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E小説(中出し・孕ませ・時間停止・催眠・環境変化など)
エロ小説のサイトですので18歳未満の方はお帰りください。傾向はマニア向け、作品中のほぼ100%中だし妊娠描写、付属性として時間停止・催眠・環境変化などです。
第十章「はかい」
 山本姉妹の家に行かないとき幸助は、たいてい円藤希の家に向かう。もちろん、希の家にいるはずのマサキと話すためである。学校でのルシフィアの様子、催眠道具の微調整、そして幸助の今後について、相談したいことは山ほどあった。希とはいまだに打ち解けていないが、妹の望とは気軽に話しもできるのでそれが楽しみでもあった。
 望のいうとおりなのだ。一度秘密を共有できる相手ができると、それを黙っていて過ごすのにはストレスが溜まるのである。
 もう少しで、希の家につくというところで小学生の女の子に話しかけられた。
 そう思ったのもつかの間、巫女服だったのでもう反射的に分かってしまう。
 平賀神社の一人娘、平賀芽衣子。おん歳十八歳であった。
 緋袴という目立つ服装は、芽衣子だと見分けるのには最適であり、これも彼女にとっては利便性があるのだと幸助は気がついた。これで、子供っぽい服でも着ていようものなら顔を知っている相手にすら、近所の子供だと勘違いされてしまいかねないだろうから。
「富坂さん……すこし話をしませんか?」
「いま、円藤さんの家に向かってるところなんだよ。よかったらそこで一緒に話さないか」
「いえいえ、神社のほうが安全ですから。それと二人でちょっとゆっくりと話したいこともあるので」
 そうやって人懐っこい笑みを浮かべている。上目遣いに見上げられると、性的な意味でなく可愛らしいので学校で人気があるのも頷ける。円藤家が危険だとは思わないが、断る理由もないのでついていくことにした。
 山を回りこむように歩いて、すぐ向かい側までいけば平賀神社なのだ。去年の受験前いらい参拝していないし、たまには行くのもいいかとも思ったのだ。
 平日の神社というのは人気がないものだ、ここは日持ちしそうにない饅頭なども販売しているのに、経営は大丈夫なのかと心配になってしまう。神社を回りこんで、奥の家のほうに通された。貧乏神社と思いきや、意外にも円藤家よりもでかいのでびっくりしてしまう。
「でかい家だな……」
「いえいえ、古いだけですから、申し訳ないですけど家のほうではなくてもっと奥までついてきていただけませんか、二人で話すのに最適な場所があるので」
「そうか……って、森に入るの?」
 断る理由も思いつかないのでついていく。注連縄で厳重にくくってある場所を何度も乗り越えて、山の中に分け入っていく。怪しいと気がつきそうなものなのだが、何度もいうように幸助は素直な性格なのだ。ただの馬鹿ともいう。
「ここらへんですね、あっもうちょっと右に……そうそうあと半歩右です」
「えっと、なんでこんなただの空き地みたいなところに」
 古井戸と苔むした社がある以外は、何の変哲もない森がちょっと開けた空き地である。さすがに、ちょっとこれはおかしいぞと幸助が考え出した矢先。ドン! と平賀芽衣子が足を打ち鳴らした。
 その衝撃で、幸助の地面がパカッと割れて。
「うああぁぁぁ」
 あとは、落下するのみであった。

 幸助が激しい落下の衝撃から暗んだ目を覚ますと、そこは薄暗く岩に囲まれた四角い部屋であった。前面が岩張り、というか岩をくり貫いて造られたのではないかと思う空間。天井の幸助が落ちた穴から、芽衣子が覗いている。
「すいませんね……私が力不足なんでこんなジワジワとした殺し方しかできなくて」
「殺し!? いったいなんのつもりだ」
「うちの神社は、いまでこそ平賀源内神社ですけど……大昔は鬼を封じる陰陽師を代々輩出した霊山なんですよ。鬼がいなくなって、失業しちゃったんでいまは営業してないんですけど、こういうあなたのような能力者を殺すための仕掛けが、神社には残ってるわけです」
「だったら殺さないでくれよ……なんだよ俺が鬼だから殺すのか?」
「そうですね、ただの鬼だったらよかったんですけど……自覚はないんでしょうけど、あなたの存在は危険すぎます」
「そんな理由で殺されてたまるか! ……わる」
 幸助は時間停止をしかけた。だが止まらない。
「無理ですよ、あなたの力はこの神社の中では使えません」
「そんな……ゲホッ、ゲホッ、なんだ息苦し……」
「そろそろ効いてきましたか、この落とし穴に天然の有毒ガスを流し込んでいるんです。そんなに苦しまずに死ねると思いますよ」
「ばかなことを、これは殺人だぞ……」
「私はあなたと学校で接点ないですし、今日も誰にも目撃されてないと思います。万が一ばれても天然ガスの中毒による事故死だと説明します」
「くそぉ!」
 何度も時間を止めようとしたが、止まらなかった。よく床を見渡せば、朽ちかけた人骨らしいものがたくさん床に落ちている。壁をつたって登ろうにも、表面は磨かれて手をつく隙間もない。鉄のように堅い岩で、どれだけ叩いても傷一つつけられそうにない。絶対絶命であった。
「最後の食事とかは無理ですし、タバコも生憎切らしてましてご要望にはお答えできませんが、何か遺言があれば聞かせていただきます」
「……助けてくれ」
 本格的に息苦しくなってきた、ガスが充満しはじめてきたのだ。たぶん幸助はもう長くない。もし、ここで幸助に一点の脱出口があったとすれば、それは平賀芽衣子そのものであった。彼女は、穴に落としたら無駄話をせずに、さっさと逃げてしまえばよかったのだ。そのほうが、犯行現場に留まるよりもより安全である。
 この、犯人がペラペラと自供したり、長口上を話したりする現象は、心理学的には良心の呵責の表れであると言われている。彼女は、人を殺すこと……鬼と称していても現代人の倫理観のある彼女にとって、人を殺すことは初めての経験だった。
 幸助が口先三寸で彼女の呵責の急所をついて、説得できれば脱出は可能かもしれない。だがそれをチャンスだと捉える余裕も、その話術もいまの幸助にはなかった。
 あと数分で、幸助は死ぬ。だから、必死で叫んでいたのに、もう平賀芽衣子の声は聞こえなかった。きっと自分を置いてどこかに逃げて、今頃アリバイ作りでも始めているのだろう。そう絶望した幸助の耳に、希望の声が聞こえてきた。

「おい、希……芽衣子を気絶させたらガスの止め方がわからないだろう。やばい、気がつかないぞ。女の子の腹を、どんだけ強く殴ったんだよ」
「すいません、私が何とかしますから」
 そう希の声が聞こえた瞬間に、「ドカン!」と馬鹿でかい音がして、天井に大きな穴が開いた。ぱらぱらと岩の破片が落ちてきたので慌てて逃げる幸助。その幸助の腰を、ザクッと掴んで希はまた飛び上がって、新しい穴を天井にぶちあけて着地した。
 岩の破片が頭に当たる痛みがなければ、現実だと信じられないぐらいだ。
「あ……ありがとう」
「……どういたしまして」
 地上では、気絶した平賀芽衣子を抱き上げているマサキが、こっちを呆れたように見て声をかけた。
「もともと、落とし穴が開いてるんだから、新しい穴を開ける必要ないだろ……しかも二つも」
 どうやって堅い岩盤を拳で割るのかも聞きたいところだが「岩の柔らかそうな部分を殴る」とか、平気な顔で言ってきそうなのでやっぱり聞きたくない。円藤希は、あいかわらず笑えない冗談みたいな怪力ぶりだった。
「こんな危ない施設……いっそのこと、破壊したほうがいいかと思いまして」
 一応、希にも考えがあるようであった。でも、拳で叩き割ったときの密やかな笑顔を見ていると、やはりストレス解消としか思えない。
 あまり希を危ない目に合わせたくなくて、強いと分かっていても切り札にしか使わないマサキだったが、もしかすると適度に活躍の場所を作ってやったほうがいいのかもしれない。

 もう幸助は結構ガスを吸ってしまったのでぐったりとしている。ただ呼吸困難に陥れて殺すだけの、毒性の薄いガスであるので解毒は特に必要ないだろうが、しばらくは安静にしていなければならない。
「希は、幸助くんを家まで送ってやってくれ。ぼくは、平賀芽衣子を連れて行って、話をつけてくるから」
 マサキを一人にするのを心配する希だったが、マサキに命令と言われると幸助を抱きかかえて去っていった。さてと、マサキは平賀芽衣子を抱いて神社のほうまで戻る。マサキは昔に比べれば身体を鍛えてもいるし、小学生の身体つきなので、これぐらいは軽いものだった。
 裏口から勝手に座敷に入り、布団を敷いて芽衣子を寝かせてやる。だだっ広いわりに、普段は親と芽衣子しかいないから、親は夜までは社務所に詰めているし、この家にはマサキと芽衣子の二人っきりのはずだ。もし、誰かいて不法侵入をとがめられたとしても催眠でなんとかできるということもあるが、このマサキの前で寝ている娘はいま殺人をやらかそうとしたのだ。それに比べたら、たいした罪でもあるまいとマサキは思う。

「んっ……」
「目が覚めたか」
「はっ……マサキ様!」
 そういって、正座する芽衣子。希の強烈な一撃を受けての起きたてにしては、見事なものだ。ダメージが残っている様子もない。小さな身体なりに芽衣子も、精進しているということなのだろう。
「失敗したな芽衣子」
「……言い訳のしようもございません。監視されていたのですね」
 幸助を監視していたのが、忍者ばりに気配が消せる佐藤理沙だったので、気がつかなくても当然だろう。芽衣子と合流した時点で、すぐ希とマサキに連絡が行って事なきを得たというわけだ。
「ぼくは、幸助くんに手を出すなといったはずだ」
 そう、マサキは言う。芽衣子には、催眠をかけてはいない。巫女の力を持って生まれてきた芽衣子には、催眠がかかりにくいのだ。だから、マサキの家族ではない。あくまでも協力を依頼しただけで、命令ではないのだが、それでもだった。
「マサキ様も、富坂さんの危険性は理解しておいでなのでしょう……あれは鬼なんてものではありません」
「それはそうだが……友達なんだ」
「佐上ルシフィアがそうなら、まだ許せました。でも、富坂幸助だけは駄目です。あれは時間を止める能力ですね、あんな力はこの世にあっていいものではない!」
「だから、人を殺していいという理由になるのか」
 感情的になる芽衣子に、冷静に諭す。
「……なります。富坂幸助がもし邪悪なものとなったら、この世の全ての人間を殺し尽くすことだってできる。彼が地獄に落ちたら、その瞬間に世界全てが地獄に落ちるんです。そんな力は鬼ですらない、忌み神ですよ。世を滅ぼすものです」
「それをさせないのが人の知恵だろう……人類を七度死滅させるだけの大量破壊兵器を持ちながら、平然と日常を生きているのが今の人間というものだ」
「私は、陰陽の巫女です。現代にあんな化け物が蘇って、消えていたうちの神社の封鬼の力も戻りました。これは、私に鬼を滅ぼせという神意だと……」
「だったら、ぼくは神に逆らってやる……お前を巫女でなくさせる」
 そうやって、マサキは布団の上に座る芽衣子を押し倒して抱きしめた。抵抗しようとした芽衣子を、組み伏せて押さえつけてしまう。技としては、お互いにそこそこできたが、何分にも体格差がありすぎる。小学生サイズの芽衣子が身体の大きなマサキに押さえつけられて、身動きできるはずもなかった。
「巫女でなくさせるって……意味がわかっていってるんですか」
「ああ、本気だよ」
 そういって、スルスルと帯を解いてしまう。袴を剥ぎ取るのもあっという間だった。こういう服を脱がすのはコツがあるのだ。脱がし難い服を脱がすのにかけて、マサキはすでにプロフェッショナルの域に達している。
 色は白色だったが、芽衣子は大人らしい黒いレースの入った下着を着けていた。ああ、せめてこういうところだけでも歳相応にというか、芽衣子のいじらしい気持ちを感じて、少しだけマサキは脱がす手を止めた。
「前に頼んだとき、抱いてくれなかったのに」
「可愛い下着だな……」
「話を誤魔化さないでください!」
「誤魔化してはいないさ、お前を抱くという話をしている」
 ブラも剥ぎ取ってしまう、可愛すぎる胸に可愛い乳首。さっと顔を赤らめて、胸を手で隠した。もう、拘束する必要もないだろうとマサキは手を離してしまったのだ。

 実は一度、芽衣子はマサキに告白していた。最初、怪しげな催眠の力を使うマサキを鬼だと怪しんで近づいた芽衣子であったが、彼女は力があるからこそすぐにマサキがただの人間だと分かった。だらしない服装や、だらしない生活をしているように見えるから、マサキは皆に嫌われているけれど、本当は誰よりも優れていて努力をしているのだと芽衣子はすぐに気がついた。
 マサキの精神は高校一年生という若さで、すでに禅の高僧のような境地に達している。吐く息は千に一つの乱れもなく、歩く姿はまるで蓮の上に舞うようで。芽衣子には自分があと千日の修養をしても、マサキの足元にも届かないだろうと思われた。コツを聞くと、自分に催眠をかけ続けたのだという、芽衣子の世界では、それは自分に呪いをかけるということであり、狂気と尋常のハザマを軽く飛び越えていくということだ。
 自分と同じ人間、しかも天賦の才を持たぬただの人が、こんなにも高みに存在する。芽衣子は密やかに自分は特別だと思っていた驕りを打ち砕かれて、自分の目標よりも彼方に至っているマサキを羨んだ。そして羨望と尊敬が愛情に摩り替わるのに、そんなに時間は要らなかった。だから勇気を振り絞って、愛の告白もした。
 断られるのは覚悟していた、自分は小学生の身体のまま成長が止まっているうえに、中身はマサキより二歳も年上だから、そんなチグハグな女を好きになってくれる男がいるわけもない。マサキには、たくさん魅力的な女性が取り巻いているようだから、ただほんの少しだけ自分にも向いてくれたらと優しさにすがってみただけだった。
 断られた理由が、芽衣子には催眠が通じないということと、いずれ封鬼の力が役に立つから巫女としての資格を失って欲しくないということだったのが納得いかなかったが。それすらも、佐上ルシフィアの登場で「やはりマサキ様の読みは自分の想像を超えている」と更なる信望にもなった。自分はこのためにここにあったのだと改めて自信を持つことも出来た。
 それなのに、それだというのに。ついに時間を止めるという人類の敵とも言える異能を持った鬼が現れて、自分が退治しようとしたところを「友人だから止めろ」と。あまりにも「それはないじゃないか!」というのが、芽衣子の気持ちだった。こんな気持ちのままで、マサキに抱かれて、ただの人間になってしまうなんて余りにも酷いじゃないかと芽衣子は悲しくて泣く。


プロフィール

ヤラナイカー

Author:ヤラナイカー
おかげさまでプロ作家になって五年目です。
ボツボツと頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします。
(プロフの画像、ヤキソバパンツさんに提供してもらいました)



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