがないマサキにはどうでもいいことだ。
「おいおい、ゲロマサー、よく学校にこれたな」 「へへ、ほんとお前マゾか、なにかなのかよ」
うんこ顔が、死ねと思うが、まだクラス全員がそろってないので後回しだ。 このドキュン二人組は一応、田村、三沢って名前だがどうでもいいのでドキュンと呼ぶ。顔もマサキとそう変わらないデブデブ不細工で、それを徹底的に日焼けして髪を茶髪や金髪にそめて、ゴテゴテにピアスなどの装飾類で形をつけて、不良とギャル汚が混じったようなファッションでごまかしているだけだ。 不良がもてる時代でもない、こいつらも腕力の差があるだけで、同じうんこだとマサキは思った。いまでは、催眠を持っているマサキのほうが格段に上。こんなやつらに、自殺寸前まで追い込まれていたと思うと、反吐がでる。 ドキュンAがマサキの机の脚を蹴り飛ばして、ドキュンBが唾を吐きかけてきた。あんまり酷いことをしてきたら、その場で催眠で抑えてやろうかとおもったが、この程度なので許容して顔を伏せる。あとで百倍にして返してやればいい。思えばこいつらの罵倒のなんとワンパターンなことか。冷静になって聞けば、たいした連中ではない。 マサキの反応がつまらなかったのか、ドキュンどもは「あとで楽しみにしとけよ!」と捨て台詞を吐きつつ去っていった。マサキも心の中で叫び返す。 (あとで、楽しみにしとくよ。お前らへの百倍返しをな!!)
全員が、そろった。欠席者が何名か居るようだが、保健室にいたらあとで対処しておくし、本当に欠席でも次の日に催眠をかけたらいい。 担任の中年教師が朝のホームルームを始めたので、手をあげて颯爽と教卓の前まで歩いていった。 「あれ安西……おまえひさしぶりに……なんだ!?」
突然登校拒否児童が、やってきて自分の前まで来たので警戒しているらしい。昔は名門校の誉れ高かったこの私立吾妻坂中学も、いまでは見る影もなく荒れている。この中学最大のガンであるドキュンA、Bをほったらかしにしてるところを見ても、この教師はろくな教師ではない。わが身可愛さだけのサラリーマン教師だ。 こんなくずを相手にしていてもしかたがない、ふっと力を抜いてリラックスするとポケットの中の催眠タイムウオッチを作動させた。 脳から視神経に電流が流れるような充実感。そう、もう苦痛ではなく充実感。一ヶ月近くの試験運用を続けたマサキはもはや、この感覚を自分のものとして受け入れ出してきた。装置によって、催眠術師として覚醒しているときが、どっちかというと本来の自分であるかと思うぐらいに。 教師も三十人弱のクラスの生徒も、全員が催眠状態に入ったようだ。これだけ多数の人間を同時に催眠下においたのは初めてだったので、うまくいくか心配だったのだが、これならいけそうだ。 教師を蹴倒して教卓に陣取る、目を見る必要があるのでみんなの注目を集める行動を取ったのは正解だった。 「さて……どういう暗示をかけてやろうかな」 右へ左へと、睥睨する。みんなぽかんと口をあけてこっちを見ている馬鹿顔どもだ。あーツバメちゃんは別だよ、可愛いよツバメちゃん。そんなことを考えている場合ではない。 「よし……みんなよくきけ、今日からこの安西マサキ様は。学級王だ!」 催眠が浸透しているか、周りをみるとうなづいている人が多数。よし。 「学級長?」 目の前に座っているヘヤピン少女が、こっちを見てそういった。佐藤理沙か。
佐藤理沙、容姿は目立たない風だが決して悪くはなくこのクラスでは上の中といったところ。地味目が好みなら、美少女といっても言い過ぎにはならないだろう。 小柄で細身の身体に、肩にかかるぐらいの長い髪をヘヤピンでさっとまとめている、やさしい笑顔が特徴的で怒ったところはあまり見たことがない。委員長タイプのメガネをつけていて、ほんとに級長だ。大人しい割に芯が強い、普段から率先して級長の務めをタンタンとこなしており、教師からも生徒からも愛されてて受けが良い。 本当は別に悪質というわけではないのだが、状況に流されやすいところがあり、安西マサキがイジメさられるのを放置していた。他の困った子の世話はせっせと焼く癖に、デブオタのマサキだけ放置。とんだ偽善者女だとマサキは思った。 だからこそ悪態つきながらも、マサキに普通に接してくれた鳥取ツバメの正義感の強さが際立つのだが、普通の女子なんてこんなもんだろう。マサキに逆恨みされる要素としては十分にあり、復讐してやろうと思ってた一人だ。
「学級長はお前だろ理沙、オレは学級王。このクラスの支配者になった男だ。よく覚えておけ」 コクンと、理沙はうなずく。 「みんなぼくの命令には絶対に従うこと。ぼくのことは、学級王かマサキ様と呼べ。ただし、ぼくが学級王であることはクラスの外には秘密だ」 みんなに浸透したようだ。とりあえずはこれでよしだが、用心して同じ暗示を時間の許す限り何度でも繰り返しておく。正直のところ三十人という人数全員にちゃんとできるかどうか自信がなかったので、とりあえずこういう曖昧な暗示になってしまった。
「さてと……」 催眠後、何事もなかったかのように授業が続く。 本当にタンタンと、催眠がほんとにかかっているのか疑わしくなるようだ。 だから、マサキは教師にこういってみた。 「先生、この授業は自習にします」 「学級王が、そういうんなら仕方がないな、この授業は自習にする」 すんなりと自習になってしまった。わーと歓声があがるかとおもったら、そうでもない。ただ、本当に自習になっただけで、みんな大人しく自習している。ドキュンどもまで、なんだこの平穏さは。こういう暗示のかかり方なのか。 マサキが自習しろといったから、そうしてるわけか。 ここら辺の細かいかかり方は、慣れていくしかないな。 暗示は、かけた本人にもどう転ぶか分からない部分もあるのだ。 「おい、ちょっと来い。田村、三沢」
「な、なんすかー学級王」 「ようですか」
急に敬語になっているのがうける。ちょっとビビってるな。ドキュンでも復讐されるんじゃないかという頭は働くらしい。さて、何をやってやるか。まず肉体的打撃だな。
「お前ら、ちょっとここで本気の殴り合いをやれ」
いろいろ渋ったが、学級王の命令には逆らえない。 お互いに顔がパンパンにはれあがるまで、殴り合いをする。 田村がいつもリードしてる感じだったが、殴り合わせると三沢のほうが微妙に強いみたいで、いつもでかいこと言ってた田村が、ボコボコに殴られて床に沈むのを見るのは本当に気分がスカッとした。これ毎日やろうかな。
「よし、ここぐらいで今日はいいや」
「三沢ひでえよ……オレ、歯がかけちゃったよ」 「お前だってボコボコになぐりやがって……」 なんか揉めている、ドキュンの友情なんてこんなもんだろ。コブシの交換で友情が深まるなんて、やはり漫画の中の世界か。中学生の癖にシンナーなんてやってるから、歯が脆くなるんだと思うぞ田村。ブツブツいいながら、席に戻ろうとするドキュン二人。
「あ、お前らまだ帰っていいとはいってないぞ」
ビクッと肩が跳ね上がる。はは、なんか立場逆転って面白いなあ。安っぽいカタルシスだが、この絶対的力は中学生のマサキにはたまらない果実だ。ドキュンをビビらせてたら、忌まわしい思い出と共に、いいことを思いついた。
「佐藤理沙!」
一番前の席で、名前を呼ばれて「ひゃい!」って感じで声を上げる理沙。やっぱビビってるみたいだ。いいなあ、学級王はとマサキは思う。
「お前もちょっとこっちこい」
おびえた小動物のようにドキュンの隣に立つ理沙。三人で整列している。なんかピクピクと恐怖に引きつっていて、理沙の可愛い顔が台無しだ。いいねー、ドキュン兵二人を引き連れて、理沙は小柄ながらどこか凛としてるから少佐かなにかで。なんか漫画の軍隊みたいだとマサキは思う。
「おい、お前らチンコ出せチンコ! なにをきょろきょろ後ろ向いてるんだよ。田村、三沢! お前らのことにきまってんだろ」
殴り合いさせたときよりも、深刻に嫌がるドキュン二人。二人して、ズボンとパンツを無理やり下して羞恥刑を執行された恨みを当然、このマサキ様は忘れてないわけで、抗えるわけがなかった。 しぶしぶと、ちろっとしょんべんするみたいにチンコを出す。ドキュン二人、顔が赤くなってる。日ごろ威勢のいいこといってても、やはり童貞の中坊だ。
「ぼくがお前らにやられたときに、そんな半端なやり方してたかよ。もっとちゃんとズボンをさげろ……それにしても包茎チンコが、さがりっぱなしでつまらんな」
みんな自習をしている振りをしながら横目で見ているのは、マサキにもいまチンコを露出しているドキュン二人にもよく分かっていた。教師はぼけっと無視してつったっている。そして、その二人の横に立っている佐藤理沙は顔を真っ赤にして目をそむけている。案外、まじまじと見るんじゃないかとおもったら結構真面目だったな。
「そうだ、理沙。お前二人におっぱいみせてやれよ」 「え……そんな」 「そんなもヘチマもねー、さっさとやれ」
マサキの声にせきたてられるように、そっと前だけ開いて白いゴワゴワしたブラジャーをとって、理沙はオッパイをむき出しにした。理沙の控えめな性格といっしょぐらいの、もりあがってるだけの乳房。Aカップだろうな、これはブラジャー要らないんじゃないかとマサキは思う。 それでも、ちゃんとオッパイであることを主張しているような、色素の薄い肌色が仄かにピンクがかかったような乳輪は、少女らしいおっぱいで好感が持てる。
現金なもので、ドキュン二人組みは同級生のオッパイを見て急にビンビンに勃起させている。はは、こいつらも勃起しても皮被ってるよ、ざまあ見ろとマサキは思う。中二でおとなチンコのやつは、そんなに多くないのかもしれない。
「よし、ちょっとおまえらそこでオナニーしろ」
調子にのって、マサキが命令する。
「ちょ!」 「おれら、そこまでやってねーよ」
さすがに反抗的な態度を取るドキュン二人。
「そんなこといって、お前らビンビンになってるじゃねーか。さっさとやってしまえよ、命令だよ、命令!」
チンコ出すだけで、死ぬような心地がしたものだが、やっぱりマサキよりドキュンのほうが精神的に打たれ強いのだろう。周りが、確実に見ているものの、見て見ない振りをしてくれてるというのもある。暴力でクラスの男子に睨みを聞かせていた馬鹿二人組みだが、もうこれで偉そうな顔は一生できなくなるだろうな。
「ちゅくしょうぅぅ……」 「したくてやってるんじゃないからなー!」
二度の命令には逆らえなかったようで、やり始める二人。しっかり理沙のおっぱい見てやってるのが現金なもんだよ。理沙はもう、真っ赤になって俯いてしまって反応がない。 田村のほうがヘタレらしく、一分もしないうちにドピュドピュとだらしなく、射精してしまう。
「はは、こいつ出しやがったよ」 「きゃーーー!」 「あー、もっとスペースあけてやればよかったな、伊藤ごめん」
マサキもついうっかりしていた。思いのほか田村の射精の勢いが強かったので、隣の伊藤真奈美の席まで飛んでしまった。真奈美も、さっきまで自習の振りしながらひそかに笑って見てたのに、汚いものが自分の方向に飛んでくるとは思わなかったのだろう、机と椅子ごと叫び声をあげて、飛び跳ねるように転げ落ちた。見事なこけっぷりだ。 真奈美は別に標的にするほど美人でもないし、まあちょっとおっぱいが大きめなのがいいぐらいかなあ。とにかく、マサキイジメに関係してなかったから災難なものだ。 「ううっ……オレも、もう駄目だ」 そんなことをいってるうちに、ドキュンB、三沢のほうも限界らしく射精をする。それが、まあ狙ってるんじゃないかとおもうほど伊藤真奈美の方角を向いてるわけで、三沢のほうが多少田村よりも砲の長さがあって、勢いもついてたわけで、コケ倒れてボロボロの真奈美が息つくまもなく、第二派が真奈美の顔面や身体に向ってドピュドピュと飛んでいった。絶対、三沢わざとやってるだろ。
「ぎゃあああああ!」
もはや絶叫である。中学生の溜まってる二発っていうのは結構な量で、机や真奈美の身体が白い液で濡れて、ちょっとした学園モノAVみたいになってしまった。あーあ、長い髪にべっとりと精液がついてる。髪につくと取れにくいんだよね。 ここではじめて、他のクラスから先生きたらヤバイと思ったが、幸いにしてそんなことはなかった。催眠は半日に一回だから無駄撃ちは出来ない。 これからは気をつけようとマサキは思った。 あとちょっと可哀想だったが、伊藤真奈美だってマサキイジメを放置してみてた傍観者なわけで、復讐されても不思議はないわけだ。ちょっと罪悪感があったが、それを振り払ってどこに向ってかわからないが、これもまた良しと前向きに考えるマサキであった。
「ちょっとあんた、いくらなんでも酷いじゃない!」
いい加減に我慢の限界だったのだろう、さっきから端っこでプルプルと一人震えていた鳥取ツバメがマサキのところに飛び込んできた。あー、そんなことする必要ないのに自分の綺麗なハンカチで、涙と精液でグズグズの伊藤真奈美の身体と机を拭いてやってる。 酷いかもしれないが、これにはマサキも反論があった。
「ぼくが虐められてたときに、誰か止めてくれたかよ!」 「それは……」
そういわれると、ツバメも黙り込んでしまう。真奈美の机を拭く手はやめないみたいだが。 真奈美も理沙もドキュンも黙り込む。クラスの空気も沈む。復讐ってもっと気持ちいいものだと思っていたのに、なんかこれって嫌な空気だなとマサキは思った。 ツバメだって、マサキが虐められているとき止めてくれたわけではない。ツバメは、佐藤理沙みたいな偽善者じゃないから。ただ、空気に流されてイジメに加担することはなかった。そこがツバメが本当にマトモな人間だということだ。マサキがイジメと立ち向かっている限りは、教師すらマサキを省けにしても、クラスの連絡事項をいちいち教えて普通のクラスメイトとして対応していたのがツバメなのだ。そこだけは、マサキは感謝してもしきれない。
「まあツバメちゃんに免じて、今日のところはこれでいいわ。後片付けは、ツバメちゃんじゃなくて理沙が綺麗にやっとけ。伊藤さんをばれないように、適当に理由つけて保健室につれて着替えをさせてやれ」
ツバメがなんか不服そうだったが言われたとおり下がって、理沙が代わりに真奈美の世話を始めた。ドキュン二人は、ズボンとパンツを下したまま立ち尽くしてる。 「お前らもいつまで、チンコだしてるんだよ今日は終わりだ。さっさと自分の席にもどれよ。お前らは保健室にいくなよ、顔の傷は唾でもつけとけ」 さすがに、ボッコボコに殴り合っているドキュン二人を保健室につれていくのは不味い。不良だから、なんとでも理屈はつくのかもしれないが。クラスの外にばれないようにするには、ドキュンの傷の手当てまで考えなければならない。催眠で復讐する空しさと、集団催眠の面倒なリスクの高さを、やって初めて思い知るマサキであった。
――――
時刻は午後というか、もう夕方だな。 催眠が安全に使える時間までぐっと待ってから保健室に向うマサキ。 「伊藤さんは無事普通に帰ってきたけど、保健婦がなにか感づく可能性もある」 保健室登校しているクラスの生徒がいる可能性も考えてのことだが、怪我させたりした場合のことも考えると、保健室はまず押さえておいたほうがいい。 いまの、安西マサキに怖がるものはなにもない。ノックもせずに、ガラリと保健室の扉を開けた、目の前の机に座っていたのは白衣を着けた……外人?
金髪で淡い碧眼、年齢はマサキと一緒ぐらいだろうか。いかにも保健婦という、金髪少女が着るとコスプレみたいな白衣をつけていなければ、年齢的には転校生だと思ったところだが、とにかく美少女すぎる。 マサキの愛しの鳥取ツバメでも、この少女にはワンゲーム差で負けるだろう。まとっている空気が違うのだ。日陰の湿っぽい保健室が、この少女から発生する美少女フィールドで女神の宮殿のように見える。電子の妖精というか、もう同じ人間とは思えない完璧な美のイデア、パソコンのモニターから飛び出てきたとしか思えない現実感を喪失させるほどの美少女がそこには居た。一言でいえば、これなんてエロゲである。
「ようこそ、私の保健室へ。安西マサキくん」 「あの……あなたは」 「新しい保健婦だよ。そうはいっても、今日からしばらくの間だけになるだろうが」
そういって、琥珀のような瞳をなげかけて微笑する。オカシイ、何かがオカシイ。存在自体が馬鹿げているほどの妖しさもさることながら、さっきまでの青い瞳がなぜ黄色に変化した。光の角度の違いか、それにしては変化する瞬間に気がつかなかったぞ。ちゃんと注意を払っていたのに。 なぜか今の少女の目は、孤独に彷徨する狼を思わせた。美しい金の鬣に魅せられているうちに、牙が剥かれるような鋭さを帯びてきている。 本能がとてつもない危険を伝えてきている。マサキは、半ば無自覚に、ポケットに右手を突っ込み催眠タイムウオッチを作動させる。我ながら自然な動作だった。 新しい保健婦とやらの金髪美少女は、こっちの変化に気がつかずにのんきに言葉をつむいでいるように見えた。これはチャンスだ。 「まあ、最初に保健室に来た判断は及第点だな。来ると思って、こっちは待っていたわけだが――」
脳から視神経へ走り抜ける電撃、これがマサキを無敵の催眠術師に変える稲妻。 マサキの稲妻を浴びて、目の前の危険な少女はマサキの奴隷に変貌するはずであった。食ってやる、食ってやるぞ金髪少女!! だが、勝利の雄たけびをあげたのはマサキではなく少女のほうだった。
「ハハハハッ、早速見せてくれるとは、これは嬉しい!」 「なに……がぁぁ!?」
オカシイ、オカシイ、オカシイ。マサキの催眠の目が、目の前の少女の目を見据えたというのに、むしろその光の焦点はぶつかってマサキのほうに押し返された。少女の目からも、光が出るなんて、しかもこれは……向こうのほうが圧倒的に強い!
こんなことは、ありえないはずなのに!!
痛いほどに催眠装置のボタンを握り締めるが、目の前の現実は変わらない。催眠の稲妻は、金髪少女の目から押し返されてマサキの目に戻り、視神経を通ってマサキの脳に逆流する、限界を超えて機械を作動させたときの痛みすら、生ぬるいと思える電撃の逆流が脳を暴れまわった。
「はぎゃあああああ!!」
頭を両手で押さえるようにしてのたうちまわるマサキ。脳が煮えたぎって沸騰しそうだ。もしかすると、こんなところでしぬのかと、死の想念がマサキの燃え上がった脳に襲い掛かる。マサキが死ぬような苦しみにもだえているのに、目の前の少女はペラペラとしゃべりやがる。
「いいねえ、実にいい。この国の故事にも、兵は拙速を尊ぶともいうからな。手が早いのはいいことだよ、意識的にか無意識かは知らないが、私が自然に行う催眠の前段階にも気がついたのだろう。久しぶりに活きのいい獣を相手にして、私はとても嬉しい」
少女はマサキを見据えたままで、話し続ける。
「ドクター引田ご自慢の催眠タイムウオッチか。十分の制限時間付きとはいえ、素人の子供に一ヶ月でここまでの力を与えるとは、魅せてくれるよ。催眠具を作らせたら、やはり奴は天才の域だな――いや、もちろん私には遠く及ばないよ!」 少女のわけのわからない独白は、マサキはほとんど聞こえてなかった。とにかく砂漠の真ん中で三日間飲まず食わずで放置された挙句にサウナに十時間放り込まれたような、この無間地獄の苦しみに耐えるのにマサキは必死だ。 「おっと、すまない。いきなり攻撃してくるから、つい本気を出してしまった――催眠というのはこういう使い方もできるのだよ、覚えておくといい」
少女の目が金色から深い群青に変化する。その途端に苦しみはすっと抜けて楽になったが以前として視線に掴まれるように離すことができない。 目の前で少女の青い瞳が笑った。子供が悪戯を思いついたような微笑。そして、これはまるで、地獄から一気に天国に引き上げられたような快楽。きもちいい……あぁ、でもこれはちょっと気持ちが……キモチ、が、ヨスギル!
「うぁああああ」
頭を叩き割られて、脳の奥の快楽神経を、素手で直接掴まれたような気分だった。痛いぐらいの快楽が無限に続く。もう立っていられない、その場に倒れこむとマサキは腰をカクカクと動かして射精し続ける。
「あっ!! あっ!!! ああっ!! あぁああああああああああああ!!!」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!!
今度は快楽に身体をのたうち回らせながら、腰を痛いぐらいに振り続けて射精し続けるマサキ。止まらない、止まらない、止まらない! 限界だった、限界まで射精した。血が出た、実が出た、涙が出た、体中の穴という穴から液という液がすべて放出されてしまった。
「あっ……あっ……」
電池切れの機械のように、動きを止めるマサキ。空っぽになったマサキは、自分が出した白と透明と赤が混じる液体の海に沈む。死ななかったのが不思議なぐらいの激痛とそれをはるかに上回る極上の快楽。 カツカツと、地面に響くようないい足音をさせてマサキの横にかがみこむ少女。マサキが目の前で艶やかな金髪をたらしている美しい女の目を捉えた。マサキは、生きているのか死んでいるのか自分でもはっきりとしない。体中の感覚が全て抜き取られてしまったような空虚のなかで、見上げる少女の顔はさらに美しいものにマサキには見えた。全てを任せてもいいような、そんな心地よい気分だった。少女は、そんなマサキの様子を満足げに見ると、静かに口を開いた。
「耳は生きているな、安西マサキくん? まったくとんだ歓迎になってしまったが、私はアルジェ・ハイゼンベルク。職業は、この学校の保健婦と兼任で、天才催眠術師だ。フフッ、私が自分で天才というだけの力があることは、今ので分かっただろう。相手の実力や周りの状況を調べずに、飛び込んだり、襲いかかったりする癖はやめたほうがいいな。私はそういう無謀な男は嫌いではないが、確実に寿命を縮めるぞ」 「天才催眠術師……ああDLOの?」 「そうだ、理解が早いな。私は正確にはDLOの、さらにさらに上部組織の人間なのだがね。休暇で日本に来て少し暇を持て余していたら、古い知り合いに頼まれてね。面白そうなので、しばらく君の監視者をやることになった」 「監視者?」 「そうだ、君はこれまでも監視されていたのだよ。君は新装置の実験テストをやっているからな、失敗したら組織まで迷惑が及ぶのでそれは避ける必要がある。そのための監視者だ。テストとしては最終的に失敗したほうが色々と実験データが取れる。むしろ君は失敗して使い潰される予定だったのだよ」 「そんな……ネット探偵がぼくを裏切ったのか」 「そうじゃない、ネット探偵は私に君のことを頼んだのだよ。本来、監視者は君に気がつかれないように監視するのだ。そして、君が失敗するのを見ているだけだ。ところが、私はこうして君に直接コンタクトした。意味が分かるかね。君は幸運な男だ。この天才たる私が、一人前の催眠術師になるように導いてやろうというのだよ」 「そうですか……あの、お願いします」 「うむ、素直なのはいいことだな。しかと任された。私に師事するからには君も天才の一歩手前――はちょっと無理か、まあ二歩手前ぐらいの催眠術師にしてやろう。それと、あとで本当の保健婦の奴に掃除させないといけない――着替えはジャージも下着もあるから心配するな」 そういって、アルジェはマサキのドロドロになった顔の汗を拭いてやった。ありがたいんだけど、それ雑巾じゃないのか……薄れ行く意識の中でマサキはそんなことを思って、目が覚めたら保健室のベットで十二時間以上も寝ていたらしく、夕方かと思ったら朝日が差し込んでいた。夢も見る暇もないほどの酷く深い眠りだった。 服は着替えさせられていて、学校の予備用に使われる安物の真っ赤なジャージだった。パンツも履きかえられてる、ちゃんと昨日の服が洗濯して畳んでおいてあった。学校に元からいた岩崎とかいう妙齢の保健婦に身体を拭いて着替えさせてもらって、片付けてもらったんだとすると、少し恥ずかしい。
カーテンを開けると、朝の日差しが飛び込んできた。カタカタとキーボードが鳴る音だけが響いている。 アルジェが机の前に座ってコーヒーを飲んでいた。同じ白衣姿だが、アルジェは中に真っ赤なジャージを着ている。昨日の私服から着替えたみたいだ。今日も金髪美少女はとても綺麗だったが、その分学校の真っ赤なジャージが死ぬほど似合わなかった。ジャージに着替えたのは、アルジェもここに泊まったのかな。 器用なもので、コーヒーを飲みながらも、一心不乱にパソコンのキーボードを片手で打ち続けている。 「おはよう、マサキくん。よく眠れたかね」 「はあ……」 まだ、身体の節々が痛い気がするが。特に目立った外傷はない、内臓が痛い感じだ。夕食も朝飯も食べていないから、お腹が空いているはずだが、食欲はなかった。
「日本のインスタントコーヒーは、すごくすごくおいしいな、君も飲むかね」 「いただきます」 アルジェが、子供みたいに目を輝かせておいしいおいしいと、とてもおいしそうにガブガブと飲んでいたので、なにか特殊なおいしいコーヒーなのかと思ったのだが。 アルジェが淹れてくれたが、ごく普通のインスタントコーヒーだった。 「今後のやり方なんだが、とりあえず好きなようにやりたまえ」 アルジェはすごく投げやりだった。 「あの……好きなようにといわれましても」 集団催眠の難しさは、たしかに昨日初めてやってマサキの気がつくところでもあったのだ。考えていたよりも実際はとても難しい。アドバイスしてくれるなら助かる、だからこそ昨日も素直に師事したのに。 「私も色々と忙しいんだ。細かいところを最初からいってもしょうがない。問題が発生しだい添削してやる、相談があったらここに来ればいいから」 そういいながらも、アルジェは右手でコーヒー飲みながら左手でモニターも見ずにパソコンのキーボードをものすごいスピードで打ち続けている。その姿を見て、マサキはピアニストみたいだと思った。片手に湯気の立ったマグカップを持たずに、白衣の中に来ているのが真っ赤なジャージでなければ、きっと美しい絵になったはずだ。 「あの昨日、休暇っていってましたよね、何が忙しいんですか」 「いやあ、デートの誘いやラブレターが殺到しててね。断る文面を考えるのも一苦労なんだよ。モテる女は辛いね!」
そういって楽しそうに鼻で笑って、またコーヒーをむやみに作って、がぶ飲みしている。絶対嘘だ。たしかに、右手だけでポットを操作して、インスタントコーヒーを延々と淹れて、がぶ飲みする辺りは器用だが……こういうのが天才なのか。 アルジェは隠そうともしないので見ていいのかと、興味を持ってパソコンのモニターを覗きこむと、なにか真っ黒い画面に白い数式と英文が踊りまわってる。ものすごい速度だ。 (これウインドウズじゃないよな……) マサキだってオタクの端くれ、パソコンのプログラムは、見るだけなら少しは分かるが、こんな奇怪な言語は見たことがない。これが万が一、本当にラブレターだったら、多分あて先は太陽系外からだろう。 「あ、そうそうこの消費ペースでいくとインスタントコーヒーが切れそうだから、お昼までに買ってきておいてくれ。飲み比べしたいから、各種メーカーの粉を全部な。あとコーヒーがこれだけおいしいんだから、ココアもうまいかもしれん。買っておいてくれ」 「そんなにコーヒー飲むと、胃が荒れますよ」 「私は天才だから大丈夫なのだ。私の偉大なる脳細胞と美容細胞はカフェインの過剰摂取によりまかなわれている。コーヒーの確保は、弟子の一番大事な仕事だからくれぐれも忘れないように!」 その言葉に、逆らうのは無駄と判断して、ハイと答えて保健室を出て行くことにした。ここにこれ以上いても、アルジェは壊れたレコードみたいに「コーヒーがおいしい」しか言わないし、時間の無駄なような気がしたからだ。 「変な人の弟子になっちゃったなあ」 それでも、一人より味方がいたほうがなんとなく心強い。マサキは朝の学校の廊下を足早に駆けていくのだった。
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第八章「身も心も揉みほぐす」 |
童貞の喪失自体が人間のなにかを変えることはない。
喪失した感想を聞けば、たいていが「ああこんなものか」と。期待したほどではなかったなと。 あるいは、思ったよりもよかったと言う場合もある。ただそれは、身体の繋がりというよりは、行為によって相手と心が繋がったからに違いない。それによって人間関係も良い方向に変化する。それらが、世界を一変させてみせることだってある。 だから何度でもいうがセックス自体は、ただ性器の一次的な接触による体液の交換に過ぎない。
それ自体が人間の何かを変えることはない。その喪失が、処女なら巫女に、童貞なら魔法使いになる資格を喪失する、せいぜいがその程度のことだ。
今日も鳥取家で夕食をご馳走になっている安西マサキはいつにもなく堂々としていた。うらぶれたデブオタ少年のくせに、どこか自信に満ち溢れていた。 マサキは単純に、童貞でなくなったことで自分の男としての位が上がったと錯覚する。本当は童貞喪失はきっかけに過ぎない。 これまでの経験値に加え、風邪で寝込んでいる間も時間を無駄にせずに自己暗示による性格と知能の強化に勤しんでいたこと。鳥取家のなかに、新しい自分のフィールドを得たことが今の自信と安定感をもたらしているのだ。 ともかく、人間として、催眠術師として、安西マサキは一皮向けた。 あの後も、機会があり次第、鶴奈と行為に励んでいるのでチンコのほうの皮が剥けるのも時間の問題だろうとほくそ笑む。 今日のメインディッシュはステーキだった。別に高い肉ではない、スーパーの特売の肉だ。それをオリーブオイルで丁寧に下ごしらえして、スパイスで味付けする。 下ごしらえの手間を惜しまなければ、だいぶ違うものだと傍らで鶴奈はいう。 ほどよくやわらかくなった肉と一緒に、付け合せのオニオンやアスパラガスを食べながら、同じ出来合いの素材でも自分の家の飯とこんなにも味が違うのはどうしてだろうかと思った。 鶴奈が料理がうまいということはあるだろう、でもこうして食卓で鶴奈がいてヒナがいて、ツバメもなんか嫌そうにだが一緒に食卓を囲んでくれている。一人で飯を食べているのではないということが、味を温かい物に感じさせてくれるのだとマサキは思った。 一人でいるときは、煩わしくなくていいと思った一人の食事だったが、やっぱりそれは無意識の強がりで本当はみんなで食べたほうがいい。一人で居たらそんな孤独にも、気がつかないものだ。 「うまいですね」 だから、マサキはそう単純に今の喜びを表現した。 「食べてもらう人に、そう言ってもらえると嬉しいわ」 鶴奈はその傍らで、家族にしか見せない柔らかい表情を見せている。
「はぁー」 そんな暖かい食卓の光景を横目に家族から少し椅子を放して、鳥取ツバメは相変わらず不機嫌そうに、ため息をついていた。最近、食が進まない。 ヒナも、なんかわけもなくマサキに懐いてるし、だいたいあの食卓中央の席はいつも自分の兄貴が座ってる席のはずなのに。旦那気取りかよとずうずうしいな。なんだよこの疎外感は。 マサキがというより、マサキが来てからの鳥取家の変わりようを、ツバメは心の奥底から疎ましく思うのだ。 「もういい、ごちそうさま!」 ご飯がまだ残っているのに、食べる気がしなくてさっさと席を立ってツバメは部屋に戻ってしまった。 「最近、お姉ちゃん機嫌悪いね」 「そうね……学校でなにかあったのかしら」 ヒナと鶴奈は親子でそんなことを言っている。ツバメの機嫌を悪くしているのが家の現状であることを考えもしないのは、催眠のせいなのだろうか。 もったいないと、食べかけで残したツバメの肉を箸でつまみながら、この家で一人まともに頭を働かせているマサキは、そろそろツバメをなんとかしないといけないと思い始めていた。
「入るよー」 「勝手に入ってくるな馬鹿」 ツバメの部屋に脚を踏み入れると、即座に枕が飛んで来た。そんなに痛くはない。枕を掴んで、部屋に入る。女の子の部屋特有の甘い香りが広がる。 そんな様子はないのだが、この果実系の芳香はアロマでも焚いているのかもしれない。締め切った部屋であるのに、どこか空気が澄んでいる。 マサキは、まるで山頂に赴いた登山者のような爽やかな笑顔で、肺一杯にその空気を吸い込んで一言。 「萌えぇー」 「この馬鹿やろう!」 布団から立ち上がって、今度はぬいぐるみをアンダースローで投げつけるのだった。 「ふぐっ」 マサキの顔に直撃する。見事なコントロールだ。 「次、なんかしたらこんどこれいくからね」 ダンベルを持ち上げるツバメ。二キロと重量軽い上に、ダメージを軽減するスポンジのカバーがついていることで殺傷能力は低めだが、だからこそ冗談とは思えなかったのでさすがにマサキも引く。 「ちょ、それは怖いな」 笑いながら手をあげるマサキ。 「なんか、あんた最近余裕みたいでむかつくのよ」 「まあまあ」 「憎たらしい顔!」
鳥取ツバメはきっと将来いい女になるに違いない。そう感じさせる濃厚な香気が、まだ成長期も終わっていない十四歳の身体からにじみ出ている。巨乳アイドル乳負けの爆乳は、部屋着のTシャツから飛び出しそうに柔らかく揺れている、巨乳をさらに際立たせて見せるほっそりとした腰つきに引き締まったお腹、ゆったりとしたお尻は熟しつつある果実のような瑞々しさを秘めている。
「まあまあ、日課のマッサージをしようよ」 そういって、いやらしそうに手をこねくり回してマサキがベットの上にツバメを押し倒すようにする。 「わー、もういつから日課になったのよ」 そういいつつ、ツバメはマサキの手つきに逆らえないでいる。やがて、しょうがないわねとかブツブツいいながら、うつぶせになってマサキのマッサージを受け入れる体制に入った。 ここ数日の間、連日でツバメはマッサージを受けている。 もちろん、普通のマッサージではない過度に性的なマッサージだった。
何でこんな風になったのかは思い出せないが、部活とかは面倒なのでやってないが、自宅ではちゃんとダイエットをかねた運動はしているツバメなので、身体がこっていないこともない。ちゃんとほぐしてもらえるのなら、いいかなという気にもなる。 ほんとは、身体に触れられるのいやだったんだけどな。マッサージと普通に触れられるの、自分の中でどこに線引きがあるのか知らないが、マッサージは悪くないとツバメは思い込んでいる。 「あんた、けっこううまいわね」 「お褒めに預かり、光栄ですよ」 ツバメが寝転んだので、腰から初めて背中から肩に揉むマサキ。手先の器用さは、彼の数少ない長所である。より抵抗を少なくするため、ネットで普通のマッサージについても調べたのだ。もちろん、メインは性感マッサージだが。
マッサージを受けている間暇なので、腰からゾワゾワとくる感覚に打ち震えながらツバメは目の前の時計を見ているとふっと冷静に声をあげる 「あのさ……なんか時間がぽっと飛んでるみたいなんだけど、あんたなんかした?」 マサキが何かしたのかと問われて、もちろん言葉のあやだと分かっているのだが、やっぱりドキッとする。催眠時間はほぼ十分のはずだったのだが、鋭い人は気づくみたいだ。注意しないといけないなあ。 「さあ、気のせいじゃない。ボケっとしてると時間がすぐ経ってしまうのはよくあることじゃないか」 「んー、そうかな。妙にこんな感覚が多いんだけど、ボケてるのかな」 そんな感じでごまかす。たとえば記憶の寸断があったとしても、まさかその間に催眠にかけられて暗示が強化されているなんて思いもしないだろう。
「ちょっと起き上がって」 「ん」 ツバメは、身体がほぐれていたので、指示通りに上半身だけ起き上がる。 後ろから豊かな胸を持ち上げるように揉む。 ツバメは胸を触られても何も言わない。これはマッサージなのだから。 心の奥からは「大体、マッサージに胸が何の関係があるのよ」とかまあそういう言葉が浮かんでくるが。巨乳が肩こりの原因だとか、返されるに決まっていてそういわれるとなんともいえないのは、ここ数日何度もこの類の攻防を繰り広げたので半ば諦めている。 言うだけ無駄だ、負けるぐらいなら戦いたくない。だからツバメは黙っている。
「ん、なんだブラつけてるの」 黒いTシャツだったのでぱっとみ気がつかなかったが、中にブラをつけていたようだ。「つけてないと、形が崩れるっていうから」 「巨乳も苦労があるんだなあ、よし外してやろう」 そういって、ブラを外す。Tシャツの脇から、スルスルと引き出してしまう。 「あーちょっと勝手に外さないでよ」 「マッサージのときはブラはつけない約束だろ、こんどからする前に自分で外すように」 そういって、きつい締め付けから開放されてポヨンと飛び出した乳を両手で包み込むように愛でる。 「おー、苦しかったかい。マイフェイバリットベイベー」 「私の胸に話しかけるな! ブラをポケットにしまいこむな!!」 胸をまさぐって嘲弄して、動揺を与えてるつもりなのに、その間に自然にブラを盗んだマサキの行動を目で追っているあたり、ツバメは目ざとい。 催眠下にあるといっても油断は禁物、外堀を埋めるようにとマサキは慎重になる。 まあ、そういって口だけは騒ぐが、”マッサージはすでに始まっている”ので暴れることはないのだが。身体でもって抗うことは、すでに禁止されているのだ。 それにしても見事な巨乳だ。ゆったりとしたはずのLサイズのTシャツが、乳の部分で見事に押し上げられて綺麗な谷間を形成している。 もちろん、硬いということはなくて両手からはさみあげるように持てば、それなりの弾力を持って跳ね返してくれる。どこまでも柔らかいのに張りがある、マサキはツバメの乳と同じ感触を持ったものをこの地上ではまだ見たことがない。 「天上のおっぱいだな」 「わけのわからないたとえをするな!」 さっきまで、気持ちよさそうに揉まれていたのに、やはり歳の割りにでかい乳にコンプレックスがあるのか、ここに来るととたんに機嫌が悪くなる。 「気持ちいいくせに」 「んっ……」 強く握ると息が詰まったように、黙ってしまう。それにしたってすごいボリュームだ。中学生にしてバストサイズ百センチ越えは伊達ではない。 全部握り締めようと思ったら、片方の乳で両手を使わないといけない。 「痛いだけだよ。強く握られると」 「つまり、程よい力で刺激してくれと」 「違う……うう、こんなやつに……それも違うけどマッサージだし……でも」 「じゃあ、Tシャツも脱ぎ脱ぎしようか」
その言葉に我に返ったように、クルッと振り返ってツバメはマサキを見据えて睨みつけた。全力の力で押さえつけるように、睨みつける。壮絶な笑みだった。
「なぜ、脱ぐ必要があるのかしら?」
ツバメの発育の良すぎる胸を、いやらしい目で見る男は多い。その不愉快な視線や、偶然を装って延びてくる手も、こうやって強く睨みつけてやれば、他人行儀に拒絶の言葉を投げかけてやれば、跳ね除けることができると経験上知っていた。 お前は、見てはならないものを見てるんだぞ。触れてはならないものに手を伸ばしているのだぞとわからせてやる。そうしたらたいてい屈服する。同年齢の男子なんて、エロくて、そのくせ幼稚で、くだらない。自意識過剰の最低野郎ばっかりだからだ。
それでも「絶対の自信」を持っている今日のマサキは、生気が迸るような美しい瞳だと思っただけだ。よく見ていると、ツバメの目は怒らせると黒めが光を帯びて、明るい色に変わっていくのが分かる。本当に生きている宝石のような瞳で、むしろ怒りを向けてくれるのが、嬉しくてしょうがないぐらいだ。マサキへの不信感や怒りをあえて催眠を使って殺しておかなかった自分の判断は正しかったと思った。 やさしいセックスなんて、鶴奈とすればいいんであって、マサキが抱きたかった鳥取ツバメは従順な女ではいけないのだ。自分への嫌悪を持っていたってぜんぜんかまわない、活発で、元気で、頭が良くて、男子を見下して、嫌っていて、そのくせ正義感だけ強くて、輝いているありのままのツバメのままで、自分が好きになったツバメのままで抱きたかったのだ。
「マッサージに必要だから脱いでよ、そうだ全裸になって、下着も全部とってね」
ツバメの視線を全部受け止めて、そういいきってやる。ツバメは、自分の睨みがもっとも最低だと思っていた男にまったく通用しないことで絶句する。別に、マサキが強いわけではない。マッサージを始めた段階で、マサキは安全圏にいるのだ。どれほどツバメが催眠という檻の中で怒りの牙を磨いでも、それはマサキには絶対に届かないと分かりきっているのだ。 だから、催眠という縄に縛り付けられた女の子の抗いは、むしろマサキには性欲を掻き立てるものでしかない。中学生にして、けっこうな変態趣味を持っているのだ。
「わかったわよ、脱ぐわよ……仕方なく脱ぐんだからね」
ぜんぜんツンデレではないんだが、偶然にツンデレっぽいセリフになっていてマサキは苦笑する。オタでないツバメにツンデレといっても理解されないだろうからそれはいわない。 スルスルと、Tシャツを脱ぎとって部屋着のズボンとパンツを脱ぐツバメの肢体に、何度か見たことがあるとはいっても改めて感動を覚えて、苦笑してる場合ではなくなった。もうガン視する。
「そんなジロジロ見ないでよ、エッチ!」 「マッサージに必要なんだよ、見つめるのが」 「……」 マサキは、胸を両手で押さえて黙り込んだツバメのオッパイに手を伸ばす。抵抗はない、ふっと手を払うと、手をはらりと落とした。何日もかけて、何度も何度も試行錯誤しながら必死にかけつづけた暗示に抗えるわけがないのだ。 ピンクの乳頭をつまむ。 「ああ、なんて素敵なおっぱい」 「うう……そんなこと言わないでよ」 「必要なんだよ、マッサージに」 そういうだけで、嫌悪と驚愕に顔を背けて押し黙ってしまう。簡単なものだ。 「ここは、乳腺が発達してるから、手だけではなくて特別なマッサージが必要だ」 そういって、ピンクの乳頭をチュっと口で吸ってやる。 ツバメは、その衝撃にフルフルと無言で肩を震わせている。 決して快楽だけではない、たぶん怒りなんじゃないかなと思いながらも、抵抗がないので右手で右の乳頭をこね回しながら、左の乳頭に口をつける。なんかの本で、左のほうが心臓に近いから感じやすいとか聞いたから、左の乳頭に先に歯をたてたわけだ。 口の中でムクムクと乳頭がたちあがっていくのがわかって嬉しくなる。 「たったね」 「なっ……にっ……」 言葉攻めしてやっても面白いが、今はこのオッパイを全力で愛でたいと思う。 その綺麗なおっぱいをよく見たかったので、前からいったが揉みにくくもあるので、さっと後ろに回る。すでに、いっしまとわぬ姿になっているツバメに配慮して自分もさっと服を脱ぐ。 すぐ脱げるようにはしているので、モノの二秒で脱げる。 「なんで、あんたまで、服を脱ぐのよ!」 「マッサージに」 そういうだけで、了解。 あとは、もうお互い無言で胸を揉み続けるだけだ。マサキは、やっぱり胸が好きだ。中学生はみんな胸が好きなのだ。もう病的に好きだ。巨乳であればあるほどいい、もう我を忘れるほど好きだ。好きなんだ。そして、世界で一番好きなのは、好きな女の子の胸に違いない。 だから、そういう思いを込めて好きだ好きだと胸を揉み続ける永遠にも近いとき。 抵抗を禁じられているし、もうどうしようもなくてツバメは「へたくそ」とか「痛いんだけど」とか「いいかげんに死ねば」とか、最初のうちはそういっていたんだがだんだん息が荒くなって、無言になってくる。 ツバメだって、発展途上の身体と性欲をもてあましている女子中学生なわけで、乳房を延々とこねくり回されて、性感帯を刺激されれば高まってくるものはどうしようもない。身体に与えられる痛みとそれがほどよく感じられる快楽、「嫌な男にやられてるんだ」と、それを否定する理性とがぶつかり合ってぐちょぐちょになって。 それで「嫌」とか「なんでこんなやつに」とか、そういう言葉と思いが、吐息と一緒に飛び出し続けた。飛び出し続けた。もう何回も何回もループする。 それでも、そんなときを経てもまだ安西マサキは胸に固執し続けたのだ。オッパイを揉む機械だった、モミモミマシーンだった。
ツバメはもういい加減にしてと、叫びたくなった。絶対こんなの気持ちよくない、痛いわけでもない、絶対に気持ちよくないんだ、それでももうたまらない。 叫んだら負けだと思ったから押し黙って耐えているツバメは、そうやって内圧を高めたままでいたのが逆効果になってしまって……思わず落ちた。 落ちてしまった。 別に胸をもまれ続けて、イッてしまったのではない。まだツバメは性的な絶頂を知らない。そうではなくて、これはそのいわゆる前段階の、性的なスイッチが入ってしまったのだ。 ちょうどツバメにとっては、間が悪いことに、マサキにとっては、計算どおりに、この日はツバメの女の子として感じやすい期間に入ってしまっていた。
オッパイモミモミマシーンと化していたマサキは、ふっと我に帰ってマサキ後ろからツバメの顔を覗き込む。とてもエロい顔になっていた。ああっ、初めて見てしまったとマサキは思った。ツバメのエロい顔だ。 目はトロトロになって焦点があっていない。苦痛と快楽に翻弄されて、可愛らしい顔は見事にゆがんで蕩けて。 口が……そう口がちょっと突出て濡れている。受け入れOK体勢なのだ。求めているのだ。恥ずかしい顔なのだ。こんな顔は。 鶴奈は感じてはいてもこういう顔はしなかったなあ。
せっかくの綺麗な顔が台無しなのかもしれない。でも、濡れているツバメの口は、とても可愛いものにマサキは思えた。 回りこんで、口づけする。 「んっ……くっ」 ああやっぱりだ、ツバメの口はごくごく自然にマサキの口付けを受け入れてくれた。初キッスかなあとマサキは思う。 蕩けてしまったツバメの口は、簡単にマサキの口付けを受け取っていく、むしろツバメのほうが積極的なぐらいだった。だが、そこまでだった。 「!?……ぷっ」
瞬間に我に返ったツバメが、唾を吐き出した。
「あっ……あんたなにやってんのよ」 「……ああ、ごめん」 「あんたいま、キスした? このわたしに!?」 「違う、違うよ! マッサージ。口のマッサージだよ」 危ない、キスしたとかいったらぶち殺される。これは、恋人たちのまぐわいでは決してないのだ。マッサージという名目をつけることで、初めて許されるマサキとツバメのギリギリの許容範囲で展開されるゲームだ。 ゲームにはルールがある。油断は禁物だ。ツバメにマッサージであると理解させなければ、ツバメは抵抗していい。下手すると殺される。そう考えるとゾクゾクするマサキはやっぱり変態。 「ほら、今日は体中マッサージするっていっただろ、口を手でマッサージするわけにはいかないじゃないか、だからぼくの口を使うのさ」 焦りまくりだが、マッサージというキーワード自体がツバメを沈静化させる効果がある。怒りを抑えて、ツバメは「そう……」と言ったっきり押し黙った。 「口の中は、口でマッサージするからね。ちゃんと受け入れてね。舌いれたら、舌であわせてね。ちゃんと気持ちよくなってね、マッサージなんだから」 分かったという言葉を聴かなくても、分かっていることは分かっているのでマサキはキスを再開する。鶴奈に、いろいろ教えてもらっていた経験が役に立った。
二人は裸で抱き合って、マサキが口の中を弄る音だけがチュパチュパと響いた。
可愛らしく舌をあわせてくるツバメがいとおしい。無心になってマサキはツバメの口を吸った。歯茎に舌を這わせたりするとちゃんと反応を返す。ツバメの舌の根元に舌を差し入れて舐め取ってやると、ビクッとツバメが震えて体の力が抜けた。 口でも感じるんだなと初めて知った。鶴奈とディープキスしたときは、やっぱり向こうががんばってリードしてくれていたんだと、こうなって初めてわかるものである。
「うう……あんた口が臭い、ちゃんと歯を磨いてるの」 「どうだったかな」 「うげぇ……あんたね、女の子とキスするときはね!」 そういって自分でいって、ツバメは真っ赤になる。 「キスじゃないよマッサージ、だからいいんだよ」 「うう……しょうがないのか。ねえっ、これキスにならないよね。その、ディープとか私誰ともしたことないし、こんなのが……その、ありえないんだけど」 それは経験なかったら、こだわるだろうなと思う。ここは安心させておくべきだ。 「もちろん、マッサージだから何してもマッサージなだけだよ。大丈夫だよ」 「そう……そう、ならいいわ」 ツバメは、安心したように落ち着く。裸で抱き合っていても、いつのまにか抵抗を示さなくなってきている。もちろん、マッサージというくくりのうえだが、精神と肉体的反応は別だもんな。 それにしても、今日は抜いてないから勃起が酷い。中学生の性欲は無尽蔵だ、ツバメが相手なら五発はいけるとおもう。ここは、一発抜いておくか。
「ああっ! あんた、なに立て……その、なんで顔に近づけてきて、ギャアァァ!」 そういって、顔を背けるツバメ。その頬にあたるように、勃起したチンポを擦り付けると、悲鳴を上げた。 万が一のことを考えて、ヒナと鶴奈には部屋に絶対に入るなと言っておいたが、あんまり叫ばれるのはマズイ。 「ちょっと、叫ぶなって。マッサージだよ、マッサージ」 「わ……わかってるけど、なんなのよ。もう」 泣きそうになって目に涙を溜めているツバメ。もうお互いの裸には何も言わなくても、やっぱり突きつけられると、貧相なマサキのものでも怖いらしい。 「これから、このぼくのチンポでツバメちゃんのお口の中をマッサージします。さあ、口を空けてください」 嫌とはいえないのだ、マッサージという話になってしまっては。 しかたなく、目だけそむけて口をあけるツバメ。 「歯をたてちゃ、駄目だからね!」 そこに容赦なく、勃起したチンポを突き入れるマサキ。 「ふっ……んっ……んん!」 イマラチオ状態だ、口の力が抜けて頭を限界まで後ろに下げるツバメ。いまできる限界の抵抗をしているわけだ。 「ほら、ちゃんと舐めてくれないとマッサージにならないんだからね。もっと積極的になめてよね……そうそう口をすぼめるようにして、吸うように、いい、あー気持ちいい」 「ふっ……んんっ……ひやぁ」 抵抗を奪われて、ツバメは本当に自分が情けなくなった。ツバメの目から、溜まった涙が溢れてこぼれた。 とりあえず出してしまおうと、頭から手を離してマサキは、ツバメのでかいオッパイを揉む、揉む、揉みまくる。 「んっ……ひゃめてっ……んっ」 舐めろといわれたから、舐め続けるしかないツバメが何かいってるが気にしない。手を離しても舐め続けてるから、いいように両手でツバメの身体を弄れる。 乳房に比例して大きく勃起している乳頭をこりこりと指でひねって引っ張って、弄んでようやく射精の気分がもりあがってきた。 「じゃあ、これからお口の中に射精するからね」 「ひゃ……ふぇ?」 舐めながら、「なに?」って顔をするツバメ。もしかして、射精も知らんとか。 「射精だよ、性教育受けてるでしょ。チンコの先から精液がでるの」 「ふぇっ……ひゃめ!」 「駄目じゃないよ、出るものは出るの」 「ひゃめ!」 しょうがないなあ。 「これはマッサージだからね、喉の奥に一杯そそぎこんであげるから、精子が出たら全部飲むこと。精虫がうねうねと、喉の奥からお腹までずっとマッサージしてくれるからね。わかったね」 「……ふぁ……んっん……ふぁい」 諦めたのか、顔をゆがませてまた涙を流したが、拒否することはなくなった。 その間にも、ちゃんとツバメの口はねっとりと舐め取ってくれる。暗示は聞いているのだ。 「じゃあ、出すからね」 そういって、喉の奥底にめい一杯突き入れる。顔が小さい分、口内の作りもも小さいから短小包茎でも、喉の奥まで亀頭が届くのだ。むき出しになったピンクの亀頭を、喉の奥そこに擦り付けるようにして。 「ああ……これが、ツバメちゃんの喉か。ちゃんと射精の感覚を覚えて飲み込む準備をするんだよ、ピクピクしてるでしょ、もうすぐ出るからね、これから口で出すときは飲んでもらうんだからね」 ツバメは鳴きながら、コクンとうなづいた。 「あー出る、飲んでね!」 「ふゃ……!!」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
本日一発目、ならしにならしたので、昨日から溜まってる分がたっぷりと出た。
出されたものは、どうしようもなく喉に出る。
逃げ場のない精液が喉にたっぷりと溢れてきて、ゴクゴクゴクと機械的に飲み込むしかなかった。飲めと命令されたから、機械的に飲む体勢を整えてしまっていたようだ。
「ぐっ……ぎもちわるい……うっ……」
吐き気を催すツバメ。気分的には、吐いて吐いて吐き出していた。なんで飲んでしまったんだろう。気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。喉の奥から掻きだしてしまいたい、ネットリした精液がたっぷりと喉の奥にいつまでもへばりついて汚し続けているようなそんな気持ち悪さだけが残った。
「ごくろうさま、口内マッサージはどうでしたか」 「さいあく……」
「まあ、良薬口に苦しっていうからね美容効果もあるそうだよ」 「しねばいい……」
とりあえず、すっきりしたのでマサキはツバメを感じさせる作業にまた戻ろうと思った。胸も散々責めたしなー、成長期の身体には揉みすぎは負担になるかもしれない。せっかくすげえいい乳なのに、形が崩れたら可哀想だよな。それに、さすがに一時間ぐらい揉んでたら飽きたかも。 そんなことを射精直後の賢者タイムで考えるマサキ。一時間乳だけ揉んでるってのが、相当な固執っぷりだということに気がつかないのは比べるものがないからか。 男友達同士で彼女とどういうセックスをしてるかとか、話したこともないし、今後も話す予定もないマサキである。
「じゃー、気を取り直して次は下腹部のマッサージいこうか」 そういって、前から手を回してサワサワとお尻を触るマサキ。 「なんかっ! 触り方が! ……というか口を洗わせてよ。気持ち悪い」 「ふふー、口洗うのはマッサージが終わるまで禁止、よく口内のものを舐めて味わってくださいね」 「……しね」 そうはいっても、逆らえないのがいまの鳥取ツバメなのだ。
お尻をさわさわと触り続けるマサキ。 「ちょっと、どこに手をやってる……あっ」 肛門に手をあてて、突くように揉むマサキ。 「うぁー」 もうどうしようもないという顔になっているツバメ。 「肛門マッサージだよ」 「……ううっ」 十分に揉んだ指を自分の鼻にもってくる。 「くさ!」 「ううっーしねええええ!!」 「うそうそ、そんなに臭くないよ。ちゃんと洗ってるみたいで偉いね」 「ううっ……あー、舐めないで、やめて」 ツバメの肛門をこね回した指を舐めるマサキ。これぐらい好きな子のなら平気だと笑ってみせる。 「私が平気じゃないから……やめて」 「マッサージの一環だよ、わかるね」 もうそういわれると、睨みつけて黙るしかないツバメ。 「さてと、後ろはこれぐらいにして前に行こうか」 「ちょっと……前って何をかんがえ……まさか!」 「さあ、ベットのこっち側に座るようにして脚を開いてね」 「ちょっと、私の話を聞きなさい。今何もはいてないんだよ!」 そういって、脚を硬く閉じて下腹部を手で覆い隠すツバメ。さすがに胸をいまさら隠すのはやめたらしい。 「だからだよ、全身マッサージっていったでしょ、さあ脚を開いた開いた」 「ううっ」 ぱかっと、脚を開かせると、柔らかい繊毛に隠れた丘が見えてくる。さすがに無毛ってことはない。綺麗な毛だと思う。陰毛って言葉が似合わないぐらいサラサラだし。 目の前に魅惑的な丘があっても、焦らずに太もものあたりから脚も一応ゆっくりとマッサージしていく。 「太もものあたりの肉付きもなかなか……」 もちろん、マッサージしながらも一点集中でマサキの目はオマンコを見ている。それをわざと、ツバメに気がつかせるようにする。そういうプレイでもあるのだ。 「ううっ……その、見るな。ずっと見るな!」 「どこを見るなって?」 「もう……嫌だぁ」 脚を開いたままで、というか脚を閉じることは出来ないのだ。また感極まって、泣き出してしまうツバメ。 「うっ……うっ……」 しゃくりあげて、泣く。顔で手を押さえて、涙を拭く。それでも涙が溢れてくる。泣いて許してもらおうってことより、もうツバメは羞恥と嫌悪で限界なのだ。それなのに、マサキが言葉攻めするから泣いた。 「あーごめんっ、ツバメちゃん」 「うっ……もうっ……こんなのは嫌だよ」
脚を開いて、大事なところを剥き出しにしたまま泣いているのだから見方によってはこっけいで、見方によっては、扇情的な光景である。 こんな嫌がり方でやめる男がいたら、見てみたいものだ。マサキにとっては、性欲を加速させる道具にしかならない、それがツバメには分からない。 「ごめんね、マッサージだからねツバメちゃん」 マッサージはツバメにとっては魔法の言葉だ。しょうがないという気にさせられてしまう。 「ううっ……」 とりあえず泣き止む。応じなくてはならないと、なんとなくそんな気になってしまうからだ。 「じゃあ、最後のオマンコマッサージいってみようかなあ」 「!?」 泣いてる場合ではない、もう驚愕に打ち震えてる。そこまでやられるとは思わなかったのだ、このあとどうなるかもう一瞬で想像がついた。脚が閉じられないので身体を振るわせるしかない。 「いやぁー」 「だって、全身マッサージっていったでしょ、ここもしないと」 そういって、さわりとツバメの恥丘をなでる。いい感触。 「ひゃぁ」 後ろにのけぞってしまう。 でもこのままでは、ピンチだ。すぐ上半身を起き上がらせるツバメ。胸がプルンとゆれた。 「ふふ、やっぱ手では傷ついちゃうからここもお口だよね」 やっぱり嬲られ続けたせいだろうか、どことなく濡れているような感じだ。 「もうやめてっ……ほんとやめてぇ」 「じゃあ、マッサージを開始します」 そう宣言してしまって、オマンコにむしゃぶりつく。綺麗だなあという感想を女性器に持つのはおかしいのかもしれない。産毛をまとった、小さなオマンコは可愛らしいものに思えたのだ。 ゆっくりと、汁をすするように舐める。 こういうの英語でなんていうんだっけ、官能小説で鍛えたエロ語彙を検索する。ああ、プッシー。そうだよ。プッシーって感じだね。可愛らしい感じだ。 そんなアホなことを考えながら、ゆっくりと外陰唇を開いて中を覗き込む。中の陰唇のなかにしっかりとはった膜が見えた。 「へー処女膜って、ほんとにわかるもんなんだ」 「やめっ……てよっ……ほんとに……」 そんなこといわれて、やめるわけがない。深々と覗き込む。 「ねー自分で中開いてみたことある?」 「そんなん……あるわけないでしょ」 あれ、このまえ透明化催眠つかって一緒に風呂入ったときに、結構まじまじと覗き込んでたけどなあと思うが、まあ男には言えないことなんだろう。 無言で、嘗め回すマサキ。緩急をつけたりとか、そこまでの技術はないが、なれない相手でもあってギコチナイ感じがわりとよかったりして、ツバメも震えてヨガッタリした。 「ねえ……もういいでしょ。十分だよ、十分マッサージできたよ」 イッてはないが、とりあえずなんどか軽く感じてしまって、少し落ち着いてきたツバメは、泣き止んで、もうやめないかとマサキに問いかける。 途中で醒めさせてしまうのは、マサキが手馴れてないからなのだが、このまえまで童貞だったような中学生にそれを言ってもしょうがない。マサキはむしろよくやってるほうだ。
ツバメが感じようと感じてまいと、やめるつもりはないのだが、マサキにも男の意地がある。 「えー、それでもここら辺とかまだマッサージしてないから」 そういって、オマンコをめい一杯に開いて、開いてないクリをあけてやる。そこにおもむろに、チュぱっと吸い付く。 「ひゃっ……そこはっ……だめだからぁーー!」 「声が大きい、ご近所迷惑だよ」 「だってっ……あんた、そこはっ……」 女らしすぎる体つきなのに、ここだけは無垢なんだなーと、ぱくっと開いてチューチュー吸ってやる。 「ぎゃ……ああああっ」 ぎゅーと、マサキの頭を握り締めてくるツバメ。悲鳴に近い。 無言で舐め続けると、カクンカクンと腰を振る。もう考えられない。 マサキは、舐めながら意外と冷静に、味も話しに聞くほど悪くないなあとか、処女はクリでオナニーするからクリのほうが感じるとか、いろいろ考えている。 処女はマンカスが溜まってるから、匂いがきついとかいろいろ覚悟して来たんだが、そうでもないみたいで安心した。きちんと、洗ってる子は洗ってるわけだ。 「うふふ……ふふっ……」 なんか、笑うような声を出して茫然としてるツバメ。身体からはクタァと力がぬけて、脚だけ開いて、倒れこむように息を荒げている。 ちょっといい空気だった。 その空気を切り裂くように、マサキが提案。 「じゃあ、次ここのマッサージいこうか」 ぐりっと、膣の中に指を差し入れる。処女でも、きちんと潤滑があれば指一本ぐらいは入り込む。あんまり動かすと、膜を傷つけてしまう恐れはあるが。 「ひゃぃ……あんた……ばぁ……ばかじゃないの!」 はい、馬鹿きましたー。とマサキは頭の中で思う。もう、マサキとよく話すようになってから、ツバメの口癖が馬鹿になってきたのでおかしくてしょうがない。
罵倒はされなれてるマサキなので、ツバメ程度の罵倒は涼風のようなものなのだ。 いや、むしろツバメが本当に拒絶しているときというのは、相手の存在を無視して何も言わないのだ。それが、ツバメのことが好きなマサキにはよく分かっている。 だから、ツバメに罵倒されるというのは、まだしも相手されているということで、それはマサキの喜びだ。別にSMでもツンデレでもないのだが、そういう関係性がいまのマサキとツバメの間には存在するということだ。
「とにかく、その指をぬきなさい……ぬいてぇー!」 「そうだねえ、指じゃ最奥まで届かないしねえ」 そういって、素直に指を抜く。 「はぁ……はぁ……ほんとにあんた何を考えて……」 「そうだ、一番奥まで届きそうなものがあった」 そういって、限界まで勃起したものを見せ付ける。極度の仮性包茎も、さっきのフェラチオで皮がめくれあがっているから、ピンク色の亀頭がむき出しになっている。こうみるとけっこうグロイ。経験ないツバメには恐怖の対象だ。 「ぎゃあー、たのむからそれを目の前にださないでぇ!」 それでも、さっき見せたよりは大騒ぎはしないなと、マサキは計算してる。 「全身マッサージだからね、ぐぐっと奥までマッサージするにはこれをつかうしかないよね」 「あんた、聞いてる……わたしのはなしを」 「ぐっと奥までマッサージするには、これしかないよね」 そういって、開いてる腰にむかって自分の腰を押し付けるように出す。自然とセックスの体勢になるわけで、ツバメは腰を閉じられないわけで。 「いやっ……やめて、あんたじぶんがなにいってんのかわかってんの」 「いや、だから膣の奥が深いから、指では届かないからぼくのチンポでマッサージしてあげようかなと思って」 「そんなこと説明しろっていってないでしょ! ばかぁ!」 「だって、ツバメちゃんが聞いたんじゃん」 「わたしが……いってるのは……もう、ばかぁ! ほんとばかぁ! そんなことしたら……その……もうばかぁ! ばかぁ! 馬鹿やろう!!」 「なにいってんのか、わからないなあとりあえずやろうよ」 「……セックスになっちゃうでしょ」 ほう、ちゃんと言ったかとマサキはおもってほくそ笑む。 「なに笑ってんのよ馬鹿」 「何か問題でも」 「問題大有りよ、私は好きな人としかやりたくありません」 もう十分好きな人としか、やっちゃだめなことやってるんだけどなあと思うが、こういう防衛ラインはよく分かるのでマサキもちゃんと対応する。 「ぼくはツバメちゃんの彼氏だよね、彼氏が好きじゃないの?」 「あんたなんか大嫌いよ、彼氏はなんか彼氏になってるけど……嫌い」 あー、言われるの分かってたんだけど、やっぱ凹むなあとマサキは思う。 「とにかく、嫌いな人とはセックスはやっちゃだめなの。大体私はまだ誰とも……その指だけならいいから、指で我慢してよ」 おいおい、我慢してって話しになってるぞ、マッサージはどうしたんだと。 「あのね、ツバメちゃん。説明するけど、これはマッサージでセックスじゃないんだよ」 「だって、そんなん……その入れたらセックスでしょ」 「マッサージというか、医療行為というか」 「ぜんぜん……だって、入れちゃったら。私初めてなのに、膜とかも破れちゃうし、それにここ私のベットじゃん、シーツとか血がついたら」 「あーそれは、予備あるから鶴奈さん大丈夫だっていってたよ」 「!! あんた義姉さんとなにはなしてんのよ!!」 「あーごめん失言、それはともかくそういうのはまったくもんだいない」 「初めてがなくなったちゃうんだから、問題あるわよ」 「処女膜も、なにか大きなものを挿入しても切れたり、伸びるだけでまったくなくなるわけではないので、別にぼくのちんこをいれても、まだツバメちゃんは処女だといえるよ」 「なんなのよ、そのわけわかんない理屈……」 「だから、マッサージで、セックスじゃないから入れてもノーカウントってことだよ」 結局ツバメは、マッサージという言葉に、逆らえないわけだ。 「うう……わかった」 「じゃあ、入れるよ」 「ちょ、ちょっとまってよ!!」 「なに……まだなにかあるの」 「そのままいれるの、ありえないんだけど!」 「そのままって、あー、生入れのことか」 「そうだよ、なんかそのゴムみたいなのつけるんでしょ、避妊具。こういうのは男の責任なんだからね!」 そういう知識だけ豊富なんだから、面倒だよなあ。 日本の性教育の弊害について思いをはせ、国を憂う中学生マサキであった。 だから、こう切り返してみる。
「へー、女子は性教育でマッサージで妊娠するって教えられてるんだ」 「せ……、なにいってんのよ!」 「性教育だよ、性教育。マッサージで妊娠するって習ってるの」 「そんなの、習ってるわけないでしょ」 「だったら、大丈夫だよ」 そういって、マサキはツバメの目を見つめる。 「ぼくが、大丈夫だっていってるんだ。わかるね」 「……はい」 「いい返事だ」 「って、なんなのよこの空気」 「ちなみに、これからする行為とは、まったく関係ないんだけど、いまツバメちゃんの生理周期ってどうなってる」 「なによ、知らないわよそんなの」 よくかんがえたら、処女が生理周期測っているわけがない。そういうことに関してはだけは、ネットで調べつくしている今時のエロ中学生マサキでも、ほんとに生理周期が安全日や危険日とどう関係しているのかっていうのはピンと来ない。 実際を知らない中学生同士で、やっぱりこういうのは経験からくるイメージが一番大事なわけで。 「生理は、このまえいつ終わった?」 「なんでそんなこときくんだか」 「マッサージに必要なんで」 「……うっ、先週……いや、先々週の末ぐらいかな」 「じゃあ、たぶん危険日だな。よし、大丈夫」 「なっ、なにが大丈夫!?」 「こっちのこと、こっちのこと」
こうして、まったくそれらしい雰囲気の出ないまま処女喪失は執り行われた。
「じゃあ、入れるよー」 「ううっ……痛くしないで」 「最初やっぱ痛いよ、なんでも鼻の穴からスイカ出すぐらいだそうだから」 「なに、それ、めっちゃ痛そう!?」 「ゆっくり入れていくから」
メリメリ、メリメリって感じでツバメの無垢なオマンコに、マサキの粗末なものがビンビンになってめり込んでいく。
「おおうー、なかすごい」 初めて男を迎え入れたツバメの膣壁が、マサキのものを迎えてくれる。 「いやっ、痛い。痛いよ。洒落にならない」 「洒落にならないほど気持ちいい」 「やっぱ駄目、ちょっとまって止まって!」 「最後まで入れてしまったほうがいいって」 そういって、ぐっと腰を押し付けて最奥まで貫いてしまう。 「アァァァァァ!」 たぶん、中で処女膜が引っ張られて切れたんだ。 中の気持ちよさで、もう爆発しそうになっていて、こらえるのに精一杯で。 「痛い、やっぱ痛いっ……うっ、やめてって言ったのに、止まってって言ったのにっ!」 ボロボロ涙こぼして、綺麗な顔ゆがめてシャクリあげて泣いてるツバメを見てたら、ちょっと出てしまった。でもこらえる。 ちょっと、ドピュっと射精したのは、気がつかれなかった様子。というか、それどこじゃないみたいね。 「イヤッっていったのにっ……ううっ……ジンジン痛いっ!」 なんかもうなかば幼児化して泣きじゃくってるツバメ。まあ、まだ子供だし、しょうがないところだろう。 処女喪失の痛みは、重たい人も居るし軽い人もいるが、ツバメは重たいほうだったのかもしれない。 処女の証が、接合部から流れ出す。やっぱ膜が中で切れたんだ。 「もうっ……いやっ……うっ……」 「ごめんね、ツバメちゃん痛かったね、奥まで入ったよがんばったね」 「もうっ……十分だから、もうやめてっ……」 よしよしと、頭をなでてやる。あんまり初っ端から激しくやったら可哀想だし。 「うん、すぐ出して終わりにしちゃうからね」 「出すっ……出すって何をよ!?」 痛みに翻弄されて、茫然と泣きじゃくっていたツバメの目に光が戻る。 「なにって精液をだよ、このまま出すに決まってるじゃないか」 「なっ、なにがきまってるのよ。ありえない! これセックスじゃないんでしょ」 「マッサージだから妊娠は」 「そういう問題じゃないの、あんたの汚い液で私のお腹の中が汚されるのが嫌なの」 「子宮筋マッサージだよ」 「……なっ、なんてことをいうのよ」 「全身をくまなくマッサージするっていったでしょ。穴という穴が対象だからね。このまま、中に出したらぼくのオタマジャクシが君の子宮のなかを綺麗にマッサージしてくれるよ」 「いやー、いやよそんなの!!」 考えるだけで気持ちが悪い。 「チンコは、子宮の中まで入らないからなあ。そういや、子宮の中まで強引に入れるマッサージっていうのもあったけど、ちょっと痛そうだけど慣れれば気持ちいいかも」 さっきまで処女だったツバメの想像を絶する答えが返ってきた。 子宮姦なんて、化け物クラスのセックスだ。マサキにできるわけないのだが、そういう脅しである。 無理やりに処女を奪われたツバメには、マサキならやりかねないという恐怖を感じた。 「嫌! そっちのほうが嫌!!」 「じゃあ、どっちにする。子宮まで貫くか、中出しか」 いまツバメの頭の中で、どんな想像がグルグルとまわっているのだろうか。顔を赤くさせたり青くさせたりしながら煩悶する姿に。もう答えを聞かずに出てしまいそうだった。無限とも思える時間を置いた後、小さい声で答えを出した。 「…………中のほう」 「わかった、中出しマッサージね」 「うっ……」 「じゃあ、早く出るように協力してね。このまま、ベットで抱きしめあうような形になるからね」 「はい……」 「これ正常位っていう基本的なスタイルだからね、覚えておいてね」 「もうっ……どうでもいいからぁ、早く終わって」 「協力的じゃないと、いつまでも終わらないよっー」 正常位の体勢でぎゅーと抱きしめる。 「ちゅっちゅ、しようねー」 「キスは駄目っていったでしょ」 ああ、そういうルールだったなと。下の口でつながっておいて、キスは駄目もないもんだが、このルール付けしたのはマサキ自身だ。 「あーお口とお口のマッサージね、んー」 そういって口付けして舐る。なんだ、あんがいがんばって舌を浸かってくれるじゃないかと。心はともかく、身体はもう女の身体なのだ。 「ツバメちゃん、まだオマンコ痛い?」 「さっきほど酷くないけど、ジンジンするからあんまり動かないで」 ツバメの中は締め付けがきつくて、動かなくてもいってしまえそうだったのだが、この状況を利用しない手はない。 「んー、このまま動かないと射精できないんだよね。ちょっと協力してくれないかな」 「痛いから、動くのは無理だから!」 やっぱり、膜が破れた状態で動くのは痛いらしく身体が拒否する。 「そうじゃなくてさ、男は肉体面じゃなくて精神面でも興奮するんだよね」 「!?」 「ツバメちゃんが恥ずかしいセリフをいろいろ言ってくれたら、興奮して出るんだけどな」 「ばかやろぉー、もう一生出さなければいいよ!」 「ツバメちゃんは、一生このままでいたいんだね、わかるよ」 ぎゅっと抱きしめる。 「死ね、いま死ね……ううっ……いますぐ死ね」 貫いたときより、痛みがマシになったのはそうなのだろう。でも、悪態に力がなかった。さすがにきついのだろう、いくらマサキの貧相なものといっても、貫かれたままでは苦しいのだろう。つまり、マサキのやりたい放題だ。 ぐっぐっと腰を押し付けるように動く。 「いたっ……痛いからぁ……やめて……」 「こうやってピストンして出してもいいんだよ」 「駄目よ、お願いだからやめてぇー」 あー、その哀願の表情いいなあ。普段のツバメちゃんとのギャップがあっていい。 「その路線でいこうか、出すように哀願して」 いつまでも、射精を我慢できるわけでもない。ここら辺にしておこういうことだ。 「ううっ……早く出してくださいお願いします」 「どこに出して欲しいの」 「ううっ……あんたねっ……」 無言で、腰を突くマサキ。 「痛い、わかったから……中に出してくださいぃ」 「おーけー!!」 「ちょっと、何を、んー」 腰を押し付けて、抱きしめてキスをする。口では嫌がっても、舌出すとちゃんと絡めてくる、ツバメの吐息が熱い。すぐに感極まるマサキ。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!
ツバメの中にたっぷりと射精した。できった、ぎゅーと抱きしめられて射精されて、ツバメも身体を震わせて余韻に浸っているようだ。
「……どいて」 ああ、急にツバメの声が冷たい。 「おわったんでしょ、どいてよ」 退きたくなかったので、こういってみる。 「ああ、なんかチンコが大きくなったまま抜けないなー」 「うそつけ! 抜けるでしょ、一回ほんとに死ぬ?」 「あー、ごめんツバメちゃんまだマッサージ終わってないんだ」 「えっ……えええー、これ以上なにやるっていうのよ」 「中に出した精液の量が足りないと思う」 「意味が、わけが! わかんないわよ」 「子宮内には入っただろうけどさ、子宮の先に卵管っていうのがあってそこまで届けないと全身マッサージにならないからね」 もう、茫然としているツバメ。 「だから、なるべく痛くないようにするからこのままもう一回」 「もう……わたしが、死にたいわ……」 それでも、逆らえなかったので身体は従順に受け止めるツバメだった。 もう、悪態つく元気もない。 さすがに、ツバメが可哀想だったのでなるべく腰を動かさずに、ツバメが気持ちよくなれるようにたくさんキスしてやって、胸を散々もてあそんでやった。クリトリスをすったりする刺激も忘れない。 ツバメが気持ちよくなれば、それだけ潤滑油も増えて、ツバメが楽になる。 ずっとそうやって、自分の射精欲が高まってくるまでやってたら、ツバメもこなれてきたらしく、乳頭をいじってもいい声をあげるようになる。 ツバメの吐息にも甘いものが混じってきた。 そろそろいいかなあ。 「ぼくたちって、彼氏彼女だよね」 「もう、なんであんたなんかと付き合ってるのかまったくわからないけどね!」 「もうの吐息が甘いんだよ! ツバメ!!」 「ばかぁー」 「じゃあ、そろそろ中に出してあげるから妊娠してね」 「しないからぁー!」 「ドピュドピュだすから、妊娠してね!」 「しないって、いやぁー!」 「ううっ、出る!」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!!
三発目だというのに、さらにたっぷりと射精。玉の中の精子が全部出てしまったかと思った。 きっとツバメの小さい子宮はいっぱいいっぱいになっているだろう。ずぼっと、引き抜くと鮮血と精液が交じり合ってピンク色になった粘液が漏れ出してくる。 「おっと、動かないでツバメちゃん」 「まだ……なにかあるの」 「そのままじっとしててね」 腰に枕を当てて、腰をおしあげるようにさせる。 「こうしないと、子宮から卵管に精子が落ちないからマッサージにならないんだよ」 「もう、勝手にして」 「このまま、三十分ね」 「お風呂入りたい……身体が汗臭くて気持ち悪い……いいかげんにして……」 ほんとに排卵日かどうかはわからないが、こうしておけば妊娠率はあがるはずだ。待ち時間が暇だったので、全身マッサージということで耳掃除をしたり、麺棒を肛門に差し込んだりして、マサキは散々に弄んだ。
こうして、ツバメの初体験は散々な結果に終わったのだった
あとで、ヒナが隣の部屋で聞き耳を立てており、鶴奈が扉の前でなんとなくソワソワしてたりして、声が大きすぎたと反省したマサキ。 その事実を知った、ツバメの激しい激怒で、マサキは本当に二キロダンベルの一撃を腹部に受けて名誉の負傷を遂げるのであった。合掌。
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