終章「最上階の少女」 |
このマンションの最上階である十九階に住む、金髪で淡い碧眼の満十五歳の少女、アルジェ・ハイゼンベルク。たしか、国籍はフランス系アメリカ人だったか。当初の計画では、彼女を最後の標的にしようと考えていたのだ。あえて、製作者へ報告せずに突然来訪してみたのには、それなりに訳がある。チャイムも鳴らさずに、そっと扉を開けてみると、鍵も掛かっていなくてすっと開いてしまった。 「やっぱり……そうなのか」 蛍子のところにいって、激しくやったことは不意打ちにすらならなかったようだ。ここまで来てしまったからには、覚悟を決めて古森正夫は薄暗い室内に入り込む。生活感のない殺風景な部屋。十九階は、本来二棟分のスペースをぶち抜いた、このマンションでもっとも豪奢な部屋のはずが、ただその広さだけを誇示されている薄暗い部屋は、廃墟となったオフィスを思わせた。部屋の一面をぶち抜きて作られている大きなテラスからは、満月の月明かりだけが差し込んでいる。そのだだっ広い部屋の真ん中にたった一つある机の前で、満月を背に少女が手を組んで座っていた。 「ようこそ、ゴールへ。古森正夫くん」 美しい女性の声だが、この覚えのあるトーンはやはり製作者の声だった。 「やっぱり、始終監視されていたんですね」 「ほう、気がついていたか。無理もないだろうな。君が使ってるのは、私のシステムだよ。君が催眠をかけた女たち目は、私の目といってしまってもいい。ただレポートに意味が無かったわけではない。文章にこそ、その人物の知性と人間性が現れるわけだしね。君の書く報告には毎回楽しませてもらったから、ゲームが終わるのは残念だよ」 そういって、ニヤリと笑った。燃えるような満月に照らされて、光り輝く少女の目の輝きは、美しくも気高い狼を思わせた。いや、それはもっと妖しげで、畏怖を感じさせるものだ。 「ぼくをどうするつもりなんですか」 「そうだね……RPGなら、私がラスボスで君と戦うところなのだが、残念なことに私の目的は別にある。ゲームというのも方便なので、残念なことに本当にゲームはここで終りだ」 「そうですか、ぼくも残念です」 「まあ、そこにかけたまえ」 そういって、パイプ椅子を差し出してくれる。自分のビルの最上階がこんな使い方をされているなんて、不覚だった。なぜ早く気がつけなかったのか。この不自然な少女が越してきたのは、ちょうどこの「タワーマスター」が始まる直前。同じ建物内からなら、正夫のパソコンに直接的なアクセスできたのも納得がいく。最下層で、塔主を気取っていたのはなんと滑稽なことだったのだろう。本当のタワーマスターは最上階にいたのだから。 「一つ質問していいですか」 「なんだね」 「なぜ、ぼくだったんですか」 これだけは、聞いておきたいことだった。この答えによっては、正夫は製作者と闘ってもいいとすら思った。たぶん勝ち目の無い闘いでもだ。 その美しい頬に手を当てて、ほんの数瞬、考え込んでから製作者は答えた。 「難しい質問だな。ちょっと、長い話になるが聞いてくれるかね」 「はい」 「私は、アフリカのアルジェリアで生まれた。だからアルジェというんだ。孤児につける名前なんて、適当で笑えるだろ。フランス人と現地人のハーフだよ。もっとも、これは現地の孤児収容所で行われたDNA検査で分かったことなのだがね、その検査で分かったもう一つのことに私は百万人に一人といわれる脳の先天性異常があることが分かった」 「先天性異常……」 「ハイゼンベルク症候群というんだが、大脳新皮質の異常発達でそうならないケースもあるんだが、私の場合は天才として生まれたんだ。俗に言う進化した人類というやつだな。そうして、その能力を見込まれて幼いうちにアメリカのある地の研究所に移された。そこで、私は催眠システムの基礎理論の研究に携わっていた。才能を生かせる仕事ではあったし、そうするしか生きる術がなかったからな。能力の無いものには非情だったが、それなりの成果を示せば家族のように優しくも扱ってくれた。その研究は倫理的に、問題もあったが私はまだ十五にも満たない子供だ……情緒というものが育っていないのか、もともと壊れているのか、それは平気だった。何不自由なく、そこで研究を続けながら育って、それで満足していたんだ。」 多分に、信じられない話だがその目に嘘は無いと正夫は思った。 「だが、私に新しい目標ができた。その研究所に、私のプライドを酷く傷つける男が居たんだ。何度も何度も、私が憎むに値するぐらいにな。そいつは……正夫、AC社という会社を知っているか」 昔話から急に話を転じる製作者、たしかAC社は最近日本に進出してきた外資系の大企業ぐらいしか知らない。たしか、全世界規模で急成長を続けている。裏には黒い噂もあるみたいだが、ネット以外ではまるで報道規制がされているみたいにそんな話は出ないことで有名だった。 「あそこが、うちの研究所の経済的な母胎だ。組織は、最近になって権力争いが激化して四分五裂していて、私はACの日本支社のトップをつぶすためにアメリカの本社から送り込まれたんだ。なぜ、そんな仕事を引き受けたかというと、そのトップの裏に私のプライドを傷つけたあの男が居たからだ。奴を倒すのが私の新しい目標になった」 「それと、ぼくの何の関係が……」 「奴も催眠を使って、組織を動かしている。私にも、組織が必要だ。そのためには催眠で動くような単純な兵士だけでは到底勝てない。催眠で操る兵隊を動かせるだけの力を持った仲間が居る。君にその適正があった」 そんなことをいきなり言われても困る。その変な企業間の争いもアメリカの研究所も、製作者の個人的な怨恨も、自分とはまったく関係のないことではないか。 「そして、君はテストを潜り抜けた。これまで才能がありそうなものを何十人と試したが、君だけがここまでたどり着く能力と意志の力を見せた。君は、自分のことをだめなデブオタだと思っていただろうが、そうではなかったのだよ。外見はともかく、君の中身は私と同じ獣だよ。牙さえ与えられれば、それをどこまでも冷酷に使える」 そういって、製作者は獣の目を向けた。まるでその姿は、牙を剥いた美しい獣のようだった。群れから離れて、たった一匹で生きている獣が、仲間になれと誘っているのだ。その姿に、理解しがたい衝動を感じた。それを理不尽に感じて、抑えつつ正夫はいった。 「だから協力しろって、おかしいですよ」 「そうだな、おかしいな。もちろん、君に拒否権はある。無理に従わせる兵隊なら、この私の催眠システムを使えば、いくらでも手に入る。私にいま必要なのは、あくまでも自由意志で協力してくれる有能な仲間だけだからね」 「ぼくが、拒否したらどうします」 「何もしない、いまの催眠システムもその力もそのままにしておく。この建物に限った話だが、君はいまと一緒のようにここで一生戯れて楽しく生きていけばいい。闘いには危険もあるし、拒否されてもかまわない。力は、私を楽しませてくれるほど立派な獣になった君への褒美としてもいい」 まるで、断れといっているようだ。危険のある闘いと、手に入れた安楽な生活。誰がどう選んでも、決まっているだろうに。 「君の質問への答えがまだだったな。君は、よく似ていたんだよ。目的もなく、ただ安逸に研究だけやっていたころの自分に。まさに、ゲームだったよ。自分のうまくできる世界に閉じこもって、ただそこで満足を得ていた。ただ……」 「ただ?」 「きっと、私は孤独だった。闘うべき相手を得て、初めてその孤独に気づいた。私は、いま何故か敵を得て、充実している。だから、きっと君もいつかその孤独に気づくときがくるんじゃないかと思うんだ。だから、拒否されてもかまわない。君がその気になるまでいつまでも待つ」 「待つ必要はないですよ、あなたと一緒に闘います」 とても愚かな選択といえるかもしれない。古森正夫は恵まれた人生を送ってきた、楽な道が常に用意されて来たから、そっちへそっちへと流れていた。だが、ここ何ヶ月か「タワーマスター」としての生き方が彼を変えたのだった。危険? 結構じゃないか。なにかもっと、もっと自分の力を生かせるところがあるはずだと思っていた。むしろ、場合によってはこの少女を倒すつもりで最上階まで駆け上がってきたんだ。外にもっと大きな闘いの世界があると言われたとき、ふっと正夫の世界が無限に広がる気がしていた。いや、広がっていくに違いない。 製作者は、目をすっと細めると正夫の前までいって手を差し出した。 「これで、君は仲間だ。歓迎するよ、古森正夫」 正夫は、手を握り返す。製作者に持っていた冷たいイメージよりも、それは、とても暖かい手だった。 「あの一つだけお願いしていいですか」 「なんだね、出来る限りのことはなんでもするが」 「仲間というのは、まだ早いと思うので、師匠と呼んでもいいですか」 「師匠か……それも悪い気持ちはしない」 そういって、製作者は初めて、フフっと鼻で笑うと笑顔を見せた。意外なことに、笑うと年齢相応に可愛らしかった。確かに、まだ中学生ぐらいの女の子に高齢ニートの正夫が弟子入りするのはたしかに滑稽かもしれない。 「弟子入り歓迎する。ただ、私は厳しいよ」 「望むところですよ、師匠」 「では、まず覚えておくがいい弟子よ。安逸に流れて生きることは、誰かの催眠の下で生きているのと変わりない。自分の意志で、いま、君がしたような決断をできることが催眠術師として、支配者としての資格なんだ。君はそういう意味では、この瞬間に操られる側から操る側に渡ったんだよ」 そうか、思えばいまの選択が古森正夫が生まれて初めてした決断だった。 そうしてその瞬間、稀代の天才少女アルジェ・ハイゼンベルクと、その弟子古森正夫の闘いが始まりを迎えたのだった。
タワーマスター 完結(著作 ヤラナイカー)
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第十章「人助け」 |
ジュッジュ……接合部から例の音が響く。
お気に入りの事務机の上で、真辺美樹はパチパチと口述筆記をさせられていた。秘書として、正夫のモノを下のお口で咥えさせられながら、あえぎながらの必死にキーボードを打ち続ける。 「無事に、三階の沢石亜沙子は、ぼくの子供を妊娠したのを確認したそうです」 その絶望に、泣き崩れた亜沙子の姿を思い出す。いや、製作者の好みからいうと、冗長すぎは禁物。官能小説じみた報告を喜ばないたちなのだ。やらせてそれを性的に喜んでいるという要素が一切無い。あくまで冷徹な研究対象でしかないのだろう。 「他の種付けした子には、まだ妊娠を確認しているものはおりません。もしご希望があれば、それになるべく沿うような形にもしたいと思うのでご返事いただければ幸いに思います」 初めのころ正夫はただこの振って沸いた力に酔って、暴れまわっていただけだったが、近頃、製作者の意図が気に掛かるのだ。あくまで、レポートなのだし内容は簡素を心がけないといけないことは分かる。だが、その人間味の通わない指示は、なにか不気味ですらある。もちろん、力は正夫がやりやすいように調整されて、さらに改良されているのだが、いったい製作者は何のためにこんな計画を続けているのだろうか。
「なお、もう管理人室にこだわることもないと思ったので、十一階の美樹の部屋を臨時の管理人室にしました。いま、美樹に奉仕させながらこの報告書を書かせています」 せっかく、秘書を作ったんだから有効活用しないとな。もともと、美樹の自由で仕事をしていたので、職場の仕事量を減らすことは意外に簡単に受け入れられた。どうも美樹の実家としては、仕事より私生活を充実させてほしいらしかった。まさか、私的に秘書としてこんな使われ方しているとは、美樹のお偉い父親は思いもしないだろう。 「うう……出るぞ」 腰をギュッと掴んで、美樹の最奥に叩き込んで射精しようとする正夫。そんなセリフすらも震えながら律儀に、パチパチっと口述筆記してしまう美樹。
ドピュドピュドピュ!
「ありがとうございます……」 「美樹、出すぞは書かなくてもいいんだ、文面で判断しろ優秀なんだから」 「はい、わかりました」 最初は、かなり抗っていた美樹だったが、どうも最近は従順すぎるぐらいだ。ここ一週間ほど、レポートは送りつけているが足固めに終始する報告というのは、面白みがないのだろう製作者の反応はない。 「ご苦労、美樹君。あとはいつものアレを忘れずにやっておけ、私は出かけてくる」 「はい、お帰りをお待ちしております」 美樹は、すっかり秘書役が板についてきたようで、部屋から悠然と立ち去る正夫を嫣然と微笑して見送った。股から太ももに流れる精液をいとおしげに舐めると、ベットに横たわって、ちょうど正夫ぐらいのサイズのバイブをそのままずっぽりとはめて、正夫の名前を感謝の言葉と共に叫びながらオナニーする。少なくとも、中だしされてから三十分はそれをやるように、徹底的に躾けたのだった。 やるたびに、仕事を終えたという達成感と共に、更なる絶頂が襲うように美樹にはセットしてある。やればやるほど、麻薬のように催眠が浸透していくわけだ。
従順な女ばっかり抱いていると、ちょっと反抗的なのをやってみたくなる。こういうときは七階の看護婦、伊川蛍子のところに行くのがいい。今日はちょうど休みだというのは、ちゃんとスケジュールが調べてあるので知っている。 チャイムを鳴らすと、なにかうわ言のようなことを呟きながら、相変わらず疲れた顔で伊川蛍子が出て来た。また夜勤明けかと少し同情する。でも、正夫を見るととても嫌そうな顔をしたので、同情もどっかにふっとんでいってしまった。 「またあなたですか、いま寝てたところなんで一昨日来てくださいますか」 「酷いなあ、そんな顔するなんて、ぼくは君を助けに来たんですよ」 そういって、入れまいとする蛍子の手を振り払って、どかどかとあがりこむ。 「ちょ、また勝手に待って……もう」 蛍子は、青いインナーにTシャツというとても乱れた服装だ。化粧ッけもなにもあったもんではないが、休日の看護婦なんてこんなもんなんだろう。ある意味では、扇情的ともいえる疲れた蛍子の面持ちに、すぐに硬度が固くなる。 すでに、何度か抱いており、蛍子の危険日もほぼ確認している。順調にいけば今日か、明日あたりに排卵日を迎えるのは分かってるのだ。 「裸で寝てたんじゃないんですか」 勝手にソファーに座ると、詰問調に言う正夫。 「あなたに指摘された、ノーパン健康法はちゃんとやってるわよ……来客が来たならとりあえず服を着るのは当然でしょ」 憤懣やるかたないという感じで、ベットに腰掛ける蛍子。 「どうせなら、脱いでたほうが都合が良かったんだけどね」 白地に青のスプライトが入ったインナーを嫌な笑い方で舐めるように眺める正夫。 「あっ……あんた、また私を抱くつもりじゃないんでしょうね、もう嫌だからね!」 なんのかんのと、理由を付けられて二度も抱かれて――しかも、二度とも中に出されてしまった蛍子は、正夫に対して嫌悪の感情しか抱いていなかった。正夫を好ましく思うような暗示をかけられてないから、当然といえば当然だ。 「いやぁ、ぼくは別にどっちでもいいんだけど実は困った話があってね、この前抱かれたとき、君はいったかい」 さすがに、どこへ行ったとは聞かない。明確に、オーガニズムを感じたかどうか聞いているのだ。 「そんなの! あんな無理やりされて、いってないに決まってるでしょ」 二度も抱かれてしまっている、おぞましい記憶が蘇る。ぞぞっと怖気がしたらしくて、肩を抱きながら小さく震えた。 「そうか……それは困ったな」 そうして、心底困ったという顔をしてみせる正夫。 「な……なによ」 正夫の反応が、蛍子の不利にならなかったことはない。正夫の表情に、当然のように過剰反応する。 「実は、この前いくら妊娠しないっていったじゃない」 「いったわよね……なによ」 「実は、あれ条件付きだったんだよね」 「えぇーー」 「排卵日にまで、十回以上オーガニズムを得ないと妊娠しちゃうんだよね」 「そんなぁーなんで、それを早くいわないのよ!」 正夫の首根っこをつかんで、がくがくを振る蛍子。 「いやぁ、ぼくもさっき知ってね」 「次の排卵日って、もう明日か……明後日か、今日ってことはないだろうけどいくばくの猶予もないわね……もうっ!」 そういって、勢いよくTシャツとパンツを脱ぎ捨てた。 「ぼくはやらなくてもいいけどね、そのまま僕の子供を妊娠してくれても」 「わたしが嫌よぉ!!」 問答無用で、正夫の服も脱がしていく蛍子。さすが看護婦だけあって、やる気になったら手早いものだ。脱がしながらも、蛍子は聞く。 「十回って、どっちが十回なのよ」 「えっと……そうだな、男女合計で十回かな」 そうやって嘯く正夫。 「それなら……えっと、わたしとあなたとで今日四回いけばいいわけね」 「あれ、さっきいってないっていわなかったっけ計算が」 「うるさい! あんだけ執拗にやられたら、一回ぐらいいくわよ馬鹿。あんたが二回づつ出して、わたしが一回づつ気をやってしまったから、計六回……だったと思う。それ以下じゃないから大丈夫よ」 真っ赤になりながらいう蛍子。正夫は、これを蛍子の口から言わせたかったのだ。相手がいってるかどうかなんて、さすがにやってれば分かる。一回というのも、多少控えめじゃないだろうか。 「あ、そうだ別にオーガニズムに達すればいいんなら、私がもう二回してるから、後二回オナニーすれば」 「恥かしい発表してるところ申し訳ないんだけど、ぼくのチンコでいかないと意味無いからね」 「も、もう!」 真っ赤になりながら、裸になった正夫をベットに押し倒す蛍子。 「あなたのチンコで絶頂だけ感じればいいのよね、つまり愛撫とか自分でしてもいいわけよね」 「それは、そうだよ」 「だったら、自分で絶頂近くまでやるから見てなさい。あー胸ぐらい触ってもいいわよ、そのほうが助かるし、どうせ私の裸見ただけでビンビンなんでしょ」 たしかに、正夫の逸物は言葉の通りビンビンにおったっている。さっそく、正夫の前で自慰を開始する蛍子。クリトリスがお気に入りなのか、皮を剥いて執拗に攻めている。手持ちぶたさなので、胸を嬲ることにした。 「あっ……、そうだ今日何回いけそう」 「一回……いや、二回は出来ると思うけど、さっき一回他で出しちゃったからね」 「なんでこんな非常時に、他の子で出すのよ馬鹿!」 「ごめん……浮気しないで今度は来るよ」 「今日が大事なんじゃない、他の日に来られても困るわよ……もう」 まるで、危険日に出してくれと懇願されているようで、いい感じだ。あくまでも、蛍子は妊娠を阻止するためにやる行動なのだが、結局のところ妊娠するための行動になってしまうあたりが、正夫の琴線に触れる。 「あっ……んっ……ああ、いたっ……いいのよ、乳頭吸って!」 今日は、非常時ということなのかいつもの恥じらいとか嫌がりとかがなく、乱れまくっている蛍子。そういえば、排卵日に近いのでそれもあるのかもしれない。そういえば、嬲ってる胸の張りもいいように感じる。 「あぁ……いいっ……いいっ」 ひとりでよくもまあ、これだけ激しくやれるなあと。右手で、クリトリスいじって、左手四本でねじり回すようにピストンしてる。ひとりで、やってるほうが逝くのが早いみたいだ。ぼくは、へたくそなのかなもしかするとと、こういうの見ると不安になる正夫であった。 「あぁーあぁーいいわよ、そろそろ正夫!」 呼び捨てだ。わかったよ、入れますよっとジュっと入れたらやばかった。頭がカーと、熱くなって、正夫は小さく呻いた。 「やば、ちょっと出ちゃったかも」 「いいっ……いいっ……」 すでに最奥まで入れているはずなのに、さらに腰を押し付けてヨガリ叫ぶ蛍子。蛍子の中は、まるで精子専用の掃除機だった。普段やわらかいはずの膣襞が、正夫の亀頭のカリに吸い付いて離れない。奥へ奥へと進むと、下がってきた子宮口が亀頭口とキスしたのが分かった。熱い抱擁だ。もう、吸い付いて吸い付かれて、腰が接合部から一体に溶け合ってしまったような気がした。蛍子は、足を正夫の腰にかけて離れないし、その状態で腰を振りまくって痙攣している。 そんな状態で、「あぁー」とか「いぃー」とか、叫び続けてるのだ。もう正夫も辛抱たまらんって話だ。猛烈に、正夫が口を吸うと嫌がらず蛍子も、舌をからめてくる。下の口と上の口でからまった形になる。「んんっーーー!」 舌を絡めながら、蛍子は声にならない声をあげた。まるで鎌首をつかまれた様に、膣全体がすごい収縮をして、正夫の絶頂を誘った。
ドピュドピュドピュ!!!
辛抱たまらなかった、正夫の亀頭口から吸い付く子宮口へと隔てるものなど何もなく全て蛍子の中へと吸い込まれていった。まるで全てを吸い尽くされてしまったような、脱力と快楽の絶頂が正夫を一足遅れて襲った。 「はぁはぁ……あっ……ああ!」 力なく、正夫が顔をあげると蛍子が下で怒っていた。 「いっちゃいましたね……馬鹿、入れただけなのになんでいっちゃうの早漏!」 「君が激しくやりすぎるからだろう」 無言で睨んでくる蛍子。 「いいだろ、あと一回づついけばいいんだから」 そういって、今度は正夫のほうから突きかかってくる。あんなもの見せられて、一回で終わるわけがないのだ。 「ホラホラ」 「待って、ぁつ、だからオナニーするから待って」 「必要ねーよ」 さっきからの蛍子の乱れように、正夫の身体はいつになく熱くなっていた。 「なんだったら、あと二回でも三回でもいってやるよ」 そういって、必死になって腰をふる。 「あぁーそういうことじゃなくて」 「そういうことだろうが!」 「そうだけど……あぁ」 出してなお盛んな逸物を腰をぐっと、押し付けて一回出してこなれて来たマンコの感触を楽しむように腰を回す。そのたびに、あぁだのいぃだのと、反応してくれる蛍子。今日は本当にいい。 ぐっと、胸を持ち上げるといつもよりも勃起した乳頭がより大きく、赤黒くなっていた。 「ここから、ドピュドピュって母乳でるようになるんだよな。妊娠すると」 「そうならないために……うぅ……やってるんでしょ」 「そうだけどね、おら」 そうだけど、なぜかそうならないのだ。蛍子の理性は、妊娠をさせないために、女の身体は妊娠をするために、まったく別の目的に向かって快楽を加速させる。腰の感触をじっくり楽しみながら、普段よりも芯が硬くしっかりと空へと突きあがっている巨乳を嬲って嬲って嬲り続ける。 「あぁ……いぁ」 「いまが、EカップだからFカップになるわけかな」 「馬鹿なこと……おぁ」 正夫がグッと力を込めると、グッと力が抜ける。そのたびに小さくオーガニズムを感じる蛍子。どうも、フィーバー状態に入りつつあるようだ。人にもよるが、オーガニズムの波は一度押し寄せたら、満潮を迎えるように何度も何度も連続して襲ってくる。一度火の付いた身体は、止まらないのだ。 「さあ、妊娠しろよぉ蛍子」 「嫌よぉー」 「このままイカないと妊娠だぞ」 「うぅーイゥー」 「よし、出してやるからな妊娠しろよ」 「あぁーわたしどうしたらいいのぉ」 妊娠するのかしないのか、もう訳がわからず絶頂に突き動かされてついに蛍子は泣き出してしまった。泣きながら、イッてしまった。 「よし、出すぞ! 危険日に中だしだ。妊娠しろぉー」 「嫌ぁーー」
ドピュドピュドピュ!!!
また、たっぷりと射精した正夫だった。 「わたし……わたし……うぅ……何で泣くの」 堰を切ったように泣き続ける蛍子。鼻水までたらして、ボロボロと。たぶん、蛍子の本能は妊娠するとわかったに違いない。それを催眠をかけられた理性は理解できないのだ。 その後、念のためにということでもう一発やっておいた。こんだけ燃えて出したのは久しぶりだった。きっと、この日は当たったんじゃないかと正夫は思った。そして、欲望を出し切った冷静な頭で考えて、最後の女に行こうかという決心をつけることができた。 最後の標的は、最上階に居る。もしも、正夫の予測が正しければ、そこに行くのにこれ以上の不意打ちはないと思えば好都合だし、このゲームは終わるかもしれない危険を孕んでいるからこそ、今いかなければいつまでも決心が付かない気もしたからだ。階段を上がる、正夫の足取りはいつになく重かった。
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第九章「中休み」 |
「いやはや、君も次から次へとよく身体が持つねえ。他にも実験してもらってるケースはあるんだけど、せいぜい二人か三人だよ」 今日のレポートを読んだらしく。リモートコントロールされているらしい正夫のパソコンから、製作者のややあきれた声が聞こえてきた。 「はあ、やり過ぎでしょうか。まだ回ってないターゲットがあるんですが」 「いやいや、もちろんこっちとしてはデータが取れてありがたいんだよ、ただゆっくりやってくれてもいいってことさ」 「ありがとうございます」 「こっちとしては、君がどう収拾をつけるかも楽しみにしてるんだよ。そこらじゅうに、子種付けまくってるみたいだし、ここまで徹底してやる人も稀だねえ」 「そんなもんですか、やるなら徹底してやりたいと思いまして」 「いい心がけだ、こっちは長期的調査にするつもりだから、焦っておかしなボロを出さないようにしてくれればそれでいい」 そういうと、また勝手にPCがシャットアウトした。ゆっくりやっていいという忠言に従うことにして、素子の部屋に行こうかと外に出た。
大人しい感じのロリ巨乳といった風情の梶井素子の家は、もっとも場所が近いこともあって、ご飯をご馳走になりに頻繁に寄っていた。 素子は、すっかり正夫が彼氏だと思い込まされているので、しばらく放置すると向こうからご飯に誘いに来ることもある。急な来訪についても、家に居るときについては快く受け入れてくれる。 亭主関白気取りで正夫が「ごはん」と言うだけで、用意してなくてもあり合わせのもので手早く作ってくれたりもする。あらかじめ作っているときは、初めて来た日もカレーだったが、素子の部屋はカレーの日が多くて、今日もそうだった。好物なのかと聞くと「そうでもないけど簡単にできるし、初めて覚えた料理だったから」という答えが返ってきた。そういうものなのだろうか。 結構素子とやるのは久しぶりなので「じゃ、しようか」といって理解できるかどうかと思ったが、すぐ分かったようで俯いて「はい」と言ってベットを整えだした。話が早くていいなと思い、さっと押し倒したら、素子が恥かしそうに「あのー」と口ごもりはじめた。 「なに?」 「あの、ゴム買ってきたんですけど……」 どうやら、素子はコンドームを買ってきたようだ。そういう機転を利かせるような子には見えなかったので少しびっくりする正夫。だが、狼狽は表にださないように平然と対処するのが催眠の術だ。 「いや、ゴムはいらないよ」 「え……でも、だいたいなんですけど……その危ない日に入り始めてると思うので」 「あー妊娠の心配? いいじゃないできちゃっても」 「ええっ! いや……だって恋人同士でもまだ私は学生だし……」 「いいんだよ、できたら結婚するんだからぼくら」 そんな話は初耳の素子。物凄い急展開だが、当然のように催眠電波の範囲かにあるのでなんとなく納得してしまう。 「ええ、そうなんですか……結婚するんだ……」 「そうだよ、できたらご家族とか連れてきなさい。説得というか、説明するから」 もちろん正夫は、催眠で家族も全員丸め込んでしまうつもりだ。 「そっか……いいんだ」 「むしろ、早く子供作ろうよ。おめでたいことなんだからいいでしょ」 「はい……じゃ作りましょう」 なんとなく心配とは逆の方向に丸め込まれてしまった素子だった。すでに何度もやった間柄なので、素早くお互い準備を済ませて挿入までいってしまう。それにしても、なんど嬲っても飽きないなあこの爆乳と、正夫は思う。正妻は、やっぱり素子だろうな。「あっ……正夫さん……」 嬲る手を止めて聞く。 「私幸せです」 そういって、ぎゅっと抱きついてくる素子。無理やり抱くのもいいが、こういう相思相愛もいいなあと、心から正夫は思いながら、いいように素子の豊満な体を嬲っていく。ぎこちないながらも、正夫の動きに必死にあわせてようとしてくれる素子のいじらしさがいい。正夫は、この実験を始めるまで経験などなかったがさすがに連日連夜やっているので、性交にも手馴れてきた感があり余裕も出て来た。 ほんのすこしだが、重度の引きこもりによって太りきった正夫の肉体にも、締まりが出て来たように感じる。分厚い肉で見えないが、腹筋もついてきたのだろう。これでセックスというのは、運動にもなるのだ。 ジュッジュっと小気味よい音を立てながら、素子が好む体位である正常位で交わる。素子のやわらかい肉の襞が、チンコを擦り取るように刺激してくれる。突いて、引くたびに強い快楽を感じるのか、素子は息を荒げて目をとろけさせる。正夫は幸せを感じて、我慢せず、出してしまうことにした。 「素子出すよ」 「はい……」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
「何しに来たんですか……」 あいかわらず玄関先では、とげとげしい対応で沢石亜沙子が応じる。 「ちゃんとしてるかどうか、調査にきました」 ニマっとイヤラシイ笑いをする正夫。 「もう妊娠しましたか」 「そんなこと! ……まだ分かるわけないでしょう」 「そりゃ、そうですね。では今の状況を報告してください」 「指示通り、旦那と今日はしました……一回口で抜いてから中に出してもらって一回です、自分ではアクメは感じてません……それも指示通り……」 「そうですか、それは何よりです。旦那さんは、何か気がつきましたか」 「いいえ……何も……残念ながら」 旦那への催眠はどうやら必要ないらしい。 「用事が済んだなら、帰ってくれますか。子供がそろそろ起きる時間です」 「そうですか、手早く済ませましょう」 「ええ……するんですか」 泣きそうな顔で、だが従順に応じる亜沙子だった。泣き崩れる亜沙子の顔を見ながら、今日はこのぐらいにしておくかと正夫はつぶやいた。
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第八章「真辺美樹」 |
伊川蛍子は次の日の遅くなって起き出してからが大変だった。病院にアフターモーニングピル(一応、事後避妊ができる薬)を飲みにいくだの、出来たら絶対に堕児するだの言い始めたため、暗示にかけて「古森正夫に射精されても、絶対に妊娠しない」と言ってみると納得した。どうやら、嘘でも伊川蛍子が看護婦として知っている医学知識に合わないことでも、ちゃんと催眠で納得させられるようである。 蛍子は、休日の午後をゆっくりと過ごすというので、また梶井素子の家にご飯をご馳走になりに行くついでにレポートを仕上げて製作者に送っておいた。そういう報告が一番助かると礼を言われた。さて、どっこいしょとおっさん臭い掛け声と共に、正夫は立ち上がると今度は十一階に向かう。真辺美樹の住んでる階だ。 真辺美樹は二十四歳、伍石商事会長の二女で、関連会社の新興ホールディング社の社長秘書を務めている。いわゆるお嬢様の暮らしもできるのに、あえて新企業の社長秘書として現場で経営学を学んでいる。上昇志向の強い女だ。いつも、きっちりしたスーツで出かけていく意志の強そうな横顔を、正夫は管理人室からいつも羨ましげに見ていたものだ。そんな女も、いまの正夫には自由にできるのだ。
ビィーーー
インターホンのベルを鳴らす。この時間なら、帰宅しているはずなのだが、なかなか出てこない。留守かなと、いきかけた時に扉もあけずにイヤホンから「あなた……誰ですか」と声をかけてきた。用心深いのだなあ。 「あのーすいません、管理人のものなんですが重要な用件がありまして」 「管理会社の人? いつもと違うみたいだけど……」 「いや古森正夫と申しまして、このマンションの管理人なんです」 「このマンションに管理人が居たなんて聞いたことが無いわよ」 なんていう用心深さだ、本当に催眠電波が掛かってるのか疑いたくなる。 「どこに確認してもらってもかまいませんよ。ぼくは、一階に住んでるんですから、ここは完全オートロックだから外部の人間が入れるわけがないでしょう」 「それもそうね、それで用件というのはインターホンで済ませられないんですか」 「あの、電話で済むんなら直接来ないと思うんですけど……」 「しょうがないわね」 ようやく、ガチャっと扉が開いた。若干不安になったが、催眠電波は効いてる……はずだ。 「重要な用件ですので、中でお話してもよろしいですか」 「……しょうがないわね」 中に入れてもらえた。やれやれ、どうやら催眠に掛かり難い人なのかもしれない。意志の強い人間だからだろうか、とにかくこれは骨が折れそうだ。どう責めるべきか。 「そこに座ってもかまいませんよ。いま会社から帰って来たところで疲れてるので、早めに済ませてもらいたいものですね」 言われたように、高級そうなソファーに座る。小さい身体をさらに丸めて座っている薄汚い正夫を、汚らわしいものを見るようにロングの黒髪から覗く切れ長の目が鋭く凝視している。帰宅したばかりとは本当のようで、まだぴっちりとしたスーツを着込んでいる。スーツの上からでもわかるふくよかで、それでいて無駄な贅肉など一片もついてなさそうな物腰。目つきが鋭すぎであることを覗けば、美人と言ってもどこからも文句はでないだろう。それにしても、これじゃどっちが催眠にかかっているのかわからない。とりあえず、催眠に本当に掛かっているのかを確かめるために、正夫は切り込みをかける。 「これから、私がいうことは全て正しいことだと思ってください」 「あなたのいうことを正しいと思ったらいいのね」 OK、どうやら催眠の効果は出てるようだ。つっけんどんなのは、疲れているのと元々の土台のせいだろう。ほっとして、やわらかいソファーに身を委ねながら正夫は始める。それを見つめる美樹の目は、ソファーが汚れると非難しているようだ。 「あなたのお仕事は秘書だ」 「そうよ、何を分かりきったことを……」 「お疲れのところ申し訳ないんですが、この建物では私の秘書をしてもらいます」 「え、何ですってよく理解できなかったんだけど……」 さすがに、面食らったような顔をする美樹。本能的に、聞き取るなと脳が警告音を発しているようだ。正夫は、噛んで含めたように何度も説明して理解させた。 「つまり、この建物ではあなたは管理人の私の秘書として働いてもらいます。これは仕事なんです。わかりましたね」 「……わかりました」 「ぼくは、君の上司でぼくのいうことは絶対です、理解したら返事を」 「……はい」 渋々という感じで頷く美樹。催眠電波は正常のようだ。 「まったく、美樹君は物分りが悪くて困るよ。本当にそれで秘書が務まってるのかね」「な……心外です」 自分の能力をなじられて、騒然となる美樹。有能な上に、親の七光りというバックもある会社でそういうことを言われた経験はないのだろう。 「さあ、こっちに来てぼくに奉仕をしてくれたまえ」 「奉仕? なんで、服を脱ぐんですか、ちょっとやめて! 汚い……です」 スルスルと、正夫は服を脱いでしまった。 「本当に美樹君は理解力に欠けるね、上司が秘書の自宅に来てやることといったら一つに決まってるじゃないか、えぇー」 そういって、イヤラシイ感じで語尾上げする正夫。まったくもって理解できないという感じで、目の前で勃起している汚らしいモノから目をそらし、嫌悪感を抑え切れず顔をゆがめながら硬直している美樹にしょうがなく説明する。 「セクハラだよ、わかるかねセクシャルハラスメント」 「……」 あまりのことに、美樹は黙りこくったままだ。理解の範疇を超えている。 「やれやれ、何とか言ったらどうだね」 「……あの、私の理解ですとセクハラって性的嫌がらせのことですよね。そういう行為というのは、職場ではもっとも忌むべきものであり、女性社員の労働意欲を阻害するというか、それ以前に社会通念的にも法的にも犯罪で、訴訟沙汰になれば行った個人のみならず社名にも傷が」 どこを見ているのか分からないような目で、流れるように語る美樹を押し止めた。 「あーわかったわかった」 「わかっていただきましたか。それならセクハラは止めて下さい」 ほっとしたように、胸をおさえる美樹。 「ぼくがわかったというのは、君がいうことはわかったといったんだよ」 「はぁ?」 「君の理解力が悪いようなので、きちんと説明してあげよう。まず、ここは普通の会社とは違うんだ。ぼくは、マンションの管理人で君の上司で、君はこの中ではその秘書だ。それはまず分かるね」 「はい」 「だから、ここで君がする仕事は違うんだ。君は、ぼくがフェラチオしろといったら、ぼくのチンコを舐めないといけないし、セックスしろといったらぼくとセックスをしないといけない」 「え……そうなんですか、でもそれは」 「口答えはしない、ぼくは美樹君のなに?」 「上司です」 「そう、そして上司の言葉は絶対だ。さあ、フェラチオをしてもらおうか」 「わかり……ました」 悔しそうに呟く美樹。 「あーその前に、スーツの上着は脱いで……そうだな、インナーだけ脱ぐように」 「え……下着だけ脱ぐんですか」 「ほら、ちゃっちゃとやる」 後ろを向いてブラジャーを外して、するするとブラウスの脇から出す。薄紅色でシンプルで清潔感がある下着だ。スカートをはいたままで、隠れて下だけ脱ぐ姿は狙ってやってるわけではないだろうが、余計扇情的に見えて勃起は高まるばかりだ。 「ぼくと部屋に居るときは常に、下着だけは脱いでおくようにね。さあ、舐めてくれたまえ」 そういうと、高そうなソファーに寝そべる正夫。美樹はあくまでも嫌そうに、ちろちろと舐め始めた。じれったいのも心地よさかと思い、しばらく好きに任せることにした正夫だったが、あまりにもらちがあかないので。 「不真面目な舐め方だなあ……君はいつもそういう感じで仕事しているのかね」 舐めるのは辞めずに、キッと睨みつける美樹。おー怖い怖いと笑う正夫。今のセリフが効いたのか、舐め方が若干激しくなった。正夫は執拗なフェラチオの刺激には弱いほうなので、むしろこうやって嫌がるのを無理やり舐めさせるソフトな感じのほうが好みだ。どうせ、口内に発射するつもりはないのだからこれぐらいにしておくかと思い中止を命じた。 「終りですか」 明らかに、ホッとした表情の美樹にさらなる残酷な命令を下す。 「じゃあ、今度はオナニーをするようにね。そうだな、ソファーじゃなくてそこの机の硬そうな椅子に座ってやってもらおうかな」 「はい」 何故か悔しそうな顔をしながら、手でオナニーを開始する美樹。上司の命令は絶対なのでやれといわれたらやらざる得ないのだ。 「うっ……うっ……」 なさけなくなったのか、なんなのか泣き始めた。 「なんか、オナニーにも力はいってないようだね。まったく熱心さが足りないなあ。普段仕事してるみたいにがんばってごらんよ。なんなら、ぼくが美樹君のオマンコを舐めてあげようか」 「け、けっこうです!」 舐められるのが嫌だったのか、がんばってやり始めた。 「美樹君、オナニーは週に何回ぐらいするの」 「そんなことまで、いわないといけないんですか」 手まで止めて、驚いた声をあげる美樹。 「命令は絶対だって言ったでしょ、聞かれたことに対しても積極的に答える。もういい加減覚えてよ」 「わかりました……すいません週二回ぐらいです。仕事でストレスが溜まるのでついしてしまいます。うっ……でも、軽くですよ、軽く」 「ふーん、彼氏はいないの」 「……学生時代はいましたけど、今はいないです。周り馬鹿ばっかりなので」 「そうなんだ、いいような悪いようなだなあ。もう十分に濡れた」 オマンコからは、肉汁が太ももに垂れてきているがあえてそう聞いて見た。 「……はい、もう十分だと思います」 「ふーむ、じゃあ入れるからちゃんとオマンコ手で開いてね、スカートは脱がなくていいからね、そのままーそのまま」 「やっぱりするんですか……」 もう半ば、それは諦めていたようだ。言われたとおり、オマンコを手で開いて待ちうけ状態になるが、そのままで近づいてきたので慌てたように美樹は叫ぶ。 「ちょっとまってください、コンドームは持ってきてないんですか!」 「えー、セクハラなんだから生で入れるに決まってるじゃない常識だよ」 なにが、常識なのかわからないがフェラチオで十分に勃起した亀頭を、濡れ濡れで気持ち良さそうなオマンコに貼り付ける。我慢汁が愛液と交じり合ういいかんじだ。 「そんな、ちょっと待って、私避妊してないですし、今日ぜんぜん大丈夫な日じゃないんですよ」 危険日宣言に喜んだが、びくっと亀頭が震える。玉もキュッとふるえる。美樹の制止も聞かずに、ズブズブと生で入れてしまう。 「ちょ……あぅん、入れちゃった」 十分濡らしてあったこともあるだろうが、中はいい感じだ。美樹の中は、襞の密度が濃密で抵抗感が心地いい。差し入れるときは、抵抗が強すぎるぐらいだが一度ズボっとはまり込んでしまうと、食いつくようにしてなかなか離さない。 「いや、なんか机に手をつかせて椅子の上でやってると、本当にセクハラって感じがしていいね」 そういいながら、強くチンコを押し込み、片手でブラウスのボタンを外して形のよい美樹のおっぱいを出す。突き入れるたびに小さく揺れるのが良い。 「あっ……もう、生は、しょうがないっ……ですから、中で出さないようにしてくださいね」 「馬鹿いっちゃいけないよ美樹君、中だしするに決まってるでしょ」 「そんな……いやぁ妊娠しちゃいますよ、困ります! 私困ります!」 「困るっていわれてもなあ」 「お願いします、何でも……なんでもしますから妊娠だけは勘弁してください」 催眠状態に入ってるので、適当に言いくるめることはできるのだが、ここは妊娠させる宣言だろう。 「いや、ぼくはどうやっても中で出すし、妊娠させるよ」 「あっ……そんなぁー!」 そういいながらも、手では形のよい胸を弄んでいる。キュッと乳頭を吸って立たせたりして弄ぶ正夫。周りにも舌を這わせる。 「一体なにが困るっていうんだい」 「何がって……あっ、だって好きでもない男の子供を、いっ……だめぇです、首筋は駄目です弱いんです……困るに決まってるじゃないですかぁ!」 それには、答えずチュッと口付けした。舌を入れると、ちゃんと絡み返してくる。 「んっ……その堕ろすとか嫌だし、私にシングルマザーになれっていうんですか」 「そうはいってない、そうはさせないよ」 こうやって改めて見ると、やっぱり美樹は目が奇麗だ。 「私と……その、結婚したいの?」 きつい女性だと思ってたけど、こうしてやってると可愛いところもあるんだなと正夫は意外に思った。 「うーん、まあ結婚はしないかもだけど、困らないように考えてあげる。その点は、まったく心配は要らない。ぼくの言うとおりにすれば、美樹君は幸せになれるよ保障する」 いざとなったら、このマンションにいる将来有望な男とでも娶わせてやればいい。それが、美樹の望む出世にも繋がっていくだろうし、まあその結婚もそれはあくまでも形だけのことで、正夫の子供を生んでもらうわけだが。 「そんなこと……うっ、言われても」 「とにかく、ぼくのいうことは絶対なんだから分かるね。君は心配せず、ぼくの子供を孕めばいいんだよ。それが、君の仕事、君の幸せ、わかったら返事は?」 「……はい」 まあ、ここらでいいだろう。舐められたこともあって、美樹の扇情的な格好も手伝って、限界に達しつつある。 「じゃ、中だしするからちゃんと子宮口を開けてぼくの精子を迎えるように。感謝の気持ちを忘れずに、そうだなありがとうございますっていいなさい」 「はい、ありがとうございますっ」 美樹のほうがやや長身だから、椅子の上で大また開かせてそれを抱え込むように腰を押し付けてる変則的な正常位が正夫にはちょうどいい、腰をめいいっぱい押し付けてぎゅっと抱きしてめてやると、正夫の睾丸が限界を迎えた。 「ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます!!」
ドッピュンドッピュンドッピュウ!
三回、大きく子宮を精液の本流が打ち付けるたびに、律儀に美樹はお礼を言った。
「あーよかったよ美樹君」 「それは、ありがとうございます」 「じゃ、このままもう一発いこうか」 「うう……もう寝かせて……」 「しょうがないな、じゃあベットでしてあげるからスカートもブラウスも脱いでいいよ」 「ありがとう、ございますぅー」 結局、この日は三発中で出されてヘトヘトになった美樹は、次の日美樹の人生でほとんど始めてといっていい遅刻をして、同僚から心配された。
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第七章「伊川蛍子」 |
素子が大学に行く前にご飯を食べて、いちゃいちゃして、今日も亜沙子に立ったまま事務的に一発くれてやったあと、新しいターゲットをようやく見に行こうかと思った。製作者は、他にもテストケースを抱えだして忙しくなったらしく、連絡がないので急ぐ必要もないのだが、そろそろ新規開拓をしてもいいころだろう。 今日は七階の伊川蛍子のところである。
ピーンポーン
割と古風な音がでるインターホンだ。まあここら辺は、個人の趣味に任されてる、なんどもいうようだがここは高級マンションなので、外を通さずに来客というのはほとんど想定されていない。蛍子にとっては晴天の霹靂だろう。 中で、バタバタと音がした後で、そーと扉が小さく開いた。チェーンはちゃんとかけてある隙間から、悩ましげな二重の目が覗いている。なぜか、目の辺りにクマが。相当疲れているようだ。 「どなたですか……」 「管理人の古森正夫と申します。重要な件でお伺いしたんですが、扉を開けていただけますでしょうか」 「あの……明日じゃ駄目なんですか、私とっても疲れてるんですよ。昨日の夜勤明けで今までずっと仕事してきて、今何時だと思ってますか午後九時ですよ! ほぼ四十八時間仕事して帰ってきて、今シャワー浴びて寝ようかってところなんです」 当然、このマンションの美人リストを持っている正夫には、彼女の職業が看護婦だと分かっている。明日は休みのはずなので、今日の夜尋ねたわけだが、休みをもらう変わりに相当に働かされたようだ。これは、まずいときに来たかな。 「お疲れのところ申し訳ございません、ほんとにちょっとでいいですから。中に入れてもらえませんか、大事なようなんです」 「……わかりました。寝巻き着るのでちょっと待ってください」 いう声も疲れて見える。さて、どうしたものか。やがて、寝巻きを引っ掛けたのか、戻ってきて「どうぞ」とチェーンを外してくれた。 伊川蛍子二十二歳、看護婦として近くの市立病院に勤めている。医者の一人娘で、当然のように実家は金持ちなので、そこからこのマンション代も出ているようだ。ぼろ布のように、疲れきってる様子で化粧もたぶん寝る前なので落としてしまったのだろう、正夫が目をつけた自慢の美貌にもやや陰りが見える。それでも、出るところは出て引っ込むところはちゃんと引っ込んでいるグラビアモデルのような体型は、看護婦にしておくのがもったいないぐらいである。 「それで、何の御用でしょう」 「はあ、実は今晩はここで寝ようかと思いまして」 「は……」 予想もしていなかった、馬鹿げた話に、疲れ切っていて思考能力が低下している上に、催眠電波の影響下にもあって蛍子は気が遠くなるのを感じていた。 「あなたが、なにを言っているのかまったく理解できないんですが」 「ぼくのいうことは当たり前の常識ですから、よく言うことを聞いて理解してください」 「はい……」 「ぼくは、このマンションの持ち主で管理人です。すなわち、このマンションの全ての空間の持ち主でもあります」 「はあ、それはそうですね」 「だから、ここはあなたの部屋ではありますが、ぼくの部屋でもあるのです」 「え……でも、私はお金を出して借りているわけで」 「そんなこと賃貸契約書に書いてありましたか」 賃貸契約書……そうやって、寝ぼけた頭を動かしてみるが、そんなもの覚えてない。「えっと、ちょっとそれは覚えてませんが……」 「そうでしょう、契約はあなたがここに居ることを認めますが、この部屋の全ての空間はぼくの持ち物であることに代わりは無いのです。これは、当たり前のことですからわかりますよね」 「はい……」 そう強く言われると、そういう気がしてくる蛍子。 「わかってくれて嬉しいです。あなたは気にせず普通に生活してくれてかまわないんですよ。ぼくは、ただ自分の持ち物であるこの部屋で寝るだけですからね」 「はあ……はい。じゃ、わたしは普通に生活するということで、もう寝ますね」 納得したのか、納得してないのか、もう眠たさも限界なのだろうそのままベットに潜り込もうとする蛍子。 「あ、待ってください」 「なんですか……あなたが居るのはしょうがないですが、睡眠の邪魔までするんですか」 「そうじゃなくて、服を脱いでください」 「服! なんで服を脱ぐ必要があるんですか」 「ノーパン健康法を知らないんですか、裸で寝るのが常識ですよ。ましてや、あなたは看護婦でしょう。健康に気を使う必要があるはずです。脱いでください」 「いまは、看護師っていうんですが……わかりました脱いで寝ますよ」 見られるのが嫌だったのか、掛け布団のなかで潜り込んでパジャマと上下のインナーを脱ぎ捨てた。そこに、正夫も裸になって入り込んでくる。ビックっと蛍子の身体が拒否をして後づさる。 「入ってくるんですか」 かなり嫌そうだ。 「ええ、ぼくの空間ですからどう使おうと自由です」 「ちょ、身体に触らないで!」 疲れ切っているというのに、ちょっかいをかけてくる正夫に嫌悪感を隠そうともせず飛び上がった。 「ちょっと、胸を揉まないでください!」 それも気にせずに後ろに回りこんで、乳を揉んでくる正夫に、抵抗する蛍子。抵抗が強くなってきたので、説き伏せてやることにした。 「どうやら、まだ理解してないみたいですね。あなたの周りの空間も全てぼくのものなんですよ。だから、おっぱいの周りの空間の全部ぼくのものだし」 そういって、言葉を止めて手をごそごそと蛍子の股の間に入れてあそこに指をつっこんだ。 「!!」 「ここにも、空間開いてますよね。ここも、ぼくのものなんです」 「そんな……」 疲れて、もうボロボロなのに、こんな変な責め方をされて蛍子は本当に気絶してしまいそうだった。だが、不思議なことにこの理不尽な物言いが、今の蛍子には全て常識に聞こえてしまうのだ。だから、自分が間違ったことをしているような気がして、抵抗の力を緩めてしまう。 「あなたは疲れてらっしゃるのでしょう、普段どおりここで寝ていればいいでしょう。ぼくは、そうだなあ。あなたの股の間のこの空間に勃起したチンコでも入れて楽しみながら寝ることにしますから」 そうやって、ニタっと笑った正夫に蒼然となる蛍子。 「ちょ、ちょっとまってください。セックスするっていうんですか」 「セックスというんですか? いや、ぼくはただ勃起したチンコを自分の空間に入れて楽しむということですよ」 「で、でも、私の……その膣の中に入れるってことですよね」 そうですねえ、ここにこんな感じに、といってさらに人差し指を蛍子のオマンコにねじ入れて、捻くった。 「あっ……ちょっと……んん。私の中に指を入れないでください! あ、乳首も感じやすいので止めてください……というか、ちょっと待って……待って」 そう言ってる間にも正夫は身体を嬲ることを止めてくれない。 「だって! だってあなた膣の中にいれたら……その、そのまま射精しちゃうでしょ。ああ、だから噛まないで、止めてって」 「そうですねえ、ぼくの空間ですから、気持ちよくなったらそこに射精するでしょうね」 そう言いつつも、ここにやるんだぞとばかりに指を二本に増やしてピストンする。そして、左腕はEカップぐらいであろうか、いやらしく蛍子の胸を弄って嬲るのだった。「もう……なんでこうなるの……止めて」 疲れ切った二重の目から涙が滲んでいる。言葉で、半ば呪縛されて力が入らない。これは、常識なんだ当たり前なんだという言葉と、脳の奥から湧き上るように「嫌だ! 嫌だ! 嫌だ!」という叫び声。そのどっちに反応したらいいのか、嬲られるままに蛍子の身体は左右に揺れた。その中途半端な抵抗は、ただ正夫を刺激して喜ばせるだけのものに過ぎなかった。 嫌でしょうがないのに、疲れ切ってボロボロの心とは裏腹に、久しぶりに刺激を受けた蛍子の陰部は、隠微な舌なめずりをするかのように燃え上がり、徐々にその潤滑を増し、ジュッジュというイヤラシイ音を立てるようになってきた。 「おや、もういいかな。ぼくの空間ですけど、一応蛍子さんにも配慮して痛くないように濡れるまで我慢してましたからね、感謝してくださいね」 「ちょっと、本気で!」 蛍子の言葉が終わらぬうちに、股に差し込んだ正夫の亀頭は素股の体勢からズブっとオマンコの中に入り込んでしまった。接合完了である。あとは、腰を振るだけだ。あえて、ゆっくりと差し込んで奥まで埋めると今度は両手で、蛍子の形のいいオッパイをひたすら嬲り始めた。 「あの……私……婚約者にも生で入れられたことないんですよ!」 「ほほ、蛍子さん婚約者がいらっしゃったんですか」 「そうです、親の病院の後継者になる人です。お医者さんで、いまは恋人として付き合ってますけど、しばらく時間置いたら結婚する約束してるんです」 「ほほーそれはいいですねえ」 「だから、お願いだから生で入れないでください。せめて、ゴムつけて」 そういって泣く蛍子の身体をぐっと回転さえて今度は正常位の形ではめて顔を近づけてた。 「だから、ぼくの空間にただ射精するのにゴムなんかつけるわけないでしょ!」 臭い息を吐きかけながら、正夫は残酷なことを言う。 「だって、だって……私も避妊してないですし、妊娠したらどうするんですか」 そう非難する蛍子にめい一杯抱きついて、押し込んでやる。さっき、亜沙子のところで一発やってきたから射精までの余裕は十分なのだ。蛍子が気をやるまで、ピストンしても先にイッてしまうことはないだろう。 「あなたも分からない人だなあ。まず話を整理しましょうね」 そういいつつも、ジュッジュっと下品な音を立てながら腰をピストンすることは止めない。両手はピストンのたびに位置を変え背中から尻から、体中をなでさすっている。「えっと……まずあなたの膣の奥にも子宮口という隙間があって子宮まで空間が開いてますよね。ここは、ぼくのものなんですよね。正確にいうと排卵管もそうなんだけどね。それで、ぼくはその自分の空間に全力で射精するわけです。これはぼくの自由なの、自分のものだからね。それは常識だからわかるよね」 「はい……はい、わかります。でも私結婚前の身体なんですよ! 妊娠したら困るんです。今も危険な日なんです」 「ほう、危険な日なんですか。つまりいつ排卵があるかわからないと」 「最近、恋人ともお互い忙しくて周期は測ってないですけど、大体でも、今週は危険なんです。だからせめて中に出すのだけは止めて」 「さすが説明のしかたが、看護婦だなあ。排卵日近いのはわかりました」 「じゃ、止めてください。ゴムつけたら、もうしてもいいですからお願い……」 そういって泣いて懇願する蛍子。 「いや、だから排卵日が近いのはわかったといっただけですよ。ぼくは今日は断固として、あなたの膣の中に射精します」 「そんな……なんで……」 「なんでって、わからないかなあ。ぼくが、自分の場所であるあなたの子宮に精子出すのは勝手なんですよ。だから、あなたがそこに卵子を排卵するのもあなたの勝手じゃないですか。フィフティーフィフティーでしょ」 すっかり、止めてくれると思った蛍子は頭がポカーンとした。 「そんな! そんな……」 「お互い、出すのは自由ですよね」 「待って、待ってください。だって、精子と卵子が出たら……」 「そうですね、あなたの子宮で受精して着床しますね。それがなにか」 「だって、あなたの子供ができるってことなんですよ。ああ、こうやっているのももう危険なのに……私の中に!」 おぞましいという顔をしながらも、身体はいいように弄ばれている。 「そうですね、あなたとわたしの子供ができちゃいますねえ。困ったもんですねえ」 そうやっていって正夫は笑った。 「そんなの嫌です! 酷いですよ!」 「そういわれても、困りますよ。嫌なら、排卵しなければいいです。受精も、着床もしなければいいでしょ」 「そんな……そんなの無理です。お願いします、明日からこっちで避妊しますから。今日は出さないで!」 「だから、当たり前のことを言わせないでください。ぼくは自分の空間に出すだけなんです。それを止める権利はあなたにはありません」 「そんな……うう……そんなあ……」 手で顔を伏せて蛍子は泣いた。それでも、そんな言葉をおかしいとは思えずに信じ込んでしまうのが催眠の効果なのだ。 「あー、すいませんね。もうイキそうです。ぜひ受精してくださいね」 「嫌ぁぁ」
ドピュドピュドピュドピュ!
一気に、ドクドクと流しきった。そのまま、身動きしないでくださいと注意して、繋がったままで抱き続けた。離すと、どっかに言ってしまいそうだったし、そうやって正夫がまた回復させて、押し問答しながらもう一発放つころには、お互いに疲れ切ってしまい眠ってしまっていた。
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