第七章「続く霊障」 |
秋人が、未央からもらった二百万で何をしたかといえば、未央のことをさらに徹底的に調べ上げたのだ。 まず気がつかれないように、室内に盗聴と盗撮の機械をしかけてみて、軽い調査では足りないと判断し、さらに家庭事情を洗いざらい興信所に調べさせた。 そこで、分かってきたのは汐崎未央の母親が、未央の生存を定期的に確認しているという事実である。直接会うことはないのだが、その厳格さは安否確認といっていいレベルだった。 それを知って、監視されて盗聴・盗撮がばれるのではないかと秋人は心配したが、それは杞憂であった。 未央の母親は、未央がきちんとそこにいて生きてさえいればよかったのだ。娘が何をしているのかまでは興味がない。考えればすぐ分かることだ、未央の父親から金を引き出すためには娘の未央が生きていることだけで十分なのだろう。 もし娘のことを肉親として気にかけているのなら、この未央の奇妙な引きこもり生活をなんとかするはず。それをしないということはつまりは興味がないということ。父親も、生活費を振り込むだけで冷淡といっていいほどの無関心さであり、未央は端的に言ってしまえば両親に既に捨てられている。 そう考えると秋人は少しだけ未央の境遇が不憫に思えた。 オカルト趣味の未央が何かの拍子に変な宗教にずっぽり嵌って、小金を貢ぐ程度ならまだしも、出家して消えてしまえば困るのは未央を出汁に生活している母親である。だから、未央の携帯の通話記録は母親が雇った探偵にチェックされていることは推察できた。 宗教系の勧誘が追い出されたという話は、未央が人嫌いの引きこもりということもあるが、ちゃんと調べられてしつこければガードが入るようになっているのだろう。 もし公衆電話からの電話でなければ、妖しげな電話の主として調べられてすぐに秋人にも足がつく。結果から言えば秋人の過剰すぎるほどの用心は、そう的外れなものでもなかったといえる。
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このように御影秋人の行動原理は、一貫して相手より情報的に優位に立とうという姿勢が貫かれている。彼の生まれつきの容姿や社会的地位・能力の低さがもたらす酷い劣等感が、執拗にそれをさせるのだ。 そう考えれば、透視(相手にわからないように相手を内側を探る)という能力、そして後に物質転送(相手に気がつかれないように相手に物理的刺激を与える)という能力を彼が持つに至ったのは、理由がないことではない。 つまり、この一連の不可思議な現象の原因――この世界に何か新しい力の場のようなものが現れたと仮定しても、それにこのような能力発現の形を与えたのは、偶然ではなく秋人自身であったのではないか。 後に――秋人の行動を全て観察し終えた『観察者』は、そのように結論付けた。秋人のケースは、極めて特殊な部類に属するもので、根源を探る『観察者』の役に立ったのだが――ここでは、此処までにして話を元に戻そう。
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前の『禁書』による呪いか霊障か分からないが、とにかくおぞましい事件が起こって数日後。また、恐ろしい目に汐崎未央は遭遇していた。 突然の腹痛、それはお腹を突き上げるような自然でない強烈なもので、嫌な予感がしながらトイレに駆け込んだ未央。 お尻に猛烈な違和感を感じる。プルプルと肛門から吐き出していく便が妙に硬い。 出し切ってしまってから、違和感を確かめるために恐る恐る便器の中を見た未央は小さな叫びをあげた。 それは便ではなくて、いくつもの白い卵だったのだ。種を明かしてしまえば、それはプラスチックの小さいボールと、馴染ませて排便させるための油の類だったのだが、それを浣腸液と一緒に、腸内に放り込まれて未央はそれを排泄したのである。 こんな悪戯をする犯人は、御影秋人をおいてほかにはあるまい。 慌てて、未央は「助けて」と自宅の電話から自分の携帯に電話をかけた。 こんなとき未央が縋る相手は、「祓魔師さん」しかいないのだ。 ワンコールで即座に電話に出た秋人は、とにかくすぐ行くので自分を待つ間に、落ち着いて目隠しだけを忘れずにかけるように指示をした。 もうかなりの信頼関係を築けていると思うのだが、それでも目隠しを指示する。臆病な秋人は、醜く肥え太った自分の姿を未央に晒す勇気がなかったのだ。
「卵の……卵のようなものがお尻から……」 「分かっています。バアル・ゼブルの仕業ですね。とにかく、患部を見るためにお風呂場に行きましょう、服を脱いでください」 そういって、慣れた手つきで誘導しながらも、笑いを堪えていた。プラスチックのボールを予想通り卵と誤認してくれたのが嬉しかったのだ。ばれないように、あとで全て回収しておかなければ。 トイレに手を突っ込んでということになるが、未央の身体から出たものは、秋人にとってては汚いものだと思わないようになっていた。
「うむ……卵はもう全部出てしまっているようですね」 お尻にお湯をかけて、肛門をいじって確かめるようにする秋人。もちろん、秋人も服を脱いでいる。その気配を未央は感じているのかもしれないが、もう秋人の処置を受けるのは三度目だ、たいていのことなら何か意味があるのだろうと何も言わなくなっていた。 「それにしても……祓魔師さんは来てくださるのが早かったですね」 「邪悪な気配を感じたので、もう向かっていたんですよ」 未央はそう聞いて「凄いですね」と感嘆するように呻いた。秋人がしかけた悪戯なのだから、準備していて当たり前なのだがと秋人は苦笑せざる得ない。 そうやって会話しながら、秋人は未央の内臓を透視でチェックしているのだ。 大腸に放り込んだ潤滑油とボールは、全て抜けてしまったようだ。 秋人がスカトロに抵抗感が少ないのは、こうやって人の内臓を見慣れているかもしれない。最初はグロいと思っても、秋人にとっては子供のころからのことだから、すっかりなれてしまっているのだ。 ピンク色の内臓も、美しい女のものなら、可愛いとすら思う。その感覚は、いささか倒錯気味といったところか。
「そうだ、四つんばいになってください」 「えっ……こうですか」 そんな要求にも素直に従う未央。風呂の床に四つんばいにさせた未央の後ろに回って、肛門を指で探る秋人。指を突っ込むと、中には排出した潤滑油の滑りが残っている。ここから、あのプラスチックのボールをいくつも吐き出したのだ。それなら……。 秋人の手には、いつの間にか太いペンぐらいの大きさのディルドーが握られている。 「いまから、お尻の穴に性杭を打ち込みます」 「えっ……せいこう? 打ち込むって」 聞きなれない単語に、訝しげに尋ねる未央。実感させるほうが早いと、それほど太くないゴムに覆われたディルドーを肛門に押し当てる。 「せいなるくいと書いて、性抗です。お尻の力を抜けば大丈夫ですから安心して」 「でも……あっ……ちょっとまって」 杭というイメージは、太く大きいものを感じさせる。それだけに、戸惑った未央だが、もう入れてしまえばいいと、ぐいぐいと肛門にディルドーを押し込む。カリがある節くれだったが入れるときは、緩んだ肛門にすんなりと入っていく。 やはり潤滑油の力が大きい。 「入りましたね」 「お尻が……きついです」 さすがに、お尻の穴に入れっぱなしだと強い圧迫を感じるのだろう。強い違和感に、気持ち悪がったり不安がる未央に、だからこそ効くのだと言い含めて安心させる。 別に秋人がすっかりアナルが、好きになってしまったわけではない。いや、ほんの少しはそういう性癖が出てきたのかもしれないが、お尻の穴にディルドーを突っ込んだのはそれなりに理由があった。
挿入に慣れさせること。
秋人の最終目的は、未央を自分の男根で犯すことである。男性経験がなくて、分からないからといって、いきなり処女を貫かれて破瓜の激痛を受けて納得するような女は居ない。ただ単に恥辱や快楽を与えているだけならともかく、そこまでやったら絶対に異常に気がつくに違いない。 だから、先に抵抗の少ないアナルで慣れさせてやろうというのだ。
深々とアナルに差し込んでやって、それが抜けないのを確認してほっと一息ついた。未央は素直なもので、こうまでされてもじっとしている。ふと、尿意を感じたので、未央を苛めたい気持ちになっていた秋人は、テレポートゲートを未央の喉に開けて、中でおしっこをした。 黄色い液体が、未央の喉を焼くようにシュワシュワと叩きつけられていく。突然のことに、ごほごほと咳き込む。食堂から、口に突き上げるような形だから、飲み込むか吐き出すかしか未央にしようがない。 「げほっ……げほあっ……がっ……」 苦しげに喉を押さえて未央はのた打ち回る。 喉の奥から湧き出してくる苦い液体を、未央は半ば吐き出して最後は飲み込んでしまった。口の中に、辛いような苦いような毒々しい味が広がる。 「大丈夫ですか」 倒れた未央を介抱する秋人。自分でやっておいて白々しいものだ。 「何か喉の奥から……苦い液体が出てきて」 「バアル・ゼブルの仕業ですね。お尻を封じられたから、今度は口にあがってきたのでしょう」 そう、秋人の悪戯はみんな悪魔の仕業なのだ。酷いものだ。 「どうしよう……どうしたら」 未央はまた泣きそうになっている。訳のわからない事態が次々と起こる。助けてくれる祓魔師が居なければ、きっと泣いていただろう。 元凶そのものの秋人が、心の支えとは残酷なものだ。 「打つ手はあります。まず口をすすいでください」 そういって、お湯を未央の口に振り掛けてやる。未央は口の中の苦いものを全部吐き出すようにすすいで、喉の奥も綺麗にしたくて少しお湯を飲み込んだ。 「すすぎました」 「それでは、これから貴女の口に私の口を重ねます。舌も入れますから、噛まないでくださいね」 「えっ……」 それは口付けされるということで、未央が思ってもいないことだった。 「私は祓魔師ですから、舌で貴女の口を清めることができます。清めるにはそれしか……喉の奥まで性抗で貫いてもいいのですが、それはきつすぎるでしょう」 未央の心を決めさせるために、あえて選択させる。効果的な方法だった。お尻に突っ込まれているような長い節くれだった棒を入れられることを思えば、まだ口を許すほうがマシかと未央は思ったのかどうなのか。 「わかりました、すいませんけど……お願いします」 そういって、未央は意を決したように口を開けた。秋人にとっても、これは始めてのファーストキスだった。舌を舐めるように、チュッと口をつけていく。厚い唇が、未央の唇に張り付き、やがて未央の口の中に、厚い舌が伸びていく。 初めてで、舌を絡めたディープキスまでしようなどというのは、秋人も不遜なものだった。当然、その舌使いは下手糞なもので、ベロベロと未央の口の中を忙しげに回って嘗め回していくだけ。 最初のキスに、感動したものの、秋人もなんとなく自分がやり方がおかしいのではないかとわかるのだろう。いったん口を外した。 「すいません、舌を清めたいのでからめるように……協力してくれますか」 そういってから、未央の口の中にまた舌を投げ入れて、今度は多少動きをゆったりとなるべく奥のほうに。 未央も言われたので、舌をもちあげて秋人の舌に絡めるようにする。それはこわごわとしたもので、触れた瞬間に身体が揺れた。本当は秋人も内心、衝撃を感じているのだがいまは祓魔師を演じなければならないという思いで、我慢してとにかく無心で舌をからめていく。 不思議なもので、時間をかければ未経験同士でも、うまくディープキスできるようにはなっている。それは官能とは程遠いものではあったが、少なくとも秋人の股間を強烈に勃起させるほどの興奮はもたらせた。 未央の唾液は甘いと、秋人は味わうことに夢中で。舌の根が疲れて痺れてしまうまで、延々と口を貪っていた。 「ぷふぁ……これで口の清めは終わりました」 「……ありがとうございます」 少し未央は嫌悪まではいかないけれど、呆然と意気消沈といった風情だった。 やはり、男性と口付けしたのが未央にとっては嬉しい出来事ではなかったのだろうかと秋人は推察した。 いまは秋人を祓魔師として信頼しきっているけれど、未央がほんとに拒絶して徹底的な手段に出たら、秋人は変質者としてあっという間に逮捕なのだ。未央の動向が気にかかるのは当たり前というもの。
「疲れたでしょう、少しあお向けに寝そべっていただけますか」 「はい……」 言われたままに、未央は仰向けに寝そべった。ユニットバスの床は、溝が深く掘られていて汚れにくいものだ。しかも定期的な清掃サービスつきなので、寝そべってもぜんぜん汚くはない。 ただ、さすがに小柄な未央でも寝転がるには、足を風呂桶のほうに少し浮かせなければならない。 いろいろとあって疲れたのだろう、洗い息を吐いて胸を上下させて、恥ずかしがっている余裕もないほどに未央はぐったりとしている。 「口とお尻は清められましたが、あなたの身体の中にまだ悪魔が残っています」 だから、身体中を清めていかなければならないと手足から順番に揉み始めていく。手の先から腋に至ると、指でさわさわと生えている腋毛を手で確認する。 剃る習慣がないらしい未央の毛は、自然で黒々としていなければ産毛といってもいいぐらい柔らかい感触。鼻を近づけて匂いをかぐと、少し強い未央の体臭がした。汗の匂いだろうか、未央の匂いだと思ってそれだけで興奮してしまい、気がついたら秋人は舌で一心不乱に舐めていた。 「あの……」 「此処に強い邪気を感じます、そういう場所は入念にしないといけないので」 そうやって舐め取ってしまうと、またお腹を触ったり太ももを揉んだり、滑々するお尻を撫でてみたり、そのたびに未央は身体をくねらせて敏感に反応する。 そうして、ようやく胸にいたる。いきなりおっぱいにいかなかったのは、別に秋人が冷静だからではなくて、臆病な性格だからだ。執拗に揉みまくって未央の反応を見る。 身体は敏感に反応する、足の先までピクピクと震えていたが、息を荒くしたぐらいで文句は言ってこない。大丈夫だろうと思っておっぱいを弄る作業に戻る。 両手で、未央のおっぱいをもみあげたり回したりして楽しむ。片方の乳が、片手に少し余るぐらいの巨乳で、秋人には理想のおっぱいに思えた。 もちろん透視能力者の秋人だから、女のおっぱいは腐るほど見てきている。 その中でも、未央は一級品だと判断したのだ。それはもしかすると、こうして自由に自分の手に納まる秋人のためのおっぱいだという贔屓目があったのかもしれないが。 ああ、これが俺のものだと思うと、秋人は震えるような興奮があった。そうして、張りのいいおっぱいを強くも見上げると、乳頭がこんもりと立ち上がってくる。 そのおっぱいに吸い付いた。 「あっ……吸うんですか!」 さすがに未央も、少し非難げな声になってしまう。我慢の限界というものだ。 「こういう場所に、強く現れているんですよ」 そういって興奮の極致に達している秋人は自分も鼻息を荒くして、胸を執拗に攻め続けるのだった。少しの抵抗なら、揉み解してしまえ。 未央は顔を真っ赤にして、頭を振るのだが、それでもかまわずに揉み続ける。 手が疲れて重くなってしまうまで、揉み続けたのだった。
「はぁはぁ……はぁ……」 「ふぅーふぅー」 揉まれているのが胸でよかったというものだ。他の部分をこの勢いで揉まれたら、きっと次の日に揉みかえしが来て大変だった。 「こんなもんですかね」 「ようやく終わりましたか……」 寝そべっているだけとはいえ、もう未央の気力も限界である。これだけ身体を弄くられては、感じないほうが無理だというものだし、それは気持ちがいい部分があったにしても、酷く疲れるのだ。 「最後は、ここです」 そっと股に手を当てる。 「あっ……そこもなんですか!」 未央だって、この前もされているからされるとはわかっていたのだが、いまは。 「おや、濡れてますね」 「やだ……だめです……」 股に差し当てた秋人の指に、にゅちょっとした粘液がつく。いくら処女だろうがなんだろうが、あんだけされたら濡れてきて当たり前というものだ。 未央を濡らせたという実感は、秋人には初めてだったから、感動に近いものを覚えて、指にからませた未央の粘液を指で遊ばせて、それを吸った。 そういう恥ずかしい動作は、未央からは見えていないにしても、股に視線が刺さっている感覚はわかるもので、手で股を被ってしまう。恥ずかしすぎて耐え難い。 「濡れていたっていいんですよ、当然の生理的反応ですから」 「駄目ですよ! だって……ううっ……」 股を閉じて、手で隠して拒否された。恥ずかしさが耐え難い。ただ見せるのと、自分が感じているとわかってしまったことが未央にはどうしても耐え難い。 「隠してはいけません、そこも清めないと終わりません」 「だって、こんなところまで……」 「そんなところだからこそ、悪魔は狙ってくるんですよ」 「でも……」
コツンとテレポートゲートを子宮にあけて、こついてやる。 「あっ!」 「早く清めなくては、お尻の穴のようにそこに卵を産み付けられるかもしれません」 さっき自分が肛門から吐き出した小さい卵のイメージ。 それが、未央に迷いを許さない。 「分かりました……お願いします」 未央は諦めたように、手を離して股を開いた。身体からぐったりと力を抜く。ただでさえ、心身共に疲れきっているのだ。身を任せてしまえば、こうなってしまう。 「終わるまで動かないでくださいね」 秋人の厚い舌が、いきなり陰唇の間を深々とえぐった。 「あああっ……だめ!」 手を舐めている秋人の頭について、それで躊躇したのか戻したのだが手の置き場に困って、自分のお腹に手をやってもそれでも秋人が舐めるのを止めないので、額を手で押さえて身体を震わせて耐えているうちに、身体に電気が走った。 キュッと、秋人がまだ皮に包まれたクリトリスを吸う。 ひっと息を吸って、身体をくねらせる。ビクビクと身体を痙攣させた。 (ふふん……もしかすると、イッたってことなのか) 未央の絶頂を目の前にして、逆に秋人はわりと冷静に様子を見ている。透視できても、未央の内心まで見通せるわけではないし、未央がクリトリスの刺激に弱いなどと意識してやった行為でもなかったのだ。 たまたま、秋人の本能がクリティカルヒットしただけのこと。 「ああああっ……」 とりあえずの波をのりこえて、未央がそう呻いて口から涎れを一筋垂らした。 こんなものかという判断。さっきから、ビクビクと自分の股間も射精したくてたまらないわけで。
「これから、性杭を女性器にこすり付けて、精水を出しますから」 「……えっ」 未央がいいとも言わずに、勃起したものをこすり付けてしまう。床に手をついて、未央に体重を預けるわけにもいかず、けっこう疲れる体勢だがそれでも、未央の足を浮かせるようにしてこすり付ける。 亀頭がぴたりと、外陰唇の唇に当たった。 「ちょっとやりにくいな、前みたいにオマンコを開いてもらえますか」 「はい……これでいいんですよね」 未央が自ら開いてくれたので、カウパーを垂れ流している亀頭が未央の膣口にキスをした。ああ、このまま体重を乗せて押したらズブズブと挿入できてしまうなという欲望に襲われる。 「出ますから、手でいっぱいに開いてください」 「はいっ」 分かっているのか分かっていないのか、今日は顔を真っ赤に染めて、未央が秋人を受け入れる。 ドクドクと、自分の精液がこぼれて落ちていくのを感じる。膣口になすくって全て射精し終えてしまうと。 「それでは、いつものように満遍なく精水を馴染ませてください」 「わかりました」 また未央に自分の精液を、生殖器に擦り付けさせるのだ。 こんなことをして、本当に妊娠してしまうかもしれない。処女膜といっても、膣口が完全に閉じているわけではなく、二十歳ぐらいの女性になれば指一本分ぐらいの隙間は空いているものだ。 そこから、精液が流れ込めばどうなることだろう。 その危険な遺伝子を、未央は自らの指で生殖器に為すくり、奥へ奥へと導いていく。まるで、未央が秋人の子供を欲しがっているという風に。その錯覚が、秋人を興奮させるのだ。
最後に、また口にも精水を飲ませてやって今日の悪魔祓いは終了した。 「おつかれさまでした」 秋人がお尻から、ディルドー。いや、性杭を引き抜くと、未央は息も絶え絶えに力を抜いた。秋人だって疲れているのだが、身体は強い充実感を感じていて、なんでもできそうだった。 力なく倒れている未央の身体を満遍なくシャワーで洗ってやり、タオルで頭と身体を拭いてやった。防水性とはいえ、目隠しだけは取れないのだが、そこは自分でやってもらわなければならない。未央が秋人を見たら、悪魔に取り憑かれると言い含めてあるのだから、少し気持ち悪くても秋人の前では取らないだろう。
最後に、またお礼をといわれたので秋人が戸棚を開けると。 やはりそこには、札束が二つ置かれていた。 「あの……毎回こんな大金をいただいて大丈夫なんですか」 秋人だって心配になるというものだ。 「いいんですよ……お金なんて。毎月、父親が生活費を入れてくるんですが、余ってしまってどんどん溜まっているんです。だから、これぐらいのはどうってことないんです」 手探りで、床に脱いだ服を着ながら、未央はつまらなそうにいった。 そういわれたら、そうですかと返すしかない。
秋人が帰ったあとで、未央は目隠しを外して、顔をもう一度綺麗に洗った。目隠しはおいておけば乾きそうだった。 妙にスカートの中がスースーする。 ああ、お気に入りのグレイのインナーがなくなっている。 それに気がついても、未央は信頼する祓魔師さんの仕業ではなくて、悪魔の仕業だと思うだけなのだった。 秋人が、祓魔師と悪魔を一人二役でやっているとも知らずに。
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