後日談15「平穏なる日々」 |
六月、じとつく雨が煩わしい季節です。 栗原綾子のリビングのカーテンは開いていますが、空に立ち込める暗雲のせいでまだ日も浅いのに薄暗いです。 正志は外を見ながら「晴れていれば野外でやっても良かったのだがな」と呟きます。でも言うだけで、最近はそんな気も失せているのですが。
「あの、もうしてもよろしいんでしょうか」 そう言って、綾子は正志に排尿の許可を出すように促します。
もう一度場所を言いましょう。 ここはトイレではなくリビングです。 そして、紺のスーツに下は青いブラウスに紫のスカーフ、三年前まで綾子が現役で働いていたキャビンアテンダントの制服を着させられています。 彼女はここで、肌色のストッキングと黒いショーツを脱ぎスカートをたくしあげて、板張りの床に置かれている大きなワイングラスにめがけてオシッコをするように命じられていたのです。 排尿の指示を待ってオシッコを溜めている綾子。その涼し気な瞳には、かつての軽侮するような無愛想な色はありませんでした。 「よしやってみろ」 正志の合図を待ちかねたというように綾子は、ガニ股の腰を突き出すようにしてワイングラスにめがけて黄金水を撒き散らしました。 女のオシッコは、コントロールが難しいものですが、身体の柔らかい綾子は不恰好になるのも構わずにワイングラスに腰を接近させていますし、指でできる限りビラビラを開くようにしていますから、何とか床を汚さずワイングラスに波なみと、黄金色の液体を注ぎ切ることができました。 「オシッコ終わりました」 「じゃあ、そこに検査薬を指してみろ」 正志がそう命じると、綾子は恐る恐るといった様子で妊娠検査薬のスティックを挿し込みます。 生理が予定より二週間も遅れているし、心当たりもあるわけです。 綾子はスティックを引きぬいて、それを祈るように目の前に掲げました。ほぼ確定とは言え、結果が出るほんの一分間がとても長く感じます。 「……判定に、赤紫色のラインが出てます」 震える声で、綾子は言いました。 「懐妊おめでとう綾子」 正志は、満面の笑みを浮かべました。綾子も、本当に嬉しそうにありがとうございますと何度も言いました。 二年以上待ち続けた待望の懐妊でしたから、嬉しさも一入でしょう。
今の綾子の喜びに満ち溢れた曇りもなく真っ直ぐな瞳を見つめていると、正志は野外調教なんかはもう必要ないと思いました。 躍起になって綾子を貶めていた頃の凶暴な気持ちが、ポッカリと抜け落ちてしまったのです。きっとそれは、軽蔑されることへの強い反発だったのでしょう。 俺はお前よりも強いんだぞ、自由にできるんだぞと綾子に主張するのに正志の方も一生懸命だったのでしょう。 ですから、こうも綾子が柔和に従順になれば、ことさら彼女を虐げて地面に這いつくばらせる必要もなくなったと言うことなのです。 「でも綾子、本当にいいのか」 「なにがでしょうか」 「わかってるだろう、前回の排卵日に俺としかセックスしてないんだからお前が妊娠したその子供は……」 「はい、田中さんとの赤ちゃんができて私は幸せです。だから、ありがとうございます」 嘘を言っているようには聞こえません。 試しに抱き寄せてキスをしてみると、向こうから濃厚な口づけをかましてきます。綾子は、正志の唇を強く吸いながら、艶めかしい舌を中に伸ばしてきて率先して唾液を交換してきます。 綾子の熱心で深いキスは、熱烈すぎて正志が引くぐらいでした。女から求められることに、未だに正志は慣れていないのです。 正志は綾子と唇を重ねながら、なぜか茉莉香とキスしているみたいだと感じました。綾子の唇は、茉莉香に比べると薄くてツルンとしていますが、舌の絡ませ方までが似ていると感じました。 (やはり、茉莉香の影響かな) 正志がこれまでずっと、綾子に自分に好意を持つように仕向けた行いはことごとく失敗に終わっていたのに、この短期間の間にこんなにも変わってしまったのは、茉莉香が綾子に何か吹き込んだとせいだとしか思えないのでした。 いや、変わってしまったのは綾子だけではなく、正志の綾子に対する行いも当初とは全く違う結果になっています。 正志は元から、どうやっても綾子を孕ませるつもりでしたが、その懐妊は夫の子供か正志の子供かわからない状態に誘い込んで、出産させてから親子関係を確認して正志の子供ならその事実を突きつけて絶望させる計画だったのです。 そこまでやって、ハロウィンの悪戯を完成させるつもりでした。当初の計画とは全く違う形になっています。 ある意味では、綾子も正志も茉莉香の手のひらのうえで踊らされたと言えるのかもしれない。そんなことに気がついて、正志は苦笑しました。
「妊娠したからといって、安心していてはダメからね。ちゃんと俺との愛を深めないと元気な赤ちゃんは産めないよ」 「はい、あの今日は、抱いて貰えるんでしょうか」 まさか、あの綾子が積極的に求めてくるようになるとは思いませんでした。 妊娠という目的を達して、本来なら正志は用済みのはずなのです。 これでは、妊娠してからも綾子を抱く理由付けを用意してきたことが、まったく無駄になってしまいました。 自分の空回りっぷりがおかしくて鼻で笑ってしまいます。 「フフフッ」 「あの何か私、おかしなこと言ったでしょうか」 正志が急に笑い出したので、綾子は眼を丸くしてきょとんとした顔をしています。 「いや、今日はここまでにしておこう」 綾子とキスをしただけで、正志は栗原の家をあとにしました。
※※※
その足で、すぐ正志が向かったのは深谷家の部屋です。綾子のことがこうも順調に進んだのは茉莉香のおかげなのですから、報告に行くべきだと思ったのです。 茉莉香は、自分を優先してくれと何度も言っていましたから、きっとその判断は正しいのでしょう。 「いらっしゃい正志さん」 まるで茉莉香は、今日この時間に正志が来るのだと初めからわかっているかのようにさっと迎えました。 オートセキュリティーマンションですから、だいたい玄関の呼び鈴で入ってくるのは正志だと茉莉香もわかっているのでしょう。だからそこまで不思議なことではないのですけど。行動を見透かされているなと感じます。 やはり茉莉香には勝てないのかと思いますが、女の手のひらで踊るのも心地よいと感じる余裕がいまの正志にはあります。 「栗原さんのことだけど、やっぱり妊娠してたよ」 そう報告しても、茉莉香はまったく驚きません。 「そうですよね。やっぱり妊娠してたんですね」 茉莉香はしたり顔で、さもあらんと頷きました。 「ああ、茉莉香の言う通りだった」 一ヶ月前の3Pの時に、綾子が今回こそ懐妊すると言った予言が当たったわけです。もしかすると女の勘は、ハロウィンの魔術より凄いのかもしれません。
深谷家のリビングに通されると、正志はまるで自宅に帰ってきたような気がします。たった一人でいる自分の部屋のほうが、寒々として居心地が悪いぐらいです。 「ケーキありますけど、食べますか」 昼食は済ませていた正志も、それなら入りそうだ。 頷くとさっと綺麗なイチゴの乗ったショートケーキとコーヒーが出てきた。 「うっ」 正志はさくっとフォークで切ったケーキを一口入れて、思わず呻いてしまいました。ケーキが舌がしびれるぐらい甘かったからです。 「あれ、もしかして砂糖入れ過ぎちゃいましたか。ゴメンナサイ」 「いや、美味しいんだけどちょっとビックリした」 濃いコーヒーと一緒ならなんとか美味しく食べられます。お菓子作りは特に上手い茉莉香が砂糖の分量を間違えるなんて珍しいと思いました。 もしかして、体の具合でも悪いのかと心配になりますが。 「あの私いま、つわりで……」 「ああそうか、味覚が変わってきてるのか」 普段通りに元気な様子なので、つい忘れてしまいがちになりますが、茉莉香も妊娠三ヶ月を迎えています。
「二人目だから、もうだいぶ慣れてるんですけどね。感じる味がぜんぜん違うんですよ、食欲もそんなにわかないし、料理は失敗ばっかりしちゃって」 そんな失敗でも、茉莉香の手料理をいつも食べさせてもらっている旦那は羨ましいなと正志は思うのです。 「気にすることはないさ、これでも美味しいからいけないことはない」 甘味が強すぎるケーキを、正志はバクバクと全部食べてしまいました。 そんな正志を、茉莉香はうっとりとした顔で見つめています。
「……ママ、ママ」 そうしていると、隣の寝室から可愛らしい子供の声が聞こえてきます。 「どうしたのー起きちゃったのね」 茉莉香は立ち上がって、隣の寝室へと歩いていきます。 「マンマ」 「はいはい、オッパイね」 正志も立ち上がって、寝室を覗きこみましたが、その足は部屋の境界線のところで止まります。 栗色の髪をした可愛らしい茉莉香の、そして本当は正志との間にできた娘。ベビーベットで寝ていたらしい彼女は、身を乗り出してクリクリとした大きな瞳で母親を見つめて、小さい手を伸ばして、オッパイを催促しています。 「あれ、どうしたんですか正志さん。パパだよって言わなくていいんですか」 「お、おい……」 冗談ではありません、赤ん坊のくりくりっとした純真無垢な瞳で見つめられると、正志はたじろぎます。 娘の茉悠(まゆ)も、もう一歳八ヶ月です。パパママとカタコトで言うだけではなく、生まれつき聡明な彼女は、すでに自我のようなものも芽生えて、物の道理が分かり始めているようなのです。 この時期に、パパが二人現れて娘を混乱させるようなことがあってはいけないと正志は引いてしまっているのです。 茉莉香はそんな正志の様子を面白がるように微笑むと、悠然とした仕草でさっと茉悠を抱き上げて、大きな乳房を出して娘に乳首を含ませます。 「オッパイさえ飲んでれば、大人しい子なんですけどね」 大きすぎる乳房にしがみつき、一心不乱に乳首にむしゃぶりついている娘に母乳を与えながら、茉莉香は優しく娘の髪を撫でました。 「俺は、ここで眺めてるだけでいいよ」 それが正志の出した一応の結論でした。 今すぐ駆け寄って、茉悠と茉莉香を抱きしめてそのままどこかに連れ去ってしまいたい気持ちは今でもあります。 正志がちょっと自分の胸の内を覗いてみれば、その渇望は変わらない熱を持ってグルグルと黒いとぐろを巻いているのが分かります。 でもその欲望に一度負けてしまえば、きっと自分の命よりも大切な彼女たちの生活を傷つけてしまうのが分かっているのです。 だから、その先は触れてはいけないのです。
「あっ、寝ちゃいましたね……」 現金なもので、オッパイを飲みながら茉悠は寝てしまったようです。母親の胸に抱かれて、安心したのかもしれませんね。 「正志さん、抱いてみますか」 正志は何も言わずに頷くと、そっと寝室に足を踏み入れて自分の娘を抱き上げます。子供というのは、どうしてこんなに可愛らしくて柔らかくて暖かいのでしょうか。 正志のような男の手の中でも、無垢な天使の笑顔のままで眠りこけています。こうして自分が娘を抱けるのもあと何度機会があるだろうか、正志はそれを考えるだけで堪らない気持ちになります。 「正志さんが、その気になったらいいんですよ」 正志の顔を見て茉莉香が、そう言いました。彼女が何を言っているのか、正志は分かっています。 「ありがとう」 それだけいって、正志は茉悠を母親の手にそっと返しました。 茉莉香は、娘を抱き上げてほっぺにチュッとキスをすると、ベットに寝かしつけてタオルケットをかけました。 そんな母子の姿を眺める正志の眼は潤んでいます。 きっと、正志の胸に渦巻いている渇望は愛情などではなく、嫉妬と独占欲なのです。それは愛情に形が似ているのに、きっと真逆のものです。 茉莉香が、いつでも正志のものになってくれると言ってくれるからこそ、堪えることができるのでしょう。 そこまで、正志の深い胸の内を茉莉香が理解して自らそのように言った……とまで考えるのは穿った見方すぎるかもしれませんが、そのようにギリギリのところで踏みとどまることができているのです。 少なくとも今のところはですが。 「茉悠ちゃん、なぜか左の乳首ばっかり吸うんですよね」 「それはバランスが悪いな、じゃあ右は吸ってやろうか」 正志は、そう言って茉莉香と笑い合いました。 最初からどうせ吸うことは分かっているのだから、これは戯言というものです。 リビングのソファーに腰掛けて、茉莉香は正志に授乳します。 茉莉香の淡い茶褐色の乳首に吸い付くと、娘に負けないぐらいにチュウウウッと吸い上げました。親指大の大きな乳首から、ジワッと母乳が吹き出して正志の口に甘い味が広がっていきます。それはとても美味しいもので、茉悠がいつまでも乳離れできないで居るのも分かる気がします。 茉莉香は、それを優しげな眼で見つめています。
「あんまりオッパイ吸って大丈夫かな」 吸えば吸うほどに滲み出る母乳を一頻り味わってから、大きな胸の谷間に埋めてた正志は、ふいに顔を上げてそんなことを言い出します。 「えっ、どうしてですか」 「だって、母乳をあんまり飲むと胸の形が崩れるって言ってたぞ」 「ああ、綾子さんがそんなこと言ってましたねえ」 茉莉香のボリューム感たっぷりのHカップの爆乳がいまさらどうにかなるとも思えないのですが、正志と茉悠とこれから生まれてくる赤ん坊が吸い過ぎたら、いつかは萎んでしまうかもしれません。 「逆に聴きますけど、正志さんは私のオッパイの形が崩れたらもう愛してくれないんですか」 「そんなわけないだろ、仮に垂れたとしても萎んだとしても一生吸い続けるよ」 あんまり言われて嬉しいセリフではないと思うのですが、茉莉香はそれを聞いて嬉しそうです。 「じゃあ、私は平気ですよ。こうやって母乳が出てくれる限りは母乳で育てますし、正志さんに吸われすぎてオッパイがどんな形になっても、構いません」 「じゃあ、遠慮なく吸わせてもらうかな」 そんなことをいいながら、両手に余るほどの大きさの乳房の柔らかさを手で楽しみ、また乳首に吸い付いて甘い母乳をたっぷりと味わいました。 そして正志は一頻り吸って満足すると、茉莉香の上着を脱がせて、お腹にも手を這わせました。 「この中に、俺の子供が居るんだな」 まだ三ヶ月ですからお腹も目立っていません。まだ子供が男の子か女の子かもわかりません。それでも、手で触れる柔らかい脂肪の内側にホワっとした暖かい命の膨らみが感じられます。 「大事な時期ですけど、つわりが酷くてあんまり食べられないんですよね」 「じゃあ、赤ちゃんに栄養が必要かな」 そういってまた見つめ合ってから、堪え切れないと言ったように笑い合います。 「正志さんの、オチンポミルクなら不思議と飲めるんですよね」 「そうかー、フェラしてくれるのか。まあ、お返しはしないといけないからな」 二人とも、笑いを堪えながらそんなことを言い合ってます。プレイのときは言わせたがるくせに、茉莉香が普段の会話であえてオチンポミルクなど違和感のある隠語を使うと、意外に正志が恥ずかしそうにするので、たまにふざけて言うのです。 これも戯言の類、それとも睦言というべきでしょうか。
「じゃあ、ソファーに寝てください」 「おう……」 正志はソファーに寝そべってから、指示されるまでもなくズボンとパンツを脱いで股間を露出します。栄養のある母乳を飲んだせいでしょうか、すでに股間の肉棒は元気に屹立していました。 茉莉香が正志の上にまたがって、唾液を舌に溜めてから、ゆっくりと陰茎を飲み込む間に正志は茉莉香の下半身に手を伸ばしてスカートを剥ぎとってしまいます。 そのままシックス・ナインでもしようかと思ったのでしょうが、茉莉香の暖かい口の中に陰茎が包まれてしまうと、あまりの気持ちよさに手を止めました。 「いいですよ、正志さんは寝てるだけで」 妊娠してからは、茉莉香にこうして上に乗られて主導権を奪われることが多くなりました。茉莉香の口舌奉仕はとても丁寧で甘美な刺激で、それを楽しませてもらう誘惑に勝てないのです。 お口で陰茎を刺激してくれるだけでなく、睾丸や蟻の門渡り(いわゆる陰部と肛門の間ですね)肛門のあたりまで舌を這わせてくれます。 その奉仕っぷりは微に入り細に入り、正志をすぐに絶頂へと導いていきます。 「出そうなら出しちゃっていいんですよ」 反り返った陰茎の震えから、正志が射精をジッと堪えているのが分かったのでしょう。茉莉香はそんなことを言いながら、ちょっと挑発的に裏筋を舐め回してきます。 気を紛らわそうと、茉莉香のピンク色のパンティーを穿いた股間を引き寄せて、そこに鼻の頭を埋めたのですが、鼻の奥まで芳しいメスの匂いを吸い込んでしまって余計に興奮してしまいました。 「茉莉香にはかなわないな」 これでは、正志に勝ち目はありません。 「もう降参ですか」 口内の陰茎のビクッビクッという振動から、限界が近いのを悟ったのでしょう。チュルンと唇から外してそう聴きました。 「うん、もう降参だ」 茉莉香はそう聞くと何も言わずに、出てくるオチンポミルクを飲み干そうと陰茎を咥えて、何度か上限にピストンします。そうして正志を限界まで導くと、深く喉の奥まで飲み込んで、その瞬間を待ちました。 睾丸から陰茎の筒を通ってビュルルッとものすごい勢いで精液が駆け登って来るのが、茉莉香のお口の中で感じられます。 正志の反り返った陰茎は、まるで発条仕掛けの玩具のように、ビクンッ、ビクンッと激しく脈打ちながら、茉莉香の喉の奥にビュルルーッと熱い精液の塊を発射してきます。 茉莉香は恍惚とした表情で、そのドロッとした本来は飲みにくいであろう白濁色の体液を喉をゴクゴク鳴らして、いとも簡単に胃の腑へと落としてきます。 そのまま呼吸も置かずに、チュルンと最後の一滴まで吸いつくします。 全部飲み干すして綺麗に舐めて掃除すると、ニンマリと茉莉香は笑いました。一連の動作は、熟練の舌技。パーフェクトなフェラチオと言えました。 精液をたっぷり飲み干して艶然と微笑む茉莉香のホッペタは、さっきよりツルンとしていて、本当に正志の精気を啜ったようです。
「じゃあ、今度は俺の番だな」 正志は、スルッと茉莉香のパンティーを脱がせるとソファーに座って脚を開かせます。綺麗に剃られてパイパンになっているので、恥丘もオマンコも丸見えです。 「少し濡れてるぞ、興奮してたのか」 正志がそう言うと、茉莉香は恥ずかしそうに笑いました。 「ちょっと期待してました」 「そうか、それは期待に答えてやらないとな」 正志は、茉莉香の外陰唇を開いて、思いっきり舌で舐めまわしました。濡れやすい茉莉香は舐めてるうちに愛液を滲ませました。 「あっ……ふう……」 くちゅ。ぴちゃ。まちゅ。ぴちゅ。 ぶ厚い舌を縦横無尽に使って、茉莉香の穴の中を刺激します。どんどん愛液の匂いが強くなって、正志は鼻の奥に突き抜ける濃厚なメスの香りに頭がクラクラしてきそうです。それでも、舐める舌の根は休めずに続けます。 くちゅ。ぬちゅ。まちゅ。ぴちゅ。 「あっ、あっ……正志さん」 茉莉香が、切なそうに声を上げました。 正志はそろそろだなと思い、あえて舌を伸ばさなかった茉莉香のクリトリスに舌を伸ばします。 すでに興奮で中指の先ほどの大きさに勃起している陰核を思いっきり舐ってやると、茉莉香は脚を震わせるようにして叫び声を上げました。 「ひやぁっ」 思わず茉莉香が太ももを閉じてしまって、正志の大きな顔が挟まれてしまいました。 「ははっ、そんなに気持ちよかったのか」 「ゴメンナサイ、痛くなかったですか」
「いや、ぜんぜん。茉莉香の太ももなんて柔らかいもんだよ」 柔らかい太ももをそっと手で押しのけると、またクリトリスを舐め始めます。 「ひうっ、ふうっ、ひうっ……」 今度は、なんとか耐えたものの茉莉香のホッペタは見る見る紅潮していきます。クリトリスを舐められて、興奮しているのでしょう。 それをチラッとみて正志は今度は陰核の根本からチュウウウッと吸い上げました。 「ひやぁぁ」 そして陰核の先っぽを舌で強く叩きます。 「ひうっ!」 またチュウウウッと吸い上げます「ひやぁ」。舌で叩きます「ひうっ」。その繰り返しで茉莉香は腰がガクンと砕けてしまいました。 ビクッビクッと肩から全身を震わせて、ホワっとした表情で、視線の定まらぬ瞳で正志を見て、クンニしている正志の頭を抱きしめました。 「そこまでで……」 茉莉香にストップをかけられて、正志は含み笑いを漏らしてゆっくりと顔を上げました。茉莉香の股は、愛液を涎のように垂らして蕩けてしまいそうです。 「正志さん……」 茉莉香は正志の頭を抱きしめたままで、唇を耳たぶを舐めるように近づけて甘ったるい声で囁きます。 「……おチンチン欲しいです」 「それは、さすがにマズいだろ……」 まだ安定期に入っていないので、セックスは避けるべきです。激しいものではなければ平気だって意見もありますが、他ならぬ茉莉香のことですから正志はやりません。 「じゃあ、お尻でしてください」 「分かった、じゃあなるべく楽な姿勢でお尻を向けて」 茉莉香は、起き上がると上半身でソファーの背にもたれかかるようにしてお尻を突き出して股を広げました。 茉莉香のアヌスに、正志はまず舌を這わせて、唾液で濡らします。 後ろの穴は、すぐに唾液だけでなく腸液が出てきてまるで前の穴と同じようにヌメってきました。 これならローションもいらないぐらいです。
これは正志にも内緒にしていますが、お尻の穴でする経験が長い茉莉香は、そういうことになるだろうと予測できたときは、正志がしやすいように事前にメンテナンスしているのです。 鈍い正志はまったく気がついていませんが、茉莉香は今日はもうお尻でやるんじゃないかと思いながら誘っていたということになります。 期待していただけあって、後ろの穴の濡れもいいってことなのでしょうか。 「じゃあ、挿れるぞ」 正志のすぐ硬度を回復して反り返った陰茎を、お尻の穴に受け入れて茉莉香は感嘆の声をあげました。 「ああんっ……」 正志がゆっくりとピストンするなかで、茉莉香はお尻の穴をすぼめて、締め付けに変化をつけるまでして見せます。 この気持ちよさには、正志の方が思わず呻いてしまいました。 「お尻、気持ちいいです」 「そうか……」 もうちょっと激しく動いても良さそうだなと、ピストンの速度を早める。もちろん、お腹に衝撃を与えないようにお尻の穴にはこすっても、叩きつけるような真似はしない。 「あっ、あっ、ああいいです……」 「気持ちいいのか」 お尻の穴は、慣れるとオマンコより気持ちが良いとも言われています。しかし女性にはお尻の穴で刺激される前立腺がないわけで、気分の問題もあるのでしょうか。 「正志さんの太くてぇ、お尻の穴どうにかなっちゃいそうです!」 茉莉香はそう言いながら、もっともっとと豊満なお尻を奮って正志の陰茎を求めます。思わず、激しくピストンしてしまいそうですが、安定期に入ってない妊婦にそれはまずいので、正志は気持ちを抑えてただ後ろの穴をじっくりと味わうのに集中します。 アナルはマンコより、入口の窄み具合が強いのです。だから浅い挿入でも十分に気持ちよく達せます。
また茉莉香が、正志の動きに合わせて括約筋を締めるので何度も正志はイカされそうになりました。 「ああっ、いく、いくっ……お尻イクゥゥ!」 どうやら茉莉香より先にイッてしまうという不名誉は避けられたようです。茉莉香が絶頂に達したせいか、お尻の穴をギュンギュン収縮します。 奥まで深く挿入して粘膜と粘膜を直接触れ合わせていた正志も、茉莉香の絶頂に導かれるように射精が耐えられなくなっています。 「ううっ、俺もそろそろイキそうだ」 「正志さんもイッてください……お尻の中に出してください!」 茉莉香の声に誘われるように、正志は腰の動きを早めて「わあー」と声を上げて絶頂に達しました。 二回目とは思えぬほどの激しい射精で、茉莉香の直腸めがけてドバドバ射精します。 「たくさん出しましたね」 お尻の穴に正志の暖かい放精を感じて、茉莉香は満足気に呟きました。 「ああ……」 正志も、暖かいお尻の穴に包まれて最後の一滴まで搾り取られて恍惚としています。 「こんなに中に出したら、お尻の穴でも妊娠しちゃうかもしれませんね」 「アハハ、だといいな」 茉莉香がそんなことを言うので、正志は笑ってしまって気が抜けました。茉莉香の窄まったお尻の穴から、スルッと緩んだ陰茎を引きぬきます。 お尻の穴はマンコよりも簡単に、中に出された精液をトロトロと吐き出してしまいます。もともとが出すための器官ですから当たり前なのですが、茉莉香はお尻の穴からあふれだす精液を恥ずかしそうに手で押さえていました。
そうして後片付けをすると、茉莉香がもう一度茉悠の様子を見に行って、二人でさっとシャワーを浴びて帰宅です。 茉莉香も普段の生活があるので、一日にはこれぐらいしか二人でいられる時間はもてません。 それでも正志は、なるべく長く茉莉香との時間を持とうとしていました。 その合間に、綾子のところにも通って、正志はこれでなかなか忙しい日々を過ごしているのです。 そんなこんなで、平穏な日々は過ぎていくのでした。
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