第十章「大同小異」 |
「小異を捨てて大同につく」
小さい恨みは忘れて、大きな目標に結束しようということだ。 この理想を高らかに謳って、少数政党をかき集めて大連立を組んだある国の政権は五日で壊滅したが、まあ安西マサキがこれからやろうということを言葉にするとこうなる。
「クラス 総妊娠 計画」
朝のホームルームで教師を退かせて教卓に立った、いじめられっこ安西マサキ改め学級王安西マサキ一世陛下は、このどうしようもない文字を黒板に明朝体で楷書して、こうのたまわれた。
まったく意味が分からない、突然の熱い主張に教室がざわめく。ツバメがぼそっと「最低」とつぶやいたが気にしない。 だいたい、イジメの恨みを晴らそうとかそういうことは小さい。男ならもっと大きくあるべきだ、というわけで(どういうわけだ)来るべき、鳥取ツバメ懐妊にあわせてクラスの女子全員を妊娠させてやるというのが、この計画の骨子である。もちろん、そんな都合よく全員妊娠するわけないが種付けはする。あとは状況しだいだ。
「だいたい、学校の女子で二割がどうしようもないクリーチャーだとすると、八割が普通の女子」 そして、大仰に振り上げた手を、おもむろに教卓の机を叩きつけながら叫ぶ。
「そして……二割が、ぼくの愛すべき美少女たちだ!」
大きな声で、どうしようもない宣言をするマサキ。その割合だと、合計して百二十パーセントになってしまうのだが、わざと言ってるのか本当にボケているのかまったく説明もないまま話は続く。
マサキ理論によると、三十人弱のこのクラスだと美少女は二人か三人ということになる。それにしても毎回、リアルにしろフィクションにしろ、この手の話で、なぜ標的がいつも美少女なのか不思議に感じるのだが、むりやり理由をつけてみれば、マサキたちキモオタは面食いが多いということがあげられる。 ごく普通の一般成人男子が自分の学生時代を思い起こせば、それは美人に目を奪われることもあっただろうが、そりゃ美人は大好きだが、美人にこしたことはないんだが、どう考えても美人が一番だが……失礼。 だからといって美人を好きになるわけではなくて、案外と身近に感じる普通の女子を何かのきっかけで好きになったりするものだ。 一度好きになれば、よい面が拡大されて見えてそれはそれで失敗したりもする。 それに比べてマサキたちキモオタという人種は、普段女子とコミュニケーションを取りたくても取れないので、身近に感じるということが少ない。つまり、女性への評価が極端に外見のみに偏ってしまっても仕方がないのではないだろうか。 いや、仕方がないのではないだろうかで犯される方もたまったものではないが。とりあえず、話を戻そう。
「グループ分けしてみたから、このチームでクラス総妊娠計画を発布する」
黒板にクラスメイトの名前を次々と書いていくマサキ、そこに円を書いたり線を引っ張る。 クラスに女子は十五名で、これを上中下の三グループに分ける。マサキが美少女と認定した、鳥取ツバメ、円藤希、佐藤理沙までの上位三名はマサキ直属として他の男には手出しさせない。
ほか、前章で出てきた伊藤真奈美以下八名の中位ランクは、マサキと同レベルだと思って親交もあったデブオタ四名(命名種付け隊)によって輪姦させて妊娠させる。 「個人的に娶りたいと思った女子ならば付き合っても良し」というマサキの声に、種付け隊の喜びの声がこだまする。 女子中学生で普通クラスなら、どこかしら魅力があるものだ。まして同級生を犯せるなど、中学生の夢といっていい。種付け隊に指名された四人は喜んで、マサキに永遠の忠誠を誓わんと、叫び声をあげた。餌を与え続ける限り、マサキがジークと叫べばハイルと叫ぶ下僕四人のできあがりだ。 それにたいして、女子からは口々に怒号と、嗚咽と、悲鳴があがった。 まさにデブオタ革命の瞬間であった。
問題は餌にもならない、下位グループの女子四名の始末である。阿東、仲島、空木、中沢。最後の中沢陽子は、顔が色黒なだけで多少はマシだが、残りは見事なクリーチャーぞろいである。 実は、マサキのクラスはハズレクラスと一部男子には言われていた。なぜならこの下位グループの四人は、マサキの学園でブス四天王と呼ばれている猛者ぞろいである。 「この四名は、特別にドキュン二人に下賜する」
ドキュンといわれて、誰のことだろうときょろきょろ周りをみる田村、三沢の二名。 「毎回毎回、いい加減に気づけよ、お前らのことだ」とマサキに声をかけられた、田村、三沢の二人は恐ろしくなってそっとブス四天王のほうを向く。 ブス四天王の中でも特に、超巨大クリーチャーとしか言いようがないデブス阿東、メガネ出っ歯の仲島が、かもし出す異様な雰囲気も酷い。吐き気を催すブサイクというのはこの世に存在するのである。神は死んだ。 「特にマサキに対して態度の悪かった田村に罰として、阿東と仲島とつきあわせてどっちかと結婚させる」などといわれて、三沢は半ば自分の怒りも含めて、友達のために騒ぎ出した。 横で田村が何も言わないので、気になって三沢が振り向くと、その横で田村は音もなくぐったりと気を失っていた。真っ白に燃え尽きてしまっていた。 「田村……おいしっかりしろ!」 もう一度、三沢は振り返って阿東美香の方を見た。田村と三沢を見て、ポッと顔を赤くする美香の悪魔的なブサイクさに戦慄が走る。怒りではなく、気持ち悪さのほうで胸がムカつく。あの恐ろしく醜悪な顔を田村は見てしまったのだ。まして、あれと結婚させるとか言われた日にはいったいどこの野蛮な国の拷問なのだ。 (阿東美香にとっては、この事態よかったのかもな。こんな機会でもなければ、あの化け物は一生男と付き合うとか、抱き合うとかありえないもんな……) 友達の田村には悪いが阿東美香が、自分に割り当てられなくてよかった。 (ここで、マサキの心証を悪くして田村と交代とかいわれたら、オレは舌を噛んで死ぬしかなくなる) そう思いなおして、騒ぐのをやめた三沢だった。空木も、中沢は四天王と言うほどにはブサイクではないし、肉付きも悪くない。自分だって贅沢が言える顔ではないのだ。相手の容姿の悪さに、目を瞑れば楽しく抱けるだろう。 (すまん田村……) ドキュンB、三沢は田村を生贄にささげることを心に決めた。
それぞれの思惑から、騒然となるクラスに収拾をつけるために、マサキは催眠タイムウオッチのスイッチを入れた。脳髄の奥からの勝利の鼓動!
「残念ながら、どんなに騒いでもお前らには拒否権はないんだよ!」
絶対的な催眠の力があるかぎり、クラスは、マサキの支配下にあるのだ。全てはマサキの思惑通りに進む……。
――――
「クラス総妊娠計画」が発布された夕方。安西マサキは、グラウンドに姿を見せていた。この学校では運動部の活動はとても盛んだ。広い運動場からは、遠くから野球部の独特な掛け声や、運動部がジョギングしている靴音が響く。
目的は、鳥取ツバメに続いてクラスで第二標的に定めた円藤希。 希は、女子陸上部の秘密兵器と期待されている元気少女である。競争率の高い、百メートルの選手権には同じ部のエースと目されてる喜志一美に敗れて落ちたものの、二百メートルでは去年の県大会で上位の成績を残している。 百メートルではライバルの喜志の圧倒的な初速に負ける、希が勝っているのは中途半端な持久力と容姿である。そう、希は格段に顔が良かった。 健康的な小麦色の肌に、短く刈り上げれても潤いを失わないやや赤みがかった髪に手入れをまったくしていないくせに整った眉、右の目元に星のようなほくろが二つ並んでいるのがアクセントになって魅力を高めている。いわゆる泣きぼくろだ。 身体も他の部員が激しい練習で痩せているのに比べると、出るところは健康的にちゃんと出ている。むしろ出すぎているぐらいで、日に日に女らしくなっていく身体が逆に自分の足を引っ張っている弱点のように思えて、むしろ希にはコンプレックスだった。 だから、無理やりにでも男勝りの動作で、その負い目を隠そうとする。練習は誰よりも必死にやった。それでも、逆に女性らしさが強調されてしまうらしいのが希の悩みだ。 いまも、百メートルをちょうど走りきったところだったが、その陸上をするには豊かすぎる胸が左右に揺れまくり、胸から目をそむければ、尻から太もものラインも魅惑的だし、ちょっと少しはなれて一緒に練習している男子の理性がヤバイ状況だった。
「希、同じクラスの子が尋ねてきてるよ」 そう喜志が声をかける。ちょうど身体が温まって練習が乗ってきたときだったので、舌打ちして円周の外に出る。そこで希を待っていたのは、クラスのデブオタ少年だった。希たちの練習をニヤニヤと笑いながら静かに見つめている。 三年の部長がぼそっと「希の彼氏?」と言う。
マサキにいわれて声をかけた喜志も、まさかそれはないだろうと出来の悪い冗談を聞いたように苦笑した。希は、陸上部の中でも一番の硬派だし、真面目な子だから。それに、希が付き合うにしても、デブオタ少年のマサキは一番嫌うタイプだろうからだ。釣り合いが取れないにも程がある。どうせクラスの用事かなにかだ。 そう思って、他のみんなはすぐ練習に戻った。
「何のようだよ」 マサキを容赦なく睨みつける希。 「まあまあ、とりあえず人気のないところにいこうよ」 練習を邪魔されたうえに、最悪の相手に最悪のセリフ。希はブチ切れ寸前であったが、催眠の効果が効いているのか、とりあえず死ぬほど嫌そうな顔で、引きずられて校舎の裏側に付いて行く。 「私、練習が忙しいんだけど……」 「円藤にも悪い話じゃないからさー」 校舎裏のブロックの段に座るマサキ。マサキは、希にも座るようにいったが、ふてくされたように立っている希。命令は一応聞くものの、素直に言いなりにはならないようだ。 (もともとが意志の強い女だからな) 鳥取家の面々もそうだったが、意志の強い人間は催眠にかかりにくいのだ。だが、マサキもこれまでのマサキではない、対処法はなんとなく習得している。 睨み付ける希の視線を避けずに押さえ込むように見つめながら、マサキは話す。 「円藤、最近また百メートルのタイムが伸び悩んでるらしいな。このままだとまた今年も喜志に、代表枠を取られるな」 希の目の色が変わった。不満の色を濃くする。 「お前、それ誰に聞いた!」 「誰だっていいだろう。あのさ、タイムを伸ばす方法があるっていったら、ぼくの話を聞くか」 希の目は、不満を通り越して怒りの色を濃くしている。可愛い顔して結構凶暴そうな目つきをする。それでも、マサキは目線を外さない。すでに催眠下に入っているという安心感があるから、不安はないのだ。マサキに危害を加えることはできない……はず。 見つめていると暇なので、マサキは希の目を見つめながら、希の中に入って逆に自分を見つめてるようなイメージを創る。 空気を静め、心を冷たくして、大局を読む。最近、なんとなく身についてきた心理掌握術だ。催眠マニュアルには玲瓏と書かれていた。磨かれた玉のように、澄んだ心で。 相手の心を動かすには、それこそ相手になったつもりでその全てを理解し、状況を見つめる。まるで、相手になったようにこの事態を見守るのだ。そうすれば、相手がどう動くかも見えてくる。 「……ちっ、話しだけでも聞くよ、私は忙しいからなるべく手短に頼む」 乗ってきた、そう思ってマサキはにやりと笑う。 「簡単な話だよ、ぼくの精液を身体に取り込めば取り込んだ分だけ、タイムが伸びるよ」 「なっ!」 精液とか、突然ありえない単語が出てきて、血相を変える希。「なんてことを、いいだすのか」か、あるいは単純に「なんなんだいったい」か。大体、希が言いたいのはそんなところだろうなと想定するマサキ。未経験だと思われる中学生にいきなり卑猥な言葉を投げつけるのはきつい、だからこその動揺を誘うマサキ得意の手だ。 動揺して、想像があらぬところにいけば、意志を固めて抵抗がしづらくなる。 「まあ聞けよ、君はぼくの言うことを疑えない」 動揺を振り切って、反抗的な目で見つめてくる円藤。その視線がいかに鋭くても、怖くはない。なにせ、毎日ツバメちゃんの攻撃にも耐え続けてるんだ。いいかげん、耐性というものがついてくる。 円藤は睨み続けていたが、ふっと気を抜いてため息をついた。 「……そうだな、そのマサキの精液を……取り込む。それが本当だとは認める」 「マサキじゃなくて、マサキ様だろ」 「…………教室の中だけだろ」 「周りに誰もいなければ、そう呼べと教えただろう」 「………………マサキ様」 「よし」 スポーツ少女、円藤希も、鳥取ツバメに負けず劣らず、マサキいつか犯してやりたいと思っていた少女だ。その性格もちゃんと把握している。希は、上下関係に妙にこだわるところがある。下級生に対してはキツイし、同級生にも結構冷淡だ。その一方で、自分が信頼しているいまの陸上部の部長や尊敬しているらしい顧問の先生に対しては積極的で、言うことには絶対に逆らわない。 こういうのを権威的な性格というのだろうか。マサキが見るにただ犬っぽいという感じだ。自分より目上で、尊敬している相手には尻尾を振るが、それ以外には懐かない。円藤希に言うことを聞かせるのに、大事なのは上下関係をはっきりさせること。 「じゃあ、さっそく」 「そんなものを出すな! ここは外だぞ!」 上着を脱ぎ、ズボンのファスナーを下して、ちんこを出すマサキ。ここでフェラチオをさせようというのだ。 「どうせ、だれも見てないって」 「んーんー」 ちょっと強めに力を込めてかがませて、顔に勃起したものを押し付けてやる。やっぱり抵抗は少ない。顔を背けているが、多少いやがってくれたほうがマサキは興奮するタイプなのだ。 「ほら、大人しく口をあけろ」 「……」 いわれたまま、口を空けてくれたのでそこに突っ込んでみる。校舎裏の人気がない場所というシチュエーションであるので、興奮はするのだが生暖かい口に突っ込んで反応がないので、このままだとイマラチオになってしまう。 マサキは、オタの類にもれず体力がない。嫌がる相手や、無抵抗な相手の口内をこの結構無理な体勢で無理やり犯すというのは、思いのほか疲れる。腰を振って、口内を蹂躙してみたのだが、やはりイクまで無反応というのはつまらない。 「円藤、もっと舐めるようにしてみてくれ」 恐る恐るという感じで舌をチロチロと這わせてくれる希。顔は嫌がって身体は硬直気味だ。やっぱり口が使えないでいるので鼻息がマサキの逸物に降りかかってるのが気持ちがいい感じだ。マサキは、腰を動かすのをやめて希の拙い舌技を楽しむ。 「あー、じれったい感じが溜まらんが、もうちょっと激しくやらないといつまでも終わらないぞ」 希は、キッと睨みつけると振り切ったように舌を全力で這わせてくれる。 「うあ、それはちょっと激しすぎる」 止めろとはいわれてない、怒りの発散口を見つけたように希は必死になって舌をごりごりと這わせてくる。この反応は読めなかった、舌技はつたないものの、純粋に強烈な刺激を加えられ続けて、今日は一回も出していないこともあって、絶頂を迎えてしまった。 「だめだ、出る……全部ちゃんと飲めよ円藤!」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!
たっぷりと出やがった。希は、突然口の中に放出された粘液に目を白黒させながらも、なんとかゴクゴクと飲み下していった。 「…………気持ち……悪い」 「ぼくは気持ちよかったよ。ごくろうさま」 毎度のことながら、飲ませると征服感があるとマサキはいい気分になる。 「これでいいんだろ……マサキ様」 希は、口を拭いて上目遣いに睨みつける。もちろん、マサキはこれで終わるつもりなど毛頭なかった。なかったのだが。
「おいおい、何これカップル?」 「そんなわけねーよ、こんなブ男と……レイプかなんかじゃね」 「そんなやつ相手にしてないで、俺らとやろうぜ」 「お前もいいよな、彼女借りるぜ?」 男が四人、フラフラと校舎裏の影からやってくる。しまった、どっからか見られてたのか。しかも、相手は悪いことに四人とも体格のいい不良だ。たぶん三年生だろう、マサキのクラスの中途半端なドキュンなど問題にならない、本当の悪。 リーダー格の十字のチョーカーをつけた金髪の男が、先頭を切って近づいてくる。なんかヤバメの薬でも決めた感じの危ない目をして、乾いた笑いを貼り付けてる。こいつが一番やばそうだ。マサキの身長と比べると子供と大人の体格差だ。本当に中学生だろうか。微妙にイケメンなのもムカつくが、そんなこといってる場合じゃない。やば過ぎる空気だ。
(しょうがない、あれを使うか)
ちょっと無理な連続使用になるが、このままやられるままになるわけにはいかない。マサキは催眠タイムウオッチを使おうと、上着のポケットを弄り……。 (しまった!) 上着を脱ぎっぱなしにしていた。あわてて、脱いだ上着に手を伸ばしている間にもすっと近づいてくる不良。一瞬にして間合いを詰められた。間に合わない。殴られる。そう思って、マサキは身を竦めると。 次の瞬間、抱きつくように円藤希がリーダー格に飛び込んでいって、抱きつかれた男はニヤけた笑いを顔に貼り付けたまま……ゆっくりと倒れた。 「おまえ、なにしや、ガァ!」 そう叫び声を上げた二人目の男の側頭部を、希は無言で殴りつける。男はセリフをいいかけたままで、あっけなく倒れた。一気に、前の二人が倒されて囲むようにしていた残り二人は動揺する。 そのまま、希は三人目のピアスの男の股の間に蹴りを放つ。的確に股間を狙っての一撃が見事に決まり。マサキは、泡を吹いて痙攣しながら倒れる男を始めてみた。最後の男は、後ろに飛びのいて逃げようとする。希のリーチが届かない安全圏まで逃れると、クルッと回転して全力疾走で離脱する。他の三人よりは賢明だったようだ。 「ふうん。逃げるのか、なかなかいい判断」
希はそれを見送るようにして、追わない。マサキが追わないのかと思ったら、距離が少し離れたところで、ものすごいダッシュで追っていく。さすが陸上部だ。不良の走りなどものともしない。そのままダッシュの勢いで、飛び込んでいって背中に足蹴りを食らわせる。 「どう、陸上用のスパイクの味は?」 そりゃー超痛いだろうよ。蹴られた男は、ピクピクと身体を震わせながら、虫の息だ。それでも生きていたらしく這うようにしてまだ逃げようとする。そこにさらにさっき蹴った部分に、かかと落としを食らわせた。希の足は長く、頂点から振り下ろされる足が綺麗だとマサキは思った。 綺麗にきまったかかと落としに、一度で呻くようにして動かなくなったのだが、念のためにもう一度、同じ場所にかかとを叩きつける希。もう蹴りつけても、男には反応がない。容赦がない処断だった。
「お前なあ……」 マサキが恐る恐るといった表情で声をかける。 「一人目は金的をひざで当てた、二人目は脳の運動中枢をやった。三人目も金的で、四人目は少し遊んでみた。内蔵への打撲とせいぜい肋骨が折れてる程度だと思う」 凄絶な笑みを浮かべて、マサキを睨みつける。 「少し……すっきりしたよ」
後片付けが大変だった。保健室に連絡したら、アルジェ師匠がなんとかしてくれるというので種付け隊に連絡して、気絶した不良四人を保健室まで運ばせた。目立った外傷はないし、相手は悪なので、職員室を通しても正当防衛でも通るかもしれないが、校舎裏でマサキと希の二人で何をしていたのかばれるとやっかいだ。穏便に処理できるなら、そっちのほうがいい。 この学校は、やっぱり荒れている。不良とか邪魔にならないうちに処理したほうがいいかもしれないとマサキは心に決めておいた。それまで、あんまり危険な場所でプレイしないことも大事だが。
このあと、あれだけ暴れた円藤希を相手に、その場でまたズボンのファスナーをさげて再プレイを挑むマサキも相当に精神が強くなったと思う。 「ありゃ……立たないね」 やっぱりマサキのチンポは恐怖に縮み上がって反応しなかった。むしろめり込んでる勢いだった。それを見て嬉しそうに笑う希。抵抗しないと思ったら、どうやら立たないのを予測していたらしい。マサキはとても敗北した気分だった。 仕方がないので、少し話しをしたら希は陸上をやる前は護身術をやってて、いまでも週一で道場に通っているとか。理論上は十三人までなら、一人で殺せるとか怖いことをたくさん言われた。どういう護身術だ。 そうやって、マサキを萎縮させる作戦なのだろう。だが、マサキにとってはそういう女を屈服させられる喜びを深くしただけだ。今日はもうチンポが役立ちそうになかったので、大人しく帰ることにしたが。 やはり、荒事に慣れてないマサキには今日の出来事はちょっとショッキングだったのだ。
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第九章「久しぶりの登校」 |
ツバメを犯してからというもの、マサキの頭にある心配が去来する。
「ツバメが妊娠したらどうしたらいいのか」ということだ。
いや、むしろ妊娠させてしまいたいぐらいなのだが、鶴奈と違ってツバメは学校に行っている。大きなお腹をして、ツバメが学校に行ったらどうなるだろう。町中の噂になるに違いない。 そうなれば、いまのおいしい生活も最悪終わりになってしまう。 それはまずい、なんとかしなければ。 普通なら、学校をその間は休ませるとかそういう現実的な対案が浮かぶはずだが、マサキが考えたのは違った。
「学校全部を自分の支配下におけばいい」ということだ。
まあ、さすが中学生。世界制覇の次ぐらいに大きな野望である。そうしようという計画を相談されたマサキの唯一の理解者であり援助者であるネット探偵は、頭をかかえてしまった。
「おまえ、それがどんなに大変なことか分かってないだろ」
たしかに、DLOでは学校法人や病院や会社などの組織単位で、催眠の支配下に置くことはある。それどころか、町一つ。自治体一つを支配下に収めた例だってある。 ただし、それは組織的な催眠術師団による計画的な催眠でだ。二重三重の安全装置を張った上での用意周到な作戦なのだ。 催眠術師といっても、一個人が学校法人という構成員千名は超えるであろう組織を支配下に収めるなど、無理とまでは言わないが、まず途方もない手間と労力がかかる。 そして、その後の維持にはさらに激しい危険を伴う。漫画じゃないのだから、主人公の都合がいいようにことが運ぶとは限らない。催眠は、一度ボロが出てしまったらこれほど脆い力もない。 しかも、ターゲットが中学生というのはさらにやっかいだ。独立した大人ならともかく、子供には孤児でもない限りは保護者がいる。子供に手を出せば、結果として家族も支配下に収めなければならないから、リスクとコストはそこで二倍三倍にもはねあがる。
「せめて、クラス一つぐらいにしておかないか?」
言い出したら聞かないだろうとは思ったから。ネット探偵は、そうやって譲歩を引き出した。これは善意で言っているのだ。「とりあえず、そこらで我慢します」という言質を取ったから、スカイプの回線を切った。
ネット探偵は、暗い部屋でモニターを見つめてため息をつく。 安西マサキは……きっと止まらない。 新型の催眠マシンの実践テストのテスターとしては、失敗を恐れずにギリギリの危険を冒しまくってるマサキは優秀だとも言える。もうすでに(見習い)の名称を取っ払って催眠術師と呼んでいいぐらい、いい点数をあげている。 上層部からは、もっと安西マサキに勝手にやらせて良いというOKが出てるのだ。 しかし、それはもしマサキがなにかヘマをやらかしたら、すぐさま原状回復のための催眠部隊が出動し、マサキを含めて全てを元の状態に戻すという条件付でのことだ。もちろん、そのことをマサキに伝えることはできない。 「殺されることはないだろうが……」 そうなればマサキは、また元の駄目オタ中学生として暗い人生を送ることになる。DLOとしては、マサキは用済みだから、もう二度と浮上することはないだろう。 「オレも、甘いな」 自分が見出した若者がせっかく才能を示したんだ。できれば順調に戦士として育ってほしいと願うのは、やはり甘さか……だとしても、マサキは昔のオレに似ているから、救ってやりたいのだ、マサキを、あのときのオレを――だから。 ネット探偵は、ため息一つ吐き出すと、気を取り直して直属の上司に定期連絡のメールを打ち始めたのだった。そして、それとは別にもう一通だけメールを打つ。本当に久しぶりに、古い知り合いに向けて――彼女がもし、興味を持ってくれたなら。 無力でも、いま自分ができることをやる。それがネット探偵の過去への贖罪。
―――――
それは、久しぶりの登校だった。このクラス最大の問題児であるところのドキュンA、Bが早速ニヤニヤと笑いながら安西マサキの席にやってきた。 久しぶりの登校だが、マサキの席がこなかったうちに彫刻刀のようなもので目も覆うような低俗な言葉と、女性器とプレイ中の男女を模った卑猥な装飾が掘られている。 お前ら、どうせ童貞だろうとドキュンどもに言ってやりたいマサキである。彫刻刀で机掘るとか、小学生レベルかよと。自分の机がギザギザになろうと、どうせ学校の授業など、まともに受けるつもりがないマサキにはどうでもいいことだ。
「おいおい、ゲロマサー、よく学校にこれたな」 「へへ、ほんとお前マゾか、なにかなのかよ」
うんこ顔が、死ねと思うが、まだクラス全員がそろってないので後回しだ。 このドキュン二人組は一応、田村、三沢って名前だがどうでもいいのでドキュンと呼ぶ。顔もマサキとそう変わらないデブデブ不細工で、それを徹底的に日焼けして髪を茶髪や金髪にそめて、ゴテゴテにピアスなどの装飾類で形をつけて、不良とギャル汚が混じったようなファッションでごまかしているだけだ。 不良がもてる時代でもない、こいつらも腕力の差があるだけで、同じうんこだとマサキは思った。いまでは、催眠を持っているマサキのほうが格段に上。こんなやつらに、自殺寸前まで追い込まれていたと思うと、反吐がでる。 ドキュンAがマサキの机の脚を蹴り飛ばして、ドキュンBが唾を吐きかけてきた。あんまり酷いことをしてきたら、その場で催眠で抑えてやろうかとおもったが、この程度なので許容して顔を伏せる。あとで百倍にして返してやればいい。思えばこいつらの罵倒のなんとワンパターンなことか。冷静になって聞けば、たいした連中ではない。 マサキの反応がつまらなかったのか、ドキュンどもは「あとで楽しみにしとけよ!」と捨て台詞を吐きつつ去っていった。マサキも心の中で叫び返す。 (あとで、楽しみにしとくよ。お前らへの百倍返しをな!!)
全員が、そろった。欠席者が何名か居るようだが、保健室にいたらあとで対処しておくし、本当に欠席でも次の日に催眠をかけたらいい。 担任の中年教師が朝のホームルームを始めたので、手をあげて颯爽と教卓の前まで歩いていった。 「あれ安西……おまえひさしぶりに……なんだ!?」
突然登校拒否児童が、やってきて自分の前まで来たので警戒しているらしい。昔は名門校の誉れ高かったこの私立吾妻坂中学も、いまでは見る影もなく荒れている。この中学最大のガンであるドキュンA、Bをほったらかしにしてるところを見ても、この教師はろくな教師ではない。わが身可愛さだけのサラリーマン教師だ。 こんなくずを相手にしていてもしかたがない、ふっと力を抜いてリラックスするとポケットの中の催眠タイムウオッチを作動させた。 脳から視神経に電流が流れるような充実感。そう、もう苦痛ではなく充実感。一ヶ月近くの試験運用を続けたマサキはもはや、この感覚を自分のものとして受け入れ出してきた。装置によって、催眠術師として覚醒しているときが、どっちかというと本来の自分であるかと思うぐらいに。 教師も三十人弱のクラスの生徒も、全員が催眠状態に入ったようだ。これだけ多数の人間を同時に催眠下においたのは初めてだったので、うまくいくか心配だったのだが、これならいけそうだ。 教師を蹴倒して教卓に陣取る、目を見る必要があるのでみんなの注目を集める行動を取ったのは正解だった。 「さて……どういう暗示をかけてやろうかな」 右へ左へと、睥睨する。みんなぽかんと口をあけてこっちを見ている馬鹿顔どもだ。あーツバメちゃんは別だよ、可愛いよツバメちゃん。そんなことを考えている場合ではない。 「よし……みんなよくきけ、今日からこの安西マサキ様は。学級王だ!」 催眠が浸透しているか、周りをみるとうなづいている人が多数。よし。 「学級長?」 目の前に座っているヘヤピン少女が、こっちを見てそういった。佐藤理沙か。
佐藤理沙、容姿は目立たない風だが決して悪くはなくこのクラスでは上の中といったところ。地味目が好みなら、美少女といっても言い過ぎにはならないだろう。 小柄で細身の身体に、肩にかかるぐらいの長い髪をヘヤピンでさっとまとめている、やさしい笑顔が特徴的で怒ったところはあまり見たことがない。委員長タイプのメガネをつけていて、ほんとに級長だ。大人しい割に芯が強い、普段から率先して級長の務めをタンタンとこなしており、教師からも生徒からも愛されてて受けが良い。 本当は別に悪質というわけではないのだが、状況に流されやすいところがあり、安西マサキがイジメさられるのを放置していた。他の困った子の世話はせっせと焼く癖に、デブオタのマサキだけ放置。とんだ偽善者女だとマサキは思った。 だからこそ悪態つきながらも、マサキに普通に接してくれた鳥取ツバメの正義感の強さが際立つのだが、普通の女子なんてこんなもんだろう。マサキに逆恨みされる要素としては十分にあり、復讐してやろうと思ってた一人だ。
「学級長はお前だろ理沙、オレは学級王。このクラスの支配者になった男だ。よく覚えておけ」 コクンと、理沙はうなずく。 「みんなぼくの命令には絶対に従うこと。ぼくのことは、学級王かマサキ様と呼べ。ただし、ぼくが学級王であることはクラスの外には秘密だ」 みんなに浸透したようだ。とりあえずはこれでよしだが、用心して同じ暗示を時間の許す限り何度でも繰り返しておく。正直のところ三十人という人数全員にちゃんとできるかどうか自信がなかったので、とりあえずこういう曖昧な暗示になってしまった。
「さてと……」 催眠後、何事もなかったかのように授業が続く。 本当にタンタンと、催眠がほんとにかかっているのか疑わしくなるようだ。 だから、マサキは教師にこういってみた。 「先生、この授業は自習にします」 「学級王が、そういうんなら仕方がないな、この授業は自習にする」 すんなりと自習になってしまった。わーと歓声があがるかとおもったら、そうでもない。ただ、本当に自習になっただけで、みんな大人しく自習している。ドキュンどもまで、なんだこの平穏さは。こういう暗示のかかり方なのか。 マサキが自習しろといったから、そうしてるわけか。 ここら辺の細かいかかり方は、慣れていくしかないな。 暗示は、かけた本人にもどう転ぶか分からない部分もあるのだ。 「おい、ちょっと来い。田村、三沢」
「な、なんすかー学級王」 「ようですか」
急に敬語になっているのがうける。ちょっとビビってるな。ドキュンでも復讐されるんじゃないかという頭は働くらしい。さて、何をやってやるか。まず肉体的打撃だな。
「お前ら、ちょっとここで本気の殴り合いをやれ」
いろいろ渋ったが、学級王の命令には逆らえない。 お互いに顔がパンパンにはれあがるまで、殴り合いをする。 田村がいつもリードしてる感じだったが、殴り合わせると三沢のほうが微妙に強いみたいで、いつもでかいこと言ってた田村が、ボコボコに殴られて床に沈むのを見るのは本当に気分がスカッとした。これ毎日やろうかな。
「よし、ここぐらいで今日はいいや」
「三沢ひでえよ……オレ、歯がかけちゃったよ」 「お前だってボコボコになぐりやがって……」 なんか揉めている、ドキュンの友情なんてこんなもんだろ。コブシの交換で友情が深まるなんて、やはり漫画の中の世界か。中学生の癖にシンナーなんてやってるから、歯が脆くなるんだと思うぞ田村。ブツブツいいながら、席に戻ろうとするドキュン二人。
「あ、お前らまだ帰っていいとはいってないぞ」
ビクッと肩が跳ね上がる。はは、なんか立場逆転って面白いなあ。安っぽいカタルシスだが、この絶対的力は中学生のマサキにはたまらない果実だ。ドキュンをビビらせてたら、忌まわしい思い出と共に、いいことを思いついた。
「佐藤理沙!」
一番前の席で、名前を呼ばれて「ひゃい!」って感じで声を上げる理沙。やっぱビビってるみたいだ。いいなあ、学級王はとマサキは思う。
「お前もちょっとこっちこい」
おびえた小動物のようにドキュンの隣に立つ理沙。三人で整列している。なんかピクピクと恐怖に引きつっていて、理沙の可愛い顔が台無しだ。いいねー、ドキュン兵二人を引き連れて、理沙は小柄ながらどこか凛としてるから少佐かなにかで。なんか漫画の軍隊みたいだとマサキは思う。
「おい、お前らチンコ出せチンコ! なにをきょろきょろ後ろ向いてるんだよ。田村、三沢! お前らのことにきまってんだろ」
殴り合いさせたときよりも、深刻に嫌がるドキュン二人。二人して、ズボンとパンツを無理やり下して羞恥刑を執行された恨みを当然、このマサキ様は忘れてないわけで、抗えるわけがなかった。 しぶしぶと、ちろっとしょんべんするみたいにチンコを出す。ドキュン二人、顔が赤くなってる。日ごろ威勢のいいこといってても、やはり童貞の中坊だ。
「ぼくがお前らにやられたときに、そんな半端なやり方してたかよ。もっとちゃんとズボンをさげろ……それにしても包茎チンコが、さがりっぱなしでつまらんな」
みんな自習をしている振りをしながら横目で見ているのは、マサキにもいまチンコを露出しているドキュン二人にもよく分かっていた。教師はぼけっと無視してつったっている。そして、その二人の横に立っている佐藤理沙は顔を真っ赤にして目をそむけている。案外、まじまじと見るんじゃないかとおもったら結構真面目だったな。
「そうだ、理沙。お前二人におっぱいみせてやれよ」 「え……そんな」 「そんなもヘチマもねー、さっさとやれ」
マサキの声にせきたてられるように、そっと前だけ開いて白いゴワゴワしたブラジャーをとって、理沙はオッパイをむき出しにした。理沙の控えめな性格といっしょぐらいの、もりあがってるだけの乳房。Aカップだろうな、これはブラジャー要らないんじゃないかとマサキは思う。 それでも、ちゃんとオッパイであることを主張しているような、色素の薄い肌色が仄かにピンクがかかったような乳輪は、少女らしいおっぱいで好感が持てる。
現金なもので、ドキュン二人組みは同級生のオッパイを見て急にビンビンに勃起させている。はは、こいつらも勃起しても皮被ってるよ、ざまあ見ろとマサキは思う。中二でおとなチンコのやつは、そんなに多くないのかもしれない。
「よし、ちょっとおまえらそこでオナニーしろ」
調子にのって、マサキが命令する。
「ちょ!」 「おれら、そこまでやってねーよ」
さすがに反抗的な態度を取るドキュン二人。
「そんなこといって、お前らビンビンになってるじゃねーか。さっさとやってしまえよ、命令だよ、命令!」
チンコ出すだけで、死ぬような心地がしたものだが、やっぱりマサキよりドキュンのほうが精神的に打たれ強いのだろう。周りが、確実に見ているものの、見て見ない振りをしてくれてるというのもある。暴力でクラスの男子に睨みを聞かせていた馬鹿二人組みだが、もうこれで偉そうな顔は一生できなくなるだろうな。
「ちゅくしょうぅぅ……」 「したくてやってるんじゃないからなー!」
二度の命令には逆らえなかったようで、やり始める二人。しっかり理沙のおっぱい見てやってるのが現金なもんだよ。理沙はもう、真っ赤になって俯いてしまって反応がない。 田村のほうがヘタレらしく、一分もしないうちにドピュドピュとだらしなく、射精してしまう。
「はは、こいつ出しやがったよ」 「きゃーーー!」 「あー、もっとスペースあけてやればよかったな、伊藤ごめん」
マサキもついうっかりしていた。思いのほか田村の射精の勢いが強かったので、隣の伊藤真奈美の席まで飛んでしまった。真奈美も、さっきまで自習の振りしながらひそかに笑って見てたのに、汚いものが自分の方向に飛んでくるとは思わなかったのだろう、机と椅子ごと叫び声をあげて、飛び跳ねるように転げ落ちた。見事なこけっぷりだ。 真奈美は別に標的にするほど美人でもないし、まあちょっとおっぱいが大きめなのがいいぐらいかなあ。とにかく、マサキイジメに関係してなかったから災難なものだ。 「ううっ……オレも、もう駄目だ」 そんなことをいってるうちに、ドキュンB、三沢のほうも限界らしく射精をする。それが、まあ狙ってるんじゃないかとおもうほど伊藤真奈美の方角を向いてるわけで、三沢のほうが多少田村よりも砲の長さがあって、勢いもついてたわけで、コケ倒れてボロボロの真奈美が息つくまもなく、第二派が真奈美の顔面や身体に向ってドピュドピュと飛んでいった。絶対、三沢わざとやってるだろ。
「ぎゃあああああ!」
もはや絶叫である。中学生の溜まってる二発っていうのは結構な量で、机や真奈美の身体が白い液で濡れて、ちょっとした学園モノAVみたいになってしまった。あーあ、長い髪にべっとりと精液がついてる。髪につくと取れにくいんだよね。 ここではじめて、他のクラスから先生きたらヤバイと思ったが、幸いにしてそんなことはなかった。催眠は半日に一回だから無駄撃ちは出来ない。 これからは気をつけようとマサキは思った。 あとちょっと可哀想だったが、伊藤真奈美だってマサキイジメを放置してみてた傍観者なわけで、復讐されても不思議はないわけだ。ちょっと罪悪感があったが、それを振り払ってどこに向ってかわからないが、これもまた良しと前向きに考えるマサキであった。
「ちょっとあんた、いくらなんでも酷いじゃない!」
いい加減に我慢の限界だったのだろう、さっきから端っこでプルプルと一人震えていた鳥取ツバメがマサキのところに飛び込んできた。あー、そんなことする必要ないのに自分の綺麗なハンカチで、涙と精液でグズグズの伊藤真奈美の身体と机を拭いてやってる。 酷いかもしれないが、これにはマサキも反論があった。
「ぼくが虐められてたときに、誰か止めてくれたかよ!」 「それは……」
そういわれると、ツバメも黙り込んでしまう。真奈美の机を拭く手はやめないみたいだが。 真奈美も理沙もドキュンも黙り込む。クラスの空気も沈む。復讐ってもっと気持ちいいものだと思っていたのに、なんかこれって嫌な空気だなとマサキは思った。 ツバメだって、マサキが虐められているとき止めてくれたわけではない。ツバメは、佐藤理沙みたいな偽善者じゃないから。ただ、空気に流されてイジメに加担することはなかった。そこがツバメが本当にマトモな人間だということだ。マサキがイジメと立ち向かっている限りは、教師すらマサキを省けにしても、クラスの連絡事項をいちいち教えて普通のクラスメイトとして対応していたのがツバメなのだ。そこだけは、マサキは感謝してもしきれない。
「まあツバメちゃんに免じて、今日のところはこれでいいわ。後片付けは、ツバメちゃんじゃなくて理沙が綺麗にやっとけ。伊藤さんをばれないように、適当に理由つけて保健室につれて着替えをさせてやれ」
ツバメがなんか不服そうだったが言われたとおり下がって、理沙が代わりに真奈美の世話を始めた。ドキュン二人は、ズボンとパンツを下したまま立ち尽くしてる。 「お前らもいつまで、チンコだしてるんだよ今日は終わりだ。さっさと自分の席にもどれよ。お前らは保健室にいくなよ、顔の傷は唾でもつけとけ」 さすがに、ボッコボコに殴り合っているドキュン二人を保健室につれていくのは不味い。不良だから、なんとでも理屈はつくのかもしれないが。クラスの外にばれないようにするには、ドキュンの傷の手当てまで考えなければならない。催眠で復讐する空しさと、集団催眠の面倒なリスクの高さを、やって初めて思い知るマサキであった。
――――
時刻は午後というか、もう夕方だな。 催眠が安全に使える時間までぐっと待ってから保健室に向うマサキ。 「伊藤さんは無事普通に帰ってきたけど、保健婦がなにか感づく可能性もある」 保健室登校しているクラスの生徒がいる可能性も考えてのことだが、怪我させたりした場合のことも考えると、保健室はまず押さえておいたほうがいい。 いまの、安西マサキに怖がるものはなにもない。ノックもせずに、ガラリと保健室の扉を開けた、目の前の机に座っていたのは白衣を着けた……外人?
金髪で淡い碧眼、年齢はマサキと一緒ぐらいだろうか。いかにも保健婦という、金髪少女が着るとコスプレみたいな白衣をつけていなければ、年齢的には転校生だと思ったところだが、とにかく美少女すぎる。 マサキの愛しの鳥取ツバメでも、この少女にはワンゲーム差で負けるだろう。まとっている空気が違うのだ。日陰の湿っぽい保健室が、この少女から発生する美少女フィールドで女神の宮殿のように見える。電子の妖精というか、もう同じ人間とは思えない完璧な美のイデア、パソコンのモニターから飛び出てきたとしか思えない現実感を喪失させるほどの美少女がそこには居た。一言でいえば、これなんてエロゲである。
「ようこそ、私の保健室へ。安西マサキくん」 「あの……あなたは」 「新しい保健婦だよ。そうはいっても、今日からしばらくの間だけになるだろうが」
そういって、琥珀のような瞳をなげかけて微笑する。オカシイ、何かがオカシイ。存在自体が馬鹿げているほどの妖しさもさることながら、さっきまでの青い瞳がなぜ黄色に変化した。光の角度の違いか、それにしては変化する瞬間に気がつかなかったぞ。ちゃんと注意を払っていたのに。 なぜか今の少女の目は、孤独に彷徨する狼を思わせた。美しい金の鬣に魅せられているうちに、牙が剥かれるような鋭さを帯びてきている。 本能がとてつもない危険を伝えてきている。マサキは、半ば無自覚に、ポケットに右手を突っ込み催眠タイムウオッチを作動させる。我ながら自然な動作だった。 新しい保健婦とやらの金髪美少女は、こっちの変化に気がつかずにのんきに言葉をつむいでいるように見えた。これはチャンスだ。 「まあ、最初に保健室に来た判断は及第点だな。来ると思って、こっちは待っていたわけだが――」
脳から視神経へ走り抜ける電撃、これがマサキを無敵の催眠術師に変える稲妻。 マサキの稲妻を浴びて、目の前の危険な少女はマサキの奴隷に変貌するはずであった。食ってやる、食ってやるぞ金髪少女!! だが、勝利の雄たけびをあげたのはマサキではなく少女のほうだった。
「ハハハハッ、早速見せてくれるとは、これは嬉しい!」 「なに……がぁぁ!?」
オカシイ、オカシイ、オカシイ。マサキの催眠の目が、目の前の少女の目を見据えたというのに、むしろその光の焦点はぶつかってマサキのほうに押し返された。少女の目からも、光が出るなんて、しかもこれは……向こうのほうが圧倒的に強い!
こんなことは、ありえないはずなのに!!
痛いほどに催眠装置のボタンを握り締めるが、目の前の現実は変わらない。催眠の稲妻は、金髪少女の目から押し返されてマサキの目に戻り、視神経を通ってマサキの脳に逆流する、限界を超えて機械を作動させたときの痛みすら、生ぬるいと思える電撃の逆流が脳を暴れまわった。
「はぎゃあああああ!!」
頭を両手で押さえるようにしてのたうちまわるマサキ。脳が煮えたぎって沸騰しそうだ。もしかすると、こんなところでしぬのかと、死の想念がマサキの燃え上がった脳に襲い掛かる。マサキが死ぬような苦しみにもだえているのに、目の前の少女はペラペラとしゃべりやがる。
「いいねえ、実にいい。この国の故事にも、兵は拙速を尊ぶともいうからな。手が早いのはいいことだよ、意識的にか無意識かは知らないが、私が自然に行う催眠の前段階にも気がついたのだろう。久しぶりに活きのいい獣を相手にして、私はとても嬉しい」
少女はマサキを見据えたままで、話し続ける。
「ドクター引田ご自慢の催眠タイムウオッチか。十分の制限時間付きとはいえ、素人の子供に一ヶ月でここまでの力を与えるとは、魅せてくれるよ。催眠具を作らせたら、やはり奴は天才の域だな――いや、もちろん私には遠く及ばないよ!」 少女のわけのわからない独白は、マサキはほとんど聞こえてなかった。とにかく砂漠の真ん中で三日間飲まず食わずで放置された挙句にサウナに十時間放り込まれたような、この無間地獄の苦しみに耐えるのにマサキは必死だ。 「おっと、すまない。いきなり攻撃してくるから、つい本気を出してしまった――催眠というのはこういう使い方もできるのだよ、覚えておくといい」
少女の目が金色から深い群青に変化する。その途端に苦しみはすっと抜けて楽になったが以前として視線に掴まれるように離すことができない。 目の前で少女の青い瞳が笑った。子供が悪戯を思いついたような微笑。そして、これはまるで、地獄から一気に天国に引き上げられたような快楽。きもちいい……あぁ、でもこれはちょっと気持ちが……キモチ、が、ヨスギル!
「うぁああああ」
頭を叩き割られて、脳の奥の快楽神経を、素手で直接掴まれたような気分だった。痛いぐらいの快楽が無限に続く。もう立っていられない、その場に倒れこむとマサキは腰をカクカクと動かして射精し続ける。
「あっ!! あっ!!! ああっ!! あぁああああああああああああ!!!」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!! ドピュドピュドピュドピュドピュ!!!
今度は快楽に身体をのたうち回らせながら、腰を痛いぐらいに振り続けて射精し続けるマサキ。止まらない、止まらない、止まらない! 限界だった、限界まで射精した。血が出た、実が出た、涙が出た、体中の穴という穴から液という液がすべて放出されてしまった。
「あっ……あっ……」
電池切れの機械のように、動きを止めるマサキ。空っぽになったマサキは、自分が出した白と透明と赤が混じる液体の海に沈む。死ななかったのが不思議なぐらいの激痛とそれをはるかに上回る極上の快楽。 カツカツと、地面に響くようないい足音をさせてマサキの横にかがみこむ少女。マサキが目の前で艶やかな金髪をたらしている美しい女の目を捉えた。マサキは、生きているのか死んでいるのか自分でもはっきりとしない。体中の感覚が全て抜き取られてしまったような空虚のなかで、見上げる少女の顔はさらに美しいものにマサキには見えた。全てを任せてもいいような、そんな心地よい気分だった。少女は、そんなマサキの様子を満足げに見ると、静かに口を開いた。
「耳は生きているな、安西マサキくん? まったくとんだ歓迎になってしまったが、私はアルジェ・ハイゼンベルク。職業は、この学校の保健婦と兼任で、天才催眠術師だ。フフッ、私が自分で天才というだけの力があることは、今ので分かっただろう。相手の実力や周りの状況を調べずに、飛び込んだり、襲いかかったりする癖はやめたほうがいいな。私はそういう無謀な男は嫌いではないが、確実に寿命を縮めるぞ」 「天才催眠術師……ああDLOの?」 「そうだ、理解が早いな。私は正確にはDLOの、さらにさらに上部組織の人間なのだがね。休暇で日本に来て少し暇を持て余していたら、古い知り合いに頼まれてね。面白そうなので、しばらく君の監視者をやることになった」 「監視者?」 「そうだ、君はこれまでも監視されていたのだよ。君は新装置の実験テストをやっているからな、失敗したら組織まで迷惑が及ぶのでそれは避ける必要がある。そのための監視者だ。テストとしては最終的に失敗したほうが色々と実験データが取れる。むしろ君は失敗して使い潰される予定だったのだよ」 「そんな……ネット探偵がぼくを裏切ったのか」 「そうじゃない、ネット探偵は私に君のことを頼んだのだよ。本来、監視者は君に気がつかれないように監視するのだ。そして、君が失敗するのを見ているだけだ。ところが、私はこうして君に直接コンタクトした。意味が分かるかね。君は幸運な男だ。この天才たる私が、一人前の催眠術師になるように導いてやろうというのだよ」 「そうですか……あの、お願いします」 「うむ、素直なのはいいことだな。しかと任された。私に師事するからには君も天才の一歩手前――はちょっと無理か、まあ二歩手前ぐらいの催眠術師にしてやろう。それと、あとで本当の保健婦の奴に掃除させないといけない――着替えはジャージも下着もあるから心配するな」 そういって、アルジェはマサキのドロドロになった顔の汗を拭いてやった。ありがたいんだけど、それ雑巾じゃないのか……薄れ行く意識の中でマサキはそんなことを思って、目が覚めたら保健室のベットで十二時間以上も寝ていたらしく、夕方かと思ったら朝日が差し込んでいた。夢も見る暇もないほどの酷く深い眠りだった。 服は着替えさせられていて、学校の予備用に使われる安物の真っ赤なジャージだった。パンツも履きかえられてる、ちゃんと昨日の服が洗濯して畳んでおいてあった。学校に元からいた岩崎とかいう妙齢の保健婦に身体を拭いて着替えさせてもらって、片付けてもらったんだとすると、少し恥ずかしい。
カーテンを開けると、朝の日差しが飛び込んできた。カタカタとキーボードが鳴る音だけが響いている。 アルジェが机の前に座ってコーヒーを飲んでいた。同じ白衣姿だが、アルジェは中に真っ赤なジャージを着ている。昨日の私服から着替えたみたいだ。今日も金髪美少女はとても綺麗だったが、その分学校の真っ赤なジャージが死ぬほど似合わなかった。ジャージに着替えたのは、アルジェもここに泊まったのかな。 器用なもので、コーヒーを飲みながらも、一心不乱にパソコンのキーボードを片手で打ち続けている。 「おはよう、マサキくん。よく眠れたかね」 「はあ……」 まだ、身体の節々が痛い気がするが。特に目立った外傷はない、内臓が痛い感じだ。夕食も朝飯も食べていないから、お腹が空いているはずだが、食欲はなかった。
「日本のインスタントコーヒーは、すごくすごくおいしいな、君も飲むかね」 「いただきます」 アルジェが、子供みたいに目を輝かせておいしいおいしいと、とてもおいしそうにガブガブと飲んでいたので、なにか特殊なおいしいコーヒーなのかと思ったのだが。 アルジェが淹れてくれたが、ごく普通のインスタントコーヒーだった。 「今後のやり方なんだが、とりあえず好きなようにやりたまえ」 アルジェはすごく投げやりだった。 「あの……好きなようにといわれましても」 集団催眠の難しさは、たしかに昨日初めてやってマサキの気がつくところでもあったのだ。考えていたよりも実際はとても難しい。アドバイスしてくれるなら助かる、だからこそ昨日も素直に師事したのに。 「私も色々と忙しいんだ。細かいところを最初からいってもしょうがない。問題が発生しだい添削してやる、相談があったらここに来ればいいから」 そういいながらも、アルジェは右手でコーヒー飲みながら左手でモニターも見ずにパソコンのキーボードをものすごいスピードで打ち続けている。その姿を見て、マサキはピアニストみたいだと思った。片手に湯気の立ったマグカップを持たずに、白衣の中に来ているのが真っ赤なジャージでなければ、きっと美しい絵になったはずだ。 「あの昨日、休暇っていってましたよね、何が忙しいんですか」 「いやあ、デートの誘いやラブレターが殺到しててね。断る文面を考えるのも一苦労なんだよ。モテる女は辛いね!」
そういって楽しそうに鼻で笑って、またコーヒーをむやみに作って、がぶ飲みしている。絶対嘘だ。たしかに、右手だけでポットを操作して、インスタントコーヒーを延々と淹れて、がぶ飲みする辺りは器用だが……こういうのが天才なのか。 アルジェは隠そうともしないので見ていいのかと、興味を持ってパソコンのモニターを覗きこむと、なにか真っ黒い画面に白い数式と英文が踊りまわってる。ものすごい速度だ。 (これウインドウズじゃないよな……) マサキだってオタクの端くれ、パソコンのプログラムは、見るだけなら少しは分かるが、こんな奇怪な言語は見たことがない。これが万が一、本当にラブレターだったら、多分あて先は太陽系外からだろう。 「あ、そうそうこの消費ペースでいくとインスタントコーヒーが切れそうだから、お昼までに買ってきておいてくれ。飲み比べしたいから、各種メーカーの粉を全部な。あとコーヒーがこれだけおいしいんだから、ココアもうまいかもしれん。買っておいてくれ」 「そんなにコーヒー飲むと、胃が荒れますよ」 「私は天才だから大丈夫なのだ。私の偉大なる脳細胞と美容細胞はカフェインの過剰摂取によりまかなわれている。コーヒーの確保は、弟子の一番大事な仕事だからくれぐれも忘れないように!」 その言葉に、逆らうのは無駄と判断して、ハイと答えて保健室を出て行くことにした。ここにこれ以上いても、アルジェは壊れたレコードみたいに「コーヒーがおいしい」しか言わないし、時間の無駄なような気がしたからだ。 「変な人の弟子になっちゃったなあ」 それでも、一人より味方がいたほうがなんとなく心強い。マサキは朝の学校の廊下を足早に駆けていくのだった。
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第八章「身も心も揉みほぐす」 |
童貞の喪失自体が人間のなにかを変えることはない。
喪失した感想を聞けば、たいていが「ああこんなものか」と。期待したほどではなかったなと。 あるいは、思ったよりもよかったと言う場合もある。ただそれは、身体の繋がりというよりは、行為によって相手と心が繋がったからに違いない。それによって人間関係も良い方向に変化する。それらが、世界を一変させてみせることだってある。 だから何度でもいうがセックス自体は、ただ性器の一次的な接触による体液の交換に過ぎない。
それ自体が人間の何かを変えることはない。その喪失が、処女なら巫女に、童貞なら魔法使いになる資格を喪失する、せいぜいがその程度のことだ。
今日も鳥取家で夕食をご馳走になっている安西マサキはいつにもなく堂々としていた。うらぶれたデブオタ少年のくせに、どこか自信に満ち溢れていた。 マサキは単純に、童貞でなくなったことで自分の男としての位が上がったと錯覚する。本当は童貞喪失はきっかけに過ぎない。 これまでの経験値に加え、風邪で寝込んでいる間も時間を無駄にせずに自己暗示による性格と知能の強化に勤しんでいたこと。鳥取家のなかに、新しい自分のフィールドを得たことが今の自信と安定感をもたらしているのだ。 ともかく、人間として、催眠術師として、安西マサキは一皮向けた。 あの後も、機会があり次第、鶴奈と行為に励んでいるのでチンコのほうの皮が剥けるのも時間の問題だろうとほくそ笑む。 今日のメインディッシュはステーキだった。別に高い肉ではない、スーパーの特売の肉だ。それをオリーブオイルで丁寧に下ごしらえして、スパイスで味付けする。 下ごしらえの手間を惜しまなければ、だいぶ違うものだと傍らで鶴奈はいう。 ほどよくやわらかくなった肉と一緒に、付け合せのオニオンやアスパラガスを食べながら、同じ出来合いの素材でも自分の家の飯とこんなにも味が違うのはどうしてだろうかと思った。 鶴奈が料理がうまいということはあるだろう、でもこうして食卓で鶴奈がいてヒナがいて、ツバメもなんか嫌そうにだが一緒に食卓を囲んでくれている。一人で飯を食べているのではないということが、味を温かい物に感じさせてくれるのだとマサキは思った。 一人でいるときは、煩わしくなくていいと思った一人の食事だったが、やっぱりそれは無意識の強がりで本当はみんなで食べたほうがいい。一人で居たらそんな孤独にも、気がつかないものだ。 「うまいですね」 だから、マサキはそう単純に今の喜びを表現した。 「食べてもらう人に、そう言ってもらえると嬉しいわ」 鶴奈はその傍らで、家族にしか見せない柔らかい表情を見せている。
「はぁー」 そんな暖かい食卓の光景を横目に家族から少し椅子を放して、鳥取ツバメは相変わらず不機嫌そうに、ため息をついていた。最近、食が進まない。 ヒナも、なんかわけもなくマサキに懐いてるし、だいたいあの食卓中央の席はいつも自分の兄貴が座ってる席のはずなのに。旦那気取りかよとずうずうしいな。なんだよこの疎外感は。 マサキがというより、マサキが来てからの鳥取家の変わりようを、ツバメは心の奥底から疎ましく思うのだ。 「もういい、ごちそうさま!」 ご飯がまだ残っているのに、食べる気がしなくてさっさと席を立ってツバメは部屋に戻ってしまった。 「最近、お姉ちゃん機嫌悪いね」 「そうね……学校でなにかあったのかしら」 ヒナと鶴奈は親子でそんなことを言っている。ツバメの機嫌を悪くしているのが家の現状であることを考えもしないのは、催眠のせいなのだろうか。 もったいないと、食べかけで残したツバメの肉を箸でつまみながら、この家で一人まともに頭を働かせているマサキは、そろそろツバメをなんとかしないといけないと思い始めていた。
「入るよー」 「勝手に入ってくるな馬鹿」 ツバメの部屋に脚を踏み入れると、即座に枕が飛んで来た。そんなに痛くはない。枕を掴んで、部屋に入る。女の子の部屋特有の甘い香りが広がる。 そんな様子はないのだが、この果実系の芳香はアロマでも焚いているのかもしれない。締め切った部屋であるのに、どこか空気が澄んでいる。 マサキは、まるで山頂に赴いた登山者のような爽やかな笑顔で、肺一杯にその空気を吸い込んで一言。 「萌えぇー」 「この馬鹿やろう!」 布団から立ち上がって、今度はぬいぐるみをアンダースローで投げつけるのだった。 「ふぐっ」 マサキの顔に直撃する。見事なコントロールだ。 「次、なんかしたらこんどこれいくからね」 ダンベルを持ち上げるツバメ。二キロと重量軽い上に、ダメージを軽減するスポンジのカバーがついていることで殺傷能力は低めだが、だからこそ冗談とは思えなかったのでさすがにマサキも引く。 「ちょ、それは怖いな」 笑いながら手をあげるマサキ。 「なんか、あんた最近余裕みたいでむかつくのよ」 「まあまあ」 「憎たらしい顔!」
鳥取ツバメはきっと将来いい女になるに違いない。そう感じさせる濃厚な香気が、まだ成長期も終わっていない十四歳の身体からにじみ出ている。巨乳アイドル乳負けの爆乳は、部屋着のTシャツから飛び出しそうに柔らかく揺れている、巨乳をさらに際立たせて見せるほっそりとした腰つきに引き締まったお腹、ゆったりとしたお尻は熟しつつある果実のような瑞々しさを秘めている。
「まあまあ、日課のマッサージをしようよ」 そういって、いやらしそうに手をこねくり回してマサキがベットの上にツバメを押し倒すようにする。 「わー、もういつから日課になったのよ」 そういいつつ、ツバメはマサキの手つきに逆らえないでいる。やがて、しょうがないわねとかブツブツいいながら、うつぶせになってマサキのマッサージを受け入れる体制に入った。 ここ数日の間、連日でツバメはマッサージを受けている。 もちろん、普通のマッサージではない過度に性的なマッサージだった。
何でこんな風になったのかは思い出せないが、部活とかは面倒なのでやってないが、自宅ではちゃんとダイエットをかねた運動はしているツバメなので、身体がこっていないこともない。ちゃんとほぐしてもらえるのなら、いいかなという気にもなる。 ほんとは、身体に触れられるのいやだったんだけどな。マッサージと普通に触れられるの、自分の中でどこに線引きがあるのか知らないが、マッサージは悪くないとツバメは思い込んでいる。 「あんた、けっこううまいわね」 「お褒めに預かり、光栄ですよ」 ツバメが寝転んだので、腰から初めて背中から肩に揉むマサキ。手先の器用さは、彼の数少ない長所である。より抵抗を少なくするため、ネットで普通のマッサージについても調べたのだ。もちろん、メインは性感マッサージだが。
マッサージを受けている間暇なので、腰からゾワゾワとくる感覚に打ち震えながらツバメは目の前の時計を見ているとふっと冷静に声をあげる 「あのさ……なんか時間がぽっと飛んでるみたいなんだけど、あんたなんかした?」 マサキが何かしたのかと問われて、もちろん言葉のあやだと分かっているのだが、やっぱりドキッとする。催眠時間はほぼ十分のはずだったのだが、鋭い人は気づくみたいだ。注意しないといけないなあ。 「さあ、気のせいじゃない。ボケっとしてると時間がすぐ経ってしまうのはよくあることじゃないか」 「んー、そうかな。妙にこんな感覚が多いんだけど、ボケてるのかな」 そんな感じでごまかす。たとえば記憶の寸断があったとしても、まさかその間に催眠にかけられて暗示が強化されているなんて思いもしないだろう。
「ちょっと起き上がって」 「ん」 ツバメは、身体がほぐれていたので、指示通りに上半身だけ起き上がる。 後ろから豊かな胸を持ち上げるように揉む。 ツバメは胸を触られても何も言わない。これはマッサージなのだから。 心の奥からは「大体、マッサージに胸が何の関係があるのよ」とかまあそういう言葉が浮かんでくるが。巨乳が肩こりの原因だとか、返されるに決まっていてそういわれるとなんともいえないのは、ここ数日何度もこの類の攻防を繰り広げたので半ば諦めている。 言うだけ無駄だ、負けるぐらいなら戦いたくない。だからツバメは黙っている。
「ん、なんだブラつけてるの」 黒いTシャツだったのでぱっとみ気がつかなかったが、中にブラをつけていたようだ。「つけてないと、形が崩れるっていうから」 「巨乳も苦労があるんだなあ、よし外してやろう」 そういって、ブラを外す。Tシャツの脇から、スルスルと引き出してしまう。 「あーちょっと勝手に外さないでよ」 「マッサージのときはブラはつけない約束だろ、こんどからする前に自分で外すように」 そういって、きつい締め付けから開放されてポヨンと飛び出した乳を両手で包み込むように愛でる。 「おー、苦しかったかい。マイフェイバリットベイベー」 「私の胸に話しかけるな! ブラをポケットにしまいこむな!!」 胸をまさぐって嘲弄して、動揺を与えてるつもりなのに、その間に自然にブラを盗んだマサキの行動を目で追っているあたり、ツバメは目ざとい。 催眠下にあるといっても油断は禁物、外堀を埋めるようにとマサキは慎重になる。 まあ、そういって口だけは騒ぐが、”マッサージはすでに始まっている”ので暴れることはないのだが。身体でもって抗うことは、すでに禁止されているのだ。 それにしても見事な巨乳だ。ゆったりとしたはずのLサイズのTシャツが、乳の部分で見事に押し上げられて綺麗な谷間を形成している。 もちろん、硬いということはなくて両手からはさみあげるように持てば、それなりの弾力を持って跳ね返してくれる。どこまでも柔らかいのに張りがある、マサキはツバメの乳と同じ感触を持ったものをこの地上ではまだ見たことがない。 「天上のおっぱいだな」 「わけのわからないたとえをするな!」 さっきまで、気持ちよさそうに揉まれていたのに、やはり歳の割りにでかい乳にコンプレックスがあるのか、ここに来るととたんに機嫌が悪くなる。 「気持ちいいくせに」 「んっ……」 強く握ると息が詰まったように、黙ってしまう。それにしたってすごいボリュームだ。中学生にしてバストサイズ百センチ越えは伊達ではない。 全部握り締めようと思ったら、片方の乳で両手を使わないといけない。 「痛いだけだよ。強く握られると」 「つまり、程よい力で刺激してくれと」 「違う……うう、こんなやつに……それも違うけどマッサージだし……でも」 「じゃあ、Tシャツも脱ぎ脱ぎしようか」
その言葉に我に返ったように、クルッと振り返ってツバメはマサキを見据えて睨みつけた。全力の力で押さえつけるように、睨みつける。壮絶な笑みだった。
「なぜ、脱ぐ必要があるのかしら?」
ツバメの発育の良すぎる胸を、いやらしい目で見る男は多い。その不愉快な視線や、偶然を装って延びてくる手も、こうやって強く睨みつけてやれば、他人行儀に拒絶の言葉を投げかけてやれば、跳ね除けることができると経験上知っていた。 お前は、見てはならないものを見てるんだぞ。触れてはならないものに手を伸ばしているのだぞとわからせてやる。そうしたらたいてい屈服する。同年齢の男子なんて、エロくて、そのくせ幼稚で、くだらない。自意識過剰の最低野郎ばっかりだからだ。
それでも「絶対の自信」を持っている今日のマサキは、生気が迸るような美しい瞳だと思っただけだ。よく見ていると、ツバメの目は怒らせると黒めが光を帯びて、明るい色に変わっていくのが分かる。本当に生きている宝石のような瞳で、むしろ怒りを向けてくれるのが、嬉しくてしょうがないぐらいだ。マサキへの不信感や怒りをあえて催眠を使って殺しておかなかった自分の判断は正しかったと思った。 やさしいセックスなんて、鶴奈とすればいいんであって、マサキが抱きたかった鳥取ツバメは従順な女ではいけないのだ。自分への嫌悪を持っていたってぜんぜんかまわない、活発で、元気で、頭が良くて、男子を見下して、嫌っていて、そのくせ正義感だけ強くて、輝いているありのままのツバメのままで、自分が好きになったツバメのままで抱きたかったのだ。
「マッサージに必要だから脱いでよ、そうだ全裸になって、下着も全部とってね」
ツバメの視線を全部受け止めて、そういいきってやる。ツバメは、自分の睨みがもっとも最低だと思っていた男にまったく通用しないことで絶句する。別に、マサキが強いわけではない。マッサージを始めた段階で、マサキは安全圏にいるのだ。どれほどツバメが催眠という檻の中で怒りの牙を磨いでも、それはマサキには絶対に届かないと分かりきっているのだ。 だから、催眠という縄に縛り付けられた女の子の抗いは、むしろマサキには性欲を掻き立てるものでしかない。中学生にして、けっこうな変態趣味を持っているのだ。
「わかったわよ、脱ぐわよ……仕方なく脱ぐんだからね」
ぜんぜんツンデレではないんだが、偶然にツンデレっぽいセリフになっていてマサキは苦笑する。オタでないツバメにツンデレといっても理解されないだろうからそれはいわない。 スルスルと、Tシャツを脱ぎとって部屋着のズボンとパンツを脱ぐツバメの肢体に、何度か見たことがあるとはいっても改めて感動を覚えて、苦笑してる場合ではなくなった。もうガン視する。
「そんなジロジロ見ないでよ、エッチ!」 「マッサージに必要なんだよ、見つめるのが」 「……」 マサキは、胸を両手で押さえて黙り込んだツバメのオッパイに手を伸ばす。抵抗はない、ふっと手を払うと、手をはらりと落とした。何日もかけて、何度も何度も試行錯誤しながら必死にかけつづけた暗示に抗えるわけがないのだ。 ピンクの乳頭をつまむ。 「ああ、なんて素敵なおっぱい」 「うう……そんなこと言わないでよ」 「必要なんだよ、マッサージに」 そういうだけで、嫌悪と驚愕に顔を背けて押し黙ってしまう。簡単なものだ。 「ここは、乳腺が発達してるから、手だけではなくて特別なマッサージが必要だ」 そういって、ピンクの乳頭をチュっと口で吸ってやる。 ツバメは、その衝撃にフルフルと無言で肩を震わせている。 決して快楽だけではない、たぶん怒りなんじゃないかなと思いながらも、抵抗がないので右手で右の乳頭をこね回しながら、左の乳頭に口をつける。なんかの本で、左のほうが心臓に近いから感じやすいとか聞いたから、左の乳頭に先に歯をたてたわけだ。 口の中でムクムクと乳頭がたちあがっていくのがわかって嬉しくなる。 「たったね」 「なっ……にっ……」 言葉攻めしてやっても面白いが、今はこのオッパイを全力で愛でたいと思う。 その綺麗なおっぱいをよく見たかったので、前からいったが揉みにくくもあるので、さっと後ろに回る。すでに、いっしまとわぬ姿になっているツバメに配慮して自分もさっと服を脱ぐ。 すぐ脱げるようにはしているので、モノの二秒で脱げる。 「なんで、あんたまで、服を脱ぐのよ!」 「マッサージに」 そういうだけで、了解。 あとは、もうお互い無言で胸を揉み続けるだけだ。マサキは、やっぱり胸が好きだ。中学生はみんな胸が好きなのだ。もう病的に好きだ。巨乳であればあるほどいい、もう我を忘れるほど好きだ。好きなんだ。そして、世界で一番好きなのは、好きな女の子の胸に違いない。 だから、そういう思いを込めて好きだ好きだと胸を揉み続ける永遠にも近いとき。 抵抗を禁じられているし、もうどうしようもなくてツバメは「へたくそ」とか「痛いんだけど」とか「いいかげんに死ねば」とか、最初のうちはそういっていたんだがだんだん息が荒くなって、無言になってくる。 ツバメだって、発展途上の身体と性欲をもてあましている女子中学生なわけで、乳房を延々とこねくり回されて、性感帯を刺激されれば高まってくるものはどうしようもない。身体に与えられる痛みとそれがほどよく感じられる快楽、「嫌な男にやられてるんだ」と、それを否定する理性とがぶつかり合ってぐちょぐちょになって。 それで「嫌」とか「なんでこんなやつに」とか、そういう言葉と思いが、吐息と一緒に飛び出し続けた。飛び出し続けた。もう何回も何回もループする。 それでも、そんなときを経てもまだ安西マサキは胸に固執し続けたのだ。オッパイを揉む機械だった、モミモミマシーンだった。
ツバメはもういい加減にしてと、叫びたくなった。絶対こんなの気持ちよくない、痛いわけでもない、絶対に気持ちよくないんだ、それでももうたまらない。 叫んだら負けだと思ったから押し黙って耐えているツバメは、そうやって内圧を高めたままでいたのが逆効果になってしまって……思わず落ちた。 落ちてしまった。 別に胸をもまれ続けて、イッてしまったのではない。まだツバメは性的な絶頂を知らない。そうではなくて、これはそのいわゆる前段階の、性的なスイッチが入ってしまったのだ。 ちょうどツバメにとっては、間が悪いことに、マサキにとっては、計算どおりに、この日はツバメの女の子として感じやすい期間に入ってしまっていた。
オッパイモミモミマシーンと化していたマサキは、ふっと我に帰ってマサキ後ろからツバメの顔を覗き込む。とてもエロい顔になっていた。ああっ、初めて見てしまったとマサキは思った。ツバメのエロい顔だ。 目はトロトロになって焦点があっていない。苦痛と快楽に翻弄されて、可愛らしい顔は見事にゆがんで蕩けて。 口が……そう口がちょっと突出て濡れている。受け入れOK体勢なのだ。求めているのだ。恥ずかしい顔なのだ。こんな顔は。 鶴奈は感じてはいてもこういう顔はしなかったなあ。
せっかくの綺麗な顔が台無しなのかもしれない。でも、濡れているツバメの口は、とても可愛いものにマサキは思えた。 回りこんで、口づけする。 「んっ……くっ」 ああやっぱりだ、ツバメの口はごくごく自然にマサキの口付けを受け入れてくれた。初キッスかなあとマサキは思う。 蕩けてしまったツバメの口は、簡単にマサキの口付けを受け取っていく、むしろツバメのほうが積極的なぐらいだった。だが、そこまでだった。 「!?……ぷっ」
瞬間に我に返ったツバメが、唾を吐き出した。
「あっ……あんたなにやってんのよ」 「……ああ、ごめん」 「あんたいま、キスした? このわたしに!?」 「違う、違うよ! マッサージ。口のマッサージだよ」 危ない、キスしたとかいったらぶち殺される。これは、恋人たちのまぐわいでは決してないのだ。マッサージという名目をつけることで、初めて許されるマサキとツバメのギリギリの許容範囲で展開されるゲームだ。 ゲームにはルールがある。油断は禁物だ。ツバメにマッサージであると理解させなければ、ツバメは抵抗していい。下手すると殺される。そう考えるとゾクゾクするマサキはやっぱり変態。 「ほら、今日は体中マッサージするっていっただろ、口を手でマッサージするわけにはいかないじゃないか、だからぼくの口を使うのさ」 焦りまくりだが、マッサージというキーワード自体がツバメを沈静化させる効果がある。怒りを抑えて、ツバメは「そう……」と言ったっきり押し黙った。 「口の中は、口でマッサージするからね。ちゃんと受け入れてね。舌いれたら、舌であわせてね。ちゃんと気持ちよくなってね、マッサージなんだから」 分かったという言葉を聴かなくても、分かっていることは分かっているのでマサキはキスを再開する。鶴奈に、いろいろ教えてもらっていた経験が役に立った。
二人は裸で抱き合って、マサキが口の中を弄る音だけがチュパチュパと響いた。
可愛らしく舌をあわせてくるツバメがいとおしい。無心になってマサキはツバメの口を吸った。歯茎に舌を這わせたりするとちゃんと反応を返す。ツバメの舌の根元に舌を差し入れて舐め取ってやると、ビクッとツバメが震えて体の力が抜けた。 口でも感じるんだなと初めて知った。鶴奈とディープキスしたときは、やっぱり向こうががんばってリードしてくれていたんだと、こうなって初めてわかるものである。
「うう……あんた口が臭い、ちゃんと歯を磨いてるの」 「どうだったかな」 「うげぇ……あんたね、女の子とキスするときはね!」 そういって自分でいって、ツバメは真っ赤になる。 「キスじゃないよマッサージ、だからいいんだよ」 「うう……しょうがないのか。ねえっ、これキスにならないよね。その、ディープとか私誰ともしたことないし、こんなのが……その、ありえないんだけど」 それは経験なかったら、こだわるだろうなと思う。ここは安心させておくべきだ。 「もちろん、マッサージだから何してもマッサージなだけだよ。大丈夫だよ」 「そう……そう、ならいいわ」 ツバメは、安心したように落ち着く。裸で抱き合っていても、いつのまにか抵抗を示さなくなってきている。もちろん、マッサージというくくりのうえだが、精神と肉体的反応は別だもんな。 それにしても、今日は抜いてないから勃起が酷い。中学生の性欲は無尽蔵だ、ツバメが相手なら五発はいけるとおもう。ここは、一発抜いておくか。
「ああっ! あんた、なに立て……その、なんで顔に近づけてきて、ギャアァァ!」 そういって、顔を背けるツバメ。その頬にあたるように、勃起したチンポを擦り付けると、悲鳴を上げた。 万が一のことを考えて、ヒナと鶴奈には部屋に絶対に入るなと言っておいたが、あんまり叫ばれるのはマズイ。 「ちょっと、叫ぶなって。マッサージだよ、マッサージ」 「わ……わかってるけど、なんなのよ。もう」 泣きそうになって目に涙を溜めているツバメ。もうお互いの裸には何も言わなくても、やっぱり突きつけられると、貧相なマサキのものでも怖いらしい。 「これから、このぼくのチンポでツバメちゃんのお口の中をマッサージします。さあ、口を空けてください」 嫌とはいえないのだ、マッサージという話になってしまっては。 しかたなく、目だけそむけて口をあけるツバメ。 「歯をたてちゃ、駄目だからね!」 そこに容赦なく、勃起したチンポを突き入れるマサキ。 「ふっ……んっ……んん!」 イマラチオ状態だ、口の力が抜けて頭を限界まで後ろに下げるツバメ。いまできる限界の抵抗をしているわけだ。 「ほら、ちゃんと舐めてくれないとマッサージにならないんだからね。もっと積極的になめてよね……そうそう口をすぼめるようにして、吸うように、いい、あー気持ちいい」 「ふっ……んんっ……ひやぁ」 抵抗を奪われて、ツバメは本当に自分が情けなくなった。ツバメの目から、溜まった涙が溢れてこぼれた。 とりあえず出してしまおうと、頭から手を離してマサキは、ツバメのでかいオッパイを揉む、揉む、揉みまくる。 「んっ……ひゃめてっ……んっ」 舐めろといわれたから、舐め続けるしかないツバメが何かいってるが気にしない。手を離しても舐め続けてるから、いいように両手でツバメの身体を弄れる。 乳房に比例して大きく勃起している乳頭をこりこりと指でひねって引っ張って、弄んでようやく射精の気分がもりあがってきた。 「じゃあ、これからお口の中に射精するからね」 「ひゃ……ふぇ?」 舐めながら、「なに?」って顔をするツバメ。もしかして、射精も知らんとか。 「射精だよ、性教育受けてるでしょ。チンコの先から精液がでるの」 「ふぇっ……ひゃめ!」 「駄目じゃないよ、出るものは出るの」 「ひゃめ!」 しょうがないなあ。 「これはマッサージだからね、喉の奥に一杯そそぎこんであげるから、精子が出たら全部飲むこと。精虫がうねうねと、喉の奥からお腹までずっとマッサージしてくれるからね。わかったね」 「……ふぁ……んっん……ふぁい」 諦めたのか、顔をゆがませてまた涙を流したが、拒否することはなくなった。 その間にも、ちゃんとツバメの口はねっとりと舐め取ってくれる。暗示は聞いているのだ。 「じゃあ、出すからね」 そういって、喉の奥底にめい一杯突き入れる。顔が小さい分、口内の作りもも小さいから短小包茎でも、喉の奥まで亀頭が届くのだ。むき出しになったピンクの亀頭を、喉の奥そこに擦り付けるようにして。 「ああ……これが、ツバメちゃんの喉か。ちゃんと射精の感覚を覚えて飲み込む準備をするんだよ、ピクピクしてるでしょ、もうすぐ出るからね、これから口で出すときは飲んでもらうんだからね」 ツバメは鳴きながら、コクンとうなづいた。 「あー出る、飲んでね!」 「ふゃ……!!」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
本日一発目、ならしにならしたので、昨日から溜まってる分がたっぷりと出た。
出されたものは、どうしようもなく喉に出る。
逃げ場のない精液が喉にたっぷりと溢れてきて、ゴクゴクゴクと機械的に飲み込むしかなかった。飲めと命令されたから、機械的に飲む体勢を整えてしまっていたようだ。
「ぐっ……ぎもちわるい……うっ……」
吐き気を催すツバメ。気分的には、吐いて吐いて吐き出していた。なんで飲んでしまったんだろう。気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。喉の奥から掻きだしてしまいたい、ネットリした精液がたっぷりと喉の奥にいつまでもへばりついて汚し続けているようなそんな気持ち悪さだけが残った。
「ごくろうさま、口内マッサージはどうでしたか」 「さいあく……」
「まあ、良薬口に苦しっていうからね美容効果もあるそうだよ」 「しねばいい……」
とりあえず、すっきりしたのでマサキはツバメを感じさせる作業にまた戻ろうと思った。胸も散々責めたしなー、成長期の身体には揉みすぎは負担になるかもしれない。せっかくすげえいい乳なのに、形が崩れたら可哀想だよな。それに、さすがに一時間ぐらい揉んでたら飽きたかも。 そんなことを射精直後の賢者タイムで考えるマサキ。一時間乳だけ揉んでるってのが、相当な固執っぷりだということに気がつかないのは比べるものがないからか。 男友達同士で彼女とどういうセックスをしてるかとか、話したこともないし、今後も話す予定もないマサキである。
「じゃー、気を取り直して次は下腹部のマッサージいこうか」 そういって、前から手を回してサワサワとお尻を触るマサキ。 「なんかっ! 触り方が! ……というか口を洗わせてよ。気持ち悪い」 「ふふー、口洗うのはマッサージが終わるまで禁止、よく口内のものを舐めて味わってくださいね」 「……しね」 そうはいっても、逆らえないのがいまの鳥取ツバメなのだ。
お尻をさわさわと触り続けるマサキ。 「ちょっと、どこに手をやってる……あっ」 肛門に手をあてて、突くように揉むマサキ。 「うぁー」 もうどうしようもないという顔になっているツバメ。 「肛門マッサージだよ」 「……ううっ」 十分に揉んだ指を自分の鼻にもってくる。 「くさ!」 「ううっーしねええええ!!」 「うそうそ、そんなに臭くないよ。ちゃんと洗ってるみたいで偉いね」 「ううっ……あー、舐めないで、やめて」 ツバメの肛門をこね回した指を舐めるマサキ。これぐらい好きな子のなら平気だと笑ってみせる。 「私が平気じゃないから……やめて」 「マッサージの一環だよ、わかるね」 もうそういわれると、睨みつけて黙るしかないツバメ。 「さてと、後ろはこれぐらいにして前に行こうか」 「ちょっと……前って何をかんがえ……まさか!」 「さあ、ベットのこっち側に座るようにして脚を開いてね」 「ちょっと、私の話を聞きなさい。今何もはいてないんだよ!」 そういって、脚を硬く閉じて下腹部を手で覆い隠すツバメ。さすがに胸をいまさら隠すのはやめたらしい。 「だからだよ、全身マッサージっていったでしょ、さあ脚を開いた開いた」 「ううっ」 ぱかっと、脚を開かせると、柔らかい繊毛に隠れた丘が見えてくる。さすがに無毛ってことはない。綺麗な毛だと思う。陰毛って言葉が似合わないぐらいサラサラだし。 目の前に魅惑的な丘があっても、焦らずに太もものあたりから脚も一応ゆっくりとマッサージしていく。 「太もものあたりの肉付きもなかなか……」 もちろん、マッサージしながらも一点集中でマサキの目はオマンコを見ている。それをわざと、ツバメに気がつかせるようにする。そういうプレイでもあるのだ。 「ううっ……その、見るな。ずっと見るな!」 「どこを見るなって?」 「もう……嫌だぁ」 脚を開いたままで、というか脚を閉じることは出来ないのだ。また感極まって、泣き出してしまうツバメ。 「うっ……うっ……」 しゃくりあげて、泣く。顔で手を押さえて、涙を拭く。それでも涙が溢れてくる。泣いて許してもらおうってことより、もうツバメは羞恥と嫌悪で限界なのだ。それなのに、マサキが言葉攻めするから泣いた。 「あーごめんっ、ツバメちゃん」 「うっ……もうっ……こんなのは嫌だよ」
脚を開いて、大事なところを剥き出しにしたまま泣いているのだから見方によってはこっけいで、見方によっては、扇情的な光景である。 こんな嫌がり方でやめる男がいたら、見てみたいものだ。マサキにとっては、性欲を加速させる道具にしかならない、それがツバメには分からない。 「ごめんね、マッサージだからねツバメちゃん」 マッサージはツバメにとっては魔法の言葉だ。しょうがないという気にさせられてしまう。 「ううっ……」 とりあえず泣き止む。応じなくてはならないと、なんとなくそんな気になってしまうからだ。 「じゃあ、最後のオマンコマッサージいってみようかなあ」 「!?」 泣いてる場合ではない、もう驚愕に打ち震えてる。そこまでやられるとは思わなかったのだ、このあとどうなるかもう一瞬で想像がついた。脚が閉じられないので身体を振るわせるしかない。 「いやぁー」 「だって、全身マッサージっていったでしょ、ここもしないと」 そういって、さわりとツバメの恥丘をなでる。いい感触。 「ひゃぁ」 後ろにのけぞってしまう。 でもこのままでは、ピンチだ。すぐ上半身を起き上がらせるツバメ。胸がプルンとゆれた。 「ふふ、やっぱ手では傷ついちゃうからここもお口だよね」 やっぱり嬲られ続けたせいだろうか、どことなく濡れているような感じだ。 「もうやめてっ……ほんとやめてぇ」 「じゃあ、マッサージを開始します」 そう宣言してしまって、オマンコにむしゃぶりつく。綺麗だなあという感想を女性器に持つのはおかしいのかもしれない。産毛をまとった、小さなオマンコは可愛らしいものに思えたのだ。 ゆっくりと、汁をすするように舐める。 こういうの英語でなんていうんだっけ、官能小説で鍛えたエロ語彙を検索する。ああ、プッシー。そうだよ。プッシーって感じだね。可愛らしい感じだ。 そんなアホなことを考えながら、ゆっくりと外陰唇を開いて中を覗き込む。中の陰唇のなかにしっかりとはった膜が見えた。 「へー処女膜って、ほんとにわかるもんなんだ」 「やめっ……てよっ……ほんとに……」 そんなこといわれて、やめるわけがない。深々と覗き込む。 「ねー自分で中開いてみたことある?」 「そんなん……あるわけないでしょ」 あれ、このまえ透明化催眠つかって一緒に風呂入ったときに、結構まじまじと覗き込んでたけどなあと思うが、まあ男には言えないことなんだろう。 無言で、嘗め回すマサキ。緩急をつけたりとか、そこまでの技術はないが、なれない相手でもあってギコチナイ感じがわりとよかったりして、ツバメも震えてヨガッタリした。 「ねえ……もういいでしょ。十分だよ、十分マッサージできたよ」 イッてはないが、とりあえずなんどか軽く感じてしまって、少し落ち着いてきたツバメは、泣き止んで、もうやめないかとマサキに問いかける。 途中で醒めさせてしまうのは、マサキが手馴れてないからなのだが、このまえまで童貞だったような中学生にそれを言ってもしょうがない。マサキはむしろよくやってるほうだ。
ツバメが感じようと感じてまいと、やめるつもりはないのだが、マサキにも男の意地がある。 「えー、それでもここら辺とかまだマッサージしてないから」 そういって、オマンコをめい一杯に開いて、開いてないクリをあけてやる。そこにおもむろに、チュぱっと吸い付く。 「ひゃっ……そこはっ……だめだからぁーー!」 「声が大きい、ご近所迷惑だよ」 「だってっ……あんた、そこはっ……」 女らしすぎる体つきなのに、ここだけは無垢なんだなーと、ぱくっと開いてチューチュー吸ってやる。 「ぎゃ……ああああっ」 ぎゅーと、マサキの頭を握り締めてくるツバメ。悲鳴に近い。 無言で舐め続けると、カクンカクンと腰を振る。もう考えられない。 マサキは、舐めながら意外と冷静に、味も話しに聞くほど悪くないなあとか、処女はクリでオナニーするからクリのほうが感じるとか、いろいろ考えている。 処女はマンカスが溜まってるから、匂いがきついとかいろいろ覚悟して来たんだが、そうでもないみたいで安心した。きちんと、洗ってる子は洗ってるわけだ。 「うふふ……ふふっ……」 なんか、笑うような声を出して茫然としてるツバメ。身体からはクタァと力がぬけて、脚だけ開いて、倒れこむように息を荒げている。 ちょっといい空気だった。 その空気を切り裂くように、マサキが提案。 「じゃあ、次ここのマッサージいこうか」 ぐりっと、膣の中に指を差し入れる。処女でも、きちんと潤滑があれば指一本ぐらいは入り込む。あんまり動かすと、膜を傷つけてしまう恐れはあるが。 「ひゃぃ……あんた……ばぁ……ばかじゃないの!」 はい、馬鹿きましたー。とマサキは頭の中で思う。もう、マサキとよく話すようになってから、ツバメの口癖が馬鹿になってきたのでおかしくてしょうがない。
罵倒はされなれてるマサキなので、ツバメ程度の罵倒は涼風のようなものなのだ。 いや、むしろツバメが本当に拒絶しているときというのは、相手の存在を無視して何も言わないのだ。それが、ツバメのことが好きなマサキにはよく分かっている。 だから、ツバメに罵倒されるというのは、まだしも相手されているということで、それはマサキの喜びだ。別にSMでもツンデレでもないのだが、そういう関係性がいまのマサキとツバメの間には存在するということだ。
「とにかく、その指をぬきなさい……ぬいてぇー!」 「そうだねえ、指じゃ最奥まで届かないしねえ」 そういって、素直に指を抜く。 「はぁ……はぁ……ほんとにあんた何を考えて……」 「そうだ、一番奥まで届きそうなものがあった」 そういって、限界まで勃起したものを見せ付ける。極度の仮性包茎も、さっきのフェラチオで皮がめくれあがっているから、ピンク色の亀頭がむき出しになっている。こうみるとけっこうグロイ。経験ないツバメには恐怖の対象だ。 「ぎゃあー、たのむからそれを目の前にださないでぇ!」 それでも、さっき見せたよりは大騒ぎはしないなと、マサキは計算してる。 「全身マッサージだからね、ぐぐっと奥までマッサージするにはこれをつかうしかないよね」 「あんた、聞いてる……わたしのはなしを」 「ぐっと奥までマッサージするには、これしかないよね」 そういって、開いてる腰にむかって自分の腰を押し付けるように出す。自然とセックスの体勢になるわけで、ツバメは腰を閉じられないわけで。 「いやっ……やめて、あんたじぶんがなにいってんのかわかってんの」 「いや、だから膣の奥が深いから、指では届かないからぼくのチンポでマッサージしてあげようかなと思って」 「そんなこと説明しろっていってないでしょ! ばかぁ!」 「だって、ツバメちゃんが聞いたんじゃん」 「わたしが……いってるのは……もう、ばかぁ! ほんとばかぁ! そんなことしたら……その……もうばかぁ! ばかぁ! 馬鹿やろう!!」 「なにいってんのか、わからないなあとりあえずやろうよ」 「……セックスになっちゃうでしょ」 ほう、ちゃんと言ったかとマサキはおもってほくそ笑む。 「なに笑ってんのよ馬鹿」 「何か問題でも」 「問題大有りよ、私は好きな人としかやりたくありません」 もう十分好きな人としか、やっちゃだめなことやってるんだけどなあと思うが、こういう防衛ラインはよく分かるのでマサキもちゃんと対応する。 「ぼくはツバメちゃんの彼氏だよね、彼氏が好きじゃないの?」 「あんたなんか大嫌いよ、彼氏はなんか彼氏になってるけど……嫌い」 あー、言われるの分かってたんだけど、やっぱ凹むなあとマサキは思う。 「とにかく、嫌いな人とはセックスはやっちゃだめなの。大体私はまだ誰とも……その指だけならいいから、指で我慢してよ」 おいおい、我慢してって話しになってるぞ、マッサージはどうしたんだと。 「あのね、ツバメちゃん。説明するけど、これはマッサージでセックスじゃないんだよ」 「だって、そんなん……その入れたらセックスでしょ」 「マッサージというか、医療行為というか」 「ぜんぜん……だって、入れちゃったら。私初めてなのに、膜とかも破れちゃうし、それにここ私のベットじゃん、シーツとか血がついたら」 「あーそれは、予備あるから鶴奈さん大丈夫だっていってたよ」 「!! あんた義姉さんとなにはなしてんのよ!!」 「あーごめん失言、それはともかくそういうのはまったくもんだいない」 「初めてがなくなったちゃうんだから、問題あるわよ」 「処女膜も、なにか大きなものを挿入しても切れたり、伸びるだけでまったくなくなるわけではないので、別にぼくのちんこをいれても、まだツバメちゃんは処女だといえるよ」 「なんなのよ、そのわけわかんない理屈……」 「だから、マッサージで、セックスじゃないから入れてもノーカウントってことだよ」 結局ツバメは、マッサージという言葉に、逆らえないわけだ。 「うう……わかった」 「じゃあ、入れるよ」 「ちょ、ちょっとまってよ!!」 「なに……まだなにかあるの」 「そのままいれるの、ありえないんだけど!」 「そのままって、あー、生入れのことか」 「そうだよ、なんかそのゴムみたいなのつけるんでしょ、避妊具。こういうのは男の責任なんだからね!」 そういう知識だけ豊富なんだから、面倒だよなあ。 日本の性教育の弊害について思いをはせ、国を憂う中学生マサキであった。 だから、こう切り返してみる。
「へー、女子は性教育でマッサージで妊娠するって教えられてるんだ」 「せ……、なにいってんのよ!」 「性教育だよ、性教育。マッサージで妊娠するって習ってるの」 「そんなの、習ってるわけないでしょ」 「だったら、大丈夫だよ」 そういって、マサキはツバメの目を見つめる。 「ぼくが、大丈夫だっていってるんだ。わかるね」 「……はい」 「いい返事だ」 「って、なんなのよこの空気」 「ちなみに、これからする行為とは、まったく関係ないんだけど、いまツバメちゃんの生理周期ってどうなってる」 「なによ、知らないわよそんなの」 よくかんがえたら、処女が生理周期測っているわけがない。そういうことに関してはだけは、ネットで調べつくしている今時のエロ中学生マサキでも、ほんとに生理周期が安全日や危険日とどう関係しているのかっていうのはピンと来ない。 実際を知らない中学生同士で、やっぱりこういうのは経験からくるイメージが一番大事なわけで。 「生理は、このまえいつ終わった?」 「なんでそんなこときくんだか」 「マッサージに必要なんで」 「……うっ、先週……いや、先々週の末ぐらいかな」 「じゃあ、たぶん危険日だな。よし、大丈夫」 「なっ、なにが大丈夫!?」 「こっちのこと、こっちのこと」
こうして、まったくそれらしい雰囲気の出ないまま処女喪失は執り行われた。
「じゃあ、入れるよー」 「ううっ……痛くしないで」 「最初やっぱ痛いよ、なんでも鼻の穴からスイカ出すぐらいだそうだから」 「なに、それ、めっちゃ痛そう!?」 「ゆっくり入れていくから」
メリメリ、メリメリって感じでツバメの無垢なオマンコに、マサキの粗末なものがビンビンになってめり込んでいく。
「おおうー、なかすごい」 初めて男を迎え入れたツバメの膣壁が、マサキのものを迎えてくれる。 「いやっ、痛い。痛いよ。洒落にならない」 「洒落にならないほど気持ちいい」 「やっぱ駄目、ちょっとまって止まって!」 「最後まで入れてしまったほうがいいって」 そういって、ぐっと腰を押し付けて最奥まで貫いてしまう。 「アァァァァァ!」 たぶん、中で処女膜が引っ張られて切れたんだ。 中の気持ちよさで、もう爆発しそうになっていて、こらえるのに精一杯で。 「痛い、やっぱ痛いっ……うっ、やめてって言ったのに、止まってって言ったのにっ!」 ボロボロ涙こぼして、綺麗な顔ゆがめてシャクリあげて泣いてるツバメを見てたら、ちょっと出てしまった。でもこらえる。 ちょっと、ドピュっと射精したのは、気がつかれなかった様子。というか、それどこじゃないみたいね。 「イヤッっていったのにっ……ううっ……ジンジン痛いっ!」 なんかもうなかば幼児化して泣きじゃくってるツバメ。まあ、まだ子供だし、しょうがないところだろう。 処女喪失の痛みは、重たい人も居るし軽い人もいるが、ツバメは重たいほうだったのかもしれない。 処女の証が、接合部から流れ出す。やっぱ膜が中で切れたんだ。 「もうっ……いやっ……うっ……」 「ごめんね、ツバメちゃん痛かったね、奥まで入ったよがんばったね」 「もうっ……十分だから、もうやめてっ……」 よしよしと、頭をなでてやる。あんまり初っ端から激しくやったら可哀想だし。 「うん、すぐ出して終わりにしちゃうからね」 「出すっ……出すって何をよ!?」 痛みに翻弄されて、茫然と泣きじゃくっていたツバメの目に光が戻る。 「なにって精液をだよ、このまま出すに決まってるじゃないか」 「なっ、なにがきまってるのよ。ありえない! これセックスじゃないんでしょ」 「マッサージだから妊娠は」 「そういう問題じゃないの、あんたの汚い液で私のお腹の中が汚されるのが嫌なの」 「子宮筋マッサージだよ」 「……なっ、なんてことをいうのよ」 「全身をくまなくマッサージするっていったでしょ。穴という穴が対象だからね。このまま、中に出したらぼくのオタマジャクシが君の子宮のなかを綺麗にマッサージしてくれるよ」 「いやー、いやよそんなの!!」 考えるだけで気持ちが悪い。 「チンコは、子宮の中まで入らないからなあ。そういや、子宮の中まで強引に入れるマッサージっていうのもあったけど、ちょっと痛そうだけど慣れれば気持ちいいかも」 さっきまで処女だったツバメの想像を絶する答えが返ってきた。 子宮姦なんて、化け物クラスのセックスだ。マサキにできるわけないのだが、そういう脅しである。 無理やりに処女を奪われたツバメには、マサキならやりかねないという恐怖を感じた。 「嫌! そっちのほうが嫌!!」 「じゃあ、どっちにする。子宮まで貫くか、中出しか」 いまツバメの頭の中で、どんな想像がグルグルとまわっているのだろうか。顔を赤くさせたり青くさせたりしながら煩悶する姿に。もう答えを聞かずに出てしまいそうだった。無限とも思える時間を置いた後、小さい声で答えを出した。 「…………中のほう」 「わかった、中出しマッサージね」 「うっ……」 「じゃあ、早く出るように協力してね。このまま、ベットで抱きしめあうような形になるからね」 「はい……」 「これ正常位っていう基本的なスタイルだからね、覚えておいてね」 「もうっ……どうでもいいからぁ、早く終わって」 「協力的じゃないと、いつまでも終わらないよっー」 正常位の体勢でぎゅーと抱きしめる。 「ちゅっちゅ、しようねー」 「キスは駄目っていったでしょ」 ああ、そういうルールだったなと。下の口でつながっておいて、キスは駄目もないもんだが、このルール付けしたのはマサキ自身だ。 「あーお口とお口のマッサージね、んー」 そういって口付けして舐る。なんだ、あんがいがんばって舌を浸かってくれるじゃないかと。心はともかく、身体はもう女の身体なのだ。 「ツバメちゃん、まだオマンコ痛い?」 「さっきほど酷くないけど、ジンジンするからあんまり動かないで」 ツバメの中は締め付けがきつくて、動かなくてもいってしまえそうだったのだが、この状況を利用しない手はない。 「んー、このまま動かないと射精できないんだよね。ちょっと協力してくれないかな」 「痛いから、動くのは無理だから!」 やっぱり、膜が破れた状態で動くのは痛いらしく身体が拒否する。 「そうじゃなくてさ、男は肉体面じゃなくて精神面でも興奮するんだよね」 「!?」 「ツバメちゃんが恥ずかしいセリフをいろいろ言ってくれたら、興奮して出るんだけどな」 「ばかやろぉー、もう一生出さなければいいよ!」 「ツバメちゃんは、一生このままでいたいんだね、わかるよ」 ぎゅっと抱きしめる。 「死ね、いま死ね……ううっ……いますぐ死ね」 貫いたときより、痛みがマシになったのはそうなのだろう。でも、悪態に力がなかった。さすがにきついのだろう、いくらマサキの貧相なものといっても、貫かれたままでは苦しいのだろう。つまり、マサキのやりたい放題だ。 ぐっぐっと腰を押し付けるように動く。 「いたっ……痛いからぁ……やめて……」 「こうやってピストンして出してもいいんだよ」 「駄目よ、お願いだからやめてぇー」 あー、その哀願の表情いいなあ。普段のツバメちゃんとのギャップがあっていい。 「その路線でいこうか、出すように哀願して」 いつまでも、射精を我慢できるわけでもない。ここら辺にしておこういうことだ。 「ううっ……早く出してくださいお願いします」 「どこに出して欲しいの」 「ううっ……あんたねっ……」 無言で、腰を突くマサキ。 「痛い、わかったから……中に出してくださいぃ」 「おーけー!!」 「ちょっと、何を、んー」 腰を押し付けて、抱きしめてキスをする。口では嫌がっても、舌出すとちゃんと絡めてくる、ツバメの吐息が熱い。すぐに感極まるマサキ。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!
ツバメの中にたっぷりと射精した。できった、ぎゅーと抱きしめられて射精されて、ツバメも身体を震わせて余韻に浸っているようだ。
「……どいて」 ああ、急にツバメの声が冷たい。 「おわったんでしょ、どいてよ」 退きたくなかったので、こういってみる。 「ああ、なんかチンコが大きくなったまま抜けないなー」 「うそつけ! 抜けるでしょ、一回ほんとに死ぬ?」 「あー、ごめんツバメちゃんまだマッサージ終わってないんだ」 「えっ……えええー、これ以上なにやるっていうのよ」 「中に出した精液の量が足りないと思う」 「意味が、わけが! わかんないわよ」 「子宮内には入っただろうけどさ、子宮の先に卵管っていうのがあってそこまで届けないと全身マッサージにならないからね」 もう、茫然としているツバメ。 「だから、なるべく痛くないようにするからこのままもう一回」 「もう……わたしが、死にたいわ……」 それでも、逆らえなかったので身体は従順に受け止めるツバメだった。 もう、悪態つく元気もない。 さすがに、ツバメが可哀想だったのでなるべく腰を動かさずに、ツバメが気持ちよくなれるようにたくさんキスしてやって、胸を散々もてあそんでやった。クリトリスをすったりする刺激も忘れない。 ツバメが気持ちよくなれば、それだけ潤滑油も増えて、ツバメが楽になる。 ずっとそうやって、自分の射精欲が高まってくるまでやってたら、ツバメもこなれてきたらしく、乳頭をいじってもいい声をあげるようになる。 ツバメの吐息にも甘いものが混じってきた。 そろそろいいかなあ。 「ぼくたちって、彼氏彼女だよね」 「もう、なんであんたなんかと付き合ってるのかまったくわからないけどね!」 「もうの吐息が甘いんだよ! ツバメ!!」 「ばかぁー」 「じゃあ、そろそろ中に出してあげるから妊娠してね」 「しないからぁー!」 「ドピュドピュだすから、妊娠してね!」 「しないって、いやぁー!」 「ううっ、出る!」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!!
三発目だというのに、さらにたっぷりと射精。玉の中の精子が全部出てしまったかと思った。 きっとツバメの小さい子宮はいっぱいいっぱいになっているだろう。ずぼっと、引き抜くと鮮血と精液が交じり合ってピンク色になった粘液が漏れ出してくる。 「おっと、動かないでツバメちゃん」 「まだ……なにかあるの」 「そのままじっとしててね」 腰に枕を当てて、腰をおしあげるようにさせる。 「こうしないと、子宮から卵管に精子が落ちないからマッサージにならないんだよ」 「もう、勝手にして」 「このまま、三十分ね」 「お風呂入りたい……身体が汗臭くて気持ち悪い……いいかげんにして……」 ほんとに排卵日かどうかはわからないが、こうしておけば妊娠率はあがるはずだ。待ち時間が暇だったので、全身マッサージということで耳掃除をしたり、麺棒を肛門に差し込んだりして、マサキは散々に弄んだ。
こうして、ツバメの初体験は散々な結果に終わったのだった
あとで、ヒナが隣の部屋で聞き耳を立てており、鶴奈が扉の前でなんとなくソワソワしてたりして、声が大きすぎたと反省したマサキ。 その事実を知った、ツバメの激しい激怒で、マサキは本当に二キロダンベルの一撃を腹部に受けて名誉の負傷を遂げるのであった。合掌。
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第七章「母子に渡る初体験」 |
「それでね、旦那も馬鹿よねー、浮気を私にばれるようにするんだもん」 とある三ツ星ホテルの流行っているスイーツの店で、鳥取鶴奈はちょっとした取材をしていた。女性誌のライターをしているので、いわゆるセレブと呼ばれる有名な医師やIT企業家の奥さんの話を聞いているのだ。鶴奈の旦那だって一流商社だが、彼女らと比べてしまっては年収の単位が一桁は違っていた。 散々、一方的に自慢話を聞かされた挙句に、オフレコということで今度は浮気の話だ。旦那が浮気をバレバレでしているのが気に食わないらしい。 「携帯なんて見えないところに隠しておけばいいのにね。私も若い子と浮気しているけど、遊びはバレないようにきちんと気をつけているわよ。それにしても若い子はいいわよ、この前も彼氏とホテルにいったらそこに彼氏の友達が」 そう思ったら、今度は自分の浮気の話をしだした。浮気は家庭を壊さなければいいそうだ。これでも良き妻、良き母でありたい鶴奈の価値観からいくと、とても受け入れられたものではない。自分の書いてる記事の読者も読者だと思う、元ミスコンだかモデルだか知らないが、ただの金持ちなだけでこんな爛れた生活をしている女の自慢話をありがたく読んで羨ましがるのだ。これも仕事だから、笑顔で話を流しておくが、本当にろくなもんじゃないと思う。 この金満ビッチ女にとっては、若い男と浮気してことすら自慢なのだ。実際、自分と同世代やちょっと上のお母さん方とよく話をするが、悲しいことに半ば浮気を肯定というのが実情なのだ。鶴奈自身が古い倫理観の持ち主であったとしても、読者の求めるものを書くのがサービス業の辛いところである。 ど腐れスイーツ女の長ったらしい話が終わって、ようやく解散となった。最近したインタビューの中でも最低の話だ。これを読者が興味を引くようにきらびやかに装飾しなければならない後の編集作業を考えると頭が痛いが、出てきた季節のフルーツをあしらったケーキは中々さっぱりとして鶴奈好みだった。いっそ新作ケーキの紹介記事にしたいぐらいだ。 「せっかくだし、家族の分をお土産に買っておこうかな」 家族の数を考えて、四つ……と思ったがやっぱり丸ごと一つ買ってくことにした。 「マサキくん、甘いもの好きっていってたもんね。育ち盛りだからたくさん食べるでしょうしねー」
鶴奈は家に帰ると予想通り、マサキが来ていた。というか、最近のマサキは自宅より、こっちにいる時間が多い。透明人間遊びをして、調子に乗りすぎて風邪を引いて数日は大人しくしていたのだが、全快してからはまた鳥取家に入り浸っているマサキである。 ただ最近のマサキは、あの鶴奈を困らせるパンツ交換もせず、鶴奈と親しく話しをするだけで、その醜い容姿を考えなければ、普通の好感の持てる好青年ぶりを示していた。 今日も帰ってくると、マサキは早めに帰ってきたヒナと一緒にパズルゲームをして遊んでいた。小学三年生と本気の勝負をして奇声を上げている中学生というのもどうかとおもうが、こうしてたまの外出のときに、ヒナを一人にしないでくれるお兄さんが居てくれるのは心強いかぎりだった。
ケーキを切って、お茶を出すとヒナとあらそうように武者ぶりつくマサキを見て、鶴奈は嬉しそうに目を細め「次は男の子がほしいな」などと思うのだった――
さて、鶴奈が居ないときにもヒナと二人っきりで良いお兄さんしていたかというとそういうことでもなく、性格の暗いマサキは、鶴奈にぶつけない分の性欲を幼いヒナにぶつけたりしていた。 はっきりいって、子供というのは暗示への抵抗力がゼロに近い。第二次性徴を迎えていない身体と精神は、性的なものに対する違和感を持たない。 暗示をかけられ、マサキの言葉に一切疑いを持たないヒナは、午後の夕日が差し込めるリビングで裸に剥かれる。遊びと信じ込まされ、身体中をくまなく舐められても、くすぐったい笑いをあげるだけだ。 幼女を犯しているという背徳感に興奮したマサキは、ビンビンに勃起させながら、ヒナに口付けする。そして、口の中を舐め取るように、息の続く限り自分の舌でヒナの口内を犯し続けるのだった。 生理も来ていない子供でも、あくまでも肉体的反応として性感はあるらしく中学生の体力でディープキスを繰り返されたヒナは、目をトロンとさせて呆然と身体をソファーに横たえていた。荒い息を吐いて、射精しそうな気持ちで、ヒナの小さい身体を抱きかかえて蹲っているマサキ。 鳥取家の柔らかいクリーム色のソファーは、二人で寝転んでも十分なスペースがある。子供特有の熱い体温と甘い匂いを持つヒナを、マサキはただ抱きすくめながら、可愛いと思った。射精できるぐらい気持ちは高まっているのだが、すぐには射精したくないようなそのままで居たいような、始めての不思議な感覚。 静かだった。締め切ったカーテンの隙間から夕日が差し込むリビングで、マサキはヒナを抱きしめていた。暴れることもせずヒナは大人しく抱きしめられていた。 マサキとヒナの身体の濡れた匂いが、室内にたちこめていた。
マサキぐらいの年齢というのは、ただもう精液を吐き出すことしか考えていない。性的には強固で攻撃的なファンタジーを持っている。一方で、リアルの性については何も知ってはいない。危険な存在なのだ。 ヒナの未成熟な身体が、マサキが求めていた初めての自由になる女性の身体だった。マサキが、ガチのロリコンでなかったのは不幸中の幸いといえる。本当のペドフィリアであれば、未成熟なヒナを陵辱して心と身体に致命的な傷をつけたであろうから。
マサキは、ヒナに自分の手でオマンコを開くことを命じた。 「オマンコ?」 「股の……ここのことだよ」 「あー、はい」 ヒナはまだ学校で性教育も受けては居ない。触ってはいけないと親に言われてる大事な部分が、オマンコという名称であることを教えたのはマサキということになる。 「ええ、舐めるの……?」 M字開脚させて、そこに頭を突っ込んでクンニ。 いやらしいことだと、分かっているのか分かっていないのか。 ヒナは興味深げに無邪気な顔で、マサキの行動を見ていた。 「気持ちいいか?」 「くすぐったい……ムズムズする」 マサキの唾液でテラテラと光る縦筋は、マサキの舌に執拗に攻められてほんの少し赤みを帯びていた。やはり、気持ちよくなったり愛液を出したりすることはないらしい。ロリコンなら、このために死んでもいいような本望の光景であろうが、がんばっても感じてくれない小さい丘は、マサキにとっては少し残念なものだ。 欲求不満の塊であるマサキにとっては、ヒナは欲望を受け止めきれない小さな器に過ぎない。 性欲の赴くままに、その小さい丘に亀頭を這わせていた。マサキの命令には逆らえないヒナはそのままの体勢で耐えるしかない。 「ん……」 目を細めて、ほんの少し顔をゆがめた。性的なことは分からないが、幼いヒナにも性的な自尊心といえるものが芽生え始めていて、それがマサキの自分勝手な陵辱行為に仄かな嫌悪を感じさせるのだ。 そんなヒナの様子にもお構いなしに、素股の要領で逸物をこすりつけるマサキ。唾液の湿り気もあったし、カウパーはとどめなく流れ出して性器を湿らせていた。 いくらマサキのモノが貧相だといっても、硬くぴっちりと閉じた未成熟な膣口に入るわけがない。ためしに、くいくいっと押し付けてみたがぴっちりとしたツッパリを感じるだけだった。こすり付けるほうが気持ちがいい。 ふっと、マサキにこのまま力強く挿入してしまおうという考えが浮かぶ。構造的にいえば、穴は開いている。強引に押し込んでしまえばできないことではない。 そんな考えを、振り切って自分で気持ちを高めて、ヒナのあるかないかのぷっくらとした乳頭を吸うと。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
ヒナの未成熟なオマンコに擦り付けるようにして射精した。 「ふう……」 「もう終わり?」 「うん、もう一回……」 「えー」 なぜか、一度射精しても萎えなかったマサキは、大きな満足と小さな不満を吐き出すようにして、もう一度射精した。 ヒナはこれは遊びと思い込まされているから、二発目を出されるまで、嫌がっているというよりは退屈してじれていた。
ヒナを致命的に陵辱しないのはマサキの善性ではなくて、ただマサキが「へタレ」だっただけのことだ。無理やり膣口に押し込んだら、血だらけになるのは目に見えているし、マサキはそこまで意識的に分かっていた躊躇したわけではないが、発達未然の性器と将来にわたって深刻な傷と、心にトラウマを残すことになっていたはずだ。
部屋の換気をして匂いを消し、軽くシャワーを浴びて終了。二人になる機会を見つけては、この遊びは繰り返されることになる。 ヒナの身体にトラウマを刻み込むような最悪の事態は、マサキのへタレさによってずっと回避された。幼児期に繰り返されるマサキの性的な悪戯は、ヒナの性格形成に悪影響を残すかもしれなかったが、それはまた別の話である。
――ヒナと鶴奈は似ている。ケーキを食べ終えて、まったりと鶴奈が淹れてくれたお茶を飲みながら、そんなことをマサキは考えていた。 ヒナの未成熟な身体より、いまのセックスに餓えているマサキにとっては鶴奈の包み込むような完熟した肢体が望ましい。 鶴奈は女ざかりの二十七歳だ。知的に整った相貌に、とても小学生の子供が居るとは思えないスレンダーなボディーライン。胸のカップ数を聞いたらCカップだという。手に収まるほどの鶴奈の可愛らしいオッパイを思い出しただけで、よだれが出る。
マサキには「早くやりたい」という強い餓えがある。それと同時に、初体験を大事にしたい特別なものにしたいという思いもまた、童貞としては当然の願いだ。
だから今日も、夕食を早めに作り終えた鶴奈と寝室に篭もっては暗示を強化する。ヒナの面倒を見て、仲良くするのは別にヒナを陵辱したいためだけではなくて、それは余禄で本当のところは鶴奈が持っている深層にまでべっとりとこびりついたマサキに対する嫌悪感を払拭するためだった。 鶴奈が頑なに浮気を拒絶するのは、旦那の鷹郷をだけを愛しているからで他の男を知らないからだ。鶴奈は、鷹郷の幼馴染で昔から鷹郷だけを見ていた。 別に、マサキが不細工だから駄目だということではない。鶴奈の頭の中に、最初から他の男が入り込む余地がまったくなかったのだ。それが暗示を決定的なところで弾く要因になっている。
正直、無理やりにならいくらでも犯すことができた。強い性欲を押さえ込んでも、それをしなかったマサキの小心はやはり催眠術師としての才能だろう。当人が望まない暗示は脆く、無理を押し通すのは破局の原因になりかねないのだから。
マサキにとっては、初めての相手になる鶴奈に、百パーセント自分を受け入れて欲しかったから、こんなまどろっこしい手間を取る必要があったのだ。 鶴奈は、鷹郷と結婚してヒナを生んで母親をやってツバメを預かって、愛する範囲を家族に広げた。 鶴奈と家族になる必要があった、それはツバメの彼氏とかそういうレベルではなくて、ヒナのいいお兄さんとして入り込むしかなかったのである。絶対の信頼を勝ち得る必要があった。そして、それは成功しつつあった。
「……家族です、マサキくんは家族です」 「はい」 「だから、旦那とかヒナちゃんと同じぐらい大事にしないといけません」 「はい」 「セックスもできるし、愛しても居る」 「はい」 この日、長らく抵抗し続けた暗示に鶴奈は、初めて躊躇なく答えた。長らく、求め続けた勝利の瞬間だった。 その気持ちよさだけで、射精しそうになるほど勃起していた。本当は、大して長い期間ではないのだ。鶴奈に暗示をかけ始めて半月にも満たない期間しかたっていない。しかし、欲望を他所に逸らせて、ただそれだけを待ち望んだマサキにとっては、それが十分に長い苦労の期間と感じられた。
暗示は終わった。 「あれ……私は何してたんだったっけ」 ゆっくりと、眠りから覚めるように鶴奈は目を覚ました。勝利の美酒に酔うマサキにとっては、催眠機械がもたらす使い終わったあとの視神経の痛みも、今は心地いいぐらいに感じた。 鶴奈と寄り添うようにベットに腰をかけた。まったくのゼロ距離であっても、鶴奈がこれまで示したような疎外感を感じない。密着したまま、むしろ身体を預けるようにして座ってくれる。 無言で見つめるマサキの醜い笑いにも、鶴奈はぎこちない笑顔で答えてくれる。ついに抵抗に打ち勝ったのだ。 鶴奈が落ちたことを確信した。あとは収穫した果実を食べるだけだ。
「そういえば、話があるっていってましたね」 そう、そういう口実で呼び出したのだった。もちろん、話はある。 「あのね、鶴奈さん……」 マサキが旦那と同じようなセックスを懇願しても、この日の鶴奈はすべて受け入れていた。 「……はい、いいですよ」 笑顔で了承された、この微笑みはいままでマサキに向けられていた作り物めいた外向きの笑みではなくて、ヒナや鷹郷だけに向ける微笑だった。 ゆっくりと、鶴奈は洋服を脱いでいく。今日は白いブラとパンツだった。それも、なんのてらいもなしに外して、生まれたままの姿になった。 それを茫然と見つめていた、マサキだがあわてて気がついたように洋服をぬぎかける。鶴奈はそれを手で押しとどめて、マサキの洋服をゆっくりと脱がしてくれた。ボタンを一つ一つはずしてくれる鶴奈の手先がくすぐったくてマサキは震えた。 無言だった。だがそれがこれまでのように、気まずくはない。分かり合った関係が織り成す落ち着いた空気で室内は満ちていた。 ベットに横たわったマサキの逸物を口でくわえて元気にする鶴奈がいた。ゆっくりと、マサキのものを完全体に持っていく。 「んっあ……」 マサキは、恥ずかしいことに声を上げてしまう。鶴奈の技巧にかかっては、マサキは押し流されるしかない。 玉袋まで、嫌がらずに綺麗に舐めてくれる鶴奈。裏筋まで、人に丁寧に舐めてもらうなんて経験がなかったマサキは、もうどうしようもない。されるがままだ。 悪知恵が少々働いても、たかだか中学生なのだ。大人の鶴奈相手にはリードされるがままだった。 鶴奈が、マサキの脈打つチンポから口を離す。唾液の筋がツーと引いていた。思いしたように、赤いフレームのメガネを枕元におくと、自らマサキの上にのっかかるようにしてマサキのものを自分のオマンコにこすり付ける。 鶴奈は、左手で自分の膣口を開いて、右手で根元を握るようにしてマサキのチンポを握ってゆっくりと腰を沈めていった。 ズプっと音を立てるように、マサキのチンポは入っていた。童貞の喪失の瞬間だった。煩悶してきたときに比べて、なんとも短い瞬間。こんなものなのだ。 ゆっくりと、膣の最奥にまで挿入しきると、鶴奈は静かにマサキを抱きしめた。 「鶴奈さん、出ちゃう!」 マサキが情けない声をあげた。そういえば、ゴムをつけていない。 「大丈夫だから、出していいから」 ピストンもなく、ただ腰をひきつけてぐっと抱きしめられただけでフェラで散々刺激されていたマサキは、情けなくもはじめての中出しをしてしまう。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
しっかりと、はめられたチンコの先から放出された精子は、ドクドクと鶴奈のお腹に広がっていった。その感触をたしかめるように、鶴奈の膣は一度ぎゅっとしまってマサキのチンコを刺激する。 出し切ってしまうと、それでも膣の中で勃起が収まらないのをマサキは感じていた。 「若いから……もう一回ぐらいいけるよね」 鶴奈は、静かに腰をグラインドしはじめる。しっかりと受け止めた一発目の精子が、流れてきて潤滑油の代わりになる。 半ば、計算ずくの行為だった。 「鶴奈さん、ゴムなしでよかったんですか」 「たぶん安全日だと思うから……ん、心配しなくていいよ。初めてでしょマサキくんは」 「はい」 「だったら、心配しないで身を任せてくれたらいいよ。好きにしていいよ」 そういってマサキを抱くようにして、鶴奈は腰を押し付け続ける。 マサキは、とりあえず一発出したので多少は冷静さを取り戻しつつあった。それでも、チンコが膣壁に吸い込まれるようで、こんな複雑な快楽を受けたのは初めてで、快楽が脳を締め付けるように身体が熱くなっていた。 静かに動いてくれる鶴奈に腰をあわせながら、そっと鶴奈の背中に手を触れてみる。やはり、ヒナとは親子なんだなと肌を触れ合わせて思う。ヒナの小学生特有の肌のすべすべ感と比べても、鶴奈の肌はしっとりとしていて綺麗で冷たくて気持ちが良かった。 ゆっくりと、速度をあげたり落としたりしながら快楽を与えてくれる鶴奈のお尻にも手を触れる。触れただけで、触れ返してくれるような鶴奈の肌の弾力は気持ちよかった。 「いたずらしないの、んっ……少しはマサキくんも動いてね」 さわさわと動かしていた、手を鶴奈に取られて、握られる。ぐっと握られたては、背中と違って暖かくて、不思議とそれで感極まる。 「んっ……鶴奈さんまた出そうです」 「だからっ、胸でも触る」 そういって、マサキの胸に手を持っていく鶴奈。 鶴奈の小ぶりで綺麗な胸が揺れていて、その先の乳頭はちゃんと勃起していた。 ちゃんと感じてはいてくれるのだとマサキは安心してそれをひねる。 「んっ……ちょっと痛い、乱暴にしちゃだめだからね」 ゆっくりと、揉み心地を調べるように揉むマサキ。必死な表情だ。 「いつでも、出していいからね」 「出ます」 切迫した声を聞いて、ぐっと腰を押し付けて鶴奈はマサキに口付けして舌を入れた。上と下の口で繋がったままで、マサキは二度目の射精を迎えた。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!!
熱く、迸るような射精は、一度目よりもたっぷりと。 「ふうっ……」 さすがに、動き続けた鶴奈は少し疲れた様子だった。蕩けるような顔で、マサキを見つめる。 鶴奈の長い髪がさらりと、マサキに落ちた。髪の間で、見上げる鶴奈の顔はマサキにとっては、心の底から美しいものに見えて、感動した。 「どうする……今日はこのぐらいに」 そこで、自分の中で欲望を吐き出した肉の塊がぜんぜん萎えてないのに気がついて、鶴奈はため息を吐き出した。 「わかった、もう一回ね」 そういうと、ゆっくりとまた腰を動かし始めた。鶴奈とマサキの接合部から、二度の射精の証がドロドロと流れ出してシーツの染みに消えていく。この日は、あと二回吐き出すまで、鶴奈が腰を振り続けることになるのだった。
鶴奈にとっては普通の日、普通に仕事して帰ってきて夕食を作ってマサキと寝室で話して、普通にセックスした。良くある普通の日。 そして、マサキにとってはこの日が忘れられない、特別な日になった。
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第六章「透明人間再び」 |
マサキの家は共働きとはいえ休日には母親は家にいることが多い。流石に夕食時は、家に帰って食事を取らないと怪しまれる。家に帰ると、母親が夕食を作って待っていてくれた。鶴奈の料理と比べると見劣りするのが情けない。 「またできあいの冷凍食品か……」 別に不味くもないが、美味くもない味だ。普段外仕事もあって、その合間に家事もしているマサキの母親が最優先にするのは効率だ。忙しいからこんなものでも用意してくれるだけマシなのかもしれないが。 父親は、今日は夜もいなかった。どこに行ったのか聞きたくもないし、話したくもない。どうせギャンブルか、いい年して入れ込んでいるキャバ嬢の所に決まっている。 この日、母親は妙にしつこく話しかけてきていた。引きこもりだった息子が、最近外に出るようになったのをいい変化だと喜んでいるようだ。まさか、隣の家にずっと居たなんて思いもしないのだろうが。 (そういえば自分の部屋じゃなくて食卓で食事を取るなんて久しぶりだ) 日頃の生活に老いた母親と顔をつき合わして食事をしていると、自分を取り巻く環境のリアルさに嫌気がさしてくる。
だから、今日の午後の分の催眠を自分の母親に使ってしまう。これで、もう自分の家のリアルに行動を妨げられることはない。食事は、もう鳥取家で取ることに決めた。
いとも簡単に変わってしまう自分の現実。 これまで何を悩んできたのかと、あっけない気がした。
「さあ、向こうの家に戻るか」 これで、もう自分の家になんか戻る必要はない。マサキが望むなら、ずっと鳥取家に居ることもできるのだ。
透明になるスイムキャップを装着して鳥取家に戻る。リビングに入ると、ちょうど食事が終わったところだった。夕食の残り香が鼻腔を刺激する。 (鶴奈さんのハンバーグ食べ損なったなあ) マサキはそう残念に思う。家で食べたからお腹は空いていないのだが、同じ食べ物なのに、気持ちを込めて丁寧に作られた鶴奈の食事はお腹だけじゃなくて、心も満たしてくれるのだ。 「ご飯食べたなら、先にお風呂はいっちゃってください」 台所から、鶴奈がリビングに声をかける。 「ふむ、ツバメ先に入れよー」 相変わらず、ヒナの相手をして遊んでいる子煩悩な鷹郷がツバメに言う。 「えー、いまゲームしてるから」 結構真剣に某有名RPGをやっているツバメ。こんな趣味があったとは、マサキは知らなかった。 「チッ、しょうがないな。じゃあオレはヒナと入ってくるから、あとですぐ入れよ」 「わーい、お父さんと入る」 「私も一緒に入ってもいいけどねー」 そういって、ツバメは鷹郷に下目から見上げて見せる。 「馬鹿いってんじゃねーよ中学生、三十分で出るからゲームのセーブしとけよ」 ツバメの冗談にはとりあわずに、さっさとヒナを抱きかかえるようにして風呂場に走っていった。 ちゃっちゃと入らないと、こういうときはいつも最後に入るのを習慣にしている鶴奈に、なぜ鷹郷だけが怒られるのだ。お客様扱いのツバメや旦那の鷹郷に遠慮して先に薦めるという話しはよくわかるが、その割に自分が風呂に入る時間が少しでも遅くなったら機嫌が悪くなるのは謙譲なのかなんなのかよく分からないと鷹郷は毎度思う。 ヒナも小三だからもう一人でも入れるのだが、鷹郷が一緒に誘ってやれば渋らずにすぐ入るのが鷹郷には可愛い娘だ。 動物めいた速度で、服を脱ぎ捨てて浴槽に飛び込んでいくヒナ。 「おいおい、あわててこけるなよ」 そういいつつ、ヒナが本当にこけるとは心配していない。一緒にじゃれているとわかるのだが、最近のヒナの運動神経の発達振りは、目を見張るものがある。 運動会でも、常に一等賞だ。いまはちょっと運動不足ぎみだが、鷹郷も昔は剣道でならしていたから体力には自信がある。鶴奈も中高とバレーをやっていた。そういう二人の子供だから、そっち方面に才能があるかもしれない。子供のうちは何も考えずに遊んで欲しいという教育方針だから、いまは特になにもやらせてはいないんだが。 「なにかヒナにも、スポーツを習わせたほうがいいのかな」 そんなことを考えつつ、ワシャワシャと頭を洗ってやる。
そんな仲良し家族の入浴シーンをじっと見詰めているキモオタが一人。 我らが主人公、安西マサキくんその人であるのだが、大変窮屈そうに浴室の壁に張り付いている。鳥取家はマサキの家よりも、大きめに造られてはいるのだが、所詮住宅地の一区画に過ぎない。浴室もそれなりの大きさで、二人入っただけで一杯だ。 マサキがその身体を隠すには、壁に張り付いているしか手がなかった。 (触れちゃうと、流石に気がつかれるだろう) 「オレからだ洗うから、ヒナは湯船に入ってろ」 そう父親に言われて、ヒナは素直に浴槽に入り込む。少女の小さな身体だ、スペースが三分の二ほど空いている。これ入り込んでも問題はない。 (チャンスだな) 気になることがあったので、手だけをまずヒナの目の前に突っ込んでみる。ポチャンと小さく音がする、ぐるぐるとお湯を水をかき回してみるが、ヒナは気にする様子はない。ためしに、お湯を顔に向けて弾いてみる。 「?」 すると不思議そうにする。トイレで鶴奈にいたずらしたときも、マサキの出した精液や尿には気がつかなかったようだし、マサキが入ったところだけお湯の中に空間があいて見えるようなことだと困ると思ったのだが。本当の透明人間ではなくて、暗示で見えないようにしているため、触らなければ気がつかないようだ。 これは都合がいいと、マサキは空いているスペースに入り込む。お湯の温度もちょうどいい。 マサキは目の前の幼女の裸体を凝視する。胸はほとんどない、ただ仄かにピンク色になっていることで分かる乳頭の先部分に、すこしふくらみがある程度だ。お腹がぽっこりとしているのが幼児体型ということなのだろう。 そして、本当に割れ目といってしまうしかないほどの小さいオマンコ。 別にマサキはロリ趣味ということはない。むしろ、年上好きぐらいなのだろうが、厨房の性欲というものは、生殖能力がまだない未成熟なオマンコを見ても十分勃起するものだ。 その肌のすべすべ具合が、お湯の中で輝いて見える。あるいは、マサキもロリの本能がどこかに燃え滾って隠れているのかもしれない。その本能につかれたように、思わずマサキは乳頭に手を伸ばして (乳頭狩り) そう馬鹿なことをおもって、あるかないか分からないほどの乳頭をひねった。 「んん?」 不思議そうに、自分の乳頭に小さい手を伸ばすヒナ。さっと、マサキは手を引く。 「ん!」 さらに強めにひねってみると、痛いらしく声を上げた。 「……ん、ヒナどうした」 ヒナの変な様子に気がついたらしく、身体を洗っている鷹郷が声をかける。 「ん……なんかおっぱいがシクシクする」 「はは、成長期にはそういうことがあるらしいぞ」 鷹郷も、人の親になったのは初めてだったので女の子のことはよくわからないが、ツバメの小さいときにもそういう違和感のようなものがあるって話を思い出した。 「あんま気にしないほうがいいぞ、あんまり痛いなら医者にいったほうがいいだろうが」 「ん、わかった」 気にしないことにしたらしく、さわさわと触れてもあまり気にしなくなった。 マサキは調子に乗って、もう一つの感心の的である下腹部のたて筋に手を触れた 「!!」 さすがに気持ち悪かったのか、身をよじらせるヒナ。さっと、手を入れるとまた手を引くマサキ。ヒナが確認しているあいだに、その手を避けるようにしてこんどはアナルを触れてみたりする。 「!」 さらにヒナは手を振り回すように下腹部を両手で確認したので、さっと手をひっこませる。性的な興奮以前にいたずらは楽しい。ヒナが落ち着いてくると、また手をスリットに這わせる。 「!!」 そのたびに、ヒナは声にならない反応を繰り返す。ただ、繰り返すたびに反応に慣れたのか弱くなってきているのがつまらないが。 「……お父さん、股がサワサワする」 ヒナはたまらず、親に訴えかけたが。鷹郷はとりあわなかった。 「成長期には、そういうこともあるらしいぞ。まあ、大事な部分だからあんまり触らないようにしろ。痛いとかだったらちゃんというんだぞ」 「痛いとかじゃないけど……分かった」 そういって、ヒナはうつむいてしまう。触っても、確認しなくなった。触らないほうがいいといわれたので、違和感があっても触らないのだろう。素直でいい子だ。そういうところが、マサキの餌食になってしまう。 マサキは、反応しなくなったのをいいことに、オマンコを入念に揉み解して構造を探りはじめた。さすがに、深々と穴に手をつっこむような乱暴なことはしない。 (ほとんど縦筋で、これは挿入は無理だな……) ロリだとよくアナルを責めている話を聴くが、それも分かる気がするなーとマサキはアナルをまさぐる。 「フヒュ……」 くすぐったかったのか変な声で笑うヒナ。 アナルのほうが、形がしっかりしていて、こっちのほうを使おうという気分になるのは分からなくもない。 (さすがに、アナルセックスまでしようって気にはならないけどな) ヒナの肛門は、小指が入らないほど小さくて、ここに逸物を差し入れようなんて鬼畜のやることとしか、さすがのマサキにも思えなかった。 その割りに、幼女のすべすべの身体の感触に、興奮しているマサキもいるわけで、抵抗のないことをいいことに、半分好奇心で亀頭を縦筋に押し付けてみたりする。 (お……これはわりといいかも) お湯の中なので、すべりがいい。縦筋はとっかかりがなくて入り込むこともないが、その代わり柔らかいプニプニの感覚が、亀頭の先を刺激してくれていい。無毛のよさもあるのだ。 (おお……) 夢中でこすっていると、下半身からこみ上げてくるものがある。ヒナの顔が赤いのは、のぼせているだけのことではないだろう。 「お父さん、もうあがるね!」 ヒナが湯船から飛び出していってしまった。 「おいおい……もうちょっと浸かれって」 ヒナは、そういわれても今日はいうことを聞かずに飛び出してしまった。 「しょうがないなあ……」 (しょうがないなあ) マサキも、あとはおっさんと入っててもしょうがないので、いったんヒナといっしょに出ることにした。実に中途半端で悪い気分だ。身体を一人でふいて、新しい白いパンツを穿いているヒナをおかずに一発抜くことにした。 着替えをしているヒナを見てこすっていると、すぐに出そうだったので、暖まらずに出てしまった罰とてパンツの上から、縦筋に向って射精。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
パンツから、マサキの濃い精液がデローンと白濁の筋を引いて垂れ下がっていたが、その汚れに気がつかずにいってしまった。床の精液をヒナがふいていたタオルで拭いて、次のお客さんがくるのを外で待つことにした。 (さすがに、ずっと風呂に入ってたらのぼせてしまうからな) リビングで、綺麗な生足をぶらつかせてゲームに熱中しているツバメを見ながら気持ちを高めていると、鷹郷が出てきてさっさと入るようにツバメに言った。 あわてて、セーブしてお風呂に走っていったのでマサキも追いかける。 鼻歌うたいながら、さっさと部屋着を脱いでしまうツバメ。 (おおー) ちょうど、ピンクの下着の上下を脱いでしまうところだった。中学生にして、ちゃんとした下着を身に着けているツバメは結構おしゃれなのだが、おっぱいが大きすぎてサイズが合うものがないという悩みがある。 そんな下着のよさより、そこからはじき出されるでっかいオッパイの揺れる様と、スリットの陰毛の綺麗さに瞬間に目を奪われるマサキだった。 自分が好きな子の裸体、というのはもうこれは中学生にとっては最大の刺激になる。脱がしてみると、想像よりも……などとがっかりすることも多々あるのだが。ツバメの弾けるような裸体は、そのアンバランスな胸の大きさを補って余りあるほどの弾けるような弾力があった。 マサキが、そこまで瞬間に思ったわけではないが乳輪の大きさも申し分ない。中学生とはいえ、百センチを超える巨乳でバストが重力に負けていないというのは、もうこれは一つの生物学的奇跡といっていい。 さっさと、風呂場に入っていくツバメを追えなくて、呆然となるほどにマサキに深いショックを与えた。このとき、改めてマサキはツバメに恋をしたといってもいい。
――思えば、ツバメがマサキに恋をしたのは、別に家が隣だったからとか、クラスで一二を争う美少女だったからとか、おっぱいが大きかったからとか……まあ、そういうことも少しあるかもしれないが、そういうことではなかった。
マサキは、学校において虐められる以外でも、虐げられていた。存在を無視するというやりかたで、である。クラスの連絡網はことごとくマサキを無視して、教師もそれに気がつかず、気がついていたとしても改善しようとしなかった。
マサキは、自分を無視する周りを逆に見下すという方法で気にしないつもりだったのだが、心の中を悪意で満ちさせて対抗したとしても、たかだか中学生がそんな仕打ちに勝てるわけがない。マサキの深く深く心は傷ついていたのだ。そんなとき、別に特段に気にかけたというわけではないが、マサキが困っていれば手を差し伸べてくれて、普通に接してくれる少女がいた。それが、ツバメだったのだ。それは泥沼に沈むマサキにとっては、光そのものだった。
ツバメが美少女だったとか、隣の家だったとか、そういうことがなくても、マサキは好きになっていただろうという自信がある。マサキの行動や資質が不純であったとしても、その好きという感情だけは純粋だった――
だが、それはそれとしてそのように思いを寄せる少女が、見事な肢体を晒しているということにマサキの雄の部分は、初めて起立するような熱い塊のような衝撃を受けるのだ。もっとも純粋な感情と、もっとも不純な感情が、渾然一体となってマサキを駆り立てるこの思いは、もはや恋愛を超えて、マサキに力を与えた。
恋愛と呼ぶには、あまりに青々しくて精液臭いこの滾りは、ある意味中二病そのものである。
マサキが、静かに浴槽の中に足を踏み入れたとき、都合のいいことに顔を石鹸で洗っていた。そんなに必死になって洗わなくてもいいであろうに、洗顔はしっかりするのがツバメの癖みたいなものらしい。
おかげで、マサキが浴槽に入ってきたことも、これからすることも気がつかれずに済むわけだ。さっき抜いたばかりだというのに、すでにギンギンに勃起したものを髪にすりつけるようにして、後ろから仁王立ちになってマサキは一発目を射精した。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
ものすごい量だった、生暖かい精液の塊が滝のように座って鏡に向って洗顔しているツバメの髪の毛に、背中に、降り注いだ。その暖かさに、フルッと身体を震わせたのだが、一瞬動きを止めただけでツバメは洗顔を続ける。
一発抜いたというのに、マサキのものは萎えることがなかった、目の前に広がるツバメの裸体という視覚的刺激で萎えることができないでいたのだ。
ツバメは、シャワーでさっと顔を流すと今度は身体を洗い始めた。実はマサキが入るまえに、髪の毛は洗ってしまっていたのだ。だから、それが精液によって汚されたなどということは気がつかないまま、身体のほうにいってしまう。 身体を洗うのは洗うので、またマサキにとってはパラダイスだった。お湯をかけて、ボディーソープの泡を擦り付けるだけで、ツバメの身体は輝きをますようだった。ソープの爽やかな香りが、マサキの鼻腔をくすぐる。 ツバメが大きい胸を下からささえるように持ち上げたあたりで、マサキは二度目の射精を開始した。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
またこれも、たっぷりと出た。背中に、頭を飛び越えてツバメの豊かなオッパイの谷間へと白濁液が降り注いだ。その征服感が、さらにマサキの性欲を掻き立てる。 無尽蔵だった、無尽蔵だった。マサキは普段オナニーしてれば、三発目ぐらいでチンコが痛くなってできなくなるのだが、今日はそんなことがまったくなかった。ただ、気が狂ったようにツバメにすりつくぐらいの近さで粗末なチンコを全力で勃起させて、こすりつけるだけである。 身体を流し終えたツバメは、今度はお尻と柔らかい産毛のような陰毛に守られたオマンコのところへと、その洗いの手を伸ばしていく。お尻と、オマンコを、うつむきながら念入りに洗うツバメに (ぼくのために綺麗にしてくれているのかい) と、声をかけたい気持ちでいっぱいだった。さすがにかけるわけにいかないけれど。 その、ツバメが自分のあそこを覗き込んでいるところを覗き込んだことに興奮して、また早漏よろしくマサキは覗き込んでいるところに、なるべく亀頭を突き出すようにしてそこめがけて射精した。 (うおおお……)
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
ほとんど、お腹にかかったと思うが、オマンコにもきっと降り注いだに違いないとマサキは思った。ツバメの絶対に普段みれないシーンを見たということ。とにかく、命中させたのはさせたという満足で、マサキの心は満たされた。 「?」 ツバメは気がついた風もなく、洗い終わるとさっとシャワーで流して、今度は足を洗い始めた。綺麗な生足を保つには、それなりに努力がいるのか、けっこう時間をかけて足を洗うツバメを見つめながら、一息ついたマサキ。 (ふう……) さすがに、短い期間に本日四発である。正直、もう一発ぐらい出せそうだし、出そうかなと思ったマサキだったが、まだチャンスはあると思いここらで一息つくことにした。できれば、全力で出し切るよりも、ツバメの入浴のすべてを見届けたいという、より変態的な欲求を満足させるほうを優先したということもある。 ほどなくして、足先までの洗浄を終えたのに満足して、ふっと甘い息を吐くとツバメは湯船へと入っていった。ちゃんと身体を洗ってから、湯船に入るのは女の子だからだろうなとマサキは思う。 お湯に浸かってゆったりとしている、ツバメの身体は普段と比べても五割増しに輝いて見えた。さすがに普通の浴槽なので、ツバメが身体を伸ばしきれば一杯になってしまう。 (できれば、混浴したかったんだけどな) その点だけ、残念に思えたがいまはできることをするだけだ。 お湯で水面に映る自分の顔を見てため息をつくツバメ。そのすぐ横に、マサキの汚らしい顔が映っていることなど気がつきもしない。ツバメが吐き出す息を必死になって吸っていることもだ。 ツバメの中学生らしい発展途上の四肢に、不釣合いなほどの巨乳。そのアンバランスな魅力に、またマサキの心は滾るようで。 (これは、顔射しか、顔射しかないよな) もうどうにでもなれ、どうにでもごまかせるだろうという思いで、ためらわずに一日でもっとも油断して緩みきっているツバメの可愛い顔に欲望の塊を吐き出した。 (ううっ!)
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
「きゃ!」 顔に白濁液を擦り付けられたツバメは、何を思ったのかザブンと湯船の中に顔をもぐらせた。結果として、顔に張り付いた精液はほとんどが水面へと流れ出していく。透明化して吐き出した精液はすぐには見えないという暗示なのだが、顔に何かかかったのかは感じたのか、ばしゃばしゃと顔を洗うツバメ。 「なによ……」 手を払うようにして、視界を回復させたツバメの目の前の水面に、先ほどには何もなかったのに、プラプラと粘り気のありそうなタンパク質の塊が浮かんでいた。そう、精液はお湯にくぐらせると固形化するのだ。 「これって……なに」 手で、膜状になったタンパク質を掴む。ツバメの知識には、ないものだった。 「これって……もしかして、兄さんの」 男の何かであるということは気がついたようだが、変な勘違いをしたものだった。まさか、目の前にハァハァと息を荒げている変態がいるとは思っていないツバメである。 「まさかね……」 風呂桶で、タンパク質の塊を粗方すくって外に捨ててやる。 「ヒナと入ってたしね……そんなわけないよね」 ほとんど捨てきったが、手にはさっきの粘り気が残っているような気がする。ふっと、匂いを嗅いで見ると、少し生臭い匂いがするような気がした。 モジモジとしていて、お湯の中で手を擦り付けて洗ってしまうと、オマンコを触りだすツバメ。そんなに激しいものではない、ちょっと手を擦り付けるぐらいのものだった。 「フッーフッ……」 声もそんなに出さない、ただ甘い息を吐き出すだけのものだ。雄の匂いに触発されてしまったらしい。ツバメだって、中学生なのだ。性的な芽生えというものはある。 (おお、オナニー!) それにありえないほど激しく興奮した、マサキはまた早漏を爆発させる。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
また、白濁液が顔に降り注ぐ。
「きゃー!」 また、ツバメが顔に生暖かい飛まつを感じて、湯船に顔をつける。そして、顔を洗うと目の前にはまた、タンパク質の膜がゆらゆらと。 「もう、なんなのよーー」 また、風呂桶ですくって綺麗にすると、さすがに入念に身体を再度洗って出て行った。なんらかの異変に気がついたのだろう。このまま、おんなじことを繰り返したら永久機関だったのに、残念だった。 不審げに、出て行くツバメを見送って、ようやく萎えたチンポが射精しすぎて痛み出していることに気がついて、ぐったりと浴槽に倒れこむマサキであった。 この日、調子にのったマサキは鶴奈の入浴シーンも見に行って、すっかりのぼせて廊下に裸のまま倒れこんで、風邪を引いてしまうのだった。
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