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E小説(中出し・孕ませ・時間停止・催眠・環境変化など)
エロ小説のサイトですので18歳未満の方はお帰りください。傾向はマニア向け、作品中のほぼ100%中だし妊娠描写、付属性として時間停止・催眠・環境変化などです。
第十一章「女子中学生 北原麻理沙 3」
「ハッ、ハァ……」
 麻理沙は、肩で息をしている。
 男が麻里沙の中でたっぷりと射精した。欲望を叩き込んだ。繋がったままでその余韻を感じていたかった。
 妊娠の危険がある中出し。しかも、行きずりの男を相手にして。
 こんな危険なこと、人生で何度も出来るものではない。
 だからこそ愉悦。脳を蕩けさせるような愉悦。こんな強烈な刺激は人生にそうそうあるものではない。その記憶を刻み込むのに、麻里沙は必死だった。
 お腹がキュンキュンと痙攣して、下がった麻里沙の子宮口がミノルの亀頭の先に吸い付いて名残惜しげに最後の一滴まで精液を啜っていた。
 あれほどタップリと出されたのに、もっと欲しいと麻里沙の膣道は蠢動する。
「なあ、麻里沙。俺の子を産みますっていってくれよ」
「まだ、そんなこと言ってるんですか」
 本当に赤ちゃんができてしまったら、麻里沙は破滅だ。
 そのことを考えると、お腹が熱くなるけれど、理性では絶対にいけないことだと分かっていた。
 それなのに麻里沙の身体は、四肢を巻きつけるようにしてミノルを抱きしめると、新しい精液を求める。
 もっともっと、子宮のなかを白濁した汚液でいっぱいにして欲しかった。
「なあ言ってくれたら、このまま抜かずに濃いのをもう一回出すぞ」
「そんな……」
「なあ、言うだけでいい。演技するだけでいいんだって、なあ俺は麻里沙のオッパイが飲みたいんだよ。俺の子供を孕んで、母乳を出すって言ってくれよ」
「女子中学生のオッパイが飲みたいって、変態だー。変態おじさんがいる」
 麻里沙はクスクス笑う。
「なあ、演技するだけで良いんだよ。それなら出来るだろ」
「ううーん、じゃあ赤ちゃんください」
 麻里沙がそう言うと興奮したのか、ミノルは再び腰を動かせ始めた。
 本能的に、男の孕み汁を求める麻里沙のいやらしい膣道は、キュンキュンと締まってミノルの硬くなった陰茎を刺激する。
「おお、嬉しいな……」
「ミノルさんのが、中でまた大きくなった」
「麻里沙のも吸い付いてくるよ。これだったら抜かずにもう一発できる。……なあ、やっぱりセックスは子作りなんだよ。そうじゃないと面白くない」
「でも、本当に赤ちゃんできちゃ困るんですよぉ」
 セックスの快楽に蕩け、喜悦に緩む頬。可愛くてエッチな麻里沙の顔は、むしろ誘っている。
 理屈の上では妊娠を拒絶しながらも、だからこそ身体は強く求めている。
「だから演技だけ、俺が後一回射精する間だけ」
 ミノルがそう囁いて、切なそうに身体を震わせてお願いする。演技という逃げ道、そう口で言うだけならと、麻里沙もその気になった。
「じゃあ、本当に言うだけですよ。困るんですからね」
「おおもちろんだ。演技でいいから頼む。そうでなくても、お前の下の口吸い付いてくるけど」
「またおじさんくさいジョークですわ」
「アハハッ、なあ下の口と一緒のように、俺達もキスしようぜ」
 ミノルの言うことはおっさん臭いのだが、生殖器をピッタリとすり合わせているこの状態で言われると、頭がバカになっている麻里沙には不思議と何かとても素敵なセリフに聞こえるのだった。
「んんっ、じゃあキスしてください」
「ああ、喜んで……」
 舌と舌とを絡め合わせる。
 麻里沙の中で、きゅうううっと切なく硬くなった陰茎が絞られる。
「はっはっ、はっはっ、ああっ!」
 突然、身体を痙攣させるのでびっくりした。
「どうした、麻里沙!」
「んあぁ、はっ、排卵しちゃいそうですわ……」
「排卵ってお前、分かるのか」
「お腹のここあたりがすごく熱くて、ああこっち側ですわ」
 下腹部の右側をほっそりとした指で示す麻里沙。その柔らかい肉の内側には赤ん坊の卵子がたっぷりとつまった卵巣がある。
「ここに、麻里沙の卵が……」
 排卵を感じるというのは科学的ではないが、排卵は女性ホルモンの急激な分泌によって促されるのであながち嘘でもないのかもしれない。
「ああ熱い、たまらない……麻里沙の中をぐちゃぐちゃにして。もっと奥を、もっと深く、一番奥に届くように挿入してください!」
 麻里沙の喘ぎ声とともに、膣圧が強まる。
 接合部分からジュッと白く泡立った淫蜜が漏れだした。
 根本まで咥えた状態で、お腹の奥に向かって雄々しく肉棒を突き上げた。
「肚を突いて卵巣を刺激してやればいいんだな。ほらっ、卵を出せ」
 コツンコツンと一番奥を突かれるうちに、もう壁だと思っていたさらに奥に男の肉がめり込んだと感じた。
「おほぉおぉおお!」
 子宮口にめり込んで、子宮の中に亀頭の先が入っちゃったとエロい本を読みまくっている妄想力豊かな麻里沙は錯覚する。
 実際はそうではなく、子宮口の入口を擦り付けられることで、秘肉を最奥部をこじ開けられただけだったのだが、麻里沙は子宮姦されたつもりで「オホウッオホウッ!」獣のような声を上げている。
 生まれて初めて、男の肉のカサでこすられる自分の穴の一番奥。
 もはや声もなく四肢をを震わせて、あまりの強烈な快楽に耐えるため、両手でシーツを掴みながらグイッと背を仰け反らせる。
 自然と腰が浮き上がり、最奥にミノル自身を咥え込む。
「おらっデカ乳!」
 ミノルはすかさず、Dカップの胸を揉みしだいた。
 ミノルの手で変形させられた乳肉、その先ではピンク色の乳首が面白いほどに勃起していた。
 その先端に口をつけて、チュッと吸いあげてから根本をガリッと噛み締めた。
「うわあああーっ!」
 その激しすぎる快楽に、麻里沙は悲鳴を上げた。
 もうめちゃくちゃだった。
「どうだ、気持いいかエロ娘っ!」
「いいっ、もっと麻里沙のエロ乳首いじめてください!」
 調子に乗ったミノルは、クリクリに勃起した乳首をぎゅううううっと引っ張った。
 それが、思いの外伸びるので面白い。
 その途端、ビクンビクンッと恐ろしいほど麻里沙の身体が震えて、身体の中で何かがパシュンと弾けた。
「おらっ、どうだ卵子は出たか?」
 性器で繋がっているミノルも、何となくそう感じたのだ。
 麻里沙は声を絞りだすように叫んで、肯定した。
「今ので……卵、飛び出ちゃいましたァ!」
 そうかと、ミノルはニヒルな笑いを浮かべた。
 女をちゃんとイカせた。排卵させてやったという満足感は、この上ない。
「気持良かったんだな」
「はっ、排卵アクメでしたぁ……」
 なんだそりゃと、ミノルは笑う。
 このお嬢様は、やっぱり頭がおかしい。でも息も絶え絶えに、頬を赤らめて喘ぐ仕草はたまらなくエロかった。
「じゃあ俺も、排卵アクメ中出し射精決めるぞっ!」
「どっ、どうぞっ!」
 さっきから射精欲が限界だったのだ。
 麻里沙が排卵したというからもういいだろう。ずっと我慢していた欲望を一気に解き放つ。

 ドクッドクッと子宮に直接、精液を吐き出される灼熱感。
 怒涛のごとく流れこんでくるミノルのエキスが子宮に溜まり、さらに卵管へと流れこんでくる。
 そこには排卵したばかりの麻里沙の卵があった。
「うああっ、お腹が熱い! 一気に受精しちゃうぅ!」
 子宮には感覚はないというが、流れこんでくる精液の熱さぐらいは分かるかもしれない。しかし、さすがに受精までは分かるはずがない。
 そこは麻里沙のイメージである。
「どうだ」
「はぁ……はうん、たぶんいまので受精しました。私の卵子が、ミノルさんの精子にレイプされちゃいました……」
「分かるのか、そんなこと」
 分かるわけが無いと思う。
 それでも、若い女の子特有の思い込みでも、眼の前で頬を赤らめて荒い息を吐いている女の子が、自分の精子を受精したと意識していることが、ミノルにとってたまらない愉悦だった。
 ズルッと緩くなった陰茎を腫れ上がった膣から引き抜くが、精液が零れてこない。
「ありゃ、出てこないな」
 あれほどかき回してやったのに、麻里沙の膣はぴっちりと入り口を閉じている。
「ウフフッ、ちゃんと力を入れて出ないように止めてますからね」
「もしかして、自分で踏ん張って止めているのか?」
 そんなことが出来るのかとミノルは不思議に思うが、現に出来てしまっているのだから認めるしか無い。
 度重なる変態オナニーを繰り替えすことが、麻里沙の膣圧を鍛えることにもなっているのかもしれない。
 さすが有能な麻里沙お嬢様。変態行為をさせても、たった十四歳にして変態として一流の実力を極めつつあるのだ。
 麻里沙は、超変態の極みに達しつつあった。
 魔理沙は、そのままベッドから起き上がると、枕元に用意してあったマジックペンでお腹に大きく『北原麻理沙 受精済み』と書き入れた。
 自分のお腹に文字を書くというのは、とても難しいことなのだがやけに手馴れている。
 これは初めてではない。前から、セルフボディーペインティングの経験があると見ていい。
「ふふっ、これで良しです。北原麻里沙十四歳、どこの誰とも知らないおっさんの精子でしっかりと受精いたしましたわ!」
 麻理沙は、がに股になって絶妙の角度で撮影されているカメラに向かって笑顔でダブルピースした。
 やり切ったところで力が抜けたのか、大きく開いた股からミノルに中出しされた大量の精液が滝のようにダラダラと流れ出している。
「なんだ、まだ撮影にこだわっているのか」
「生まれて初めての受精記念日ですもの、ちゃんと記録に残しておかなくてどうします」
 これで十年はオナネタに困らないと、変態の麻里沙は思っている。
 そのド変態お嬢様の勢いに、さすがのミノルもついて行けない。
「よくやるよ……」
「いいですことミノルさん。貴方の精子で、受精はしてあげますけど、これで勝ったと思わないことですわね。約束は守ります。もし受胎したら私は貴方の奴隷ですが、もし受胎しなかったら、貴方のほうが一生私の奴隷として仕えるのですよ。分かってるんでしょうね」
 分かっているもなにも、麻里沙は撮影されたビデオ映像を奪い返して、ミノルと関係を断ちたいのではなかったのか。
 いつの間に、「どっちが奴隷になるか」という勝負に話が摩り替わってしまっている。こいつは、とんでもないなと呆れて嘆息するミノルであった。
 謎の宣言をしてみせた麻里沙は、続けざまにミノルの腰にすがりついて射精しすぎて柔らかくなった一物の根本を握りしめて舐めてくる。
「おい……。さすがに、もうでないぞ」
「あら、もうへたったんですの?」
「いや、あんなに激しく射精させておいて……ちょっと休憩いれないと無理だ」
 ミノルはもう射精しすぎて、一物が痛い。
 限界だと股間が訴えている。
「ミノルさんつれないですよ。せっかく女の子が大事な卵で受精させてあげたのに……。今度はフェラしてあげますから、精液を飲ませてください。貴方の赤ちゃんに栄養ください」
 麻里沙はクスクス笑いながら、柔らかくなった一物をペロペロと舐めて、イタヅラっぽくささやいた。
「おっ、おいそんなことを言うなよ」
 現金なもので、ミノルの赤黒い陰茎は、ムクムクとまた痛いぐらいに勃起してしまっている。
 射精して赤くなっている亀頭を舐められるのは、痛気持ちいい。もう限界はとっくに超えてしまっているから、これは明日に響く。
 痛気持ちいい愉悦に包まれて、ミノルは麻里沙にぺろぺろと陰茎を舐められ、吸われながらドクドクと麻里沙の口の中で最後の射精をした。
 ほとんど白いものが残ってなくて、透明な液体に近いそれを麻里沙は、お口で啜り上げてゴクンと喉を鳴らした。
「んふっ……ごちそうさまでした」
 気持ちいい、最高に気持ちいいのだが……。
 この超変態な女子中学生の飽くなき性欲と付き合うのはかなり大変だぞと、ミノルは身震いした。

     ※※※

 ミノルと関係を持った後、麻理沙は少し休んでから、そのまま学校の制服を着て登校した。
 お嬢様は、そうそう学校を休んでられない。
 一日ならともかく、二日三日と休んでしまうとさすがに家に連絡されてしまう。
 そうなると信頼して任されている自由な生活にも支障をきたす。
 油断してボロを出すわけにはいかないのだ。

 麻里沙は、お風呂に入らないで学校に行くなんて初めてのことだが、昨晩の昼前に入ったわけでそこまで匂いも問題にはならないだろう。
 変態である麻理沙がシャワーを浴びなかったのは、身体中に書いた卑猥な文字を消したくなかったし、何よりも中出しされた膣をすぐに洗いたくなかったというのが理由である。
 どうせ受精してしまったのだし、精液を子宮にたっぷりと貯めておいたほうが得ではないかと思ったのだ。
 何が得なのかは、麻里沙にしかわからないが、中出しされた精液は子宮の中にたっぷりと残っており、こぼれ落ちて股を汚さないようにタンポンで蓋までされていた。

 麻里沙が教室に入ると、彼女と釣り合いの取れたハイレベルな学友が声をかけてくる。みんな、お嬢様ばかりだ。
「麻里沙様、もうお具合はよろしかったんですか」
 昨日は、風邪で病欠ということになっている。
「ええっ、季節外れの風邪を引いてしまったのですけれど、もうすっかりよろしくてよ」
 艶然と微笑む麻理沙を見て、女の勘なのか学友の一人は微笑みかけながら尋ねた。
「麻理沙様、今日は何かとても楽しいそうですわね。何か良いことでもおありになったんですか。もしかして、良い人がお出来になったとか」
「うふふっ、それはどうかしらね」
 笑って誤魔化した麻理沙は、そっとふくよかに盛り上がる制服の胸をさする。
 ブラウスの下に薄っすらと透ける文字、そこにはミノルが書いてくれた『俺の子を孕め麻理沙!!』という汚らしい字が書いてあるのだ。
 ナマの男の欲望を身体に刻み込まれるようで、それが麻里沙には愛おしい。
 その上でブラジャーを付けていないので、さすがにブラウス姿だけだとバレてしまう。なので、ブラウスの上から白いカーディガンを着て隠している。
 風邪気味で寒いのだと思ってくれるだろう。
 またどんなに注意深く観察しても、身体に書かれた文字はほんの少し黒いのがブラウスから透けて見える程度だから、おそらく誰も気が付かない。
 だけど、こんな格好で一日過ごすリスクを冒すと考えただけで、早くも麻理沙はイッてしまいそうであった。

 担任の女教師が入ってきて、いつもどおり授業が始まる。
「北原さん、もう風邪は良くなったのね」
「はい」
 先生に、そう尋ねられたときも麻里沙は平然と答えながら、嬉しくて仕方がなかった。
 麻里沙は、男の受精卵を腹に抱いて、神聖な学び舎にいるのだ。
 今日の国語の授業では、梶井基次郎の『檸檬』という小説を読んだ。
 百貨店の丸善に、果物屋で買った檸檬を爆弾に見立てて置いていくという話である。
 今の自分の境遇に似ていると麻里沙は思った。
 麻里沙は、自分の人生だけではなく学校の秩序すら破壊しかねない受精卵という爆弾を子宮に抱えている。
 まるで自分がテロリストになったような気分で、麻里沙はその危険な香りにワクワクしていたのだった。

     ※※※

「麻里沙様、やはりお具合がよろしくないんですはないかしら!」
「はぁ……どうしてかしら」
 午前の授業もそろそろ終わろうかと言う頃、隣の席でもありクラスでも親しくしている、山王寺 鈴猫(さんのうじ すずね)という少女に声をかけられた。
 普段は内気で、どちらかと言うと胸も性格も控えめな少女なのだが、今日は意を決したように声をかけてくる。
 ジッと熱い視線で麻里沙を見つめてくるので、一瞬バレてしまったのかと心配したが、そうではなかったようだ。
「だってだって、息が荒いですもの! 最初は元気になられたのかと思いもしましたが、熱っぽそうで、お顔の色も優れない様子ですわ」
「ええそうですね。まだ少し熱が出てきたのかも……」
 麻里沙が熱い呼吸を繰り返しているのは興奮しているからだ。実は、こうして座っているだけで何度もエクスタシーに達している。
 股は、愛液でドロドロになっていた。
 まさか、性的に興奮していると言うわけにはいかない。
(でも、この子は確か……)
 鈴猫は、麻里沙に対して強い好意をぶつけてくる女生徒だった。
 完璧なお嬢様を学校では演じている麻里沙は、男子だけではなく女生徒にもモテる。
 鈴猫は特に麻里沙が好きで、席が隣というだけで、やけに仲良くスキンシップを図ってくるのが目についた。
 一度は、ラブレターめいた手紙を寄越したこともあった。
 真性のレズとまでは行かなくとも、百合趣味のようなものがあって、そのような愛情を度々麻里沙にぶつけてくる。
 可愛らしい手紙で、レズの趣味はない麻里沙はそれに応じる気はなかったが、度を越さなければ良いと思っていた。
 同性への淡い恋心など、中学生の女の子がかかる麻疹のようなものだが、その好意を利用できないかと、ふいに思いついたのだ。

「それはいけません、保健室に行かれたほうがよろしいのではないですか。私が付き添います!」
「そう、ではお願いしようかしら」
 好意を持っている麻里沙の点数を稼ぐためなのだろう。鈴猫は、ふざけてわざとよろけてみせたりする麻里沙のヒッシと掴んで、保健室へと連れて行く。
「保健室の先生はいらっしゃらないみたいね」
 保健室のなかを見回した鈴猫は、残念そうに言う。
 期待を込めてではないところを見ると、本当に麻里沙の身体を心配して連れてきたらしい。
 それだけに、鈴猫が麻里沙に一方的に抱いている恋慕は、本当であるように思える。
「少し横になれば、大丈夫よ」
 おあつらえ向きに、保険医はいなかった。
 麻里沙はワクワクしてきた。
 後ろ手で、そっと保健室の内鍵を閉める。これで邪魔者は入ってこれない。
 入ってくるにしても、扉をガチャガチャと鳴らすので気が付くに違いない。保健室は一種にして安全な密室と変わった。

 どうもここ最近、ツイている。自分の妄想がそのまま形になるような万能感が麻里沙の身を包んでいた。
 神のみぞ知ることだが、それは幸運の星の下に生まれた戸隠ミノルの受精卵を腹に宿しているからであった。
「どうぞ、シーツを整えておきました」
 勝手にそんなことをしても良いものだろうか。テキパキと、保健室のベッドのシーツを新しい物に変える鈴猫。
 せっかくなので、そこに寝かせてもらう。
「しばらく一緒にいてくださる?」
 もちろん、麻里沙を憎からず思っている鈴猫は否やとは言わない。
「そばについていて差し上げます」と、手を握る始末だった。
 しばらく微睡んでいると、鈴猫が奇妙なことを言い始めた。
「あのっ、麻里沙様は好いた男の方がお出来になったんですか」
 変な言い回しだ。お出来になった……彼氏が出来たかということなのだろう。
 そう言えば、他のクラスメイトにもそう聞かれた気がする。恐るべきは女の勘、やはり雰囲気に出てしまっているのだろう。
 あれを彼氏と言えるかしらと、自分の倍も年上のミノルを思い出して皮肉な気分になったせいか、苦笑が漏れた。
「うふふ……」
「やっぱりそうなんですね! それでもアタシはやっぱり、麻里沙様が好きです!」
 まさかこんな場所で迫ってくるとは、意外にも大胆な女の子だったのだなと思う。
 名前が鈴猫だからというわけでもないが、どこか子猫ちゃんみたいな愛らしい顔が勢い良く覆いかぶさってきて、可愛らしくチュッとキスされた。
 それだけで、鈴猫は顔を真赤にして飛び上がった。
「ごっ、ごめんなさい、迷惑でしたよね!」
 そして、自分でキスしたくせに出ていこうとした。
 きっと小鳥がついばむようなキスをしただけで、勇気が尽きてしまったのだろう。
 麻里沙があらかじめ鍵を閉めていたので、部屋を飛び出ようとした鈴猫は扉をガチャガチャやって「あっ、あかない!」と騒いでいる。

 その様子を麻里沙は、冷静に見つめている。
 以前の麻里沙なら、同級生の少女のキスされたらビックリ仰天で腰を抜かしたことだろう。
 同級生の女の子にキスされるという非日常感に、驚きでどうしようもなくなっていたかもしれない。
 しかし、さっき三十路のオッサンとセックスしあってた麻里沙にとって、こんな小娘にキスされてもなんとも思わない。
 可愛らしいと思うだけだ。
 ベッドからゆっくりと立ち上がると、鍵を開ければいいだけなのにそれが思いつかないのか、まだ扉をガチャガチャやっている鈴猫の肩にそっと手を触れた。
「落ち着いて、鈴猫様」
「ああっ、ごめんなさい麻里沙様、愛してます……」
 振り返った鈴猫は、そう言ってへたり込んだ。
「ありがとうございます、鈴猫様。私みたいな女の子を好きになってくれて、貴方が心を込めて手紙をくれたとき嬉しかったわ」
「麻里沙様、そんなもったいない! アタシにとって貴女は天上の女神なんです」
 同性とはいえ、そこまで言われると麻里沙も悪い気はしない。
「鈴猫様、私は本当はそんな綺麗な女じゃないのですよ」
「ちっ、違います。麻里沙様は本当にお綺麗です!」
「綺麗じゃないのよ。本当はね……。私は、エッチな子なの」
 そこまで言えば、麻里沙の言うことが鈴猫にも伝わった。
 もう純潔ではないのだと言っているのだ。
「そのもしも、麻里沙様が男の人とエッチなことをしていても、私は全然そんなの気にしませんから」
「そうなの、どうしてそんなことが言えるの……ゆっくり聞かせてくれる。もっとこっちに来てくださる」
「はい……麻里沙様」
 どうやって、麻里沙が鈴猫を口説いたかは端折る。

 ウブな鈴猫をベッドに押し倒して、話を誘導するのはわけなかった。
 なにせ、今の麻里沙はもう、これまでの耳年増なだけのお嬢様ではない。
 実際に男と経験したという自信が、鈴猫のような未経験な小娘を圧倒する。
 麻里沙が、「自分は男と関係して汚れた浅ましい女」だと告白すれば、鈴猫は自分はもっと汚れていてエッチな女だと言い返す。
 そう言いながらも、性的に興奮してきたのはお互い様のようで、お互いに小鳥がつつきあうようなキスがだんだんとエスカレートしていって唇のなかの唾液を啜りあい、舌を絡めあうまでいくのもすぐだった。
 同性愛の趣味はないが、レズプレイも悪くないじゃないかと麻里沙は思った。
 麻里沙は、醜い男と舐め合った舌をそのまま無垢で汚れない鈴猫の舌に絡めていると思えば、その興奮はひとしおである。
 男と舐め合った舌を、貴女は舐めているのよと言ってやれば、そんな顔をすることだろう。
 まだ早い。
 まだ、そんなことを言ってはいけない。
 麻里沙が鈴猫を落とすには、もう少し雰囲気を高めていかないといけない。

「麻里沙様! 私もセ、セ、セックスはまだですけど。毎日オナニーしてたり、だからエッチなのは、そんなの普通だと思います!」
「ふうん、鈴猫様は真面目そうに見えるのに、本当はエッチなんですのね」
「はいそうです。麻里沙様、私だってエッチなんです」
「どんなことを想像してしてるんですか」
「それは、麻里沙様とこうなったりとか……」
「鈴猫様はお優しいから、私に気兼ねして、そんなことを言ってくれてるのではありませんか」
「ち、違います! 本当に毎日オナニーしてます」
「じゃあ、ここでしてみてくださる」
「……分かりました」
 鈴猫は意を決すると、スカートを押し上げて股間を手でさすり出した。
「服は着たままでオナニーされるのですか」
「普段はそうです。でも激しいときは濡れちゃうから、インナーは脱ぐかもしれません」
「じゃあ、脱いでしまいましょうか」
 そう言うと、麻里沙はスカートの中に手を差し込んでするっとパンティーを脱がしてしまう。
 純白にピンクのリボンがついた鈴猫らしい小さなパンティーだった。
 同性愛の趣味がない麻里沙でも、若々しい女の子が顔を赤らめて恥ずかしがる仕草にはゾクッとしてしまう。
 無垢なものを汚す歓びを感じる。
「ああっ、麻里沙様。そんな……」
「可愛いお尻ね」
 麻里沙の手が、鈴猫の小さな臀部に触れただけで、ビリッと電気が走ったように身体を小刻みに震わせた。
 すでに愛おしい麻里沙とキスをしていた段階で、鈴猫のあそこはビショビショに濡れていたのだ。
 だから、こうまでされると股は洪水のようになった。
「みっ、見ないでください!」
「あらまあ~、鈴猫様の下着は凄いことになっているのですね」
「返してくださいー」
 パンティーを裏返して、汚れを確認している麻里沙に慌てて鈴猫が奪おうとする。
「あら、私に汚れたところを見せてくれるのではなかったのですか」
 そう言われると、鈴猫は抵抗を止めた。
「そ、そうでした。すみません」
 小刻みに肩を震わせた小さな鈴猫は、まるで小動物が怯えているようで、麻里沙の嗜虐心を刺激する。
「じゃあ、見ていいのですね」
「は、い……。鈴猫の汚れてるところを、どうぞ見て下さい」
「記念撮影してもいい?」
 麻里沙の口からそのような言葉が出た。
 淫行の証拠を残すなど、愚の骨頂だと分かっているのだが、溢れんばかりの性欲の箍が外れてしまっている麻里沙は止まらない。
「麻里沙様がそう望むのでしたら」
「じゃあ、オナニーは続けていらしてね」
 麻里沙は、鈴猫のブラウスのボタンを外してブラを抜き取った。
「綺麗な胸ね」
 Aか大きくてもBカップか。まだ小さいけれど、形の良い美乳といえる。十四歳といえばまだ発展途上なのだから、これぐらいの胸で当然なのだ。
 Dカップに達している麻里沙が大きすぎるのである。
「麻里沙様みたいに、大きくなくて形も良くないですから……」
「あらそんなことないですわよ。鈴猫様の胸も、可愛らしいではないですの」
「麻里沙様……」
 鈴猫はどこで自分の胸を見たのだろうかと麻里沙は思った。
 体育の着替えのときだろうか、さすがに同性愛者だけあって、鈴猫は麻里沙のおっぱいを目ざとく観察しているらしい。
 そんなことを考えながら麻里沙は、スマートフォンのカメラで鈴猫が小さく喘ぎながらオナニーする様子を撮影しはじめた。
 麻里沙の持っているのは最新機種なので、最近はスマホのカメラといってもバカにできないほど高画質である。
 撮る行為自体が興奮するということもあるが、あとでミノルに見せてやれば興奮するのではないかと思うと、麻里沙はまるで自分が責める男の側になったような気分でより一層ドキドキするのだ。
 悪いことをしているという気分が、冒険心を盛り上げてくれる。
「ほら、自分でパンティーを広げて見せなさい」
「はい! 鈴猫の下着はエッチなお汁で汚れてます。エッチでごめんなさい麻里沙様!」
 そんなこと言えとも命令していないのに、鈴猫はそんなことを口走る。もともと、被虐趣味があったのか、相手が大好きな麻里沙だからなのか。
 鈴猫は極度の興奮状態で、顔は真っ赤でブラウスがずり落ちた肩まで紅潮しているので、もう訳が分からなくなっているのかもしれない。
 興奮は伝染する。
 スマートフォンのカメラを握りしめたまま、麻里沙はもっとよくしているところを見せなさいとスカートを一番上までたくし上げた。
 鈴猫の可愛らしいオマンコがよく見える。
「鈴猫様のここ、びしょびしょになってますのね」
「はい、ごめんなさい。ああっ、鈴猫はエッチではしたないです!」
 そこが一番感じるのだろう、クリトリスをいじる指を上下させる。
 極度の興奮で鈴猫は股から太ももまでもが、びっしょりと濡れている。それでも、綺麗なものだと麻里沙は思った。
「中を自分で開いて見せてみなさい」
「はい……麻里沙様」
 真っ赤に膨らんだクリトリスの皮が半ば剥けていて、ピンク色の穴は興奮で広がっているが、綺麗な処女膜が残っているのが見える。
 自分はおっさんに犯されて処女膜などなくなってしまったのに、同い年の鈴猫にはそれが綺麗に残っている。
 なんだかズルイなと麻里沙は思って、ちょっと意地悪をしたくなった。
「ちゃんと洗ってるの、マンカスがついてるんじゃなくて」
「ごめんなさい、鈴猫のは汚いです。ちゃんと洗いますからご容赦ください」
 たぶん白く濁っているのはカスではなく、滲み出してきた愛液だろう。
 そう分かっても、あえて詰る。
 茶褐色の瞳に涙を浮かべた鈴猫の様を見て、麻里沙は興奮を禁じ得ない。
 だから、舐める。
「ん……本当に、汚いマンコね」
「ああっ! ダメです! 麻里沙様そんな汚いところを……ああっ!」
 ダメダメといいながら、腰を押し付けてくる。
 感じている鈴猫の可愛い顔を見ながら、自分もじんわりと濡れてくるのを感じた。
 精液がこぼれ落ちないように、麻里沙の股間に埋め込んである極太のタンポンがキュッキュと締まる。
 ベッドの頭に背中を押し付けるようにして丸まった少女は、一番感じるお豆を舐められてとろとろに蕩けている。
「なにが、ダメなの?」
 手で舌で、少女を弄ぶのは楽しかった。
「はっ、はう……!」
 ビクビクッと身を震わせて、感極まったのか耳たぶまで真っ赤にして顔は涙でぐしょぐしょになっている。
 股間の洪水は、壊れた水道のようだ。
 息も絶え絶えに、なったのを見て気持ちが高ぶりすぎた麻里沙は危険なことをした。

 自分の股ぐらを見せたのだ。
 男にタップリと中出しされて、タンポンが詰まった膣をである。
「ほら、鈴猫様。私のをよく見て、汚れているでしょう」
「あっ、ああ……麻里沙様はやっぱり、男の人ととなされたのですね」
 それを誰かに話されたら、麻里沙は破滅なのだ。
 それなのに、麻里沙は見せた。
 鈴猫ならば、信じてもいいと思ったからだが、こんな迂闊なことをしたのはやはり興奮しすぎていたからだろう。
「そうよ、男の精をタップリと注がれて、タンポンで蓋までされたわ。汚いと思うでしょう、汚らわしいと思うでしょう」
「いいえ、麻里沙様は全然汚れてなんかいません。男の汁にまみれても、麻里沙様のここはこんなにお綺麗ですもの」
 そんなことをしろと言ってないのに、鈴猫は麻里沙の股ぐらからこぼれ落ちる、男の苦い汁を舐めてさえみせた。
 麻里沙の液が混じっていれば、見知らぬ男の液でも舐められると思ったのだ。
 その姿に真心を感じて、麻里沙はついにとんでもないことを言い始める。
「本当に? じゃあ汚い私のあそこから出てきたこのタンポンを貴方の膣に入れてもいい?」
「いいです、入れてください!」
「本当にいいの? だいぶ時間が経ってるから大丈夫とは思うけど、見知らぬ男の精で妊娠しちゃうかもしれないわよ」
「麻里沙様と一緒の男の人にされるなら、私は大丈夫です! どうか一緒にしてください」
 麻里沙も、鈴猫も、極度の興奮状態で何を言っているのか分かっていないのだ。
 それはもはや、うわ言だった。
 あるいは、性的な行為はやはり、男の精を介すべきという女の本能だったのかもしれない。

 売り言葉に買い言葉というわけではないが、麻里沙は鈴猫の上にたって命じた。
「じゃあ、注ぎ込んであげるから自分で股を開いて上を向けなさい」
 タンポンを抜いて、股ぐらをこすり合わせて、麻里沙の中に出された精液を鈴猫の無垢な女性器に注ぎ込んでやる。
 その愉悦。
 もっと上手に股を合わせたいが、さすがに麻里沙にもそんな経験がなかったのであまり上手くできなかった。
 差し込む漏斗か、注射器か。せめてスポイトのようなものがあれば、もっと上手く精液を注ぎ込めるのにともどかしくも思う。
 次々と、そんな変態的な発想が出てくることに、ゾクゾクしてしまう。
 麻里沙は、まるで自分が射精して、鈴猫を孕ませるような気持ちで、感極まった。

 そして最後に、鈴猫の無垢な膣口にタップリと精液を吸ったタンポンをぐぐっと挿入してあげる。
 鈴猫の膣に力強く押し込まれるパンパンに膨れたタンポンは、ゴリゴリと膣口を広げる。
 鈴猫の処女膜を削り取りながらも、すっぽりと収まった。
「ああっ!」
「フフッ……」
 麻里沙は、自分が鈴猫の処女を奪ってやったような、不思議な高揚感と満足感に包まれたのだった。
 このとんでもない危険行為は、麻里沙の手によって撮影されて終了となった。
 最後に記念撮影を行ったのは、鈴猫が心変わりして訴え出ようとするのを防止するためだったのかもしれないが、すっかり麻里沙のドSな本性に魅了された鈴猫に、その心配はなかったのであった。
第十章「女子中学生 北原麻理沙 2」
「……んんっ」
 西日を浴びて、北原麻理沙(きたはら まりさ)は目を覚ます。
 うーんと伸びをして起き上がると、沈みかけた夕焼けと、まだ残ってグラウンドで練習を続けているサッカー部の選手たちが見えた。
 麻理沙は、屋内体育館の入口にあるベンチに寝かされていたようだ。
「あっ、起きましたか」
 麻理沙の目の前で、長澤珠衣(ながさわ たまえ)が笑顔を見せている。どうやら、寝ている麻理沙を見ていてくれたらしい。
「あら、ごめんなさい寝てしまったんですね。あの、たまちゃん部活は?」
「そんなのとっくに終わってますよ」
 あちゃーと、麻理沙は思った。
 どうやら部活をすっぽかして寝てしまったようだ。昨晩は、夜更かししてほとんど徹夜してしまったから。
「たまちゃんにも迷惑をかけてしまいましたね」
「いいえ、私は保健委員だからこれもお仕事ですよ」
 えっへんという様子で、たまちゃんは頭のボンボンを揺らした。
 相変わらず、この子は変わった子だ。
「んんっと……」
 あれっ、部活したような覚えもあるけれど……部活は出たんだっけ。麻理沙は、記憶が混濁して少し混乱する。
 あまりにも、先ほどまでの『淫夢』が激しすぎて、現実とごっちゃになってしまったのかもしれない。
 まだ強く突き上げられた股間がジンジンして、強く揉まれた胸の感触がリアルに思い出せてしまう。
 もちろん、すっかり紺色の制服を着ているのだからそれが現実にあった出来事なんてことはないのだろうけど、安心だけどちょっと残念にも思う。
 あの非日常感は最高だった、もういちどあんな夢を見られたらいいのに。
「どうしたんですか、北原さんまだお疲れですか?」
「いえっ……なんでもありませんわ」
 私の夢のなかで、『貴方はブサイクなオッサンに恋をして、中出しをかまされてましたのよ』、なんて言ったらこの子はどういう顔をするだろう。
 そんなことをちょっと考えて、麻理沙は苦笑したのだ。
「大丈夫なら帰りましょうか、もう下校時間過ぎてるから怒られちゃいますよ」
 あんまり厳密ではないのだけれど、下校時間は決められていて、それ以上の部活は許可がないとできないのだ。
 屋内体育館にも見回りが来るからあまり残っていると怒られてしまう。
「私のために遅くまで残らせてしまって、ごめんなさいね。私が迎えの車を呼びますので、たまちゃんも送らせてください」
 麻理沙はそう言うと、携帯電話を取り出して手配させた。

     ※※※

 珠衣を自宅まで送らせたあとで、麻理沙が北原家の玄関前に止まった黒塗りのハイヤーから降りると、執事の中沢が「お嬢様今日は遅かったのですね」と出迎えてくれた。
 有能だが、相変わらず口うるさい老人だ。
「私も、いろいろと付き合いがありましてよ」
 そう言って牽制すると、三階建ての豪華な邸宅へと入っていく。
 姉も独立して、両親と麻理沙と使用人しか住んでいないお屋敷だ。
 こんなに大きな家は必要ないといつも思うのだが、これも家の格式というものだからしょうがないのだろう。
 そもそもその両親も、麻理沙の手がかからなくなってからはあまり家に帰って来てこないから余計に、ガランとしたロビーに寂しさを感じる。
 これで使用人もいなければ、もっと寒々しいのであろうから、口うるさい老人でもいないよりは良いという者だろう。
 エレベーターもあるのだが、あえて階段をゆっくりと登って、三階にある自分の部屋へと歩いていく。
 そろそろ日もくれるが、夕食の時間にはまだ早い。
「ふうっ……」
 着替えしようとして、制服の上衣とブラウスを脱ぎ、ふと姿見に映る自分の姿を見て悲鳴をあげた。
「ぎゃあああぁぁ!!」
「おっ、お嬢様どうなさいましたぁ!」
 たまたま同じ階で掃除でもしていたのだろう、メイドの坂田さんが慌てて扉をドンドンドンと叩く。
「なんでもありませんわ!」
「なんでもって、尋常じゃありませんでしたよ」
 坂田さんを安心させるように、がちゃっと扉を開けて顔を覗かせる麻理沙。
「そっ、そうだ、今日はご飯はいりません。もう先に休ませていただきます」
「お嬢様、お具合でも悪いのですか」
「そうですね……コホコホ、ちょっと風邪気味なのかも、薬でも飲んで寝ますので」
 呆然とするメイドの坂田を残して、バタンと扉が閉じられた。

「はぁ、どうしましょう~!」
 姿見に映る、麻理沙の白いお腹には少し滲んでいるが『2-2 北原麻理沙』との文字が書かれている。
 制服のプリーツスカートをサラリと落として、美しいレースの入った黒いシルクのパンティーを脱いでみると、股のクロッチの部分にベッタリと精液が残っていた。
「わ、わたし……」
 大変なことをしてしまった。
 あのブサイクな男性とのまぐあいは、夢ではなかったのだ。
「ううっ、夢じゃありませんよね」
 クロッチで乾きつつある、白濁した汚れをマジマジと見つめてため息をつく。
 思わず嗅いでしまい、顔を歪めた。パンティーの染みとなって残るその雄臭さは、紛れも無い現実。
 まず麻理沙がすべきことは、たっぷりと中出しされてしまった膣の洗浄であろう。お風呂に行って洗うべきだった。
 それなのに何を考えているのか麻理沙は汚れたパンティーを握りしめたままで、フラフラとサイドボードの上に置いてあるデスクトップパソコンの電源を入れた。
 ブラウザを立ちあげて、キーボードで検索ワードを入れる。
 調べたのは、『妊娠』と『排卵日』について。
 なるほどである、妊娠の危険がどの程度かを調べるのは当然と言えた。すでに中出しされてだいぶ経っているのだから、今更洗っても仕方がないのも道理、賢い麻理沙はクールである。
「妊娠の危険性が高いのは、排卵日二日前って、ドンピシャじゃないですの!」
 思わず声を荒げてしまった。
 正確には、排卵日を計測出来ないものの、前の生理日は思い出せるのでそこから特定できる。
 麻理沙の排卵日はもうすぐだった。
 なんでよりにもよってこんなタイミングにとも思うが。
「ある意味で、必然ですわね……」
 元々の原因は、麻理沙の異常な性欲の高まりにあった。おそらく排卵日が近づいてくることによって、身体が準備を始めていたのだろう。
 十四歳にして、メスとしての成熟を迎えていた麻理沙の身体は、荒々しい雄を求めていた。
 そこであの男と出会ってしまった。決して良い男ではなく、それどころか最底辺のブサイクな男。そういう下等なゲスにレイプされて妊娠してしまうシチューエーションは麻理沙のお気に入りだった。
 そのせいだろう、てっきり夢と思い込んで、自分の欲望を解放してたっぷりと感じて中に何度も出されてしまった。
 麻理沙、痛恨のミス。
「はぁ、終わったことはしょうがありませんわ」
 排卵時期に集中的に中出しされても、受精する確率は八十五パーセント、その受精卵が無事に子宮内膜へ着床する確率は二十五パーセント。
 まだ若い麻理沙の卵子は元気なので、ほぼ百パーセント受精するかもしれないが、子宮への着床率はまだ若すぎて万全ではないのでむしろ確率は低まる。
 幸いなことに、危険日に中出しされても、妊娠の確率は二十パーセントほどなのだそうだ。
「良かった……確実に妊娠するってわけでもないんですのね。八割の可能性で着床しないなら、分の悪い賭けとは言えないでしょう」
 ちょっと安心して検索を続けていると、精虫が泳ぎまくる画像なども出てくる、精虫が卵子に群がって受精する瞬間の画像なども出てくる。
「あの醜い男の遺伝子をたっぷり含んだ精虫が、私のお腹の中で泳ぎまくっているなんて……はぁ、わたしったらなんてことをしてしまったんでしょう」
 膣に中出しされた精液は、射精後の五、六時間で子宮の奥にある卵管峡部にある精子貯蔵所にたどり着き、排出される卵子を待ってスタンバイする。
「……そして、卵子を貫かれて赤ちゃんを受精しちゃう」
 麻理沙は、マウスをまさぐるようにいじりながら、人には見せられないような蕩けた顔で、ハァハァと艶かしい吐息を漏らす。
「どうしましょう……。赤ちゃんが出来るのは、絶対に困ります。絶対にあってはならないことです……あんな男の赤ちゃんを授かったら身の破滅ですわ」
 そう言いながら、麻理沙が検索するのはなぜか『妊娠しやすい体位』である。
「うわぁ、オーガズムに達すると妊娠しやすくなるって書いてありますわ」
 性的快楽が大きい時に、お腹が張ったような感覚をバルーン現象と言い、膣が締まり、膣奥が風船のように空洞化して子宮口が下がっていく
 そして膣が男性器をしっかりと捉えて、膣壁が蠕動して、精子を吸い上げる状態になる。
「バルーン現象、しっかりとありました、わよぉ……」
 あの男との獣のように激しいセックスで、何度イッたことだろう。
 麻理沙の意志に反して、健康な麻理沙の中の女の子はたっぷりと感じさせられて、はしたなく男の精液を啜り上げて妊娠を求めていたのだ。
 何せ妄想しまくって、ずっと求めていた本当のセックスだ。その刹那は、気持よくて気持ちよくて堪らなかった。
 いや意志に反してではない、麻理沙自身「妊娠したい」と言ったではないか。麻理沙は、自分から「あの男の赤ちゃんが欲しい」と宣言したのだ。
「夢だと思ってたから、しょうがないじゃありませんの!」
 麻理沙は、パチンと乱暴にパソコンの電源を落とすと、大きなベッドに向かった。
 ベッドで股を開いて、手鏡で自分のアソコを覗きこむ。
「うわぁ、なんてことですの、やっぱり汚されてますわね」
 膣の入口にはまだ、男の白濁した精液の痕跡が残っていた。夢ではない、本当の本当に女性器の奥底までも、征服されてしまったのだ。
 しばらくパクパクと物欲しげに口を開いた眺めていると、ヌルっとした液体がまた溢れてきた。
「まだ出てくるなんて、一体あの男はどれぐらい私の中に射精したんですのよ」
 はぁ~と深いため息を吐いて、形の良い眉根を顰めた。夢と思っていたとはいえ、思い返すと自分はなんて軽率な、なんて愚かな真似をしたのだ。麻理沙は深い後悔の念にブラウンの瞳を潤ませて、涙が出てきそうになる。
 それでも、時の針は戻せない。
「しょうがありませんわね、こういうときはアレをするしかありません」
 絶望に心を揺さぶられたとき、感情が高ぶったときに変態の麻理沙がすることといえば、オナニー。それしかない。
 パチンと、ブラジャーのホックを外すと、麻理沙は全裸になってベッドの上に寝そべった。
「膣から零れてくる液体で、ベッドが汚れてはいけませんからね」
 腰の下にクッションを置いて、腰の位置を高くする。これで、逆流した精液でベッドのシーツは汚れない。
 そんな言い訳を自分の中でして、その実はあのブサイクな男に中出しされて子宮まで汚し抜かれたことに、麻理沙は興奮している。
「さっきサイトに書いてありましたものね……」
 腰の位置を少し高くすることで、麻理沙は膣奥に溜まった精液は、子宮口から麻理沙の赤ちゃんを作る部屋にどんどんと流れていく。
 こうすると、中に出された精子がスムーズに移動できるようにする。そのままじっとしていることで、妊娠率が高まる。
「いえ、いえっ、ダメですわっ! 妊娠しちゃダメ。……受精するだけ。そっ、そうですわ、受精しても着床しなければまったく問題ないですもの」
 大問題だと思うのだが、麻理沙はもう中に出されてしまったので仕方がないと割りきっている。
 二年ほど前に初潮が来てから、生理は軽いほうで、これまで生理周期が乱れたことも健康な身体の麻理沙の卵子である。受精はもうほぼ確実にしてしまうだろうと思えた。
 それでも、その卵子が子宮内膜に着床する確率は、たった二割だ。
 どうせ確率が同じなら、それをオナニーのネタにしてしまうほうが良い。
 北原麻理沙は、恐ろしいほどに前向きな変態お嬢様だった。
「ああんっ、今私のお腹の中に、いっぱいあの男のオタマジャクシが泳ぎまわってるんですわね」
 そう考えるだけで、すごく下腹部が熱い。
 そっとお腹をさするように手を触れて、そのままその細い指先は勃起したクリトリスを貪るように弄る。
 そう自分のお腹の奥で、男の精液が暴れまわっているのを想像しただけで、麻理沙の肉芽は、恐ろしい程にビンビンに勃起していた。
 麻理沙の股は、ビッショリと濡れている。
「そうっ、そうですわ。ママの卵はもっと奥ですわよ。ハァハァ……かわいいおたまじゃくしさんたち、お母さんが手伝って上げますからね」
 そう言いながら、腰をクイクイっと天に突きあげて、奥へ奥へと自ら精子を導こうとする。
 バカじゃないのかと思うのだが、自ら受精を求めるその愚かな行為が、たまらない楽しかった。ことが性欲になると、その行為がバカげていればいるほど、気持ち良くなってしまう。麻理沙の厄介な性である。
 あの元気な男のオタマジャクシだから、きっとこんなことをしなくてもみんな奥まで泳ぎきるだろうけどと、思考してふと思い出した。
「そう言えば、私……あのオジサンの名前も知らないんですのね」
 男に関心がなかったから、麻理沙はセックスの前に、男の名前すら聞かなかった。どこの誰かも知らない男の精子を、今まさに受精をしようとしている。
 そう思うと……、麻理沙はすごく興奮する。
 股をまさぐる手の動きが早まり、膣口から愛液がドロドロとあふれだす。胎内に生暖かい熱気が広がっていく。
 クリトリスを指で捻り上げて、柔らかくなった膣奥に指でズコズコすると、意識が飛びそうなほどの性感が全身を駆け抜けて行く。
「ハァハァ……飛ぶ、飛んじゃいそうっ! 種付けアクメ最高ですわ。妊娠するって、こんなに気持ちがいいことなんでしょうか、イクッ、イクッ、イグッ!」
 麻理沙は、だらしない絶頂顔で、舌をベロンと突き出している。
 腰を思いっきり突き上げて、グッと背を仰け反らせてオーガズムに達して、プシュップシュッと音を立てて潮を飛ばした。
「ああっ、私何を言ってるんでしょう。知らない男の子供を妊娠なんてダメですわ、ありえないですわよ。受精するだけ、ほんのちょっと受精するって思っただけなのに……気持よすぎてダメになりそう」
 もし、麻理沙が、見知らぬ男の子供を、本当に妊娠してしまったらどうなる。
 あの北原のお嬢様が、どうしてこんなことにと、後ろを指さされる。
 みんなに何と酷い言葉で蔑まれることか、両親をどれほど失望させることか、身の破滅、身の破滅!
 ああ哀れ麻理沙お嬢様の人生は、たった十四歳にして台無しになってしまう。全てが音を立てて、崩れ去ってしまう。
「ああっ、そんなのいけない、なんて可哀想な私なんですのぉ!」
 ダメなことをやるのが気持ちいい、可哀想な境遇に置かれるのが気持ちいい、胸が張り裂けそうなほどの背徳感がたまらない。
 知らない男の赤ちゃんをお腹に抱えて、途方に暮れる自分を想像しただけで、股をまさぐる手は止まらずに、麻理沙はまた更に深いオーガズムの領域に到達する。
「あぐっ、ふぐっ、くくくっ……もしママになっちゃったら、きっと母乳も出ちゃいますのね」
 いつかやりたいと思っていたプレイに、搾乳プレイがあった。
 麻理沙の頭に、一つの光景が浮かぶ。
 妊娠したことで、さらに大きくなった麻理沙の乳房を、あの男はめちゃくちゃに強く揉みしだいてピュッピュッと褐色の乳首から、真っ白いミルクを搾り出すだろう。
「おっぱいミルク、私のおっぱいミルク……出るっ!」
 もちろんまだ妊娠していないから、母乳など出ないのだが、そんな妄想に浸って、両方の乳房を揉みしだいて、ギュウッと搾乳して勃起した両方の捻り上げて、また絶頂に達した。
「ミルクッ、おっぱいミルクッ、イグッ、イグッ!」
 こんな調子で、麻理沙は一晩中、無様な絶頂顔を晒しながら、思考が蕩けるほどに、身悶えし続けたのであった。

     ※※※

 受精オナニーですっかり盛り上がって、そのまま寝てしまった麻理沙は、遮光カーテンから差し込む朝日を見て、しばらく落ち込む。
「ああっ、私ったらまたあんな変態オナニーを……。名前も知らない男の精子で受精とか、妊娠とか、何考えてるんですのよ!」
 冷静になると、本当に自分バカじゃないかと思うのだが、その時は盛り上がってしまうのだ。
 麻理沙は、気分をしゃっきりとさせるために早朝にシャワーを浴びる。あとお腹にマジックで書いた文字と、股間を綺麗に洗ってから、制服に着替えて家を飛び出していった。
 昨日の夕食も朝ご飯も食べずに、メイドや執事には心配されたが、それどころではない。あんまりお腹も空かないし、オナニーってダイエットに使えるなとか思いながら、今日は早めに出かける。
 妊娠の危険は危険として、麻理沙にはまず、早急に対処しなければならないことがあったのだ。
 昨日の北原麻理沙と長澤珠衣の痴態が映った、ビデオカメラの映像データを回収しなければならない。
 翌日、学校に行く前にすぐに屋内体育館のプールに行って、しまってあったビデオカメラを調べた。
「あれ、映像が無いですわ……」
 もしかしたら、あとであの男か、珠衣がデータを消去したのかもしれない。危険なデータとは言えるので、その可能性も考えられる。
 すでに動画が無くなっていれば問題はないのだが、刺さっているはずのSDカードがないのが不吉だった。誰かが持ちだした可能性もある。
 学校に行って、珠衣に尋ねると。
「ああ、あの映像ならコーチが持って帰ったよ」
 そんな恐ろしい返事が返ってきた。
「なんてことですの……」
 もし、万が一あの映像が表に漏れたら、麻理沙は破滅だ。珠衣だってタダでは済まないのに、ケロッとした顔をしているので、文句の一つも言いたくなったがぐっと堪える。
 この少女は、もうあの男に身も心も奪われているようだ。
 敵対したらコーチとやらの味方をするかもしれない。なるべく優しく、微笑んで麻理沙は珠衣に尋ねた。
「ところで、長澤さん。あのコーチさんは今どこにいらっしゃるんでしょう。身元とか、お名前はご存知なんですよね」
 そう尋ねた麻理沙に、頭にボンボンみたいにくくっているボンボンを、「ううん」と左右に揺すった。
「ううんって、もしかしてご存じない」
「いっつもコーチから連絡があるから、昨日も半月ぶりだったし、そういやコーチの名前ってなんだっけ……」
 ここまで天然ボケなのかこの少女はっ!
 名前も知らないオジサンに中出しされて、妊娠したらどうするのかっ!
 そう叫びたくなったが、そう言えば麻理沙もそうではないか。ブーメラン発言も良い所なので、ピキッピキッさせながら笑顔を強ばらせて、くるりと後ろを向いた。
 携帯電話を取り出して、北原家の執事に電話する。
「もしもし、中沢。すぐに調べて欲しいことがあるんだけど……そう、至急よ。全力で調べてちょうだい!」
 人相書きを手配して、北原家の調査網を使って、街をフラフラとしている浮浪者の足取りを追った。
 そこらにいるとは目星をつけていたのだが、思ったよりも時間がかかり、潜伏先のマンガ喫茶が掴めたのは一日経ってからだった。
「お嬢様、この男が何なのですか?」
「それは、トップ・シークレットよ」
 執事の中沢には、男と会うにあたって運転手を手配しようとか、誰か付き添いをつけようかと提案されたが、断った。誰にも知られてはならない。
 これは麻理沙が一人で解決しなければならない問題だ。

     ※※※

 フラッと雑居ビルから出てきたミノルに、待ちぶせしていた麻理沙は声をかけた。
「ちょっとお待ちなさい!」
「んっ、誰だお前……」
「誰だって、つい二日前に会ったばかりですのよ」
「ああっ、珠衣のやつと一緒に居た変わった女の子か」
 変なオジサンに、変な子って言われた。ミノルのようやく思い出したという反応がリアルで、本当に忘れられていたのかと思ったらプライドをいたく傷つけられた。
 麻理沙ほどの美少女、一目みたら忘れないであろうのに、それどころか初めてをあげた相手であるのに、それを忘れたというのか。
 愕然と立ち尽くしてしまうが、今はそれどころではないと気を取り直して叫ぶ。
「わっ、私は北原麻理沙、北原麻理沙ですのよ。昨日は、ろくに自己紹介してなかったからしょうがないけど、忘れないでくださいね」
「うんそれで、その麻理沙がどうした」
 ぼんやりとした、間の抜けた顔だ。本当に麻理沙の痴態が映ったSDカードを所持しているのかどうか心配になってくるが、とにかく話を進めないといけない。
 すぅーはーと深呼吸してから、びしっと指さして麻理沙は言った。
「戸隠ミノル(とがくれ みのる)、貴方のことは調べさせてもらいましたわよ」
 ミノルはそれを聞いて、感心した顔をする。人に名前を呼ばれたのは久しぶりだ。
「ほう、俺の名前をどこから調べた」
「貴方が昨晩宿泊した、マンガ喫茶の会員登録データからです。戸隠ミノル、三十二歳、独身、両親もすでに他界。高校を卒業後、停職につくことなく住所不定で各地を転々としていることまでしか分かりませんでしたわ。……と申しますか、無職はまだ分かりますけれど、住所不定ってなんなんですの。貴方は、どうやって生きてますのよ!」
 そんな人間が存在するなど、麻理沙にとっては想像の埒外だった。
「そんなこと、俺に怒られても困るよ」
「と、とにかく、私の痴態が映ったビデオのSDカードを返してください」
 ああこれかと、ミノルはポケットからSDカードを取り出す。
 ミノルとしても滅多にない面白映像であったので、あとで見なおして楽しもうと思っていたのだが、別に対して大事だと思ってない。
 ただ、この麻理沙という女の子がそれにこだわっているようなので、ミノルはわざと意地悪を言ってみた。
「嫌だねと言ったら?」
 警察に……と言いかけて、麻理沙は押し黙った。
 この男に元からそんな脅しは通用しない。身元を調べあげて詰問してやってるのに、平然とした顔をしている。この男には、おそらく失うものなど無いのだ。
 下手に刺激するほうが危険だと、聡明な麻理沙は思う。
 ここは、出来る限り穏便に事を運ばなければならない。
「お金なら多少は用意してます、私のお小遣い程度ですけれど」
 麻理沙のお小遣い程度という金額が、札束で分厚くなった茶封筒なのだから、やはりお嬢様だ。
「金なんかいらないな」
「金では転ばないというわけですか。その日暮らしをしてるのに、立派ですわね。もっとも、貴方は不思議とお金には困ってないみたいですから、何か秘密があるのか……」
 北原家の力は金だ。
 金も地位もいらないという人間を相手にするのは、麻理沙にとって初めてであった。それはある種の恐ろしさと、奇妙な尊敬も感じる。
 異形の存在を前にした、畏怖の念に打たれたと言えばいいのかもしれない。本当に訳の分からない、ミステリアスな男だと思った。
 あの時の麻理沙が、夢だと思ってしまうのも無理はない。ここに確かに居るのに、次の瞬間にはふらっと消えて、どこにも居なくなっているような、ミノルからはそんな感じがした。
「つまらないな。そんな話をしに、わざわざこんな場所までやってきたのか。お前は中学生だろ、こんな平日の昼間っから学校はどうしたんだよ」
 ミノルこそ、いい大人が平日の昼間っからなんでブラブラしているのか。
 そう言い返しては、ミノルのペースにハマるばかりだ。
 努めて冷静になると、麻理沙は新しい提案をする。
「ミノルさん、金がダメなら女ならどうですか」
 金がダメなら、あと麻理沙に使えるのは女の武器だけ。
「女ねえ……」
「私を抱かせてあげますわよ。それと交換に、SDカードを返してください」
「ふんっ、面白いことを言うなあ、それなら構わないけど」
「じゃあ、私の後を少し離れて付いてきてください」
 少し離れてと言っているのに、近づいてきて肩を抱こうとしてきたので、麻理沙は跳ね除ける。
 当たり前だ。今日は念の為に制服では来ていない。私服のワンピース姿に、帽子を深々と被って顔を隠しているけれど、さすがに年格好まではごまかせない。
 ミノルみたいな三十路過ぎのオジサンと、幼さの残る女の子が平日の昼間っから親しげに歩いていては、怪しすぎる。
「ちょっ、こんな街中で、何を考えてるんですの!」
「なんだ、抱かせてくれるんじゃないのか」
 麻理沙に拒絶されると、ミノルは意外にも素直に肩をすくめて下がった。
「我慢なさい、部屋についたら、いくらでもさせてあげますわよ」
 やはりこの男、底が知れないと麻理沙は内心で恐れた。大人の男ですら、舐めて掛かっている麻理沙が、こんなに心震わされるのは初めてだ。
「お前さ、名前なんだっけ。ちゃんと覚えておくわ」
「もうっ、北原麻理沙ですわよ。二度と言わないからちゃんと覚えてらっしゃい!」
 一定の距離を保ち、こんな言い合いをしながら、二人は大きな賃貸マンションへと入っていく。
 ホールからエレベーターで七階に向かう。
「立派なマンションだな」
 そう言えば前、ここに何度か来たことあるなあと、ミノルはチラッと思った。
 ミノルは、どこにでも入れる男だからこの街で入れない場所などないのだが、マンションなどの人が日常的に生活する場所は結構好きで、よく忍び込んでいる。
 それはおそらく、ミノルが落ち着いた定住先を持たない反動なのだろうけれど、本人はそのことに気がついては居ない。
「うちの家が所有するマンションの一つですわ。八階は姉が使ってますが、私も七階のワンフロアを使ってもいいことになってますのよ。まさか、こんなことに使う嵌めになるとは思っても見ませんでしたけど」
「ふうん。麻理沙は、お嬢様なんだなあ。すごく、大きな部屋じゃないか」
 大きなフローリングの部屋だ、生活感はまるでないが綺麗に片付いて掃除されていて、埃一つ見当たらない。
 大きなダイニングキッチンに、テーブルに、ソファーに、ひと通りの家具は揃っている。寝室には、大きなベッド、大きな液晶テレビと、高性能なビデオカメラと、クローゼットの中に、ミノルが使えそうな着替えまで用意されている。
 ここらへんは準備のいい麻理沙が、あらかじめ用意させておいたものだ。
「そう言えば、ご飯まだですか。何か作りましょうか」
 麻理沙は、エプロンを付けると冷蔵庫を開けた。
「ああっ、えらくサービスがいいんだな」
「そりゃ、ご飯ぐらいわね。うーんと、でもここしばらく使ってなかったから、ろくな材料がありませんの。買い置きを頼んでおけばよかったですわ、冷凍食品なら充実してるんですけど……」
「じゃあ、それでいいよ」
 最近の冷凍食品は美味しいので、大好物だ。
「そんなのダメですわ、ちょっと待って下さいね。有り合わせで何とかしますから」
 麻理沙は、台所でニンニクを刻み始めた。鍋ではパスタを茹でて、フライパンで刻んだにんにくと、鷹の爪と、缶詰のオイルサーディンをカリカリになるまで炒める。
 美味しい香りが漂い、テーブルに座ってぽつねんと待っているミノルは、鼻をひくつかせた。
 茹であがったパスタにあさつきを乗せ、オリーブオイルと塩コショウで味を調えて出来上がり。
「材料がないって言ってたのに、立派なのが出てきたじゃないか」
 そんなことを言いながら、言葉少なくパクついている。麻理沙は、無言で食べているミノルにお茶を出しながら、どうやら、多めに作って正解だったようだと思った。
「私もいただきますわね、お味はいかがでしたか」
 自分で食べてみると、失敗ではないと思えるのだがミノルのような大人の男の口に合うか少しだけ不安だった。もっと濃い目の味付けのほうが良かったのではないかとか、いろいろ考えてしまう。食べ終わったミノルは、「美味かったよ」と言った。
 そうですか~と、麻理沙はホッとして笑顔を見せた。
「材料がないって言ってたのに、上手いもんだな」
「あら材料がない位、何とかできますわ。私は、お料理の実力もパーフェクトでしてよ」
 ちょっと不安だったくせに、麻理沙は腰に手を当てて自慢気な顔をしている。
「そうかい」
 そんな様子に、ミノルは苦笑した。十四歳にしては、本当に上手いほうだと言えた。麻理沙は、お嬢様育ちにしては何をやるにも卒がなく、機転が利くほうなのだ。
「ミノルさんは、家がないんでしょう。なんならしばらく、この部屋を使っても構いませんわよ。ただ、ここは女性専用のマンションなのであまり通路には出歩かないでくださいね」
「そりゃ、嬉しい申し出だね」
 女性専用マンションとの響きは魅力的だが、ミノルは一所に定住するつもりはない。まあ、食料はあるようだし、何日かは泊まって行っても構わないとは思うが。
「さてと、食事したんだし、ちゃんと歯も磨いてくださいね」
「うるさいなあ」
 飯を食わせてもらったし、それぐらいの希望は聞くかと、洗面所に行って素直に備え付けの歯ブラシで磨くミノル。
 誰が補充しているのか、部屋には真新しい生活用品やタオルが揃っている。
「それぐらい常識ですよ。お風呂には入ったんでしょうね」
「まあ、入ってきたよ」
 ミノルが昨晩、シャワーを浴びたのは事実だった。風呂に入らないときもあるから、御の字といったところだろう。
 麻理沙のほうは、事前にお風呂で身体を磨きあげた上に、膣内をビデを使って洗浄してきてもいるのである。そのため、麻理沙の亜麻色の髪からは、ローズの香りも漂っている。
「では、私を抱かせてあげてもいいですわ」
「そのことなんだけどさあ、本当に良いのか」
 無造作に約束のSDカードをテーブルの上に投げだしながら、ミノルは聞いた。
「何が良いのかですか」
「俺がセックスするって言ったら、ゴムとか使わないぞ」
 つまり、生セックスでいいのか。換言すると、中出しされて妊娠してもいいのかと言っているのである。
「構いません。あーでもちょっと待って下さい。勘違いしてはいけませんわよ。妊娠して良いって言ってるわけじゃないですからね」
「どういうことだよ」
 普通の大人とはかけ離れた無頼漢であるミノルから見ても、この北原麻理沙というお嬢様の感覚はどうもぶっ飛んでいる。
 詳しく聞いておかないと、何をやりだすか分からない。ちょっと面倒くさいとも思ったが、ミノルは詳しく聞いて置かなければ怖い気がした。
「私はすでに中出しされてますから、今回の周期ではもう手遅れです。だから何回中出ししても構いませんわ」
「じゃあ、俺の子供を孕んでもいいってことなんだな」
 チッチッチッと、細い指先を左右に振る麻理沙。
「違いますわね、私の子宮には貴方の精虫がたっぷりと泳ぎまわってますから、おそらく排卵があれば受精してしまうでしょう。そして、私は今日おそらく排卵日ですからね」
「だったら……」
 ミノルが開こうとした口に、プラスチックのケースを突きつける。
「……なんだよこれ」
「昨日の排卵検査薬です。ほら紫のラインが薄っすら出てるでしょう。多分今日あたりが排卵日ですわよ。私も、こんな便利なものがあるなんて初めて知りましたけれど」
 薬局で、膣内を洗浄するビデと一緒に買っておいたのだ。
「お前、なんでこんなものまで……」
「私は今日貴方の子供を受精します。そこまでは許してあげても結構ですわ。でも、妊娠はしませんのよ」
 麻理沙の不可解な言動に、ミノルの眼がはてなマークになった。
 ここまで、マイペースなミノルを翻弄した女の子も久しぶりである。変な子と言ったミノルの言葉も、まったく言いがかりというわけではない。
 麻理沙は、ミノルに『受精はするけれども、着床の確率は二十パーセントほど』という話を説明した。
「つまり八割方は妊娠しないから、中出しされても良いと……」
「そうですわ、まったく頭の働きの鈍い方はいけませんわね。ようやく私の言わんとすることを理解したのですね」
 えっへんと麻理沙は腰に手を当てて笑っているのだが、これどうしたものだろうとミノルはポリポリと頭を掻いた。
 ミノルは幸運の星の元に生まれた男だ。ミノルが強く孕ませたいと思ったら百パーセント孕ませられるのだが、それは黙っておくことにした。
「分かったよ、じゃあこれは麻理沙と俺の勝負だな」
「勝負?」
 これまで一方的に話を進めてきた麻理沙が、そこで止まった。
「そうだよ、お前は受精はするけれども妊娠しないようにする。俺はお前を孕ませたい。なっ、これは勝負だろ!」
 麻理沙を孕ませたい。ミノルの赤裸々な欲望を耳にして、麻理沙はゴクッとツバを飲んだ。だんだんと、胸が熱くなってくる。
「わ、分かりました……。いい度胸ですわねぇ、この北原麻理沙に対等の勝負を挑もうとは、まったくいい度胸です。後悔しても知りませんわよ!」
 ズカズカと、わざと下品に大股開きで歩いた麻理沙は寝室に向かった。そして、大きなレンズのついたビデオカメラを設置して、調整する。カメラをリアルタイムでテレビに繋げて録画をチェックできるようにしている。
 それだけかと思ったら、補助カメラをベッドの端や、棚の上に二台も置いた。どうして、そこまで撮影の質にこだわる。
 いや、それ以前の問題としてなぜ撮るのだ。
「なあ、麻理沙。それって、この前みたいにセックスの様子を撮ろうとしてるのか」
「そうですわよ」
 呆気無い返答。
「お前は、SDカードの映像を俺から取り戻したくてセックスするんだよな。なのに、なんで新しい映像を増やそうとする」
 意外にもミノルに冷静な指摘されて、麻理沙は手をバタバタさせてあたふたと慌てた。男はセックスしたがるから、そんな理由付けはいらないと思っていたのに、意外にこのオジサンは鋭いなと麻理沙は目を見張る。
 そして、その場限りの適当な理屈を語り始めた。まさか、あとでそれを使って自分がオナニーに耽るためなどとは言えない。
「それは……。えっと、記念撮影してあとでオナ……じゃない、証拠を残しておくため! そうですわ、これから行われるセックスが完全に合意の上によるものだと証拠が残らないと、貴方だって困るでしょう。考えても見なさい、私がレイプされたと主張したら、貴方を陥れるのなんて簡単なんですのよ。もちろんフェアな私は、そんなことはしません
つまり、この撮影は貴方のためなんですのよ」
 長い……、しかも、かなり考えこんでから答えた。
「お前、その理由……、今考えて言っただろ」
 図星である。
「そっ、そんなわけありませんですのよ。貴方のためって言ったでしょ、さあ撮影を開始しますわよ。ちょっとそこで見てなさい」
 麻理沙はカメラの前で、純白のワンピースのスカートをたくし上げた。
 ツルンとした股で申し訳ない程度に栗毛色のマン毛が薄っすら生えているだけ、パンティーを穿いていなかった。
 大きな液晶テレビと連動しているので、画面に麻理沙のマンコが大写しになっている。
「なんでパンティーを穿いてないんだ……」
 そんなミノルのつぶやきには、全く答えずカメラに向かってアピールするのに夢中になっている。
 ワイングラスを持っているので、何をやるかと思えば、いきなりオシッコを始めた。
「ああっ、検尿中ですので、ちょっとお待ち下さい」
「何やってんだよ……」
 ミノルは、もう突っ込むのも面倒になってきた。
 いや、いまからこのお嬢様にチンポを突っ込むのだが、あまりにも行動が奇矯過ぎるので面食らっている。
 そんなミノルを他所に、麻理沙は波々と黄金色の液体が注がれたワイングラスに、プラスチックの棒を突っ込む。
「フフッ、見えるでしょうか。紫色の印が色濃く出てきました。これが私、北原麻理沙十四歳が本日、危険日まっただなかの排卵日であるという証明です」
 証拠の排卵検査薬を、カメラに見せつけている。
「見ていただければ分かりますが、私は正気です。酔っているわけでもなく、誰に言われたからでもなく、明確な自分の意志で、この戸隠ミノルさんに抱いていただきます」
 そう言ってから、抱いていただくは大人しすぎる表現だと思った。桜色の唇に手を当てて、少し考えてもっと扇情的に言い直した。
「自分の意志で、濃厚な種付けセックスをしていただきます。私がお願いして生殖行為をしていただくので、赤ちゃんが出来てもミノルさんは責任を取らなくて良いです。私のマンコを使っていただいて、オナニーするようなものです。私の女性器に、無責任に好きなだけ排泄していただいて結構です。ちなみに、私はこれが人生で二回目のセックスです。一回目の相手もこのオジサンでした」
 わざわざ、卑猥な言葉に言い換えた。カメラの前で、麻理沙は何を言っているのであろう。排卵検査薬を握りしめて、まるで自分の罪を懺悔する敬虔なシスターのようにも見えた。
 自分で卑猥な言葉を口にして興奮しているのか、だんだんと息が荒くなり頬が上気し始めている。
「麻理沙、謎の儀式は済んだか……」
「はいっ、合意の上でのセックスの証明としてはこれで十分でしょうか」
 十分どころか、余計なセリフが多すぎたぐらいだと思われる。
「よっと」
 ミノルは、抱き上げてベッドに仰向けに寝かせると、股を開いた。そこはもう濡れ濡れで、前戯の必要はない。
「さあ、好きなだけ私のマンコに、チンチンズポズポしてください!」
 全てを受け入れるように、麻理沙は身体も股も全開に開く。
 しかし、そんな麻理沙にミノルはのしかからず、股ぐらに顔を突っ込んで愛液に照らつくマンコを舐め始めた。
「ダッ、ダメですわ、そこは汚いですわよ! なんで舐めるんですか、さっきオシッコしたばかりですのよ……」
 あれほど変態的なセリフを言ったくせに、オシッコをした尿道を舐められたぐらいで麻理沙は慌てて、羞恥に顔を真っ赤にした。
「いいから、大人しく舐められてろよ」
 ミノルの舌先に、しょっぱい味が広がる。確かに、ションベン臭い股を舐めるのは、普通ならちょっと抵抗感があるだろう。
 しかし麻理沙は、数日前にミノルの精液を呑んでくれたのだ。マズくて苦いと言いながらも、たっぷりと呑んでくれた。
 そんな女の子のションベンなら、ミノルはいくらでも舐めてやる。肛門の穴だってたっぷり舐めて綺麗にしてやっても良いぐらいだった。
 ぺちょ、ぺちょ……。
 わざとイヤラシイ水音を大きく立てながら、執拗に舐めていく。そうすることで、麻理沙が喜んでいるのが触れている太ももの震えから感じる。
「それにしても、すっげえクリトリスだなあ」
 すでに皮が剥けきっていて、小指の先程の大きさに成長した小豆の頭が見えている、十四歳で、ここまで育っているのは珍しい。
「だって、毎日触ってオナニーしてますもの」
 小五で性に目覚めてから、毎日しごいているうちに皮も向けて成長したという。
 麻理沙は、もともとクリトリスが大きかったのか、若いだけあって赤く滑りまるで真珠のような輝きのクリちゃんだった。
「ふうん、でもオナニーでは、これはできないだろう」
 ちゅーと吸い上げた。その瞬間に、怖いほどに全身が跳ねた。

「はぁ、舐められるって、こんなにも気持ちいいのぉー」
「俺のも舐めてくれたんだ、たっぷり舐めてやるよ」
 しっかりとクリトリスの皮が厚くなっている麻理沙なら、これぐらいの刺激は大丈夫だろうと、ミノルは吸い上げた陰核の根本を、ガリッと噛んだ。
「んはああっ!」

 たまらない、これはダメッ、イクッ、イッてしまう。

「ああああああっ!」
 腰をがくがくと震わせながら、プシュップシュッとお小水を漏らした。それは潮吹きという現象なのだが、結局潮吹きで出てくる水はオシッコの元のようなものだ。
 先程、あれほどたっぷりとオシッコしたのにまた出てきてしまうのは、よっぽど刺激が強かったということなのであろう。
 深い満足とともに、男の顔に潮を振りかけてしまったという申し訳なさに、嗚咽とも感嘆とも付かない声を上げる。
「こんな、ダメだっていったのにぃ」
「それより痛いんだがな……」
 いつの間にか、麻理沙は足で思いっきりミノルの頭をぎっちりとホールドしてしまっている。
「あっ、ごめんなさい」
 慌てて、麻理沙は足にかかっていた力を緩める。
「ふうっ、いいさ。小娘の柔らかい太腿に挟まれた程度じゃ、俺の石頭はどうともならん。それに、それだけ感じてくれたってことなら男冥利に尽きる」
「ふうん、なかなか男気があるんですわね。戸隠ミノルさんは、見かけによらず……」
「見かけによらずは余計だ」
 そうミノルが苦笑するが、麻理沙のほうはそれどころではなかった。愛情を込めた愛撫に、全身が弛緩している。麻理沙の幼さの残る顔がトロトロに蕩けている。
 麻理沙はこの時初めて、本当の意味でミノルのブサイクな顔を見て、愛情を感じた。
 これまで単にミノルの存在は、麻理沙のオナニーの道具に過ぎなかったのである。ただ乱暴に荒々しく犯して、汚らしい精液を射精してくれれば良いだけの影だった。
 それが十四年の生涯で初めて、自分の股を舐められる。クリトリスの包皮まで舌先で丁寧に剥かれて舐め上げられるという愛情に満ちた行為を受けて、麻理沙も相手に愛を感じてしまったのだった。
 眼の前の冴えない男、どこか泰然とした自信を持っていて、麻理沙の女を喜ばせることができる『戸隠ミノル』という相手を初めて見た気がした。

 長澤珠衣(ながさわ たまえ)、同級生のあの可愛らしい女の子がなぜこのブサイクで何の取りえもないオジサンに恋焦がれているのか、少し分かる気がした。
 社会的にはダメな男だが、女の子の愛し方はよく知っている。良い男ではないかと見なおした。
「さあ、私も舐めて差し上げます」
「おおっ、相変わらず上手いな。その舌使い、どこで勉強してくるんだよ」
 ミノルの勃起したオチンチンを熱心にしゃぶりながら、麻理沙は今回一回だけではなくまたこの男に会っても良いなと思っていた。
「ふふっ、ふぁんなの」
「ちんこを咥えながらしゃべるなよ」
「そんなの、アダルトなビデオとか見れば分かりますわよ」
「お前の歳じゃ、見ちゃいけないもんなんだけどな」
「あーら、その歳の女の子にしちゃいけないことをしてるのは誰ですか」
 そう言いながら、唾液で濡れた硬い陰茎をしごいてくるので、ミノルは思わず射精しそうになった。
 舌だけではなく、言葉攻めしながら強く陰茎をこするまでことまでやる。なかなかのテクニックである。
「くっ、強いな」
「あら、精子出ちゃいそうなんですか」
 麻理沙は手で出された困ると思ったのか、亀頭のカリ首をこする力を微妙に弱める。
「なあ、麻理沙。女の子ってさ、なんで精液のことを精子っていうんだ」
 ミノルはイキそうな気をそらそうと、益体もないことを聞く。
「えっ、だって学校で精子って習うじゃないですか。そう言えば、みんな精液とかザーメンじゃなくて、精子って言いますね。考えたこともありませんでした」
 ちょっと驚いたのか、麻理沙の手の動きが止まる。

「女の子同士で言い合ったりするのか」
「しますよ、女の子だって結構猥談好きですし。でも精液とかザーメンって言い方はしませんよ、なんででしょうか」
 おそらく精液と精子の違いを女性が深く認識していないからではないか。ミノルは、そのようなことを考えたが言わなかった。
「お前は、精液とかザーメンとかって言い方も知ってるんだな」
「私は男向けのアダルトなウエブサイトも読みますからね。どっちがいいですか、精液とかザーメンとか言ったほうが興奮します?」
「わからんよ」
 男向けのサイトを見ているというだけあって、なかなか堂に入った誘惑の仕方だった。たどたどしいところもあるが、本人が本気で感じているというのが一番良い。
「じゃあ、お口に出したいですか。それとも私のオマンコに出したいですか」
 麻理沙は、まるでミノルを挑発するように、ビクンビクンッと勃起する根本を掴みながら上目遣いで睨めつける。血色の良い口元が、蠱惑的な笑顔を形作った。
 大きくキラキラと輝く瞳は潤み、頬は火照りまだ中学生とは思えないほど整った顔立ちは魅惑的だった。
 この年で、立派なメスの顔をしている。
「そりゃ、膣だな。他の口でも楽しみたいが、今はお前が欲しいという気持ちが強いよ北原麻理沙」
 名前を呼ばれると、ブルッと肩を震わせた。
「欲しいですか、嬉しいですね。いつでもどうぞ」
 ドサッとベッドの上に大きなお尻を乗せると、麻理沙は挑発するように大きく股を開いて手足を広げた。
「それじゃあ、遠慮なく使わせてもらうかな」
 ミノルは、力強く麻理沙の輝く裸体をベッドに組み敷いた。最初のセックスは、お互いを感じられる正常位の姿勢でやる。
「はぁ、大きいのが入ってきます」
 何度かクイクイッと固い亀頭の根本をこすりつけられるだけで、麻理沙の膣口はニュルッとミノルのモノを受け入れた。

 この男のものを挿れられているのだと全身で感じるように、麻理沙は手足をミノルのずんぐりむっくりな身体に絡みつかせた。
「んっ」
 唇を合わせる。それはすぐディープキスになった。
 お互いの性器を舐めた直後なのに、ミノルはそんなことは気にしないし、麻理沙も普段なら汚いと思ったのであろうが、マンコに欲しかった男性自身を挿れられた今となっては汚いは気持ちいいだった。
 この戸隠ミノルという十歳も年上の男の臭い唾液で、体液で汚し抜いて欲しい。舌も性器も絡め合って、溶けていきたい。
 そんな風に思いながら必死に舌を蠢かせてミノルの苦い唾液を美味しそうに啜った。
「愛してるぞ麻理沙」
「あっ、ヤダ……そんなこと言わないでください」
「なんだ愛してるって言っちゃダメなのか」
 ミノルは、面白がって笑う。
「これは、今回だけの危険な遊びです。本気になられては……困ります」
「大人の女みたいなことを言うんだな」
「そうですわ、私はもう立派なレディーですわよ。だからこうやって気持ちよくもなれるんでしょう」
「違いない」
 何度か腰を打ち付けて、麻理沙を喘がせた。
「はぁああぁぁ」
「じゃあ、大人しく俺の子を孕んでくれよ」
「なんで……。なんで、そんなに私を妊娠させたいんですか、こんなことが表沙汰になったら貴方だって困るでしょう」
「俺は困らないな。心配しなくても、俺が全部なんとかしてやるから。安心して孕んでくれよ」
 男の言うことは無茶苦茶だ。自暴自棄になって言っているのだろうか。麻理沙の置かれている環境が、どれほど窮屈で鬱屈したものなのか何も知らないくせにと憎らしく思った。
 そう憎らしく思う程度には、もう麻里沙はミノルのことを愛し始めている。だけど、まだ心は許していないからそのことは口にしなかった。

「私、いまのがファーストキスですわ」
 代わりに、益体もないこと言った。麻里沙は、ファーストキスに拘泥するような乙女ではない。ただ、話題をそらそうとして言ってみただけだ。
「アハハッ、お前。俺とここまでしておいて、キスもしてなかったのかよ」
 ミノルは笑う。
 こんな上玉の初物が全部戴けるのは、男冥利に尽きると思った。
「しょうがないじゃありませんの、男の人と付き合ったこともありませんのに」
「こうやって俺と突き合ってるのにか?」
「オヤジギャグ……最低ですわよ」
「その割には、そのオヤジに抱かれて嬉しそうだな」
「ええっ、私も最低ですもの。もう認めてしまいますけど、私はみんなと違ってすごくエッチなんですわ。淫乱な女なんですの。だから、だから……」
 ポタリポタリと男の汗が、麻里沙の顔に落ちる。
 クッサイオジサンの体液なのに、それがなんでこんなにいい匂いに感じるのだろう。
 いつしか麻理沙の匂いと、ミノルの雄臭い匂いが交じり合う。
「愛してるよ麻理沙」
「だからっ、なんでそんなこと言うんですか! もっと道具みたいに乱暴に扱ってくれていいのに、どうして気持ちよくするんです!」
「なんで怒るんだ。気持ちいいからいいんじゃないか、どう抱こうと俺の勝手なんだろう」
 ミノルはこれまで女と深い情を交わすようなことは避けていた。
 そこまで強い信念ではなかったのだが、女に愛を囁くようなことはしなかった。面倒なことになるのを恐れたのだ。
 しかし、長澤珠衣(ながさわ たまえ)と深い関係性を持ってしまってから、それが揺らいでいる。
 十四歳という多感な女の子に、セックスの喜びを与えながら愛を囁くことで、どれだけその気持ちを揺り動かすことができるか。
 そんなことを楽しみたいような気分になっていた。
 幸運の星の下に生まれたミノルが望むならば、汚らしいオヤジが美少女に愛情を抱かせることすら不可能ではない。
 そんな奇跡だって起こるのだ。
「そ、そんなことを言っても、今回限りって約束ですわよ」
 麻里沙は、声を震わせて抵抗する。
「妊娠しなかったらお前の勝ちだろう約束は守るさ。お前も約束を守れよ、いいか孕んだら絶対産んでもらうからな。それだけじゃないお前は俺の奴隷だ」
「ああっ、奴隷……そんな、いいっ!」
 奴隷という言葉は、麻里沙の欲望を燃え上がらせた。分かったなと言うように、ミノルは、麻里沙の強く勃起しているピンク色の乳首を摘み上げると、喜びの声が上げる。
「一生とは言わない、奴隷十年契約だ。毎年一人ずつ俺の子供を産んで、十人産むまでは解放しない。十人俺の子を産むまでは、孕み奴隷のままだ」
「ああああああっ!」
 ミノルの提案したプランは、一生を性奴隷になるなどというよりも強く現実的だった。それ自体無茶苦茶な話ではあるのだが、容易に想像できてしまう。
 毎年、一人ずつこの男の子をひりだして、十年。そのとき、麻理沙は二十四歳か二十五歳か。
 女として一番いい時期を男に捧げ尽くして、この醜い男の子供を十人も抱えて十年後に解放されてどうするというのだ。
 その提案の非道さに、麻理沙は子宮が直接手で握り潰されるような興奮を感じて、叫んだ。
 それは、何不自由ないお嬢様として蝶よ花よと育てられた麻里沙にとって、男に支配されるという初めての歓びであった。
「ああっ、愛してるよ麻理沙」
 しかも、この男はそんな残酷なことを命じながら、同じ口で愛を囁く。
 何たる非道だろう、何たる悪辣だろう。
 こんな酷い男に良いように弄ばれて、望まぬ子を孕んで人生までも台無しにされてしまう自分。
 シーツをギュッと掴んで、歯を食い縛りながら麻理沙は絶頂に達した。
 それでも男は許してくれずに、麻理沙の収縮する膣の中に怒涛の勢いで腰を打ち付ける。
 何度もイッた、何度もイッた。
 ああっ、ああっ。
「麻理沙、一度でいいからお前も愛してると言ってくれ!」
 憎むべき悪魔のような男の懇願。
 それならば、付き合ってやろうかという気にも麻里沙はなった。
「あっあっ、愛してます。ミノルさん愛してますわ」
 ミノルが掴みがいのある麻理沙の大きな乳房を強く握りしめながら、膣の奥底に熱い精を放ったのを麻理沙は、満腔で感じた。

 ドクッドクッ、ドクッドクッドク、ドク、ドクッ!

 そんな音、聞こえるはずもないのに。
 身体中に男の膨れ上がった亀頭から、白濁した遺伝子を乗せた粘液が送り込まれていると感じる。
 逃げ場もない子宮口は、男の白濁した欲望を全て麻里沙のお腹の中に吸い上げる。
「麻理沙、愛してる。俺の子を孕め!」
「ああっ、中が熱い……受精しちゃう」
 ミノルの腕の中で、麻里沙の身体がブルブルと震えた。
 麻理沙は、全身を貫く快楽の電撃に打ちのめされて、意識を真っ白に漂白されたのだった。
第九章「女子中学生 北原麻理沙 1」
 北原麻理沙(きたはら まりさ)、十四歳、私立杏端学園中等部の二年生。水泳部に所属している。
 不動産関係の企業グループを傘下に収める資産家、北原家の次女。
 奇遇なことに、三ヶ月ほど前にミノルと関係があった、お嬢様女子大生北原亜津沙の妹である。
 もちろん、そんなことはミノルも麻理沙も知るよしもない。この偶然の出会いも、ミノルの幸運のなせる技かもしれない。
 姉もセレブのお嬢様であったが、妹の麻理沙も負けず劣らず、色白で容姿端麗、気品と優雅さを兼ね備えた少女であった。ゆるやかなウェーブを描く亜麻色のロングヘヤー、美しく整った顔立ち、成績は優秀で水泳部に所属してスポーツも得意、身長もスラリとしてるし、ウエストはキュッと締っている。胸もたっぷりとDカップだから、スタイルは抜群と言えた。同世代の平均から言えば、立派な巨乳である。
 礼儀正しく気品に満ち満ちているお嬢様の麻理沙は、高嶺の花として男子に敬遠されがちであるにもかかわらず、週に一回は告白を受けている。それも、上級生のサッカー部主将や学年トップの秀才など、学校でも選りすぐりの男子から。
 それらの熱烈な告白も、全て丁重にお断りしているので、まだ男子と付き合った経験はない。
 別に男が嫌いなわけではない、男にモテることは自尊心の充足を感じて嬉しかったのも事実だが、だからといって誰かと付き合いたいとは思えなかった。
「まだお付き合いするとかは考えてなくて……」
 そんな断り文句を申し訳なさそうに口にしていれば、「お嬢様は、奥手だから」とか、周りが都合よく善意に解釈してくれるのだから笑えてくる。
 告白を断ったのは、そんな謙虚な理由ではなくむしろ傲慢。麻理沙にとって、学校の選りすぐりの男子が相手でも、眉目秀麗で完璧な美しさを誇る自分に釣り合う男とは思えなかったのである。
 控えめで清楚なお嬢様に見えて、麻理沙のプライドは富士山よりも高い。結局のところ麻理沙は、姉と一緒で自分大好き人間なのである。
 カッコイイ男よりも、美しく気高い自分が大好き。そして、そんな気高い自分がはしたない行動をしたり、下賎な醜男に汚される妄想に、密かにハマってもいた。
 そう、ナルシスト気味の美少女にだって、中学生らしい澱んだ性欲がある。しかも、北原家の一族は、みんな性欲が強いのだから困ったことになる。男で発散できないのであるから、溜まりに溜まった性欲は、大好きな自分に向かっていく。
 そう、これはもうオナニーに狂うしかなくなるのだった。資産家一族の北原家は、類まれなる家系でありながら、変態オナニーを好む血筋であった。
 これはまあ、上流階級にはありがちなこと。
 色鮮やかな薔薇には棘があるように、偏りがあればどこかに歪みが生じるものなのである。

 いつもおかしい麻理沙お嬢様だが、その日は特におかしかった。
 昨日夜遅くまでアダルティーな動画を鑑賞したのが、いけなかったのかもしれない。明け方近くまで、すごく興奮して変態オナニーをして自分を慰めて、それはそれで面白かったのだが、昼間は学校の授業を受けながら、睡魔に勝てずウツラウツラしていた。
 いっそ、仮病でも使って病欠で休んだら良かったかもしれない。
 普段は真面目を装っている麻理沙だから、「お具合でも悪いんですか?」とか同じクラスの女の子に心配されたりして、「昨晩はオナニーに狂ってましたの、肛門に鉛筆まで指して極太のスプレー缶をオマンコにズポズポして、楽しかったですわ」なんて答えたら、麻理沙と負けず劣らずお嬢様な級友たちはどんな間抜け面をするだろう。
 そんなことを想像しながら、眠気を堪えていた。寝不足なのに保健室を使わなかっただけ、麻理沙は我慢強い。
 ようやく麻理沙の眠気が醒めたのは、放課後になって水泳部の部活をやりだした頃である。お嬢様らしくない趣味だと思うけど、麻理沙は水泳が好きなのだ。
 温水プールで、黙々と自己ベストタイム更新を目指してクロールしていれば、眠気も吹き飛ぶというものだ。
 清々しい練習も終わって、シャワーを浴びていたら、なぜか急にまたイヤラシイ気持ちになって股間に手が行ってしまった。
「なんで……なんでしょうか、今日はいつにも増して、自慰が我慢できませんわ」
 そっとシャワールームのなかで、スクール水着を脱ぐ。
 水泳部のみんなが、一緒にシャワーを浴びているなかでするオナニーは格別だった。
「ダメよ、そんなコトしちゃダメ……」
 そう思えば思うほど、麻理沙は股間をまさぐる手が止められない。
 みんなが居るところで、というのがポイントだった。そりゃ、家でしたほうが激しいオナニーができるだろうけれど、『もし同じ部活のみんなにオナニーがバレたら破滅だ』というスリルが、より快楽を増す。
 もう麻理沙は、中学校二年生にしてどうしようもない変態だった。
「あああーっ!」
 そんな声を上げて、三本も膣の奥にある子宮口にまで届けとばかりに指を入れて、アクメに達した。
 どうせシャワーでバレないだろうと、オシッコまでしてしまう始末。
「ふわあぁ……」
 すっきりして、ふと下を見たら、ブサイクなオッサンの太った顔が覗きこんでいたのに気がついて、麻理沙は発狂しそうになった。
「ヒイイッ!」
 悲鳴を上げる、それほど大きな声ではない。ヒクッと、息を吸い込んでしまったので、むしろ声は大きくならなかった。
 その分だけ息が詰まって、胸が苦しくなって、窒息するかと思ったが……。

 妖怪じみたオッサンの顔は、ジッと衝立の下から麻理沙の痴態を見上げている。オナニーしているところを見られてしまった、こんなおっさんに。
 自分はレイプされるのだろうか、こんな小汚いオッサンに屋内体育館のシャワールームで、男性経験はまだ無いくせに、やたらアダルティーな動画ばかり見ている耳年増な麻理沙は、そんな妄想をさせたら大得意である。
 いや、待てよと麻理沙は思う。
 なぜ部活のシャワー室に、こんな知らないオッサンが存在するのだ。学校関係者に、こんな変なおじさんは居ないし、変質者が出没するには部活をやっている時間の屋内体育館は、かなりあり得ない場所だ。
 杏端学園は名門校なので、別棟になっている屋内体育館でも、しっかり警備されている。外の公園ならともかく、学校の構内で変質者が出たなんて話は、これまで聞いたことがない。
 困惑する麻理沙、どうしようもないので聞いてみた。
「あのぉ、そこで何をされてるんですか……」
「君がオナニーしてるのを覗いてたんだけど、それがなにか?」
 それがなにかと言われても、麻理沙も困る。
 普通の変質者の反応としては、発見されたら慌てて逃げるか、それとも開き直り襲いかかってレイプしてくるのではないだろうか。
 そのどちらでもないと……。
 キュッキュと音を立てて、シャワーを止める。
「ふうっ」
 もしかしたら気のせいかもしれないと思って、もう一度斜め下を見ると、やっぱりおっさんが居た。
 リアルな幻覚でなければ、なんだろう。もう一つの可能性として、考えていたこともある……。
「もしかしたら、これは夢ではないですか」
 麻理沙はリアルな夢。明晰夢を見る訓練をしたこともある。もちろん、セックスしてみる夢がみたいと思っていろいろ試したのだが、それらしい夢を見たことがあっても完璧な淫夢まではまだ見たことがない。
 夢だとすると、いろいろと辻褄があってくる。

 本当の麻理沙は、自宅のベッドか我慢しきれず学校の保健室で寝ていて、ここは麻理沙の夢の世界なのではないかと。
 そう思ってみれば、さっきまで一緒に練習していた部員たちはどこに行ったのだろう。シャワールームのカーテンを開けて、外に出てみる。
「いませんわね、これはどうやら本当に夢だったりして……」
 トコトコとシャワールームを出て、女子更衣室まで行ってみるがやっぱり居ない。普段なら練習終わりにみんなダラダラとくっちゃべっているところだ。
 夢だと思うと、フワフワとした気持ちになって、そのまま屋内プールを見に行ったがやっぱり誰もいない。
 わざわざ、建物の出口まで行ってグラウンドを見ても、普段は運動部の練習でごったがえしているはずが、無人だった。
 空は雲ひとつない青空、グラウンドどころか街は静まり返り、人どころか車すら見えずに、まるで世界が停止しているように見えた。
「あらあら、これは本当に夢ですわね」
 部活の練習時間に、グラウンドが無人ということはあり得ないので、麻理沙はすっかり夢だと判断した。
「そもそも、完璧な私がシャワールームでオナニーしちゃうなんてあり得ないですしね。珠衣さんじゃあるまいし、そんなに私はうっかりさんではありませんもの」
 麻理沙は、自分の迂闊さを差し置いて、そんなことをつぶやいてホッとしている。
 ちなみに、プールに誰も居なかったのは、部長が今度の大会のミーティングで他の部員と連れ立って近所の喫茶店で作戦会議をやりに行ったからだ。
 シャワールームから出て来なかった長澤珠衣と北原麻理沙は、先に帰ったんだろうと思われて部員たちにスルーされてしまったのである。
 グラウンドに人っ子一人居なかったのは、ミノルが起こした痴漢事件で冤罪の男が捕まって大騒ぎになっているからだ。
 久しぶりの大捕物とあって、グラウンドで練習していた運動部の部員たちは、面白がってそっちにみんな行ってしまったのであった。
 車が道を通りかからなかったのも、単なる偶然である。
 兎にも角にも、麻理沙はそんなあやふやなことで、今の現実を自分の見ている夢だと信じ込んでしまった。
 そこまで含めて、確率の極端な偏り、ミノルのラッキーと言えるかもしれない。

「さて、夢だとしたらどうしますかしら」
 麻理沙は、裸のままちょっと外に出てみて屋内プールのアスファルトの上で踊ってみたが、開放感はあるものの、あんまり楽しくない。
「ほーら、みんなのアイドル麻理沙ちゃんが、おっぱいを揺らしてますわよ」
 そんなバカげたことを大声で叫びながら練り歩いても、張り合いがなかった。
 誰にも見られないのが分かっていて、ストーリーキングしても、スリルがないから詰まらないのである。
「露出プレイって、意外につまらないものだったんですわね。でも、せっかくですから」
 魔理沙は、その場にしゃがみこむと、んんっといきんで、肛門から糞をひねりだした。
「あははっ、学校でウンコ漏らしですわ」
 屋内体育館の前に、自分のひりだしたウンコが落ちているという非日常感は、ちょっとだけ麻理沙を喜ばせた。
 でも、これだけじゃ満足できない。
「やっぱり、さっきの男の人のところに行ってみましょう」
 人との関わりを求めた麻理沙は、女子更衣室に向かう。
 するとそこには、さっきの裸の男と長澤珠衣が居た。
 二人共、素っ裸である。自分のことを差し置いて、オッサンと同級生の女子が素っ裸で居る風景に、これはとんでもない夢だなと麻理沙改めて思う。
 このバカげた光景は、日頃の鬱憤が爆発した結果なのであろうかと。
「うーん、私が珠衣ちゃんの名前を出したから、オッサンと一緒に出てきたのかしら」
 これを自分の夢と信じ込んでいる麻理沙は、ノンビリしたものだったが、珠衣は『ついにコーチが女子部員に見つかっってしまった!』と恐慌状態に陥っている。
「き、北原さん! 違うんですこの人は、怪しい人じゃなくてコーチなんです!」
 珠衣はミノルを守るために、必死に言い募るが、麻理沙にとっては意味不明な話である。だがこれは夢なので、意味不明は当たり前だと鷹揚に頷いた。

 むしろ、麻理沙はそういう設定の夢なのかと納得した。
「そうなんですか、このオジサンはコーチだったんですね。ふむふむ、水泳部のコーチっていう設定ですのね。有りがちではりますが、萌える展開ですわね」
「燃え? いや水泳部のコーチじゃなくて、私の身体を治してくれるコーチなんです」
 珠衣が、『乳輪を小さくするため』とかコーチに教えを受けているとか、本当に訳がわからないことを説明しているが、これも夢なので、支離滅裂は当たり前だ。
「なるほど、乳輪をねえ」
「乳輪です」
 いつもはシンプルなスポーツブラに隠れている、小さいふくらみをじっくりと見つめる麻理沙。その乳輪は大きいと言えないこともないが、決しておかしくはない。むしろ、その鮮やかな桃色に思わず目線が吸い寄せられてしまう。
 小さめの乳首は固く尖り、珠衣も興奮状態にあることを示している。数々の女体をアダルティーな動画で見ている耳年増な麻理沙は、これはこの男に吸われたなとすぐに分かった。
「たまちゃんは、身体を治すために、このオジサンとセックスしたりしてたりしますの?」
「なんで知ってるんですか……もしかして、麻理沙さんも、コーチを受けてたりとか?」
「ウフフッ、なるほど、そういう設定もアリですわね。じゃあ、私もおマタのムズムズを治すのに、コーチに治療をお願いしてもよろしいですかしら」
 いきなり、ミノルに向かって艶然と微笑む麻理沙。
「お前もコーチしろって言うのかよ、まあいいけどさ」
 いきなり素っ裸でそこら中を歩きまわって見せて、裸のミノルにコーチしてくれと求める麻理沙の異常さに、さすがのミノルも余裕を失って、面食らっている様子だった。
 醜いオッサンが、自分の誘惑にあたふたしている姿のを見るのは、麻理沙にとって心地良い。この夢の世界では、麻理沙は創造主なのだ。
「さてと、セックスするんであれば、どうせならこんなところじゃなくて、プールサイドとかでやると背徳的でいいんじゃないかしら」
 提案の形を取っているが、ほとんど命令であった。

「あの、私はもうセックス終わってるんですけど……」
 そんな珠衣の抗弁も耳に入らず、三人は麻理沙の命令に引きずられて、普段から水泳部が部活をやっているプールサイドまでやってきた。麻理沙は、さっそく下が汚れたり滑ったりしないように、柔らかめのマットを敷く。
 麻理沙は、かなり手慣れた様子だった。
 こういう経験があるわけではないが、前からプールサイドでセックスするという背徳的な妄想を繰り広げていた事前のシミュレーションは完璧だった。
「そうだ、ビデオ撮影もしちゃったらどうしょう」
 オッサンが「そんなものどこにあるんだ……」と呟いていたが、あるのだ。水泳のフォームを撮影するために買ったカメラが、部活の機材として置いてあるのである。
 麻理沙は、それを持ってくると珠衣を呼んだ。
「たまちゃんはセックスしたと言いましたが、どうせ中出しされたんでしょう。こっちに四つん這いになりなさい。膣から精液がこぼれてくるところを撮ってあげますわよ」
「北原さん、なんで私が中に出されたこと知ってるんですかー」
 押しに弱い珠江は、泣きそうになりながらも麻理沙の言葉に抗うことができず、言われるままに股を開いてしまう。
「うわっ、白い糊みたいな濃厚なのが、デロ~ンって膣からぶら下がってますわよ」
「えっ、うそぉ」
 本当である。温水を浴びると、精液はプルプルに固まってしまうのだ。
「私、精液って生で初めて見ましたわー。それがまさか、同じ部活のたまちゃんの大事なところから塊になって流れ出てるなんて、信じられませんわね!」
「あんまり見ないで……」
 見ないでというか、ビデオ撮影してしまっているのだが、そこまで頭が回らないのが珠江の抜けているところである。
「こんなに濃いのをたっぷり中出しされて、たまちゃんは一発で妊娠しちゃうじゃないんですの?」
「うそぉ、妊娠しないよ。大丈夫だって、コーチが言ってたもん」
 珠衣の声が震えている。妊娠してしまうのではないかと怖がっているのだ。そう感じると、麻理沙はゾクゾクと体の芯が熱くなって興奮した。

 麻理沙は、自分がなんでこんなに興奮しているのかもわからないまま、ビデオを回し続けて執拗に質問を重ねる。
「ねえ、コーチとやら。こんだけ中に出しといて、妊娠しないとかあり得ないですよねー」
「なんだよコーチとやらって……えっと、そうだな、妊娠するかもな」
 ミノルは妊娠しないから大丈夫なんて一言も言ってない。妊娠しても大丈夫だろうと言っているだけで、それを珠江が勘違いしただけだ。
 妊娠するかもしれないと聞くと、麻理沙は歓喜に震えた。
「ほらお聞きになりまして、たまちゃん妊娠しちゃうんですって!」
「うえーん、今日の北原さんは意地悪だよぉー」
 たまちゃんは瞳に涙を浮かべて、唇を震わせている。それを見て喜んでいる麻理沙は、ドSだった。
 いや、Sかどうかは微妙なところなのだが、妊娠するかもしれないという恐怖に同級生が怯える姿は麻理沙に極度の興奮を与えた。
「ふふっ、ちょっと味を見てみましょうか」
 そう言いながら、麻理沙は大胆にも、珠衣のオマンコを開いて、そこから垂れている精液を舐めた。
 本人は夢だと思っているから、もうやりたい放題である。
「ちょっとやだ、北原さん何食べてるの!」
「何って、たまちゃん。貴女のオマンコに出された赤ちゃんの素ですわよ。なんか、苦くてマズいですけど、みんな美味しそうに呑むから、もっと美味しいものだと思ってましたのに」
 麻理沙は、愛好しているアダルティーな動画のことを言ってるのだ。女が無理やりフェラチオさせられて呑め呑め言われてゴックンさせられているのも、結構好きなのであった。
 喜んで呑む人と嫌がる人がいるが、こんなにマズイものだと、嫌がる人がいるのもまあ理解できる。
「美味しくないの?」
 精液の味は、ちょっと珠衣も興味あるらしく顔を顰めている麻理沙に尋ねる。
「マズいですわね、もしかしたらそこのオッサンが普段から悪いものばかり食ってるから特別マズいのかもしれませんわ」
「ちょっと、北原さんコーチに失礼だよぉー」
 珠衣がちょっと怒った。中出しまでされておいて、珠衣はまだミノルのことを良い大人だと思っているのである。

「あらあら、たまちゃんはコーチのことが好きですのね」
 言葉で嬲るために言ってみたのだが、図星だったらしく珠衣はコクンと頷く。
「うん、好き……」
 頬を赤らめて、恋をする乙女のように珠衣はつぶやいた。こんな野良犬みたいなオッサン相手に、可愛い珠衣が恋するなんてあり得ないと思うのだが、これも夢だと思えば納得できてしまう。
「そうですか、じゃあ好きな男の子供を妊娠できるならいいじゃありませんの」
「それはダメだよぉー、私たちまだ中学生だよ、赤ちゃんできたら困っちゃうよ」
 夢なのに、やけに現実的な理屈だなあと思いつつ、『妊娠して困ってしまう珠衣の姿』は、麻理沙にとって興奮する。リアルであればあるほど面白い。
「そんな事言ったって、もう中出しされてしまったものはしょうがないじゃないですのよ。ほら、ちゃんとビデオカメラの前で、このオッサンに種付けされましたってお言いなさい」
「あっ、北原さん。ビデオ撮ってるの?」
「今更何を言ってるんですか、撮ってるに決まってます。いいからM字開脚して、コーチにお礼をお言いなさい。男の人に赤ちゃんの素をいただいたんですよ、せっかく中出ししていただいたのに、お礼を言わないと貴女こそ失礼です!」
「えっ、そういうものだったの」
「そういうものです!」
 珠衣は素直だ、同級生で礼儀正しいと評判のお嬢様がそう言うので、本当だと信じこんでしまった。
「えっと、M字開脚ってこれでいいの」
 珠衣は、言われるままに、ぎこちなく股を大股開きにする。

「まあ、厳密に言うと違うんですけど、こういうのは気持ちが大事ですからね。はい、じゃあ名前と年齢とともに、赤ちゃんの素を中に注いでもらってありがとうございますぐらいのことは言いなさい。子供じゃないんですから」
「あっ、うん分かったよ。長澤珠衣です、歳は十四歳です。コーチ、赤ちゃんの素を出してもらってありがとうございました」
 中出しされた股を開いて、固まった白い精液と愛液の塊を垂れ流しながら、ぎこちなく挨拶する同級生の淫靡な姿に、麻理沙はゾクゾクしてそれだけで感極まった。
 すでに股間に手がいって、オナニーを始めてしまっている。
「うん、まあ完全ではないですけど、礼儀正しいお礼ではありましたね。次に機会があれば、それに加えて元気な赤ちゃんを産みますぐらいのことを宣言すると、もっとよろしいですよ」
 どこの変態儀式を参考にしているのか、麻理沙はそんなおかしなルールを珠衣に教え込んでいる。
「うん分かったよ……気をつける。けど、なんか北原さんって今日怖いよね」
 完全にイッてしまっている麻理沙の剣幕に押されつつ、珠衣は頷いた。
 コーチにセックスされるのは嫌ではなくなっている珠衣だが、さすがに妊娠は怖いのか微妙な顔をしていたりもする。
「さてと、じゃあ次は私が、貴女のコーチとセックスします」
「えっ、北原さんもしちゃうの!」
「しちゃうに決まってますわ。そうだ、私とコーチがセックスしているところを今度はたまちゃんが撮影してください。それならフェアでしょう」
 何がフェアなのか訳が分からないが、珠衣はそれで納得したらしく「うん撮ればいいんだね、分かったよ!」と頷いてカメラを構えた。
 麻理沙にとっては、せっかく何でも自分の思い通りになる夢で、初めての男のオチンチンが味わえるチャンスなのだ。
 眼が醒める前に、ちゃっちゃとやってしまわなければならない。
 それでも様式美にはこだわりたい。

 麻理沙は、辺りを見回すとホワイトボードに黒ペンがあったので、真っ白いお腹に大きく『2-2 北原麻理沙』と書いた。
 裸だけど、まるでスクール水着のゼッケンみたいな感じで、面白いと思ったのだ。せっかく普段から部活動をしているプールサイドでセックスするという素晴らしいロケーションなのだビジュアルにこだわるのも大事である。
 名前を記入したところを撮影されながら、セックスするというのもゾクゾクくる背徳感があって良い。
「さっさ、コーチこっちにいらして、一緒におセックスしましょう!」
「お、おう……」
 いつもは、どんな女の子でもどんと来いのミノルも、あまりに麻理沙が変態的で、押しが強いのでびっくりしている。
 こういう娘、どっかで似たような女を見たことあるなあと首をひねるが、ミノルはかつて関係した麻理沙の姉のことは思い出せない。
 終わったことにはあまり頓着しない性格なので、すでに忘れかけていたこともあるが、すごい勢いで迫ってくる亜麻色の髪の美少女に、圧倒されてそんなことを考えている暇もない。
「最初はオチンチンを舐めさせていただきますわ」
「おうもう、どうにでもしてくれ」
 ドサッとマットの上に転がったミノルのオチンチンを、麻理沙は手で弄びながらはしゃいでいる。
「まあ、素晴らしいオチンチンですね。顔はブサイクでも、オチンチンはイケメンですわ」
「余計なお世話だ」
 そんな間が抜けた会話も、真面目な珠衣はジッと撮影している。
「どうせなら、顔もイケメンだったら良かったのに。私の初めての相手なのですから、せめて池谷先生ぐらい美形でしたら」
「えっ、北原さん。池谷先生が好きだったの?」
 カメラで二人を撮っている、珠衣が思わず口を挟んだ。

 池谷 慎司(いけや しんじ)というと、去年から中途採用されて英語の教科を担当している男性教諭だ。
 通称イケメン先生などと呼ばれている独身の美形で、ミーハーな女生徒には格別な人気がある教師なのだが、複数の女生徒に手を出しているなんて噂もあり、女生徒にやたらと馴れ馴れしいので、珠衣はあまり好きではなかった。
 麻理沙も、あまり良いようには言ってなかったので、そんな先生がセックスの相手として名前が出てきたのでビックリしたのだ。
「好きってことは御座いませんのよ。ただ、私と釣り合う相手と言うと、それなりの容姿と家柄で年上が良いでしょう。この学校だと、池谷教諭ぐらいしかいないと言ってますの。同級生は、みんな大したことないですもの」
「ええっ、セックスしたいって、好きってことじゃないの?」
 麻理沙の言う『釣り合い』というのが、珠衣にはよく分からないのだ。
「ふふっ、たまちゃんには分からないでしょうけど、大人の男女関係というのは、好き嫌いだけじゃなく、いろいろ考えるんですのよ」
 麻理沙は、自分も大人ではないくせに、大人の口ぶりを真似てそう言ってみせる。そういうところは、むしろ子供っぽいと言えるかもしれない。
 上流階級に生まれ育つ麻理沙にとっては、それもごっこ遊びのようなものだ。
「私だってもう大人なのになあ」
 まんま子供という見た目の珠衣がそう言うから、麻理沙は笑ってしまう。十四歳とは、周りから見れば子供でも、自分はもう大人になってると感じる年頃なのだろう。
「まあ、もっともこの男前のオチンチンだけなら、私も好きになれそうですわ」
 しゃべりながら口内に溜めていたヨダレを亀頭にたっぷりと垂らして、一気に喉元まで飲み込んだ。

「うあっ、気持ちいい。お前いきなりすごいな……」
 ジュブジュブッと、いきなり物凄いフェラをかましてきたので、ミノルは上半身を起き上がらせて麻理沙を見た。
 フフッと笑って、上目遣いにミノルを見返すと、麻理沙はいったん口を外して、ぺろっと亀頭を舐め上げる。
「オチンチンを舐めるのも初めてなんですけど、シミュレーションはしっかりしてありますから、これで気持ちいいんですわよね?」
「おおっ、たまらん。もっと舐めてくれ」
「いいですよ、なんなら一回お口に出してもらいましょうか。その代わり、これで終わったら承知しませんからね」
 麻理沙は、執拗なフェラを続ける。
 垂れる唾液をローション替わりにして、肉棒の先端を優しく舐め上げられる。
 アイスクリームのように舐めていると思えば、今度は唇を使ってジュルッジュルルと、バキュームのように吸い上げるので、その絶妙な刺激の仕方に、ミノルはたまらず叫び声を上げる。
「おおっ、うおぉ」
 麻理沙は、カメラ目線も意識して、できるだけ下品に見えるように。ひょっとこフェラをする。
 気高いお嬢様である自分が、オッサンのチンポを舐めているところをカメラに撮られていることも、また興奮するのだ。
 フェラしてるだけで気をやってしまいそう。
 まるで、何度も見たアダルティーな動画の中の女優になったような最高の気分だった。
「フフッ、きもちふぃいでふか」
 クッサイチンポ、リアルチンポを舐めていると思うと、それだけで麻理沙は股間が熱くなって子宮がキュンとする。
「気持ちいいな、そろそろ出るぞっ、全部呑めよ!」
 ミノルは、そう言い放つ。

 ドピュッ、ドププッと、躊躇いもなく麻理沙の口の中に射精した。
 呑めよと言われたにも、関わらず麻理沙はすぐには呑まずに口の中に出された精液の大部分を溜める。
 手招きで、カメラを持っている珠衣を呼び寄せると、お口を上に向けて舌を出した。
「どうふぇふか、くっふぁいふぇいしいっふぁい」
 どうですか、クッサイ精子が一杯と麻理沙は言っている。
 麻理沙が言うように、小さなお口の中にはミノルの精液が泡立って濁っていた。
 記念撮影とばかりにカメラに向かってピースしながら、麻理沙はそれをゴックンと飲み干した。
「はぁ、苦くて……美味しいザーメンでしたわ!」
 自分でザーメンを飲み込んでみて、なるほどと麻理沙は気づく。腐ったような味がするねっとりと喉に絡む濃厚なザーメンだが、カメラの前だと恍惚とした気分になって、笑顔で美味しいと言ってしまうのだ。
 美味しそうにフェラをしていたAV女優さんは、こういう気持ちだったのだなと感じて、麻理沙は一つ大人になったような気がした。
 何事も、実際に経験してみるものだ。
「おっと、お掃除フェラがまだでしたわね! 次はオマンコに注いでもらわないといけませんから、しっかりと勃起させますわよ」
 射精してぐったりしているミノルの股にすがりつくと、丁寧に舐め上げて勃たせる。
「くっ、キツイな。お前本当に初めてなのかよ……」
 射精直後の敏感になっている陰茎を強く刺激されると痛いのだ。
 そういう細かい男の生理までは、さすがに麻理沙も理解していないようだった。とにかく強くすればいいと思っているのは未熟かもしれないが、陰茎を掴んで離さず男を誘惑する上目遣いはプロ並みで、フェラチオ初心者とはとても思えない。

「フフッ、私はそこいらの男に簡単に抱かせるような、安い女じゃありませんわよ。どこの誰だか存じませんが、夢のなかでも、私を抱けるんですから感謝してもらわないといけませんわね」
「感謝ねえ……」
 積極的にセックスしながらも、随所にプライドの高さを覗かせる麻理沙に、ミノルは苦笑する。
「さあ、甘美な夢が醒めてしまわないうちに、下のお口にもいただいてしまいますわ」
 なんと麻理沙は、そのまま仰向けになっているミノルの上に乗って、自ら硬くしたチンポを握って挿入してしまった。
 これが本当に麻理沙の初めてのセックスなのだ。
 初体験が騎乗位という女性は、とても少ないのではないだろうか。
「アツッ、そうとうこなれているマンコだな」
 珠衣のような狭いアソコではない。じわじわと熱い膣肉に締め付けられていく、完全に出来上がった極上品のマンコだった。
「あら、新品でしてよ」
「嘘つけよ、相当こなれてるぞ。処女膜もないし、中はトロットロで、いきなり子宮口が吸い付いてくるぞ」
 蠢く膣壁全体が大きく波打ながら収縮して肉棒を包み込んでくる、腰が甘くしびれて気を抜くと射精しそうなほどの快楽。
 さらに麻理沙が、上に乗って積極的に腰を振るって来るのだから、気持ちよさは強くなる一方で、これは並の男ではひとたまりもない。
「男性器は初めてといいましたけど、慣れてないとはいっておりません。処女膜なんてもものは、整髪用のスプレー缶で破ってしまいましたのよ」
「ほほっ、こりゃ相当な好き者だ」
 珠衣に一度、麻理沙にフェラチオで一度抜かれているので、なんとか耐えられたことにミノルは内心でホッとしている。

 まさか中学生の女子に、自ら上に乗られて童貞のように早々に搾り取られては大人としての面目が立たない。
 早漏と罵られては堪らないので、腹に力を入れて麻理沙の責めに耐えることにした。大人の男が、自分のマンコで気持よくなって、堪えている顔は麻理沙を心から喜ばせる。
 自分の持ち物が、しっかりと男を感じさせているということが、麻理沙にとって誇らしい気分だった。
「ああーっ、乗馬の経験はありますけど、男に乗ったのは初めてですわぁ」
 得意げになって、まるでカーボーイになったように腰を上下させる。いや、麻理沙は女なのだからカウガールか。
「俺は馬かよ」
 ミノルは苦笑しつつも、女子中学生が積極的に腰を振るうのは、その度にキュッと陰茎を締め付けられて、複雑な肉襞に扱かれて、たまらなく気持ちよかった。
 しかも麻理沙は、十四歳にしては大きな乳房をしているので、亜麻色のロングヘヤーの間に揺れる初々しい乳房の揺れがたまらない。
 騎乗位で奉仕してくれている時に、下から見上げる女の子というのは、まさに女神のように見えるものだ。
 たしかにこれは、まるで夢のようだとミノルは呻く。
「あら、お馬さんなんて言ってません。そうですわね、このだらしないお腹、豚に乗ってるみたいな気分ですわ」
「酷いことを言うじゃないか。その豚を相手によがってるくせによ」
 何様のつもりだと言いたいところだが、そう言ったら麻理沙はお嬢様なのである。
 ミノルは、その手の侮辱はいわれ慣れているので、対して腹も立たなかった。
 それなら、豚の子供を孕めばいいと思うだけだ。
「あっ、豚のオチンチン気持ちいい、最高ですわぁ!」
 陶然とした声で、麻理沙が身体を震わせて絶頂に達する。

 全身の毛穴がブワッと開いて、身体をわななかせる。思わず、麻理沙はミノルに抱きついた。
 上で暴れる女の子の動きが収まったので、ミノルは下から突き上げてやる。
 それがさらに麻理沙を高みへと上げて、アンアンと嬌声を上げさせた。
「くっ、さすがにそろそろ出そうだ」
「ハァハァ……どうぞ中にそのまま、豚の赤ちゃんをを孕ませてください」
「そうかよっ、じゃあ孕め!」
 ギュギュっと締まる中の感触を楽しみながら、最後に大きく突き上げて、ミノルも絶頂に達する。
 隙間なく締め付けられた屹立に耐え難い肉悦が走り、限界に達したミノルは堪えていたものを麻理沙の一番奥で爆発させた。

 ビュルッルッ、ドプウッ、ドプププッ!

 三回目の射精とは思えないほど強烈な勢い。
 脈打つ屹立から、吹き上がる灼熱の白濁。
 麻理沙のほっそりとした腰を掴んだままで、子宮の奥にまで響くように勢い良く精が吹き上がる。
「ああ、熱いっ! 私の一番大事な深いところに、ビュービューって、すごいっ! これが……膣内射精の感覚なんですわねぇ」
 ほとばしりに合わせて、亜麻色の髪のお嬢様は、お大きく身体を震わせて大きなおっぱいを可愛らしく揺らして、歓喜の叫びを上げた。
 麻理沙は、初めて受けた男の射精の熱さに、子宮をキュンとさせながら恍惚とした笑みを浮かべた。頭が完全に蕩けてしまって、バカになりそうだった。
 そうだ、ここでは何も難しいことなんか考えることはない、この最高の気持ちよさに浸ってバカになってしまっていいのだと思ったら、麻理沙は心から幸せだった。
「ふうっ、さすがに中学生でも、上に乗られて暴れられると重たい」
「あら、女性に……失礼ですわよ」
「お前は、こんな重たいものをつけてるからな」
 身体を退けるときに、乳房を掴んでくるミノル。それだけで、麻理沙はまた感極まってしまいそうになる。
「珠衣さん、撮ってましたのね?」
「うん、撮ってたよ」
 律儀にも、カメラを回し続けていた同級生に麻理沙は微笑んで手招きする。
「ほら、私の膣から精液が溢れるところを撮ってください」
「分かった……」
 言われるままに珠衣はそうする。
 トロッと、ミノルの形に開いた膣から精液がプールのマットに溢れていく。
「さてと、次はご挨拶ですわよぉ」
 珠衣の構えるビデオカメラに向かって、パーフェクトな笑顔でダブルピースを決める。
「杏端学園中等部二年二組、北原麻理沙は、たった今出会ったばかりのオジサンに生チンポを入れられてアクメり、たっぷり精子をお腹いっぱいにいただいて種付けされました。いただいた子種を、ありがたく受精させていただいて、このお腹ですくすくと育てて、十ヶ月後には元気な赤ちゃんを産みたいと思います、ありがとうございました!!」
「うわぁ……」
 思わず珠衣が呻いてしまうほどの、ハキハキとした元気な挨拶。全力の笑顔が怖い。
 元気を飛び越して、悪いクスリでもやってるんじゃないかと思うほど、あっちの世界に飛んでしまっている。
 ただそれを見ている珠衣は、額に玉の汗を浮かべて、全力でやりきった麻理沙の満足気な姿に、不思議な感動を覚えていた。
「見ましたか、長澤さん。これがお手本ですのよ!」
 得意げな麻理沙に、感心して珠衣は思わずカメラを置いて、パチパチ拍手した。

 さすがに三回の射精を終えて、ぐったりしていたミノルは、それを見てヨッと声を上げて起き上がら。
「あら、どうしたんですか」
「ヤラレっぱなしじゃ癪に障るからな、今度は俺がせめてやる」
 どうやら、受胎宣言した麻理沙の痴態に興奮したようだった。あれほどタップリと出しまくったのに、まだ陰茎は立派に屹立して硬度を保っている。
 こういうのは、ミノルも嫌いではないのだ。
「ウフフッ、望むところですわ、いらしてください!」
 カモーンとばかりに、マットの上で大股を開いてミノルを受け入れる体勢の麻理沙。
 そこに大きな男の身体がガツンと伸し掛かる。
「おらっ、どうだ」
 ドンッと、体重をかけた打ち付け、凶暴な陰茎にぐりゅっと麻理沙の膣奥がこすられる。麻理沙は、その激しい刺激にビリッと電撃が走ったような感覚に襲われて、身体をグンッと仰け反らせた。
「これは……、一発でイキそうですわぁ」
「フフフッ、そうだろう。どんどん行くぞ」
 この女の子には遠慮はいらないと、全力でガンガン腰を振るっていくミノル。
 お互いに一回のセックスでこなれたのか、中出しをかまされた麻理沙の膣は、ヌルヌルになってズプッ、ヌチュ、ズプッ、ヌチュといやらしいリズムでミノルを受け入れる。
 突き上げるたびにバスン、バスンと、眼の前で揺れる巨乳を力いっぱい乱暴に胸を揉みしだき、腰を打ち付け続ける。
「オラッ、どうだ! お前が参ったというまで続けてやるからな」
「アハン、望むところですわ!」

「どうだ、参ったか!」
「あっ、ううっ、まだっ、まだっ、あああぁぁ!」
 そういいながら、プシュっと接合部から潮を吹いた。
 参ったと言わなくても、麻理沙の膣は完全にやられてしまっている。
 絶頂しすぎて、全身の毛穴が開き、額から流れ出る汗に前髪が濡れているほどだ。
「お前本当に中学生か、なんだこのエロ乳は!」
 男に一度も揉まれたことのない乳房を、ひしゃげるほどに強く握られる。
 大きく見えてもまだ発育途上の胸なのに、本来なら芯を握りつぶされて痛くてしょうがないはずのそれが、今の麻理沙には感極まる愉悦に感じた。
「ああっ、おっぱいもっと虐めてください!」
 何をされても良かった。
 今なら多分、この男にこのまま首を絞められて殺されても、気持ちが良いに違いない。
「なんだよ、中学生のくせにこの勃起乳首は、エロ過ぎるだろ!」
 大きく肥大化した右の乳首を指で思いっきり引っ張られながら、左の乳首を吸い上げられて根本をガリッと噛まれた。
 その痛みで、また麻理沙はイッた。膣がギュウッとしまって、ハートマークの形をした子宮が下に降りていく。
 男のさらなる射精を受け止めるために子宮口が大きく開く。
 そこにグリっと、男の先っぽが突っ込まれた。
 オッサンと完全に繋がってしまった、下のお口とお口がキスをした。
「ほおおっ、マンコォ、乳首ぃ、どっちもイイのぉぉ!」
 快楽に翻弄され、大開のブラウンの瞳から涙をこぼして、頭をガクンガクン揺すり続ける麻理沙。
 大きな乳房を握りつぶされるたびに、膣奥を硬い陰茎でゴリゴリとこすられるたびに、麻理沙はイキ狂った。
「ぬひぎぃぃっ、ああっ! うぎいいっ、おっぱいらめぇえっ、しぬうぅ!」
 だんだんと呂律は怪しくなり、もうおかしくなってしまった。
 麻理沙の視界がキラキラと輝きだして、頭が真っ白になる。
「うおぉ、麻理沙、絶対孕ませてやるからなっ!」
 麻理沙がイキ狂うと同時に、眼の前の男もまた、また絶頂の雄叫びを上げている。
 ドクッドクッと、男の新鮮な精液が、たっぷりと麻理沙の子宮に注ぎ込まれた。膣が一滴も逃すまいと収縮して、欲しがっていた雄汁を貰って麻理沙の子宮がキュンキュン震えて、喜んでいるのが分かる。
 麻理沙も、全身でその幸せを叫んだ。
「ああっ、熱いの来たっ、赤ちゃんできちゃいます!」
「オラッ、中学生で孕んじまえ、いや、まだ終わらないぞっ、もう一回だっ!」
 男の気合とともに、射精を終えたはずの陰茎は柔らかくならず、また硬度をまして麻理沙の敏感になった粘膜をこすりあげた。
 男の激しいピストンは、まだ止まらない。
「もうらめぇ、イクッイクッぅぅーっ!」
「ほら、イケッ、マンコでイケッ!」
「イクッ、マンコ、マンコォォ、イクッ!」
 タプタプと大きな乳房が揺れる音と、屹立がズリュッ、パン!ズリュッ、パン!と肉壁に打ち付けられる音がプールサイドに響き続け……。
 やがて、何度目かの絶頂の叫びの中で、麻理沙は意識を喪失した。

第八章「女子中学生 長澤珠衣 3」
「コーチ、どうやってここに入ったんですか!」
 杏端中学校の敷地の外にある総合体育館のプールで、水泳部の練習を終えて女子更衣室に入った長澤珠衣(ながさわ たまえ)は、驚きに眼を丸くした。
 つい半月ほど前に、自分を大人の女にしてくれたコーチが忽然と姿を現したからだ。
 しかも、女子更衣室で珠衣のパンツを頭に被っているのだからさらに驚愕である。ビックリしすぎて、何が何だか分らなくなったほどだ。
「ああえっと、た……たまちゃん、だったっけ?」
「そうです。忘れないでくださいよコーチ、長澤珠衣です」
 名前を忘れそうになられていたと知って、珠衣は不満気にプクッと頬を膨らませる。子供っぽい仕草だ。
「そうだったそうだった。それで、どうやってここに来たのかだっけ。俺も関係者だから入っても問題ないんだよ」
 相変わらず、ミノルは平然とした顔で大嘘を吐く。
「コーチは、学校関係者の人だったんですね。それで、私に会いに来てくれたんですか、それはとても嬉しいですけど……」
 信じやすい珠衣は、深く考えることもなくミノルの嘘を信じてしまう。しかし、語尾を濁す珠衣の反応に少し不安になる。
 実を言えば、ミノルはちょっと問題を起こして、ここに逃げ込んで隠れているのだ。
「……けど?」
「ここは女子更衣室ですから、男の人が入っちゃダメなんですよ。あとコーチが被ってるの、私のパンツです」
「あっ、これ珠衣ちゃんのだったのか」
 偶然とも言えるが、うっかり見えるところにパンツを脱ぎ忘れるなど、いかにも珠衣らしい。
 どちらにしろ、ここで珠衣に出会えたことは、ミノルのラッキーだった。パンツに導かれた再会と言っても良い。

「私のパンツなら、どうしてくれても構わないですけどね。コーチなら特別です」
 ミノルは、そりゃ寛大なことだと苦笑いする。遠慮無く、純白のパンツを匂わせてもらおうと、ミノルはクンカクンカした。
 子供っぽい、クマさんパンツだった。
 それを見て珠衣は、「はわっ」と謎の呻き声を漏らしながら、恥ずかしそうに手で顔を覆っている。
 臭われて、恥ずかしいなら、どうしてくれてもいいなんて言わなければいいのに。
「まあ、パンツの匂いぐらい嗅ぐさ。お前の普段の生活態度を見るのも、コーチとしては当然だからな」
 ミノルは、だんだんと珠衣への言うことの聞かせ方を思い出してきた。
「コーチは、あの、その……私に会いに来てくださったんですよね」
「んっ、まあそうでもあるが」
「そうですよね……、コーチは私のこと『好き』ですもんねぇ。連絡が遅いんで心配してましたが、直接来てくれるなんて思いませんでした。嬉しいです」
 手をモジモジさせながら、顔を真赤にしてそんなことを言っている。
「そうだな、『好き』だから当然だな」
 なんとなくミノルは、話を合わせておいた。
 ここで会ったのは単なる偶然だったと、珠衣のこの反応を見ていると言わないほうが無難かとミノルは判断した。
 この総合体育館の表の通りで、お尻のムッチリした紺色のスーツのいい女を追っかけているうちに、屋内プールの女子更衣室に迷い込んでしまったのだ。
 どうやら、この学校の体育教師だったらしいその女教師は、スカートをめくって、そのムッチムチのお尻をペロンと触ったミノルの代わりに、今頃は痴漢に間違えられた不幸な男を全力で追い回していることだろう。
 面倒事に巻き込まれるのはごめんなので、たまたま隠れたのが水泳部の女子更衣室。そこで顔見知りの女子中学生に出会えたのが、ミノルの毎回ラッキーなところである。
「ふへへ、コーチは私のこと『好き』ですもんねー」
 そんな、とぼけたセリフをリピートしている珠衣は、歳相応に会話らしく、見てて悪くないなと実は思う。
 
 エロいと思うよりは、まだ少し幼い。
 水泳の練習を終えた、スクール水着姿の珠衣は、いつものように髪を団子にくくっていなくて、濡れた髪でさらりとストレートで、甘い香りと共にプールの塩素の香りが漂う。
 ボンボンのお団子頭でない今日の珠衣は、ミノルの眼にも少しだけ大人びて見えた。
 これでほとんどナイ乳じゃなければなーと思うが、貧乳もまた風情というものだろう。
 この女の子なら、セックスしてもいいと示すように、ミノルの股間がムクッと盛り上がる。
「たまちゃん、あっちのほうは、しっかりと練習してるか」
 本能の赴くままに、ミノルは珠江に抱きついて、その可愛らしい桜の花びらのような乳さな唇を吸った。
「ふえっ、……水泳の練習なら」
「そうじゃない、こっちのほうだ」
 チュッとキスをしてから、ミノルの手がスクール水着を着た珠衣の股間へと伸びてさっと触れる。

「あっ、そっちですか。そっちも、コーチに言われたとおり、毎日練習しています」
 耳元まで顔を真赤にしながら、珠衣は素直に答える。
「ここもか」
 水着の上からポチッと浮き出た乳首をひねってやる。
「はいっ、ちゃんと乳首も感じます。気持よくなって来ました」
 本当にそうだろうか、女は演技をする。珠衣も、ミノルに合わせて「気持ちいい」と言っているだけではないだろうか。
 まあいい、気持ちいいと言っているうちに本当に良くなってくるだろうと、ミノルは珠衣の小さな身体を執拗にまさぐった。
 濡れたスク水越しに触る、今まさに花開こうとしている女子中学生の肢体も、なかなか趣深い。成熟した女もいいが、必死に感じようとしてくれているロリも、悪いものではないと、ミノルは思う。
「そうか、練習してるのか偉いなあ珠衣は」
 ミノルが腰を抱き寄せてキスをしてやると、珠衣はいっちょ前ん背伸びして、キスを仕返してくる。
 それどころか、小さな舌をミノルの口に這わせた。珠衣の甘い唾液と、ミノルの苦い唾液とが舌先で交じり合う。
 自分から舌を入れてくるとは、ミノルは成長ぶりに目を見張る。
「どうかしましたか?」
「いや……」
 笑っていると子供っぽいのに、不意に真顔になると少し大人びて見える珠江を眺めて、やはり一期一会であまり同じ女には長く執着しないという自分のルールを崩して深入りしてしまうことになってしまったかと、ミノルは密かに嘆息する。
 少女が花開いていく成長を感じるのは、楽しくあるのだ。
 それでも、あまりお気に入りになりすぎると、別れる時が辛くなる。
 ハマりすぎると、戻れなくなる。自分専用の女にしてしまったら、手放すのが惜しくなる。
 従順な少女とは、自由な男にとって最も危険なものだ。

 そんな物思いに耽っていたら、珠衣に突然手を引っ張られた。
「みんなが来ちゃう! どうしよう……」
 ミノルの耳にも、ざわざわと喧騒が聞こえてきた。そうか、珠衣と同じ女子水泳部のメンツが、部活を終えて更衣室に戻ってくるのか。
 そのまま突立って居ても、ミノルなら何とか成っちゃうんだけどね。幸運の星の元にいるというのを知るのは、ミノル本人だけだ。
 珠衣は、そりゃ焦るだろう。
「そうだ、コーチこっちに隠れましょうです!」
 慌ててミノルを隠そうとする珠衣は、更衣室の隣の部屋へと手を引いて誘導した。
 更衣室の隣は、シャワールームになっていた。七基ほどのシャワーが壁に並び、プラスチックの白い板の衝立で簡単に区切られている。
 隠れなきゃと焦っている珠衣は、その一番奥のボックスにミノルを押しこんで防水カーテンを閉じた。
 こんなところに隠れて、「バレないかな?」と心配しているらしい珠衣は、息を荒くしているが、ミノルとしては見つかりっこないと思っているので冷静だった。
 二人では狭いシャワー室のなか。
 珠衣の小さな身体を抱きしめていると、触れる肌からドクンドクンと心臓が高鳴っているのが分かる。
「ちょっとコーチぃぃ、こんなときになにをしてるんですか……ダメェ」
 ミノルは、こんなピンチに平然とキスをして、珠衣の身体をまさぐる。もうみんながシャワーに入ってきてしまう。
 珠衣は、かろうじて蛇口をひねることに成功して、シャワーの水音で誤魔化すことができた。
 水泳の練習を終えた女子水泳部の面々が、シャワーを浴びにやってくる。
「それでね、今度の大会に向けて後でみっちりミーティング」「あんたフォームが、硬くなってるんじゃないの」「だるぅ……」「こんどの先生ってどうなんですの?」「見た感じわるくないけどにゃー」「えー、あたしこのあと用事あんだけどな」「これるひとだけでいいわよ」
 中学生の女の子たちが、口々に喋る姦しい声が近づいてくる。
「奥のシャワーは、誰が使ってらっしゃるんですの?」
「あっ、私です!」
 珠衣は、防水カーテンの向こう側から声をかけられたので、ミノルの吸い付いてくる口から唇を離して答える。この丁寧な口調は、おそらく同じ学年の北原さんだと珠衣は思う。
 いちいち、シャワー浴びるのに隣のボックスに声なんかかけなくていいのにと、焦らされた珠衣は口ごもる。
 白いシャワーカーテンの向こう側から、こっちを探るような気配が数秒。その時間が、珠衣には物凄く長く感じて、ミノルをぎゅっと抱きしめて耐えている。
 カーテンの下から覗きこまれたら、もう一巻の終わりだ。足が四つあるのだから、すぐに珠衣以外の人がいるとバレてしまう。
「……ふうん、たまちゃんですか。隣使わせて頂きますわね」
「はーい、どうぞ」
 シャワーをめいいっぱいひねっているので、激しい水音で返事が聞こえたかどうかわからない。
 ちょっと震えるような声を出した珠衣を怪しむことなく、同学年の部員の北原麻理沙(きたはら まりさ)が隣に入った気配を感じた。
 シャワー音が聞こえたので、珠衣はミノルの胸の中でホッと一息つく。
 なかなかの緊張感で、他人ごとのように珠衣と麻理沙のやり取りを見ていたミノルもちょっと面白く感じた。
 ミノルとしては、いきなりこのシャワールームから素っ裸で飛び出しても、おそらく上手く逃げ出せるから問題無いのだろうけど、珠衣にとっては一生分の緊張感を使い切ったような怖い経験だ。

「そういや、服が濡れてしまったなあ」
 ミノルはそんなことを愚痴る。どうせ薄汚れたTシャツとスウェットのズボンという、いつもながらのみすぼらしい服装なので、濡れても大したことはないのだが。
「コーチ今、そんなこと言ってる場合ですか」
「まあ、脱いでしまうか」
 洗濯ができたと喜ぶべきかもしれない。これもラッキーだと、ミノルはシャツとズボンとパンツをその場に脱ぎ捨てて全裸になった。
「脱ぐんですか……」
 狭い部屋でミノルが脱いだのを見て、驚いた珠衣はヒクッとしゃっくりのような声を出して、慌てて息を潜めた。
 まだ、男の裸に慣れていないらしい。一度抱いてやったのに、いや一回ぐらいじゃ小娘は慣れないものかなとミノルは思う。
 まあ、珠衣がどんな反応を示そうと、ミノルはその発達途上の身体を味わい尽くすだけだ。
 股間に手を当てて、スクール水着をぺろっとめくって、直接オマンコに触れると、まだ毛も生えそろっていないワレメちゃんは、シャワーのお湯以外のぬるっとする感触があった。
 指をズイッと差し入れたら、ちゃんと中から濡れている。
「ほおっ、いっちょ前に濡れてるじゃないか」
 耳元で囁いてやる。何度か唇を重ねただけでヌレヌレとは、無垢だった珠衣も男を受け入れる身体になったかとミノルは喜ぶ。
「コーチ、ダメですよ。みんながいるのに」
「大丈夫だよ、バレねーから」
 湯気のたちこめるシャワールームには、ざわざわとした女子部員の喧騒が満ちている。シャワーを浴びながらも、水泳部の女子部員たちは口さがないお喋りを止めることはない。

 温かいシャワーのなかで、ミノルはしゃがみこんで大きめの乳輪に、ピンコ立ちした乳首を吸う。
 そうやって刺激しながら、指を一本、二本と増やしていって珠衣の膣の中に差し入れる。締め付けが強い膣は、指に食いついてくるが、襞をほぐすようにかき回してやるとクチャクチャとエッチな音が響いて広がった。
「やっ、ここじゃ、だめなのに……」
「そういいながら、感じてるだろ」
 身体がビクンビクン震えて、感じているなと嬉しくなる。砕けそうになる小さな身体を支えるように抱きしめながら、両方の乳首と膣を刺激し続けた。
 愛撫するのに邪魔だと思って、紺色のスクール水着をズルッと下ろしてやる。
「あっ……」
「シャワーだしな」
 これでお互いに裸になった、シャワー室で裸になるのは当たり前だ。
 膣の中を指でズコズコしたり、ちゃんと訓練してるらしいクリトリスの皮を捲って指の腹で押してやったり、その度に珠衣は甘い吐息を溢れさす。
「あっ、あっ、あっ、あんっ!」
 やがて、絶頂。
「んんーっ!」
 それでも、必死に小さな手のひらで口を押さえて、声をこらえているのが可愛らしい。別に声を出してしまってもバレないのに、バレてはいけないと必死なのだろう。
「コーチ、もう……」
 珠衣は頬を真赤に染めて、上目遣いにミノルを見つめる。
 なにか言いたげだが、これじゃ挿れてくれと言ってるのか、ダメと言ってるのかこれじゃ分からん。
「ふふっ、挿れてやるさ」
 ミノルは、どっちにしろ挿れてしまうのだから一緒のことだった。
 ミノルは小柄な珠衣の腰の位置に合わせて、腰を少しかがませると、ゆっくりと膣の中に挿入した。この肉の密度、無理にこじ開けるようだ。まだ狭いけど、珠衣は必死に受け入れてくれている。
「こっ、コーチ……」
 ぐっと腰を掴む手に力を込めて押し上げると、挿入しきった。一番奥までいれると、怖いぐらい強く陰茎を締め付けてくる。
 まだ、ミノルを全て受け入れるには狭い穴だが、なあに女の穴は入るようになっているんだ。ぐっと腰を引いてまた強引に突っ込むと、珠衣の小さな背中がビンッと反り返った。
「珠衣、ちょっと腰浮かせろ」
「あっ」
 正常位で挿入したまま、小さなお尻を宙に持ち上げる。腰が浮かんだ感覚に、珠衣は叫びそうになった。
 小柄な女子中学生の軽い身体、駅弁ファックもラクラクだ。
 そのまま、珠衣の背中を壁のタイルに押し付けるようにして、ガンガン腰を振る。
「そうだ珠衣、生理はもう来てるか」
「……きてません、コーチ声出しちゃう、ダメですよぉ」
「そうか、前ので当たったかな」
「何がですかぁ、何があたっ、ああーっ、と、とにかく静かにやってください」
 やめてくださいとは、もう言わないんだな。内心でほくそ笑みながら、腰を振るう。
 珠衣は、ミノルの首筋にギュッと顔を押し付けて、声をなるべく殺しながら、突き上げに耐えている。

 二人がそうこうしている間、一人、また一人とシャワールームから女子水泳部員たちが退出する。
 一番最初に入った珠衣がずっとシャワーを浴び続けていることに、普通なら誰かがおかしいと気が付きそうなものなのだが、誰も気がつかない。
 これが、ミノルの幸運さというものなのだ。
 幸せだなぁと思いながら、ミノルは自分の快楽のためだけに少女をタイルの壁に押し付けて熱い締め付けの膣で、ちんこをしごく。
「ふふっ、珠衣の膣は気持ちいいな」
 十四歳としても小柄で、男を受け入れるのが二回目という経験の少ない少女を相手にあまりにも乱暴なピストンであった。
 ズプッ、ジュプッ、ズブブッブッ!
 一方的で荒々しい腰使い、シャワー音のなかでも、幼い膣壁を擦り上げてヌッチュヌッチュと抽送する振動が響く。
 それはまるで、幼い少女の膣をオナホールに使うような乱暴さだ。
「んぐっ、いっ、あっ、あぁぁ……」
 それでも健気な珠衣は、瞳に涙を浮かべながらも、ミノルの肉棒を必死に受け入れようと股を開いた。もう手足を浮いてしまっているので、眼の前の大きな男の身体に必死に抱きつくしかない。
 それが、ミノルの快楽を増して、腰を振るう速度を上げさせると知りながら。
 乱暴に上下させられるままに、ミノルの欲望のすべてを幼い身体で受け止める。
「コーチ、うああーっ!」
 押し殺していた嬌声も出してしまう。珠衣はもう、頭が真っ白になって、わけがわからなくなった。
 珠衣がイッたのか、膣がギュウッとしまったのを感じると、ミノルも深々と繋がったままで欲望を解き放つ。
「珠衣、中でだすぞ。俺の子を孕めよ!」
「ふぇぇ!」
 珠衣の泣きそうな嬌声を耳元で聞きながら、ミノルは気持よく狭い膣奥に亀頭をすりつけるようにして、たっぷりと射精した。

 ドクンッ! ドププッ、ビュルッ、ビュルッルンッ!

 珠衣の膣奥に、ミノルのほとばしりが流れこんでいく。若い女の子の身体を、遠慮なしに一方的に貪り尽くしたためか、全身が吹き飛ぶような射精の快楽があった。
「ふうっ……」
 ミノルはいつの間にか、シャワールームの喧騒が消えていることに気がつく。それは当然だなとも思う。
 水泳部の少女たちは、プールの塩素を流すだけなので、長いことシャワーを浴びる意味は無いはずなのだ。
 ただ、シャワー音は聞こえる。しかも隣の個室にだけ。
「あっ、あんっ……」
 なぜか隣から、くぐもった嬌声が聞こえる。
 珠衣の声ではない、珠衣は壁のタイルに背中を付けてぐったりとしている。
 まさか、隣でもセックスしている?
 そんな展開がありえるのだろうか、ミノルの場合はあり得ないこともない。
「これは面白い」
 隣の個室を、しゃがみこんで下から覗いてみることにした。個室といっても、プラスチックの衝立があるだけで、しゃがめば下から十分覗ける。
 足は二本、少女の白い生足。
 誰かがセックスしているってわけではないようだ。
「ん?」
 ミノルの目に見えたのは、大股開きの瑞々しい太もも。
 股ぐらには、ぷくっと充血したピンク色のオマンコがあった。
 栗毛色の毛がちょこっとだけ生えている風情で、まだ膣そのものは無垢っぽい女性器なのに、外陰唇はピンク色に膨れていた。
 ある程度、使いこなれた膣と言う印象。
 クリトリスの先っぽは、完全に剥けている。小指の先ほどのお豆を右手で擦りながら、左手の指を三本、思いっきりヌメらせるように突き入れている。
「おおおっ?」
 その激しいオナニー誘われて、ミノルはさらに衝立の下から顔を覗き込むように見上げた。
 少女の顔が見えた。上品な顔立ち、栗毛色のゆるふわロングの女の子が、腰を付き出してオナニーしていた。
「あああーっ!」
 シャワー音も吹き飛ばすような、少女は叫びを上げて、股から黄金水がこぼれだした。潮を吹いた、というよりは絶頂の瞬間と同時に、オシッコをまき散らしたのだろう。
 激しくシャワーを浴びていても、黄色い液体が下から覗き込んでいるミノルの顔にペチャリと、かかった。
「しょっぱい」
 唖然として開いた口にも入ったのか、ミノルはオナニー少女の黄金水をちょっと飲んでしまった。
第七章「女子中学生 長澤珠衣(ながさわ たまえ)2」
「よしじゃあ、これからやることは医療行為だから恥ずかしがらずに何でも言うことを聞かなきゃ駄目だよ」
「はい……」
 水泳部だという珠衣。スクール水着を着ていない部分だけ日焼けした肌は、まるで白い水着を着ているようで、それが幼い身体を妙に艶かしいものに見せている。
 知らないおじさんの前で羞恥に小さく肩を震わせる姿も、ミノルには淫靡なものに感じた。
「ほら、言ってる側から恥ずかしがってるじゃないか。ちゃんと胸は隠さずに、背筋を伸ばす」
「でも……」
 先ほどは吹っ切れたと思っても、パンツ一枚で立たされてジッと穴が空くほどコンプレックスの大きな乳輪を見つめられれば、無邪気な珠衣だって手で隠したくもなる。
「よし、じゃあこれから恥ずかしがったり、躊躇したらそのたびに罰ゲームってことにしようか」
「ええっ」
「それぐらいのペナルティーは課さないと面白く無いだろう。罰は何がいいかな」
「ううっ、罰ってなんだか怖いです。お手柔らかにお願いします」
 一方的な罰ゲームの提案にも、珠衣は抵抗しない。
 言うことを聞かせるのは、拍子抜けするぐらい簡単な子だ。こんなにチョロくていいのだろうか。
「じゃあ、まずはキスするのはどうだろう」
「えっ、キスってその」
 全く遠慮のないミノルは、思いつきでとんでもない提案をする。
「そのままの意味だよ、俺にキスしてくれればいい」
「ええっ! いや、でも私は……キスとかしたことないので分らなくて!」
 珠衣は明らかに困惑している。分からないので、したくないと言い訳。
「……」
 そんな彼女をジッと眺めて、ミノルは黙っている。無言の圧力、許してはくれない感じ。
「あっ、あのじゃあ……」
 チョンと、唇をミノルのほっぺたにくっつけた。小鳥のようなキスだ。
「……これでいいでしょうか」
 珠衣の顔が真っ赤になっている。たったこれぐらいで可愛いなあと思いつつ、ミノルはニヤッと相好を崩す。
「いいけど、するときに恥ずかしがったし、躊躇しちゃったからまた罰ゲームだな」
「そんなぁ、いじわるですねえ」
 珠衣は子供らしく拗ねてみせる。見た目が年齢よりも子供っぽく愛らしい珠衣は、たいていの相手なら、そうすると許してくれるのだがミノルは厳しい。
「ほら、早くしないとペナルティーが加算していくよ」
「えっ、えっ、ああはい!」
 大人に脅されると怖い珠衣は、急き立てられるようにしてミノルの血色の悪い分厚い唇に、自分の桜の花びらのような小さな唇を押し当てた。
 一瞬の柔らかい感触、たいしたことはないのだが、可愛らしい少女が自分から接吻をしてくれたことに、ミノルの心は暖かくなる。

「よし、これでいいだろう……んっどうした」
 さっきまで明るかった珠衣の顔が俯いて、暗い表情になっていたから気になる。
「私、よく考えたら初めてキスしたんですよね」
「なんだ、俺みたいなオッサンが相手じゃ嫌だったか」
 慌てて顔を上げて、珠衣は訂正する。
「いえっ、そうじゃないんです。そうじゃないんですけど……」
 こういうことって、好きな人同士でならいいことなのだろうけど、そうじゃないなら……上手く説明できないけれど、珠衣には抵抗があった。なにか悪いことをしてしまったように感じていたのだ。
「罰ゲームって言ったけど、これも君の身体を治すために大事なことなんだから、そうだなあキスしたといっても、キスの練習をしたと思えばいいよ」
「練習ですか?」
「そうだよ、もう彼氏がいるんならまずいかな」
「いやいやいやー、そんな人居ないです!」
「じゃあ、将来彼氏ができたときのための予行練習みたいなものだ」
 滅茶苦茶な理屈なのだが、単純な珠衣にはそれが通ってしまう。
「そうですね、練習なのですね。わっかりました!」
 珠衣は、元気な返事を返す。こんな理屈が通ってしまうほうが驚きだ。本当にわかったのかを確かめるために、ミノルはパンツ一枚で裸の珠江を抱きしめた。ここまでされても、拒絶はない。
 こりゃチョロい。
「キスなんて、欧米では親愛の挨拶みたいなもんだからね」
 欧米になど行ったこともないミノルが勝手なことを言っているが、珠衣は大人にそういうことを言われると、他愛もなく信じてしまう子供だった。
 しかも、部活動で先輩からの言うことは絶対だと教えられている。
「そ、そうですか、そうですよねぇ」
「俺は、珠衣ちゃんのことが好きだからな。だからこれは親愛の挨拶だよ」
 チュッと今度はミノルから接吻するが、今度は抵抗がなかった。
「好き……ですか、なんだか恥ずかしいですね」
 珠衣は複雑そうな表情をした。嫌がってもいないのだが、喜んでもいない。頬を赤らめているので恥ずかしがっているのかもしれないが、その瞳に浮かぶのは当惑である。
 嫌悪と好意が半々ぐらいなのだろうか、いまいち心が掴めない。

 しかし、ミノルはそういう相手の細かい心の動きなんて深く考えなかった。
 運が味方してくれているのだから、何をやっても自分が悪くなる方向に転がるはずがないと安直に考える。
「なあ珠衣ちゃん、恥ずかしがったらペナルティーなんだが……」
「あっ、そうでしたっ!」
 さきほどキスした口元を、可愛らしい手で押さえる珠衣にミノルは笑う。本当にこの子はうっかりさんだ。
「ハハッ、まあ今のはノーカンにしておく」
 さっと身体を離して、仕切りなおす。
「さてと、じゃあ今から俺も服を脱ぐけど……」
「恥ずかしがっちゃダメなんですよね!」
 ミノルの言葉に、珠衣がかぶせるように叫んだ。
「それはそうだが、まあいいや」
 脱ぐ理由を説明しようとしたのだが、珠衣が抵抗しないのなら無い知恵を絞る必要などない。
 さっさと脱いでしまう。
「先生はすごいですね、パンツも脱いじゃったのにぜんぜん恥ずかしがってないなんて……」
 変な感心のされ方をされている。
「先生って……」
「ああ、先生はダメでしたか。じゃあえっとコーチとか?」
 そうかこの子は水泳部だったなと、ミノルは思いだした。日焼けしている以外は、さほどに運動部らしさを感じないのだが、上下関係を叩きこまれているのだろう。
 大人で年上のミノルの言うことを真に受けるのも、わからないでもない。そこも、ミノルのラッキーと言えるのかもしれないが。
 しかし、ミノルは少し硬くなった一物をブラブラさせているのに、そこについては恥ずかしがる様子がない。少し緊張した面持ちで、ミノルを見つめている。
 ここで恥ずかしがらせてまた罰ゲームって展開を考えていたミノルはちょっと拍子抜けしてしまう。
 どうもこの娘はズレている。
「じゃあ、コーチでいいよ。今からたっぷりと君の身体をコーチングしてあげるから、覚悟していろ」
「はい、コーチお願いします」
 股間を怒張させてわざとらしく嫌らしい言い方をしてみたんだが、従順だった。水泳部出身と言ってたな、そういうモードに入ったってことなのだろうか。どうもこの娘のマイペースに調子を狂わされる。
 まあいいやと、ミノルは嘆息しておもむろに珠衣の身体に手を伸ばした。

「まずは、オッパイの治療だ」
 五百円玉より少し大きいぐらいのピンク色の乳輪に浮かぶ突起を指で摘み上げた。大きな乳輪に反比例して、珠衣の乳首の突起はあまりにも小さい。
「はにょおおぉー!」
 なんだ、なんて言いたかったんだろう?
「『あのう』って、言いたかったのかな?」
「はのぉぉ、これああぁ!」
 グリグリと、乳首を指の腹で擦り上げられて珠衣は、痛みとむず痒さを感じる。
「ああこれはね、こうやって刺激することで乳首を大きくしようとしてるのさ」
 指でグリグリとしていると、小粒の芯が硬くなり小豆ぐらいの大きさに成長した。
「はああっ、にゃんだかイタッくすぐったいでしゅぅ」
「乳首をこうやって自分で刺激したことはあるかな」
「ほんな、はりましぇん!」
 ほとんど触れられたことのない乳首を指で強く摘み上げられるのは、あまりにも刺激が強かったのか、まともに喋れていないので苦笑する。
「まだ皮が薄いかもしれないからちょっとキツイかもしれないけど我慢してね。俺がやらないときも、こうやって自分で刺激して大きくしないといけないよ」
「うひゃ、でもぉおかしいです」
「んっ?」
 指の動きを止める。疑問に思ったなら、説明しないといけない。
「はのぉ、おかしいですよ。小さくしないといけないのにぃ」
「ああ、そういうことか。よく聞いて、こうやって乳首を刺激すると大きくなるよね」
 タケルは強烈な刺激は止めて、尖って敏感になっている乳首の先を優しく触れた。
「わかりませんけど、さっきよりジンジンして大きくなったような気は」
「わかったならいい、そうしてこうやって揉みしだきもする」
「あっ、それもなんか痛い」
 まだ発達未了の硬い乳房を強く揉まれると、痛いのだろう。ミノルは気持ちいいだけだから、構わず揉むけど。
 うんうん発展途上も良いものだ、小ぶりなのにプルンプルンと弾力があって小癪にもちゃんと揺れるAカップ。

「こうして揉んでたら乳首と一緒で乳房もやがて大きくなる。よく考えてご覧、オッパイが大きくなったら、比例して乳輪小さくなるでしょ」
「えっ、あっ……ああっ! なるほどーです!」
 ようやく理解してもらえたらしい。
 まあ、ミノルが言っている理屈もたいがい大嘘なのだが、それはどうだっていいことだろう。
 ミノルの本当の目的は、ただ発達過程の女子中学生を性的に嬲りたいだけなのだから。じっくりと育てていければ、それも面白いなとは思うが、時間がかかりすぎて面倒くさいようにも思う。
 どうしようかな~と。
 あまり一人の女に深入りして固執するのも考えものだ。
 可愛い女の子と出会えば、今度はもっといい女が居るかもしれないと思う。ミノルは三十二歳のこの歳まで、そうやって生きてきた。
 生き方にポリシーがあるわけではないけれど、何となく決まった住処を持たず、決まった相手を持たずに流されるようにやってきた。
 まだ蕾が閉じている長澤珠衣の未成熟な身体をゆっくりと開かせるというアイデアにはそそられるけれど、
 この娘はいろいろとズレてるから、途中で相手をするのに、飽きてしまうかもしれない。
 刹那的な生活を好むミノルは、あまりに長丁場になってしまいそうな相手には臆病なところがあった。
「ふうむ……」
「どうしたんですか、コーチ。私が何か悪いことをしましたか」
 さっきまで痛いぐらいに激しく責めていたのに、急に手を止めて考えこんでしまったミノルの反応に不安を掻き立てられたらしい。
「いや、なんでもない」
「あのっ、私どうしても身体を治したいんです。こんな不格好じゃ、着替えするときも恥ずかしくって……」
「じゃあ、どんなことにも耐えられるかな」
「はい、今だって覚悟を決めてます」
 返事はいい。どこまで耐えられるか、試してみたくなった。やはり、珠衣にはそそられるとところがある、ミノルは思う。
 そういう予感には逆らうべきではない。

「いいだろう、じゃあ今から俺は君の身体を舐めまわす」
「えっ、舐めるんですか」
 そこまでは予想外だったのか、躊躇を見せる珠衣。
「そうだよ、ペロペロと舌で舐める。嫌だったら止めるぞ」
「大丈夫です、お願いします!」
 そう聞くなり、ミノルは桜色の唇にムシャブリついた。
 抱きしめるほっそりとした肩が震えるが、構わずに舐め回す。乱暴にツインのお団子頭を掴んで、たっぷりと口内を隅々まで舐め回して、逃げ惑う小さな舌を蹂躙してねぶり尽くすと、チュプと、唇を離す。二人の唇の間で唾液が糸を引いた。
「……このように、舐め回すとは、もちろん口内も含まれているわけだ。それでも大丈夫か」
 あまりにも呆然とした顔をしているから、思わず聞いた。
「んっ、んふうっ、ごっ……ごめんなさい。ちょっと驚いただけです。すみませんコーチ、私は平気……です」
 たっぷりと舐められた唇を小さい手でさすっている。
 もちろん、浅いキスも深いキスも初めてされたのだろうから。驚くのも無理はない。
 しかしこれでも受け入れてしまうのかと、ミノルはニンマリ笑った。
 これなら、なんでもできそうだ。
 小さい乳首に吸い付いた。
「あっ、あのそんなことしたら充血して余計に」
「乳輪が大きくなるってか、よく考えてみろ乳首の先に集まれば」
「あっ、そうか小さくなりますよね」
 嬉しそうにそう言った。こんなことで納得してしまうのか。
 舌で転がすうちに、本当に豆粒だった乳首が小さいながらも硬く尖って自己主張してきた。
 ミノルはそれでも、こんな小さな乳首から本当に母乳が出るようになるのかなと思いながら、未熟な蕾を一心不乱に吸い続けた。
「はあっ、くんんっ、ううっ……」
 ふと見上げると、珠衣はホッペタを真っ赤にして下唇を噛んでいた。
「珠衣ちゃん、我慢しなくていいんだよ」
「ふえぇ?」
「これは治療なんだから、こうされて気持ちいいのか」
「ひはぁ!」
 そう言いながら、ミノルは珠衣の小さな乳首の先端をクリクリする。
「痛いのか口で言ってもらわなきゃ分からない、やりすぎてしまってもいけないし、ちゃんと自分で説明してごらん」
「えっとっ、痛くはないです。変な感じっ! コーチに乳首を吸ったり、いじっていただくと、ムズムズするみたいな感じになって、声が出ちゃいます」
「それは気持ちいいってことではないの」
「分かりませんっ!」
「そうかっ、それじゃあ分かるまで続けようかな」
 吸うのは少し休んで、まだ未発達の乳房を揉みながらミノルはニヤッと笑いかける。
 それに珠衣は、もうやめてくれとも続けてくれとも言えず、ぎこちない笑顔を返した。

 しばらく休憩の後、また執拗に小さな乳房への愛撫と乳首への吸い付きが開始される。珠衣は、「乳首がちぎれてしまいそうだ」と言いながらも、「止めろ」とは言わなかった。
「どう、乳首は感じるようになった」
「……なんだかくすぐったい。あと、コーチは赤ちゃんみたいです」
 それなりに頑張って乳房への愛撫を繰り返していたつもりが、変な感想が返ってきたので、ミノルはビックリして顔を上げる。
「俺は赤ちゃんみたいか、……赤ちゃんは、好き?」
「好きです、可愛いと思います。親戚のお姉さんに赤ちゃんが居るんですけど、たまに見せてもらいますっ!」
 急に饒舌になった、本当に子供好きなのだろう。子供が子供好きってなんだか面白いなとミノルは笑った。
「ふーん、それはいいね、赤ちゃん好きって言ったら女性ホルモンが出るよ」
「女性ホルモンがでると乳輪が小さくなるんですか?」
 乳輪を小さくすることにとてもこだわっている。
「そうだね、赤ちゃんが出来ると、母乳をあげるためにオッパイが大きくなる。つまり乳輪は小さくなるはずだ」
「そっか、なるほどです。吸われるのもいいって言ってましたものね」
 それで安心したように笑い、チューチューと珠衣の乳首を吸うミノルの髪を「大きい赤ちゃんね」と言って撫でてくれた。
 そのまだあどけない笑顔に、ミノルは少しだけ罪悪感を抱く。
 これから、このまだ無垢な女の子と子供ができるかもしれない行為をするのだ。
「よし、胸はこんぐらいでいいか。今度はおまんこの方を舐めるぞ」
 だから、せいぜい最初は感じさせてやろうと思った。
「うそ、そんなとこ舐めちゃうんですか」
 おまんこという言葉の意味が分らなくても、ミノルがどこを見ているかぐらいすぐ分かる。包み隠さず丸出しになっている、自分の大事なところをジッと見られて珠衣は逃げ腰になった。
「舐めちゃうんだよ、じっとしてろ」
 逃げようとする細い腰を捕まえた。水泳部で鍛えてるとはいえ、ちびっ子に負けるような大の大人はいない。
 捕まえるた小さな珠衣を、ソファーの上でまんぐりがえしにして、まだ毛も生えていない無垢な割れ目の上の部分、小さなピンク色の小粒を舌で探るように舐め始めた。
「うそっ、舐められてる、コーチぃぃ、そんなところ汚いですよぉ!」
「ここはまだ、皮を被ってるな、自分で剥いたことないのか?」
「皮ってなにぃ、ほわわぁぁぁ!?」
 舌先で、コリッと肉芽を剥いてしまう。
 珠衣は、全身を激しく震わせながら首をガクンガクンと震わせた。構わず、乱暴に芯を舌先で擦り上げるようにしてめくる。
 先っぽをチューと吸われて、無垢な割れ目も次第にピンク色に充血して、とろりとした愛液を漏らし始めていた。
「ひああぁぁぁ! やだぁぁなんかぁくるっ!」
 あまりにも激しい快楽だったのだろうか。
 珠衣の細い首が、ちぎれてしまうのではないかと思うほどに上下に痙攣している。
 しかし、ミノルは許すこと無くチュートン、チュートントンと生まれて初めて皮を剥いたクリトリスの先っぽを刺激してやる。
 初めて剥かれた陰核の先には、たっぷりと恥垢がついていたのだが、罪滅ぼしのつもりかミノルは全部舐めとって食べてやっていた。
 無垢な割れ目からは、留めなく愛液がこぼれてソファーを濡らす。
「ひぎゃぁああぁあああああああ!」
 叫び声を上げ、ビクーッ、ビクーッと身体をつんのめらせた珠衣は、首筋まで顔を真赤にさせている。その表情は、恍惚としていて瞳がトロンとしていた。半開きになった口元からヨダレが垂れている。
 もはや茫然自失となっている珠衣だが、それでもミノルはただクリトリスを舐め始めた。
 珠衣の身体は感じさせられすぎて火照っている。刺激されていない乳首ですら、明確な形を持ってぷっくらと浮き上がり大きくなっていた。
 仰向けに倒れたままの珠衣は、時折身体をビクッ、ビクッと震わせるだけでもはや何も反応しなくなった。
「どうした、大丈夫か珠衣」
 ようやく、クンニリングスをやめたミノルは、珠衣に声をかける。
「はっ、はひぃ……」
 蕩けるような瞳で唇を震わせているが、どうやらまだ意識はあるようだ。
「大丈夫なら続けるぞ」
「ちょっ、まぁぁ!」
 震える身体を抑えつけるようにして、ただの縦筋である割れ目を舐め続けた。うわ言のように嬌声を上げ続ける珠衣。
 最初は我慢していたが、「もうダメッ!」と叫んだ。
 何がダメなんだと思ったら、俺の顔にプシュッと温かいお湯が噴き出してきた。
「なんだ……」
 よがりすぎて、ションベンを漏らしたのだ。
「ああっ、ダメっていったのに、いやぁぁ!」
 俺は思わず、ゴクゴクと喉を鳴らして珠衣のオシッコを飲んでいた。ちょっとしょっぱいが、小娘のションベンぐらい飲んでもいいぐらいなんだ。
「うそっ、コーチ私のを飲んでる……」
 珠衣は顔を真赤にして、小さい手を口に当てている。
「ぷはっ」
 飲んで、舐めて、綺麗にしてやったぞ。
「ホントに飲んじゃったんですか」
「なんだ、お前が粗相したから悪いんだぞ。なんか文句あるのか」
「いえっ、あのっ、ありがとう……」
 顔を林檎のように真っ赤にしている。恥ずかしがっているのはなかなか面白いが、なんでお礼を言うんだ。
「ありがとうじゃねえだろう」
「あっ、はい、ごめんなさい……」
 別に怒っているわけじゃない。
 珠衣が可愛いから、ちょっと意地悪してみたくなっただけだ。
「悪い子には罰を与えないとな」
 ミノルは、そう言いながら少女のフェロモンがたっぷりつまった潮を飲んだせいで、ガチガチに勃起した赤黒い陰茎を、まだ無垢な割れ目に過ぎない珠衣の穴に押し当てた。
「罰ってふぇ?」
「たっぷり肉棒でお仕置きしてやるよ!」
 そのまま体重をかけて、一気に細い穴を貫いた。
「ふぁ!」
「おっとっ」
 ……つもりが、あまりにも狭い穴は散々感じさせて濡れさせてやってもまだツルリと滑って、雄の生殖器が入り込むのを阻止した。
「ああっ、何するんですか」
「大人の女にしてやるって言っただろう、すぐ済むからじっとしてろ」
 何度かカウパーをドロドロと垂れ流す亀頭を突き上げて、少女のクレバスを滑らせるようにしながら、その深い奥に自らの欲望を差し込もうとする。
「あっ、うそっ、入っちゃってる」
「抵抗した割には、すんなりいったな」
 何度目かのトライで、的を当てると、ブチッと抵抗を押し切る。あっけなく十四年間の珠衣のおまんこを守っていた処女膜は断ち切れてしまった。
 そのまま、ミノルが男性自身をぐっと奥まで突き入れると、まだ小柄な女の子にしか見えない珠衣の中は出来上がっていた。
 膣襞がウネウネと亀頭にからみつき、ぎゅっと包み込んでくれる。体温が高いのか、珠衣の穴の中は驚くほどに暑かった。初めて男を受け入れたにしては上出来。その蕩ける中の気持ちよさに、ミノルは感嘆の声を上げた。
 ミノルは若い女の子は好きだが、処女が好きなわけではない。初めては、狭すぎて気持ちよくなかったり痛みに泣き叫ぶ女の子で萎えたりするからだ。
 しかし、珠衣の処女膣は悪くなかった。
 感じさせて失禁までさせたのが良かったのだろうか、除幕式を終えたばかりの新品マンコが思いの外、能動的な蠢きを持ってミノルの肉を刺激してくれる。
 キツキツなのに気持ちいい、最高級品の女の穴だった。
 見かけは少女なのに、中を割ってみればしっかりと女。そのギャップに興奮したミノルは、ほとんどない乳房をもんだり乳首を摘んだりしながら、腰を振るった。
「いだっ、いだいっ!」
 一方的に楽しんでいるのはミノルだけだ。どれほど濡れさせても処女の膣は、皮の剥け初めた男のちんぽこと一緒で、敏感すぎる粘膜に強すぎる刺激を与えられると痛みを生じる。
 そんな苦痛の呻き声ですら、ミノルを興奮させるだけだった。
「珠衣、中に出すぞ!」
 ミノルに慈悲があるとすれば、そうやって自らの性感を高めることで、一方的な苦痛を与えるこの開通式を早く終わらせたことであろう。
 膣襞の感触を楽しんでいるとはいえ、そこまで乱暴に中を掻き乱したわけではない。
 ミノルはただ、おもいっきり自分の形に少女の中を広げて、その一番奥にある女の子の部屋の入口に自らの出口を擦りつけて、射精しただけだ。
 ドクドクッと勢い良く精液が飛び散っていく。
 それらは全て、珠衣のお腹の中に入っていってしまう。
「中になんか出てるぅ……」
 珠衣は悲鳴を上げた、生暖かい感触がじわっとお腹に広がったことで中に出されたと分かったのだろう。
「ふふっ、中に出てるのが分かるのか。せっかくの初めてだ。子種を肚に溜め込んだ感覚をよく覚えておけよ。これが大人の女になったって証だ」
 ぬるっと引きぬかれた珠衣のあそこから、血と精液の交じり合った液体が零れた。
「コーチ、本当に中に精子出しちゃったんですかぁ! これじゃ私、妊娠しちゃいますよぉ……」
 股から溢れている精液を見て、珠衣は焦っている。
「ほぉ、いっちょ前にそんな知恵が働くんだな」
「赤ちゃんの作り方ぐらい、私だって知ってます」
「だけど安心しろ、ちゃんと心配ないようにしてやったから」
「……本当ですか?」
 嘘は吐いていない。
 その様子に、ホッとしたようだった。なにせ、ミノルは珠衣の尊敬する大人なのだ。大丈夫なようにしてくれているのだろうと考えた様子。
 もちろんミノルの心配ないというのは、妊娠しないという意味ではない。
 珠衣が孕んだところで、知ったこっちゃないということ。幸運の星の元に生まれたミノルは、どうともならない自信があるというだけだ。
 一度ぐらいなら妊娠しないかもしれないし、そこらへんは知らぬが花というものである。
 裸に剥かれて身体中を舐められて、失禁までさせられて処女を奪われた珠衣。今日は散々だった彼女に、満足したミノルはもう帰っていいとそっけなく言った。
「そんなぁ、連絡先を教えて下さい」
 このまま別れては、やり捨てである。これからもコーチを頼んで乳輪を小さくしてもらいたい珠衣は、ミノルにすがった。
「うーん、連絡先か。携帯持ってないんだよね」
 着の身着のままで生きているミノルには、電話番号どころか特定の住所すらない。
 そちらのほうが面倒がなくていい、着の身着のままがミノルの心情だ。
「じゃあ、コーチ。これ私の電話番号です」
 メモ用紙に書いて渡された紙を、ミノルは分かったと鷹揚に頷いて、クシャクシャにしてポケットにしまった。
 気が向いたら連絡する、そうだなそれぐらいのほうが自分らしいなとミノルは、ほくそ笑んだ。

「これ飲みなよ」
「あっ、ありがとうございます」
 喉の渇きを覚えたミノルは、勝手にお店にあるお茶を飲むと、珠衣にも缶ジュースを握らせて帰した。
 のんきなもので、珠衣はあれほど酷い目にあったというのに、終わったあとにコーチにもらったオレンジジュースを特別なものに感じながら、味わうようにして飲みながら帰っていった。
 等価交換だと考えると、珠衣の処女の価値は百円のジュースと同等ということになるのであろうか。
「本当に客の来ない店だなあ……」
 空腹を覚えると、また勝手に店の商品に手を付けるミノル。
 何個か置いてあるシャケ弁当を手に持ってバックヤードに入ると、パクパクと食べてゴミ箱に捨てる。
 弁当を食べながら、未だに床に寝そべっている西村綾生(にしむらあおい)を眺めていたら、なんかムラムラとしてしまった。
 散々犯されて、よく眠っているものだ。
「お金ないから、弁当代も精子払いでいいよね」
 返事がないので、了解と取ったミノルは、綾生の大きな胸を揉みながら緩んだ膣中に支払いすることにしたのであった。
 二回目のセックスは、一回目よりもこなれていい感じであった。
「うっ、せっかくだから孕んどけよ、綾生ちゃんっ」
 無抵抗な子宮を、再び大量の射精が襲う。

     ※※※

「ううっ……、あれ! いけない寝ちゃった」
 雑貨屋『西村商店』の娘、西村綾生(にしむらあおい)は倉庫で眼を覚ました。親から店番を頼まれていたのを二つ返事で引き受けたのだが、BL同人誌を描いている綾生はコミケの追い込みに入っていて、二日ほど寝ていなかった。
 起きていなきゃと思って、目を覚ますためにこっそりとカウンターの下でオナニーまでやらかしたのだけれど、あまりにも客が来ないから品出しをしようと思ったところで力尽きて寝てしまったようだ。
「よく眠ってスッキリしたけど、なんか悶々としてたせいでエッチな夢見たなー」
 知らないお客さんに犯される夢。
 徹夜で同人誌なんか、描いているからだろう。
「あっ、そういえば杏端中学の子が来るって言ってなかったっけ」
 もしかしたら居るかと思って、奥の休憩室に入ると机の上に資料が置かれていた。
「あちゃー、来たけど帰っちゃったのね。悪いことしちゃったわ、あとで謝っておかないと」
 本当にうっかりとしていた綾生は、ふらつく頭を押さえてカウンターに戻った。
 時刻はもう夕刻近い。綾生がカウンターに戻るとほぼ同時に、閑散としていた店内にやけにお客さんが来るようになって忙しく立ち働いた。
 おかげで目も冷めたのだが、そのせいで自分の股からこぼれ落ちて足を伝うねっとりとした液体に綾生は気がつかなかった。
 濡れやすい体質だから、潮でも噴いたのかと思ったのだ。
 同人誌の締め切りも近くてテンパってる綾生は、深く考えず無造作にさっさと拭いて終わりにしてしまった。

 彼女が中出しされたことに気がついても、気がつかなくても、綾生の健康な子宮の中にミノルの精虫は泳ぎまわり、一週間生き続ける。
 その間にもし、排卵してしまえば、綾生は望まぬ子供を受胎してしまうことになろうだろう。


プロフィール

ヤラナイカー

Author:ヤラナイカー
おかげさまでプロ作家になって五年目です。
ボツボツと頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします。
(プロフの画像、ヤキソバパンツさんに提供してもらいました)



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