第十五章「解放が終わる前に」 |
鶴奈と心の奥底からの満足を得ても、マサキの股間は休む暇もない。 今日は今日とて、保健室で佐藤理沙を抱く。アルジェ先生と話し合っているときは、片手間に理沙を楽しむのがマサキの習慣になりつつあった。 初めての日もそうだったが、理沙はあまり身動きもせずまるでお人形さんのように、マサキに抱かれている。声を押し殺し、心を押し殺して、マサキに抱かれていることを、あまり意識しないことが理沙の現実逃避の方法であるようだった。 それでも、言ってやれば抱きやすいように身体を動かしてくれるし、抱いていれば気持ちよくて射精してしまう。 「理沙……出るぞ! ちゃんと受け止めろよ」 「……うっ…………」
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!
「ふぅ……満足した」 がさがさとティッシュを出して自分の股間を拭く理沙。その表情は死んでいた。地味めの美少女である理沙の表情を殺している顔は、本当に人形のようだ。『理沙ちゃん人形』といったところか。 無反応で無表情の女の子というと、これはなんとも、楽しみがいのないことだが、人形みたいになっている女の子を犯して妊娠させるというのは、これはこれで面白いとマサキは思っているのでほったらかしている。 まだ中学生だというのに、マサキの趣味は、やはりひどく醜悪である。
自分の後片付けを終えたらしい理沙に、濡れタオルで身体を拭かせて身支度を整えながらもマサキはアルジェとの会話を続ける。 「そういえば、ネット探偵に報告最近してなかったな」 自宅に帰ることがないので、パソコンでネット探偵と会話することもない。前は毎日のように連絡してたのに。アルジェに指摘されて、初めて気がついたマサキだ。最近いろんなことがありすぎたから。 「DLOへの報告は、監視者の私が代わりにやっているから問題はない。ネット探偵がやっていた君にアドバイスを与えることも私がやってるわけだから――ただ、彼も寂しがってたから、たまには連絡を入れてやれよ」 マサキは男と話して喜ぶ趣味はないが、ネット探偵は一応恩人であるから。分かりましたとは言っておく。優先順位は果てしなく後になるが。 理沙が例のゴスロリメイド服を着て、メイド業務に復帰。マサキとアルジェにコーヒーを入れて、アルジェの傍らに戻った。理沙は一連の動作を無表情で行った、目は死んでいる。まるで、メイドというより部屋の調度品のようだった。 そのコーヒーを満足げに飲んで、アルジェは話を続ける。
「あとは、お前も少し言ってた不良への対策を早めたほうが良いだろうな。ざっと調べてみたがこの学校では、結構な数の不良生徒が放課後も校内をうろうろしている。職員室で尋ねてみたが、不良生徒問題には学校側はノータッチ、何とかしようという骨のある教師はいない。典型的な荒れた学園だな。教師側に変な動きがないだけ、考えようによっては利点でもあるが」 「そうですね……」 「考えてみろ、不良生徒は無秩序に学内をうろつき回っている。連中は人気のない場所を好む傾向があるようだな。種付けルームを発見されたら、ちょっとしたトラブルになるぞ」 「それはまずい……なんとかしないと」 マサキがまず考えたのは、種付けルームに警備を置くことだ。マサキの手駒で、戦闘力があるのは円藤希……ああ、駄目だ。マサキは、円藤のことを結構ほんとに好きなのだ。彼女の放課後の陸上部の練習を邪魔したくない。 鳥取ツバメも、実は結構強いが、不良生徒にぶつけるような危険なことを万が一にもマサキがさせるわけもなかった。 種付け隊の四人は、労働力にはなっても、どいつもマサキに負けず劣らず戦闘力は皆無。やつらに犯されている、女の子たちも強そうな娘はいない。種付けルームが、不良側に知れて強襲されればひとたまりもないだろう。 「ふふ――考えてるな。これは、お前にはいい課題だ。この程度の問題を解決できないなら、望み薄ということだよ」 そうやって、アルジェは楽しげにコーヒーを飲み干してしまう。機械的に、次のコーヒーを注ぐ理沙。 「種付け隊以外のクラスの男子を……いや、ルームのことを知られると不用意な行動にでるかも、どっちにしてもうちのクラスで場を収めるだけの制圧力を持ってるのは、円藤だけだ……そうか、ドキュンA、Bを使う!」 「そうだな、そこに気がつけたなら及第点だね」 アルジェは満足そうにコーヒーを飲む。楽しげに弟子の策を聞く。
「あいつらにもあいつらにふさわしい”美しいお相手”を抱かせないといけなかった。交代でルームの前に立たせればいい。あいつらも不良グループの一部なんだから、多少は顔が利くだろう。場を収めることぐらいは出来るはずだ。もし万が一、どうしようもなくなったらぼくに連絡してもらってぼくが催眠でかたをつければいい」 自信ありげに、アルジェを見るマサキ。 「よろしい、合格点をやろう。あと、付け加えるならお前が学校にいないときは円藤に頼るのだな。あいつの護身術とやらは本物だぞ、お気に入りを温存したいのは分かるが、使える駒は出し惜しみしないのが催眠術師だ」 アルジェにアドバイスのお礼を言って、教室へと駆けて行くマサキ。さっきの話を実行に移すのだろう。腰の軽さと手の早さだけは、見上げた男だとアルジェは考える。 だが、やはり若い……外は見えても、足元が見えていない。
「クイーンを出し惜しんで、キングを取られてはなんにもならない――なあ理沙」 「……はい」 理沙は無表情に頷く。そして、コーヒーを注ぐ。それをまた口にする、心地よい苦味が広がる。 アルジェは、自分が倒した過去の催眠術師たちのことを考えていたのだ。催眠術師の敗因は、みんな自分以上に駒を愛し過ぎたからだった。愛欲と執着は身を滅ぼす。どれほど冷酷を装っても、弱い人間たちは、みんなそうだ。 だが、かつての愛弟子。DLOを作った男は。そんな弱い人間たちのために催眠はあるのだという。形容矛盾、愚かなことだった。ほんの、つかの間の解放があったとしても、浅き夢はいつしか終わる。 悲劇は連鎖し、物語は終わる。分かっている。分かりきっていることなのだ。弱きは滅び、強きは残る。だからこれからも強い自分は、滅びを見続けることになるだろう。永遠に。アルジェの強さは呪縛なのだ。 「本当に愚かな男だよ」 「……はい」 理沙は無表情に頷く。そして、コーヒーを注ぐ……。
――――
自分の駒としての円藤希のことを考えていたからだろうか。教室に戻って、必要な暗示をかけ終えて、相変わらず担任の駄目教師のヘタクソな授業を聞いていたのだが、不意に面倒になって希の手を引いて教室を出た。 いまは、マサキにとっては授業を受けようが受けまいが関係なかった。最近は、とんとネットゲームもネットサーフィンもやらないし、催眠を利用してあまった時間に勉強すれば中学校の授業程度の勉強は問題がない。教師には誰が学校に居ようと居まいと、すべて出席に付けるように言ってあるので日数も問題ない。マサキは自由だった。 「どこへ連れて行くつもりだ」 マサキの命令は学校では絶対。別に不愉快ではないが、希は気になってそう尋ねた。 「どこへか、考えてなかったな」 「ふっ……そうか。まあ別にどこでもいいのかもね」 希は、面白い冗談を聞いたように苦笑すると、大人しくついていった。なんとなく、上に階段を登って行って、屋上についてしまった。平日の屋上は、不良の溜まり場になっていることもある危険スポットなので、普通の生徒は近づかない。だから、マサキも屋上にあがったことはなかった。
「なかなか、綺麗なんだな」 思いのほか、屋上は綺麗に整備されていて、ベンチも置かれていた。古い学校だから、昔は生徒の憩いの場になっていたのかもしれない。いまは梅雨時の授業時間だ、さすがの不良どもも居なかった。 「あのさ、マサキ……様は、私と一緒に歩くのは嫌じゃないのか?」 クラスの外でも二人で居るときは様付けで呼べと言っているので、そういうのだが希はいつも呼びにくそうな感じだ。 「お前がぼくと歩くのが嫌というのはわかるが、なんでぼくが嫌なんだ?」 「その……私は女子としては長身のほうだろ」 なるほど、そういうことか。マサキは、まだ中学生なので可能性は残されているが、胴長短足である。長身でスラリとした、希とは頭ひとつ分ぐらい違う。 「そんなの気にしてたら、ぼくは生きていけないだろ」 そういって、マサキは乾いた笑いを浮かべた。デブオタは打たれづよいのだ。弱点がいっぱいありすぎて、もうどこを突かれても痛いので慣れてしまった。 「強いんだな……私は女なのに背が高すぎるとか、コンプレックスだったからな」 そうやって、珍しく晴れた雲間から覗く青空を見上げる希。きちんと、はにかむ女の子の顔だった。 (あの円藤希が……) 垣間見た意外な一面に心が洗われたような気がするマサキだった。催眠の力がなければ、希と親しく話すこともなかったし、このような変わった一面も見ることはなかったのだろう。何かを恐れるように、壊れ物を触るように、そっとマサキは希の手を握る。 凶暴な力を秘めているはずの希の腕は、本当にほっそりとしていて滑々していて、綺麗な女の子の手だったのだ。 「どうしたんだ……私がそんなにつまらないことを気にしているのが、そんなに可笑しいか。それは私だって!」 「そうじゃないんだよ……うれしいんだよ」 「うれしい?」 意外は返答だったので希は、訝しげに聞き返した。 「上手くいえないけど、そういう円藤が見れてうれしい」 「……お前がうれしいなら、そのなんだ……私もうれしい」 そういって、不器用な笑顔を見せてくれる希。美人であるので、これまでも色んな希を垣間見てきたが、そんな顔を人に見せたのは見たことがなかった。もしかすると、本当に心を許してくれたのかもしれないと思うとマサキは心が浮き上がってしまうように感じた。そこはやはり中学生、それぐらいに自惚れてもいいだろうとも思う。 だが、マサキはこの歳にして何度も何度も期待を裏切られて、十分に傷ついてもいたから、こういう期待が外れることを知っていた。そう、まったくいい空気だろうさ。 (それでも……それでも別にぼくと希は恋人ってわけじゃないんだ) もうこれ以上傷つきたくないという思いが「自惚れるな!」と胸の奥で叫んでいる。その痛みは、うれしさよりも辛かった。苦しかった。マサキは、この目の前の女を催眠で自由にしているに過ぎないのだ。そうだ、ぼくは馬鹿か。催眠を使って支配下において、抱いて中出しまでして陵辱しきった女に、こんなにどきどきするなんて。 (だから……) 希の美しい瞳に吸い込まれるように引き寄せられたと思ったら、いつのまにかマサキは希に口付けをされていた。別に深いキスでもない、ただの口付けだ。それでも、まったく準備もしていなかったマサキはびっくりした。 「あ……」 「ごめん、なんか急に辛そうな顔をしたから……勝手なことをしてしまった」 希はマサキを心から気遣ってくれたのだ。それが今のマサキには、分かった。催眠で支配下においているから? いや、それでも心が温かくなった。 だから、数々の胸を掻き毟るような過去の痛みがいとも簡単に消えうせた。 「ありがとう、円藤……」 「あのマサキ……様。できれば名前で呼んでくれるか」 「そうか、うん。希……お前も、もうぼくの名前に様は付けなくて良いぞ」 「うん……マサキ」 まったく、デブオタのマサキには似合わない不器用さな会話だった。それを思うと、マサキは恥ずかしくなる。それでも、マサキ以上に恥ずかしそうな顔をしている希を見るとそんな気も晴れた。希だってこんな台詞は似合わないやつだったんだ。 似合わないもの同士、ほんの少しだけ自分にこんな甘さを許してもいいじゃないか。もう一度だけ心を許してしまってもいいじゃないか。
マサキは、だから本当は犯すつもりで希を引っ張ってきたのだが、このときはただ爽やかな風が吹く屋上のベンチに座って、希とただいちゃつくことにした。かなり不釣合いでも、本当にただのカップルみたいだったから。そういうことが、このときのマサキにはうれしいことなのだった。
このように、緩やかなときを生きていくのもいいのかもしれない。勝ち取った世界を貪ることにも少し飽いたマサキは、そのようなことを考えても居たのだ。そういうと本当に穏やかなようだが。 放課後にまた保健室に寄って、佐藤理沙をむちゃくちゃに乱暴することを忘れなかったマサキはやはりマサキであり続ける。それがどのような結果を生むとも考えぬままに。
|
第十四章「マサキの休日」 |
土曜日だった。当然のことながら、マサキもツバメも休みである。今週は珍しく、鳥取鷹郷が土日休みが取れたので、鳥取家の大黒柱はツバメとヒナを連れて遊びに出かけている。 「たまには遠出もしてやらないと、愛車が泣くからね。じゃあ、マサキくんと鶴奈はあとよろしく!」 「はい、いってらっしゃーい」(相変わらず、むかつくイケメンだな事故って死ね) やはり出勤で乗るのと、休日のドライブは違うのだろう。嬉しそうに愛車を駆る鷹郷を、マサキと鶴奈は手を振って見送った。家族サービスであるのだから、鶴奈もついていくところなのだろうが、マサキが命令して残しておいたのだった。
「鷹郷さんもせっかくの休みだから、楽しんできてくれるといいのだけど」 「さあ、どうでしょうね。生憎の天気ですからねえ」 空は曇り、シトシトと雨が降り続いている。マサキは、雨の日が好きだった。引きこもりだから、どうせ外にでかけることもなかった。どんよりと灰色に染まる雲を見つめていると、なぜか心が落ち着いて安らぎを感じるのだった。
「お茶でも飲む」 「ああ、ありがとうございます」 灰色の空を見つめながら、静かに茶をすする。普段活発に活動をしないマサキには、今週は楽しくも慌し過ぎた。打てる手は打った。あとは、マサキのクラス支配が浸透するのを待つばかり。まずまずは、満足できる状況といえた。心地よい疲労感のなすがままに、身体を深くソファーに沈める。
「さて、今日は何をしましょうかね」 「鶴奈さん仕事はないんですか」 「休日まで仕事というのは、無粋だからね。最近は詰まってないから大丈夫なのよ。さて、何する。何もしなくても良いけど」 そういってマサキに、微笑みかけてくれる鶴奈。 本日から明日にかけて、鶴奈は排卵日を迎える。そのことを何とはなしにマサキは察知していた。 だから、こうして旦那たちを追いやって時間をとったのだ。 時間はいくらでもある、ゆっくりと出来る時間は。
――――
嫁がマサキに犯されつつあるころ、鷹郷たち。 「今日は雨だから路面のすべりがいいぜ、ほらヒナこれが四輪ドリフト!」 「キャーーー!」 「ちょっと、兄さんやりすぎぃあああああああ」 峠を攻めていた。のんきなものだった。
――――
どちらともなく、マサキと鶴奈は寝室に向かった。普段夫婦生活に使うべき機能的な寝室。最近では、マサキと鶴奈が一緒に利用することのほうが多いのは皮肉なことだ。 雨は静かに降り続いている。梅雨の時期に結婚式が祝福されるのは理由のないことではない。この時期に種付けすれば、ちょうど春ごろの一番良い季節に出産となる。雨で外にでるのも億劫なので、家の中で秘め事をするにはちょうど良い。種付け日和といったところだ。 鶴奈が外を気にしてカーテンを閉めようとする。窓の隙間から、湿った空気が流れ込んでくるようだ。 「この季節は嫌だわ……お洗濯ものも乾きにくいから」 「ぼくは好きですけどね、雨は。それに乾燥機があるじゃないですか」 「ほら、洗濯物はいいけどお布団はお日様で干さないとね」 「気にならないけどなあ」 そうやって、ベットに身をなげるようにして布団に包まるマサキ。適度に湿り気があって冷たい布団も一日、下手をすると十二時間は寝ているマサキには心地よいものだ。 「休日のお昼前から、カーテンを閉めてベットに入るのって不健全よね……」 そういいながらも、鶴奈もベットに入ってきて身を寄せる。 「いや、むしろ健全じゃないですか人間としては」 腰を抱くようにして抱き寄せるマサキ。身を寄せ合うだけで、安心できるのは鶴奈の身体が自分にとって一番慣れた身体になっているから。 「そう……マサキくんがいうならそうなんだろうね」 程よいふくらみに頭を伏せるように匂いを嗅ぐ。安心するのだこうしていると。カーテンから差し込む淡い光、湿った空気、鶴奈の身体、それがマサキにとって優しいものだ。
自分と同世代の若い少女のはちきれんばかりの身体もいい。だが、成熟した女性である鶴奈にはマサキは母性を感じる。新しい母性。鶴奈と子作りすることで、自分を新しく産み直してもらいたい。それできっと、自分は本当の意味で満たされることができる。新しい家族、新しい家庭を持てるのだ。 ゆっくりと、胸をまさぐっていく、まさぐられていく。服を脱がしていく、脱がされていく。とても自然な行為だった。必死になってがんばる必要はない、マサキのどのような行為も鶴奈はやさしく受け止め返してくれるのだから。 そのように信じられるのだから。
そのようにして二人は、時が止まってしまったように静かな寝室で、いつの間にか一糸まとわぬ姿で抱き合っていた。無言で身体をまさぐりあうだけで、鶴奈は程よく、濡れてきた。マサキも程よく、高まってきた。 中学生のマサキにはよく分からないが、慣れきった夫婦のまぐわいというのはこういうものなのだろうか。身体を通して、心に愛情を通わせるような。すぐにでも、挿入して射精したいほど性欲が高まっていても、いつまでもこの状態を続けていたいような気もしていた。 常に不安だった。ツバメや同級の女の子を抱くときは、何かに駆り立てられるようにして必死にチンコをおったてて、オマンコを犯していく。血を滾らせた獣のようだった。射精欲の奴隷のようだった。油断もできなかった、不安に満ち満ちていた。そうして、そのような獣の抱合にそれなりに満足も感じていて。 抱き合って心に安定を感じるのはこれが初めてだった。滾る欲ではなくて、安らぎを求めて満たされるような。
「入れるの?」 「そうですね、さすがに……そろそろ」 短い会話だけで、意思を伝えることもできる。ほんの少し身動きしただけで、こちらの意図を察したようにごそごそと鶴奈は身を起こした。 「あの……マサキくん、一応ゴムあるんだけどね」 そういって、ベットの下にあったコンドームの箱を取り出した。なぜかちょっと恥ずかしそうにしている鶴奈。暗示はもう徹底的にかかっていて、鶴奈の心理的障害は取り除かれていて、完璧のはずだったのだが。いまだに、どこかに抵抗が残っているのかと訝しげなマサキ。 「ゴムは使いませんよ。ぼくと鶴奈さんは家族だからいいんですよ」 「うん、マサキくんに教えてもらったからね。私も良いと思うんだ、それでもね」 掛け布団を自分の身に引き寄せるようにして、一息おいて鶴奈は言った。 「今日は、本当の本当に危ない日だと思うから。今日、つけないでしたら出来ちゃうかなと思ったから」 「出来たら良いじゃないですから、作りましょうよ子供」 そうやって、布団を剥ぎ取るようにしてまた身を寄せるマサキ。抵抗はない。 「うん……でも鷹郷さんのじゃない子供なんて、やっぱり」 「ぼくと鶴奈さんの子供ですよ、家族でしょうぼくたち、だから!」 そういって、抱きしめるようにして腰を押し付けて挿入していく。 「あっ……入れちゃ」 準備も十分に整っている鶴奈の膣は、柔らかくマサキの勃起したものを受け入れた。 「いれちゃ駄目ですか……」 「入れてもいいけど……いいんだけどね」 ニュプっと音を立てて、腰を押し付けていく。静かな室内に嫌らしい音が響き渡る。腰を押し付けるようにして、さらにゆっくりとピストンを開始するマサキ。 「ふっ……そんなに強く突いて」 その拍子にポロっと、手からコンドームの箱を取り落とした鶴奈。 「もっと、動きますから……」 「うっ……うん」 ピストンの速度を速めていくマサキ。マサキが動きやすいように、身体の位置を調整して鶴奈も抱きしめるようにして、動きをあわせた。心地よい、気持ちよさが下半身から押し上げてきて頭が真っ白になるように沸騰して。心と身体が繋がったセックス。 自分が気持ちよくて相手が気持ちよくなってくれて、繋がった先からひとつに溶け合ったような快楽だった。こうして、抱き合うことができる。高めあうことが出来る。何か自分の皮がむけて新しく生まれ変わってしまうような、そんな気持ちをマサキは感じた。鶴奈はそんな気持ちを受け取った。 届いたのだろうか、きっとこのとき、本当に届いたのだろう。
マサキの初体験は鶴奈だった。鶴奈とセックスした。そして、ツバメを抱いて同級生たちもたくさん犯して、そしてそしてまた鶴奈に帰ってきたのだ。そういうなかで、やはりここだったと思った。マサキの帰る場所は。 マサキは、泣いていた。セックスをしながら泣いていた。
満足していたから。初めて、マサキは満足することができたのだから。中学生のマサキは、やはり幼かったのだ。自らが何に不満を持っているか、何を求めているのか、本当に何も考えていなかった。何も気がついてなかった。だから、ただ目の前の快楽を追うようにして、ただ走り続けて、それで不意に本当の満足を得てしまった。満ち足りて初めて、自分がどれほど飢えていたかを知ったのだった。 だから、泣いてしまった。
「うっ……うっ……」 マサキは泣いていた。 「泣いているの?」 「はい……気持ちよくて」 「そう、マサキくん……中に出して良いわよ」 鶴奈は、醜い少年が自分を抱きしめて泣きじゃくっているのを見て、なぜかこの子の子供を産んであげようという気になった。愛おしさが湧き上がるように感じた。だから、マサキを抱きしめ返してそういった。 「ありがとう……鶴奈さん」 「今日、中に出したら、たぶん出来るわ。なんとなく分かるものなの」 「鶴奈さん、ぼくの子供産んでくださいね」 「うん、たくさん出して良いよ」 マサキは、胸を満足で焼くようにしながら、熱い精液を鶴奈の奥底で射精した。
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!
ドクドクと、鶴奈の子宮口から子宮へと余さず流れ込んでいく精液。いつもの射精とは熱が違った。満足の塊が吐き出されていったのを感じる。一発の射精にすべてをぶつけるようにして、マサキは。これは、感極まるということなのだ。 「出しましたよ」 「ふっ……来た!」 鶴奈は、お腹の中に熱の塊が吐き出されていたように感じた。 「あったかい……」 無言で、鶴奈のお腹をさするマサキ。 「あのね、ヒナが出来たときも、こういう感じがあったの。不思議だけど、私はたぶんできるときが決まってるんだよ」 「そうなんだ、うれしいなあ……うれしいなあ……」 そういって、マサキは鶴奈を抱きしめる。それは、胸をかきむしるような愛欲ではなくて、満ち足りた愛情だった。マサキと鶴奈は、きっちりと繋がっているのだから。 「もうしばらく、このままで居ましょうか」 そう、鶴奈はいったがマサキはまた動き出した。 「いや、大丈夫ですよ。何度でも出しますから」 「そう……じゃあ私もイキたいから、お願いできるかしら」 「はい、何度でも」 鶴奈とマサキは、鷹郷たちが帰ってくる夕方まで何度も愛し合った。
そして、マサキは鷹郷にヒナの部屋で寝るように暗示をかけて、さらに「今日は鶴奈と愛し合った」という記憶を与えて、明日も外に出かけるようにした。そうして、マサキは夜も鶴奈を抱いて、この週末は鶴奈と存分に楽しむことにしたのだ。
このときに本当に、子供が出来たのだと、あとで分かった。鶴奈の勘というのは、恐ろしいものだなとマサキは思った。
|
第十三章「種付け室」 |
その日は放課後は、レクリエーション室改め、種付けルームの落成式だった。 部屋の壁には急ごしらえの防音パネルがはめ込まれていて、部屋のカーテンも厚くてしっかりしたものに変えた。これで、締め切ってしまえば、ほぼ完璧に中の音は外には漏れない。 ベットは四つ並べただけでは、スペースが広すぎたので、これまたカーテンで仕切ってベットをもう二つ並べることにした。その隔離スペースは、ドキュン二人組みにブス四天王を抱かせる場所だ。不細工とドキュンの化け物じみたセックスの音や光景が漏れたら、さすがの種付け隊も萎えるだろうから隔離するという心憎い配慮である。 クラスの普通レベルの八人の女子を放課後のクラブ活動として犯させる施設。
壁には、なぜか種付け隊の四人が残念そうな顔で並んでいる。 彼らは、自分の好みの女子を一から十まで好き勝手に犯させてもらえると思っていたのに、マサキが中世のインチキ聖職者のように処女権を主張して、処女貫通の儀式でこの種付けルームの落成式をやるといいだしたのでがっかりしているのだ。 マサキは得意満面の笑みで、下半身だけむき出しにして並んでいる八人の女子を楽しげに見つめている。
八人の女子は一応に諦めた表情だった。何日にもわたった催眠は彼女らから抵抗する気力を奪っている。 股は彼女ら自身でローションが練りこまれており、準備は完了していた。 種付け隊にクンニさせて準備させることも考えたが、よく考えると汚らしい唾液で汚れてしまうので、そこにチンコを突っ込むのが嫌だとマサキは思いなおしたのだ。自分もキモオタのくせに、あいかわらずいい度胸である。
「じゃあ、左から順番に突っ込んでいくね」 さすがに八回射精できるわけではないので、全員に中出しすることは考えていない。心の準備も余韻も何もなしに、ただ左の子から順番に突き入れていくマサキ。 処女膜を破るという行為は、個人差もあるがケアなども考えると結構面倒くさく、特に気持ちがいいものではない。気持ちよさがあるとすれば征服感とか、まあ精神的なものだ。八人ものキツキツのマンコにたっぷりと押し込んでいく作業は、それなりにきついものだった。 それでもマサキは、後先考えずに、ただ乱暴に押し込んでやぶってしまえばいいので、その点は楽だった。無残にも処女膜を破かれた女の子たちは、「痛い!」や「嫌!」など無個性な台詞をそれなりに個性的にあげている。 気分もへったくれもないので、嬌声をあげるような子は皆無だった。現実は陵辱ものエロゲのように簡単にはいかないのだなと、マサキは少し疲れを感じて手を……ではなくて、腰を止めたが、やはり八人の女子が腰を突き出して、自分に突かれるのを待つという淫蕩な光景に気を取り直して、儀式を続ける。 時間も結構かかったし、四人目ぐらいで射精してしまうかと思ったが、不思議と射精はせずに八人目まで来てしまった。ローションでテラテラに光っている股間にゆっくりと差し入れると、何の抵抗もなくスルスルと入っていく。 「あれ?」 「あは……」 なぜか、八人目の少女、伊藤真奈美が半笑いで振り返った。 「伊藤、お前処女じゃないの?」 「うん……あの知り合いのお兄さんとね」 そういって申し訳なさに笑う。中学二年生でも、最近は処女でない子もいるわけだ。伊藤真奈美は、自分の兄の友人と好きあって付き合って突き合うというまあ、良くありがちなケースで処女をすでに喪失していた。 すでにセックスを経験しているので、マサキにやられて泣き出してしまっている女子もいるなかで、彼女はそこまで深刻な嫌悪感を感じずにいるようだった。 そのお兄さんとやらに開発されているオマンコは思いのほか具合がよく。 「じゃあ、罰としてお前のオマンコの中に射精な」 「えーやだ……ちょっと!」 そうはいっても、抵抗できないしマサキの腰も止まらない。けっこうな巨乳である真奈美の胸を揉みながら、マサキはようやく股間にしっくりくるセックスができたように感じていた。 「伊藤、お前のオマンコはなかなかいいな。やっぱ具合のいい娘のなかに出すのが一番だよ」 「うぁ……嫌だよ、そんなこと、褒められてもうれしくないよ!」 たとえ、真奈美が嫌がっても真奈美の大きな胸は、それを握り締めるマサキを興奮させる。真奈美の中で大きく膨れ上がったマサキの一物は膨れ上がって、欲望を吐き出す。身体は、そのための機能を備えている。自然に、性交は始まり終わる。 「ほれ出すよ、俺の子妊娠するといいよ!」
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!
「あぁー出しちゃ……やぁ!」 真奈美がおなかの中で暖かい液体が吐き出されるのを感じていた。経験があったから、その生暖かさが何を意味するのか知っている。真奈美は種付けされたのだ。 落胆する真奈美に同情できる女子は居ない。なぜなら、ほかの女子も同じ運命が待っているのだから。
「よーし落成式はこれで終了! 種付け隊やっていいぞ」
その掛け声を合図に、壁で並ばされていた種付け隊が歓声を上げながらクラスの女子にむさぼりついていく。女子は抵抗できない、デブオタ男子どもは新しいベットの上で、欲望の限りを尽くす。そんな光景を見て、喜びと悲しみの声を聞きながら、満足してマサキは種付け室を出て行った。
――――
帰り道、マサキはちょうど陸上部の練習を終えて帰る円藤希と一緒になったので、半ば強制的に誘って帰宅することにした。 やや不満げながら、練習の後にしてくれたのは助かったと円藤希はしぶしぶ了承した。「それにしても、どこに連れて行くつもりだ」 「ぼくの家……の隣」 二人の目の前には鳥取家があった。 「隣っておい……ここは、鳥取ツバメの家じゃないのか」 円藤希と鳥取ツバメは、親友とはいかないまでも親しい友達である。女子は、なぜか容姿レベルが同程度の女子と仲良しグループを形成するという不思議な習性があり、ツバメの家も希は訪ねたことがあった。 その隣に、安西マサキが住んでることなどまったく知らなかったわけだが。 「ここがまあ、いまぼくの家みたいなものだから」 「わけのわからないことを……本当に入るのか」 引っ張られるようにして、当然のことながら鍵は開いていた。
「マサキくん、いらっしゃい……あら見たことある子ねえ、お友達?」 玄関の物音を聞きつけたのか、鶴奈さんが出迎えてくれた。大体の帰宅時間を把握して鍵は空けておくが、無用心にならないように玄関には注意を払っておく。 家庭を預かる主婦としては普通のことなのだが、ここらへんの鶴奈の細やかな心配りが、マサキにはいちいち嬉しい。 「ああ、お邪魔します。『ツバメさんの』クラスメイトの円藤と申します」 マサキが紹介する前に、『ツバメさんの』の部分を強調した自己紹介をする希。 「あら、マサキくんとツバメのお友達ね」 「『ツバメさんの』お友達の円藤希です、よろしくお願いします」 マサキは、もう希をほおって置いてリビングに入っていく。ヒナは風邪が全快したらしく、ツバメと相変わらず例のRPGにかかりっきりになっていた。正直、ゲーマーのマサキからみるとキャラの配置も滅茶苦茶のヘタクソプレイでじれったい。いつになったらクリアーするんだ。レベル上がりすぎじゃないのか。 「あーお兄ちゃんいらっしゃい」 ヒナが暖かく迎えてくれる。玄関先に、希が見えたのでツバメが驚く。 「あんた、希を連れてきたの。何を考えてるの!」 「何って、友達を連れてきただけだが」 「当然のようにいうな、なんで私の家に連れてくるの!」 そんな言い争いをしているツバメとマサキ。そこに希が入ってくる。 「あーすまんな、ツバメ……お邪魔して」 「いやっ! 希はいいのよ友達だし、当たり前! 私がいいたいのはこの馬鹿が」 「なんだよ、友達だから連れて来てもよかったんじゃないか」 「違う……だからあんたが連れてくるから……あんたも、希も、くるのも、駄目じゃないんだけど……もう、わけわかんない!」 ツバメは自分の怒りに理由がつけられずに怒って、怒りを抑えることもできないようでプイっとゲームのほうに向いてしまった。そんなツバメの様子が意味不明で面白かったのか、ヒナがアハハと笑う。 笑われてさらに顔を真っ赤にするツバメ。最近パターンが読めてきた、このまま行くと怒りをつのらせたツバメに適当に理由つけて攻撃される。マサキは身構えた。
「あらあら……希さんも、お夕飯は食べていくのよね?」 意味はないのだが、リビングに追ってきた鶴奈が「あらあら」というと場が収まるので不思議だ。ツバメの怒りも収まったようでマサキは心底ほっとする。鶴奈さまさまだ。ご飯食べていくのかと聞かれて、円藤がマサキの方を振り返る。 「ああ、円藤も食べていきますよ夕飯」 「そう……じゃあ、そういうことでお願いします」 希もマサキの指示なので、逆らわずに了承した。携帯で家に、ツバメの家に寄って帰るから少し遅くなること、夕ご飯は食べていくことを連絡したようだった。マサキの家なら警戒されるだろうが、女友達の家ならば警戒されないというマサキの計算はうまくいったようだ。 「じゃあ、ツバメ。夕ご飯まで、ちょっとツバメの部屋借りるからな」 「勝手にしなさいよ!」 もうゲームに集中して、相手をしてくれないツバメだった。いまは好都合だが。 「じゃあ、円藤、ちょっとツバメの部屋まで一緒に付き合ってくれ」 「わかった……」
あいかわらず、甘い匂いがするピンクと白を基調にしたツバメの部屋。もう自分の部屋よりも、ここが居心地よくなっているマサキである。部屋に入るなり、ベットに腰掛けて借りてきた猫のようになっている希。 「円藤……なんで呼ばれたかはわかってるよな」 「それは、わかっているが……まさかツバメの部屋でとは予想してなかった」 そういってうつむく希。こうしていると、可愛らしいものだった。
希は、髪も短髪に刈り上げているし、身体も鍛えていて動作も普段からキビキビしているのだが、そうやって抑えれば抑えるほどに、その女性らしい肢体からは妙な色気が滲み出ているのだ。こうして隣に座っていると、甘ったるいツバメの匂いとは違って、こう爽やかな甘酸っぱいような匂いがする。 そのせいもあって陸上部の活動で目立ってることもあるのだろうが、活発で可愛くて、いかにも男子受けしそうな鳥取ツバメや、男の保護欲をそそる健気な佐藤理沙などと遜色ないほどに男子に人気がある。 「お前、美人なのに彼氏つくらないのか?」 不思議に思ってマサキはそう聞いてみる。 「言い寄ってくる男が、みんな私の身体しか見てないのがわかってるから……そういう馬鹿な男子とは付き合いたくない」 何を見ているのか、何も見ていないのか。うつむき加減に、そういう希。 「そういうもんかねえ」 「それで……やらないのか」
まさか、希からいってくるとは思わなかった。マサキは、驚いて聞き返した。 「あのな……お前のアレを飲んだあとに計測したら短距離のタイムがあがっていたんだ。確かに、効果があるらしいな」 そういわれて、なんのことかすぐ思い出せなかったが。 「ああ、そうだな。ぼくの精液を身体に取り込めば、お前の短距離のタイムは確実にあがっていくぞ」 そうそう、そういう理由付けでやるんだった。心理的訓練が身体能力に影響を与えるというのは、これは事実すでに研究が進んでいることで結果も出ている。陸上だけではなく、国体クラス以上の選手は、その多くが計画的なメンタルトレーニングを行い成果は実証されている。 強力なイメージトレーニングに匹敵するだけの効果を催眠は持っている。特に希の場合は、高い身体能力とそれを発揮できるだけのガタイができあがっているのだから、あとは脳が、その力を瞬発的にどれだけ引き出せるかにかかっているのだ。この場合は、マサキが安請け合いしてしまって問題はない。 「さあ、ベットに横たわって服を脱げ。ぼくに任せろ、膣で精液を取り込んだほうがもっともっと効果があるんだ」 「膣でとか、露骨なこと言うな……」 そういいながらも、覚悟はできていたのか。着ている服を脱ぐ希。下着は純白だった。当然なような、なにか意外なような不思議な感じがした。それも、脱いでいくのが恥ずかしいのだろうあわてて脱ぎ取っていく希。 「そんなにあわてなくてもいいぞ……時間はけっこうあるからな」 「誰が……しょうがなくやるんだからな。もう私は諦めてるから」 どうせされるなら、陸上のタイムがあがったほうがいいということなのだろう。 毛の生えかけた、オマンコに武者ぶりついていくマサキ。 「ちょっと、それはいきなりすぎるだろ!」 「痛たたたた! 顔挟んでるから」 いきなりクンニされそうになって、あわてて足を閉じた希の力強い太ももで顔を挟まれて死にそうになったマサキ。 「あ……ごめん」 「いや、ぼくも、がっつきすぎたよ、ゆっくりやるから」 そういって、口付けをするマサキ。もちろん上の口に。 立ってキスすると、背が高い希だと見上げるような形になってしまうから、ベットで寝そべってやるのは都合がいい。 「舌もいれていい?」 「嫌でもやるんだろ……いちいち聞かないでよ」 そういって口をあけて受け入れてくれる希の舌を吸うようにしてやるマサキ。ここらへんも、マサキの経験値があがってきているようだ。やりかたがうまいので、舌を絡めても抵抗はない。そのまま、ゆっくりと絡めてやる。悪くない雰囲気にはなってきた。
「はぁ……」 ため息をつく、希。 「どうした?」 「こういうのも悪くないと思う自分が嫌になってきた……私はこんなことがないと、こういうことは一生なかったかもしれないから……」 「そんなことはないだろう、こんなに綺麗なんだからさ」 「頼むからそんなこといわないで、やるならだまってやってよ」 マサキが、希の形の良い胸をもてあそんでやると、乳頭が元気にたちあがってきた。抑えていたのだろう、声と息が一気に吐き出されてペコンと希のおなかがへこんだ。すかさず吸うと、可愛らしい声をあげる希。一通りそうやって遊ぶ。
「円藤は、腹筋も結構あるよなあ……ごめんな妊娠したらちょっと落としてもらわないと」 「ああ……そういうこともあるのか。うん、しょうがないよ諦める」 普段の暴れっぷりが嘘みたいに、従順で大人しい希。マサキが知らなかっただけで、もとからこういう性格だったのかもしれない。 「もういいよね……」 そういって、希の股に手を入れるマサキ。さっきのがあったので、恐る恐るだったが抵抗はなかった。 「ほんの少し、濡れてる感じかな」 「だから……そういうことを、いちいち口にださないで」 生えかけの茂みは仄かな熱と湿り気を感じさせていた。 張りのある太ももが美しい。 「口で舐めるから、もう大丈夫だよな」 「だから……」 舌で湿り気を舐めとるようにして、味わう。口の中に甘酸っぱいような、柑橘系の爽やかな味が広がる。マサキは目が覚めるようだった。愛液の味は、女性によって味わいが違うものだが、こんな味は初めてだった。運動ばっかりするとこうなるのか、いやおそらく希の体質によるものなのだろう。 形のよい足を押さえて、腰を抱え込むようにして舐め続ける。いくら味わっても、味わいつくせぬ美味。マサキは、ただ舐め続け味わい続けた。 「……ふっ……もう駄目……ひゃぁ!」 我慢し続けてきた快楽に耐え切れなくなって、決壊したように身体を振るわせる希。ビクッビクッっと身体を震わせて、腰をガクガクと振る。 そして、快楽の波に耐え切れなくなって足を力いっぱい閉じた。 「いたただたたたたたた! 円藤、足! 足!」 顔と身体をギュッと足で挟まれて、溜まらず叫び声をあげるマサキ。 「はぁ……ごめん」 「はぁはぁ……足に挟まれる痛みがトラウマになりそうだ」 気がついて、足を開く希。もう十分濡れているし、トラウマでクンニができなくなっては困るので、この程度で挿入にいたることにする。 「じゃあ、いれちゃうね」 「だから……いちいち言わないで」 「いや、これは言わなきゃだめだろ。円藤は初めてだろう、最初は痛いものだから」 「馬鹿にしているな……痛みと言っても裂傷程度だろう、その程度の痛みを耐え切れないほど私は弱くない」 そういうものなのか、鍛えられる場所ではないような気がするのだが。希の濡れそぼったそこは、とても自然な感じで、いやらしいことをしているという感じがしなかった。 「そういうなら、入れちゃうね」 そういいながら、そっと下の口に亀頭を口付けさせて恐る恐るという感じでゆっくりと入れていく。思いのほか、すんなりと受け入れてくれた。ミシミシという感じで亀頭が抵抗を感じ、それでもゆっくりと押し付けていって、やがてすべてを跳ね除けてズブリと挿入した。 「うっ……」 希が小さく呻いた。 「やっぱり痛いんじゃないか」 「そんなことはない……ちょっとジンジンするだけ」 それが痛いってことなんじゃないかなと思いつつ、一度最奥まで入れて見る。ピストンはまだしない、痛みを我慢するようにこわばらせている希の美しい顔を見て、その反応を見てどうやるか決めるつもりだ。 処女にもいろいろあって、あまりに辛いタイプなら無理に動くつもりはない。希は明日の陸上の訓練にも無理にでも出るだろうし、ダメージを残すつもりはないのだ。 どうやら、大丈夫そうだと考えて、少しずつ動いて見る。 「うっ……うっ」 「やっぱり、きついか?」 「そんなことはない、別に自由うぅに、動いても……かまわないよ」 強がるので、希の限界ラインがわからない。希のオマンコは、鍛えているせいもあるのかもしれないが特に小さくて、ギチギチと心地よく締め付けてくれるので、無理にピストンしなくても十分に気持ちいい。 半剥けのクリトリスを刺激してやろうと見たら、接合部から血が一筋流れていた。それにもかまわずに、女の子の小さい亀頭を刺激してやる。 「ふっ……ふっ」 反応して息を吐く希。 「気持ちいい?」 「気が……まぎれる、多少うっ……」 「まあ、こっちはどうやっても気持ちが良いからな」 そうやって、胸に顔を押し付けてもてあそんでみる。すでに立っている乳頭をはじくと、いい声をあげる。そうやって気を高めて、さっさと射精するつもりだった。そんなに最初から無理やりやるつもりはないのだ。希とは長い付き合いをするつもりだから。 「それじゃ、そろそろ射精するぞ」 「ぬっ……来い」 その反応に少し笑ってしまうマサキ。 「来いっていうやつは初めてきたぞ、女の子は行くじゃないのか」 「行くもんか……そっちが来たければ来ればいいだろう」 変な反応だが、希らしい。そういうのも、希の強がりなのだろう。さすがに辛そうなので、さっさと射精してしまうことにした。すでに、射精圏内に気持ちは高まりつつある。腰を抱くようにして、ぐっと抱きしめると「うっ」とまた苦しげに望みは声をあげた。 「じゃあ、行きたいから、そっち行くわ」 「うん……来い」
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!
希の奥に、勢いよくほとばしる白濁液。吐きつけられて、何か感じたのかまた希は「うっ」と呻くのだった。初めてで、セックスでいかすっていうのはやっぱり難しいのかもしれないなと、射精の余韻に浸って抱きつくようにしてまとわりつきながらマサキは考える。今日はこのぐらいだな。
「明日も練習でるんだろうけど、控えめにしておけよ」 「……いわれなくても、無理しすぎて身体を壊すようなことはしない」 そこらへんは、ダメージの管理も出来る女だとは思っているけどな。 「こうやって、抱かれていればタイムは確実にあがっていくから、焦るな」 「そうだな……もしいまので妊娠したとしても、再来月の大会には出れるだろうし、冬のはきっと無理だから次の大会に賭けるよ」 「妊娠って、生理周期とか分かってるのか」 「いや……今日生理でなくてよかったと思っただけだが」 そうだなあ、円藤の性格で生理周期とか測ってきているわけがないとマサキは思った。 「出せばできるんじゃないのか」 「まあ、それでもそのうちできるだろうな」 「そうか……そうだな、私は諦めてるからそれでいい」 どうしてなのかはマサキには分からないが、希はクラスのどの女子よりも、諦めがよく現状を素直に受け入れている。理由など、どうでもいいのかもしれない。マサキにとっては好都合なのだから。 「タオルあるから、それで吹いてな。風呂も借りれるようにいっておくから」 「シーツはどうするつもりだ、今日このベットでツバメが寝るんだろ」 「ああ……シーツは、代えがある場所ちゃんと知ってるから大丈夫だよ」 いずれは、鶴奈さんにばれるわけでどうするかなあとマサキは思う。ちょっと言い訳のしようがないような気もする。ツバメに二回破瓜があったとか、それは面白い冗談だが、鶴奈さんに万が一、ヒナのだと思われるとちょっと……というか、かなりやっかいかもしれない。まあ、なんとでもなるかな。
一緒に後片付けをして、ご飯を食べて風呂に入って円藤希は帰っていった。いつになく、大人しかった。彼女なりに痛みとか、感情を押し殺していたのかもしれない。そして、今日もやっぱりマサキは、希を連れてきたことで余計に機嫌が悪くなってしまったらしいツバメにマッサージして殴られるのだった。
|
第十二章「朝の光と夜の闇」 |
安西マサキは、フローリングの硬い床の上で、寝苦しくて目を覚ました。 「うん……」 カーテンの隙間から差し込む光はまだ淡い、目覚まし時計がなる時間にはだいぶある。マサキは、ツバメのベットで寝たはずが、いつのまにかツバメの部屋の床で寝ている。寝てから、すぐに蹴りだされたのだ。 疲れていたマサキは、それでもそのまま寝続けたのだろう。 「身体の節々が痛い……まあ、これはしょうがないか」 この季節でも廊下に真っ裸で放り出されていれば風邪を引いただろうし、まだ部屋の中で、毛布を上にかけてくれただけが、ツバメの優しさというものだろう。 身体は節々痛むが、疲れはだいたい取れている。部屋に立ち込める甘いツバメの匂いが、マサキを回復させてくれたのかもしれない。 久しぶりに長時間眠ったので、脳の疲れは取れて普段よりもすっきりしていた。マサキは、中学生にして見た目は三十五歳(独身)みたいな風貌だが、内臓はきちんと少年なので少し休めば体力は無尽蔵だ。
マサキは、シンプルながらも、少女らしい可愛らしい飾り付けのツバメの部屋で、部屋の主を見つめる。可愛らしい寝顔だった。 「寝ていれば、素直に可愛いんだよな」 普段の活発すぎる棘が抜けた寝顔は、自分でも、危ういほどの愛おしさをマサキに感じさせた。 ツバメへの愛おしさが、マサキの身体を貫き、軽く頬が染まるほどにマサキの体温を上昇させた。ツバメが好きという気持ちが、ツバメを壊してしまいそうで。必要以上に、恐る恐る寝ているツバメへと手を伸ばして、布団をはぐ。 綿の地味なパジャマを、ツバメの爆乳が押し上げて、苦しそうだ。そっと触れてみると、ブラジャーはつけてないようだ。さらに成長を続けているらしいツバメの胸であれば、補正下着を着けなくても型崩れする心配はないのかもしれない。
ゆっくりと、パジャマのボタンをはずしていく。すると、ボタンはまるではずされるのを待っていたかのように、ポンポンと外れていき、上から魅力的な谷間が、そして最後のボタンをはずすとはじけるように、ボンッと巨乳そのものが飛び出すように姿を現した。乳首は立ってなかったが、可愛らしいピンク色だった。
ツバメは普段の乱雑な様子に比べると予想外なほど、大人しい寝相で寝ている。掛け布団をのけられて、パジャマをはだけられて胸をむき出しにしているというのに、息をしていなければ、そのまま死んでいるのではないかと思うほどの大人しさ。 ツバメの肌は本当に血がかよっているのか不思議なほどの、雪のような白さだった。
処女雪という言葉は、もしかするとツバメのような神秘的な処女の肌の白さをいったものかもしれない。マサキは、欲望を抑えかねてそっと乳房を持ち上げるようにしてツバメの乳を揉んでみる。 柔らかく、それでいてきっちりと芯があって揉みごたえがある。一言で乳といっても、いろんなタイプがある、とろとろに蕩けるような軟らかい乳、そしてツバメのような芯が感じられる柔らかい乳、やや硬めの乳。 それは肉の焼き方に人それぞれ好みがあるように、どれが理想的かとは言えないものだ。美術には、その先に芸術が追い求めるたった一つの美のイデアがある。しかし、人の嗜好には人の数だけの理想の形があるのだ。 だから、他の乳をすべて知らなくても、マサキは言ってしまっていい。 マサキにとっては、ツバメの乳こそが世界一の乳なのだと。世界でもっとも尊い美しさを持つ肉の塊を、欲望のおもむくままに揉みしだき嘗め回した。 寝にくそうに呼吸を乱すが、体勢までは乱さない。ツバメはどうやら寝相がことのほかいいらしい。 マサキは自分の顔に近い右の乳房にばかりむさぼりついていたので、右の乳首だけが赤みを増して、ゆっくりと勃起してその存在を示し始めていた。
「そうだ、パイズリしよう」 この機会に、やってみたいことをやってみるのもいいだろう。どうせ、ツバメが起きたとしてもなんとでも言い訳がつくのがいまのマサキの立場である。むしろ、起きてしまえとばかりに、ツバメに体重をかけないようにしてまたがると、必死になってマサキは乳を左右から押さえつけて谷間にこすり付けた。 もともと、ツバメの巨乳は芯があって重力に逆らい、しっかりと天井に向いている。 だからツバメの意識がない状態でも、パイズリは思ったよりも容易だった。 「ううっ……なんだろうなあこの感覚」 普通は、ローションか何かを垂らしてすべりをよくしてやるものなのだが。何もつけていないので、湿り気は足りない。ただ、朝のツバメのしっとりとした肌に勃起したものを押さえつけてこすっているだけで、マサキは興奮している。 「ふっ……ふっ……」 そうやって、マサキが調子にのって腰を動かしている間に、先走り汁が出てきて、一応パイズリらしい感じになってきた。朝立ちの影響もあるのだろう、マサキの貧相なモノでも、今朝はパンパンに腫れ上がっており、ツバメの大きすぎる乳に突っ込むにも具合がいい。 ビクンビクンと、一方的にマサキは興奮して、気持ちが絶頂を迎えた。マサキが気持ちいいのに比例して、腰を浮かす力が弱まり、どんどん体重がツバメの胸に乗ってきてとツバメは息苦しそうにしている。 今にも起きそうだった。そして、それと同時にマサキも射精しそうだった。 「うっ……ツバメちゃんのおっぱいいいよ!」 「んっ……重た……なにっ……!」
驚愕にツバメの目が開く。寝苦しさに耐えかね、無理やり深い眠りから引き起こされたという風であったが、ちょっと目を開けた先に自分の胸がむき出しにされていて、その上に化け物じみた顔をした半裸のマサキが乗っているというホラー小説じみた光景に、一気に覚醒へと傾く。嫌悪と危機感。これは悪夢の続きなのか。
「ちょっと、あんた……、なにしてんの?」
ツバメは身動きすることも忘れ、ただ呆然と目の前で自分の胸を犯しているマサキのチンコを見つめる。パイズリというのは、残念ながらツバメの知識にはなかった。だからツバメには、マサキがただ自分の胸を押さえて、勝手に息を荒げて自分の腹の上で不思議な行為をしているように見える。性的な行為だとツバメが分かっていたら、このすぐ後のことが予測できて、最悪の事態を避けられたかもしれないのに、無残にも最後の瞬間が近づこうとしていた。
「ツバメちゃん、出る!」
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュピュピュ!!!
「……えっ!? ……あっ!? きゃあああああああああああああああ」
驚愕と苦痛にゆがむツバメの顔に胸に、マサキの黄味を帯びた精液が勢いよく飛び、大量に降り注いだ。何をされたか分からなかったが、顔と胸に大量に降りかかった精液を指でつかんで、その匂いを嗅いだ瞬間に最近犯された酷い記憶がよみがえったらしい。 叫び声をあげるツバメの前に、振り切るようにして最後の一滴までツバメの胸にチンコを振り切って精液を擦り付けるマサキの姿が。
「ふぅ……よかったよツバメちゃん」 「しねぇえええええええええええええええええええええ」
マサキはベットから突き飛ばされた。
床に掛け布団が引いてあってラッキーだった。マサキは、頭から落ちたがなんとか怪我はしなかった。呻きながら、マサキがもぞもぞと立ち上がろうとするなか、ツバメは怒りのエネルギーを爆発させる寸前だった。
「なにこれ、なにこれ、なにこれ、なにこれ……もう最低!!」
ベットにあるティッシュで、顔や胸にかかった汚らしい液をふき取ろうとしているらしかった。顔は、もう怒りを通り越して頬は引きつり、まるで笑っているようだった。マサキは、ツバメの怒りが危険水域を遥かに越えてしまっていることを速やかに理解した。このまま放置したら、程なくして爆発するだろう。下手したら殺される。マサキの命の危険が危ない!
「ツバメちゃん、朝のマッサージだから!」 「……ほぇ!?」
怒りゲージを満杯まで溜めた爆発させようとした矢先に、その怒りの矛先をはじかれて、顔を真っ赤にしているのに怒ることができずに、まして怒らないこともできず、溜まりに溜まった怒りエネルギーは行き場を失ってしまう。 ツバメは、笑ったり、怒ったり、顔を真っ赤にしたり真っ青にしたり、なんとか自分のなかで感情の調整をつけるのに手間取っている。
「ふふふふふふふっ……マッサージじゃあ! あは……しょうがないもん……ね」 「そう、そうだよしょうがないんだよマッサージだし、ね! ね!」
「ドロドロだし……シャワー浴びてくるわ」 「いっ、いってらっしゃい……」 ようやく怒りを抑えることに成功したツバメは、眠気が戻ってきたのか呆然と部屋を出て行こうとする。それに安心するマサキ。 であったが、思い出したように、マサキのまえにもどってくるツバメ。
「あっ、そうだ」 「は、はい?」 「素敵な起こし方してくれて、ありがとう!!」 「ふぐっ……!」
腹に鋭いパンチを一発。マッサージなら何でも許されるが、朝に変な起こし方をされたことには怒ってもいいという抜け穴だった。 掛け布団の上で、苦しみに腹を押さえるようにして蹲るマサキを見てようやくすっきりしたのか、鼻歌を歌いながらツバメはシャワーへと向かった。
鳥取家に、新しい朝がやってくる。
――――
早めに登校してきたマサキは、まず保健室に向かった。保健の先生兼マサキのお目付け役である、アルジェ先生と善後策を相談するためである。 「朝早くからご苦労……お土産を持ってくるのはいいが、なんで餡蜜なんだ?」 一応、お世話になっているので手ぶらではどうかとマサキも思って、勝手に鳥取家の冷蔵庫から持ってきたのだが。 「まあいい、日本の和菓子とやらも味わってみたかったからな。理沙、冷蔵庫に入れておいてくれ、十時のおやつに食べよう」 「理沙?」 するっと、保健室のベットを遮るカーテンの向こう側から佐藤理沙が出てくる。 「お前なんて格好してるんだ」 いつものメガネヘヤピン委員長ではない。ゴスロリ風のメイド服にエプロンをつけて、長い髪は綺麗なカチューシャで束ねている。まるで可愛らしい人形のようだった。 「……アルジェ先生がこの格好で居ろって」 なるほど、地味で控えめな容姿の理沙だからこそ黒メイド装備が映える。恥ずかしそうにうつむく理沙。そして目線を下に向ければ、黒ニーソが織り成す絶対領域。さすがマサキの師匠、アルジェ・ハイゼンベルグ――できる!
「なかなか気の利く少女だったのでな、私のメイドにしてみた」 そういって、いいだろうと笑う。自分の滑らかな金髪を手でもてあそびながら楽しげなアルジェ。こんなにセンス良いなら、自分もその美形を台無しにしている赤ジャージをやめればいいのにとマサキは思ったが、怖くて言えない。 アルジェに昼までにコーヒー買って来いといわれて、理沙に任せたのだが、そういえば理沙が行ってから帰ってこなかったのは専属メイドにされていたからか。 「あの、一応ですね、僕のクラス総妊娠計画に理沙も入ってるので……」 「なんだ、こっちに寄越したからメイドとして使っていいのだと思ったんだが」 クラスの女子全員の女を妊娠させるという壮大な計画に、結構マサキはこだわっていた。それもそうだ、それでこそあのクラスでボロボロにされて引きこもりになったマサキの大いなる復讐が果たせるというものではないか。妥協は許されない。 「じゃあ、保健室のベットで、ファックしていけばどうだ」 そんなことをさらりと言うアルジェ。さっと理沙の顔が青ざめる。 「あーなるほど」 「妊娠すればいいだけなんだろ、だったらたまにここで犯して、普段は私がメイドとして使うってことで手を打とう」 理沙を見ると、軽く泣いていた。クラスから引き離されたことで、困惑したのは確かだがここに居ればマサキの魔の手から逃れられると思っていたのかもしれない。
「一応、理沙の意見も聞いておくか」 そういって、意地悪くマサキは理沙に問いかける。 「そういうことでいいよな?」 マサキはそういう。 「……いやです」 小さい声で拒絶する。理沙。 「何が嫌なんだ」 「犯されるのが……妊娠させられるのもいやです」 純白のエプロンを手でつかんで、顔を涙を溜めながら上目遣いにこっちを見て拒絶する。これはいい。マサキの性欲を強く刺激した。
アルジェが笑い出した。 「理沙、それじゃあ犯してくれって迫ってるみたいなもんだぞ」 「そんな……いやっていってます!」 そう、言うのは自由だった。だが、催眠に縛られている身体は拒否を許されない。さっと、保健室のベットに押し倒される理沙。保健室のカーテンがゆれる。
「おい! ちょっとまて」 アルジェが怒ったように止めた。 押し倒されながらも、理沙は喜んでいる、止めてくれるのか。 「そのメイド服は特注で高かったんだぞ、シワにならないようにちゃんと脱いでからやれ」 理沙は絶望する。マサキは器用に脱がしにくい、ゴスロリメイド服を剥ぎ取ってから……下着にまで黒なのには少しびっくりしたが、よく似合う。中身にしか興味がないマサキは、さっさと裸に剥いてその理沙の小さい胸にむしゃぶりつく。 「こういうのもいいな」 カーテン越しに、理沙をむさぼっているマサキ。 「ほら、大人しくしなさいって……ほらほらほら!」 「いやぁ……」 何人も何回も抱いてるうちに、童貞然としていたマサキもいつしか女性の扱いというものを習得しつつあった。 もともと、頭は悪くないうえに手先が器用な男なのだ。 まだ、男性を知らない理沙が煮え切らない拒否をしても、敵うものではない。
「アルジェ先生、種付け隊の話なんですが」 カーテン越しにマサキはアルジェと会話する。 「おうおう、どうしたね」 今日は、パソコンを弄らずにゆるりとココアを飲んでいるアルジェ。カーテンの向こう側でゆれる影と、主に理沙があげる嬌声を楽しんで聞いている。 「犯す場所を提供するのに、放課後保健室を借りてもいいですか」 「うーん、ここはベットが二つしかないからな、それにうるさいのも困る」 「ほかの部屋はどうですか」 「そうだな、普段使ってないレクリエーション室なら、そこに防音パネルを張って簡易ベットを四つほどおいてやろうか」 この吾妻坂中学のように歴史の古い学校は、少子化のせいであまっている部屋がけっこうあるのだ。適当な名前をつけてイベントのときとかにしか使用されないので、勝手に使ってもかまわないだろう。 「作業なら、種付け隊使ってやってくださいね。あいつらのためなんだから」 「ふふ、そうさせてもらうか。そうだ、お前の総妊娠計画だったけどな、面白い薬があるんだけど使ってみるか?」 「ほう、なんですか」 「排卵誘発剤だよ」 マサキの胸の中で、裸で身悶えてペッティングを受けている理沙が、ビクッっと震える。排卵誘発剤を知っていたのだろうか、さすが耳年増タイプ。 「ほーそりゃ、どういう薬ですか」 マサキは、排卵誘発剤の存在は知らなかった。マサキはセックスのことばかり考えている男子中学生の中でも、異様に性知識を蓄えているほうだが、避妊だの不妊治療だのは中学生の男子にとってはリアリティーがないものだ。そういう知識がなくてもあたりまえだろう。 「文字通り、排卵を誘発する薬だ。生理周期に関係なく、卵子が出て出産できる状況を作り出す。薬事法に引っかかるぐらい効き目を強化してあるからな。小学生相手でも、ほぼ確実に妊娠する凶悪さが売りだ。ただ、効き目が若干強すぎて、場合によっては卵子が多量に出て、下手をすると子供が五つも六つもできてしまうんだ」 「……それも、面白いかな」 また、胸のうちで理沙が震える。見ると、怖い想像をしたのだろう泣き崩れていた。 「いい産婦人科医も紹介できるから健康面のリスクは低い。保健室まで出張してもらって、定期的に健診してもらえばいいだろう。DLOは結構人材豊富らしいからな」 「楽しみにしてますが、排卵剤投入のタイミングはもう少しあとですね、ツバメの妊娠にみんな合わせます」 強制妊娠という悪魔的な想像を楽しむマサキだが、少しでも健康面に不安があるものを自分のツバメには使うつもりはなかった。やはり、ツバメはマサキにとっては特別で、それを変えるつもりはない。 「薬を取り寄せるのにも、時間がかかるからちょうどいい」 「よろしくおねがいします」 「ああ、お前は心配せずにやりきればいい。やるなら、徹底的やりきることだ」 そういって、アルジェはマサキたちのまぐわいを観察するのにも飽きて、自分の組織から端末に送られてくる情報を解析して指示を出す。長期休暇中とはいえ、複数の組織の指導者であるアルジェには片付けるべき課題は山積していた。そして、結果が分かりきっている陵辱をいつまでも観察している趣味は、彼女にはなかった。快楽と苦痛に溺れるのは、弱い生き物だけだからだ。
「というわけだ、そろそろ観念したほうがいいぞ理沙」 「ひっ、いや……」 マサキの執拗なペッティングで、理沙はトロトロにされていた。泣きつかれたのか、ヒクッヒクッと身体をこわばらせている。嫌いな男子に、身体をまさぐられるという嫌悪感があっても、いやそれがあるからこそ余計に的確な肉体的刺激を与えられれば、それに答えてしまうというのが悲しい女の身体。 佐藤理沙も十四歳、すでに初潮もきているし第二次性長期を超えた身体はきちんと女の生理というものを備えている。嫌悪感や危機感を感じるからこそ、身体は自らを傷つけられまいとして余計に濡れるということもあるのだ。
「わからないかな、さっさと俺に抱かれて妊娠しないとさっきいってた悪魔の薬を飲まされてもっと酷いことになるんだぞ」 「うっ……」 そういって、マサキはまだ無垢に近い股に手を擦り付けるようにしてやる。すでに股の部分は愛液でトロトロになっていた。小柄で、貧乳の理沙は鳥取ヒナに近い感じがする。そういう甘さがすると思ったが、それでも成熟の度合いの違いというのはある。 ヒナはどう考えても無理なものが、理沙はきちんと受け付ける。同じように行為を受け入れても、理沙の身体の中ではじける熱は明らかにヒナよりも熱い。 「お前の小さい胎に、赤ん坊が四つも六つも入ったら、おなかが破裂して中身が出てしまうかもなあ」 「いや……ひゃ!」 さっきの話も、理沙を脅す道具に使う。マサキの悪魔的知性は鋭い。
「そんなの嫌だろ、だから早く抱かれて妊娠してしまえばいいんだよ」 「うっ……はい」 もともとが、弱い催眠の支配下にある理沙が、マサキに篭絡されるのは時間の問題だった。ゆっくりと落としたのは、アルジェという観客がいたから、それに見せ付けるようにやってみたいというマサキの趣味だから。 「入れるぞ、最初は痛いだろうから力抜けよ」 「うっ……あっ!」 それでも、理沙の小さい穴に自らの勃起したものを突きつけるようにすると、マサキはそういう計算も抜けてしまって、ただ穴がもたらす快楽に溺れるように突き入れる。あとはもう、痛みを訴えて泣き声をあげる理沙の叫びを全身で押さえつけるようにして、ピストンを続けるだけ。 一応理沙の了承はとったとはいっても、それは愛情のないレイプ以外のなにものでもなかった。ましだったのは、必用以上にペッティングされていたから理沙の身体が傷つくのが最小限に抑えられたということ。
やはり理沙に苦しいときに助けてもらえなかった。そういう行き場のない恨みがマサキには残っていた。だから、こういう形で自分の恨みを晴らしてしまうマサキは、小さい男なのだろう。 やがて、理沙が声をあげるのにも疲れてしまったころ、マサキは心の奥底からはじけるような熱さを感じて、それを我慢せずに解き放った。
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!
動物のように犯し、動物のように射精しただけだ。愛のない行為だった。それだけに激しく、胸をかきむしるような別種の快楽をマサキにもたらせた。理沙はもう、嫌がることも痛みも忘れて、呆然とマサキを見つめるだけだった。 まるで人形を抱いているようだと、マサキは思ったが、股から血と精液を垂らして呼吸する人形というイメージは、マサキの変態性欲の部分を刺激する。 十分に犯しつくしてしまったオマンコにもう一度入れる気がしなくて、マサキはその場で自分のまだ興奮で覚めやらぬチンコをこすり付けるようにして、仰向けに寝そべっている理沙の身体に射精した。顔から、その小さな胸から、腹にかけて、マサキの黄みがかった精液が大量に放出されていく。
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!
そうして、ようやくマサキの征服感は満たされる。そのような屈辱的な行為をされても、もう理沙は身動きしなかった。理沙は行為が終わったことを知って目を瞑る。理沙にはもう身体と心が壊れてしまったように、嫌悪感も、危機感もなく、破瓜の痛みさえ感じなくなって、目の前には深い闇だけがあった。簡易ベットの柔らかいシーツと一緒に溶けてしまうような、身体が沈み込んでなくなってしまうような深い闇。そうなっても良いと、理沙は目を瞑り続ける。
マサキは、汚れた一物を理沙に擦り付けるようにして綺麗にして服を着て出て行く。倒れ付している理沙を一度も振り返ることはなかった。後には、ベットに倒れこむようにしていつしか眠ってしまった理沙だけが取り残されていた。 仕事にひと段落つけたアルジェは小さくため息をつくと、本来の保健婦に連絡をいれて短く指示を出す。
保健婦は、保健室にやってきてベットの上で、無残に犯されて精液まみれで眠る少女を見つけた。不必要な声を上げることは禁止されているので、唇を噛むようにして悲鳴をあげようとする口を抑え込んだ。予め用意してきた蒸しタオルで身体を綺麗にすると、出来る限りの治療を施して綺麗な下着をはかせて、メイド服を着せてまだ綺麗なほうのベットに寝かせて、汚れたベットも片付けた。それだけだった、それ以上は保健婦には許されていないから静かに退室して次の指示を待つ。
黒いメイド服を着せられたまま少女は、それから半日ほど、昏々と眠り続けた。
起き上がった理沙の前には、すでに夜の闇が広がっている。目を瞑っても闇、目を開けても闇。そして黒い服を着せられている自分はその闇に溶け込むようで、なにもかもが消えてなくなってしまうようで。周りに誰も居ないことに気がついても、理沙はしばらく呆然とベットに座り込んでいた。 闇と黒だけが、彼女を見つめ、悲しみと痛みを包み込んでくれる。
そして、何かの拍子に火がついたように泣き始めた。 行き場のない悲しみに、泣いて泣いて泣いて、泣き疲れて、そのまま意識を失った。
|
第十一章「身体の滾り」 |
「ただいま」 勝手知ったる隣の家。 そういうわけで、今日も安西マサキは自宅をスルーして、鳥取家に帰宅した。 「あれ、鍵がかかってる」 この家の主婦である鳥取鶴奈がいるときは、基本的には鍵はかかってないはずなのだが。もしかしたら急の外出かもしれない。鍵が隠してある場所も熟知していたので、さっと空けて入り靴を脱いでリビングに入る。 では、改めて。 「ただいまー」 「おかえりー、って? なに勝手に人の家に自宅みたいにして帰ってきてんの!」 リビングには、鳥取ツバメだけが居た。相変わらず、そのゲームやってるのかよ。 「あれツバメちゃん一人、鶴奈さんは?」 「こっちのつっこみは、スルーか!」 「いい加減、そのセリフも聞き飽きたからね」 相変わらずマサキの顔を見るなり不機嫌そうなツバメだが、今日はなんとなくそれだけではない沈みがあるように感じた。
「……あのね、ヒナが学校で熱出してね。もう病院連れてって、いま部屋で寝てるの」 「それはいけないな」 「たぶん、ただの風邪だって話だから。それでも、寝付くまで義姉さん横についてるってヒナの部屋に居るよ」 「ぼくもお見舞いに行こうかな」 「あんたがいくと、ヒナが寝ないでしょ。私も心配だけど大人しくしてるんだから、余計なことして、義姉さんを困らせないでよ」 そういってぷいっとテレビに向いて、ゲームを再開するツバメ。この子はたしか、学年でも成績上位をキープしてるはずなのだが、マサキが鳥取家に出入りするようになってから、運動しているのを見たことがあっても自宅で勉強しているのは見たことがない。 いつ勉強してるんだろうなと思いながらマサキは、その愛しい横顔を覗き込んだ。 「何よ、ジロジロと。ゲームの邪魔よ」 「ツバメちゃんは、相変わらず可愛いなと思って」 「なっ!」 「ごめんごめん、冗談だよ」 「そう……って、それが冗談だったら余計悪いじゃない!」 手を振り上げて来たので慌てて逃げる。さすがに、コントローラーを投げつけてゲームを破壊するほど理性は失っていないらしい。 ツバメの手元に投げる物がなくてよかった。オーバーリアクションをしてくれるのが楽しくて、ツバメをからかうのに余念がないマサキである。 マサキは、オタの例にもれず内弁慶で。初対面では緊張するが、安心する相手には調子に乗りすぎる傾向があった。憧れであったツバメと、安心して彼氏彼女のような会話ができる。その喜びを噛み締めるマサキ。 「ツバメちゃん、今日もたくさんマッサージするからね」 「わかった……いまゲームしてるから後でね」 マッサージというキーワードを出すと、途端に大人しくなるツバメ。いまの暗示の深度なら、マサキのことを愛させて、ベッタベタの恋人関係でも構築できそうだ。それでも、いまの微妙な距離をもう少し続けて見ようと思うマサキだった。
鳥取家では遠慮する必要がないマサキは、ツバメに止められたのに結局、ヒナに部屋に入った。一応ノックはしてみたが、返答がないのでそっと扉を開けて中に入る。 「……ああ、マサキくんお帰り。いまちょうどヒナが寝付いたところよ」 小さいベットで、ヌイグルミに囲まれるようにして眠っているヒナが見えた。やや苦しげに息を吐いてはいるが、少し顔が赤いかなという程度。たいしたことはなさそうでよかった。 こうして髪をたらして大人しく寝ているヒナの端正な横顔を見ると、やっぱり鶴奈と親子なんだなということがよくわかる。 普段ヒナは、本当に可愛らしい子供子供した感じで、動きやすいように髪を結わえて、笑顔で活発がデフォルトなので、そうは思わないのだが鶴奈に本当はよく似ていて、静かにしていれば可愛いというより美人系の顔立ちなのだ。 やっぱり、子供が心配なのか鶴奈は優しげな眼差しを向けてはいるが、その顔は憂いに満ちている。ちょっと、ため息をついたりして。なぜか不思議と、ちょっとエロスを感じるマサキだった。 「おかゆを食べさせて、熱も薬で下がってきたみたいだから、もう大丈夫だと思うけど。……そうだ今日はごめんなさいね。夕ご飯も何も作る暇がなかったから」 「ああ、気にしないでください。さっき、ツバメちゃんといっしょに冷蔵庫を漁って、卵ご飯勝手に作って食べましたから。普段食べられないものを食べられるとかいって乾麺とかも引っ張り出してたからそれも食べてるかも、けっこう喜んでましたよ」 マサキは、この機会にツバメの手料理を期待したのだが、料理してくれなかった。マサキに食わせる飯はねぇってことなのか、もしかすると料理が苦手なのかもしれない。 「そう……ツバメちゃん。なんか、お風呂も焚いてくれたみたいだし、気を使わせちゃったわね」 そういって、少し疲れたのか鶴奈さんはため息をつく。平日は旦那が留守なのも、こういうとき寂しいんだろうなとマサキは思った。あーなんか、そう考えると今日の鶴奈さんはいつもより色っぽいから、したくなってきた。このあと、ツバメとまたマッサージだし、ヒナが熱だしてる状況で、とても出来る雰囲気じゃないしなあ、などと色々マサキは考えている。
「どうしたの?」 「そうだ、こういうときこそ催眠があるじゃないか」 今日の午後の分はまだ使ってないから。 「催眠?」 「いえいえ、こっちの話ですよ鶴奈さん」 「そう……」 鶴奈は、気もそぞろという感じだ。今日は色々とあって、それどころじゃなかったんだろう。そんな鶴奈をよそ目に、催眠タイムウオッチのボタンを押すマサキ。
キュルルルルルル――
脳髄から視神経へと催眠電波がはじけ飛ぶ。 そして、鶴奈がふっとヒナから視線をマサキに移した瞬間に、すでに鶴奈はマサキの支配下にあった。 「さて……どうやって、暗示をかけるかな」 鶴奈は、目をうつろに口を半開きにして惚けたようにポーとしている。通常のときより、過度なストレスがかかっていたり疲れているときのほうが、催眠がかかりやすいという傾向があることも最近マサキは分かってきた。 とりあえず、ヒナの方を見る。寝ている人間に、暗示がかかるものだろうか。試してみようと思って、ヒナのまぶたをそっと上げてみる。 眼球が上のほうに上がってしまっているので、視線が合わない。熟睡できるように暗示をかけてみたが、効いているのだかわからない。 「まあいいか。次は鶴奈だ」 トロンとした、鶴奈は形容しがたい色っぽさを漂わせてる。今日の鶴奈には、なぜか胸の深い部分で欲望を掻き立てられる。 「鶴奈さん」 「はい」 「あなたは、この場でどうしてもぼくとセックスがしたくなります」 そうマサキは、子供の熱に心配する母親をその場で犯すというマニアックなシチュエーションに興奮しているのだ。中二にして、このフェチがわかるというのは、将来有望というか絶望というか、ある意味で大物と言えた。 一度身を許してしまった鶴奈。抵抗は弱い。 「あなたは、いまこの場で子宮の奥底までぼくの精液で汚しぬいてもらわなければ、居てもたっても居られなくなります」 「…………はい」 だから、このような無茶な暗示でも受け止めてしまうのだった。
催眠は終わった。 「あれ……私」 「どうしました?」 悠然と微笑むマサキ。相変わらず心と一緒で醜い笑み。 「そうだ、看病を……」 そういって、マサキから自分の愛娘のヒナに目線を移そうとした途端に、ドクンっと胸が高鳴るのを感じた。 マサキから視線がはずせない。 「どうして……私どうして」 「大丈夫ですか?」 口だけは、白々しくマサキ。 マサキは、鶴奈からセックスを請わせようと思っているのだ。まさか、寝ているとはいえ娘の前で、そんなことができるわけがない。 (どうして私……こんなにマサキくんに、中に出してもらいたがってるの) マサキのにごった目から視線をはずせず、見ていると吸い込まれそうで、なぜか子宮がキュンとした。 鶴奈にとってははじめての経験だった。 どちらかといえば、鶴奈はセックスには淡白なほうで、旦那との関係も相手を満足させるためで、もちろん好きな相手と結ばれる感覚は得がたい喜びではあったが、セックスへの飢えなど感じたことがない。 オナニーだって、たわれみにしてみることはあっても、切迫感を持ってしたことなどないのだ。十分な満足を感じているからこそ、常に受身だった。 だから、こんな飢えるような、子宮が子種を欲しているような飢餓感を感じたのは初めてだった。前に、マサキとしたときも、あくまでも家族として受け入れた男の子を導くために、仕方なく。そう仕方なくという感じだったから言い訳もできたのに。
今日の鶴奈は、切実にされたがっているのだ。
活きの良いマサキの白濁液を受け入れたい。そう思っただけで、切迫した何かが身体の中を突き抜けていくようだった。 たったいままで、愛娘の心配をしていた母親が、もうこの瞬間に一匹のメスに代わっていた。 もちろん母親としての気持ちも残っている。こんな場所で、よりにもよってこんな場所でだめだと思う。だめだと思うだけ、ここでマサキの精を受け入れることができたら、どれほど気持ちがいいだろうと思うのだった。
それは、タブーを破る快楽。
(今日の自分はどうかしているのだ) それでも、ヒナだってもう寝ているのだし、母親としての勤めは果たした。 ここで、無尽蔵に生成されているであろう、自分の姪の彼氏の精を受けたとして、誰が困るというのだ。そうだ、誰も困らない。 切迫感に常軌を失った鶴奈は、いつになくなめかましい目で熱くマサキを見つけた。
(ああ、この切迫した気持ちを、下腹部からあがってくる熱を、マサキくんが早く気がついてくれればいいのに) 「あの……マサキくん……あの!」
口にすると、恥ずかしいから言いたくない。 マサキくんが、気がついてくれれば。そういう思いを視線にぶつけたはずだった。
もちろん、マサキは気がついていた。昼にとりあえず一発抜いておいたマサキは、じらすだけの余裕はあった。 「どうしたんですか?」という顔で、そらっとぼけて見せる。じらせばじらすほど、マサキの快楽のボルテージは上がっていく。見事な変態だった。 いま自分がどんな顔をしているのか、鶴奈はわかっているのだろうか。マサキは、そんなことを思った。子供を心配して、傍らに立つ母親の顔ではなくなっていた。そう男の精をほしがる、いやらしい女の顔になっていた。 これまで一月ほど鶴奈と付き合ってきたマサキが、始めて見るフェロモンが匂い立つようないい、女の顔だった。日頃、清楚でそっけがないぐらいの鶴奈を知っているからこそ、こういう顔をされるとたまらないものがある。
もう、鶴奈はヒナを見ていない。マサキの目だけ見つめて、身体を不必要なまでに擦り付ける。鶴奈の形のよい胸が、ポヨンとマサキの肩に当たる。まるで、マサキが押し倒されるような体勢だ。 マサキの顔を、見つめ続ける鶴奈だが、ベットに押し倒すようなところまで近づいたところで、熱に冒されて苦しんで眠る娘の顔が視野に入ってしまった。
――女――母親――女――母親――鶴奈の葛藤で顔色はコロコロと変わる。
鶴奈の複雑な色を見せる瞳を見つめているマサキには、まるでその心の動きが手に取るようにわかった。 そして、葛藤の末に女としての鶴奈が勝ったようだった。とろけるような表情のままに、ベットは埋まっているので、鶴奈はマサキを普段ヒナが勉強に使っている学習机の椅子に座らせて、抱え込むように抱きしめていた。
マサキは、わかっていながらニマニマと笑っていながら口だけ「どうしたんですか、大丈夫ですか?」と言ってみる。自分で、暗示をかけた癖に、鶴奈が自分の欲求にどうしようもなく従わなければならないことはわかっている癖に、あくまでも意地悪にしらばっくれてみせるマサキ。 これは嗜虐というものだ。マサキは学ばなくても、自らの欲求を追い求めていく中で、その変態的性欲を自ら見出したのだった。
「私もう……我慢できなくて……マサキ……くん」
恥ずかしさと、葛藤とで鶴奈は泣きそうで、頬はいつになく常軌して瞳に涙を浮かべて、快楽と苦痛にゆれている。いつのまにか、鶴奈の手は、自分の股間をまさぐっていて、鶴奈は触ってみて、自分がどうしようもなく濡れていることを感じていた。 下の口が涎を垂らしているなんて、信じられない。股間が、そしてその奥底の膣が、子宮が……熱い。どうしようもない熱を帯びていた。とどめなく、求めていた。 こんなの自分じゃない。そう思ったから、鶴奈は葛藤を捨てた。完全に女の……いや、メスと化した。こんなのは夢だ。淫夢だ。自分は子供の世話に疲れて寝てしまっていて、そうこれは夢を見ているのだ。
「マサキくん……おねがい」
学生服のままのマサキのズボンをベルトをはずして、脱がしていく。あっというまに、姿を見せた汚らしいチンコは租チンなりに、ビンビンに頂点を向いていた。マサキも、口ではどういっても、感じてくれている。 それが、鶴奈を安心させた。
「なんだ……セックスしてほしいんですか。しょうがないなあ鶴奈さんは」 「そう……したいの、してくれるのね……ありがとう」
もう、気がつかないうちに鶴奈は泣き出していた。 セックスという生々しい単語は、鶴奈が普段は忌避したはずの単語だった。小さなころから、旦那の鷹郷と幼馴染として過ごして、成長の過程で自然と男女の関係になって、暖かくまるで親愛を示すために抱きしめ合う延長上に、愛しあった鷹郷とのセックスは、男女の交合というよりはもっと清い愛の行為だった。 自分の快楽よりも、相手の喜びを。相手が喜んでくれるから、自分も気持ちよくなれる。それは本当に素敵で、理想的な関係だったのだ。鶴奈は、そんな最高の行為をあたりまえの行為としすぎていた。 だが、だからこそ鶴奈は、性への飢えを知らない。 食事にたとえるなら生まれてからいままで、至高の料理だけを口にしているような鶴奈は、飢えた経験がない。そこへ、いきなり三日間絶食させられて、目の前にカップラーメンを差し出されたようなものだ。 極度の飢えに苦しみぬいたあとで口にするカップラーメンは、どんな高級食材より美味く感じる。
本能的に、飛び出したマサキの一物に武者ぶりついていた。交合しやすくするため、セックスをしやすくするため。いまの鶴奈は雄の精を求める、ただ一匹のメスであるのだから。
チュバ……チュバ……
「ふっ……ふぅん」
まるで、犬が鳴くように鼻から息を吐きながら、おいしそうにマサキのモノをいとおしげに舐める鶴奈。天井に向けて、それなりに勢いよくマサキのモノが屹立している。必死だった。そして、いよいよだった。
「ああぁ……入れるわよマサキくん」
さっと真っ赤なインナーを剥ぎ取るように脱ぐ鶴奈。スカートもはいたまま、服を脱ぐ暇すら惜しい。インナーは、もう愛液でドロドロになっていたが、そんなことはどうでもいい。 右手を、マサキの一物に添えて、ニュルッと自らの膣にくわえ込んだ。
「あぁーー!」
ぐっと、自分のオマンコに雄のちんぽがくわえ込まれる。今日の鶴奈はすごかった、すごい絞まりだった。この衝撃は、マサキも予測してなかったものなので、ぐっといきなり射精してしまうのをうめいてなんとかこらえるしかなかった。
「いいぃ……いいわ、マサキくんもっと奥まで押し付けて!」
鶴奈は服も脱がずに、娘が普段勉強している椅子で、それ以前に愛する娘が目の前で熱を出して寝ているというのに。そんなに大きな声を出して、ヒナが起きて目を開けたらどうするつもりなのだろう。まるで、寝ているヒナみ見せ付けるように、学習机の前で、明らかに鶴奈が主導で、交合を繰り返しているというのに。
「あぁ……あぁ……いぁああ!」
いまは、快楽に狂っていても、鶴奈は落ちついた後で絶対に今の自分の行動と理性とのギャップに苦しむ。そして、その悩みは逃げ道を探して、さらなる非常識な催眠へと誘われて行く悪循環に陥るのだ。そうなってしまえば、鶴奈はもう身も心も。 そうやって、腰を振り乱して鶴奈に暴れられては、さすがにマサキも限界を迎えつつあった。だから、マサキは行動をいったんとめる意味でも、鶴奈の涎を吸うように深い口づけをしてから。 「生で入れていいんですか」そう、鶴奈の耳元につぶやいてみた。
「ふえ? 生? あぁ…………大丈夫たぶんだから、いいの、いいからもっとぉ!」
鶴奈は生理が終わった直後だった。厳密にいうと、生理が終わってからは安全日ではない。生理日から排卵日にかけて、徐々に危険度は上がっていく。 (それでも、いまは終わったばかりだし) 鶴奈は、それほど自分が妊娠しやすい方だとは思っていなかった。ここ最近は、ずっと鷹郷と中だしでやっても、子供ができないわけだから。 だから、どれだけ若いマサキの精液が活きがいいといっても、妊娠するわけがない。大丈夫。大丈夫だ。
「あっ……いいっ……うっ……はぁ」
だから、もう鶴奈は子宮がうずいて、自らの奥底に精液を流し込んでもらうことしか考えてなかった。さすがに、鶴奈の激しい腰振りに限界を向かえたのか、マサキも「ううっ」と苦しげにうめく。
「あぁ……いきそうなのね。頂戴! 中にドピュ! ってしてぇ」
ノリノリの鶴奈に押し切られるようにして、我慢できずにマサキは射精した。
ドクドクドク――ドピュドピュドピュ!
鶴奈の膣は生き物のように、脈打ってマサキの白濁液を飲み干していく。子宮へと精子がどんどんせり上がっていく熱さを鶴奈はひたすら感じていた。
「あぁ……いったのね……ハァハァ。よかった」
ようやく、中でだしてもらって一息ついたという鶴奈。
「なかで、暖かいのがお腹に広がっている。マサキくんのが……」 「そう、それは、よかったです……」 積極的に動いてはいないとはいえ、あんなに激しく精を吸い取られて、さすがにマサキも息を上げている。これから、ツバメをマッサージしないといけないし、今日はこのぐらいで。 「もういっかいぐらい、できるよね……」 そういって、いやらしい目で鶴奈はマサキを見つめた。目の色が違う。まるで、いまだに催眠にかかっているみたいな蕩けるような目で見つめる鶴奈。ここまでやれって、暗示した覚えないのに! この後、ツバメとのマッサージが控えてるし、ここで体力を消費するわけには。 葛藤するマサキのことを、まだ勃起したままのマサキのものをくわえ込みながら、ぎゅっと抱きしめる鶴奈。同時に鶴奈の膣がぎゅっと、マサキの一物を抱きしめる。温かい体温を通して、熱い欲望が鶴奈からマサキにも伝染してしまうようだった。マサキの身体も火照る。見つめられると、勃起がひどくて……これは断りきれない。 「いや……じゃあ、わかりました」 「いいのね、また動くから……はぁ……いい!」 そういって、勃起したままのマサキのチンコを抜かないままで二回目を始める鶴奈だった。一度火がついてしまった、女ざかりの鶴奈の滾りはさえ際がない。さらに二度三度……マサキは若いから対応はできるのだが。
結局、鶴奈に全精力を吸い取られたマサキ。無理をしすぎた股間がジンジンと痛んだ。接合部から引き抜くと、ドロっと流れてくる精液がエロスだが。いまはもうやりきったという満足しかない。 床に落ちた精液と愛液を妙に嬉しそうな様子の鶴奈が拭いているうちに、よろよろと部屋から出て行くマサキ。完全に魂が抜けていた。 あとは呆然と、ツバメの後の風呂に浸かるだけ浸かって、身体を拭く時間ももどかしく。ツバメのベットに入り込んで倒れこんでしまう。 まだ寝るつもりはなかったツバメは、勝手にやってきたマサキがなにもいわずに、自分のベットのなかに入り込んで寝入ってしまうので驚いて声をかける。 「おい、ちょっと勝手にねるな。……なに、マッサージはやらないの?」 「ごめん……今日ちょっと無理だから、もうここで……寝るから」 「私のベットで、寝ていいとかいってないんだけど……ちょっと聞いてるの!」
ツバメの叫び声が遠くなっていった。本日のツバメへのマッサージは中止して、一緒に寝るだけにとどめておくことにした。マサキは夢の中でも、鶴奈に延々と責め続けてうなされるのだった。
|
|
|
|