第三章「妊娠遊戯」 |
なぜかその夜、一則はサオリに攻め立てられて強制的に腕立て伏せをさせられていた。催眠の副作用で、サオリが鬼教官みたいな人格になってしまったのかと一瞬いぶかしんだが、どうやらこの前の一則が起き上がれないって理由でセックスしたのが尾を引いているらしい。 これから、一則はサオリと一緒になって幸せになるつもりなので、一家の大黒柱として体力をつけなければならないと思っていたところだから、渡りに船といえるのだ。サオリに叱咤激励してもらえると、運動もやる気になる。それもこれも、二人の幸せのためと一則は汗をたらたらたらしながら、がんばる。 それにしても、最近のサオリの対応は、親しくなったというより、キツクなった。あるいは優しさがなくなったという感じだ。身体のつながりができたら、すぐ心もつながると思ったのは、童貞の勝手な妄想というもので。一回や二回やったぐらいでは、親しくなるどころか、逆に男と意識されて余計に嫌悪されてしまう羽目になったというところか。ここで諦めるぐらいなら、最初からやらない。一則にはちゃんと次の作戦もある。楽しみながら、やり切れる覚悟がある。覚悟が一則の歪んだ愛情が更なる残酷を産む。
「寝る前に、今日排卵日の早崎さんにすこし注意事項があるんだけど」 「なんですって!」 一緒のベットの中で相変わらず裸になって醜い裸体を見せ付けていた一則を、嫌そうに見ているサオリに一則は声をかけた。それで、サオリの今日も入眠儀式をしようと催眠レコーダーに伸ばした手を止める。 なぜ自分の排卵予定日を一則が知っているのかという怒りを含んだ、鋭い形相だ。 「実は、ぼくは寝るときにダッチワイフと一緒に寝る癖があるんだ」 「聞きたくもなかった報告ですね。ダッチワイフって、たしか大きなお人形みたいなその……男性が性欲処理に使う、ああ、それで抱き癖があるといってたんですね、桑林課長はあいかわらず気持ち悪い……それとその私の……危険日と何の関係があるんですか!」 ちかごろサオリは、素直に一則の繊細な神経を傷つけるような感想を述べるようになってきた。これを親しくなったと見るべきか、さらに嫌悪されたと見るべきかは考えてしまうところだ。多分両方だろうというのが一則の見方で、それはおそらく正しい。 いまはラブドールというのだが、少々古い名称のダッチワイフを使ったほうが女性のサオリには分かりやすいだろうというのが一則の心遣いだった。それにしても、ダッチワイフ(オランダ妻)とは、歴史的名称とはいえオランダ人船員に対する偏見を感じさせる名称である。ラブドール(愛人形)のほうが素敵でいいと一則は思う。 「そのダッチワイフはサオリっていう名前なんだけど」 「最悪です……なんでわざわざそんな名前をつけて……いやっ、そんなことじゃなくて私の質問に答えてくださいよ」 なぜ自分の生理周期を一則が知っているのか。詰問しようとしたサオリを無視するように、一則は一方的に言葉を続ける。 「寝ぼけて、サオリと勘違いして、その早崎さんに変なことをするかもしれないから気をつけてほしいなと。ぼくが君をサオリって言ったときは寝ぼけてるからね」 変なことという言葉の部分で、嫌な思い出を思い出したのか、サオリの顔がさっと青ざめて、また怒りに赤く染まる。 「そんなこといわれても……少々ひどい起し方になるかもしれませんが、万が一寝ぼけて私に変なことしてきたら、思いっきり殴って蹴って起しますからいいです」 そう鋭く警告だけして、ようやく息を吐いて満足したのか。それともこれ以上この馬鹿に何を言っても無駄と思ったのか。サオリはレコーダーをかけてさっさと眠ってしまった。あれだけやられて、殴って蹴ってで済ませるというサオリはまだ優しいのかもしれない。そうして、その優しさに付け込もうというあいかわらずな最低人間が一則だ。 サオリが寝入ったのを確認すると、一則は寝たふりをやめて、部屋の電気をつけて憎らしげに「抵抗できたらいいんだけどね」とほくそ笑む。醜悪を通り越して、それは邪悪な微笑みだった。
疲れきった子供ぐらいぐっすり眠っているサオリ。こうなってしまえば、赤ん坊ほどの抵抗もできない。サテン生地のピンクの寝巻を脱がして、黒地に白のレースをあしらった下着をゆっくりと剥ぎ取っていく。 結構面倒臭い作業でもあるが、この時間が一則は結構好きだ。 また、例の高級拘束具をきっちりと装着し、万が一全力で暴れられても外れないように気をつける。まあ、ベットの柱にくくりつけておけば、そのベットの上に寝ている人間がどんなに力を込めて暴れてもベットが動くだけのことなのだ。それは、人間が自分の身体を持ち上げて浮き上がれないぐらい確実に、サオリが拘束されたということ。 一則は、この扇情的な光景が大好きだ。涎が出る。 きちんと、カメラとマイクをセットして、『緊急開錠キーワード』と書いた紙も用意しておく。サオリがちゃんと気づいてくれるとより楽しいセックスになるだろう。 「さて、可愛い可愛い眠り姫ちゃんは、中々起きてくれないからな」 それはサオリの寝起きが悪いのではなくて催眠のせいなのだが。 とりあえず、目の前のオマンコをこねくり回してみる。ローションも買ってあるのだが、なんとなくまだ使う気にならない。前戯を楽しみたいという一則の気持ち。あとまだ、行為に至るまでの過程を楽しみたい気持ちが強い。心も顔も醜い男だが、それと同時に一則はロマンティストでもあるつもりなのだ。そうでなければ、こうも面倒な犯し方もしないというのはたしかにいえるかもしれない。 「ふふふっ……」 一心不乱にオマンコを指でかき回して、弄ぶ。そのたびに、息が荒くなったり何らかの反応を示す。楽しい、心地いい。 一則にとって、憧れだった恋焦がれていた女性。いまも愛している女性。それが本人の意思はともかく、自分の好きなように弄くれるこの喜びは至福。全てを捨てても惜しくないほどの喜び、これで二百万円は安い。激安バーゲンセールだ。 今度は口に涎をためて、舌に絡めてからオマンコを外側から嘗め回した。ビラビラを舐める、そのまだむけてないクリトリスを上からちゅっと吸う。すこし、すえた味のする尿道の周りに舌の先を押し付けてほじくる。そして、タップリと舌が届くギリギリまで、サオリの奥底を味わう。 濃厚な、サオリの味に溺れてしまいそうだった。ギンギンに興奮する。果てしなく興奮する。 「ふふっ……あははっ!」 すぐ入れて犯して射精してしまえば、気がつかないまま妊娠するかもなあサオリちゃん。そういう自由もあり、もっと別の犯し方もできる自由もある。 「あぁ、人生ってこんなに楽しかったんだな!」 そう一則は少し感極まって、うれし泣きをこらえるように醜悪な顔を憎々しげにゆがめた。 「そうだ、サオリちゃんが寝ている間に、アナル攻めを試してみるか」 拘束具と一緒に、アナル攻略グッツも攻略したのだった。さっそく、アナルバイブとアナルビーズを持ってきた、一則はローションをたっぷり、サオリの小さな菊の門に塗りたくって、細い鉛筆ほどのバイブを挿入した。 あくまで、これは初心者用のものだ。挿入しやすいペンシルバイブは、ゆっくりと刺激が強くなりすぎないように、サオリのアナルの中で回転して少しずつ下地を成らして行く。 「こっちも徐々に開発しておかないと、妊娠してから困るもんね」 妊娠中も夫を楽しませてこそ、大和なでしこのたしなみといえるだろう。一則がこんなこと言ってると知ったら、サオリは激怒するだろうが。悲しいかな眠っているままで気がつかない。 「それにしても、深い眠りだな。催眠の効果は着々ということか」 普通アナルをほじくりまわされてたら、起きるものだけど。だからこその催眠なのであろう。一則の手つきは、大雑把で大胆である。いま起きたとしても、催眠に染まったサオリ相手にどうとでも言い逃れて見せようという腹なのだ。 「じゃあ、アナルビーズも試してみようか」 これも初心者用、ほとんど紐みたいなものだし、ビーズも柔らかい素材で作られていて、それほど大きくない。その代わりにビーズの数が二十個ほどもあって、これが直腸の中に溜まったら、それなりにお腹に圧迫感があるだろう。 一則は、ゆっくりとビーズにもローションをなじませて、ひとつひとつ入れていく。 「ぬぅん……うぅん……」 苦悶の表情で呻くサオリ。そりゃあそうだ、サオリの身体は慣れてない。普段排泄物を吐き出すだけの器官に、ソフトプラッチックのボールが逆に押し込まれているのだから苦しい。 なんとか、サオリが起きるまでに全てのボールを直腸の中に押し込むことができた。最後は指で押し込むようにして、思わず「ぐんっ!」と力を込めた。 「……うぁん……あっ……苦しいっ……なにっ!?」 サオリはアナルの圧迫感と衝撃で、ようやくお目覚めになられたようだ。間一髪だったな。起きたら起きたときのこと、一則は慌てもしない。 ゆっくりとウエットティッシュでサオリの直腸液とローションで汚れた手をふき取ってから、サオリににじり寄って行く。 「ううぅん……サオリ」 「私を名前で呼ぶなと! あっこれって、寝ぼけてとかいってたやつかな……思いっきり殴ってやるからっ! ああっ、嘘! また裸で縛られてる!」 サオリは現状を認識したようだった。眠りが深い上に、目覚めたらしっかりと覚醒するのがこの催眠の特徴。覚醒したからといって、現状認識できるかどうかはサオリ次第なのだが、彼女の聡明さは一度経験した状況をすぐ理解できるようだった。それは、一則にとっても好都合。 自分が寝ぼけているという”催眠設定”も、すぐ理解できるということだから。 「サオリ、可愛いよ。おっぱい大きいよ」 そういって、サオリの豊かなおっぱいを一則は乱暴に左右にかき回す。 「あっ、動けない。くそっ、うっうっ、起きて、桑林課長! 起きて、起きてぇ!」 ちゅーと、まだ勃起していない乳頭に吸い付いた。右の乳頭はそうやって、すぐに一則の口のなかで大きくムクムクと成長していく。左の乳頭は、弄繰り回されているうちに立った。乳房に比例して、なかなかに自己主張の激しい乳頭である。 一則のとっては、理想的なサイズ。それをちゅちゅと、執拗に吸いつく楽しさ。 「吸うな! 起きろ馬鹿ぁ……起きろぉ!!」 「おっぱい出して、サオリのおっぱい飲みたい」 「出るわけないだろ、馬鹿ぁああ」 身体をガクガクと左右に震わす。そのたびに、それに繋がっている古いベットの柱もぎしぎしと鳴るのだが、古い割りに頑丈な木材で作られているベットは、びくともしない。そうして、両手両足を縛られているサオリの革と鎖の拘束もびくともしないのだ。無駄なことを、そう一則は心の中で嘲笑する。 「サオリぃ、愛してるよ」 そういって、べろんとサオリの顔を舐めた。サオリはせめてもの抵抗で、顔をブルンブルンと振りまくった。それをちょっと引いて避ける一則。頭突きは、たぶんサオリの唯一といっていい抵抗方法だろう。だが、仰向けに拘束されているいまの状況を思えば、無駄に頭を持ち上げて暴れることは、サオリの体力がどんどん奪われるだけなのになと一則は呆れた。案の定しばらくいやいやと頭を振ってるうちに、サオリはぐったりとしてきた。当たり前だ。 それでも口は動き続けて、一則を叱責して覚醒を促している。女性であるサオリは、体力がさほどない、サオリがそれでも声を張り続けられるのは持ち前の気の強さだろう。気概というものだ。 「いいかげん起きて! はぁはぁ……桑林!! どけ! どいて!」 「サオリ、そろそろサオリのオマンコにぶちこむよ」 だから、無駄なんだって。一則は早く緊急開錠キーワードに気がついてくれればいいのにと思いながら、すでに準備が整っているサオリのあそこにあてがう。 「やっ、入れるな馬鹿! 入るわけないから!」 「んっ、サオリのここはお待ちかねみたいだね」 にゅるんと一気に挿入した。ゆるゆると、一則のものを受け止めていくサオリの膣壁は喜びの蠕動で震えた。 「どうして! なんで私の、濡れてるのぉぉ?」 あまりにもすんなり入ったのが疑問だったのだろう。そのショックかどうか、お尻に入っている異物感にはさすがに気がつかないようだった。まあ慣れてないから、便秘の感覚とそうかわりないはずだ。それに前の穴に挿入されてそれどころじゃない状態なのだから気がつかないのはしかたがない。 「ああぁ、サオリのなかぐちょぐちょの濡れ濡れだよ、サオリはエッチだなあ」 「ぎゃああぁぁ、うぅぅ、うるさい! 私はお前の人形じゃない!」 自分がぬれているのを自覚して、サオリは真っ赤になって怒る。 「サオリ、ハァハァ……すぐサオリのオマンコにチンポミルク中に飲ませてあげるからね、ぼくの可愛いサオリ」 「だめぇ、今日はほんとに駄目だから、お願いだから! 起きてください桑林課長ぉぉお!!」 ガタガタと鎖を震わせて暴れるサオリ。その小柄で筋肉なんてほとんどないような柔らかい身体で、まだそんなことができる体力が残っていたのだろうか。 「サオリ、ぼくのサオリぃ!」 「ああっぁぁ、駄目だぁ、どうしよううぅっうううっ」 左右を、キョロキョロと見回して部屋を見るサオリ。ようやく紙とマイクとカメラに気がついたみたいだ。気がつきたくなかったのかもしれない。しかし、挿入されたとなっては別なのだろう。 「ああぁ……嘘! また音声なの……いやぁぁああああああああ!!!」 ほとんど絶叫、しかも今日のセリフなかなかハードだ。そりゃ嫌だろう。 「緊急開錠キーワード! 緊急開錠キーワード!!」 なるほど、この極限の状態で、それ自体が開錠の言葉かと思考したわけか。やっぱり、サオリちゃんは賢くて面白い。愛すべき女の子だ。だからこそ、開錠の言葉なんて本当はないという真実は最悪なのだが。疑うことが出来ない暗示は残酷である。 「うぅぅ、ああぁぁあ!」 「ああ、締め付けてくる気持ちいいよサオリ」 それにしても、女の子のオマンコというのは一則にとっては不思議だ。こんなに嫌がっているのに、濡れたサオリのマンコは、優しく一則の亀頭を包み込んでくれる。ぐっと押し込めば、ぐぐっと締め付けてくる。ぎっと押し返せば、離すまいとして肉を絡めつかせてくるのだ。 それは、本当は一則が好きということなのだろうか。一則もどこか好かれているということなのだろうか。そんな勝手なことを思う。 一則はそんな自分勝手な望みを持つ。最低の男なのだ。 「うるせえぇええ!!」 「うっ……いま、ちょっと精子出ちゃったかも」
そんな一則の思い込みはひどい、一則はひどい男だ。 そして、サオリはひどい男にひどいことを思われてひどいことをされている。そして、中に出されて妊娠するかもしれない。まったく、ひどい現実。ひどい地獄。 「ぎゃゃあぁあああ!! やめぇて止めっ!!」 「ううっ、大丈夫……こらえた。まだ射精しないよっ、サオリがいくまではがんばるからね」 顔と上半身を真っ赤にしている。サオリは頭をむちゃくちゃに振っていたからか、髪をかきみだすように、心も身体もぐちょぐちょになって気も狂わんばかりの様子。いや、気が狂えてしまえれば、むしろ幸せなのかもしれない。 すでに涙は流れっぱなしで、鼻水もたれ流しで、ぐちょぐちょのひどい顔になっていた。吹き出る汗が、はらりとかき乱れたサオリの髪をべっとりと肌に張り付かせる。その狂気を孕んだ乱れた姿が、また歪な妖艶さとなって一則をよけいに興奮させているから世話がない。 サオリは泣いて真っ赤に充血した眼でキィィとセリフを書いた紙を睨むように見つめて、息を吸った。ついに読む覚悟を決めたようだ。 「サオリ今日、排卵日なのお!! だから、なんでこんなこと知ってんだ馬鹿野郎っ!!」 「嬉しいようサオリちゃん!!」 そうなのだ、今日から明日未明にかけて一則の綿密な測定が正しければ、サオリは排卵日。超危険日ど真ん中。サオリ本人も、それを知らないわけがない。 ベロベロと、一則がサオリのお腹のへこみに溜まった汗を舐めた。 「ひゃぃ……くっ、やめてやめて!」 ベロベロ、ベロベロ。それは、ある意味、犯されるよりもひどく嫌がられている。 一則がそうやってセリフを続けるのを邪魔していると、それを含めて楽しんでいると気がついたのか気がつかなかったのか。サオリはセリフを続けるつもりだ、すでに恥も棄て、意も決しているという壮絶な表情。 その瞬間のサオリは美しかった、見事な芯の強さ。普段の可愛さではなくて、桑林一則のような醜い男に犯されて、なお自分を見失わない早崎サオリの鋭い毅然さ。そして、その彼女を汚して汚して汚しつくして、命を刻み込める一則の絶対的優位は―― 「サオリちゃん、最高だよう! 最高に気持ちいいようぅ!」 ――酔いつぶれるほどの征服感。 口を半開きにして快楽にゆがめて涎と涙を、ビッチョビッチョとサオリの腹にこぼしながら、一則は両方の手で、サオリのおっぱいを乱暴に握りつぶしながら腰を振る。 ドンドンドンドン! ゴッゴッゴッゴッ! グッチュグッチュグッチュ! ベットがなく、腰がなく、オマンコがなく。それは、眼がつぶれそうなほどの眩い快楽。いまの一則に、射精欲はなかった。一則は自分の股間が何倍にもはれ上がったような、ただ自分の強度と深いオーガニズムを感じていた。それを、優しく受け止めてくれるサオリの女の襞を感じていた。 「サオリと子作りしましょう!!」 「うんしようしよう!」 ガチャガチャを手を引っ張って次にいく。サオリはもう余計な悪態はつかない。そんな余裕もない。 「サオリの超危険日なオマンコにピュッピュ!って本気汁ぶっかけて」 「まっててね、サオリちゃんもうすぐもうすぐだよ」 ガチャガチャ、次。 「一則さんの赤ちゃん欲しい! ぐぅ……、赤ちゃん孕ませてちょうだい!!」 「赤ちゃん作ろう!!」 ガチャ、鎖を両手両足であげて、降ろすたびにサオリの顔が絶望に蒼く染まる。でも下半身からの熱で、身体は桃色に染まっている。絶望と快楽、そのコントラストがたまらない。 おっぱいを根元から揉みしだかれて、すこしだけ声に詰まる。でもサオリは続ける。絶望に抗いながら。そんな思いも、一則は全て舐め取るようにして味わい、ねっとりと腰を振る。最高で最悪の射精のときに向けてひた走る。 「いくぅ! 一則さん好き! 大好き! 愛してる!! 出して! 一滴残らず全部中にちょうだい!!」 ガチャガチャガチャガチャガチャ!! セリフは最後まで終わった、でも外れないサオリの絶望。外れるわけがないのだ、音声認識なんて最初からないのだから。マイクはただサオリの痴態を録音して、カメラはただ、サオリの受胎の瞬間を映しているだけなのだから。 「ああぁ、出る!! サオリの中に全部ぅぅ出すよぉぉ!」 「だめ!! ストップ! 待って! だめ!! やめてはずして!!!」 すでにサオリは一則のチンポが射精の準備段階に入ったことを察知していた もうなりふり構わず、ぐるんぐるん回れるぐらいに、両手両足が縛られたところを振り回すように暴れるサオリ。なんとか、この密着している生殖器が外れないかと必死なのだ。 外れるわけがない、構造的に外れない。そのうえ、少しでも射精時の入射角度が深くなるように、一則は腰を強く抱いている。 「イク! イク! サオリ、オレノ、コドモヲ、ハラメェエエ!!」 「ぎぃいやあああああああああああ!!」 腰を抱くようにして、精子をせき止めている一則のタンクはついに決壊した。 最初に、ドピュ! サオリの中に熱い熱い、飛まつが一筋、飛び散った。 それが分かったのか、サオリは小さく「あっ」と息を吐いた。 すぐに続けて、爆発! ビクゥビクゥビクゥゥゥ! ビキュブキュドピュドピュ! まるで、それ自体が別の生き物のように一則の巨根がサオリの中で暴れる。 激しく爆ぜる、飛び散る、白く染め上げていく。 肉棒からの振動は、ぴったりと張り付いた肉襞が全て感じて受け止めていく。 ピュッピュドピュ! ピュ! ピュ! ピュル! 弾けるような勢いで、飛び込んでいく元気な精液。その精子の最後の一滴までも、余さずサオリの中へと放出されていった。 サオリを妊娠させる、一則のデブキモ中年遺伝子の流星群。 それを最後の合図に、サオリの震えていた両手両足がガクンと力なく落ちた。 無抵抗になった、サオリのオマンコの一番奥底を貪るように。排卵が近くて、半開きになった子宮口へと押し込むように、何度も何度も駄目押しの射精。 サオリの膣は子宮は、黄みドロの精液でいっぱいいっぱいになり、溢れだした。 一則とサオリをつなげている腰はぴったりと密着し、足は上に向いているので、重力にしたがってその粘液は落ちるしかない。 ドプドプドプと、粘り気があるので滲みこむように、子宮口から子宮の中へとオタマジャクシ満載の黄みドロ精液が落ち込んでいく。サオリの中へ、中へとしみこんでいく。いや、サオリ自身の子宮が膣が自ら美味そうに飲み込まんとしているのだ。
口を半開きにして、力尽きているサオリはまるで気持ちよくイッっているようなアクメ顔にも見えた。ひどい有様だが、それはそれでいやらしい。そんな涎を垂らしている口を舐め取るように、一則は口づけていって、舌を絡めた。 すでに、サオリの舌も抵抗を失いだらんとしている。唾液を味わうも、口内を嘗め回すも一則の思いのままだった。 そして、その間もドクゥドピュドクドピュ! 長い射精は続いていた。 やがて、最後の一滴までもを出し切るように、腰をガクガクと震わせると、一則はぎゅううとサオリの身体を抱きしめた。 普段一則が仕事では見せることがない、一仕事終えた男の顔をしていた。爽やかだが、すごくブッ細工だった。 そのブッ細工に思いっきり種付けされてしまったサオリは。どんな気持ちなのだろう。ただ、いまは性も根も尽き果てて、ボロボロになっていただけだった。頭は真っ白になって正常な思考は失われていた。
お互いに、ハァハァと息をついてどれぐらいのときが起っただろう。 「はやく……どいて……」 「ああ、早崎さんごめんぼく寝ぼけててさ。ダッチワイフだと勘違いして」 「いいから……とにかく、はやく、どいて、はずしてぇ……」 ニュプっと引き抜いて一則は起き上がった。 ドロリと、一則のチンポの先から精液が垂れ下がり、ツーとサオリのマンコと線を引くようにネチョる。引き抜いた衝撃で、入り口のほうにかかった精液が筋を引いて垂れていったが、一則が出した大量の精液のほとんどは中に……。 早崎サオリの女性器は、いったいどれほどの量を飲み込んでしまったというのだろう、お尻が持ち上げ気味に縛られているせいで、サオリのマンコからほとんど精液は漏れださないのだ。 「あの、ぼくちょっとトイレにいってくるね」 「あっ! まって!」 そういって、ドスドスと一則は巨体をふりくるようにして出て行った。 そのまま、一則はトイレではなくバスルームへ。 「あぁっ! そんな場合じゃないの! 早くかきださないと! ほんとに妊娠しちゃうから! いやぁ!!」 サオリの叫びはむなしく部屋に響く。 「桑林課長!! 早くもどってきて、中を洗わなきゃ!!! 中を洗わせてお願いよぉ!!」 家中に、サオリの叫びは延々と響いていたが、一則はそんなサオリの叫びを無視するように一人でバスルームに入り、シャワーのノズルを回した。シャワーの激しい水音が、サオリの心からの叫びをかき消した。 いまごろ、サオリの最奥に出された自分の分身たちが、子宮にたっぷりと注ぎ込まれてゆっくりと卵管まで泳いでいって、そこから飛び出たサオリの卵と一緒になって受精していると考えると、一則はあれほど出したのにまた腰の熱いものがムクムクと屹立するのを感じていた。 さっぱり汗を流して出てくると、勝手にサオリのタオルを使って身体を拭く。 古い一軒家にあれほど響いていた叫び声は、ほとんど聞えないほど小さくなっていた。階段から、声を枯らしたかすれた叫びをあげるサオリの声がかすかに聞える。たまにドンドン音が鳴るのは、きっと気がついて欲しくてベットの上で飛び跳ねているのだろう。 妊娠をより確実なものにするため、寝そべった姿勢。つまり、いまサオリが縛られている姿勢だ。その姿勢で、三十分は放置しておくのがいいという。すでに三十分は経っているような感じだが、念には念をという。 「さっさと受精してしまえ」 そう呪いの言葉を二階のサオリに投げつけると、一則はそのまま一階の座敷で座布団を枕に寝転んで、高いびきをかき始めた。悲痛の叫びをあげるサオリを放置して、眠ってしまったのだ。
早朝、カーテンから差し込む光で一則は目を覚まして起き上がった。窓の外では、庭で小鳥がチュンチュン囀っている。畳の間でごろ寝したとは思えないほど、頭も身体も充実していてスッキリとしたいい目覚めだった。 まるで、新しく生まれ変わったような若さが身体に満ち満ちているようだ。 ゆっくりと畳の上で寝たので少し堅くなっている身体を解きほぐすようにして伸びをすると、階段を登っていく。もうサオリの叫びも、音も聞えない。一晩も騒ぎ続けられるわけがないのだ。 がちゃっとサオリの部屋の扉を開けると、電気が付けっぱなしだった。 「ごめん、早崎さん電気つけっぱなしでもったいないよね」 「…………そう……ぃう……」 ああ、たぶんずっとこの体勢で疲れたんだろうなと一則は少し可愛そうになった。好きな女の子にこんな仕打ちができる自分は思ったよりもずっと残酷だなと一則は少し自分でも驚く。陵辱の限りを尽くしたあとに、そんな感慨など意味を持たない。 もしかすると、一則はこれまでひどい容姿で女性から受けてきた扱いの復讐を、サオリに向かって発散しているのかもしれない。そうとでも解釈しないと、罪悪感が沸きあがってきそうだった。それを押さえつけて、心にもない謝罪の言葉を口にする一則は自らの意思を邪悪に染めている。 「ごめんね、あのあと拘束を解くのを忘れて寝ちゃってて」 「……はやく……といて」 そこで、一則はサオリのオマンコからほとんど出ていない精液を確認すると、お尻から紐が伸びているのに気がついた。あれ、これってなんだっけかなと。 引っ張ってみる。 「くっ! なにっ! あっあっ……」 息も絶え絶えだったサオリが一瞬元気になったようだった。あっ、またガクッとした。 「あー、これアナルビーズだ」 入れたのをすっかり忘れていた。また力を込めて引っ張ると、ぽこっとアナルの中からビーズが飛び出した。潤滑が足りないから、肛門を傷つけてしまうかと少し心配になったが、よく見ると腸液でドロドロになっている。 「あっ……なんでそんなものいれてんっ! あっ! いっあ!」 ぼこっ、ぽこっ、結構ソフト素材なので簡単に抜ける。あと少し、うんこの匂いが漂う。やっぱり、長く入れすぎるとよくないものなのだろう。 「自分にいれようとして、間違えて早崎さんに入れちゃったんだね、暗かったから」 そういいつつも、どんどんポコポコ出していく。まるでカエルの産卵みたいだった。 「いっ! うっ! いっ! あっ!」 何かの発生練習みたいに、抜くたびに声を出してくれるので面白い。楽器みたいだった。ニュルッと、最後の一つを抜き出す。 その途端に、線が切れたようにガクンと身体を震わせて力を抜いた。 その瞬間、プーーと軽い音を立ててサオリのお尻から屁がでた。 「あはっ、屁がでた」 「…………ううっ」 サオリは、もう何かフォローを入れる気力もない様子だった。さすがに、罪悪感を感じるのかお尻を綺麗に拭いてやってから、さっさと拘束を解く。手足に少し赤みが差していたが、痣になるほどではないようで安心する。 むしろ、こんな姿勢で一晩過ごしたことのほうが体力を奪われるだろう。意識を保っていられたのは、サオリの我慢強さなのか、催眠の副作用なのか。考えてもそれはわからない。 とにかく、拘束を解くと、だらりとベットで横倒れになって動かなくなった。身体を洗わなくていいのかなと思ったが、それも別に一則にとっては大事なことではないのでほおって置く。 マンコもむき出しに倒れていて、その接合部から少しずつ糸を引くように、ドロドロというよりトロリトロリという感じで、一則の精液と愛液の混合物が流れ出しているのが見えた。 サオリのマンコから零れ落ちた大量の精液は、多少黄みがかっているだけで、ほとんど透明になってしまっている。愛液も精液も、時間がたつとその粘り気を失い色も透明に近づく。 残酷なことだが、それだけの時間が経ってしまったということ。一則の精子たちは、サオリの最奥を犯し尽くして、その役割を終えている。 きっと、もういまから洗っても結果は一緒。それは一則だけではなく、サオリにも痛いほど分かっていた。それなのに、被虐心豊かな一則は、サオリを言葉の刃で切り刻むようにあえて確認する。耳元でささやく。 「早崎さん、オマンコ洗わなくてもいいの?」 「…………」 その一則の声に、フルッと一度だけサオリは震えた。 「ああ、もう一晩たっちゃったから、排卵してたら確実に受精してるから洗っても無駄だよね」 「…………」 口を小さくあけただけで、声も出ないサオリ。精神的ショックと、肉体的な疲労で、本当に虫の息だった。 「このまえ医者で調べてもらったんだけど、ぼくの精子すごい元気なんだって、二十代並の運動量だって褒められたんだよ。だから確実に届いてるから、サオリちゃんのほうが排卵きちんとしてたら受精しちゃうね」 「……ぃぁ」 たぶん嫌といいたかったのだろう。サオリが反射的に叫ぼうとして、声を振り絞ろうとしても、耳元でささやいている一則の耳に届くほどの声にもならなかった。 「受精しても、着床するとは限らないからまだわからないけどね。こんなことになっちゃったけど、もし妊娠してたらぼくは男としてちゃんと責任とるから安心して可愛い赤ちゃん産んでね」 「……死ね」 今度はちゃんと聞えた。 「ところで、早崎さんは今日は会社休む?」 「…………総務に連絡しておいて……く……」 そういって、サオリは一則が了解の合図を送るのも聞かずに、力尽きて死んだように意識を失うと、その身体は寝息を立て始めた。身体は汚されたままで。 安らかではない苦悶の表情の眠り。それは辛い眠りできっと、夢も見る余裕すらないだろう。だがそれだけが、唯一サオリにとっては安らぎなのかもしれない。こんな状態で夢など見ても、きっと酷い悪夢にしかならないはずだからだ。 一則はそんなサオリの最悪の様子を眺めて満足の笑みを浮かべると、途中でコンビニによって、朝食と昼食を買って出社した。 資材課に行く前に、総務に寄り道して、総務係長にサオリが休むことを伝えると「なんでおまえが連絡?」と言いたげな怪しむ眼で見られた。 まあ、いつものことだからあまり気にしない。いまの一則は、何だって許せてしまう。ヘタクソな口笛を吹きながら、いつもの雑務にとりかかった。最高の気分、今日は仕事がはかどりそうだった。
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