第五章「イシコロボウシ」 |
「ハッハッハ、まさか自己催眠を使うとは思わなかった」 この前の催眠の顛末を、ネットを通じてネット探偵に報告したら、かなり喜ばれた。 術氏が自分自身に催眠をかけるという技は、ポピュラーではないが催眠術の技法としてはあるらしい。ただ、大変危険な業で変にかかると術氏の制御を離れて、取り返しのつかないことになる。 「だから、素人には絶対やらせないんだが。結果的には、悪い結果はでなかったようだからよかったよ」 「そんなに、うまくもいかなかったんですけどね」 「催眠装置のデータを集めているこっちとしては、ありがたいことだ。しかし、マジで危険な行為だから、もうやるなよ。少しお前を追い詰めすぎた。あんまりツマランことばかり聴くからイライラしてな、それで突き放してみたらこんなトンでもないことをやるし、イジメを誘発する性格ってのは本当にあるもんなんだな……まー俺が大人気なかった、すまんすまん」 (イジメられる性格って……) 褒められているのかけなされているのかマサキにはよくわからないから、どう反応していいかわからない。 「フラストレーションの解消が必要だな。よし、お詫びにいい催眠術のかけ方を教えてやるよ。帽子かなにか、頭に被るようなものがあるか……」
スイムキャップ片手に、マサキは家を出た。スイムキャップは、小学校のときの水泳に使っていたものだ。防水性もあるし、頭にフィットするから取れにくいのが便利だ。こんなもの被っているのはとても恥ずかしいと思うのだが、これからマサキは”透明人間”になるのだから、恥ずかしがる必要もない。 それにしても、スイムキャップってプールの授業で強制的に被らされてるけど、何の必要があってのことなんだろうか。 そんなことを考えながら、鳥取家に来ると、というか隣の家なのだが、見慣れない車があることに気がついた。いかにも高級車だ。マサキは車には詳しくないので、車種はわからないがワインレッドの外装に鶴奈の趣味が反映されているのが鳥取家らしさだ。 「あ、そうか今日は休日だから」 鳥取家の大黒柱、鳥取鷹郷が在宅中なのだ。まあいい、催眠が使えるいまのマサキには恐れるものは何もない、おじゃましまーすとでかい声を出して飛び込んでいった。ちょうどいい感じに、リビングには鳥取家の全員がそろっていた。ちょうど飯時だ。 「あんた、またきたの……」 飛び込んできた、マサキを見て、ツバメのあきれた声が聞こえる。 「おにいちゃん、いらっしゃいー」 小学生の妹のヒナは今日も無邪気だ。 「え、こいつ誰……」 マサキの目の前に足を組んでソファーに座っているイケメンがいた、コーヒーを飲んでいるだけなのに、決まって見える。三十過ぎた親父じゃなかったのか、存外に若いとマサキは思う。 (こいつは敵だ) イケメン青年、鳥取鷹郷に対して、一瞬にして敵対認定を下すマサキ。 「鷹郷さん、マサキくんはツバメちゃんの彼氏ですよ」 台所で、食事の用意でもしていたのかエプロンを巻いたままで、いそいそと出てくる鶴奈。あー今日は珍しく、赤いエプロンじゃない。 「え……ツバメの彼氏って、こいつがぁ!!」 鷹郷は明らかに胡散臭げな表情でソファーから立ち上がり、怒りを押し隠してマサキを睨みつける。すらりとした長身。スリムな外見なのに、二の腕の筋肉はいい感じについている。マサキにはすごい大男に見えた。マサキと比べて、身長二倍は言いすぎかもしれないが、1.5倍はありそうだ。喧嘩したら確実にボコボコにされる自信があった。 明らかに風采のあがらない駄目オタのマサキとツバメでは、同い年といってもつりあいが取れなさ過ぎるから、鷹郷がマサキの突然の来訪を不審に思って当たり前なのだが、それにしたって睨みすぎだ。威嚇されたショックに震えて、思わず催眠タイムウオッチのボタンを押してしまうマサキ。
「あ、しまった」 押してしまったものは仕方がない。頭に電極を差し込まれたような衝撃はあいかわらずだが、すでに何度も繰り返して慣れているマサキはさほどでもない。むしろ今回は、頭がスッキリするように感じるのだ。痛いのも困るが、心地よすぎても中毒になってしまっては、それはそれで困る。 とにかく、催眠の光る目でぐるっと鳥取一家を睨みつけると、全員催眠状態に置いた。まあ、どうせ一家全員がまとまったところで催眠をかけるつもりだったのだから結果オーライだ。とりあえず、要注意人物の鷹郷にマサキを歓迎するように、五分ぐらいかけて徹底的に催眠を仕掛けておく。 残り五分で、鳥取家の面々にネット探偵に教えてもらった術を。 「いいですか、みなさんこのスイムキャップは魔法のスイムキャップです。これを被った人の姿はまったく見えなくなります。わかりましたか」 つまり、このスイムキャップをファクターにしてマサキが透明になる暗示をかけるのだ。当然、本当に透明になるわけもないのだが、そう暗示をかけられた人間にとってはそう見えるようになる、はずだ。
――催眠終了
さて、うまくいっただろうか。 「ツバメのボーイフレンドのマサキくんか……なかなかいい男じゃないか」 そういって、鷹郷に軽く肩をぶつけるようにタックルされた。鷹郷なりの親愛の情らしい。それだけで、吹き飛ばされそうになったんだが、マサキはぐっとこらえる。どこまでもマサキの苦手なタイプだ。 「どこがいい男なんだか……」 ツバメは、そういってブツブツと言っている。鷹郷にとっては、マサキはいい男ということになったらしい。これは鷹郷が、自分の妹の彼氏はいい男じゃないと認められないという思い込みがあったからだ。 経験の浅いマサキはそこまで分からないが、催眠のかかり方というのはかかる当人の思い込みや思想にも左右されがちなもので、当人にとって合理的な選択がなされる。結果、同じ暗示をかけてもツバメにとっては、マサキはやっぱり駄目でキモイオタに見えるし、鷹郷にとってはかっこいい男に見える。徐々に、客観と主観の齟齬が大きくなるのだ。
「じゃあ、ぼくは今日はこれで」 そういって、マサキはおもむろにスイムキャップを被る。 「消えた……ツバメ、お前の彼氏は忍者かなにかなのか」 そういって、鷹郷は立ち上がってマサキがいたところに手を伸ばす。触られたら嫌な感じなので、マサキは避ける。暗示はうまくいっているようだ。 「知らない」 ツバメは機嫌が悪くなってしまったみたいで、肩をいからせるようにズンズン、自分の部屋にもどっていったようだ。これは好都合かもしれん、ついていく。ものすごい勢いで、バタンと扉を閉める。衝撃で、空気と壁が震える。あんまり近づかないほうがいいみたいだ、万が一こんな勢いで扉に挟まれたら怖いことになる。 「こんなキャラだったかなあ、ツバメちゃん」 活発な女の子という印象は持っていたが、結局のところマサキはツバメを遠くから見ていただけで、話したことはあまりない。今日のツバメは活発すぎて、どっちかというと暴力的だ。あるいは、家で一人だと女の子ってこんなもんなんだろうか。鳥取家は、ツバメも、ヒナも贅沢に一人部屋を与えられている。まあ、鷹郷と鶴奈が仲良くダブルベットでご就寝だからなのだが。 ツバメは、ベットに腰掛けて足をだらんと放り出して、バタバタを動かす。埃が立つ、埃が。 「あーなんか、ムカムカするー」 ツバメは今日生理なんだろうか。それぐらいしか、マサキにはツバメがいらつく理由が思い浮かばない。 「お兄ちゃん、マサキのことなんか褒めてさ」 ツバメが、バタバタと手足を振りくるたびに、フワフワと髪が乱れ、部屋着にしている厚手のシャツの上からでもわかるほどの巨乳がプルンと揺れた。 あいかわらず、中学生でここまでデカイっていうのは反則だろう。 「怒ってるツバメちゃんもいいなあ……」 怒ってるツバメも、考えてみればレア顔だ。学校では活発で愛想がいい少女なので、こんなふてくされた顔を見せることはあまりない。いまのマサキは透明人間なので遠慮することはない、鼻息がかかるほど近づいて、ツバメの綺麗な顔を覗き込む。 匂いを嗅ぐ、嗅ぎまくる。 思春期特有の女の子の甘い香りが漂ってくる。
(そして、この乳が) 思わず、手を胸で触ってしまう。透明なんだから、少々ばれないだろうと思ったんだが。あくまでも、おとなしく下から支えるように胸を持ち上げてみる。ものすごい重み、こんな重たいものをぶら下げて生きているなんてすごい。 (うあ、ノーブラじゃん!) 「え」 かまうものか、マサキは両手で鷲づかみにして、揉みしだしてしまう。 「きゃー、いたー! こんのぉーーー!」 その豊満な感触を味わう暇もなく、マサキは壁の向こう側まで吹っ飛んだ。
ドーン! という、音と共に壁に身体をぶつけて崩れ落ちるマサキ。意味不明の叫びといっしょに勢いよく振り回されたツバメの裏拳によって、マサキは勢いよく吹き飛ばされたのだった。
「もーいったい、なんなのよーー」
ツバメは、暴れた勢いで立ち上がると、バタンと扉を開けて、さっそうと部屋から出て行ってしまった。 「ふう、姿が見えてなくても、駄目だったか」 マサキは、ちょっと疲れを感じてツバメの匂いが残るベットに包まれて少しまどろむことにした。 「ん……眠っていたのか」 浅い夢を見たような気がする。いつのまにか、窓から差し込む景色は夕暮れに近くなっている。少しは疲れが取れた気がした。頭に手をやると、まだスイムキャップを被っていた。透明人間になって遊んでいたんだったか。 「透明人間の特性を生かすとしたら、トイレか風呂場が定番だよな」 そんな独り言をつぶやきながら、マサキが一階に降りるとリビングから明かりが差し込み、たぶんヒナが騒いでるらしいバタバタという足音と共に、団欒の声が聞こえてくる。 「兄さんたちも、せっかくの休みなんだからどっか出かければいいのに」 「オレは出張が多いからね、鶴奈のいる家が一番だよ」 (ふん、惚気かよ……) リビングを覗き込んだマサキは、そう思った。その鷹郷のラブラブ家庭は、徐々にマサキによって崩されてると思えば悔しくもないが。 「お兄ちゃん、義姉さん好きだよねー、嫉妬しちゃうなー」 マサキの愛しいツバメも、お兄ちゃん子らしい。機嫌は直ったようでよかったが、やっぱ悔しい。いつか目にモノを見せてやろうとマサキは心に決める。 マサキがにゅっと、首を出した気配にリビングの三人が振り向くが、すぐにみんな目線を戻す。見えないことになっているからだ。 普通は、夫婦の世帯に義理の妹がいるとか、普通はもっとギクシャクするもんだと思うが、リビングでヒナと遊びながらツバメの相手をしている鷹郷はくつろいで見えた。うまくやっているのだ。 (まあいい、そっちのほうがこっちもやりやすいさ) とりあえず、トイレに入り込むことにした。 「ぼくもションベンでも済ますか」 おしっこをチョロチョロと出していたときに、突然トイレの扉が開いた。
――鶴奈だ!
当然、便器にまたがっていたマサキは見えないことになっているので、何事もなかったようにまたがる。 (ぐあああ) 狭いトイレの中だ。オシッコを無理やり止めて、壁に張り付くように避ける。間一髪だった。 「ふう……」 ため息をついて、洋式の便器に座り込む。一呼吸置いて、スルスルとショーツを下して静かに用を足す鶴奈。 (そういえば、今日はパンツ汚してなかったな) こんなときに、そんなことを考えるマサキ。 (うう……尿意が) さっき途中で止めたから、オシッコしたくてしかたがなくなるマサキ。それをよそに、うつむきながら、静かに尿を出す鶴奈。狭いトイレの中で二人、静かに尿が流れていく音だけが響いていた。 (限界だ、しょうがない) 陰毛が覗いている鶴奈の股と洋式便器との隙間に痛々しいほど勃起したマサキの逸物を差し込んで、静かに放尿する。鶴奈の尿とマサキの尿が交じり合う、クロス放尿だ。これはこれで、変態プレイみたいで興奮するマサキ。 (どうやら……放尿したものも見えないみたいだな) うつむき加減だから、空中から尿が出るのが見えたら驚くはずだもんな。おしっこは、ほぼ同時に終わった。それでも、パンツをあげることもなく、さらに深い息をついて視線を宙に泳がせる鶴奈。まるで、マサキと見詰め合うように見えた。 リビングでは、明るい家族が待っているけれども。一人でいるときは、妻でもなく、母でもなく、一人の人間としての顔があるのだ。 (これは、うんこだな) 小さく息を吐き、鶴奈の端正な眉がひそまる。明らかに力んでいるのが、マサキにはわかった。思わず、ションベンを吐き出しても勃起が収まらない逸物をピストンさせる。左手で、便器のタンクを支えにして右手でこする。 鶴奈の目の前で、鼻息で髪が揺れるぐらいの近くで。 (ハァハァハァハァ) 「?」 射精感覚がせりあがってきた。フルフルっと鶴奈の身体は震えて、糞をひねり出す体勢にはいっている。出している間は、身動きできないだろう。 (これはいい、ハァハァ、これはいける) 右手で逸物をこする速度を速める、突き出したチンカスまみれの亀頭が、鶴奈の陰毛に触れんばかりの距離に近づく。鶴奈がフッといきんで、肛門を収縮させて……。 (出る……) 「んっ……」 音もなく、柔らかいうんこを鶴奈の肛門が押し出した瞬間、鶴奈の前面の粘膜に”何かが”密着するのを感じた。その瞬間、生暖かいものが吐き出されるのを感じた。 「ひゃ……んん!!」 叫びだそうとする鶴奈の口を自分の唇で塞ぐ。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
舌を入れるほどの甲斐性はまだないが、マサキも大胆になったものだ。濡れてもいなかったから、そんなに奥まで入らなかったけれど、外陰唇にピンクの亀頭をめり込ませるようにして射精したから、しっかりと精液は鶴奈の中に流れ込んでいる。一応、これレイプになるんじゃないだろうか。 マサキが鶴奈を押さえつけていたのは、三十秒にも満たない時間だった、洋式の便器に前からしゃがみこんで押し付けて射精なんて、本当に無理な体勢だったので中の奥にまで差し込んで射精できなかったのは、無理もなかった。マサキにとっては、チンコとマンコがはじめて触れ合ったのだから、十分満足ではあった。 極度の興奮状態だったとはいえ、こんな無理な体勢で射精できるマサキはすごい。これが若さということなのか。 後ろに倒れこむようにして、マサキは地に腰をつけた。鶴奈は、口を押さえられなくてもなぜか叫ぶことはなくて放心状態で。気がついたように、立ち上がろうとして、肛門から一本筋のうんこがぶら下がっているのに気がついて、まだあわてて座って完全に排便し終わってから、股を入念に洗ってさっさとトイレを出ていった。 鶴奈は、股から陰毛にまで白濁液がこびりついて、自分がしたうんこにドロドロと垂れ下がっていたというのに、それを夢でも見たようになかったもののように考えてしまったようだった。やられたときによく考えればよかったのに、ビデで精液を洗い流してしまえばなんの痕跡も残らない。 どうやら鶴奈は、なんども催眠にかけられている結果、催眠にかかりやすい体質に変化しつつあったのだった。そしてそれは、マサキの催眠術師としての着実なレベルアップを意味するのである。
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第四章「自己暗示」 |
落ち着くほどに、オナニーしたらベージュのパンツがドロドロになってしまった。もう何度したかわからないほどだ。マサキはする必要があった。落ち着いて、理解し考えるにはオナニーして冷静になる必要があったからだ。 「それでも、ああ、まだ……」 安西マサキは無力感に苛まれていた。マサキが催眠術を会得したいのは、鶴奈やツバメを自由にしたいからだ。つまり性欲がエネルギー源だ。それを抑えて冷静になるためにオナニーしては、やる気が減退していく。もうその循環を幾度も繰り返して、チンコは痛くて擦り切れそうで血がにじみ限界を迎えていた。 「変わらなきゃいけないのは、自分か……」 今のままでは、催眠術を得ても結局、マサキは無力な中学生に過ぎない。自らにうち勝つ強さが、いま必要だった。しかし、マサキはもともと肉体も精神もあまりにも弱い。幾許かの邪悪な知性と、後ろ向きの怨念だけを糧にしてここまで生きてきたいに過ぎない彼にそれを打ち破る力はない。 「結局、なにもできないのか……ぼくは」 そう頭ではなく貧相なチンコを抱えて、無理なオナニー後の魂が抜けるような虚脱感に惑う。絶望的な無力感に、息が詰まりそうになった。そのときだった。 不意に「それは違う」という思いが、萎えたチンコから仄かにわきあがってくるのを感じた。
そうだ、もうひとつ。マサキにはまだ、もうひとつの力があった。 それは卑怯だ。マサキの卑怯さは、ある裏技を思いつかせた。 「自分で、自分に変われるように催眠をかけたらいいんじゃないか」 いわゆる自己催眠の術である。うまくいくかどうかもわからない。失敗したら、何かおかしなことになったら、それは恐怖。しかし、この恐怖だけ乗り越えられれば、うまくいくと信じられれば。まだ戦える。 「やってみるか」 変われる力を、いま手にしていると思った。それは希望の光だった。それが消えてしまわないうちに、机の引き出しからナイフを取り出す。いま若者がよく持っているような、かっこいいバタフライナイフではなくて、無骨な木工用ナイフだったのがいかにもマサキらしい。安物だが、それなりに怜悧に磨き上げられている。 虐められているとき、マサキは家に帰るとずっとドキュンどもを怨みながらたまたま家の押入れで見つけた木工用ナイフを机に隠して、毎日磨き上げるのを習慣にしていた。 あいつらをこれで刺し殺してやれれば、どんなにすっきりとするだろう。 いや、相手の目の前にかざしてやるだけでもいいんだ。そのとき、あいつらの顔は驚きと恐怖にゆがむだろうかと、いつも想像して憂さを晴らしていた。 でも実際にやるとなると、そうなるとは思えなかった。マサキは人を刺し殺すだけの、覚悟も力もない。下手をすると、とりあげられて、逆に自分が刺されるかもしれない。 それが、怖くて、怖くて。結局、ピカピカに磨き上げただけで、一度もナイフを学校に持っていくことすらなかった。 鈍い輝きを放つ鉄の塊は、まるで鏡のようにマサキの濁った目を映していた。魂を込めるように、今一度ナイフを磨き上げると、マサキは意を決したように催眠装置のスイッチを入れた。電撃が脳に走り、刃に映ったマサキの目が光を帯びてくる。
――そうして、マサキは自分で、ナイフに映る自分の瞳を睨みつけた。
催眠術とは、つまり相手にある種のルールを植え付ける技術だと言い換えることもできる。何かの非常識を、常識と信じ込ませたりということで、それは理性に作用する力だ。それだけに強力だが、弱点もある。感情的に大きな拒否がある暗示を仕掛けようとしても作用しないのだ。極端な例を挙げれば「死ね」と命じても、人間には生存本能があるため、自殺させることはできない。ただ、これにも例外がある。たとえば、その人間に死ぬような絶望を植え付け、それが本能を超えるほどの強さを持って自らに死を望ませられれば、自殺に追いやることもできないこともない。生物には生存本能があるといっても、死ぬ以上の苦しみ、まったくの絶望という環境に長く置かれれば、自死してしまうのが人間という生物のもう一つの側面である。 だから、強い感情的な拒否があった場合、その理由や原因を突き止めて解消する、あるいは逆にもっと強烈な理由を植えつけることによって、拒否を回避することができる。 催眠マニュアルをすべて読みきって、マサキがなんとなく理解できたことはそういうことだった。自分で考えてみても、いまいち完璧に理解できたとは思えないが、壁のようなものがあってそれを崩すには、もって回ったやり方が必要だということだろう。ネット探偵が「魔法ではない」といったのは、つまりそういうことなのだ。 これは、手こずりそうだ。家に多くいて、抵抗が少ない鶴奈に集中して、催眠術師のやり方というのを徐々に実践していくしかない。催眠術師が、魔法使いではないというのならばそれなりのやりようをすればいいだけ。
「あらー、マサキくん昨日は来なかったのね」 最近、毎日来るようになっていたマサキである。パンツ交換が嫌なので、来なくてもいいむしろそのほうが嬉しいなと思いつつも、昨日もお茶の準備などはしていた人のいい鶴奈。このまま、しばらく来なくなればと思っていたのに、その次の日に来てしまって少し落胆のようすである。 「さあ催眠を……いや、冷静になるんだ。まだ早い」 「なにかいった?」 「いや、なんでもないですよ、鶴奈さん今日もお綺麗ですね」 「あらーお上手ね、いまお茶を入れるわね」 お世辞でも、褒めてもらえると嬉しいらしい、いそいそと中へマサキを案内する。いつものように、キョドることもなく、ずいずいと中に入ってソファーに座り込む。 「今日はセイロンのお茶なんだけど、ちょっと味に癖があるから、お口に合うかしら」 「紅茶は好きなんで、おいしいですよ」 ちゃんと淹れられた紅茶の馥郁たる香りを味わうようにして、ゆっくりと飲み干すマサキ。その落ち着きたるや、堂々たるものだ。 「なんだろう……マサキくんちょっと雰囲気変わったわね」 「そうですか、自分ではそんなつもりはないですけどね」 ある程度の心の落ち着きというものを、自己催眠はもたらしてくれたようだ。 「さて、今日もパンツ交換やりますか」 にこやかに笑って、マサキは乾かないようにビニール袋にしまいこんであった、ドロドロのベージュのパンツを取り出した。 「ああ……やっぱり今日もやるのね」 泣き出しそうに、それでも自分のいま穿いてる部屋着のジーパンと一緒に、ショーツを脱ぎ始める鶴奈。目の前には、二晩連続で汚されて何発出されたか分からないドロドロに黄ばんだパンツである。穿くのにかなりの抵抗があったが、なんとか穿き終わる鶴奈。スポーティーなジーパンが、そのドロドロのパンツをぴったりと締め上げる気持ちの悪い感覚に顔をゆがめる。 ジーパン越しからでもよくわかる、鶴奈の形のよい尻を見ながら、パンツ交換を素直にした鶴奈を見て、何度も繰り返して暗示が強化されるというのはこのことではないかとマサキは考えた。パンツ交換という儀式は、何度も繰り返されることで定型化されたようだ。 「いやーいい感じのパンツですね」 マサキが目の前で弄んでいるのは、エロティックでそれでいて品のある、薄いレースのついた真紅のショーツである。さわり心地も見事な一級品だった。いわゆる勝負パンツ、そのもの。鶴奈が最近、結婚記念日に気張って買った品だ。 「ええ……喜んでもらってうれしいわ」 一日置いてドロドロの度合いを増したパンツを穿かされる気持ち悪さに加えて、お気に入りが汚されると思って暗くなる鶴奈である。今日くるとは思ってなかったので、完全に油断したらしい。 「汚しがいがありますよ」 そういって、マサキはいやらしい笑いを見せる。 「あは……あはは……できれば、お手柔らかにね」 鶴奈は嫌悪感を何とか抑えている様子。それでも拒否はできない状態に暗示は深まっていると見えた。 「さ、私は仕事のまとめにかかるからゆっくりしていってね」 それも暗示の効果に違いないのだが、その歓迎の姿勢だけは自然に言うと、仕事に戻る鶴奈。居間のパソコンに向う鶴奈の尻を、ゆっくりと紅茶を味わいながらゆっくりと見つめるマサキ。 鶴奈が自分のでドロドロに汚されたパンツを気にしながら仕事をしていると思うと、それだけで、またムクムクと息子が騒ぎ出してくるのを感じた。自己暗示によって気が大きくなっているマサキは、つい発作的にこんなことを言ってしまう。
「鶴奈さん、ぼくとセックスしませんか」 鶴奈がブッと、飲み干そうとした紅茶を噴出した。少々刺激的過ぎたようだ。 「あー、もー! キーボードが! マサキくん変な冗談いうと怒るわよ」 そういいながらも、本気の怒りの色は見せない。ただ必死になって、キーボードの紅茶をふき取っているだけだ。 マサキは、自分を従妹の彼氏として歓待するという暗示が浸透していると確信した。怒られて追い出されるという心配がなければ、聞き難い質問もできる。そして、その質問には必ず答えなければならない鶴奈だから、ゆっくりと、探りを入れることができる。 「ははは、ごめんなさい」 「もー、しょうがないわね……」 悪びれもせず心無い謝罪の言葉を口にするマサキに、そういって許してしまうしか鶴奈には手がない。ドロドロに汚されたパンツを穿かされる自分を思ってみれば、本当ならただの冗談ではなくて目の前のキモオタ中学生に危機感を感じてもいいはずだ。だが、それらをすべて当然のことと思わされている鶴奈にはそういうガードが働かない。 「それでも……セックスしたいなあ」 「もーいい加減にしてよね、仕事が片付かないから後にしてよ」 おや、さすがに本気で怒ってきたかな。でも、もう一押し。 「後だったらしてくれますか」 「……だめ」 冷たい口調で断られた。冗談が過ぎて、鶴奈をほんの少しだけ本気で怒らせてしまったようだ。歓待の暗示にかかっていても、怒りの感情はきちんと働いてラインを超えれば怒る。催眠と人間の感情の働きのバランスがどこらへんで取られているか、未熟なマサキにはまだ理解できない。 鶴奈のような、理知的でプライドが高いタイプなら、こういう不謹慎な冗談で何度もからかわれたら無言で返すのだろう。しかし、質問にはすべて答えるという暗示が働いているから、そういう分かりやすい反応になる。 これはこれで、間合いを計るには好都合かもしれない。今日のマサキは、そうポジティブに考えた。リビングルームは、一種の重たい空気が立ち込めて、鶴奈が怒りの感情をぶつけるようにキーボードを打つ音だけが響く。
「なんでしちゃだめなのかな」 唐突に、沈黙を破るマサキ。この空気をあえて読まず、さらに追い討ちをかける。今日のマサキは怖いもの知らずだ。 「なんでって! もー浮気になるから駄目に決まってるでしょ」 そういいながら、キーボードを打つ速度を上げる鶴奈。感情をそこにぶつけることにしたらしい、力が入りすぎてキーボードが壊れそうだ。鶴奈の抵抗点は、浮気だと分かった。これ以上怒らせても怖いので、話を変えることにした。 「そういや旦那さんって、見ないですね……」 「あー、主人は……」 そういえば、鳥取家に通うようになって数日。ご主人の姿を見ていない。鶴奈たちから比べれば優先順位は下がるが、安全のためにきっちりと支配下に置いておかねばならない人物の一人だ 鳥取家の主人、鳥取鷹郷は今年で三十歳になったばかりの商社マンだ。出勤する姿はマサキも見ているので容姿ぐらいは知っている。すらりとした長身にびっしりとした背広を着込んで、颯爽と歩く姿はエリートそのものといった感じ。そこそこの大手企業である糸井商事で、企画部の課長に昇格したばかり。最近、国内で展開中の大きなプロジェクトのリーダーに就任して帰宅も遅くなりがちだという。今は、近畿の支社に出張にいっていて今週は日曜日にならないと帰ってこないらしい。 ここまで聞くと、気になるのが夫婦生活だ。 「やっぱり、一緒にいる時間が短くなってるから。主人の休みが取れる週一回がせいぜいってところかな」 夜の生活のことまでは、さすがに抵抗があったのか話すのを躊躇したが、何度も問いただすと、ボツボツと話し始める。こうなってしまえば、あとは堰を切ったように聞かれてもないことまで話し始める。 「ここ数年は避妊はしてないのよ、ヒナもそろそろ大きくなったから、そろそろもう一人ほしいかなって。今度は、男の子がほしいわね」 ほほー、子供が欲しいのか。そこまでは考えてなかったが、いずれ楽しませてもらおうと一人ほくそ笑むマサキ。ヒナがいま八歳で、逆算すると鶴奈が十九歳の時の子供ということになる。もともと幼馴染で、同じ大学に入ってほどなくしてヒナが出来たので鶴奈は大学を中退して結婚したらしい。よくある学生結婚で、周りの援助もあったのだろうがこの若さで子供を作って鷹郷も若くして昇進しているわけで、生活設計が乱れていないのは、鶴奈の内助の功といっていいのだろう。 若くして家庭に入っても、老け込むでもなく、女としての美しさを保っているから八年付き合ってもきちんと夫婦生活があるのだと言えるし、もともと文才があったのかライターの仕事も好調で、旦那の企画のコピーとかも手伝っているらしい。主婦や母親の経験というのは、ライターにとっては役に立つスキルにもなる。 そんな話をしているうちに、鶴奈の仕事は終わったようだった。
「――すっかり長く、話し込んでしまいましたね」 「あらいけない、もうこんな時間……少し遅くなったけど、お昼食べていくわよね」 エプロンを巻きなおして、そそくさと台所に立つ鶴奈。 昼食を一緒にと言われるのは予想していた。自宅の親には、しばらく昼は外で食べると言ってあるので昼食代まで小遣いに出来て一石二鳥だ。 マサキは両親が共働きで、親が昼に居るなんてことはなかった。だから、鶴奈が手際よく調理している姿を見るのは、とても心が温かくなるように感じる。鼻腔をくすぐる匂い、フライパンのはぜる音。そして揺れる尻。マサキの母親に比べると、鶴奈は若すぎるが、母性と性欲がない交ぜになった親しみを感じるのだった。 「できあわせで、ごめんなさいね」 「いやー、そんなことはないですよ。おいしいです」 温かい料理というだけで、マサキには十分ご馳走に感じられるのだった。そうして食欲を満たしたあとは、性欲を満たすべきだろう。 おもむろに、ポケットの中の催眠装置のボタンを押す。
キュルルルルルル――
いつもの衝撃に思わず目をつぶる。脳髄に直撃するそれは嵐を切り裂く稲妻のようで、耐え難いほどの衝撃と共にある種の快楽すら感じさせる。脳幹から、脊髄までを貫く電撃にも慣れた。慣れてしまえば、腐りきった身体を、だれた脳髄を、貫いて浄化する槍のような心地よさだ。頭がスッキリしていくのを感じる。そして、長く感じるほんの数瞬の後に、静かに目を開ける。 マサキは自分の目から、光が迸るのが見えたような気がした。目の前には、魅入られたように目から光を失った鶴奈が座っていた。暗示はすでに考えていた。 「マサキくんは、家族同然です」 「はい」 「あなたの旦那さんと一緒の家族だから、マサキくんとセックスしても浮気にはなりません」 「……セックスは、それでも、浮気です」 納得いかないみたいだ。とりあえず試してみただけで、予想の範囲内。 「あなたは、膣からヒナちゃんをひねり出したんでしょう。だったら、その膣でマサキくんのモノを受け入れても一緒ですよ。浮気じゃないんです、分かりましたか」 「子供を生むみたいなもの……」 マサキのかけた、苦し紛れのむちゃくちゃな暗示だったが、子供を生むのと同じといったところが、鶴奈の母性本能を刺激して、理屈に少し説得力を与えた。そこまで意図したわけではないが、結果オーライ。マサキは、セックスという言葉に鶴奈が抵抗を示しているとここで、気がついた。 「そうです、子供を生むのと一緒です。セックスするんじゃなくて、身体を自由に使ってマサキくんの欲求を解消してあげるだけなんです」 「欲求を解消してあげるだけ……でも……」 「マサキくんと、ツバメちゃんは恋人です。いずれセックスしますが不慣れで不用意でどんな間違いがあるかわかりません」 「はい」 「だから、経験豊富な鶴奈さんが間違いがないように性の手ほどきをしてあげるんです」「……」 「セックスじゃないから浮気にならないですよ、二人がいずれセックスする手伝いをしてあげるだけです」 「……手伝い」 「それが家族のためなんですよ、わかりましたか」 「……はい」 半ば脅しだが、時間も来たことだしこんなもんだろう。これで、どこまでできるか楽しみに思えるぐらいの余裕が今のマサキにはあった。三十秒の余地を残して、スイッチをオフにする。大気へと消え行く光の迸りは、少しだけマサキの胸に燻っているようで、やり終えたあとの余韻を感じた。
「あれ……私。ああ、食器片付けないと」 食卓の食器を集めて、ふらふらと鶴奈は片付けに行く。催眠の余韻が残っているのは鶴奈も同じようで、動きにいつもの活発さを欠いていた。特に外見に変化はないように見えたが、暗示は浸透しているはずだ。 「仕事は終わったんですよね」 「そうよ、コーヒーでも淹れるわね」 どう切り出すか。コーヒーを飲みながら考えていると、向こうから切り出してくれた。「あの……ツバメちゃんとはどこまでいってるの」 「えー、どこまでって」 思わず口よどんでしまう。どこまでもなにも、本当はまだ恋人同士として認識が定着しているかも怪しい。この前の失敗から、会ってないのだから。 「その……二人ともまだ中学生だから。私も、ツバメちゃんを実家からお預かりしている責任もあるし、もちろん節度ある付き合いをしてくれてるんだとは思うんだけど、ちょっと心配になっちゃってね」 なるほどそう来たか。マサキはほくそ笑む。黙っていると、さらに鶴奈は続ける。 「その……あの……セックスとかさ。今日、マサキくんへんなことばっかりいうから、間違いがあったら大変だから」 「そうですね、溜まってしょうがないっていうことはありますね」 「溜まってって……男の子いないから、そのよくは分からないんだけど、そういうこともあるでしょうね」 「溜まりすぎて、ツバメちゃんと間違いが起こっちゃうかもなー」 などとマサキは笑顔で言う。真っ赤になって俯いてしまう。小学生の娘がいるとは思えない初々しさだなあ。鶴奈の話しが全部本当なら、旦那以外に経験ないっていうしこんなものなのかもしれないと、マサキは思う。 「じゃあ……その……」 その先が小声すぎて聞こえにくい。ちょっと萌え。一回りも上の女性に、萌えってのもなんだが、マサキから見ても鶴奈はすれているところがなくて、動作も可愛らしいく思える部分があるのだ。 「声が小さすぎて聞こえないですよ鶴奈さん」 「あのね! マサキくんが良ければでいいんだけど、その間違いが起こらないように抜いてあげるというか、練習につきあってあげるというか……」 また声が小さくなってしまった。鶴奈は確かに美人だ。しかし、なぜ年上の女性を可愛らしく思えるのかと、頬を染めて目をそらしている顔を見つめていると、マサキが年配の女性に感じるいやらしさというものがないのだと気が付いた。 悪く言えば色気に欠けるというのかもしれないが、鶴奈は清楚なのだとマサキは思う。「じゃあ、手伝ってもらおうかな」 だから、あんまり虐めるのも止めにして助け舟を出す。マサキのいきりたったものが限界だというのもあるが。 「うん……ここじゃなんだから、寝室にでも行きましょうか」 リビングのテレビや電気を落として、玄関まで行ってガチャリと音をたてて鍵を閉める。そうして、夫婦が営みを行うであろう寝室に招き入れられる。一瞬、もしかしたら鶴奈の趣味だと真っ赤じゃないかと思ったが、壁紙は白でダブルベットは薄いピンクだった。マサキは気が付かないが、結婚八年目でダブルベットに一緒に寝ているというのは相当夫婦仲がいい証拠だ。 ベットと同じピンクのカーテンが閉められる。手持ちぶさたにベットに腰掛けるマサキ。いそいそと、エプロンを脱ぎ捨てた鶴奈はソワソワと落ち着かない様子だ。マサキは、正直もう一杯一杯でさっさと抜いて欲しいのだが、経験がまったくないので自分から手を出すことができない。どんだけ自己催眠で強化しても、童貞の限界点というものがある。 鶴奈は、何を考えているのか丁寧にエプロンを折りたたみ始めた。もうちょっとじらすのもいい加減にしてくれと、マサキは声をかける。 「鶴奈さん……その、するなら早くしてください」 「うん……わかったわよ」 おもむろに、マサキのズボンに手を書ける。ジャージの普段着だから、ズボンもパンツも一気に脱がしてしまうと、マサキの粗末な包茎チンポが飛び出す。完全に勃起していても、まだ皮を被っているのが悲しいところだ。 「皮はやっぱり剥かないと……」 覚悟を決めたのか、手でぐにぐにっと刺激する鶴奈。 「鶴奈さん、ちょっとフェラですか」 「うん……そうしようかと思って、ごめんねセックスは無理だからね」 フェラチオは前にもしてもらったし、セックスできるように暗示をかけたつもりなんだけどなあ。 「せめておっぱいぐらい見せてくださいよ」 「ん、胸? 見たいの?」 「そりゃ見たいですよ、そっちのほうが興奮して早く終わります、お願いしますよ」 「ん、じゃあしょうがないわね」 結構抵抗なく、上着をはだけてブラも取ろうとする。 「あー、ぼくに取らせてもらっていいですか、練習に」 「はい」 そういって、前に胸を突き出してくれる。小ぶりだが、形の良い胸だ。そんな胸の形など気にしていられないほど、興奮して後ろのほうに手をやるマサキ。背中を弄る。 「あ、違う。これ前フロントなのよ」 たいした失敗ではないが、マサキはとても恥ずかしかった。いったん手を引いて、ブラを見る。マサキがポケットにつっこんでいる、真紅のパンツと柄が御そろいのブラだった。確かに、前にフックが着いているのが分かる。 「最近は前フロントも多いから、こっちのほうが外しやすくて簡単だという理由もあるわ」 片手ではずそうとして、ブラを引っ張ってしまうマサキ。不器用に、どこまでも失敗していくのは厨房らしさというものか。 「ただ引っ掛けてるだけだから、落ち着いて両手ではずせば」 今日こういうことになるとは、思っていなかっただろうに、勝負下着をちゃんと着けていたのは主婦の勘というものかなどと、馬鹿なことを考えながらマサキはブラをゆっくりとはずしてポケットにしまいこむ。 「ちょっと、ブラは持っていかないで」 しかたがないので、ブラをベットに放り投げるマサキ。 「もう……」 鶴奈は胸を隠すように、肩をすくめる。 「下も、スカートは脱いでもらえますか」 厚手のスカートを無言で脱ぐ鶴奈。さっき、マサキが無理やり穿かせた精液ドロドロのパンツを穿いている。パンツは穿かせたままのほうがいいだろうか。 「これでいいでしょう、もう抜いてしまうわね」 一度やってしまったからなのだろうか、結構抵抗なくマサキの勃起したものを口に含んで皮を剥く鶴奈。もう限界寸前だったマサキには否やもなく、感極まったように腰を振る。 「ちょっと、もう。腰振ったらやりにくいよ」 マサキの薄汚いものには嫌悪感を感じるものの、過剰反応は面白かったのか少し笑顔が戻る鶴奈。端正すぎるから、怒っていると険が強いのだが、笑えば可愛いのだ。動きを止めたマサキのモノを、ゆっくりと舐め取ってやる。 「ああ……出ます」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
その不味さに顔を顰めながらも、飲み取ってやる鶴奈。これは、別にそう暗示をかけられたわけではなくて、旦那がそうするように教育したので、鶴奈はフェラチオしたら飲むものだと思い込んでいるのだ。 それでも、旦那のものとは違って不味いなあと鶴奈は思う。精子はもともと不味いものだが、健康状態によって味が変わる。不摂生な食生活をしているマサキの精子が、旦那のそれより不味くても不思議はない。 「じゃあ、私。口をゆすいでくるから」 そういって、洗面台に走っていく鶴奈。一度出してしまって、呆然としたようにベットに脱ぎ捨てられているブラを見つめながらマサキはベットに倒れこんだ。
「もう今日はやめておく?」 気が付くと、ベットに倒れこんでいるマサキを鶴奈が見つめていた。マサキの精力は中学生だからそれなりに強いが、引きこもりがいきなりセクシャル行動は結構精神を消費するものだ。口ではでかいことをほざいても、ヒッキー青少年は結構、繊細なのである。 「いや……まだ……」 「そうね、まだ立ってるみたいだし、それじゃあもう一回」 「ちょ、ちょっとまって」 あわてて起き上がる、マサキ。このままなし崩し的に何度もやられたら、前と一緒だ。「鶴奈さん、オマンコ触ってもいいですか」 「え……、うーん触るぐらいなら」 有無を言わせず、自分が汚したパンツに手を突っ込む。初手マンにドキドキする、マサキ左手は添えるだけ。陰毛がサワサワする感覚。少し暖かい感じはするんだけど、湿り気があるようなないような。 「ちょっと、急に」 「うーん、これって濡れてるのかな」 「……濡れてるわけないでしょ」 自分がぶっ掛けた精液の湿り気が残ってるだけだった。 「うん……」 「デリケートなところだから、強く触らないでね」 経験がまったくないので、マサキは本当に分からない。とりあえず、強くならないようにまさぐるところから始めた。なんとなく、鶴奈がやさしい目線で見てくれているような気がマサキはした。 マサキの未熟さは、子供のいる鶴奈にとっては少し快いものに感じたのだ。なんとなく、いい雰囲気がでているとマサキは感じていた。ベットに二人で座って、右手で鶴奈の股をまさぐっていると、それだけでもう一発出てしまいそうな感じだった。 「胸も触っていいですか」 「……いいわよ」 前に回って触ろうとしたのだが、どうもしっくり来ない感じだったので、後ろ側にまわりこんで、胸もまさぐってみる。 「ん……」 オッパイの感触というのは、本当にいいものだ。執拗にまさぐっていると、鶴奈が、息を吐いた。また、右手で股をまさぐってみた。今度は少し濡れているような気がしたので下着をズリ下ろした。我慢できなくて、入れようとして。 「ちょっと、まって入れちゃだめよ」 鶴奈に静止された。 「すいません……」 「口でしてあげるからね」 すぐさまいってしまった。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
「ありがとうございました、今日はもう帰りますね」 「ふぇ……はーい」 やはりきちんと飲み干してくれる鶴奈を見て、とりあえず満足してしまったので今日は帰ろうと思った。セックスまでいけなかったけれど、別に今日は失敗だとは思わない、明日またやればいいのだから。 自分が汚したパンツをしっかりと穿いて、玄関まで見送ってくれる鶴奈の姿はそれなりにマサキの心を満足させてくれるものではあったからだ。
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第三章「うまくできない」 |
次の日の朝、パンツ交換の時刻……そう勝手にマサキが定めている午前九時にちゃんと起き出した。玄関の中まで、ズカズカとやってきたマサキに鶴奈が差し出したのは、洗濯でヨレヨレになっているベージュのパンティーだった。握ってみると、温かみはあるが材質もナイロン生地だし、とにかく普段の鶴奈のパンツよりも格が落ちている。せっかく今日もたっぷりと出してやったのに、性的なアピールが足りないと少し不満に思うマサキだったが、ふと思いついて聞いてみた。 「鶴奈さん、もしかしたらぼくに汚されても良い安物のパンツを差し出してないですか」 何事も素直に答えると催眠をかけられている鶴奈だ。 「うーん、そうなのよね。やっぱりお気に入りは、汚されたくないし。もちろんパンツの交換は当たり前だからしてもいいんだけどね……だけど、マサキくんがもういいっていうなら止めない?」 そういわれて、止めると答えるわけが無い。 「さあ、今日も交換ですから汚してきた昨日のパンツを穿いて生活してください」 そう断言されると、無言で顔を下に向けて汚されたパンツを黙って穿く鶴奈に安心はしたが。昨日よりも催眠が弱まったということなのか、それとも一日考えて常識が催眠を押し返して来てしまったのか。どっちにせよ、これは試作品でどう転ぶか分からない代物なのだ。失敗をきっかけにして、なにやら暗雲が立ち込めてきたような空気である。深追いは禁物だと思い、その日はこれで帰ることにした。 うまくいかなくてムシャクシャした気持ちをぶつけるように、自分の部屋でベージュのパンツを乱暴に犯す。二回ほど射精すると、気もおさまってきた。 いま学校は中間テストの時期に入っているはずだ、ツバメは今日も早く帰ってくる。昨日より遅い時間に催眠をかければ、十分二十四時間経ってるということだし、今日はツバメとセックスできるかもしれない。なにせマサキとツバメは恋人同士なのだから。そう思い直すと、心がうきうきしてくるのを感じる。 昨日の失敗を繰り返すことなく、十分な時間を置いて鳥取家に行くと、ヒナもツバメもちゃんと家に帰っていた。寄り道もせずに二人ともいい子たちだ。ヒナの頭をなでてやると、ヒナも嬉しそうに「ありがとう、マサキお兄ちゃん」と言ってくれる。子供は素直でいい。 いくらツバメの恋人と暗示をかけていたとしても、ヒナの目に映るマサキの容姿のデブオタのままだから、ツバメの恋人に対する純粋な好意と思えて、さらにヒナを可愛く思うマサキだった。 「さあ、恋人同士の語らいをしに君の部屋に行こうか!」 やる気満々で、ツバメを誘うマサキ。 「う……うん」 なにやら沈んだ様子で、それでも逆らわずにツバメは着いて来た。さてと。 「恋人同士だから……その、恋人らしいことをやろうか」 そういって、マサキがツバメに手を伸ばすと 「だめ! キモイ! 触らないで!」 激しく抵抗される。恋人に向かってキモイはないだろう。そうマサキが声を上ずらせながらも、あわてて抗議すると。 「ごめんなさい……まだ付き合ったばかりだし、付き合ってるからってそういうのは駄目だと思うの」 それが、ツバメの言い訳だった。もちろん、ただの言い訳で生理的拒否をしているに過ぎない。ほんとに催眠なしで、恋人同士だったとしたらマサキはこういわれたらどうしようもないだろう。しかし、いまのマサキには催眠の術があった。 「ああ……そうだね、こっちこそごめん」 そういう風にある程度抵抗してくるのは予測済みだ。こっちには、催眠タイムウオッチがあるんだよ。そう思って、満面の笑みでボタンを押す。 やはり頭が、ちょっと痛いが、昨日ほどの激痛もなく数秒で脳から目にかけて電流のようなものが流れる。マサキの催眠術師化完了。 「さあ、君は恋人のマサキくんに何でも素直に答えるよ」 「マサキくんに……なんでも素直に答える」 「恋人のマサキくんに何でもしてあげたくなるよ」 「なんでも……して、あげたく…………なる」 ちょっと、間があったな。 「恋人のマサキくんとセックスしたくなるよ」 「マサキくんと、セックス……駄目……セックスは駄目!」 突然、トロっとしていた目が反転して意志の輝きを見せ始める。どうなってんだ一体、どっかでミスったのか、それとも機械の故障か!? マサキは完全に狼狽してしまい、どうしていいか分からなくなった。ただ、機械的にマサキを催眠術師にしている脳と目は、冷静に抵抗するツバメを催眠の状態に抑え込んではいてくれた。 「駄目……セックスは絶対駄目……」 そうつぶやき続けるツバメを落ち着かせる方法が思い浮かばなくて。 「うん、無理にセックスしなくてもいいよ」 そう言ってやるしかなかった。そう言ってあげて、ようやくツバメは落ち着いたのである。催眠を一回分無駄に使ってしまったも同然だ。絶対できると思ってたのに、ツバメのでかいおっぱいを目の前にして、この高鳴る性欲をどうしたらいいんだ。 しかし、そうは思っても、催眠後の催眠術が使えない状態でツバメが暴れだして、ヒナや鶴奈が感づいて部屋に飛び込んでくるとか最悪のケースを考えると長居するわけにはいかない。 後ろ髪を引かれるような思いで、ツバメの部屋を退出するとさっさと家に帰って、ネット探偵にすごい剣幕でメールを送った。すると、さすがにこっちの怒り狂った様子に見るに見かねたのか、向うもメッセンジャーで直接対話してきた。 「どうして、催眠術なのにセックスできないんですか!」 単刀直入に怒りをぶつけてくるマサキに、ネット探偵も呆れ気味であった。 「君は、催眠を魔法かなにかと勘違いしているようだね」 まあ、そこはネット探偵は大人なのでそういってマサキを諭す。 「催眠はあくまで、暗示をかけるだけなんだ。強い抵抗がある行為は拒否されて当然だろう」 「……でも、鶴奈と精子パンツを交換はできましたよ」 「それは、彼女が既婚者で性的な経験も豊富にあって、精子が付いたパンツを穿いても別に妊娠する危険はほとんどないことを知っていたからだろう。君が、妊娠の危険もある中出しセックスをしようとすれば、彼女だってやはり拒否したはずだ 「そんな……じゃあ、催眠は何のためにあるんですか」 メッセンジャーでの会話だが、向うのため息が聞こえそうな間があったあと。 「少なくとも、君のいま考えている短絡的なやり方のためには存在しないな」 マサキが黙っているとさらに続ける。 「まあ、君はまだ中学生だから催眠術に話術が必要だと言っても理解しにくいだろうね。相手に抵抗があったら、いったん引いて違う攻め方を試してみるんだよ」 「違う攻め方?」 「そう、引田博士によるとその催眠タイムウオッチは同じ対象に繰り返し使うことによって暗示力が高まるそうなんだ。ただ、相手の抵抗がとても強い場合は、それでも強制力が足りないだろう」 「じゃあ、どうすればいいんですか」 「時に、一緒に同封した催眠マニュアルは読んだかね」 「文章が難しくて、必要な箇所だけは読んだんですけど」 「辞書を引いてでも全部読みなさい、答えはその中にあると思うよ」 「そうですか」 聞いてもいちいち面倒臭いから、噛み砕いて教えてくれないということなんだろう、中二のマサキにもそれぐらいは分かる。 「君の成長を祈るよ、そうすれば成果もあがってくる」 マサキは、強い性欲にせきたてられるようにパソコンで辞書を引きながら、難しい漢字の多い催眠マニュアルの本論の部分を、分からないなりに読み進めていくことにした。全ては、鳥取ツバメとのセックスのためであった。
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第二章「パンツの交換です」 |
「あら、えっと安西マサキくんだったわね。また回覧板ですか」 そうそう、回覧板があるわけがない。 「いや、そうじゃないんですよ。昨日パンツと回覧板を交換しましたよね」 「ああ、そうだったわね」 当然と思って対応してくれる、これで催眠で指示したことは後々にも影響を及ぼしていることが分かる。こういうのを後催眠というそうだ、それなりにマサキも一夜漬けで催眠術の基本は勉強したのだ。 「それで、これ」 「えっ、これって昨日のショーツじゃ……キャーー!」 鶴奈のお気に入りのパンツは、裏返しにされて誰にでも分かるほど精液でドロドロにされていた。何度も何度も出されて、カピカピに乾燥した上に駄目押しにオマンコの当たる布の厚くなった部分の上に射精したらしい。まだ先ほど射精されたばかりと言わんばかりの湯気があがるほどの、生々しい精液がたっぷりと付着していた。 鶴奈が驚くのも当然だ。パンツの交換は常識と思っていても、こんな用途に使用されるなんて想像もしていなかったからだ。 ここで、催眠のボタンを押す。また頭痛か、それでも昨日よりはひどく無くなった気がする。驚愕の顔がゆっくりと弛緩していき、またあのトローンとした目に戻る。催眠がかかった証拠だ。 「とりあえず、ここじゃなんですから玄関の中に入りましょう」 「……はい」 催眠のかかった鶴奈は従順に従う。 「まず、男がパンツに精子をかけるのは当然の行為です。今日来たのは、パンツの交換をするためです」 「パンツの交換……」 「これから、しばらく毎朝精子をかけたパンツを持ってきますから、昨晩から穿いているパンツと交換して、ぼくの精子つきのパンツを穿くようにしてください。これは当然ですわかりましたか」 「はい」 問題はここからだ、十分でやれることなど限られている。それよりは、鳥取家に深く侵入することが大事だとマサキは考えたのだ。いい加減、玄関先に来るたびに鶴奈の怪訝な顔に向かえられるのも辛い。 「これから、ぼくの質問には全部素直に答えてくださいね。これは催眠にかかってない時も一緒です。ぼくの顔を見ると、あなたは素直な気持ちになって全てを話してしまいます。それが当然なんです、わかりましたか」 「はい」 嘘をつかれては今後の情報収集にも支障がでる。この条件は何度も確認しておいた。催眠タイムウオッチを見ると、時間は後五分だ。なんとかなるだろう。 「ぼくは、あなたの義妹の鳥取ツバメの同級生です。知っていましたか」 「同じ学校だというのは知っていました」 「同級生で、実は恋人なんです。ぼく安西マサキは、鳥取ツバメの恋人です。わかりましたね」 「はい」 「恋人だから、鳥取家とは家族も同然です。だから、ぼくはいつも自由にこの家にやってきます。あなたは、ぼくの顔を見るとツバメの恋人として最大限の歓迎をしたくなります」 「はい……歓迎したくなります」 猛烈に頭が痛くなってきた、思考能力も鈍るが。あと一息だ。 「ぼくは、家庭の事情で中学を自主休校しています。だから朝や昼間に来ても、あなたは不自然だとは思いません、わかりましたか」 「はい、わかりました」 頭が切り裂かれるような痛み、目が痛くなってきたのは限界だろう。時計をちらりとみるともう十分過ぎている。 「では、あなたは催眠にかけられたことを忘れて、爽やかな気持ちで目を覚まします」 それと同時に、催眠タイムウオッチのスイッチを切る。切っても、しばらく痛みがひどくて立ちくらみを起こしていた。 「あれ……私なにを、マサキ君、どうしたの大丈夫?」 玄関の軒先に座り込んでしまうマサキを、優しく介抱してくれる。 「すいません、たまにあるんです。もう大丈夫ですから」 気がつくと、マサキは手がべっちょりとしている。ああ、鶴奈さんの精子つけたパンツもったままだったか。 「あらあら、手が精液でべっとりねえ……手を洗いましょうか」 「その前に、下着の交換が先ですよ。早く脱いでください」 「あら、そうね……ちょっとまってね」 今日は薄紅色のワンピだ。こういうデザインが好きらしくこの季節はこういうデザインのを普段着として着まわしているのだろう。ワンピのすそをたくし上げて、なるべく穿いているパンツが見えないようにするすると脱いで、マサキに手渡す。 「はい……じゃあそっちの」 「どうぞ、付着したぼくの精液がなるべく取れないようにそっと穿いてくださいね」 鶴奈は目の前で、どろどろになったパンツを見上げる。裏返しになったのをそっと表に戻すときに、手に精液が付いてしまう。 「うあ……気持ち悪い」 「しょうがないですよ、パンツの交換は常識ですから。そっと穿いてくださいね」 「あの、これせめて……お水で洗ってから」 「そうだと意味が無いでしょう。粋のいい精子がどろどろに付着したのを穿き続けることに意味があるんですから」 「わかったわ……」 その言葉に押されるように、そっと足から昨日脱いだパンツを穿く。 顔を最初赤らめていたが、きっちり穿いてしまうと気持ち悪い感触なのだろう今度は顔が少し青ざめてきた。 「お互い手がドロドロだから、洗面台に行きましょう」 二人で手を洗う。先にマサキに洗わせてくれたが、マサキはちょっと水で洗うだけだ。一方、鶴奈は手を石鹸水をつけて汚いものを削ぎ取るようにゴシゴシと洗っている。股に精子がべったりと付着しているというのに、嫌悪感をそれで晴らしているのが滑稽だ。 「ううう……マサキくんがせっかく来てくれたからお茶でも入れるわね」 動くたびに、股が気持ち悪いのか、情けない顔をする。それでも歓待するという行動には逆らえずに、来客用らしいハーブティーを時間をかけて入れてくれる。リビングは、年頃の子供がいるというのにすっきりとシンプルなデザインで片付いている。部屋にかかっている絵やインテリアは特に高価なものではないだろうが、趣味がよくしっくりと調和している。子供が倒しても平気なように丈夫で軟らかい材質でできているところもちゃんと考えられている。リビングのゆったりとした気分を壊さない程度には効率的なのだ。こういう優しいセンスを持つ奥さんを持てる旦那は、幸せ者だろう。 すっかりリビングでくつろいでいると、マサキの前にハーブティーが出された。 「私は、ちょっとこれから仕事があるから、自分の家だと思ってくつろいでいってね」 そういって、仕事に戻る。さっき脱ぎたてホカホカの鶴奈のパンティーを持ちながら、お茶を入れてもらって嗜むというのはなんともシュールだ。とりあえずいつまでも手にブラブラ持っているわけにもいかないので、パンティーを自分のチンコにまきつけてパンツの中に収納することにした。 今日の頭痛は、大したことはなかったので十二時間時間をおいてから、午後にもう一度使うことにした。さて、鶴奈に使うべきか、帰ってきたヒナかツバメに使うべきか。そんなことを考えながら、暇をつぶしていると今日の分の仕事が終わったのか、バタバタとスリッパの音をさせて、鶴奈が出てくる。 普段より仕事を片付けるのは遅かった、やっぱり濡れたパンツが気になって仕事に集中できなかったのだ。 「ごめんなさいね、おかまいもしないで。もらい物のクッキーがあるんだけどマサキくんも食べる?」 ありがたくいただくことにした。クッキーを出すそぶりも、微妙におかしい。やっぱりまだパンツが乾いていないだろう。五発分の精液だから、そうそう簡単に乾くものではない。棚に手を伸ばして、腰を振る鶴奈のなめかましい尻をみていたら催してきた。ぼくの精液で汚されたパンツを穿いてるんだよなあとマサキは思う。 ムクムクと、パンツのなかで鶴奈のパンティーに包まれた亀頭が勃起する。 「妊娠しないかなあ」 「はっ、なにかいったマサキくん」 「いや、なんでもないです」 甘いものは、脳の疲労を回復させる。本当なら、ヒナとツバメを催眠にかけたいところだが、同時に返って来るとは限らない。片方に催眠をかけた直後、もう片方が帰ってきたらそこでアウトだ。今日は、鶴奈の催眠を優先すべきだろう。 「午後に、また来ます」 そういい残して、自宅に一度帰還する。 「昼ご飯でも食べていったらいいのに」 帰り際に鶴奈にそんなことを言われたのがマサキには嬉しかったが、うちにクソババアが用意している昼飯があるからな。いきなり食べないで残したら、怪しまれる危険もある。理由を聞かれたりするとうざい。いつか、うちのババアに催眠使うとしても、優先順位は最後になるだろう。 美味くも不味くもない、冷凍食品が主体の母親の冷めた飯を食いながら、ここまでの催眠の報告をあげる。とりあえず順調っと。 時間が余ったので、鶴奈のパンティーでオナニーしながらネットを徘徊してエロCGなどを集めていたのだが、どうしても頭に思い浮かぶのは鶴奈の歳の割りには引き締まった尻だった。本物を見てしまうと、これまで楽しめてきた二次元が色あせて見えた。 十二時間、まだ経ってないが、鶴奈と話ながら時間の経過を待つか。そう思って、鳥取家を再来した。 「あー、いらっしゃいマサキくん。早かったのね」 マサキが射精パンツはちゃんと穿いてくれているかと訪ねたら、あんまりそんなこといわないでと怒られた。まあ、穿いていればいいんだ。午後の主婦業を手際よく片付ける鶴奈をからかいながら、くだらない話に興じていると玄関先でゴソゴソする音が。ほどなくして、元気なおかえりーという声が聞こえてきた。しかも二重に。 「テスト期間中で、帰り道にヒナちゃんと一緒になったからー」 そんなツバメの声が聞こえる。一緒に帰ってきてくれるのはむしろ好都合だが、まだ十二時間経過していないんだ。どこに隠れるかとか思考しているうちに。 「あーいま、マサキくん来てるわよ」 そう、鶴奈が言ってしまう。しまった、口止めとかまったくしてない。 「ええ……だれそれ」 ドドドドという足音で、ツバメとそれに引き連れてヒナが……最悪のご対面だ。 「あんた……確かクラスの……なんでいるの」 凍りついた空気、乾いた声と死んだ表情でツバメが言う。呆然と立ち尽くし、何も言い返せないマサキ。頭には、走馬灯が回っている。ここは室内だが、たぶんいま天空を見上げたら死兆星が見えるクラスのピンチだ。 「ああ、ツバメちゃんの彼氏だからでしょ」 ニッコリと笑って、鶴奈が答える。さらに空気の温度が絶対零度まで下がった。 「なっ!」 何かをツバメが、言いかけた瞬間。十二時間経ってないにもかかわらず、催眠タイムウオッチのボタンを押す。空気に耐えるのが、限界だったからだ。 とたんにあの悪夢の脳が鷲掴みを二乗したような痛みと、目から血が出るほどの痛みが走る。やはり、一時間でも半日に満たないと身体に悪影響があるに違いない。それでもこのピンチにかまっていられない、目の前にいる三人にいるはトロっとした一様に濁った目をしている。正常にかどうかは知らないけれど、催眠マシンは作動した。 すかさず、ツバメに「俺はお前の彼氏だから家にいるのは当然」という催眠と、ヒナに「ぼくは、ツバメの彼氏だから家にいるのは当然」という催眠を相次いでかける。かかったという確認もできないまま、あまりの痛みに催眠装置のスイッチを切った。 「あー、マサキくんは私の彼氏だから、この家にいてもあたりまえね」 「マサキお兄ちゃんは、お姉ちゃんの恋人だから大歓迎だよ」 二人とも、自分に言い聞かせるように白々しいぐらい明るいセリフを口走ってくれて、絶望的な空気はとりあえず一変した。マサキは、目頭を押さえて後遺症の激痛に耐えながらも、正常に作動してくれた催眠装置に感謝の念を捧げる。 二人とも、マサキが家に居てもいいという概念に徐々になれたのか、帰り際には引き止めてくれるぐらい馴染んでくれていたが、目と脳の痛みがどうにも治まらなかった家に帰った。もう、危ない使用は絶対にしないと心に誓いつつ、とりあえず人体に大丈夫なのかネット探偵にメールした。 十一時間ぐらいで連続使用してしまったという報告をあげると、普通の報告だとすぐにレスポンスないのに、すぐさま返信が来た。 「君の軽率な行動には呆れるが、いいサンプルにはなってくれたようだ」 そんなことどうでもいいから、身体は大丈夫なのか答えろよという苛立ちを抑えつつ、この痛みをどうしたらいいかを聞く。 「いま、開発者に代わるから、症状を話せ」 素直に症状を話すと、博士とネット探偵に呼ばれている開発者は、それなら普通に時間を置けば大丈夫だと断言した。とりあえず、いまから二十四時間は連続使用しないでいたほうがいいらしいとは付け加えられた。 「うう……まあ、パンツの交換は明日もできるだろう」 今日はもうなにか出来なくても、とりあえずオナニーのネタがあるだけマシか。そう思って、マサキは明日の鶴奈とのパンツ交換を思い、何度も何度もパンツの少し色がついたオマンコの部分に射精したのだった。
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第一章「頭痛に至る催眠」 |
安西マサキが与えられた力は、ほんの小さな力だった。 「お前はまだ歳若いし、組織に何の手助けもできないからこんなものだな」 「十分間、簡単催眠タイムウオッチ?」 DLOという組織から贈られてきたその道具は、陸上部がよく使っているタイムを計る時計みたいな形状のもので十分間だけが計測できるようになっている。 「とりあえず十分だけ、その時計はお前を催眠術師にしてくれる。相手の目を見れば、相手は催眠状態にかかる。時間内なら何人でも催眠は可能。最初は軽い催眠しか仕掛けることができないだろうが、それも訓練しだいだ」 「うう、十分は短いなあ。回数は一日何回使えるんですか」 十分は長いようで短い。いろいろは出来ないなあ。しかし、何度でも使えるなら問題ないだろうとマサキは考えた。 「ふふ、お前の考えてることは分かるぞ。連続して何回も使えばいいと思ってるんだろう。残念ながら、十分を超えると耐え切れないほど目と頭が痛くなるはずだ。慣れないうちは、半日は時間を置かないと続けて使用できないはずだ」 「うう、制約が多いなあ」 「普通の人間を強化して催眠術師にするというのは、とても身体に負荷がかかるんだ。特に脳みそと視神経に負担がかかる。本当に催眠術師になろうと思って訓練したら五年・十年は平気でかかるんだぞ。これでもよくできたほうだ」 「もしかして、これ身体に悪影響が」 男は、しばらく 嫌 な 間 をあけてから続ける。 「まあ、こっちも慈善事業じゃないんだ。とりあえず試作品のテストを手伝ってもらうということだ。動物実験では大丈夫だって話だが、使用中以外に身体に変調があったらすぐ言え。欲張って連続使用するなよ。あと、レポートを書けとまでは、まあ中学生だから言わんが、出来る限り報告はあげてこい。使っているうちに、追加効果も期待できると引田博士もいっていた。まずは実績をあげることだ。期待しているぞ」 「はあ……」 ぷちんとPCの画面が消えた。さてと、マサキは窓の外に目をやる。ちょうど窓の向かい側の部屋が、鳥取ツバメに与えられた部屋だ。今は徹夜明けの早朝であり、玄関のほうを見るとちょうどツバメが登校するところだった。相変わらず、遠めからでもわかる見事なバストである。さすがに隠し撮りまではできないが、体育の授業のときのあの揺れる乳とケツは目に焼き付けておいて、後からお世話になったものだ。 「いってらっしゃー」 幼女と母親がツバメを玄関先まで見送るのが見える。 マサキは登校拒否して暇になってから、半ばストーカーのようにツバメだけではなく鳥取家の全体の情報を収集しているので、大体鳥取家がどういう生活をしているのかも分かっている。 幼女の名前は鳥取ヒナ、近くの小学校の指定のグレイの制服を着ている。確か、歳は八歳で小学校三年生である。母親譲りのしっとりとした長髪が落ち着いてみせるが、活発な性格を反映してか髪留めで動きやすいようにポニーテールでまとめている。 ピンクのランドセルが、実に可愛らしい。昔はランドセルは赤と相場が決まっていたが、最近はいろんな色が出て女の子だから赤とは指定されていない。可愛らしいデザインのものも増えてきている。なんでも、赤色が好きな母親と揉めて、ピンクで妥協したという話を井戸端会議で話しているのを聞いた。 「じゃ、お母さん私もいくねー」 程なくして、ヒナもぴょこぴょことランドセルを揺らせながら小学校に向かった。ツバメとは逆方向だが、近くの公園に集まってから集団登校するのだろう。見えなくなるまで、それを見送ると母親はやれやれと、腰に手を当てて一息ついた。 母親の名前は、鳥取鶴奈。マサキの母親と違ってとても若々しく見える。それもそのはずで学生結婚でヒナを生んだ彼女は、まだ二十七歳である。中学生のマサキから見ても、十分守備範囲内だ。 普段着にしている可愛らしいピンクのワンピに上から安物の赤いエプロンをひっかけている。安物でも鶴奈が着ると、どこか上品に見えるのは知的に見える相貌からだろうか。主婦といってもパートに出ているわけでもなく、ヒナが手のかからない年頃になってからは、手慰み程度に女性誌などでライターの仕事をしているという話を聞いた。今はやりの奥様ブログライターというわけだ。手入れが行き届いているのか生まれつきなのか、結構忙しい主婦業にも関わらず、肌は白魚のように綺麗だ。 ツバメは、鶴奈の旦那の妹でこの近くの私立吾妻坂中学に通うために同居している。だからツバメと鶴奈に血縁関係はないため、まったく似ていない。ツバメの中学生としては反則すぎるほどの豊かなボディーに比べて、鶴奈の身体はややすんなりとした感じだ。そこが、若奥様っぽくて中学生のくせに不倫妻モノが好きなマサキの欲望を高める。 車が無いところを見ると、大手商社勤務の旦那はすでに出社したあとなのだろう。家には、鶴奈が一人。好都合だ。 思い立ったが吉日という、早速行動に移すことにした。 明るい時間に、家から出るのは久しぶり。マサキの家は共働きだから、両親はいつも夜にしか居ない。玄関まで出ると、回覧板を見つけた。これは好都合。これを利用すれば、いいんだ。 鳥取家のチャイムを鳴らし、回覧板を掲げて門から玄関先まで入る。今回は、これが免罪符というわけだ。すぐに、バタバタと足音をさせて鶴奈が出てくる。 「はーい……あれ、あなたはお隣のえっと、安西さんの息子さん」 「はっはい、安西マサキといいます……これ」 マサキが母親以外の人と話したのは、久しぶりだ。消え入るような声が、鶴奈に届いたかどうか自信はない。それでも、回覧板を見て気がついてくれたようだ。 「ああ……回覧板ね、はいありがとう」 ちょっと怪訝そうにだが、笑顔を返してくれる。まあ、回覧板なんて郵便受けに放り込んで置くものだからだ。不審がるのも、当然だ。 ポケットの中の催眠装置のボタンを押す。
キュルルルルルル――
別にそういう音が鳴ったわけではない。脳みそを鷲掴みにされるような不快な感覚を、表現したら、そういう音としか表現しようが無い。脳髄の中をかき回されるような衝撃に耐えかねて、今にも倒れそうになる。冷や汗が滝のように流れてくる、もう耐えられないと思った数秒後。 「ちょっと、大丈夫、君……ひゃ」 脳から発生した電気が、目から飛び出すような感覚だった。その目から飛び出した電気の輝きを鶴奈が見た瞬間。トロンとした、顔になって彼女は手をだらりと下げて反応を止めた。 「どうやら、かかったみたいだな」 不快な感覚は、使った直後しかないみたいだ。もう、今のマサキはどうということはない。さてとりあえず使えることはわかったが、十分で何が出来るのか。 「鶴奈さん、ぼくのこえが聞こえますか」 「……はい」 トロンとした目で答える。玄関先では目立ちすぎる。とりあえず中に入るように促す。家は一人のはずだ。玄関は鶴奈の几帳面な性格どおり綺麗に整頓されていた。 「鶴奈さん、回覧板を持ってきたんだからお礼してください」 「……お礼」 「そうです、お礼です。そうだな……ぼくにフェラチオしてください」 「フェラチオ……わかりました」 なんで、いきなりフェラチオなのかは分からないが、たぶんそういうシチュエーションのエロ動画を昨晩見たからに違いない。 躊躇なく、ズボンのベルトを外すと、すえた匂いのするマサキの皮かぶりのチンコにむしゃぶりついた。 ねっとりとした、舌でマサキのチンポを勃起状態へと導く。まあ、導くまでもなくギンギンに勃起しているわけだが。ねっとりとした口内の暖かい感触に、思わず昇天しそうになる。包茎での皮越しでも、なめかましい舌の感触がたまらないのに、ズボズボと口を動かしたと思うと、マサキの皮を舌で剥き始めた。 チンコの皮を剥いて洗うこともあるが、そのときもやはり若干の痛みを感じるほど敏感なのだ。昨日の夜も散々オナニーで抜いたというのに、皮を剥かれてむき出しの亀頭に吸い付かれた衝撃であっけなく射精してしまった。
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
黄みがかった精液を飲み干して、ゴクゴクと喉を鳴らす鶴奈。ちゃんと、亀頭についているチンカスまでなめ取って綺麗にしてくれる。さすがは、経験の豊富な奥様の性戯はなかなかのものだ。 これまでオナニーの射精では味わったことが無いような快楽に、マサキの腰はガクガクと砕けてまともに立てなくなった。ムクムクとまた大きくなるマサキの男根を、焦らずにゆったりと弄り続ける鶴奈。 浅く深く、強くやさしく、緩急をつけてフェラチオしてくれる鶴奈の技術に。 「あ、また!」
ドピュドピュドピュドピュドピュ!
また飲み干して、綺麗になめ取ってくれる。そうしているうちに、またチンポは強度を増し……いくら中学生だってここまで連続で痛みを感じる。 「ちょ、鶴奈さんストップ、ストップ」 鶴奈は、マサキの腰から手を離すと、口の中に少し残った精子を舐めて飲んでいる風情だ。知的な奥様のほうがいいセックスをするという言葉をマサキは思い出した。彼女は性的にも、しっかり訓練された良妻なのだ。 目はやはり、催眠にかかったままのようでトロンとしたままだ。そんな鶴奈の様子を見ていると頭がキリキリと痛み出してきた。慌てて、ポケットから催眠タイムウオッチを取り出すとリミットが近づいている。 「うう、ここまでか。まあ今日は初めてだしなあ」 初めての日の記念が欲しくなった。 「それじゃ、鶴奈さんお礼ありがとうございました。回覧板は、鶴奈さんがいま穿いているパンツと交換です」 鶴奈は、さっとワンピースのスカートをたくしあげると、パンティーをするすると脱いでマサキに渡して、交換に回覧板を受け取った。その間にも、脳を突き刺す頭痛はどんどん酷くなっていく。 「この行為は、当然のことですからおかしいと思いません。ぼくが立ち去ったら、回覧板を受け取ったということだけを覚えています」 頭が錐で刺されるような痛み、目も周辺部から痛み出してきた限界だ。 「じゃ、失礼します」 玄関から飛び出して、バタンと扉を閉めると同時に催眠装置のスイッチを切った。すーと、頭を万力で押さえつけられていたような頭痛が消えてなくなる。鶴奈の赤いレース地のパンツを握り締めて、マサキは家に帰った。
スイッチを切ると同時に、玄関先で鶴奈は意識を取り戻した。 「はて、私は何していたんだっけ」 ああ、そうだ。隣家の安西マサキくんが回覧板を届けてくれたのを受け取ったんだった。隣の子、いつも家に居てなんかうちのほうをねっとり見ているというか、洗濯物とかも眺めてるような視線を感じて、気持ち悪いなと思ってたけど、家のお手伝いをするわりとまともでいい子なのかもしれない。そんなことを鶴奈は思う。 朝の主婦業は全部片付いたし、午前中の頭がスッキリしているうちに今日のブログの更新と、依頼されてるライティングの仕事を少しでも片付けようかな。 そう考えて、しばらくお茶を入れて飲んだりしながら仕事をしてふと、なにか股間がスースーすることに気がつく。あれ……私なんでショーツはいてないんだろ。ちょっと焦るがすぐに思い出す。 「そうだ、回覧板と交換したんだった、なんで忘れてたんだろう」 持って来て貰った回覧板と穿いていたショーツを交換することはおかしいことではない。たんすから、新しいショーツを取り出して穿いた。そして、また仕事に集中する。今日はなぜか、頭がリセットされたようにスッキリしていたので、仕事が捗りそうだった。
そして家に帰ったマサキは、鶴奈のパンツを使ってあれだけフェラチオしてもらったのに、今日始めての催眠がうまくいったことにも興奮して、一晩に五回もオナニーするのだった。半日たったら使えるようなことを言われていたが、この日はこれで満足してしまったので使うことは無かった。正直、頭痛がひどかったので体の影響も心配だということもある。それでも、この快楽は止められない。鶴奈のイヤラシイパンティーをもてあそびながら、明日はどう使おうか、想像するだけでも楽しかった。
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