第十一章「看病する男」 |
交換は、人類の基礎的な営みの一つだ。 数え上げれば限が無い。俺達は「知識と資格」、「貨幣と食料」、「労働とパック旅行」、「徹夜と生産性の向上」、「安全と自由」、「病気と薬」を『交換』する。ありとあらゆるものを『交換』する。産まれてから死ぬまで、『交換』をやめることはない。人の生と死すら、何らかの『交換』によって発生していると言い換えてもいい。トレードの知識を獲得して以降、人類は片時も休まずにあらゆる場所、状況で『交換』し続けている。 だから俺は、この『交換』するという行為を選び、研究して、新しい能力にまで高めることにした。その選択は、今のところ正しい。
ぽつぽつと、水滴が顔に当たる。遠くに雷鳴の音が聞こえてきた。 「これは一雨くるかな」 コンビニに寄って、折りたたみ傘を買おうかと思ったが、美樹本 芽衣(みきもと めい)のマンションまで、そう遠くない。次第に雨は激しく降りだしてきたが、どうせ通り雨だろう。マンションまで突っ走ることにした。 「ふうっ……」 どうやらびしょ濡れになるまえに、マンションの前までたどり着くことができた。真夏とは言え、雨に濡れるのは気持ちがいいものではない。 死ぬような経験をして『新しい能力』を獲得した。特別な存在である俺だって、雨に濡れるし、雷が落ちれば感電して死んでしまうのだろう。能力の万能感に、時折自分がただの人間であることを忘れるが、全力疾走すれば息が切れるし、濡れ鼠になれば寒さに震えるしかない。 女に嫌悪感を持たれるために産まれてきたような、ただの小汚い中年男だ。前と何も変わってない。
「おい芽衣、いないのか」 イヤホンを押しても、マイクに呼びかけても反応がない。留守なんだろうか。今日は山田家にも来なかったのに。おかしいな、どこにも出る用事はないと思ったんだが。 まあいいやと、俺はくすねておいた合鍵(カードタイプ)を挿し込み、四桁の暗証番号を打ち込む。その番号は、芽衣の誕生日だ。 娘の誕生日を暗証番号にしている。芽衣を放ったらかしにしている母親のせめてモノ親心ってもんかねえ。 「だったら、放ったらかしにしなけりゃいいのにな」 俺はエレベーターで芽衣の部屋へと向かった。
「おい、芽衣。居ないのか?」 んっ、部屋に芽衣の靴が残ってるじゃないか。やっぱりいるんじゃねーか。 上がりこむと、マンションの立派なリビングには人の気配がしない。寝室はどうかと思って行ってみると、ベットに芽衣が寝そべっていた。寝間着姿である。 「なんだ、居るならちゃんと返事しろよ」 ベットに横たわってる芽衣の様子が少しおかしい。頬が紅潮している、息苦しそうだ。熱でもあるのか? 「なんだ芽衣、夏風邪でも引いたのか」 「オジサーン……」 芽衣は息苦しげに俺のことをそう呼んだ。俺は誰にとってもただのオジサンだ。俺には名前が失われている。人間としての姓名は、新しい能力を得るために、犠牲にしたものの一つだ。 「お前、薬は飲んだのか。お母さんはどうした?」 「お母さんは、仕事だから……」 思わずチッと舌打ちが出た。こんな小さい子が風邪で寝込んでるのに親は仕事かよ。 いや、芽衣も十四歳だから立派な中学生なんだけどさ。うーん、どうもこのロリフェイス見てるともっと小さい子どもに思えてくる。 もしかしたら、芽衣が発育不良なのは母親に甘えたいからなのかな。 ベットには、水と袋が破った風邪薬が置いてあったから、まあ芽衣は一人でも心配はいらんのだろうけど。俺はなんか芽衣の母親の育児放棄にムシャクシャした気分で、冷蔵庫に行って冷凍食品でも食べることにした。 「んっ、冷凍のお粥なんてのもあるんだな」 俺は自分の弁当を温めるついでに、お粥も温めてみることにした。 試しに温めたお粥をスプーンで一匙食ってみると、ちゃんとした塩粥で梅干の果肉まで入ってる。 「上出来じゃねーか」 俺は、お粥を持って芽衣の所に行くことにした。 「ほれ、よかったら食えよ」 「オジサン……ありがとうございます」 妙な丁寧語でお礼を言う……。 芽衣はダルそうに起き上がると、俺が差し出したお粥をちびちびと食べ始めた。薬が飲めて、飯も食えるならまあ大丈夫なんじゃねーかな。俺も隣でガツガツと飯を食いながら、体温計とか氷枕はないのかとうろうろ部屋を探し始めた。
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「どうだ芽衣、具合は」 「だいぶ良くなったよ、ありがとうー」 声に張りは出てきたが、芽衣の小さな額に触れてみるとまだ少し熱っぽい感じだ。ふんガキが夏風邪なんか引きやがって、芽衣を抱こうと思ってたこっちの予定が狂ってしまった。俺は芽衣の枕元の氷枕を変えてやることにした。 看病なんか柄でもねーが、芽衣にグズグズと体調を崩されていては、一緒に住んでる俺としても迷惑だから最低限のことはしてやる。そっちのほうが面倒が少ない。 「オジサンやっぱり優しいね……」 芽衣の黒目がちな瞳に見つめられて、俺は少し恥ずかしくなった。なにが優しいねだ、そんなんじゃねーよ。俺は俺の都合でやってるだけだ。だいたい、本来ならこういうのは親の役割じゃねーか。俺がここに住み着いてから、芽衣の母親は一度も姿を表してない。マンションでばったり会ったときに、どうフォローするかとか色々考えておいたプランがまったくの無駄になってしまっている。糞面白くもねえ。 「芽衣さ、お前本当に母親に連絡しなくていいのか?」 俺は、何度か繰り返した会話を蒸しかえす。 「ううん、お母さんに迷惑かけたくないから」 寂しそうな素振りも見せず、芽衣は少し苦しそうに微笑む。梢ちゃんとか、甘えられる相手と一緒に居るときは子どもっぽい芽衣だが、一人で居るときは歳相応の大人びた表情を見せる。母親には、手のかからない良い子をやっているのだ。物分りの良さというより、それは諦めなのだろうかねえ。 「お前さ……。もし自分のガキが出来たら、母親みたいな育児放棄はやるなよ」 親と一緒のような過ちを繰り返されてはたまったものじゃない。芽衣を孕ませて、産ませてみても、寂しい子どもがまた量産されるのでは俺だって少し寝覚めが悪いから。 「うん、大丈夫だよ。赤ちゃん出来たら、可愛がるからー」 本当なのかねえ。ガキを育てる苦労とか、全く知らないだろうからどこまで信用がおけるか知れたものではない。だが、芽衣のその屈託のない笑顔に俺は一応納得しておく。 本当に先がどうなるかなんて、俺の知ったこっちゃねーしな。 「汗だらけで気持ち悪いだろ、シャワー浴びられるか? 身体拭いてやろうか」 芽衣の素直な言葉にご褒美をやりたくなった俺は、少しサービスをしてやることにした。
「じゃあー、身体拭いてくれる?」 そう言うと思った。芽衣はわりと強かで、甘えられる時にはキチンと甘えてくるからな。俺も、久しぶりに甘やかせてやるつもりだったから別に構わない。 「わかった。身体拭く準備してくるから待ってろ」 俺は風呂場でお湯を汲んでくると、濡れタオルと乾いたタオルを用意をすると、芽衣の枕元に戻った。 「ほら、汗を拭いてやるから服を脱ぎ脱ぎしような」 芽衣は素直に手を挙げるので、すっと寝間着を脱がせてやる。凹凸の少ない芽衣の身体、服を脱がすのは簡単だ。 「ちょっと寒いかもしれんけど我慢しろよ」 俺は上着を脱がすと、上半身裸の芽衣の身体を蒸しタオルで拭いてやる。 「寒くないか」 「うん、もうだいぶと良いから」 そりゃよかったな。ズボンと面のパンティーを一緒に下ろして、下半身も裸にすると俺は蒸しタオルで拭きてやった。まるで人形を拭いてるみたいなもんだ、たいした手間でもない。 「ありがとうオジサン、気持ちいいよ」 「ふんっ……」 俺はさっさと拭き終わると、濡れた身体を乾いたタオルで拭いてやった。 「ほら、さっさと着替えろよ」 適当に下着と着替えも持ってきてやっている。 「オジサン、今日はエッチな事しないの?」 俺はビックリして吹きそうになった。 「バカやろう、具合の悪いときにしないだろ」 「でも私、今日のオナニーやってないし……」 芽衣は、まだふらついてるのに起き上がろうとする。 「あのなあ芽衣、具合の悪いときはしなくていいから」 「でも、約束だよ?」 「お前は『交換』でやってるんだから、今日は俺もオナニーしないからお前のしなくて良いんだよ。さっさと着替えて寝ろ」 「そうなんだふーん。ねえ、オジサン今日は一緒に寝てくれないの?」 芽衣は着替えの下着と寝間着に着替えながら、甘えた声を出してくる。
風邪がうつりそうだし、芽衣の具合にもよくないと思ったから一緒に寝るのはやめておこうと思ったんだが、もう治りかけだからいいか。 「しょうがねーなあ。一緒に寝てやるから、ちゃんと寝ろよ」 俺が芽衣の大きなベットに潜り込むと、腕にギュッと抱きついてきた。なんだなあ、ダッコちゃんって昔の人形を思い出すな。 芽衣の世代にそんな昔のおもちゃの話しても知らないだろうけどさ。そういや、玩具といえば……。 「お前、クマのぬいぐるみ置かなくなったな。ようやく子どもっぽいぬいぐるみ遊びから卒業したのか?」 ベットが大きいのをいいことに、ウザイぐらい大量のぬいぐるみを枕元に並べておくのが芽衣の趣味だったのに、最近は端っこのほうに避けてある。 「オジサンが代わりに寝てるから、もういいの……」 「なんだよ、俺はぬいぐるみ替わりかよ」 そういや、よく考えればそういう『交換』を俺がしたんだったっけ。 いや、芽衣のほうが俺のぬいぐるみになるんだったぞ。 そんな細かいこと、もうどっちでもいいや、眠くなったから……。 芽衣はスヤスヤと寝息を立て始めている。その子どもっぽい寝顔を見ていると、俺も眠気を感じる。 熱っぽい芽衣の体温を感じる。誰かが自分に体重を預けるようにして寝てくれるのは、慣れると寝心地がいいものだった。それが可愛らしい女の子なら、申し分ないもんだ。
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「オジサァン……」 「んっ、もう朝か」 真っ白い天井、芽衣の大きなベットの上で目を覚ます俺。 ふっと横を見ると、芽衣は居なかった。あれ、これがするのに芽衣はどこにいった? 起き上がろうとすると、身体が妙に重い。 膨らんだ掛け布団を跳ね除けると、俺の下半身に芽衣が跨っていた。 「何やっているだよ……」 芽衣は、勃起した俺の股間を舐めまわしていた。 気持よくてオカシイと思ったんだよな。 「だって、オジサンがしてくれって言ってたのにー。気持よくないの?」 そう聞かれたら気持いいけど。 「お前、風邪はもういいのか」 俺の質問には答えず、いきり立った朝立ちを一心不乱になめまわしている。答えるまでもなく、具合は良くなったってことか。 めざましフェラを教えたのは俺だが、まさか病み上がりの芽衣がこんなに積極的になるとは思わなかった。昨日まったく射精していないので、俺の睾丸にはたっぷりと精液が溜まっている。 芽衣の舌技は結構上達しているので、裏筋を小さい舌先で刺激されると暴発してしまいそうだ。 ジュブッジュブッジュブッ……。 俺と芽衣しかいない寝室に、嫌らしい音が響く。 「おいっ、芽衣。あんまり激しく舐めるな。俺の眼はもう覚めてるからフェラはもういいんだ」 気持よさに腰が浮き立つ、俺が出してしまいたいと身体を震わせると芽衣は陰茎から舌を外して、ニッとこっちを笑ってみせた。小さくて子どもらしい顔が、俺の罪悪感を刺激して射精欲を抑えてくれる。 (こいつ、寸止めを覚えやがったのか) 教えてないのに出来るのは、芽衣が生まれつき嫌らしいからなのか。とにかく、無駄打ちしないで助かった。
「いれてもいい?」 俺の竿をゆっくりと手でしごきながら、芽衣は微笑んで聞く。エクボができて、子どもっぽい少女の顔が、その瞬間だけ女を感じさせるモノに変わる。 「ああ」 言葉少なに、俺はうなづいてみせた。本当はもう射精したくて溜まらないんだが、大人の威厳が損なわれるので悟られないようにする。芽衣は、嬉しそうに俺に跨って俺の太太とした竿を飲み込んでいった。 すでにカウパーで、ドロドロになっている俺のイチモツ。それでも、ジュブッと一気に飲み込んでしまえるのは、芽衣も興奮して濡れていたのだろう。俺が起きるまで、きっとたくさん舐めていたに違いない。 「あはっ、いっぱい入ってるー」 芽衣が俺の上で深々と腰をおろして、また引きぬく。 若い膣は狭さだけではなく、吸いつくような吸着力を持っている。 俺のカリが、芽衣の肉襞に擦られてたった一回のピストンで射精しそうになった。 「おい、芽衣っ! 少しゆっくり動いてくれ」 出してしまいそうだからとは言わなかったが、俺の顔に書いてあったのだろう。芽衣はいたずらっぽい笑みを浮かべた。 大人の威厳なんて、丸つぶれだ。 しょうがねえ、マンコにチンコを突っ込んでるんだ。 大人も子供もあったもんじゃない。 芽衣は俺を気遣ってゆっくりと腰を上下させてくれるから、俺はなんとか射精しないでしばらく芽衣の吸いつくような生の膣を味わう。 うう、ヤバイ。また射精欲が高まってきた、芽衣の強い膣の締め付けに金玉が裏返りそうになる。 芽衣は腰をゆっくりと回しながら、猫みたいな蠱惑的な瞳で俺を反応をじっと見つめている。俺が感極まって射精する瞬間を全身で味わおうとしているのだ。 クソッ、子供みたいな身体のくせになんて嫌らしい女になりやがったんだ。 芽衣が気持よさに唸っている俺を眺めて、ニッとイタズラッぽい笑みを浮かべる。小さい唇から舌先をペロッと出すと、またピストンを早め始めた。
病み上がりとは思えない粘り腰。微熱のせいか妙に体温や膣内の温度が高くて、それが俺を射精に駆り立てているようなのだ。 「芽衣、もう出ちまう……」 我慢しきれず、俺は先に音を上げた。 「うん、奥にいっぱいだしていいよー」 鈴の音みたいなかわいい声で囁いてくる。 俺は芽衣の小さいおしりを抱えるようにすると、腰をうならせてピストンを早めた。そして、そのまま密着させて芽衣の中に欲望の限りを吐き出した。 「くはっ!」 朝一発目の射精ってのは、どうしてこうも充実感があるものか。 芽衣の膣は痛いほどギュッと絞めつけてくる。亀頭の先を、子宮口にこすりつけるようにしてドピュドピュ吐き出してやった。 芽衣のケツを持ち上げたまま、俺は最後の一滴まで芽衣の膣壁に精液を摺りこんでやる。芽衣が言葉にならない叫びで小さく息を吐いた。 膣中に出される感覚ってのは、どんなもんなんだろうな。 こればっかりは、男の俺には分からない。 芽衣の身体を持ち上げるようにして引き抜くと、芽衣の膣はぴったりと閉じてしまってまるで無垢なワレメにしか見えない。 「あいかわらず、お前のマンコはどうなってんだろうな」 「んんっ?」 芽衣は俺が言う意味がわからなかったようだ。別にわからなくてもいいが、芽衣の膣は人体の不思議と言っていいほど珍しいものだった。こんだけセックスして、子供みたいな無垢なワレメを保っているのが不思議なのだ。 芽衣のオナニーは激しい、ものすごい凶悪なバイブを突っ込んでおっ広げている。本来ならピンクの陰唇が花びらみたいにビロビロに広がるのが普通である。 それなのに、こうしてスルッと引きぬいてやると入り口をぴったりと閉じて子供マンコに戻る。膣内に射精した精液は、ほとんど漏れ出すことがない。 膣の拡張力、吸引力が異常に高い。そして締まりの強さが、まるで形状記憶合金みたいに子供マンコの形を保っているようだった。
俺は、芽衣を抱き上げると今度はベットの上に組み敷いた。 「オジサン?」 「お前まだイッてないだろ」 首筋を犬のようにぺろぺろと舐めてやる。汗をかいているはずなのに、芽衣の肌は舌先に砂糖のような甘さを感じる。 「私、気持よかったよー」 「俺だけイカされて、お前をイカせないなんて男の恥だからな」 俺は芽衣の首筋から、少女らしい含みを持った膨らみに舌を這わせる。その先っぽの苺におもむろに吸い付いた。 「あんっ」 芽衣は年相応の可愛らしい声をあげる。 「そうやって、大人しくしてたら気持よくしてやるぜ」 俺は芽衣を組み敷くと乳首から初めて、全身の性感帯を刺激し始めた……。
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