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E小説(中出し・孕ませ・時間停止・催眠・環境変化など)
エロ小説のサイトですので18歳未満の方はお帰りください。傾向はマニア向け、作品中のほぼ100%中だし妊娠描写、付属性として時間停止・催眠・環境変化などです。
第四章「自己暗示」
 落ち着くほどに、オナニーしたらベージュのパンツがドロドロになってしまった。もう何度したかわからないほどだ。マサキはする必要があった。落ち着いて、理解し考えるにはオナニーして冷静になる必要があったからだ。
「それでも、ああ、まだ……」
 安西マサキは無力感に苛まれていた。マサキが催眠術を会得したいのは、鶴奈やツバメを自由にしたいからだ。つまり性欲がエネルギー源だ。それを抑えて冷静になるためにオナニーしては、やる気が減退していく。もうその循環を幾度も繰り返して、チンコは痛くて擦り切れそうで血がにじみ限界を迎えていた。
「変わらなきゃいけないのは、自分か……」
 今のままでは、催眠術を得ても結局、マサキは無力な中学生に過ぎない。自らにうち勝つ強さが、いま必要だった。しかし、マサキはもともと肉体も精神もあまりにも弱い。幾許かの邪悪な知性と、後ろ向きの怨念だけを糧にしてここまで生きてきたいに過ぎない彼にそれを打ち破る力はない。
「結局、なにもできないのか……ぼくは」
 そう頭ではなく貧相なチンコを抱えて、無理なオナニー後の魂が抜けるような虚脱感に惑う。絶望的な無力感に、息が詰まりそうになった。そのときだった。
 不意に「それは違う」という思いが、萎えたチンコから仄かにわきあがってくるのを感じた。

 そうだ、もうひとつ。マサキにはまだ、もうひとつの力があった。
 それは卑怯だ。マサキの卑怯さは、ある裏技を思いつかせた。
「自分で、自分に変われるように催眠をかけたらいいんじゃないか」
 いわゆる自己催眠の術である。うまくいくかどうかもわからない。失敗したら、何かおかしなことになったら、それは恐怖。しかし、この恐怖だけ乗り越えられれば、うまくいくと信じられれば。まだ戦える。
「やってみるか」
 変われる力を、いま手にしていると思った。それは希望の光だった。それが消えてしまわないうちに、机の引き出しからナイフを取り出す。いま若者がよく持っているような、かっこいいバタフライナイフではなくて、無骨な木工用ナイフだったのがいかにもマサキらしい。安物だが、それなりに怜悧に磨き上げられている。
 虐められているとき、マサキは家に帰るとずっとドキュンどもを怨みながらたまたま家の押入れで見つけた木工用ナイフを机に隠して、毎日磨き上げるのを習慣にしていた。
 あいつらをこれで刺し殺してやれれば、どんなにすっきりとするだろう。
 いや、相手の目の前にかざしてやるだけでもいいんだ。そのとき、あいつらの顔は驚きと恐怖にゆがむだろうかと、いつも想像して憂さを晴らしていた。
 でも実際にやるとなると、そうなるとは思えなかった。マサキは人を刺し殺すだけの、覚悟も力もない。下手をすると、とりあげられて、逆に自分が刺されるかもしれない。
 それが、怖くて、怖くて。結局、ピカピカに磨き上げただけで、一度もナイフを学校に持っていくことすらなかった。
 鈍い輝きを放つ鉄の塊は、まるで鏡のようにマサキの濁った目を映していた。魂を込めるように、今一度ナイフを磨き上げると、マサキは意を決したように催眠装置のスイッチを入れた。電撃が脳に走り、刃に映ったマサキの目が光を帯びてくる。

――そうして、マサキは自分で、ナイフに映る自分の瞳を睨みつけた。

 催眠術とは、つまり相手にある種のルールを植え付ける技術だと言い換えることもできる。何かの非常識を、常識と信じ込ませたりということで、それは理性に作用する力だ。それだけに強力だが、弱点もある。感情的に大きな拒否がある暗示を仕掛けようとしても作用しないのだ。極端な例を挙げれば「死ね」と命じても、人間には生存本能があるため、自殺させることはできない。ただ、これにも例外がある。たとえば、その人間に死ぬような絶望を植え付け、それが本能を超えるほどの強さを持って自らに死を望ませられれば、自殺に追いやることもできないこともない。生物には生存本能があるといっても、死ぬ以上の苦しみ、まったくの絶望という環境に長く置かれれば、自死してしまうのが人間という生物のもう一つの側面である。
 だから、強い感情的な拒否があった場合、その理由や原因を突き止めて解消する、あるいは逆にもっと強烈な理由を植えつけることによって、拒否を回避することができる。
 催眠マニュアルをすべて読みきって、マサキがなんとなく理解できたことはそういうことだった。自分で考えてみても、いまいち完璧に理解できたとは思えないが、壁のようなものがあってそれを崩すには、もって回ったやり方が必要だということだろう。ネット探偵が「魔法ではない」といったのは、つまりそういうことなのだ。
 これは、手こずりそうだ。家に多くいて、抵抗が少ない鶴奈に集中して、催眠術師のやり方というのを徐々に実践していくしかない。催眠術師が、魔法使いではないというのならばそれなりのやりようをすればいいだけ。

「あらー、マサキくん昨日は来なかったのね」
 最近、毎日来るようになっていたマサキである。パンツ交換が嫌なので、来なくてもいいむしろそのほうが嬉しいなと思いつつも、昨日もお茶の準備などはしていた人のいい鶴奈。このまま、しばらく来なくなればと思っていたのに、その次の日に来てしまって少し落胆のようすである。
「さあ催眠を……いや、冷静になるんだ。まだ早い」
「なにかいった?」
「いや、なんでもないですよ、鶴奈さん今日もお綺麗ですね」
「あらーお上手ね、いまお茶を入れるわね」
 お世辞でも、褒めてもらえると嬉しいらしい、いそいそと中へマサキを案内する。いつものように、キョドることもなく、ずいずいと中に入ってソファーに座り込む。
「今日はセイロンのお茶なんだけど、ちょっと味に癖があるから、お口に合うかしら」
「紅茶は好きなんで、おいしいですよ」
 ちゃんと淹れられた紅茶の馥郁たる香りを味わうようにして、ゆっくりと飲み干すマサキ。その落ち着きたるや、堂々たるものだ。
「なんだろう……マサキくんちょっと雰囲気変わったわね」
「そうですか、自分ではそんなつもりはないですけどね」
 ある程度の心の落ち着きというものを、自己催眠はもたらしてくれたようだ。
「さて、今日もパンツ交換やりますか」
 にこやかに笑って、マサキは乾かないようにビニール袋にしまいこんであった、ドロドロのベージュのパンツを取り出した。
「ああ……やっぱり今日もやるのね」
 泣き出しそうに、それでも自分のいま穿いてる部屋着のジーパンと一緒に、ショーツを脱ぎ始める鶴奈。目の前には、二晩連続で汚されて何発出されたか分からないドロドロに黄ばんだパンツである。穿くのにかなりの抵抗があったが、なんとか穿き終わる鶴奈。スポーティーなジーパンが、そのドロドロのパンツをぴったりと締め上げる気持ちの悪い感覚に顔をゆがめる。
 ジーパン越しからでもよくわかる、鶴奈の形のよい尻を見ながら、パンツ交換を素直にした鶴奈を見て、何度も繰り返して暗示が強化されるというのはこのことではないかとマサキは考えた。パンツ交換という儀式は、何度も繰り返されることで定型化されたようだ。
「いやーいい感じのパンツですね」
 マサキが目の前で弄んでいるのは、エロティックでそれでいて品のある、薄いレースのついた真紅のショーツである。さわり心地も見事な一級品だった。いわゆる勝負パンツ、そのもの。鶴奈が最近、結婚記念日に気張って買った品だ。
「ええ……喜んでもらってうれしいわ」
 一日置いてドロドロの度合いを増したパンツを穿かされる気持ち悪さに加えて、お気に入りが汚されると思って暗くなる鶴奈である。今日くるとは思ってなかったので、完全に油断したらしい。
「汚しがいがありますよ」
 そういって、マサキはいやらしい笑いを見せる。
「あは……あはは……できれば、お手柔らかにね」
 鶴奈は嫌悪感を何とか抑えている様子。それでも拒否はできない状態に暗示は深まっていると見えた。
「さ、私は仕事のまとめにかかるからゆっくりしていってね」
 それも暗示の効果に違いないのだが、その歓迎の姿勢だけは自然に言うと、仕事に戻る鶴奈。居間のパソコンに向う鶴奈の尻を、ゆっくりと紅茶を味わいながらゆっくりと見つめるマサキ。
 鶴奈が自分のでドロドロに汚されたパンツを気にしながら仕事をしていると思うと、それだけで、またムクムクと息子が騒ぎ出してくるのを感じた。自己暗示によって気が大きくなっているマサキは、つい発作的にこんなことを言ってしまう。

「鶴奈さん、ぼくとセックスしませんか」
 鶴奈がブッと、飲み干そうとした紅茶を噴出した。少々刺激的過ぎたようだ。
「あー、もー! キーボードが! マサキくん変な冗談いうと怒るわよ」
 そういいながらも、本気の怒りの色は見せない。ただ必死になって、キーボードの紅茶をふき取っているだけだ。
 マサキは、自分を従妹の彼氏として歓待するという暗示が浸透していると確信した。怒られて追い出されるという心配がなければ、聞き難い質問もできる。そして、その質問には必ず答えなければならない鶴奈だから、ゆっくりと、探りを入れることができる。
「ははは、ごめんなさい」
「もー、しょうがないわね……」
 悪びれもせず心無い謝罪の言葉を口にするマサキに、そういって許してしまうしか鶴奈には手がない。ドロドロに汚されたパンツを穿かされる自分を思ってみれば、本当ならただの冗談ではなくて目の前のキモオタ中学生に危機感を感じてもいいはずだ。だが、それらをすべて当然のことと思わされている鶴奈にはそういうガードが働かない。
「それでも……セックスしたいなあ」
「もーいい加減にしてよね、仕事が片付かないから後にしてよ」
 おや、さすがに本気で怒ってきたかな。でも、もう一押し。
「後だったらしてくれますか」
「……だめ」
 冷たい口調で断られた。冗談が過ぎて、鶴奈をほんの少しだけ本気で怒らせてしまったようだ。歓待の暗示にかかっていても、怒りの感情はきちんと働いてラインを超えれば怒る。催眠と人間の感情の働きのバランスがどこらへんで取られているか、未熟なマサキにはまだ理解できない。
 鶴奈のような、理知的でプライドが高いタイプなら、こういう不謹慎な冗談で何度もからかわれたら無言で返すのだろう。しかし、質問にはすべて答えるという暗示が働いているから、そういう分かりやすい反応になる。
 これはこれで、間合いを計るには好都合かもしれない。今日のマサキは、そうポジティブに考えた。リビングルームは、一種の重たい空気が立ち込めて、鶴奈が怒りの感情をぶつけるようにキーボードを打つ音だけが響く。

「なんでしちゃだめなのかな」
 唐突に、沈黙を破るマサキ。この空気をあえて読まず、さらに追い討ちをかける。今日のマサキは怖いもの知らずだ。
「なんでって! もー浮気になるから駄目に決まってるでしょ」
 そういいながら、キーボードを打つ速度を上げる鶴奈。感情をそこにぶつけることにしたらしい、力が入りすぎてキーボードが壊れそうだ。鶴奈の抵抗点は、浮気だと分かった。これ以上怒らせても怖いので、話を変えることにした。
「そういや旦那さんって、見ないですね……」
「あー、主人は……」
 そういえば、鳥取家に通うようになって数日。ご主人の姿を見ていない。鶴奈たちから比べれば優先順位は下がるが、安全のためにきっちりと支配下に置いておかねばならない人物の一人だ
 鳥取家の主人、鳥取鷹郷は今年で三十歳になったばかりの商社マンだ。出勤する姿はマサキも見ているので容姿ぐらいは知っている。すらりとした長身にびっしりとした背広を着込んで、颯爽と歩く姿はエリートそのものといった感じ。そこそこの大手企業である糸井商事で、企画部の課長に昇格したばかり。最近、国内で展開中の大きなプロジェクトのリーダーに就任して帰宅も遅くなりがちだという。今は、近畿の支社に出張にいっていて今週は日曜日にならないと帰ってこないらしい。
 ここまで聞くと、気になるのが夫婦生活だ。
「やっぱり、一緒にいる時間が短くなってるから。主人の休みが取れる週一回がせいぜいってところかな」
 夜の生活のことまでは、さすがに抵抗があったのか話すのを躊躇したが、何度も問いただすと、ボツボツと話し始める。こうなってしまえば、あとは堰を切ったように聞かれてもないことまで話し始める。
「ここ数年は避妊はしてないのよ、ヒナもそろそろ大きくなったから、そろそろもう一人ほしいかなって。今度は、男の子がほしいわね」
 ほほー、子供が欲しいのか。そこまでは考えてなかったが、いずれ楽しませてもらおうと一人ほくそ笑むマサキ。ヒナがいま八歳で、逆算すると鶴奈が十九歳の時の子供ということになる。もともと幼馴染で、同じ大学に入ってほどなくしてヒナが出来たので鶴奈は大学を中退して結婚したらしい。よくある学生結婚で、周りの援助もあったのだろうがこの若さで子供を作って鷹郷も若くして昇進しているわけで、生活設計が乱れていないのは、鶴奈の内助の功といっていいのだろう。
 若くして家庭に入っても、老け込むでもなく、女としての美しさを保っているから八年付き合ってもきちんと夫婦生活があるのだと言えるし、もともと文才があったのかライターの仕事も好調で、旦那の企画のコピーとかも手伝っているらしい。主婦や母親の経験というのは、ライターにとっては役に立つスキルにもなる。
 そんな話をしているうちに、鶴奈の仕事は終わったようだった。

「――すっかり長く、話し込んでしまいましたね」
「あらいけない、もうこんな時間……少し遅くなったけど、お昼食べていくわよね」
 エプロンを巻きなおして、そそくさと台所に立つ鶴奈。
 昼食を一緒にと言われるのは予想していた。自宅の親には、しばらく昼は外で食べると言ってあるので昼食代まで小遣いに出来て一石二鳥だ。
 マサキは両親が共働きで、親が昼に居るなんてことはなかった。だから、鶴奈が手際よく調理している姿を見るのは、とても心が温かくなるように感じる。鼻腔をくすぐる匂い、フライパンのはぜる音。そして揺れる尻。マサキの母親に比べると、鶴奈は若すぎるが、母性と性欲がない交ぜになった親しみを感じるのだった。
「できあわせで、ごめんなさいね」
「いやー、そんなことはないですよ。おいしいです」
 温かい料理というだけで、マサキには十分ご馳走に感じられるのだった。そうして食欲を満たしたあとは、性欲を満たすべきだろう。
 おもむろに、ポケットの中の催眠装置のボタンを押す。

 キュルルルルルル――

 いつもの衝撃に思わず目をつぶる。脳髄に直撃するそれは嵐を切り裂く稲妻のようで、耐え難いほどの衝撃と共にある種の快楽すら感じさせる。脳幹から、脊髄までを貫く電撃にも慣れた。慣れてしまえば、腐りきった身体を、だれた脳髄を、貫いて浄化する槍のような心地よさだ。頭がスッキリしていくのを感じる。そして、長く感じるほんの数瞬の後に、静かに目を開ける。
 マサキは自分の目から、光が迸るのが見えたような気がした。目の前には、魅入られたように目から光を失った鶴奈が座っていた。暗示はすでに考えていた。
「マサキくんは、家族同然です」
「はい」
「あなたの旦那さんと一緒の家族だから、マサキくんとセックスしても浮気にはなりません」
「……セックスは、それでも、浮気です」
 納得いかないみたいだ。とりあえず試してみただけで、予想の範囲内。
「あなたは、膣からヒナちゃんをひねり出したんでしょう。だったら、その膣でマサキくんのモノを受け入れても一緒ですよ。浮気じゃないんです、分かりましたか」
「子供を生むみたいなもの……」
 マサキのかけた、苦し紛れのむちゃくちゃな暗示だったが、子供を生むのと同じといったところが、鶴奈の母性本能を刺激して、理屈に少し説得力を与えた。そこまで意図したわけではないが、結果オーライ。マサキは、セックスという言葉に鶴奈が抵抗を示しているとここで、気がついた。
「そうです、子供を生むのと一緒です。セックスするんじゃなくて、身体を自由に使ってマサキくんの欲求を解消してあげるだけなんです」
「欲求を解消してあげるだけ……でも……」
「マサキくんと、ツバメちゃんは恋人です。いずれセックスしますが不慣れで不用意でどんな間違いがあるかわかりません」
「はい」
「だから、経験豊富な鶴奈さんが間違いがないように性の手ほどきをしてあげるんです」「……」
「セックスじゃないから浮気にならないですよ、二人がいずれセックスする手伝いをしてあげるだけです」
「……手伝い」
「それが家族のためなんですよ、わかりましたか」
「……はい」
 半ば脅しだが、時間も来たことだしこんなもんだろう。これで、どこまでできるか楽しみに思えるぐらいの余裕が今のマサキにはあった。三十秒の余地を残して、スイッチをオフにする。大気へと消え行く光の迸りは、少しだけマサキの胸に燻っているようで、やり終えたあとの余韻を感じた。

「あれ……私。ああ、食器片付けないと」
 食卓の食器を集めて、ふらふらと鶴奈は片付けに行く。催眠の余韻が残っているのは鶴奈も同じようで、動きにいつもの活発さを欠いていた。特に外見に変化はないように見えたが、暗示は浸透しているはずだ。
「仕事は終わったんですよね」
「そうよ、コーヒーでも淹れるわね」
 どう切り出すか。コーヒーを飲みながら考えていると、向こうから切り出してくれた。「あの……ツバメちゃんとはどこまでいってるの」
「えー、どこまでって」
 思わず口よどんでしまう。どこまでもなにも、本当はまだ恋人同士として認識が定着しているかも怪しい。この前の失敗から、会ってないのだから。
「その……二人ともまだ中学生だから。私も、ツバメちゃんを実家からお預かりしている責任もあるし、もちろん節度ある付き合いをしてくれてるんだとは思うんだけど、ちょっと心配になっちゃってね」
 なるほどそう来たか。マサキはほくそ笑む。黙っていると、さらに鶴奈は続ける。
「その……あの……セックスとかさ。今日、マサキくんへんなことばっかりいうから、間違いがあったら大変だから」
「そうですね、溜まってしょうがないっていうことはありますね」
「溜まってって……男の子いないから、そのよくは分からないんだけど、そういうこともあるでしょうね」
「溜まりすぎて、ツバメちゃんと間違いが起こっちゃうかもなー」
 などとマサキは笑顔で言う。真っ赤になって俯いてしまう。小学生の娘がいるとは思えない初々しさだなあ。鶴奈の話しが全部本当なら、旦那以外に経験ないっていうしこんなものなのかもしれないと、マサキは思う。
「じゃあ……その……」
 その先が小声すぎて聞こえにくい。ちょっと萌え。一回りも上の女性に、萌えってのもなんだが、マサキから見ても鶴奈はすれているところがなくて、動作も可愛らしいく思える部分があるのだ。
「声が小さすぎて聞こえないですよ鶴奈さん」
「あのね! マサキくんが良ければでいいんだけど、その間違いが起こらないように抜いてあげるというか、練習につきあってあげるというか……」
 また声が小さくなってしまった。鶴奈は確かに美人だ。しかし、なぜ年上の女性を可愛らしく思えるのかと、頬を染めて目をそらしている顔を見つめていると、マサキが年配の女性に感じるいやらしさというものがないのだと気が付いた。
 悪く言えば色気に欠けるというのかもしれないが、鶴奈は清楚なのだとマサキは思う。「じゃあ、手伝ってもらおうかな」
 だから、あんまり虐めるのも止めにして助け舟を出す。マサキのいきりたったものが限界だというのもあるが。
「うん……ここじゃなんだから、寝室にでも行きましょうか」
 リビングのテレビや電気を落として、玄関まで行ってガチャリと音をたてて鍵を閉める。そうして、夫婦が営みを行うであろう寝室に招き入れられる。一瞬、もしかしたら鶴奈の趣味だと真っ赤じゃないかと思ったが、壁紙は白でダブルベットは薄いピンクだった。マサキは気が付かないが、結婚八年目でダブルベットに一緒に寝ているというのは相当夫婦仲がいい証拠だ。
 ベットと同じピンクのカーテンが閉められる。手持ちぶさたにベットに腰掛けるマサキ。いそいそと、エプロンを脱ぎ捨てた鶴奈はソワソワと落ち着かない様子だ。マサキは、正直もう一杯一杯でさっさと抜いて欲しいのだが、経験がまったくないので自分から手を出すことができない。どんだけ自己催眠で強化しても、童貞の限界点というものがある。 鶴奈は、何を考えているのか丁寧にエプロンを折りたたみ始めた。もうちょっとじらすのもいい加減にしてくれと、マサキは声をかける。
「鶴奈さん……その、するなら早くしてください」
「うん……わかったわよ」
 おもむろに、マサキのズボンに手を書ける。ジャージの普段着だから、ズボンもパンツも一気に脱がしてしまうと、マサキの粗末な包茎チンポが飛び出す。完全に勃起していても、まだ皮を被っているのが悲しいところだ。
「皮はやっぱり剥かないと……」
 覚悟を決めたのか、手でぐにぐにっと刺激する鶴奈。
「鶴奈さん、ちょっとフェラですか」
「うん……そうしようかと思って、ごめんねセックスは無理だからね」
 フェラチオは前にもしてもらったし、セックスできるように暗示をかけたつもりなんだけどなあ。
「せめておっぱいぐらい見せてくださいよ」
「ん、胸? 見たいの?」
「そりゃ見たいですよ、そっちのほうが興奮して早く終わります、お願いしますよ」
「ん、じゃあしょうがないわね」
 結構抵抗なく、上着をはだけてブラも取ろうとする。
「あー、ぼくに取らせてもらっていいですか、練習に」
「はい」
 そういって、前に胸を突き出してくれる。小ぶりだが、形の良い胸だ。そんな胸の形など気にしていられないほど、興奮して後ろのほうに手をやるマサキ。背中を弄る。
「あ、違う。これ前フロントなのよ」
 たいした失敗ではないが、マサキはとても恥ずかしかった。いったん手を引いて、ブラを見る。マサキがポケットにつっこんでいる、真紅のパンツと柄が御そろいのブラだった。確かに、前にフックが着いているのが分かる。
「最近は前フロントも多いから、こっちのほうが外しやすくて簡単だという理由もあるわ」
 片手ではずそうとして、ブラを引っ張ってしまうマサキ。不器用に、どこまでも失敗していくのは厨房らしさというものか。
「ただ引っ掛けてるだけだから、落ち着いて両手ではずせば」
 今日こういうことになるとは、思っていなかっただろうに、勝負下着をちゃんと着けていたのは主婦の勘というものかなどと、馬鹿なことを考えながらマサキはブラをゆっくりとはずしてポケットにしまいこむ。
「ちょっと、ブラは持っていかないで」
 しかたがないので、ブラをベットに放り投げるマサキ。
「もう……」
 鶴奈は胸を隠すように、肩をすくめる。
「下も、スカートは脱いでもらえますか」
 厚手のスカートを無言で脱ぐ鶴奈。さっき、マサキが無理やり穿かせた精液ドロドロのパンツを穿いている。パンツは穿かせたままのほうがいいだろうか。
「これでいいでしょう、もう抜いてしまうわね」
 一度やってしまったからなのだろうか、結構抵抗なくマサキの勃起したものを口に含んで皮を剥く鶴奈。もう限界寸前だったマサキには否やもなく、感極まったように腰を振る。
「ちょっと、もう。腰振ったらやりにくいよ」
 マサキの薄汚いものには嫌悪感を感じるものの、過剰反応は面白かったのか少し笑顔が戻る鶴奈。端正すぎるから、怒っていると険が強いのだが、笑えば可愛いのだ。動きを止めたマサキのモノを、ゆっくりと舐め取ってやる。
「ああ……出ます」

 ドピュドピュドピュドピュドピュ!

 その不味さに顔を顰めながらも、飲み取ってやる鶴奈。これは、別にそう暗示をかけられたわけではなくて、旦那がそうするように教育したので、鶴奈はフェラチオしたら飲むものだと思い込んでいるのだ。
 それでも、旦那のものとは違って不味いなあと鶴奈は思う。精子はもともと不味いものだが、健康状態によって味が変わる。不摂生な食生活をしているマサキの精子が、旦那のそれより不味くても不思議はない。
「じゃあ、私。口をゆすいでくるから」
 そういって、洗面台に走っていく鶴奈。一度出してしまって、呆然としたようにベットに脱ぎ捨てられているブラを見つめながらマサキはベットに倒れこんだ。

「もう今日はやめておく?」
 気が付くと、ベットに倒れこんでいるマサキを鶴奈が見つめていた。マサキの精力は中学生だからそれなりに強いが、引きこもりがいきなりセクシャル行動は結構精神を消費するものだ。口ではでかいことをほざいても、ヒッキー青少年は結構、繊細なのである。
「いや……まだ……」
「そうね、まだ立ってるみたいだし、それじゃあもう一回」
「ちょ、ちょっとまって」
 あわてて起き上がる、マサキ。このままなし崩し的に何度もやられたら、前と一緒だ。「鶴奈さん、オマンコ触ってもいいですか」
「え……、うーん触るぐらいなら」
 有無を言わせず、自分が汚したパンツに手を突っ込む。初手マンにドキドキする、マサキ左手は添えるだけ。陰毛がサワサワする感覚。少し暖かい感じはするんだけど、湿り気があるようなないような。
「ちょっと、急に」
「うーん、これって濡れてるのかな」
「……濡れてるわけないでしょ」
 自分がぶっ掛けた精液の湿り気が残ってるだけだった。
「うん……」
「デリケートなところだから、強く触らないでね」
 経験がまったくないので、マサキは本当に分からない。とりあえず、強くならないようにまさぐるところから始めた。なんとなく、鶴奈がやさしい目線で見てくれているような気がマサキはした。
 マサキの未熟さは、子供のいる鶴奈にとっては少し快いものに感じたのだ。なんとなく、いい雰囲気がでているとマサキは感じていた。ベットに二人で座って、右手で鶴奈の股をまさぐっていると、それだけでもう一発出てしまいそうな感じだった。
「胸も触っていいですか」
「……いいわよ」
 前に回って触ろうとしたのだが、どうもしっくり来ない感じだったので、後ろ側にまわりこんで、胸もまさぐってみる。
「ん……」
 オッパイの感触というのは、本当にいいものだ。執拗にまさぐっていると、鶴奈が、息を吐いた。また、右手で股をまさぐってみた。今度は少し濡れているような気がしたので下着をズリ下ろした。我慢できなくて、入れようとして。
「ちょっと、まって入れちゃだめよ」
 鶴奈に静止された。
「すいません……」
「口でしてあげるからね」
 すぐさまいってしまった。

 ドピュドピュドピュドピュドピュ!

「ありがとうございました、今日はもう帰りますね」
「ふぇ……はーい」
 やはりきちんと飲み干してくれる鶴奈を見て、とりあえず満足してしまったので今日は帰ろうと思った。セックスまでいけなかったけれど、別に今日は失敗だとは思わない、明日またやればいいのだから。
 自分が汚したパンツをしっかりと穿いて、玄関まで見送ってくれる鶴奈の姿はそれなりにマサキの心を満足させてくれるものではあったからだ。


プロフィール

ヤラナイカー

Author:ヤラナイカー
おかげさまでプロ作家になって五年目です。
ボツボツと頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします。
(プロフの画像、ヤキソバパンツさんに提供してもらいました)



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