十三章下 |
「ルシフィア……俺はいまからお前を抱く」 「そんな……こんな場所でですか」 そう、幸助が言った瞬間にもうルシフィアは下着姿になっていた。服はどこかに飛び散ってしまったようだ。そう彼女の視覚からは、そう見えるのだが時間停止能力で脱がされているのである。 「それで、お前を楽にしてやるよ」 「わかりました」 ルシフィアは観念した。彼女は、いまだに幸助以外であるなら他者の思惟を探れるので、この付近に二人以外はいないとわかったからだ。そうして、いまの幸助に逆らえるわけもないので、人が居ないことにほっとしてもいる。初めて男に抱かれる場所が、屋上とは。彼女には、呆れるような気持ちもあったが、自分にはふさわしい気もした。 ルシフィアはいつも、ここから人々を見下していたのだから。 「可愛い下着をはいているのだな」 「いわないでください」 レースをあしらった高級そうな下着だが、色はシンプルな純白で肌も白いルシフィアには、よく似合ってもいる。下着の上からも、スラッとしているわりに豊かなバストや腰つきを眺めることができる。ルシフィアの肌は、当たり前なのだが日本人の肌色とは違っていて、まだ誰も踏みしめていない初雪のように白かった。 産毛までもがさらっとしていて、まるで陶器に触れたときのような滑らかな冷たさを感じるのだが。少し触っていると、その部分がほんのりと火照って熱を持っていくのを感じる。 幸助は下着を脱がさずに、しばらくそうやって抱きしめながら彼女の抱き心地をかみ締めるようにしていた。 「綺麗な肌だな……」 「それなりに、気をつけて手入れはしてますから」 混血種は美形が生まれやすいというが、ルシフィアは、だとしても群を抜いた容姿をしている。日本人である佐上の血を受け継いではいるが、宣教師の娘だったという母方の血のほうが彼女には強く出ているようだ。人の心が読める彼女であるので、自分の容姿に対する賞賛は耳を塞いでも聞こえてくる。自分が美人であるという意識は当然ながらあった。 だが、それを誇る気にはなれない。それどころか、ルシフィアが見目麗しい少女であったせいで、いったいどれだけの数の男に想像の中で手酷く犯されていたことだろう。多感な時期を迎えていた少女にとって、それは地獄というほかなかった。知りたくもないことを知ってしまう、自分の読心の力をどれほど呪ったことか。 そうして、近い親類にまで、それをやられたときにルシフィアの心は少し壊れてしまった。人に自分が美しく見えるということは、読心術と一緒で彼女にとっては酷い桎梏なのだ。だから、自分の容姿を褒められるのは、嬉しくはない。 「自分の容姿が嫌いなのか」 「……そうですね、好きではありません」 「使わないからだとおもうぞ」 「そのわりには、さっきから撫で回すだけで何もしてくれませんね……もう、たくさん他の女性を抱いているのでしょう」 そうなのだ、幸助は白人美人を目の前にしてちょっと気後れしていた。髪は梳くたびに軌跡が見えるように光っているし、美しすぎる相貌を目の前にしていると、そんなつもりはなくても、触れて汚してしまうのがもったいないように思えてしまう。 「お前は、特別だからな……」 「肌や髪の色が違うからですか……すいません。私は日本人のつもりなんですけど、遺伝ばかりはどうしようもないですので」 そういわれて、そういう気後れもあるのかと思った。そんなつもりはなくても、人間初めて手をつけるものというのは、躊躇ができてしまうのだろう。 「いや、同じ女だろう。それは、変わりはないさ」 そういって、ブラを背中からはずすようにしてやる。触り心地が上質な素材だろうと、ブラのダブルホック自体は別に変わらないようで、すぐにはずせた。やはり、日焼けは一切していない白いおっぱいが露出した。乳首が、申し訳ないほどに淡くピンクに染まっているように見えた。 こういういやらしい部分までもが、神々しいとはな。少し笑えてしまった。 幸助はそうして覚悟を決めると、乳頭に武者ぶりついていった。ピンクの控えめな乳頭を強くひねり上げるように、弄る。汚してしまえばいいのだ、一度手をつけてしまえばあとは気後れなど関係ない。 「うっ……」 「痛いか」 「少し刺激が、強すぎたみたい」 「そうか、もう少しやさしくする」 そうやって、今度は首筋からゆっくりと舌を這わせるようにして肌を唾液で汚していく。幸助の舌が通った部分だけは、もう踏み鳴らされた雪のように、自分のものになっていくという実感を味わうことができた。 「くすぐったいですね、それに……」 「んっ」 「こうやって口で言わないと分からないって言うのはやっぱり不便ですね」 「するときに、そんな感想を漏らすか」 チュパっと吸い付くようにしてやると、乳頭が早くも立ち始めた。こうして自分で弄っていても、いやらしいというより、美しいと思える曲線。感度も反応は悪くない。 「すいません、雰囲気がでませんか」 「こんな場所でやり始めてる俺がいうことではないがな」 そういって、柔らかい唇を吸うように口付ける。 「あっ……」 「んっ」 「すいません、初めてでしたので」 「そうか、すぐになれる」 慣れてもらわなければ困る。幸助がこの濡れ場にあっても、執拗に自分の冷静さを保とうとしているのは、やるべきことがあるからなのだ。じっくりと、心を込めてルシフィアを愛撫する。いろいろと文句をいうわりに、ルシフィアは撫でられて結構まんざらでもないようだった。 「さてと……」 「いっ」 下着ごしに太ももの間に手を差し入れる。 「少しは濡れてきたかな」 「……恥ずかしいものですね」 「いやか」 「いえ、続けてください」 幸助は腰に手をかけるようにして、下着に手をかける。さすがにシルクで出来た下着は、肌を滑るようにするりと脱げる。ルシフィアは抵抗はしなかったものの、何故かとっても真っ赤になって顔をうつむいている。 「どうした……」 「はっ、恥ずかしいんですよ!」 そうかと幸助は気づく。時間停止で犯したり、もう半ばレイプ同然でしか女を抱いたことのない幸助なので、そういう心の機微がわからなかった。これで恥ずかしがるなら下の毛も金髪なんだなと幸助は思ったが、それはいわないほうがいいようだ。 「もうしばらく、辛抱してくれよ」 「はいっ……」 ルシフィアは立ったまま俯いて、じっとしている。かがんで股の付け根をいたぶっている幸助は、何故かとても悪いことをしている気持ちだった。白くて美しいものだからかな、だからそれを汚すのは心が痛むものなのか。 ただ、ルシフィアは眉を伏せて、じっと耐えているようだった。幸助にふっと、弱気が走る。ここまでしておいて、躊躇は許されるものではない。やりきること、湿り気は十分とはいえない。 その柔らかい肉を、味わうようにして舌を這わせていく。手で弄るのがためらわれたので、舌で弄るように仄かににじみ出る汁を味わう。この味は人種に大差ないようだった、同じ胸が熱くなるような深みのある女の味がする。舐めれば、舐めるほどに湧き出てくる女の身体はまったくよく出来ている。 「ふう……」 「うっ……」 前戯はやり始めるときりがない。これぐらいにして置こう。さて、ここからだな。そうして、幸助は心に決める。 わざと時間を停止させて、幸助は服を剥ぎ取る。ルシフィアには、一瞬で服が脱げたように見えた。簡単にやっているようで、時間停止にはいちいち体力を使うのだが、行為に至るまでの雰囲気をそがないためだけに、幸助はそれをやるのだ。今回は能力を使い切る気持ちでやる、まず一回完全にルシフィアを落としてしまわないことには、幸助の考えてることはうまくいかない。 「ふっ……いくぞルシフィア」 幸助が軽く、腰に手を回して胸に手を触れただけで、ルシフィアは強い快楽を感じて腰が抜けてしまった。 「ひゃああ……なっ、何したんですか」 「いいだろう、時間を止めている間にだいぶ愛撫してやったのを一気に感じるのは」 時間停止というのは、こういう使い方もできる。 「立ってられないです」 フェンスに手をついて、何とか持ちこたえようとするルシフィア。それに構わずに、幸助は勃起したものをルシフィアの濡れた女性器にこすりあわせるようにする。徐々に、閉じていた肉門が押し分けられるようにして開かれる。 「痛いのはきっと、最初だけだからな」 「覚悟はできてますから……」 ザクッと、腰を突き上げるようにして幸助は挿入した。ほとんど抵抗もなく、幸助のものはメリメリとめり込んでいって、処女膜は裂けた。一瞬、中に強い痛みを感じたが、それもすぐに快楽に変わる。 「どうだ……」 「痛いけど……ジンジンしてるけど、なんかへんな感じです」 「まだ、足りないのか……じゃあこれならどうだ」 「あっ……なんか!」 ルシフィアは、感じたことのない快楽に身体がはじけるようになって、ついにフェンスにからめていた手を離してしまった。がくっと、幸助に抱きかかえられるようにして身体を支えられる。 抱きしめられるように、腰を突き上げられて、ルシフィアは快楽で頭が真っ白になった。 「さすがに、これだけやればいったか……」 「あっ……あっ!!」 「時間停止はこういう使い方もできるんだ、停止した世界で破瓜の血も痛みもなるべく取り除いてやったんだよ、代わりに俺はかなり時間を消費したがそれだけの甲斐はあったか」 「うっ……あっ……ありがとうございます」 「俺が出来る気遣いはこの程度のことだ」 あとは、幸助はもう動いている世界で行為に没頭する。かなり体力を消耗して、停止した世界で休憩も挟んでのことだ。強い刺激に射精しなかったのは、幸助がセックス自体に手馴れてきたというのが大きい。 なるべく、ルシフィアには連続して快楽を与えなければならない。せめて、まともな思考ができないぐらいには。打ち砕いてやらなければことはなせない。 強い快楽に打ち震えるように、すでにルシフィアはまともに声も出せずに幸助に抱きかかえられるようにして打ち震えている。 ドンッと強く腰を打ち付けてやって、幸助は中に射精した。 「あっ……いま中に」 「そうだな、だが一発では終わらんよ」 我慢に我慢を重ねた、射精であったので打ち上げるようにドピュドピュと射精してもそれで萎えることはない。むしろ射精の瞬間の強い快楽よりも、長いことやっている中で射精し終わったあとに陰茎に感じる鈍い快楽が、幸助にとっては気持ちがいい。 「あっ……またっ!」 そういうと、ピクピクと痙攣してルシフィアはまた力が抜けた。こうなってしまえば、可愛らしいものだった。 「そろそろいいかな、マサキ出てきてもいいぞ」 「……まっ魔王! 力がはいらなっ……見ないで!」 安西マサキは、静かに隠れて二人の交合を見ていたのだ。すでに彼も痛いほどに興奮している。「女は国産にかぎる」じゃなかったかと突っ込みたいのだが、まあ他の人のセックスを覗き見ての興奮は別腹なのであろう。 ルシフィアは、マサキにも封鬼の守りがかかっていたので、思考を読めずにそこにいることに気がつかなかったのだ。そうして、この瞬間に彼女は幸助の心だけではなく、マサキの心も読めなくなっていることに気がついたのである。 「ルシフィア……君には、マサキくんも受け入れてもらわなければならないからな」 「幸助さんだけじゃなくて、魔王の心まで私は読めなくなっていたなんて……ううっ、全部見られて……こんな恥辱……です!」 マサキは静かに近づいてきて、黙って立ち尽くしている。いつもは状況を主導する彼だが、ここは幸助に任せようと思っているのだ。 「ちなみに、ルシフィアが読めないのは俺とマサキの心だけだ。封鬼の能力者がいたんだがな、マサキがその能力者から能力を奪い去ってくれたんだぞ」 幸助は、平賀芽衣子がとは絶対にいわない。それを言うとルシフィアは芽衣子を殺すかもしれないからだ。「念のために」で人を殺せる人間というのが存在するというのを幸助は知ったから。その相手は、他ならぬ芽衣子だというのが皮肉なのだが。マサキが、芽衣子を抑えられるというのなら、それを信じて幸助は万が一にもルシフィアに手出しさせるわけにはいかない。それが、幸助の友情だ。 「魔王が……信じられないです。せっかくの私に対する対処法なんですよ」 ルシフィアは、マサキを自己の快楽のためにしか動かない小人と見ている。それは決して間違いというわけではないのだが。 「信じてくれなくて結構だが、別にお前のためにやったわけではない……幸助くんに敵対しそうになったから消しただけだ」 「魔王、あなたにとってはいい手駒になったのではないですか」 「数ある手駒と、唯一の友達……どっちを取るかなど考えるまでもない」 そう、マサキは力強く答える。その言葉の響きに、なぜかルシフィアは納得したようだった。心を読まなくても、彼女には理解できることがある。それは孤独という慣れ親しんだ感情。マサキが孤独のなかで、幸助にだけ縋りついたというのなら、それはまったく自分と同じで、愚かで憎らしい男だと思うがそれだけには同情できた。 もちろん、マサキはそんな同情をされていたと知ったら怒るだろう。最低の環境から這い上がってきたマサキの絶望と、恵まれた環境にあるルシフィアの歪んだ選民意識を同じ孤独としてしまうのは余りにも酷いからだ。生まれから、環境から、まったくそりが合わない二人であって、自分の戦力を削りたくないという打算さえなければ、幸助のことがなくてもいずれはぶつかり合っていたに違いない。 そうして、そういう木と竹というまったく材質の違うものをつなげようというのが幸助なのだから、こういう場所を求めたわけだ。すでに、マサキは幸助の意思であるならと積極的な休戦に同意している。 そうして、ルシフィアもまたこうまでされては、認めざるを得なかったのだが……。
「というわけで、後ろからマサキが犯すから」 「ちょっと……まってください!」 ルシフィアが慌てて遮る。なんでそれが、こういうことになるのか理解できない。 「んっ、いやちゃんと時間停止で処理するから痛くないよ」 「いやっ、私は幸助さんのためなら魔王との休戦には同意しますけど」 「むしろ、ちゃんとやれば気持ちいいと思うよ」 「いやっ……だから協力してもいいですけど、そうじゃなくてそれは駄目です!」 「言葉だけじゃなあ、君は体感的にマサキを嫌ってるみたいだし、こうやって示すほうがわかりやすい」 「駄目! 駄目! もう見られてただけでも恥ずかしいのに、おねがいですから……」 こうして、幸助に抱きつくように身体を押し当ててマサキから身体を隠すしかないルシフィアなのだ。後ろからって、3Pということなのだろうか。経験のないルシフィアだが、彼女は人の思念が読めるので性知識はものすごい量がある。当然、どうやるかもどうなるかも具体的に理解していたが、実際に目の前にそれを出されると合意できるわけがない。 そうルシフィアが思考したとき、また自分の中でムクムクと幸助のものが広がっていって強く突き上げられたのを感じた。そう、思った瞬間に快楽の中に快楽が爆発した。もう上限がないと思っていた快楽の、壁が突き破られてさらに頭を真っ白に染め上げる。 「ふぁぁぁあああ」 という、声を自分があげたかどうかも分からない。ただ、ルシフィアはもうその段階で自分の持ち上げられている身体の重みすら感じなくなっていた。身体の何億という細胞の全てが快楽に打ち震える。 「どうだ……女性は限界がないというから十回ぐらいやってみたんだが」 返答はなかった。ルシフィアはまったく四肢の力を抜ききって、たまに身体を痙攣させているだけだった。目はうつろで、あらゆる苦悶から解放されたようにほうけていた。口は半開きで、涎が少し垂れていた。それが可哀想で、涎を舐め取るようにして幸助は口を重ねてやる。 それすらも、いまのルシフィアには快楽に変換されるようで、どうしようもなかった。人の感じるオーガニズムのちょうど限界ラインを飛んでいるのだ。恥ずかしいとか、嫌だとか、駄目だとか、人間的な思考ができるところにもはやいない。ただ、喜びに打ち震えながら、快楽の大波が去ってくれるのを祈って待つしかなかった。 「マサキ、準備は整えてあるから、挿入できるぞ」 それは、やはり時間停止させてやったのだろう。幸助が、ルシフィアの白いお尻をマサキに差し出すように抱え込むと、桃色の肛門が姿を現した。日本人とは違う、薄い色素だからその排便のための穴は、まるで開きかけた蕾のようにマサキには見えた。 マサキには否やはない。ズボンとパンツを下ろして、自分の勃起したものを押し込むようにする。幸助の完全なアシストがあるからだろう、経験もないはずのそこは見事に幸助ののものを、メリメリと飲み込んでいった。 「どうだ?」 幸助が聞く。ルシフィアは「うっ……うううっ」とうなり始めたので、きっと新しい快楽の波に耐えるのに精一杯なのだろう。マサキ自分にへの問いかけだと気がついて、慌てて答える。 「ああっ、いい具合だ。ぼくはアヌスはあまりやらないんだが、意外に具合がいいものなんだな」 「そうだろう、といっても俺もそんなに経験ないんだが」 「少なくとも、お互いに3Pは始めての経験だろうな」 「ははっ、違いない」 そういって、談笑する二人にようやく意識を取り戻したルシフィアが叫ぶ。 「私を……私を挟んでおかしな会話しないでくださいぃ! ああっ!」 ルシフィアはなんとかそれだけ叫んだのだが、まだ足りなかったのかと、後ろと、前からまるでおしくら饅頭のように自分の穴をごりごりとこすられて、またルシフィアは大きく目を見開いた、呼吸が止まった。死んだかと思ったが、その代わりに心がどこかに吹き飛んだ。 自分をもう止めておくことが出来ない。頭の片隅の消えかかっているルシフィアの理性は、せめて、気絶できればと思ったが、快楽も苦痛もあまりにも強すぎると逆に気絶することができないものなのだ。むき出しの神経を、グリグリと擦られるような残酷な快楽、脳の芯が膨張していまにも爆発しそうな悦楽に、ルシフィアはもう考えるのを諦めた。 あとは、動きが止まったときはまるで笛のようにヒューヒューと息をして、動いたときは「ああっ」とか「ううっ」とか、唸るだけの生き物に成り下がってしまう。頭ではなく、子宮と内臓と穴が身体を動かしているような生き物に。 これまで、保っていたいろんな拘りが次々と、この真っ白な快楽で吹き飛んでしまうのを感じていた。身体に覆っていた自分の殻を割って、飛び出してしまいそうな意識の広がりを感じて。その中では、すでにそれが快楽という知覚もなかった。ルシフィアは潮騒に遊ばれるように、ただ自由に宙を舞う。 「わるい、ちょっと早いんだがもう射精してしまいそうだ」 「いやっ……俺は時間止めて調整してるから、実はもう何度も出してるんだ」 「ううっ……ほんとに無理だ」 「こっちはそっちのタイミングにあわせるぞ」 「お尻の中に出してしまっていいのか」 「いや……もうルシフィアに聞いても反応ないと思うぞ」 「すまん、そろそろ」 「よし、こっちもいく!」 すでに息も絶え絶えのルシフィアの中に、前から後ろから奥深く突き刺さっている陰茎がぷっくりと膨れると、その瞬間にドクンッ!と彼女の奥に向かって、液体が噴出された。マサキは、初めての射精で、幸助は何度目かの射精だった。直腸に吐き出された精液はドロドロと、ルシフィアの中の内臓を駆け上っていく。そして、幸助の出したものはさらにルシフィアの子宮めがけて、駄目押しのように白濁液を吐き出した。 マサキと幸助はルシフィアの裸体をぐっと、押し付けるように抱きすくめたのだが、それでも射精の瞬間に感じ取ったのかフルフルと打ち震えて、彼女の身体は必死に抑えてないと、どこかに吹き飛んでいきそうだった。 三人が動じにふぅーと息を吐く。特に幸助の疲労の度合いは激しく、限界に近かったがそれでも一人でルシフィアの身体を持ち上げるようにする。それを見届けてマサキは、自分の物を菊の門から引き抜く。肛門は遮るものもなく、テラテラと光るその穴からドロドロとマサキの出したザーメンがコンクリートの上に流れ落ちていった。 マサキは、ズボンをあげて、どこから取り出したのか、タオルケットを何枚も引いていく。ここに降ろせということなのだろう。友人の準備の良さに感謝しつつ、ぐったりとしたルシフィアの身体をようやくに降ろすと、そのまま自分も倒れていきそうな身体を、持ち直した。幸助が何回も出して、ルシフィアの股からどこまで溢れ出ている混合液を見つめながら、よくこんなに出したなと自分でも呆れる。 気を持ち直して立ち上がろうとすると、幸助は頭の焦点がずれたように一瞬、クラッとふらついた。正直限界……。 「ははっ……無理しすぎだよ幸助くん」 そういって、持ってきたタオルを差し出す。幸助の身体は、もう汗まみれだった。一体どれほどの時間を使ってやったのだろう、たぶんこの一時間ぐらいの間で、幸助は一日以上の時間を費やしたのだろう。そうマサキは幸助の身体から立ち上る湯気を見ながら、推測していた。 「タオルまだあるか……ルシフィアの身体も拭いてやりたい」 「ああ、まだあるから置いておく」 「準備がいいんだな」 「いや、ぼくはこういう学校でも、機会はたくさんあるからな」 「はは、盛んなことだな」 「お互いさまだろう……シャワーを使うなら、体育館のほうを今日は使えるように話をつけておくからな」 「ああ、何から何まですまない」 「じゃあ、俺は行く。充分な仕返しをさせてもらったのはいいが、いまルシフィアが正気を取り戻したら、ぼくはなにされるかわからないからな」 「すまない、大丈夫なように話しはつけておくから……またな」 マサキは、去っていく。もちろん、万が一にも屋上に人が入らないように差配だけはしておくことも忘れないのは、神経質なマサキらしい。 幸助も疲れきって、ルシフィアの横にどっかりと身を横たえてしまう。そうしてしばらく横で、荒い息を吐いているルシフィアの身体を大きなバスタオルで拭くようにしながら、いつのまにか幸助も意識が遠のいて行きそうになる。幸助が、横に寝ていて感じる生きている女性の鼓動と暖かさは、ルシフィアが感じたような自分を見失いそうな強い快楽ではなくて、もっと穏やかで優しい感触で。 学校の屋上からふと見上げた空は、どこまでも広くて青くて、どこからか初夏の生い茂る青葉の香りが流れてきた。そよそよと爽やかに吹き通っていく風は、火照った身体を冷ましてくれる。幸助は、しばらく。あるいはこのまま永遠に、気持ちよい気だるさに包まれていたい気持ちだった。
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十二章下 |
欲望に憑かれるようにして、何度目かの限界に陥って、ベットで倒れるように寝ていた幸助は、ある朝起きたときに、自分がとても爽やかな気持ちに包まれていることに気がついた。朝日は、暖かく幸助を照らしていたけれど、きっとそれよりも強い力で幸助は光を放っていると感じられた。幸助の身体の内側から、自信と力が湧き上がっていく。とても、満たされた心地よい気持ちだった。 朝起きたときの気だるさはなく、母が作ったいつものいい加減な朝食もとても美味いものに感じられた。朝の見慣れた街は、美しかった。澄んだ空気を吸い込んで、幸助は自分の世界が完全なものになったことを知ったのだった。
それは、幸助が聖人になってしまったとか、女を犯すのを止めたとか、そういうことではない。幸助は別に変わらなかった。電車を一本分早めに登校して、教室の人はまだまばらだった。 「おはよー、こんなにはやく珍しいわね」 入り口近くの席にいた菜摘に声をかけられた。手には、花瓶を持っている。 「おはよう、松井。花の水変えなんかやってんの」 「わたし級長だからね……毎日やってるの」 そう口癖のようにいって菜摘、自嘲したように微笑む。そういえばこいつは、厄介ごとを押し付けられる性格だったなあと幸助は思い出す。なんとはなしに、菜摘が水をかえて黒板をチェックして、「よし」とか呟いているのを目で追っている。 あいかわらず、すぐ揺れるでかい胸だなあと思うと、幸助はムクムクと性欲が起き上がってくるのを感じてゆっくりと時間を止めた。 菜摘の耳には、深紅の催眠イヤリングが輝いている。つまり幸助の所有物であるということ。カバンからローションを取り出すと、菜摘をとりあえず一番近くの机に腰掛けるようにさせて、上から服を剥き始めた。 「あいかわらず、色気のない下着つけてるよな」 まるで、幸助の母親がつけているようなゴワゴワの生地のブラにパンツである。色はいつも真っ白だった。超高校生級のバストサイズを誇る菜摘であるから、選択の余地が少ないのは分かる。 だが、もう少しなんとかしたらいいんじゃないかというのが幸助の思いだった。彼氏じゃないから、忠告してやることすらできないわけだが。いや、いっそなんかの拍子に見えたことにしてでも、強引に忠告してやるか。 そんなことを、下着を脱がすときには考えるのだが、もうその邪魔者を取り払ってしまえば幸助は中身にしか興味がなかった。あいかわらず、柔らかそうで大きなプリンのようなバストであるし、腰つきも実にいやらしくていい。中身がよければ、入れ物などどうだっていいだろうと、下着を乱雑に投げ捨てる。 戯れに、大きすぎる太ももを押し広げて股をひと舐めしている。 「すこししょっぱいかな……」 朝の味というのは、また違うものなのだろうか。悪いことはないし、菜摘は幸助しか知らないのだから、汚いものだとは思わない。ただ、前戯するのは面倒だし、まだこなれていないこともあるから、ローションをぶち込むことにした。タラタラと垂れるローションは菜摘の女性器を奥まで濡らし、机にじわりと広がった。 「これ、誰の机だったかな……まあ後で拭けばいいや」 なんのためらいも迷いもなく、ズブッと一刺しで幸助は挿入する。朝のチンポは勃起していて、とても鋭く尖った刃のような切れ味。ぐぐっと、菜摘の中を拡張するように押し上げていく。 ローションはすでにタップリかかっているので潤滑は十分、あとはなじませるように浅く、深く、浅く、深く。角度をかえながら、押し広げていくだけだ。菜摘を味わうのは三度目になる。やや堅いが、すでにその肉襞はこなれを見せてきて味わい深い。 もともと、女の膣はセックスできるようにできているのだ。そうして、男は突くためにそれが突いている。だからいまの幸助には、早朝の教室で同級生を犯しているといういまのありえないことが、ごく自然な行為に思えてしまってしかたがない。 朝のセックスは、頭にツンとくるような刺激で、いまだ完全に覚醒していなかった幸助の意識を強い快楽で揺さぶるようにして、覚醒させる。目が覚めた幸助は、目の前の蕩けるようなおっぱいを左右に持て遊び、その特徴的な乳頭を乱暴にこすり挙げて楽しむ。乳頭がピコンとその存在を誇示するころには、菜摘の吐息にも甘いものが混じり始めていた。 「気持ちいいんだろうな」 そういう幸助の問いにも、「ふっう……」という吐息でしか答えられない。顔はさっきの黒板を見上げた「よし」という少し満足げな表情のままで、目を見開いたままの菜摘というのがすこし異様で、いつもなら目は伏せてやるのだが、今日はそのままで犯していた。 時間を止めたセックスという独特な空気にも、幸助は楽しみを見出し始めているのだ。口を塞ぐようにして、深いキスをするとオマンコも反応して幸助の物をしめあげた。可愛いものだった。 唾液を舐め取るようにして、さらに口内を舌で陵辱する。そうしながらも、腰はまるで別の生き物のように強く強く打ち付けるのを止めない。幸助は荒行のような繰り返しのセックスの生活で、その技術も向上したようだった。 肩を抱くようにして、ぐぐっと抱きしめると幸助の堅い胸にあたって、ぐにょりと巨大なボールのような菜摘のやわらかい脂肪の塊が歪んだ。そろそろ、出してしまおう。 「こんだけやったら、松井も妊娠するかな」 別に幸助には、こだわりはない。妊娠させるのは少し可哀想とか、まずいとかそういう気持ちもあるが、そんなことも何とかできてしまうはずだ。問題ない、よし今日も中で出そう。 腰を強く強く押し付けて、本能の趣くままに夜の間にたまった精液を発射してしまう。それは包み込むような菜摘の柔らかい肉襞の奥で、ドクンッ! ドクンッ!とまるで鼓動のような音を立てて、飛び出していく。 当然飛び出したものは、他に逃げ場もなく菜摘の子宮奥深くに飛び込んでいった。危険な日なら妊娠してしまうかもしれない、それを菜摘は知覚することすらできない。 「はー出た、妊娠したらごめんな」 そういいながらも、幸助は菜摘が自分の子供を孕んだら、この柔らかいおっぱいがどういう風になって、母乳をひねり出すのかと想像して楽しむのだった。
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十一章下 |
時間は動き始めた。だが身動きのできない弥生はその体勢で何も知らずに、眠っている。ゆっくりと、興奮に勃起した一物を弥生の膣口付近へとすり合わせるように、近づけていく幸助。 (いよいよか……何回、如月先生でオナニーしたかわからんからな) オナニーのネタにした率では、クラスの生徒と教師を全部含めても弥生がトップだろう。弥生が時折感じさせる殻に閉じ込められたような淫靡さには、そういう幸助ぐらいの年齢の男を引きつけるフェロモンのようなものがあるのだ。 いよいよ夢が実現できるという、感慨深い気持ちのなかで、ニュプりと音を立てて腰を沈めていく。 妄想を現実にする、確かな弥生の肉の感触を楽しむ。 弥生の膣は、ローションでべとべとにされていて、入り口は緩やかに幸助のものを飲み込み、中は程よい肉襞の締まりで幸助の気持ちを高めていく。 「いいな……」 まあ、男性経験はそこそこあるのだろう。ギュッギュと音を立てて、拘束されて身動きできない弥生の身体を弄っていく。その形の良い胸も、細い腰も今は幸助の手の中。好きなように弄り、好きなように陵辱する。 「ふっ……ふっ……」 まだ、弥生は意識が覚醒していないらしく、息が漏れるだけだ。それに構わずに胸を舐め、乳頭を立たせ腰を振って、突き上げていく幸助。気づかれるためにやっているのだ。寝ていても、オマンコは感じるらしくギュッギュっと腰の動きにあわせて締め付けてくる。 幸助は強い刺激を求めて、浅く深く角度をかえて突き続けていく。弥生がどこらへんで感じるか反応を見たり、肉襞の柔軟さを確かめるために腰の動きを変えてみるなどの変化もつける、なかなか手馴れてきたものだ。
どんな夢を見ているのだろう、気持ちよさそうに顔を赤くしていた弥生の身体が突然にビクッ! と反応した。 「ふっ……ぐっ……ぐっう!」 目を覚まして、起き上がりたかったのかもしれない、身体はゴムの弾力によって八方から押さえつけられている。弥生の身体が、そのままの体勢で自分の身体を押さえつけることになってしまっている。そのゴムの先は、ベットをぐるりと回して固定してあるので、身体ごと飛び上がることも不可能。 「ぐっ……うっ……!?」 起き上がることもできず、目も見えずにただ自分の胸が知らない男の舌にしゃぶられて、オマンコは自由に使われている。これほどの現実的な悪夢はない。 「ぅうぃ」 弥生は「なに?」と叫びたかったのだ。なに、なんなの、これはなに、わたしはなに、どうして、どうして、こんなこんなことするの、あなたはだれなの、わたしはどうなっちゃったの。いま、どうなっているの……起き抜けの弥生の頭を様々な想いが混沌と錯綜する。 夢なの? 夢じゃない!? 寝起きのだるい身体が、いやおうなく競りあがってくる無理やりな快楽に、翻弄されて、弥生の意識は混濁の度合いを深めていく。 そんな、様子を楽しみながら幸助はさらに勃起したものを漲らせて、弥生の奥の感覚を楽しむ。そのプニプニとした肉の壁を、押し広げるようにして突き上げていく。そのたびに弥生の身体は快楽の痙攣に引きつるのだ。 (ローションってなんか好きになれなかったけど、使ってみると便利で楽で、気持ちがいいものだな) 弥生の女ざかりの身体は、ただ快楽を追求したプレイを味わうにはもってこいのものだ。ぐっと、乳首をつままれて、また弥生の身体がはぜた。 抵抗しようという、弥生の身体の動きは、身体を重ね粘膜を密着させている幸助にも響いてくる。いや、そういうよりはもう股間にダイレクトに快楽として伝わってくるのだ。 弥生の、困惑、絶望、そして高まりを股間で感じながら先走り汁をドバドバと流して幸助は無言でピストンを繰りかえす。そのときの幸助の気持ちを言葉に現すなら。 (きもち……気持ちぇええ!) そう、いうしかなかったし、ただそれだけのことだった。組み伏せている弥生の都合など、幸助には知ったこっちゃなかった。 自分の快楽を押し付けるだけなのだ。 腰を、どん! と叩きつけるようにして幸助は身体を震わせて欲望を吐き出す。
ドピュ! ドピュ! ドピュ! ドピュー!
熱い飛まつ。
それを自分の最奥に受けた弥生は、久しぶりに感じたそれを理解した。 「うっ! うっ!!」 中で出したの! といいたかったのだ。 その絶望、ありえないことだった。 弥生が何をしたというのだろう、ただ自分の部屋で寝ていただけだ。それなのに、こうして急に視野を奪われて、身体の自由まで奪われて、知らない男に中出しされている。弥生の悪夢で、それは地獄だった。 中に出されたということが分かってから、弥生の頭はそのショックでガンガンと鳴って、もうわけが分からなくなった。記憶が混濁する。 すでに、抵抗を止めた弥生を、快楽に打ち落とされたのだと勘違いして、さらに幸助は邪悪な笑みを浮かべて、ピストンの速度を速めて二発目を出そうとしている。 抜かずに二発、さすがは高校生の体力。 心はどうあれ、弥生の身体はそれに反応して高まっていく。弥生の身体がピンッ!とまたはねた。 そこへ、幸助は尻の筋肉をギュギュっとすぼめるようにして、腰を痙攣させるような勢いで打ち付けると、二発目の射精をまた弥生の中にぶちかました。 「うっ……うぅぅう!!」
ドピュドピュ! ドピュドピュドピュ!
拘束具を噛み切ってしまいたいような、悲しみ。弥生は、また一発目にも増して、激しいい勢いで流れ込む精液に中で出されたことを悟ると、抵抗を完全に諦めて、思考を止めた。 それは、幸助の完全なる勝利といえた。粘膜から伝わる、弥生の堪忍を美酒を味わうようにして一物で嘗め尽くす。そうして、たっぷりと欲望を吐き出した一物を抜きさる。すると、接合部からはドロドロと欲望の塊が流れ出してきた。ゴボッゴボッっと……いったい幸助はどれだけ出したというのだろうか。 弥生の涙を止めなく流れて溢れた。それは目隠しを越えて溢れだす、まるで膣から垂れ流す精液と同じように、止めなく。深い悲しみと嗚咽。 ただ、弥生は悪夢の終わりを祈った。
だが、弥生の地獄はこれだけでは終わらない。すでに、息も根も絶え果てようとしている弥生の尻に生えているアナルビーズのヒモの先を力強く握ると、ギュッと引っ張った。 「うぅ!!」
弥生の弛緩した身体が、また緊張に震える。そこで弥生ははじめて、お尻の穴に、強烈な異物感を感じたのだ。まるで、排便に向けて律動するようなそれは、挿入されたときは時間を止められていたからとはいえ、とてつもない驚きと嫌悪を持って弥生を攻め立てる。 幸助が、ヒモをさらに力を込めて引くと、プツ! っと音を立ててアナルビーズが一つ抜け落ちた。
「ヒッ!」
声にならないような甲高い叫びを、弥生はあげた。弥生は、排便してしまったと一瞬思ったのだった。そうして、それとは違うのはすぐ分かった。自分の意志で出しているのではないのだ、そのお尻の穴に無数にある塊は、目の前にいる男の意志で抜き取られていると分かったからだ。 弥生はこんなもの、入れられた覚えもない。 寝ているときに入れられたのだろうか。それとも、やっぱり夢なのか。悪い夢なら早く覚めて……そう弥生は、自分を拘束する金具を握りしめるようにして、力なく何かに祈るだけだった。 もう意識は混濁して疲弊して、ただ急速だけを求めているのに、残酷なお尻の中の玉たちは、弥生に休むことを許さない。 ブッ! ブッ! ブツ! 肛門から次々と抜けていく玉が弥生を刺激して、ググッと広げるたびに排便のようなの原始的な快楽を感じて、弥生は嗚咽した。 「うっ……うっうっ」 電撃にも似た強烈な快楽と、身体を弄ばれる苦痛。あがったりおちたり、波に翻弄されたままで、弥生はついに限界を迎えて、意識を軽く飛ばす。その間にも、ブツ! ブツ!っとアナルからは、玉が抜けていく。 (これで、止めだ!) 幸助は、勢いよく体重をかけてビーズを全て引き抜いた。お腹に残っていた五つのビーズが一気に飛び出した。ブツブツブツブツブツッ!!!
「うっ……うっうっうっうっうっ!!」 弥生はしゃくりあげるように息をつまらせると。身体を痙攣させて意識を飛ばす。 可愛い顔を悲惨にゆがめて、口は半開きに涎が垂れ下がっていた。 弥生のお腹はグルグルと鳴り響き、直腸を激しく刺激されたせいか、やがて耐え切れずに……
「プー!」
ラッパが鳴ったように、恥ずかしいおならを鳴らした。 そのような最低の醜態を晒したショックだったのだろうか、猿轡を噛んでいた口をだらしなく弛緩させ、弥生は涎を垂らしながら、完全に意識を喪失したのだった。
それから、幸助は結構大変だった。弥生が完全に意識を失って、また寝息を立て始めたのを確かめると、時間を止めて全ての後片付けをした。子宮にまで入りこんでしまった精液はともかくとして、肛門と膣の周りはとりあえずきっちり洗浄と消毒をしておく。 道具も持ち帰ってから、いちいちの洗浄が必要なのだが、その面倒をこなすだけの満足感はある。そうして、満足して幸助は弥生のマンションを後にしたのだった。
次の日の朝。
朝のホームルームから、弥生は明らかに目を腫らしていて、泣いたあとが見て取れた。目に光がなく、暗い顔を沈めるようにして、ぼぉーと遠くを見ている。 いったい昨晩の出来事をどう考えたのだろう、夢だと思ってくれたらいいのにと考えたが、それはさすがに無理があるか。 弥生は、学校にちゃんと登校しただけ偉かったのだろう。 (恨むなら、個人情報管理がなってない学校事務を恨んでよね) 幸助は、時折足もとをふらつかせている弥生に、深い罪悪感を感じながらも、そんな勝手なことを考えるのだった。
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十章下 |
マサキの腕のなかで、芽衣子は泣きじゃくっていた。 芽衣子は、するりとパンツを剥ぎ取られて、その可愛らしいあそこがむき出しになっていても抵抗はしない。それでも、とにかく分別もなく泣きじゃくっている。 「泣くなよ……」 マサキはなさけなくいった、ただでさえ小学生に見える容姿なのだ。泣きじゃくられて幼さが強調されては、裸で抱き合っても、とても起つものではない。芽衣子は十八歳以上なのだ、都条例的にもぜんぜんオッケーなのだと自分に言い聞かせても、罪悪感は消えてくれないのでマサキは泣き止むまで撫で続けることにした。 「うぐっ……だってっ……だって」 ようやく言葉らしいものを発するようになってきたので、説得をしようと思って、それも止めた。こういうときに、理屈をいってもしかたがないことをマサキはすでに知っている。相手の心に響けばなんでもいいのだ、だから素直にいま思っていることを言う。 「あのな、芽衣子……ぼくは催眠にかかってない相手を抱くのは初めてなんだよ」 「うぐっ?」 「ぼくは怖いんだよ……初めてだから、芽衣子が嫌がってたら怖くて抱けないんだ」 「……うぎゅ」 だからとりあえずそのグチュグチュになった顔を何とかしろと、涙と鼻をやさしく拭いてやるマサキ。 「芽衣子は、ぼくのこと好きか」 「うぐ」 泣きやんで、芽衣子ははっきりと頷く。 「人を信じるって怖いよな、だけどぼくは芽衣子を好きだし、お前のいう好きも信じるからちゃんと抱くよ」 「……うん」 よくわからないが、泣きじゃくっているうちに、芽衣子の覚悟は決まったらしい。 「ぼくは、友人として富坂幸助を信じているんだ。だから、幸助くんを信じているぼくを芽衣子にも信じて欲しい」 「…………わかりました」 諦めたように、芽衣子はマサキをギュッと抱きしめて身体をこすり付けた。余りにも拙い愛撫ではあった。それでも、届かない思いを伝えるには役に立つ。 芽衣子が嬉しかったのは、たぶん好きだといわれたから。その言葉が嘘でも良かった、もうそんなことは関係なかった。自分はちゃんとマサキが好きで、彼のことを信じているのだから。芽衣子はそう思って、なんで自分が悲しかったかようやくわかった。富坂幸助を助けるための、その間に合わせに抱かれるなら、そんな自分は可哀想で嫌だなと思って泣いただけだったのだ。 マサキは、あらためてマジマジと芽衣子を見つめて、口付けをした。 「可愛いよ、芽衣子」 こんなときでなければ、死ぬほど気恥ずかしい言葉。そんなことを恥ずかしげもなく言ってしまえる人間になったのだなとマサキは心の中で強く自嘲する。それでもそう言いきってしまえば、それはそれで楽しいのも事実だった。 「うれしい……私こんな身体だから。一生、誰にも愛されないと思ってた」 結局のところ、それが巫女の修行へと芽衣子を駆り立てる原因となり、それが好意を持ったマサキの役に立つと知って、人を殺すところまで行き着いてしまったのだ。行動として昇華された女の情念というのは恐ろしいもので。 マサキはもう一度、今度は深く芽衣子に口付けして、舌を絡めるように舐め取ってやって、そういう怖い情念を受け止めるだけの覚悟はした。 催眠をかけていれば、遊びで抱ける。でも、今の芽衣子を抱くというのは、芽衣子の十八年の思いを抱いてやるということで、それはマサキにも重たくのしかかるものだ。身体はこんなに軽いのに。 マサキは、そうやって自分の上に芽衣子を抱き寄せて、首筋を舐め取るように少しずつ下にへと舌を伸ばしていく。 「あっ……」 芽衣子の身体は小さくて綺麗だ。舐めてしまおうと思えば、身体中だってすぐ嘗め尽くしてしまえるほどに。このまま食べてしまいたい、芽衣子の小さい乳頭に吸い付いたときマサキはそう思った。 「んっ……」 どうすればよいか分からない芽衣子はされるがままに、それでも言葉にならない思いを力に込めて、幸助に擦り寄るのだった。 「そんなところ……舐めないで」 「でもちゃんとしとかないと、初めては痛いからな」 もう縦筋としか見えないオマンコを舐めてなんとかできるかどうか、真剣に目測するマサキ。実はマサキは、本当の小学生も抱いたことはある。普通に犯罪者であるが、そのときの経験が生きてきそうだ。ヘタな小学六年生よりも、芽衣子のものはなかなか手ごわそうである。 マサキのモノのサイズがそれほど大きくないのが救いであろう。あとは。それこそ自然の力に祈るしかない。人間の機能はセックスできるようになっているのだと信じる。マサキが年少を相手にしてやっていたときの経験であるが、ゴムつきだと入らないと思った膣でも、生でこすりつけるようにしていると、何故かうまく入ってしまったこともあったのだ。 そこらへんは、生殖にかける人の絶え間なき努力が何とかしてくれると考えるマサキである。一度、なんとか入り込んでしまえば、あとは少しずつでも広げていければいい。 そんなことを考えながら、舐め続けているうちに準備は整った。芽衣子のアソコは、本当に味がほとんどない。とろみが出てきているので、愛液も分泌されているのだろうが、本当に愛液かと疑うぐらいに、水の味しかしないのだった。 しょんべん臭いガキというが、愛液の匂いがなければ普通は汚いことだが女性器はそういう器官なので、小水の匂いがするものだ。それもまったく無味無臭となれば、芽衣子は身体から純水しか出さないといわれても信じてしまいそうだ。 もともとが普通の生き物の括りからは埒外の女なのであろう、なにせ鬼を見分ける特別な力を持っていて、ただこの穴にマサキが欲望をねじ込んでしまえば、それを失うというのだから。特異のモノと、かかわること。宿命というものがあるなら、それがマサキの宿命であるのかもしれない。 芽衣子はすごく痛がるだろうか、すでに勃起して剥けている亀頭を芽衣子の割れ目に押し当てている。通常は催眠をかけて痛みを軽減させてやるし、戯れにわざと痛ませてもそれは催眠のコントロールの中のことで、すべてはどうとでもなるという自信の中のことだ。不安で、自信がなくて、芽衣子の硬く閉じた股の付け根を見つめながら、マサキの心は揺らぎ腰は止まる。 マサキの手がギュッと握られた。指を絡めるように、左手を右手で握り締めてくる。マサキの不安が伝わってしまったのだろう、まだ涙も乾ききっていないのに、笑顔ですら浮かべてマサキを見上げてくる。芽衣子は思いのほか穏やかな顔をしていた。 「痛くしても大丈夫……私が嫌なのは能力がなくなるだけ。それに本当は、私のほうが二歳も年上なんだよ」 そうなのだ、肉体はどうあれ、芽衣子の心と経験は十八歳なのだ。人は長じるにつれ、人生の痛みを知り強くなっていく。芽衣子の白い肌は、熱く上気して桃色に染まっていた。汗の玉が、表面ではじけるように浮いているのをマサキは舐め取る。 「んっ……」 マサキが触れたり舐めたりするたびに、熱い吐息を吐き出す芽衣子。胸が膨らみかけだって、十分なエロス。マサキを興奮させるには足る。挿入できるだけの堅さも角度も、十分すぎるほどだ。すでに射精できるぐらいに、痛いほどにマサキは勃起している。 「じゃあ、入れる」 「来て」 差し込んでみると、あっけないほどに亀頭を飲み込んでいく。あっ……これいけるとマサキが思った瞬間に、ググッと締め付けられてマサキは前にも後ろにも動けなくなる。 「これは……」 「うっ……入った?」 マサキが普段味わっている、ざらざらとした膣の肉壁の感触ではない、まるでツルツルに剃りあげられた脇の隙間に挿入しているみたいな、ただ吸い付くような粘膜と粘膜の絡み合い。なんだこれ、膣の中に到達していないってことだろうか。 そうして、入り口にぷっくりとはまり込んだ、亀頭であったがそれから先に至る圧力が強すぎて、一歩も前に進めないでいるマサキ。 「まだ、ちょっとしか入ってない……進むと痛いかも」 「たぶん一気にやってくれたほうがいい……痛くてもいいから」 そんなことはマサキも分かっている。やるときは、ひと思いにやってしまったほうがいいに決まっている。それでも、抵抗が強すぎて、マサキは進めない。たぶん……ぼくはこれ以上進んでしまうのが怖いんだとマサキは思った。 安西マサキ、高校一年生にして経験数はすでに百人以上。しかしそのスキルは、すべて催眠によって精神をコントロールしたあとの性交であった。多重に自己催眠をかけて、自分の精神を鍛え上げてきたマサキであっても、初めてはやはり怖い。その相手が、壊れてしまいそうなほど繊細な身体の芽衣子であれば、なおのことである。 「いくよ……」 「うん」 言わないほうがよかっただろうか、やっぱり芽衣子も身構えてしまって、痛みを覚悟した膣がギリギリとマサキのものを締め上げてくる。そのたびに強い刺激に襲われて、マサキのものが締め上げられて、このまま射精しそうだった。 一回出してしまえば、そういう思いもマサキによぎった。それでも、たった半分を埋めただけで、射精してしまえばせっかく覚悟を決めている芽衣子に申し訳がない。刺激に呼応するように、ドロドロと潤滑油の先走り液を吐き出し続けている鍛え上げられたマサキの亀頭だけが頼りだった。たぶん、ゴムと生で挿入のしやすさが違うのはこの違いなのだろう。ゴムの潤滑油は、無限に湧き出る天然の先走り液には勝てないのだ。 ググッと腰を押し付けるようにして、ほんの数ミリ進むだけでも「グッ! グッ!」と音が聞こえるぐらいに、お互いに衝撃が走る。それは痛みなどというものではなくて、身体の神経を通る電流のようなもので、そのたびに芽衣子の小さな身体が震えた。 マサキはただ芽衣子を押さえつけるようにして進む。熱くて堅い扉、その扉を叩き続けるマサキの息子が、もう駄目だと音をあげて射精してしまいそうになったとき、メリメリと音を立てて奥が開きだしてきた。さらに、力を込めて開いていく。 「うぐぐぐっ……」 辛そうに、芽衣子が声をあげる。一瞬、止まったがすぐに動くマサキ。目を合わせただけで、芽衣子が大丈夫だとわかったからだ。最後にぐっと力を込めて……芽衣子のトンネルの開通工事は成功した……。 初めて男を受け入れる、膣のざらざらとした感じがマサキの亀頭から陰茎にかけてを祝福するように優しく包み込んでくれる。すでに、接合部からは鮮血が流れ出していた。 「最後まで入ったよ」 「うん……ありがとう」 痛みにこらえながらも、芽衣子は礼をいった。処女を奪われて、礼を言われるのはおかしいのだが、マサキも難工事だったし、まあいいかと思う。 「ごめん……もう限界だから」 「中にちゃんと、出してね」 それだけいうと、痛みに力尽きたのか芽衣子はくたっとなった。それを抱きしめるようにして、マサキはさっきから堰き止め続けていた欲望を吐き出す。狭すぎる、膣内に全てを押し流すようなドクッ! ドクッ! と高い粘性をもった液体が流れ込んでいく。 中に出された精子たちの出口は、芽衣子の小さな子宮の中にしかなかった。マサキは止めとばかりに、腰を押し付けて、芽衣子の中に自分の精液を全て吐き出していった。これで、巫女としての芽衣子は汚し尽くされたのだった。 ドロリと引き抜くと、信じられないぐらいの量が流れ出てくる。鮮血も混じっていたが、我慢しすぎたマサキが射精しすぎたのだろう、どこまでもどこまでも精液があふれ出てくる。 「あっ……でちゃう」 気だるげに、芽衣子は股を押さえた。マサキの上で立ち上がっただけで、芽衣子の股からはドロドロと精液が流れ続けて、マサキの腹に落ちていった。マサキが、それに慌てて手元のティッシュで拭く。もう少し汚れてしまったが、布団がドロドロになってしまうのはまずい。 「ほんとに……処女がやぶれたんだよな」 精液をあらかた、出し切ってしまった芽衣子の股は、先ほど自分のもので突き破ってやったと思ったのに、まだ仄かに桃色にそまった縦筋のままで、外陰唇もクリトリスもまったく外から見えない。 マサキが不安になるのもしかたがない。 「大丈夫……だと思う。いや、大丈夫じゃないんだけど、やっぱり痛かったから」 「そうか……」 また、小さい芽衣子はマサキの上に乗るようにしてマサキに口付けた。今度は稚拙ながらに、芽衣子から舌を絡めてくる。なかなか、適応力が高い。賢い少女だなと考えて、中身は年上だからだと思ってマサキは思わず頬が緩む。 結局、処女性というのは身体ではなく心の中の問題なのだろう。とりあえず、気だるい空気を楽しんでからティッシュであらかた拭いた。お風呂に入っていくかと言われて、それは断ってマサキは帰ることにした。そうしたいのはやまやまだが、たぶんマサキが出てくるのを誰かが待っている予感が強くしていたのだ。 「一回じゃなくて、たくさんしてほしい」 マサキが帰るので、寂しがってそんなことをいう芽衣子が可愛かった。 「うん、芽衣子はもうぼくの女になったんだから、これから何度だってしてやる。とりあえず痛みが引いてから近いうちにな」 そうやって、頭を撫でてやるとくすぐったそうに、はにかむ。それを見て、やっぱり年上にはまったく見えないなとマサキは感じてしまうのだった。
マサキが神社の境内から出ると、どこからともなく現れた佐藤理沙がそっと寄り添ってきた。気配もなく現れても、きっと待っているのだろうと分かっていたからマサキは驚きもしない。 彼女の、富坂幸助を監視する役割もとりあえず終了である。きっと、芽衣子との交渉が失敗した場合を考えて、待機していたのだろう。「余計な心配を」とマサキは思ってしまうが、希がマサキの命令に絶対服従なのとは対照的に、理沙はマサキの意に反してでもマサキを助けようとする傾向があった。 「平賀芽衣子……説得できたんなら、抱く必要はありませんでしたよね」 マサキは、ぶすっとした様子で返答する。 「芽衣子は、封鬼の巫女だという意識が強すぎた。だから抱いてやって解放してやるしかなかったんだ」 「抱きたかっただけじゃないんですか」 「うるさい……」 「ロリコン」 「あのなあ……」 ここで怒ったら図星になってしまうので、マサキは無理に笑う。 「フフッ、冗談です。でもそろそろ監視役なんて端役割り当ててないで、もっと私を上手く使いこなしてくださいね」 「……この一件が終了したら」 「期待しています……あと」 「なんだ、何か他にあったのか」 予想外のことがあったかと身構えるマサキ。 「……円藤や、鳥取の家ばかりじゃなくて、たまには私の家にも寄ってくださいね」 そういってマサキと腕を組んで、微笑を浮かべてしなを作る理沙は、やっぱり注意したのに漆黒のゴスロリ服のままであった。気配を消すのが達人的に上手いからいいようなものの。あいかわらず、ありえない厚底ブーツ。こんな下駄みたいなので、どうやって気配や足音を消すのか、教えて欲しいものだ。 理沙に家まで引きづられるように歩きながら、そういえば、また家族が増えるんだよなあ。回していけるかなあと、いまさらながらに不安がよぎるマサキは幸助の心配をしている場合ではなかった。 いや、幸助のことは心配する必要なんかないんだと思い直す。あいつは、あいつの道できっと勝ってくれる。そう信じることだ。
友達を信じる、そう芽衣子に誓ったマサキであるのだから。
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九章下 |
「やはり……菜摘も処女か」 処女膜をたくさんやぶってきたので、それぐらいの見分けはつくようになってきている幸助。十七歳といえば、女としては熟れだしてきてもいいぐらいの年齢だ。これだけエロい身体をしているのに、ビラビラもまだ外に出し切っていないというのは、自分でもそんなにやっていないということなのだろう。 正直、セックスするだけならこなれたオマンコのほうが男も気持ちがいい。個人差もあるが、未通の女の子をやるというのは気を使うのだ。鉄の処女といえばいいのだろうか、ただ挿入するだけですごく大変な娘も経験してきている。 「なるべく、こなしてはやるつもりなんだが」 そういって、股に手を這わすようにしてやる。体毛もさらりとしていて薄い、さらりとした感覚。膨らんだ太ももを超えて、触れたそこは冷たくツルリとしていた。しばらく、無言で押し上げるようにして刺激する。 「暖めてやらないとな……」 幸助が強く触ったその場所が、熱をもったように熱くなっていく。 少しずつ、少しずつ湿り気が強くなってくる。淫靡な匂いが仄かに化学室に漂う。 あとは、舌先で最初は優しく、次第に強さを増して花弁を押し開くように舐め上げる。やはり、濃い女の味がする。菜摘は、まだ目覚めてないだけで、いい女になれる素質を内に有している。 そんな身体は、押し開けば押し開くごとに、甘い味がにじみ出てくるものだ。夢中になって菜摘の中を舐めあげているうちに、蕩けるように熱く濃厚な愛液を垂らすほどに出してきた。まるで、これまで溜まってきたものが全て堰を切って流れ出すようで、舐めても舐めても切がないように思えた。 そうして、飽きずに無限に思える舐め続けるとき、菜摘の荒い息が途切れて、何の前触れもなく身体が震えて、上半身が机にがくっと落ちて。ガクガクと腰を振るわせた。 プシューーー! と、幸助の顔に熱い飛まつが飛び散る。 「なんだこれ……」 呆然と、その飛まつをうける。おしっこではない。急に菜摘が、愛液をスプレーのように発射しだしたのだ。なんだこれ、なんだこれである。 ごくまれに、絶頂に達すると泡を吹くということがあるが、それがまさにこれであった。当然、始めてみた幸助は呆然とするしかない。 飛んだ分も、一通り舐め終えると……幸助はたちあがる。菜摘は、上体を机に押し付けるようにして、目を瞑って顔を真っ赤にして何かに耐えるような表情をしていた。少しくちから涎すら垂らしている。その苦悶の顔は、完全にイッてしまっていることを示している。 まだ、射精してもいないのだが、幸助はそれを見ただけでなにか満ち足りたような気持ちになった。そうして、面白いことを思いついたというように、近くの雑巾で床を拭いて後始末を片付けると、下着は戻さずにただ菜摘の上着のボタンだけ止めて、時間を戻す。 「……かける」 次第に戻る時間、その間に少しはなれて自分も用具を両手に持って、アリバイをつくっておいた。一瞬にして、姿勢が机につっぷしたようになったとしか思えない菜摘は、どうしたんだろうと自分の身体を起こした。 そうして、次の瞬間に自分の身体の異変に気がついた。身体がとても熱いのだ。そして、スカートの下がスースーする。 「うそ……なんで」 下着がなかった。スカートが長くて幸助には気づかれないとは思うが、ついついスカートを押さえ込んでしまう菜摘である。その衝撃で、ブラを嵌めてない柔らかすぎる胸がブルルンと震えて、メガネがずり落ちた。 「あれ……松井さんどうしたの」 そういいながら、机二つ分離れたところにわざとらしく用具を置いて振り返る幸助。計算どおりに、菜摘は困惑気味に二三歩後ろに下がってから。 「なんでも……なんでもない!」 なんでもないわけがない、後ろに下がった衝撃でまた胸がプルルンと左右に揺れまくってブラジャーもつけてないことに気がついたようだった。菜摘が自分の胸をみると、大きい乳頭がなぜかありありと勃起して、少し濡れ気味にシャツに張り付いていた。 「あっ……うっ……」 それを、思わず両手で押さえこむ菜摘。ただ、それだけで身体がビクンッと震えるほどの快楽に襲われる。いったい自分は、どうなってしまったのかという疑問を解決するまえに、菜摘にとっては目の前の幸助にどう対処するかのほうが問題だった。 幸助は、わざと何も分からないという振りでゆっくりと近づいていく。 「ほんとに、どうしたの」 そういって、幸助は、自分の身体を隠すようにしゃがみ込んでしまった菜摘に手を伸ばして肩を触る。少し触れただけで、ビクッと身体が震えた。 「ほんとに、なんでもっ……ないから」 こういう反応は、止まった世界では味わえないなあと幸助は心の中でほくそ笑む。 「そんなこといってもさ」 肩を抱くようにして、背中をさすってやる。 「だっ……だめ!」 触るたびに、菜摘の身体はビクビクと震える。一度絶頂を迎えているので、多分感じやすくなっているのだろう。ここらへんは、時間を動かして女性を抱いたことがないので幸助には未経験のゾーンである。 「ほんとに大丈夫……」 そういいながら、身体をさする幸助。はっと気がついたら、大胆に触りすぎてしまっていた。これじゃあ、セクハラ親父だなと幸助は呆れる。時間停止になれすぎて、こういうときの女性への距離感というのが、おかしくなってしまったようだ。 「平気……だから」 菜摘の声が震えている。身体の振るえが顕著になり、頬はすでに真っ赤になっている。明らかにやりすぎ、調子に乗りすぎ、時間が止まってない世界では、幸助はただの高校生に過ぎないのに。 それにこのままだと、幸助の我慢がもたない。菜摘の意識があるときに犯してしまえば、幸助は立派なレイプ犯である。 だから幸助は、菜摘から離れて落ち着くのを少し待った。 「ううっん……」 そんなうなり声をあげながらも、菜摘は起き上がった。ブラがないので、真っ赤になりながら、ゆれる胸を必死に押さえている。見つめている幸助の視線に気がついて、走りさろうとする、その拍子にゆれる乳を見ながら、幸助は時間を止める。
「なかなか、楽しませてもらったけど……どうせ、このまま逃げるつもりだったんだろうねえ」 まあ、突然わけのわからない状態に追い込まれて、その場からとりあえず逃げ去るという菜摘の判断は間違っては居ないだろう。どこだって、やれるのだが化学室でやるのがいいとおもった幸助は逃がさなかったわけである。 さて、すでに硬く勃起したものをどうするか。とりあえず、机に身体を押し倒すようにして、先ほどつけなおしたボタンをまたはずしていく。慌しいことだが脱がす過程というのも、大事なのだ。 ぼろっと、乳が文字通りに零れだす。それを手で転がすようにしてスカートをめくると、すでに濡れ濡れに濡れそぼったオマンコがそこにはあった。これならとりあえず挿入はできそうだ。厚い太ももを押し開くようにして、腰を押し当てると正常位の体勢。 いくらすでに雌の匂いをさせているとはいえ、男を知らぬ、女性器に幸助のものは辛かろう。ぐぐっと足を全力でひらいて、オマンコも開かせると腰を押し付けるようにして、一気に押し込んだ。 「きつい……」 腰を上下させるようにして、なるべく一気に押し込むようにする。こんな強引なやりかた、本当に意識があったとしたら叫び声をあげるほど痛いであろう。 相手が止まっているから、乱暴にしたっていいわけである。 普段こんなに、乱暴にはしないのだが、なぜか妙に興奮した幸助は今日はこうしたかったから、相手に配慮もなしにやってやったのだ。亀頭のふくらみが、食いちぎられるぐらいの勢いで締め付けてくる。 それもそのはずである、押し切った勢いで菜摘の処女膜はのび千切られて接合部からは早くも血が出始めている。それにもかまわず、幸助は息を荒げながら、菜摘の勃起した乳頭にむしゃぶりついて腰を一心不乱にふりくる。 ここ最近では、こんなに早く来たことがないぐらいという早くて激しい射精欲が、幸助の腰から睾丸にかけてグルグルと鳴り出した。 「出してしまうか……」 菜摘の太ももを両手で抱えるようにして、さらに腰を密着させる。すでに一番奥深くに幸助のものは刺さってる。 「おい、いいか松井! このままだと中に出しちゃうぞ!」 時間が止まっているから菜摘に抵抗できるわけがない。 「いいんだな……出すぞ!」 そういって、幸助はそのまま腰を密着させたまま、頭を抱え込むようにして深く菜摘の口にディープキスをして、舌を絡めて垂れ下がってくる唾液を舐め取るようにした。それが契機になって、幸助の射精欲が限界ラインをこえた。 肉襞の中に深く突き刺さった、幸助の肉棒が律動する。睾丸から、亀頭にかけて、亀頭から密着した子宮口へと、余すところなく精液が吐き出された。 たっぷりとした、粘性をもった液体を始めて奥に受けて、びっくりしたように菜摘の中が震えて、ギュッギュと締まった。それがさらに、ドクドクッと幸助の一物を刺激して、さらに中に押し出されるようにドピュドピュドロドロと流れ込んでいく。 幸助は、菜摘の身体を、ドン! ドン! と二回押し上げるようにして、たっぷりと精液を最後の一滴まで残らず、中に放出していった。 「ふぅ……」 菜摘を抱きしめながら、満足のひと時に浸る。ゆっくりと引き抜くと、菜摘の愛液と破瓜の血とドロドロの精液が入り混じったピンク色の液体が、ドロリと化学室の黒い机の上に垂れ下がっていた。 薬品の匂いがしていた化学室は、すでにいやらしい匂いが充満している。 「窓でも開けておけば、ごまかせるか」 万が一、匂いに気がついた生徒がいたとしても、まさか高校生が「先生、なんかセックスしたっぽい匂いがします」とはいえまい。心配はないだろう。 「わりと、今回のは満足いく射精だったな」 途中で時間を動かして遊ぶのは、けっこういいアイディアかもしれない。松井菜摘に例の催眠アクセサリーをつけてやると、一応軽く身体をふき取ってやってから下着も元通りに戻してやった。 そうして、時間を戻す。
「あれ……」 菜摘は、なぜ走り去ろうとしていたのに、机に座っているのか分からない。 「大丈夫、気分悪そうだったけど保健室いく?」 「ううん、ぜんぜん平気……どうしたんだろうね」 そういって、おかしそうに笑った。いまの菜摘には、どうして自分が走り出して逃げようとしたのかも分からない。身体の変調にも、破瓜の痛みにも気がつかない。ぜんぜんなにも、おかしいことなどないのだ。 「準備終わったから、手伝ってくれてサンキュー」 「ううん、別についでだったから……お昼食堂でしょ、一緒に行こうか」 「ああ、そうだね」 そういいながら、前よりも少し距離感を縮めて二人は化学室を去っていくのだった。いいアイディアも浮かんだから、これは午後からは忙しくなりそうだと、幸助は有頂天になっていた。
だからなのだろうか、二人が去っていく姿を三階から屋上に繋がる階段の渡り廊下に隠れるようにして、平賀芽衣子が息を潜めて一部始終を監視していることに、幸助はまったく気がつかなかった。
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