後日談13「栗原綾子の不妊治療2」 |
五月、新緑の季節。先月末にまた生理が来てしまった栗原綾子(くりはら あやこ)の不妊治療は続きます。 先月の野外調教で、とあるマンションの住人に出くわしてしまってから、「もう二度と野外調教はしない」と綾子に拒絶されたものの(正志も『別の理由で』したくなくなったのでちょうど良かったらしいですが)普通の調教には、やけに素直に応じるようになりました。 それは、正志が驚くほどの変化です。 なにせあれほど嫌がってた動画のアップに積極的になり、ついに全身ヌードを前から撮っても良いと自分から言い出したぐらいです。 もちろん正面から映すといっても、顔を黒い皮のマスクで覆い隠す程度の配慮はしています。 綾子の美しい素顔を知っている正志は、動画の書き込みで「あれけっこう小顔で美人なんじゃない?」「マスクの下はどうせブサイクだろ」などと綾子の素顔について議論されているのを見るのも優越感があって面白いものでした。 なるほど個人特定の危険を冒してまで、多くの人がハメ撮りなどをサイトにアップしている気持ちも、実際に自分がやってみるとわかろうと言うものです。
一方で、どうして綾子がここまで素直になったのかと説明してしまえば、深谷茉莉香という『成功例』を知ってしまったことが大きいのでしょう。 実はあの四月の露出調教の後、綾子は茉莉香と二人だけでじっくり話す機会を得ていました。その影響があって、このように素直に正志を受け入れることになったのです。 勘が鈍い正志は、綾子と茉莉香が自分には内緒で通じ合っていることも気がついていませんし、綾子の態度が突如として柔軟になったこともおかしいとは感じていません。正志に対する茉莉香の反応も、それにともなって以前とは少し変わったはずなのですが、そっちのほうも全く気がついてもいませんでした。 相変わらずまったく考えが浅いというか察しが悪いというか、今回はたまたま綾子と茉莉香の競争意識のようなものが上手く作用したようなので、結果オーライなのかもしれませんが、正志はそのせいで後々驚かされる結果になるのです。
さて、場所は栗原家の寝室です。他のマンションの部屋と違って、最上階で豪華な間取りになっているマンションの最上階のこの部屋は一室が広々としています。テラスから差し込む柔らかい陽射しのなか、デザイナーズブランドとかいうやたら大きな白いシーツのかかったフカフカのベットが置かれています。 塵ひとつない綺麗で広々とした板間にベットが一つだけ、贅沢なスペースの使い方と言えるかもしれませんが、やや生活感に欠けて冷たい感じがします。しかし逆にその生活感の欠如こそが、夫は複数のベンチャー企業を経営する起業家であり、妻は有閑マダムとして都内を忙しく遊び歩いている、そんな夫婦の生活を表していると言えるかもしれません。 そんな部屋の真中で、裸になって転がされている綾子はまるで美術的に据え置かれた標本のようでした。 タイトルをつけるなら、そうですね『まな板の上の美肉』なんてのはどうでしょうか。なにせ、綾子はただ寝そべっているのではなく『裸になって転がされている』のですから。 ベットの上の綾子はただ裸になっているわけではありません。顔全体がSM用の黒皮のフェイスマスクで覆われて、眼は全く見えない状態です。口にはご丁寧にもプラスチックの無骨な塊が咬まされていて(いわゆるギャグボールですね)話すこともできません。 身体はM字開脚の姿勢で、黒いゴム製のロープでグルグル巻きされています。きわめて乱雑な拘束のされ方です。 正志は、どちらかと言えば手先は器用なはずなのですが、この縛り方を見るにつけて縄師としての才能と情熱には欠けていると言えるかもしれません。身体を縛りつけて、オッパイを変形させているロープは、まともな縛り方ではなくても拘束としては機能していますが、その道のプロが見れば「せっかくの素材が勿体無い」と呆れるほどに、いい加減な縛り方です。 あとは綾子の裸体をキャンパスにでも見立てたのか、動画であらかじめこういうの書いてくれと閲覧者に希望を募った隠語を適当にマジックで落書きしてあります。 書かれている落書きの文句は「おまんぽ」だの「おちんぽ挿れて」だのオリジナリティの欠片もありませんが、全体としてSMチックな雰囲気というか、虐げられている感は出ています。 縄による拘束も、身体の落書きも、ただの飾りに過ぎないので、そこら辺は大雑把でいいと正志は考えているようです。むしろ乱暴に扱うことで、綾子の心をより虐げているのかもしれない……とまでは考えすぎですね。 きっと正志は、ただ本能のおもむくままに、綾子を虐げているだけなのですから。
余談ですが、綾子の秀麗な眉目を覆っている皮のマスクやスッと紅いラインを引いたような口を塞いでいるギャグボール、そして身体を拘束するロープに至るまで、去年の冬のはじめに岸辺 佳寿美(きしべ かすみ)の調教につかっていた物の再利用です。 潔癖症の毛のある綾子は、自分の顔や口に触れるものが他人がすでに使った中古品だと知ったら、きっとすごく嫌がるに違いありません。きちんと消毒していると説明しても、小うるさく騒ぐはずです。まあ、そこら辺は知らぬが仏と言ったところでしょうか。 (まったく、自分のマンコも中古品のくせに面倒くさいやつだよな) 正志は綾子が聞いたら怒りそうなことを心のなかでつぶやきながら、皮のマスクやロープで拘束されてベットの上で足を大股開きにしている綾子をジッとカメラで撮影します。 (ふふっ、撮り終わったら、子宮の方も俺の使用済みにしてやるからな) もちろん正志は、そう心で思うだけに留めます。自分の声が映像に入ってはいけませんから撮影中は黙って見ているだけです。そして撮りながら、縛られて身動きが取れない綾子の股ぐらに、ブンブンと唸りをあげる大きなバイブレーターを突っ込んでよがらせます。 形の良い乳房の乳首の先にも、ピンクローターを一つずつ括りつけて綾子を刺激することにしました。 そうして、カメラを向けたまましばらく放置です。 綾子は程なくして我慢しきれなくなったのか、何か叫び声とも嬌声ともつかない呻きをあんあんおんおんと漏らしています。 そうです、いまの綾子は口輪をかまされているので、叫ぼうが呻こうが涎がたらたら垂れるだけで、人間の言葉になりません。 正志は、動物のように戦慄くだけの哀れな女を、ただ自分が満足がいくまで撮り続けていました。 こうして見下して初めて、綾子を完全に手中に収めることが出来た征服感に酔いしれることができます。そこまでしないと満足できないのですから、正志の綾子に持っている劣等感も難儀なものですね。
「よおし、もういいぞ。よく頑張ったな」 正志はハンディーカムのカメラを止めて、綾子の口にかましたギャグボールを外してやります。 そうして、唇の周りに無残に垂れた涎を丁寧に拭いてやるのです。 身体の自由も視野すら奪われている綾子を眺めて、正志はたっぷりと満足できましたから、乱暴なプレイが終わった後は少し優しい気持ちにもなるのです。 「ハァ……ハァ……ありがとう、ございます」 バイブとピンクローターを外して身体の拘束も解いて楽にしてやると、綾子は絶え絶えの息をついて正志にお礼を言いました。 今この瞬間だけは、完全に正志が上です。正志が、綾子のすべてを支配しているのです。正志は、そう思うとだんだんとムラムラしてきました。 「このまま犯してやるからな」 「あっ、ちょっと待ってください」 「んっ、なんだ」 「あの犯すのはいいんですが、やるときに正志さんも目隠ししてくれませんか」 今日の調教をはじめる前に綾子が珍しく正志にプレゼントを手渡してくれたのですが、それはゴーグルタイプのアイマスクでした。 正志が、綾子にマスクさせて視野を奪うなら分かるのですが(実際に今も、綾子は顔の上の部分を覆う皮のフェイスマスクで視野を完全に剥奪しているわけです)この上で、正志までもが目隠しする理由がわかりません。 「ふん、いいぞ。かぶればいいんだな」 綾子の反応が眼で楽しめなくなるのは残念ですが、お互いに全く見えないなかで身体をまさぐり合うのも一興かと思えました。 何より消極的だった綾子が、自分から用意してくれたものなので、ここは乗るべきだと考えたのでしょうね。虐げる相手のお願いをホイホイと聞いてしまうのですから、やっぱり正志にSMの才能はないと言ってしまっていいと思います。
口輪を外された綾子が、ハァハァと荒い息の下で、密かにほくそ笑んでいることにも、正志は気が付きません。 例えば「マスクをかぶったよー」なんて言っておいて。 本当はアイマスクなんてしなくても、フェイスマスクで覆われている綾子にはわからないのですが、妙なところで律儀な正志はきちんとアイマスクをして綾子と身体を重ねました。 「なるほど、見えないと変わった感じがするな」 正志は自分でやってみて、初めてされる側の気持ちが分かった気がしました。視界が奪われているからこそ、他の感覚が鋭敏になるということがあるのです。均整の取れた綾子の肉体を手でまさぐるようにして確認します。 暗闇の中で、相手の暖かさを肌に感じて、確かにそこに生命を持った女が存在すると確かめられたような気がしました。 よく考えるとお互いに目隠しなんかしなくても、カーテンを引いて電気を消せばいいだけなのかもしれませんが、これは気分の問題というものでしょう。 能動的に、お互いの視界を奪ってから求め合う行為はとてもアブノーマルで刺激的だと言えます。 初めての感覚にドキドキしながら、正志は綾子の滑らかな肌に手を滑らせて下腹部をまさぐりました。 そうして、アソコがしっかりと濡れていることを確かめるとぎこちない仕草で腰を擦り付けるようにして、ゆっくりと挿入していきます。 「ああっ、入ってきます……」 綾子の声が正志の耳たぶを優しく震わせます。聴覚と触覚に頼ったセックスは少しぎこちなくて、なんだか初めてセックスしたときのことをその興奮と共に思い出しました。 (悪くない、悪くない感覚だな、これ……) すごく敏感になっている肉棒で割るようにして腰を沈めると、正志の存在そのものが綾子の締めつけてくる牝肉の形を強く感じます。 そのまま綾子を抱きしめて、全身で愛撫します。 「はぁ、気持ちいいです」 さっきたっぷりとバイブレーターで身体をほぐされていた綾子は、気持ちよさそうに身体を震わせます。 視界を奪われて責められるということが分かると、綾子がどんなふうに感じていたのか何となく分かるのです。
(そうすると、こうか……) 腰を沈めながら、形の良い乳房をグイッと掴むと、ビクンビクンッ面白いように綾子が震えます。とても面白い反応です。見えないからこそ、次にどうされるか分からないことが絶妙な効果を生んでいるのです。 正志の方も目隠ししているので、綾子が次にどう反応するかまったく見えませんから、何度も抱いている身体がとても新鮮に感じました。 指で反応を確かめるように、ぎこちなく綾子の身体をまさぐり、尖った乳首の先っぽをちょっと噛んでみたりして綾子に声を上げさせます。 「ああっ、んはぁ……」 正志の耳たぶを震わせる、綾子の吐息がこんなにエロく感じるのは久しぶりでした。まるで、恐る恐る初めて綾子の身体を抱いたときのような初心を思い出します。 (目隠しプレイ、面白いじゃないか) まだ今日の時間はたっぷりとあります。すぐにイッてしまわないように、膣の中で動かさず陰茎を休ませてから、綾子の背中に手を回して形の良い尻の肉をイタズラに手で揉み上げるようにします。 「はぁん、ふぅん……」 綾子の大きな尻の肉を揉んで、悪戯に臀部のワレメを指先で撫でたりして、反応を探ります。マンコに挿入しながらお尻を弄ると、膣内にも反応が伝わってとても気持ちいいのです。 身体のどこかをまさぐるたびに、綾子は違う声色をあげて反応を返すので、まるで楽器を弾いているような陶然とした心地になりました。 しばらくそうやって綾子の身体を弄んでいると、不思議と正志の股間の奥底から獣のような凶暴な欲望が鎌首をもたげてくるのです。 「そろそろ激しくやるぞ」 正志はそう宣言して、さっと身体を引くと綾子の生足をガシっと掴みました。スベスベの太ももから足首にかけて手で触れて、その見事な脚線美をなぞりました。 目で見えないからこそ、綾子の肌のキメ細やかさに深く感じ入ります。綾子の太ももの感触はモチモチで、まるで赤ん坊の肌のようです。 (どんなエステに通ったら、こんなに瑞々しくなるんだろうな) 顔に無骨な皮マスクをかぶせようが、身体中に卑猥な落書きを書きまくろうが、こうやって手で触れるだけでパーツの美しさは変わらないのです。綾子はやっぱりお高い女だなと、自分とのランクの違いに引け目を感じてしまいます。 おっとそんなことを感心してる場合じゃないと正志は、両足を思いっきり押し開いて、そこにドンと身体を乗せます。 綾子がどれほど気位の高い女であろうが、いまは俺の自由になるんだと正志は思い切りました。 「そらよ!」 そんな気合と共に、綾子の足首を抱くようにしてグッグと腰を密着させて生殖器をすり合わせます。綾子の穴は気持ちが良いほどにスルッと正志の元気な陰茎を飲み込みます。 そのまま勢い良く、蕩々に蕩けそうな綾子の媚肉を分け入って、一番奥までえぐるように、硬いペニスでグイッと突き上げました。
「ひああああぁぁぁー」 壊れそうなほどの勢いで、綾子の膣奥が暴力的な突き上げを喰らいました。膣奥のそのさらに奥にある子宮にジーンと響くような振動が伝わると、綾子の心までも強く震わせます。 そうしてすぐにピストン運動が始まります。綾子の膣襞を陰茎の肉傘で嬲るようにズルッと引き、またドンッと突き上げるのです。 一番奥を反り返った陰茎の先でゴツンと突かれるたびに、骨盤ごと子宮を揺さぶられているみたいで、綾子は悲鳴を上げます。 「ひゃんっ」 穴の中をズルズルと硬く太いホースが擦れるたびに、綾子の蕩けそうな内蔵がドロドロのグチャグチャに掻き乱されます。正志の凶暴なピストン運動は、まるでそのために作られた律動機械のように、ドンドンと加速していきます。 「ひっ、ひあぁ、あああぁぁ!」 あまりにも激しい責めに、思わず綾子は苦しそうな悲鳴をあげました。正志の全体重を落としこむような乱暴な縦運動に全身が翻弄されます。吹き飛ばされそうで怖くて、綾子は必死に正志の肩に手を回します。綾子の形の良い乳房も、正志のピストンに合わせて面白いぐらいにブルンブルン震えました。 悲鳴を上げていても、綾子は痛いわけではありません。ずっと求めていた刺激を与えられてとても気持ち良いのですが、その気持ちよさが激しすぎて幻痛を感じるぐらいなので叫んでしまうのです。 鮮烈な快楽が突き上げられる下半身から脊髄を通して脳に駆け上がってくる衝撃に、悲鳴を上げずにはいられない。 まるで他人のように自分の喉を通してひゃんひゃんと出る音を聞きながら、綾子は身体の細胞一つ一つが、喜びの声をあげているように感じました。 それまでのバイブレーターという人工の機械で与えられた感触と、男の生の生殖器が与えてくれる刺激は全然違います。 生の粘膜と粘膜が触れ合う子作りセックスの感覚は、どのような人工物を使っても再現できない気持ちよさなのです。
ここまで感じさせられてしまっては、相手が綾子のような美しい女とはとても不釣り合いの醜い男であるなんてこと、もう関係ありませんでした。 綾子は身体と心を震わせて泣き叫びながら、ただ触れ合う肌と肌、生殖器と生殖器を通して与えられる快楽と愉悦を求めることに、必死になっていました。 綾子は、激しく揺すぶられるマンコからジワァァッと愛液を垂れ流して、ただ正志が自分に精液を与えてくれる瞬間だけを待ちわびます。 生殖器がいやらしくこすれ合う、グジュブジュブジュブジュと言う音だけが視界を奪われた暗闇の世界で響き渡ります。 ただそれだけが、綾子にとっての全てでした。 「イクッ、イクッ」 綾子は目の前の暗闇がパッと輝いて真っ白になるほどの強い閃光を感じます。絶頂です、思わず綾子の内股にグイッと力が入ります。そんなことをしては正志のピストン運動が妨げられるのですが、綾子は自然と長い足首を正志の太い腰に絡めて必死に抱きついていました。 綾子が性的絶頂を感じると同時に、綾子の膣も全力で擦れる正志のものに食い付いて離れませんでした。
全身で、綾子が正志を求めて絡み付いてくるのを感じると正志の方もさすがに腰の奥から熱く滾るマグマが吹き上がってくるのを抑えることができません。 綾子の膣は恐ろしいほどに陰茎を吸い上げて、そのホースの先から子種を注ぎ込んでくれる瞬間を待ちわびています。 「綾子、そろそろいきそうだ」 「くだふぁい、ください……」 綾子の蕩々に蕩けた声を聞くだけで、正志の方も気をやってしまいそう。腰の動きを止めて、気持ちを引き締めて、綾子の形の良い胸が変形するまで五本の指で強く握りしめながら言いました。 「誰の子種が欲しいんだ言ってみろ」 「田中さんです、田中さんの赤ちゃんが欲しいんです」 さすがに長年に及ぶ調教の成果が出ています。 こんなにドロドロのグッチャングッチャンにしてやっても、そう答えるようになっています。 もちろんこんな受け答えは、そうするように何度も何度も正志が教えこんだセリフですが、もしかしたら今だけは、綾子も口先だけでなく心の奥底から望んでくれているのかもしれない。 自分の子供を欲しいと望んでくれているのかもしれない。 正志はそんな自分勝手な想いに、今だけは浸っていたいのです。 「いいんだな、旦那の子供じゃなくて俺の子供で!」 だからくどいほどに何度も言うのです。 「夫のじゃなくていいです、田中さんの赤ちゃんでいいから私に中出しして妊娠させてください!」 「よしっ、そんなら俺の子種をくれてやるっ」 正志は散々にそんなことを言わせて満足すると、綾子の手足を絡ませたブロックが吹き飛ぶぐらいにさらに小刻みで性急に腰を振るいました。 あとはもう射精の瞬間まで、ゼロ秒感覚で脳が焼き切れそうなほどの射精直前の快感を反芻しつつ、全力のピストン運動で綾子の膣を味わうだけです。 「あああっ! イクッイクッイクッイクッイクッイクッ!」 グングンッと綾子の膣の中で、正志の凶暴な陰茎が膨れ上がりながら擦れ合うので綾子もまた怖いぐらいのオーガズムを感じます。 「出る――ッ!」 正志の叫びと共に睾丸から発した怒涛の精液は、その勢いのままで陰茎を通って綾子の膣奥にハマりこんだ亀頭の先から飛び出しました。
ビュルーッ! 激しい音を立てて、湯気が出そうな程の熱い精液の塊が綾子の膣奥に吹き出していきます。 赤黒い亀頭の鈴口に擦り付けるほどの位置に綾子のピンク色の子宮口があって、ドピュドピュルと飛び出してくる精液の迸りの出口はそこしかありませんから、全部綾子の子宮へと流れこんでいきます。 下腹部にジワーっと流れこんでくる新鮮なオスの遺伝子を感じて、綾子は心も身体も蕩々に蕩けてしまいそうになりました。 それは正志もそうなのです、ピッタリと身体を重ねて生殖器同士を合体させて絶頂に達した瞬間というのは、二つの生き物がひとつになった瞬間に違いありません。 まして、お互いに目隠ししているのですから邪魔になるものは存在しません。 ただ綾子と正志はお互いの命の暖かさを触れ合う肌に感じるのみで、そんな中で新しい命が生まれるとするなら、それはエロさを通り越して神性なものすら感じる瞬間でした。
まあ、そんな感じで正志は完全に綾子と一体になった世界にぶっ飛んでいたので、突然、誰かにお尻を掴まれたことにすら最初は気が付きませんでした。 正志のお尻に誰かの手が触れても、正志はまったく声も上げないので、今度は掴むだけじゃなくて、手の平でペチンペチンとお尻を叩きます。 最初、綾子は妙なことをするなと考えていた正志も、綾子の手足は自分の肩と腰にピッタリと張り付いていることにようやく思い当たります。 そもそも正常位の体勢で組み敷いて抱きしめているのですから、正志のお尻に手が触れるなんてことはありえないのです。 (そうすると、この俺のお尻を叩いている手は誰のものなのだ……)
「うわあああぁぁぁ!」 正志は思わず野太い叫び声を上げました。 ハロウィンのジャック・オー・ランタンを名乗ってる癖に、正志はホラーには弱いようで本当に情けないですね。 まあ、まったく見えない第三者が自分の尻を触っている。しかも、自分は目隠しまでして綾子と絡み合って全くの無防備の状態なのですから、叫んでもしょうがないかもしれませんね。 「うふふっ、びっくりしましたか正志さん」 聞き覚えのある声が、後ろから聞こえました。 「……ま、茉莉香かぁ?」 そう言う正志の声は、まだ震えています。 (確かに茉莉香の声だ……) そう思ったら正志のお尻に触れている指の感触だって、とても馴染みのある感触です。茉莉香の指だと、目隠ししていても正志にはすぐわかりました。 「驚きましたか?」 「びっくりしたなんてもんじゃないよ……」 射精の直後に、ホラー展開をやられたんですから。腰が抜けて、立てなくなってしまっています。せっかくビンビンに勃起していた正志の陰茎も綾子の膣の中でショボショボに小さく成っているに違いありません。 「なんで茉莉香が、こんなところにいるんだ」 「おっとそのまま、そのままですよ……綾子さん、正志さんに抱きついて離しちゃダメですよ」 綾子は言われるまま、正志の身体に抱きついて離れません。 (このシチュエーションは、一体何なんだ……) 確かに目隠しをしている自分のお尻を触ったのが茉莉香で安心しましたが、正志はよくよく考えてみても、なんでこんな状況になっているのか皆目見当も付きません。 まさかこれが、最初から計画されて準備されていた茉莉香の罠だったとは、この期に及んでも正志は気がついてもいないのでした。
|
後日談12「茉莉香の嫉妬」 |
野外調教を終えた栗原綾子が、一人寂しく自宅でオナニーをしている頃。 深谷家では、茉莉香に引きずられるように連行された正志が、紅茶を出されているところでした。 茉莉香は全くの笑顔でした。しかも自分からは何も聴きません。 それが正志には少し怖いのです。 「いや、あれはそういうんじゃないからね……」 湯気の立つカップをズズズッと無作法に啜って正志は言いました。 「何がそういうんじゃないんでしょうか」 茉莉香は、笑顔のまま眼を細めて正志の言葉を繰り返します。 「だから、別に綾子とはなんでもなくて」 「へー、正志さんは栗原さんのこと呼び捨てなんですねー」 正志がボロを出すと、すぐに突っ込んできました。しかも、笑顔のままです。 「いや……」 正志も困惑しています。こんなときどうしていいかわからないって顔です。 実際のところ、茉莉香の方から『約束をなくしてくれ』と言ったわけですから、別に正志が気にするようなことはないわけです。 「私は別にぃー、栗原さんと正志さんが何かあったとしてもぉー、ぜんぜん非難出来る立場じゃないですからねー、関係ないですもんねー」 しかし、そう言っている茉莉香の辛辣な口調が、正志を普通に非難するよりも苦しめてます。こんなことなら、怒鳴られた方がマシです。 「いや、ごめんって……そんなに怒らないでくれよ」 ついに正志は観念して、謝ってしまいました。 茉莉香はそれで少し気をよくして、肩の力を抜き、こわばった笑顔を解いて「ふうー」とため息を吐きました。 「まあ謝ってもらっても困るんですけどね。約束をなしにしてくれって言ったのは私の方ですし……」 「うん、だからごめん」 正志はとにかく平謝りです。浮気を認めてしまったのはダメですが、あれこれ言い訳するよりはマシってところでしょうか。 「じゃあ許してあげます、私の方もきっとまたこうなるんじゃないかと覚悟してたつもりなのに、嫉妬してゴメンナサイ」 「いや、嫉妬はしてくれたほうが嬉しいけどさ……」 これで済めばいいんですけど、どうも後腐れなしとはいかないようです。
スッと静かにお茶を飲んでから、茉莉香はまた話を続けます。 「でも正志さん、栗原さんみたいな女性が好みだったんですね」 「いやいや、違うよ。俺が好きなタイプは茉莉香だから」 ここはすぐ否定しなきゃいけないところです。普段は空気の読めない正志も慌てて訂正します。 「栗原さん以前キャビンアテンダントしてた、すごい美人さんですもんね。スタイルも抜群ですからね。私みたいに子供産んで体型も崩れてないですもんね」 そう言う茉莉香だって体型が崩れているわけではないのです。むしろ、子供を産んでからのほうが、落ち着いた女性らしい豊かさを感じさせるラインに変化した感じすらあるといえます。 「……いや、違うって」 正志は席から立ち上がると、茉莉香の肩を抱きました。磨き上げられた美しい造形を持つ綾子より、女性らしい柔らかさが溢れる茉莉香の方が魅力的だと本当は言いたいのです。 でも肝心なところで口下手な正志は、触れることでしか伝える術をもたないのです。 「いいんですよ別に、でも私また妊娠したからオッパイ張っちゃって……正志さんに飲んでもらわないと破裂して死んじゃいますよ」 茉莉香は、正志の手を取って自分の大きくて豊満な胸に重ねました。 「ああ、もちろん飲むよ」 正志は柔らかいその感触を手に馴染ませるように、ゆっくりと揉みます。ロングニットのセーター越しに乳房に優しく触れられただけで、茉莉香の乳首は母乳をにじませます。茉莉香の身体は、正志がそのようにしたようなものです。 それを愛おしいと感じることを、どのような言葉にすればいいか正志は迷います。 「おちんちん舐めてもいいですか」 唐突にそのように言い出してくる茉莉香に、正志は少し驚きます。(これってそういう流れか?)と思うのですが、こんなに深い関係になっても相手の気持ちを推し量るのは難しいようです。 「……いきなりだな。先にシャワー浴びないか」 ついさっきまで、綾子と生ハメしていたわけですから、正志の陰茎には綾子の愛液がたっぷり付着しているわけです。 それを茉莉香に舐めさせるなんて、さすがの正志でも抵抗があります。というか、それはかなりマズいことだろうと思うのです。 「いいえ、今がいいんです」 躊躇している正志をよそに、茉莉香はもう跪くように床にしゃがんで一瞬で正志のズボンとパンツを下ろしてしまいました。 野外調教で脱ぎやすい服装をしていた正志の負けです。
「ふぇろ」 そのまま茉莉香は、柔らかくなった陰茎を手のひらで弄ぶと軽く勃たせてから舌を伸ばして舐め始めます。 「あっ、おい茉莉香」 「おふぉうじふぇらふぁふぇふぁふぁったんでふふぇ」 ぷっくらした唇を開いて舌の刺激で硬くなった陰茎を根本まで咥えながら、茉莉香はなんか言っています。 「いや、何言ってるかわからないよ……おおぉ」 たっぷりと口内に唾液を貯めて舐め回したあとで、今度は一心不乱にジュポジュポとディープスロートを始めたので、正志は気持ちよさに呻き声をあげます。 やっぱり舌使い一つとっても、茉莉香のフェラは他の女とは違うと感じます。なんだか、単に気持ちいいだけじゃなくて正志の棒も玉も全部舐めまわされて洗われるような気持ち、茉莉香のお口で正志の全部を包み込まれているような、じんわりとした口内の暖かさが心地よいのです。 こうも丹念に、献身的に舐め回されると、ずっと舐められていたいとすら思う。フェラに対してこんな言い方は可笑しいですが、これは居心地の良さと表現すべきなのかもしれません。 そうして、しばらく舐めまわして正志のちんちんがビクビクッしてもう少しでイキそうというところで寸止めして、茉莉香は唇を離しました。 「栗原さんはフェラしなかったんですねって言ったんですよ」 細くて長い指で、ビクビクッと震える陰茎の根本押さえ、射精しない程度に亀頭の先っぽをクニクニと弄びながら、茉莉香は挑発的に正志を見上げます。 「そうだな、綾子はそんなことはしてくれないな……」 綾子はフェラも上手くないし、熱心でもないしと、正志は思います。それに比べたら、茉莉香の舌技は素晴らしいものがあります。 「ダメだな栗原さんは、正志さんのおちんちんは使い終わったらちゃんと舌で綺麗に舐めてあげないといけないのにね」 そう言いながら茉莉香は、クニックニッとピンク色の亀頭の鈴口を指の先で刺激します。
「茉莉香、そろそろ」 「ふふっ、出したいんですか?」 そんなに指で刺激されて出そうで出せない感じは、なんだか体の芯をくすぐられているような心地です。 「お、おう……」 正志は茉莉香の指技の虜になって、情けなく頷くしかありません。 「うふふっ、どうしようかなー」 「おい……」 根本をきっと押さえつけられていると、射精寸前で刺激されてもなかなか暴発しないものです。 でも、気持いいのに出そうで出ない感じはとても苦しくてもどかしいのですね。 「冗談ですよ、私のお口の中に全部出してくださいね」 そういうと、茉莉香はパクっと正志のビクビクッ震えて反り返っている陰茎を頭からパクっと飲み込んで、押さえつけていた根本を外しました。 そのままジュルジュルジュルッと鈴口の先を啜り込みます。バキュームフェラってやつです、この刺激はたまらず正志はすぐ限界を迎えました。 「茉莉香、出すぞ……」 射精寸前でお預けを食らったせいか、陰嚢がギュルンギュルンするぐらい玉に精液が溜まっています。 亀頭の先がブルンビクンと震えるようにしなって、ビュルルーッと精液のドロッとした塊が勢い良く飛び出しました。 そのまま茉莉香の喉の奥に、熱くて濃い粘液が叩きつけられます。 ねちょっとして飲みにくいそれを、茉莉香は器用にゴクゴクと喉を鳴らして全部飲み下してしまいました。 陰茎の中に残っていた精液の最後の一滴まで、赤ん坊がミルクを啜るみたいにチュウチュウと吸われて、舌でゴシゴシと綺麗にされます。 正志にとっては至福の、たまらなく気持ちが良い瞬間でした。 「ふうっ、ごちそうさまでした……。他で出してるはずなのに、濃いんですね」 「そりゃ茉莉香の口だからな、きっと最初のより濃いのが出たんだろ……」 正志としては、そのように言うしかありません。
「お風呂沸かしますから、正志さん入っていきますよね」 何故かすっかり、機嫌の直った茉莉香は、正志の返事も聞かずにお風呂沸かしに行ったようです。 「うーん、なんだろうなあこれは……」 なんだかすごく疲れて喉が渇いた正志は、テーブルの上に残った紅茶のカップを飲み干します。 こういう修羅場を全く経験したことのない正志には、女心はよくわからないものだと、唸るしかありませんでした。
※※※
いつものお風呂場。 勝手知ったる他人の家とはよく言ったもので、正志は当然のように茉莉香とお風呂に入ります。二人で入るとちょっと狭めの湯船がまた良い感じです。 湯船にプカプカと浮かぶ茉莉香の双乳を手で弄びながら、褐色の乳首から分泌する甘い乳をチューチューと吸い続けます。 二回の射精でぐったりした身体を回復させるために、正志は栄養補給をしないといけませんからね。 吸われる茉莉香の方もほっこりと頬を赤らめて気持ちよさそうにしています。吸えば吸うほど乳を沸き立たせる、茉莉香の親指大に膨れた乳首はまるでミルクの泉のようです。 茉莉香が次の子を懐妊しても、もうつかまり立ちができるほどに成長した娘の茉悠(まゆ)も、いまだに乳離れしていなかったので、毎日かなりの量を吸われているはずですが、Hカップまで成長した正志が両手で掴んでも片乳を覆いきれないほどの重量感のあるオッパイは縮むどころかさらに大きくなっているのではないかという感じがします。 「身体洗ってやるよ」 程よく温まった正志は、湯船からザブリと上がって茉莉香の身体を手にハンドソープを付けて洗い始めました。身体を洗うにしてもタオルでゴシゴシとせずに、手を使うあたりが茉莉香の玉の肌に気を使っているつもりなのでした。 「私も洗ってあげますね」 茉莉香も洗われているだけじゃなくて洗いっこです。しばらくお互いの身体を洗いあっていると、当然のように股の間にも手が伸びます。 茉莉香の股は、常に剃り上げられて(こうして一緒に入る時は、たまに正志が剪毛してあげることもあります)ツルツルになっています。 茉莉香のツルンとした恥丘に触れるたびに「よく夫が気が付かないものだな」と正志は言うのですが、茉莉香は含みを持った微笑みを浮かべるだけでした。 家庭の事情は深く聞かない正志は、答えがなくてもそのツルツルの股ぐらにも泡をつけて綺麗に洗ってあげるだけです。
昔からこうして一緒にお風呂に入っていますが、昔とは違うのは茉莉香のほうも正志を責め立てるということです。 二回の射精をしてさすがに、にわかには硬くならない陰茎も、正志のお尻の穴にまで茉莉香が手を伸ばして、ローションまでつけてニュルッと指を滑り込ませてくるので、その前立腺を責めたてる刺激にはたまらずに勃起します。 「おいっ、茉莉香そこは……」 こうやって親しく付き合う様になって知ったことですが、茉莉香は意外にもお尻の穴で遊ぶのを好むのです。 それは自分のアナルを責められるのが好きだってこともありましたが、逆に正志のお尻の穴を責めるのにも楽しみを見出してきたようなのです。 「ふふっ、正志さんお尻の穴を責められると、たまらない顔をしますよね」 「いやっ、そこはだってダメだろ」 ダメだろでは、止まらないのです。 お尻の穴で遊ぶには、衛生問題に気を使わなくていいお風呂場が最適でした。 「今日はね、こんなのを用意してるんですよ」 茉莉香が差し出したのは、女性に使うようなお尻の穴のバイブではありません。クの字型の変わった形をした、まるで鍵のような変形型の小さいディルドーでした。 「おい、それどこで……」 正志が買い揃えた玩具には、そんなものはありません。 男性用の前立腺を刺激するためのエネマグラなど正志が買うわけがないのです。 「初心者向けの優しいタイプだって書いてありましたから大丈夫大丈夫……」 正志のお尻の穴に硬質の大きな先っぽがヌルッと入り込もうとしてきます。 「いや、大丈夫じゃないだろぉ」 「動かないでちゃんとお尻を差し出してください。ケガをしますよ」 そう言われると、もう身を任せるしかありません。 茉莉香は初めてなのに意外にも慣れた手つきで、正志の奥のちょうど前立腺が当たる部分に、まるで鍵穴をねじ込むように挿入できました。 ローションの助けがあったからということもありますし、いつもお尻の穴を指で弄んでいたからともいえます。
「あっああーっ!」 ゴリッと硬質の先っぽで、腸内の敏感なところを刺激されただけで、正志はガチガチに勃起した陰茎の先っぽからビュルルッと射精しました。 白濁した、正志の精液が茉莉香の顔に引っかかります。 顔にかかった精液をペロリと舌なめずりして、茉莉香はこれまで見たこともないような嗜虐的な微笑みを浮かべました。 「うふふっ、しばらく悪さできないように全部絞り取らないといけませんからね」 「あっ、うわー、やっぱりまだ怒ってるんだろ!」 茉莉香はそういうと、上目遣いに濡れた瞳で一瞬で絶頂に達した正志を見つめていいました。 「怒ってなんかいませんよ、正志さんはこれから天国にイクんですから」 茉莉香は、そういうとエネマグラをゆっくりねじ込みながら、陰茎の裏筋を舌で舐めはじめます。射精を終えて、敏感になっている正志自身をねっとりと根本から先っぽまで舐め上げてから、深く咥え込んで鈴口をチュウチュウ啜りました。 後ろの刺激と前の刺激で、正志の腰が生き物のようにビクンビクンッ震えました。 また茉莉香の口の中で射精してしまったようです。それを茉莉香はごっくんと喉を鳴らしていとも容易く飲み込みます。 そして一呼吸も置かずに、チュウウウッと鈴口から吸い尽くすように吸い続けます。 もう射精したのに、射精した直後の陰茎をさらに激しく責められる、むず痒いようなたまらない気持ちに、正志は恥も外聞もなく吠えます。 「ちょ、ちょっと待ってください、これ以上は、ごめんしてっ!」 「正志クンは、そのままじっとしてるだけでいいでちゅからねー」 「えっ、えっ、待って、なんで急に赤ちゃんにかけるような言葉になった? 怖いよ、怖いよおぉー」 「ママが、もっとおチンチン気持ちよくしてあげまちゅからねー」 「うおーい!」 射精しすぎたおチンチンが痛くもあり、前立腺を刺激され続けているお尻の穴は気持よくもあり、天国と地獄が同居したような時間は、茉莉香が納得いくまで続きます。 肛門ってのは人間の急所の一つです。肛門に深々とモノを挿れられると、人間は力が入らないので逃げることも難しくなるんですね。 「うあー、うあー、茉莉香! 茉莉香ぁぁーっ!」 その日は深谷家のお風呂場で、正志の情けない叫び声が延々と響き渡ったそうです。
|
後日談11「栗原綾子の野外調教」 |
四月、梅の花が散り終わり、そろそろ桜が満開に咲き誇る季節。 暖かい陽射しが差し込むマンションの中庭を、栗原綾子(くりはら あやこ)と田中正志(たなか まさし)が歩いていました。 今日の綾子は、ノースリーブのワンピースの上から薄いカーディガンを羽織ってモコモコのストールを首に巻いています。 スタイルの良さをさり気なくアピールしつつも落ち着いた大人の女性を感じさせる装いです。相変わらず洗練されていると言えます。 メイクもキッチリと決まっていて隙がありません。綾子は生まれつき肌がきれいで強くツルンとしているのですが、だからこそばっちりメイクしても生えると言うものなのです。 とはいえ、今日のメイクはきっちりしすぎています。まるでCAの現役時代のようにある意味で戦闘的な心持ちで長時間保つ化粧を施したのは、浮かない表情を覆い隠すためなのかもしれません。 万が一にも、誰かに動揺を気取られてはいけない。そんな思いがあったからです。 「どうしたの栗原さん」 外なので、よそ行きの声で話しかける正志。 「いっ、いえ……」 綾子はそれどころではありません。なにせ、ワンピースの下にはブラジャーもパンティーもつけていないのです。 スカートのなかがスースーして気になって仕方がありません。 綾子のDカップの円錐型の乳首の先にはご丁寧にも、ピンクローターが一つづつテープで乱雑に貼り付けられてブブブブッと小刻みに震えています。 部屋で乳首にローターを付けられた時は、感じすぎて「とてもこんなものをつけて外には出られない」と抗議したのですが、しばらくつけていると感覚が鈍くなって意外にも耐えることができました。 ボンクラなように見える正志ですが、そこまで計算に入れてやっているのかと思えば、綾子も感心するしかありません。もちろん、できるからやりたいというわけではありませんが、これも懐妊するために必要な治療だと思えば耐え忍ぶしかありません。 春の陽射しは暖かく、ワンピースの上にカーディガンも羽織ってストールも巻いているのですから寒いわけないのに、心細さから肌寒さすら感じます。キチンと着ているのに、下着を付けないだけでこれほど薄ら寒い気持ちになるのかと、綾子は初めて知りました。 できれば、こんなことは一生知りたくなかったでしょうけれど。
「どうですか、栗原さん。初めて下着を付けずに外出した感想は」 「感想って……、こうやって歩いてるだけでも怖くてたまりませんよ!」 綾子は、正志がすっと差し出してきた手をパチンと跳ね除けました。 こんな状態で、手を握ろうだなんて無神経な男だと思ったのです。 よくよく考えれば、綾子は不妊治療を手伝っていただいている立場ですから、手ぐらい握ってあげても良かったはずですが、どうにも癪に障って仕方がなかったようです。 跳ね除けられた手をさすりながらも、正志は気を悪くするような様子は全くなく、ニヤニヤとイヤラシい顔つきで笑っています。 「どうですここいら辺で、スカートでもめくって見ましょうか」 スカートをめくれば、下は裸です。 「バカな事言わないでくださいッ! こんな場所で、いつ誰が来るかわからないじゃないですか……」 よりにもよって自分が住んでいるマンションの中庭の芝生の上で、そんなことを命じられても出来るわけがありません。 しかも今日は良い日和です。まだ午前中ですからあまり人気はありませんが、この瞬間、散歩にでもやってきマンションの住人が通りかかってもおかしくないシチュエーションなのです。 「人が来なければいいのか、じゃあちょっとついてこいよ」 短い足を軽快に弾ませて、ずんずん歩く正志の後を、綾子は慌てて付いていきます。命じられるままになるのも嫌なのですが、一人にされるのはもっと心細いのです。 「あら、こんな場所があったんですね」 中庭の物置が二つ立ち並んでいる影に、小さなスペースがありました。芝生の低い柵を乗り越えてぐるっと裏側から回りこまないと入れない場所です。 「人目を避けて歩いているうちに見つけたんだよ。ここなら誰も来ないしマンションの上から見ても何をしているのかもわからない」 「そのようですね……」 正志が突き上げた指に釣られて綾子が上を見ると、確かに物置から張り出したひさしが絶妙な死角を作り上げてマンションの上層階からも見えません。
まさに、露出には持って来いのデットスペースというわけです。 「ほらここならいいだろう、自分でスカートを捲って見ろよ」 「わかりました」 どうせ逆らうわけにはいかないのですから、早く終わらせたい。そう思って、綾子は焦りました。さっとワンピースのスカートの前をたくしあげて、綾子が一糸まとわぬ下半身を外気に晒します。 「やっぱりお前は露出好きの変態なんだな綾子、もう濡れているじゃないか」 正志が乱暴に、綾子の股の割れ目に指を突っ込むと、ジュル……と卑猥な音がします。かき回すと、ジュルヌププジュウッとイヤラシい音が響き渡りました。 「変態じゃありません……乳首に変なもの付けられてるからです。これだけ刺激されれば誰だって濡れますよ」 綾子は変態の方は否定しましたが、さすがに濡れていないとまで言えませんでした。 「ククッ、濡れているのを認めるだけは素直になったな。変態だっていいじゃないか、そっちのほうが妊娠しやすくなるんだから」 「そうなんですか、じゃあ変態だってことにしておいても構いませんけど」 妊娠しやすくなるならと、綾子は自分を変態だと認めてしまいました。懐妊さえすれば、こんなリスクの高い危険な遊戯に付き合う必要もなくなるのです。 いくらプライドの高い綾子だって、細かいことにこだわって目的を履き違えるほどバカではありません。 「今日はやけに素直じゃないか。意地を張るのはもうやめたのか」 「だって野外ですし……早くしてくれないと困りますもの」 辺りに聞こえては困るので、綾子はさっきから小声です。正志の声のボリュームが大きすぎるのが気になって仕方がありません。 「そうか、そういう理由で従順になるんなら、これからはずっと外でやろうかな」 「お願いですから、それだけは勘弁して下さい」 映像を撮られてアップロードされるのとは違い、家の外でやられるのは本当に鬼気迫る脅威を感じるのです。 全く知らないネットの人間に知られるのと、ご近所の人に知られるのでは危険度が違いすぎます。 夫と違う男性と性的に関わっているところを知り合いに見られたら、それこそ夫婦生活の破綻です。 こんな野外プレイがエスカレートしていくぐらいなら、密室でたっぷりと罵られて虐げられた方がよっぽどマシというものです。
「ハハッ、勘弁しておいてやってもいいけどな。野外に出たのは、ただの気分転換だしな」 「あのもう、本当にどうでもいいですから早くお願いします」 綾子はついに、自分から正志の手を取って身体を抱くように擦りつけて催促しました。外にいるだけで不安でしかたがないのです。 「分かった分かった、じゃあ挿れてやるからスカートを捲ってお尻を突き出せよ」 「お願いします」 綾子はワンピースの裾を大きく両手で広げると、お尻を正志の前に突き出しました。正志はといえば、ズボンとパンツを一瞬で下ろして股間の硬くそそり勃ったものを外気に晒します。 そして、そのまま綾子の股の間にズボリと挿し込みました。 「ふぅ、いい具合になってるじゃないか」 綾子の蜜壷は、トロトロにとろけています。最初の頃は挿入しようとする男を跳ね除けるようなキツさしか取り柄がなかった綾子の穴が、正志の陵辱を何度も受け入れるようになって絶妙な感触で男をしっかりと包み込む最高の媚肉に仕上がっているのです。 その淫らに蕩けた媚肉に反り返ったペニスを何度も抜き出しすると、綾子は全身で喜びを受け止めて大きく震えます。 「あっ……、んんっ……んんっ……」 綾子は股間からせり上がってくる感覚に耐えかねて、手で唇を抑えて声を押し殺すようにして喘いでいます。 「ふぁー、外でやると開放感がすごいな」 室内とは一風変わった趣きのあるまぐあいに、正志はそんな感想を漏らしました。 「んっ、あんまり大きな声ださないで……ああんっ」 辺りを気にして騒ぐなと言う割に、綾子は腰使いが激しいです。いや、本人はとにかく早く終わらそうと必死になっているつもりなのでしょう。 しかし正志の腰の動きに合わせて、本能のおもむくままに腰をくねらせている綾子の動きは欲望を貪っているとしか思えません。
「確かに外だから誰かに見られるかもな」 正志が耳元でそう囁くと、綾子はビクッと身体を震わせます。 「ううっ……怖いぃぃ」 そういいながら、それで返って正志の分身をきゅううっと締めあげてくるのです。怖がらせれば怖がらせるほど、綾子の気持ちは高まっていきます。 「ははっ、やっぱり興奮してるんじゃないか。まあ、早めに終わらせてやるさ」 そう言いながら、正志は後ろから綾子のしなやかな身体を抱きすくめて、形の良い乳房を揉みしだくと強烈な締め付けを楽しむように激しく腰をガッツンガッツンと打ち込みました。 「あっ、ああっ、ンンンンッ……」 綾子は小さい手で自分の口元を抑えて、嬌声が漏れ出ないように必死です。ガクガクと揺すぶり、自分の一番敏感なところを擦り立てられます。 何もかも吹き飛んでしまうような強烈な刺激に、たまらず気をやってしまいます。 「いくっ、いくうううっ……」 もう抑えられないエクスタシーの叫び。 性的な絶頂に達した綾子、膣の締め付けさらにきつくなり、正志の反り返った陰茎のすべてを吸引するようにキュウッと締まって、稠密な肉襞の一枚一枚がみっちりとからみついてきます。これには、正志もたまらずに呻きました。 「ううっ、そろそろ出すぞぉ」 「……はい、中にお願いします」 正志は、熱く切ない高ぶりが急速に集まっていくのを感じて、最後の猛烈なピストンを決めました。 そして、限界を感じると綾子を後ろから羽交い絞めにするように強く抱きしめながら身体を密着させて、綾子の一番奥に欲望の塊を吐き出しました。
ドピュルッドピュルッ……
正志の肉桂が綾子の膣内を押し開くように膨れ上がり、爆ぜるように射精しました。ドピュッと吐き出された大量の精液は、みっちりと密着し絡み合った生殖器の中で、行き場を求めて綾子の子宮口へと怒涛のように流れこんでいきます。 後ろから抱えるように羽交い絞めにして、最後の一滴まで自分の遺伝子を乗せた精液を注ぎ込んでやる、バックで犯す満足はこれに尽きるのでしょう。 しばらく無言で中出しの余韻に浸っていた正志は、ふうっとため息をつきながら緩んだ陰茎を引きぬきました。 綾子の割れ目から、ドロっと溢れだした白濁液は太ももを伝うようにして地面に向かって流れていきます。 「さてと、これからどうするかな~」 中出しを終えて、満足気に笑っている正志に、スカートの裾を手で直していた綾子は何をのん気なことを言っているんだと呆れました。 「もういい加減怒りますよ、早く家に戻りましょう!」 中庭の物置の裏の小さなデッドスペースには、精液と愛液のイヤラシい匂いが充満してしまっています。 一刻も早くこの場を離れたい綾子でした。
※※※
「あれ、まさ……田中さん?」 綾子と正志はマンションの室内に戻ろうと入口まで来たところで、運の悪いことにマンションの住人に見つかってしまいました。 しかも間の悪いことに、見つかった相手は深谷茉莉香です。茉莉香は、正志さんと呼ぼうとして他にも人がいるのを見て田中さんと言い換えました。 二人でいるところを見つかった相手がよりにもよって茉莉香だったので、さすがの正志もちょっとバツの悪そうな表情を浮かべました。 「栗原さんじゃないですか、なんだか珍しい組み合わせですねー」 少し疑わしそうな顔をしている茉莉香にそう呼びかけられて、綾子は可哀想なぐらい身体をビクつかせました。なにせ綾子の乳首には、まだローターが貼り付けられて小さく振動音を立てているし、股間は中出しされた精液で溢れてるのです。 こんな場所で、知り合いに見つかるのは致命的と言えます。
ちなみに、綾子と茉莉香も顔見知りです。このマンションは、年に一度は一階の集会室にで総会があってマンションの住人はみんな集まりますし、管理組合や自治会が主催する各種イベントもあって住人同士それなりに交流があります。 同じ主婦でもあり、年齢も近い綾子と茉莉香は、仲が良くてよく話もしたものです。このマンションの交流関係は、子供がいる家庭と子供が居ない家庭でなんとなくコミュニティが二分されているので、茉莉香が妊娠してからはなんとなく疎遠になっていましたが、今でも見かければ挨拶ぐらいは交わす仲です。
「そうかな、たまたま栗原さんと、そこで一緒になったんだけどね」 綾子を好きなように虐げて、あれほど堂々としていた正志が、茉莉香に見つかった途端に憑き物が落ちたような素振りで、自信なさげに眼を泳がせています。 「たまたまですか? うーん、それにしてはずいぶんと仲良しみたいですけどねー」 茉莉香が疑わしげそうな視線をジッと向けているのは、バレないかとビクついている綾子に対してではなくて、正志に対してみたいです。 気が気でない綾子も、さすがに二人の関係のおかしさに気が付きます。 (あれ、田中さんと深谷さんってあんなに仲良かったのかしら) ただの知り合いにしては、距離感が近すぎるように思うのです。女性は、けっこうこういう細かいところをよく見ています。 綾子には、なんだか正志と茉莉香が『何かで通じあっている』って感じがします。 (私は、今それどころじゃないんだけどなあ……) 綾子は子宮には入りきらなかった正志の精液を、ポタポタと股から漏らしてしまっている、最悪の状態です。 マンションの一階ロビーの床に、点々と白い花弁を散らしながら歩いているのですから、いつバレるかとヒヤヒヤしているのに、どんな理由があるか知りませんが、茉莉香と正志とでゴタゴタやってもらうと困るのです。 「いやいや、そんなことないよ。あの俺は用事があるからそろそろ行くね」 正志がさっさと茉莉香との会話を切り上げようとしてくれたので、綾子はホッとしました。 「田中さんちょっといいですか、私も聞きたいことがあるんで」 しかし茉莉香は、逃げようとする正志の腕を掴んで、ニッコリと微笑みました。眼は笑ってないのがちょっと怖いです。 目の前で二人の様子を見ている綾子は、とにかく自分から発している精液と愛液の入り混じった匂いに気づかれないかと、体面を取り繕うことばかり考えていますから二人の絡みを見ても何も出来ません。 とにかく、何でもいいから早く終わってくれって気持ちでいっぱいです。 「ごめん栗原さん、俺ちょっと用事ができたみたいだから、もう今日はこれで終わりにしといてくれる」 正志は観念したように目をつぶると、渋面で綾子にそう言ってきました。そう言われたら、訳もわからず「はい」と頷くしかありません。 とりあえず逃げて良いってことかと綾子は思いました。それにしても慌てて逃げてもオカシイので、どうしようかと迷います。 「ごめんなさいね栗原さん、田中さんをちょっと借りていきますね」 そんな、事情を察しているとも取れるような意味深なことを言った茉莉香は、正志と腕を強く絡めたままで、半ば強引に引きずるようにしてエレベーターに乗り込んで消えてしまいました。 「一体、何なのよアレ……」 さっさと行ってくれたのはありがたいです。茉莉香が綾子ではなく、正志の方に絡んでくれたのは助かったといえるかもしれません。 しかし、不妊治療という名の陵辱プレイを受けていた途中だった綾子は、一階のロビーに独りだけ取り残されて、なんとなく宙ぶらりんになった気持ちを持て余すしかありませんでした。 なんだか釈然としない感じを受けつつも、とにかく今は部屋に逃げ帰るのが先決です。
※※※
綾子は自宅にかえってから、慌ただしくカーディガンとワンピースを脱いで、おわん型の胸の先にテープで貼り付けられたピンクローターを剥がしてからようやく一息つきます。 そうしてさっきの茉莉香と正志のやり取り。あれは何だったのだろうかと考えます。 深谷茉莉香は二十代半ばの若くてとても美しい女性です。一児の母になってからも、その容姿は衰えるどころかますます艶が増したように思えます。元CAで気位が高いセレブ妻の綾子ですら、嫉妬させるぐらい女性らしい温かみのある理想的な奥様なのですから、三十路過ぎの正志のような冴えない独身男とは、同じマンションの住人とはいえ接点があるとは思えない……とそこまで思考して、そこで綾子はハッと気が付きました。 茉莉香も『妊娠して出産』している。 「深谷さんも、田中さんの不妊治療を受けていたってことなのかしら」 そうです、茉莉香が可愛らしい女の子を出産したのは去年のことでした。 (もし、深谷さんが田中正志の不妊治療を受けていたとしたら……) まるで男女の関係すら匂わせる、あの親しげな様子も合点がいきます。 「そっか、そうなんだわ……」 確証はありませんが、そういうふうに綾子は納得しました。 そう考えれば、茉莉香が綾子に送ってきた目配せはそういう秘密を共有するものだったように思います。 これは綾子にとっては喜ばしいことです。 なぜなら、茉莉香のような成功例があると言うことは、綾子の不妊治療もまた成功する確率が高まってきたと考えられるからです。 「今度詳しく話を聞いてみようかしら」 茉莉香がお母さんたちのコミュニティの方に行ってしまい疎遠になってしまいましたが、元々はお互いに親しくしていたのですから『同じ秘密を共有している仲間』であるならきっとまた親しく話ができるはずです。 そう思うと、綾子はなんだか嬉しくなってしまいました。こんな誰にも言えない悩みが相談出来る相手が居るかもしれないって、とても幸運なことです。 「それにしても、ちょっと釈然としないところもあるけどね」 綾子が釈然としないのは、正志が自分よりも茉莉香の方を優先したということです。もう茉莉香は赤ちゃんを授かっているのにと思ってしまいます。 もしかしたら、茉莉香の方も二人目を作る予定があるのかもしれません。正志は、茉莉香にも不妊治療をしているのかもしれません。
【注:綾子は、茉莉香がまだ第二子を妊娠したと知りません】
正志が綾子との不妊治療が途中だったのに、もうすでに子宝を授かっている茉莉香を優先したのだとしたら、なんだか嫉妬してしまいます。
「ふん、あの人は女を見る目がないのね」 もちろん、嫉妬すると言っても綾子は正志が好きなわけではありません。むしろ男としては問題外なのですが、それでも綾子より茉莉香の方を優先したとなればプライドが傷つきます。 むしろ綾子が嫉妬しているのは、正志ではなく茉莉香の方なのかもしれません。 茉莉香が綾子の思う理想的な奥様だったから、そっちを優先した正志を口惜しく思ってしまったのかも。 そう思ってみれば、茉莉香だけが子宝に恵まれて、未産婦の私を置いて向こうのコミュニティに行ってしまったことは、綾子にとってどれほど妬ましかったでしょうか。 「私だって、赤ちゃんさえできれば……」 綾子は、椅子に座って自分の太ももを眺めると、たっぷりと濃い精液が垂れている太ももをティッシュで拭こうとしてから、それも止めて手ですくうと自分の恥丘の上になすくりつけました。 こうして正志の精液を塗り込めれば、不妊治療の効果があがると教えられているからです。 「それにしてもあの人の精液、本当に濃い……」 たっぷりとお股全体に塗り込めているうちに、手のひらもグチョグチョになるぐらいプルプルの粘性がある精液です。 「こんなに濃かったら、もしかしたら私、田中さんの子供を妊娠しちゃうかも」 正志のような下種の精液では綾子のプライドの高い卵子は絶対に受精しない。そう教えられて信じこまされているから、綾子は冷静にこんな真似ができているのですが、それでも正志の子を妊娠しちゃうかもしれないと思うほど、濃厚な粘り気のある体液です。 「味も見てみようかしら」 精液を飲むのも効果があると言って、何度かフェラチオをされたことがあります。フェラチオは綾子が嫌がるので、そんなに頻繁ではありません。でも精液は飲んだ経験があるので、美味しいものではないと知っています。 夫ですらお口で奉仕したりはしないし、自主的に精液を舐めるなんて普段は絶対にしない綾子なのに、今日だけはそういうエッチな気分でした。 普段ならもっと濃厚にセックスされるところを、中途半端なところで中断されたのが、逆に綾子の気持ちを高ぶらせることになったのかもしれません。 あとは、茉莉香に対する女としての嫉妬もあります。 (私だって、妊娠さえ出来れば) 女として、綾子が負けているところはなくなると思うのです。
「ううん、やっぱり苦くてマズいわぁ」 指についた汚らしい精液を舐めて、そんなこと呟いてぷっくらとした唇をほころばせる綾子は妙に色気を増していました。 このプルプルの苦くてマズい精液の中にたくさんの精虫が蠢いていていると考えるだけで、股が熱くなってしまいます。 きっと綾子のオマンコの中でも、田中さんの精虫が卵子を求めて蠕動していることでしょう。 「あの人の子供を妊娠しちゃうかもしれないわね」 綾子が言うあの人とは、夫ではなくて正志のことです。そのようなことを考えるだけで夫には裏切りだと思うのですが、そのほうが妊娠の確率が上がると言われたのだから仕方がありません。 そうこれは別に夫への裏切りではなくて、子宝を得るために仕方がないことなのです。 綾子は、右手の指をチュパチュパと舐めながら、左手で自分の精液がベッチョリと付着した股間を撫で上げます。 膣の中にも、きっとその奥の子宮にもたっぷりと正志の精液が付着していることでしょう。これは、綾子が一人でやる不妊治療の続きです。 「はぁぁ、あのどうしようもないブサイクのぉー、クソニートのぉー、オッサンの子供を妊娠するゥゥ」 正志が聞いてないと思って、本当にボロクソな悪口を言いながら、クリトリスを弄ってオナニーに興じています。 正志に誘導されたとはいえ、綾子も一人でこんなことを言ってヨガるようになったのですから、自分を貶める被虐的な行為に段々と喜びを感じるようになってしまったのかもしれません。 綾子が感極まってアンアンと嬌声を上げるたびに、膣口がパクパクと口を開いたり閉じたりしています。 さっきは野外で声を押し殺すしかなかったので、おおっぴらに叫べるのが綾子は気持ちよくて仕方がありません。 「ううっ、イクッ、イッチャうぅぅ! ろくでもない男の子供を妊娠するーっ!」 そのような酷いセリフを叫びながら、マンズリを繰り返して綾子は、ビクッビクッと大股に開いた両足を痙攣させました。 どうやら、そのままオーガズムに達したようです。
「はぁぁ、赤ちゃん欲しい……」 綾子はオナニー後の幸せな虚脱感の中でも、どこか虚しさを感じました。 こんなとき、正志が一緒ならその粗暴な態度にムカつくことはあっても寂しくなることはないのにと思います。 いつも正志に一方的に不妊治療をされていますが、今度機会があったら、何か自分からちょっと積極的にしてみようか。 この日の綾子は、珍しくもそんな殊勝なことを考えていたりするのでした。
|
後日談10「栗原綾子の不妊治療」 |
三月、ホワイトデーを過ぎた辺りで茉莉香の懐妊が発覚したようです。 深谷家の第二子誕生は喜ばしいニュースですが、そこら辺はもう予定調和なので端折ります。 今回は茉莉香との『約束』の拘束が解かれたことによって、正志の悪戯が復活してしまったという話です。 さて我らが正志くんは、今日はマンション八階に来ています。ちょうど正志が住んでいる部屋の一つ上の部屋です。このマンションは八階が最上階で(屋上を除けばですが)この最上階は特別に広く贅沢な間取りになっています。 その八階の角部屋、栗原家の呼び鈴を正志は鳴らします。 「はい、どなたですか……」 この家の主婦、栗原綾子(くりはら あやこ)の細面な顔を見て、正志はホッとしました。 「ああよかった、居てくれたか」 綾子は、留守なことが多いのでラッキーでした。 綾子の旦那さんは、ベンチャーとは言え小さい会社を二つも経営しているバリバリの起業家です。つまり、綾子は主婦といっても優雅な生活を送っている社長夫人なのです。 部屋の清掃に通いの掃除婦を雇ってるぐらいの生活レベルなので、家事に追われることもなく、昼間は外を出歩いていることが多いのです。 「なんだ、貴方でしたか」 綾子は、正志の冴えない顔を一瞥してマズいものを口に含んでしまったような顔で、小さな唇をすぼめました。ふうっとため息をつきます。 こちらはどちらかといえばアンラッキーと思っているようです。
綾子の夫は経営者ですが、綾子の方の経歴もなかなかのものです。二十七歳の彼女は、今でこそ家庭に入って居ますが、三年前まで某航空会社でCAをやっていました。キャビンアテンダント、客室乗務員ですね。 スチュワーデスと呼ばれていた頃に比べると、実質はさほど優雅でもないそうですが、やはり花形と言われる仕事についていただけあって、肩までサラリと伸ばしたストレートの黒髪はしなやかで、容姿は楚々として淡麗で、立ち居振る舞いは優雅で、その落ち着いた物腰には嫌味のない気品が感じられます。いかにもセレブリティーな気位の高い女、正志を正面から睥睨するその涼やかな瞳には一点の曇りもありません。 今日も自宅にいるにも関わらず、隙のない装いです。カジュアルなブルーのジャケットに膝丈のスカートで簡素ながら清潔感のある服装をしています。もちろんブランドに詳しくない正志にも、縫製を見れば馬鹿高い洋服なんだろうなってことぐらいは判断がつきます。もしかしたら、出かける予定だったのかもしれませんね。 胸元を内側から押し上げる綾子の張りのあるバストは、程よい大きさでいきいきとした健康美を感じます。対照的にほっそりしたウエストは、強く抱けば折れてしまいそうなほどのスタイルの良さを誇っています。 緩やかな曲線を描くヒップラインは、意外にもふっくらと安産型で男の視線を集めます。その下へと伸びる黒ストッキングに包まれたふくらはぎのライン、キュッとしまった長くて細い足首も眺めているだけで感嘆のため息が出るほどです。 絶妙なバランス、一分の隙もない珠玉の美貌。綾子のまとう空気は、元から良い容姿をこの歳まで磨きあげてきた女性にしか出せないイイ女オーラがあります。
「今日は大丈夫かな」 正志は、ご機嫌を伺うように尋ねます。 「良くはないですけど、貴方が来るということは重要な要件なんですよね。はぁー、出来ればアポイントメントを取る習慣をつけていただきたいんですけど」 スッと線を引いたような形の良い眉をしている綾子は、美しい眉目を歪めてこれみよがしに眼を細めて、正志に軽侮の視線を送りました。当たり前といえば当たり前ですが、本来ならば正志のような下賤な男が口を聞けるような女ではないのです。 できれば視界に入るのも遠慮して欲しいぐらいです。 「いや、ごめんごめん」 「ほら入らないんですか」 綾子は心ない謝罪など聞くだけ時間の無駄と言いたげな素振りで、さっさと正志を部屋に招き入れました。綾子の態度も失礼なのですが、口先では謝っても絶対にアポを取らない気まぐれな正志も悪いのです。綾子としては不満を口にしても、いちいち実のない謝罪を真に受けるのは時間の無駄と言いたいところでしょうか。 気位の高い元CAのセレブ妻と、いっつもブラブラしていて近所でも評判の悪いズボラな男。あんまり相性がいい組み合わせとは言えません。 ところで綾子は、主婦とは言えまだ子供はいませんから、マンションの子ども会には参加していません。つまり、深谷茉莉香や岸辺佳寿美のような子供の居る奥様グループとは接点が薄いのです。 二年前のハロウィンイベントにも参加しておらず、間食をする習慣のなかった綾子はハロウィン催眠『トリック・オア・トリート』に見事に引っかかりました。 普段の正志ならばハロウィンの作法に従って、単純に悪戯を仕掛けるところですが、綾子に対してちょっと変則的使い方をしてみたのです。 正志が綾子にかけたハロウィンの催眠は、正志の言うことを何でも本当のことだと信じこむというものでした。 もちろん正志の言うことはいい加減な嘘ばかりですから、それに綾子がまんまと騙されてしまうのが悪戯になっているというちょっと変わった趣向です。 この一年以上の間、度々関係を持った結果、正志はいつの間にか不妊治療のアドバイザーとして綾子を指導するということになっています。 妊娠のためのアドバイスとしてなら、綾子はどんな耐え難いことでもよく言うことを聴きました。すでに結婚して三年に入りそろそろ子作りの適齢期でもあり、綾子は夫や夫の両親から「早く跡取りを」と望まれています。 子供ができやすいようにと手狭な(といっても正志のような庶民からするとかなり広いですが)マンションで、夫婦水入らずの生活を続けているのですが、いまだに懐妊の兆しがないことに少し焦り始めていたからです。
※※※
「なんで、毎回こんな格好をしなきゃいけないんですか」 綾子は、正志の指示でわざわざ衣装チェンジさせられています。 よりにもよって、かつて務めていた某航空会社の制服に着替えさせられているのです。 紺のスーツに下は青いブラウスに紫のスカーフを合わせた、華やかにして機能的な客室乗務員の戦闘服。見るも鮮やかな完全装備です。 「これも不妊治療の一貫なんですよ、何度も説明したでしょう」 「なんでよりにもよって……」 綾子にとってこの服装は単なるコスプレではありません。CA時代の制服に着替えさせられることで、当時の気持ちが蘇ってきます。キャビンアテンダントは適切な体型維持から身だしなみまで事細かい服務規定が定められているのですが、今の綾子でも前髪を整えて髪さえ結べばそのまま現役で勤務できるでしょう。 今でも当時の制服を取っている綾子ですから、過去の栄光を思い出させれてくれる服装をするのは別段、嫌なことではないのです。 問題はこの後の行いでした。 綾子は、思い出深いCAの服装のままで、自宅のトイレで検尿を命じられます。 ただの検尿ではなく、自宅の洋式トイレで制服の青いスカートをたくしあげて黒いストッキングとショーツを下ろし(ちなみに下着まで制服の基調色に合わせた、青いショーツに穿き替えさせられています)、お小水するその様子を目の前のハンディーカムカメラで撮影されているのです。 撮った映像は、その場で『現役キャビンアテンダントおトイレ盗撮動画』としてサイトにアップして正志のお小遣い稼ぎに利用されることになっています。 もちろん、身元を特定されないように顔は映さないようにして、映り込んでも荒いモザイクで消していますが、正志は茉莉香や佳寿美には絶対しないような酷い行為を綾子には行なっているのです。 なぜこんなことをするのか。もしかすると、気位の高い女をイジメて汚してやりたいってどこか卑屈な気持ちが、正志もあるのかもしれません。 綾子はあまりに隙のない美人過ぎて、そうやって正志がいるところまで引きずり落とさないことには抱けないと思ってしまうのかもしれませんね。 カメラの前でオシッコを紙コップで採取した綾子は、事務的な動作で排卵検査薬で検査しました。 「栗原さんどうですか」 「田中さんのおっしゃる通りですね、排卵日の印が色濃く出ています」 今日あたり排卵日じゃないかと予言した、正志の言葉に間違いはありませんでした。 一見、どうしようもないズボラなブ男ですが、どうしてかほぼ百パーセント綾子の生理周期を言い当てることができるのです。毎回のことながら不思議で仕方がありません。 こういうことがあるので、やはりこの人は不妊治療のプロなのだと、言うことを聞いて間違いはないのだと、綾子は確信を深めています。
それでも、どうしても綾子には納得がいかないことがあります。 「どうして、私のオシッ……お小水してるところを撮ってネットにアップする必要があるんですか」 大きな瞳に涙を溜めて、羞恥に声を震わせて綾子は抗議します。 「だから何度その説明をさせるのかな、栗原さんの懐妊の妨げになっているその高いプライドを打ち砕くためだと言ってるでしょう」 正志は普段、明らかに住む世界が違うランクの高い女である綾子に対して、おどおどして目も合わさないのです。 しかし、こうやって狭いトイレの中に二人で篭った途端、確信をもって強い口調で命じてきます。 正志にとって馴染み深いこの狭い世界ならば、自分は綾子の絶対的支配者だという自信が持てるからでしょう。 「撮ってもいいですから、せめてアップロードは止めてください」 顔は映してないからと言われても、万が一綾子だとバレたら身の破滅です。それを思うだけで、綾子は全身が凍りつくような恐怖を感じます。 「栗原さんがそういう生意気な口を聞くから、俺だってやりたくもないこんな卑劣な行為をやらなきゃいけないんですよ。むしろ喜んで受け入れてくれていれば『顔も映して綾子のおトイレしてる姿を世界中にさらしてください』なんて自ら言うようになってくれたらこんなことする必要ないんですよ」 「そんなの無理です、無茶苦茶ですよ」 確かに不妊治療を頼んだのは綾子です、そのためにプライドが邪魔だというのなら捨てる覚悟だってあります。でも、人生の破滅とは引換えにはできません。 「そうですよね、確かに今の栗原さんには無理だ。でも言うだけならできませんか。実際に顔を映したりしません、ただカメラの前で顔も映しても良いですって宣言するだけ」 「ごめんなさい、そんな恐ろしいこと……言うだけでもできません」 綾子は向けられたハンディーカムのカメラからさっと顔を背けて、嫌々と手を前に振り上げて振った。 万が一にでも動画に顔が映ってしまって、それがインターネットに流れてしまったらと思うだけで、綾子は恐怖のあまり寒さに凍えるようにブルブルと身を震わせました。
「頑なだなあ、栗原さんは。じゃあしょうがない。そのまま便座を上げて、便器の上にしゃがみこんでお尻をこっちに向けてください。それならできるでしょう?」 「それならなんとか……えっとこんな感じでいいんでしょうか」 綾子は、洋式トイレの便座を上げるとヘリに両足を乗せてしゃがみこみました。ちょうど和式便所にしゃがむような感じで、正志の前にCAの制服の青いスカートをペロリと捲り上げたお尻を突き出すことになります。 洋式トイレのヘリは、足の裏よりも細いので綾子は少しよろめきました。気をつけてしゃがまないと、滑って落ちてしまいそう。バランスを取るのに必死です。 「ところで、お尻の真ん中にホクロがあるのは知ってるかな」 綾子の右の臀部に小さなホクロが二つならんでいるのを見つけて、ツンと指で突っつきました。 「キャッ!」 いきなり触られたのにビックリして、綾子は足をふらつかせます。 「ハハハッ、気をつけてしゃがんでないと転げ落ちるぞ」 「冗談じゃありませんよ……」 怖い思いをさせられた綾子は低い声で呻くように言います。キリッと睨みつけてやったらきっと調子に乗っている正志なんて震え上がるでしょうに、今はじっと光が差し込むトイレの窓を睨んで、手を壁についてバランスを取るしかありません。 正志はハンディーカムのカメラを構えていますから、顔が映り込んだら一巻の終わりだと思えば振り向くわけにはいかないのです。 「綾子さん、結構お尻大きいよね。何センチぐらいの大きさなの」 「えっ、お尻は……八十七センチだったと思いますけど」 キュと後ろで何か音がしました。 (なにっ?) 綾子のお尻に何かの先っぽが触れていますが、指の感触ではありません。触れたところが、一瞬肌が濡れたような感じを受けます。
「あーいいや、スリーサイズを全部教えてよ」 「上から八十三、六十、八十七ですね。あの一体何をやってるんです」 綾子は振り向くわけにはいかないので、必死にお尻に触れる感触に集中します。触れた感触が文字を書いているのだと気が付きました。そういえば仄かに、マジックのインキの香りがします。 「バスト八十三センチ、ウエスト六十センチ、ヒップ八十七センチね。オッパイはDカップだったよね」 綾子のスリーサイズを呟きながら、その数字をマジックでお尻に書き込んで居るのが分かりました。 「何を書いてるんですか」 「プロフィールだよプロフィール」 楽しそうな正志の口調が癪に障ります。よりにもよって、綾子のエステで普段から磨き上げている肌に安物のマジックで落書きするなんて侮辱もいいところです。 (ふざけた真似をして……) 綾子は羞恥と怒りに震え上がりますが、ビデオカメラがあるので振り返ることさえできずこんな不安定な足場ではどうすることもできません。 ただトイレの壁を睨みつけているしかないのです。 「さ、お尻に化粧はこんなもんでいいかな。栗原さんは、これからカメラの前でうんこしてもらいます」 「えっ、なんですって?」 聞こえてはいました。その不穏な単語はきちんと綾子の耳に届いてはいたのですが、信じられない気持ちが聞き返させます。 「うんこだよ、う・ん・こ。オシッコ動画載せてたら、『ウンコもしてよー』って意見が結構あったでしょう」 「だからってなんで私がそんなことしなきゃいけないんですか!」 綾子はもう想像しただけで、見る見る目尻に涙が溜まっていきます。オシッコされるところを盗撮風に撮られて見られるだけでも屈辱なのに、そんな最低の動画を見ている連中の言いなりになって大便までしなければならないのかと思うと、気が遠くなりそうです。つま先立ちしている足首から力が抜けて、思わずよろっと転け倒れそうになります。
「おっと危ない、転けちゃったら顔が映っちゃうかもしれないよ」 そんな言い方で、綾子のお尻をペチペチと叩きながら正志は活を入れます。 「ううっ……」 また、悔しいことにこんな正志の脅しが効果的なのです。顔が映ってしまうと人生が終わってしまう。その恐怖と、正志ごときに小馬鹿にされた悔しさで、スッと綾子の胸の奥が冷たくなって頭はカッと熱くなって、不思議と手足に力がこもるのです。 「そうそう、そうやって気張って張り切ってウンコしてくれればいいんだよ」 「嫌ですよ、絶対やりません」 悔し涙をこらえて、綾子はそれだけ言いました。 「じゃあ、顔出しする?」 「それは……」 「出来ないでしょう、だから俺もこういうプログラムを考えてきたのになー。別にやりたくないならいいんだよ、その代わりこれまでのことは全部無駄になっちゃうけどね」 これまで子宝を授かるために必死に耐え忍んできた恥辱が無駄になる。そう聞くと、やらないとは言えません。 「無駄には……したくないです」 「でしょう、じゃあこれを朗読しながらウンコしてね。ちゃんと後ろから撮影してるからちゃんと演出するようにヨロシク!」 正志はシナリオを書いた紙を綾子に渡して、ニヤつきながらハンディーカムを構えます。 「……ッ!」 正志に手渡された紙を、さっと一読して形の良い口元を歪めました。下唇を血が出ばかりに噛み締めて、数秒の迷いのあと意を決してお尻を上げました。 大便した時に、きちんとブツが便所の中に落ちるように(万が一外に落としてしまったら、掃除するのは綾子しかいません)前のタンクを抱くように身体を前屈してプルプルと小さい唇を震わせながら、朗読を初めます。 「いつも、綾……いえ、わたしのおトイレ動画を見ていただいてありがとうございます。今日はご要望が多かったウンコをしてるところを見てもらおうと思います」 これではまるで、綾子が自ら動画を撮ってアップロードしているかのような言い振りでした。事実その通りなのです。
正志の設定したシナリオでは、この盗撮風の動画は綾子自らが自分の変態趣味でアップロードしてネット上の不特定多数の男性に見せつけているという設定になっているのです。 「ではいまから……、わたしがウンコしますのでどうかゆっくりみて興奮したら私がウンコする姿でオナニーしてくださいね」 何度もウンコウンコと連呼してしまっては、もはや言い逃れできません。 正志に無理やりやらされているのだと言っても、誰が信じてくれるでしょうか。一つ綾子にとって幸いなことがあるとすれば、カメラにお尻を向けていることです。 わなないて震える唇も、目尻から留めなく溢れでて溢れる悔し涙も、それで化粧が流れて情けないことになっているであろう隙だらけの酷い顔も、後ろを向いているからビデオには撮られないことが救いでした。 ああそれにしても、大便が出ません。段取りでは、ここでするはずだったのですが、綾子のピンク色の窄まった穴は、パクパクと息をしているように開いたり閉じたりするだけで一行に出すべきものを出せませんでした。 綾子がどれほど息んでも、肛門は硬く閉じて出てきてくれません。 「一旦カメラ止めたぞ、どうした栗原さん便秘か」 「すいません、緊張して出ないみたいで……」 やはりカメラを向けられている、人に見られていると思えば、出るものも出なくなってしまうようでした。 「安心しろよ、出るようにしてやるからな」 そう正志が言うが早いか、ニュルッとノズルが差し込まれて冷たい液体が綾子のお尻の穴の中に注ぎ込まれました。 「あぁ……」 浣腸されたのだとすぐに解ります。 すぐにお腹がゴロゴロと鳴り出しました。 「これで出るだろう、撮影を再開するから出るときはちゃんと出るって言うんだぞ」 正志にそう言われて、綾子も覚悟を決めました。
普段は便秘などしていませんから、浣腸の薬効はものすごいものがあります。 胃腸がギュルギュルと音を立てて蠕動しているのが分かるぐらいで、いますぐにでもお腹の中の物が全部出てしまいそうでした。 「いまからわたし、ウンコします……」 綾子は、お尻の穴を開いてポロッと茶色の硬めの塊を二つ落としました。そうして浣腸の薬効のせいか、それより柔らかい便もすぐにズルズルっと落としていきます。 恥ずかしいことに、かなり大量で匂いもします。美人でもやっぱり臭いものは臭いのです。 (ああァァ……) 人間としての尊厳をまたひとつ失ったような気がして、綾子は心のなかで呻いて声も立てずに啜り泣きました。 しかし、これで終わりではありません。 「わたしは、ウンコするところを皆さんに見られて興奮してしまいました。どうか便所で……わたしを見かけたら遠慮無く犯してくださいね」 前傾姿勢で、顔を前に出して顎を水洗タンクに乗せるようにして股を開き気味にお尻を突き出して、後ろ手に自分の女性器の外陰唇を広げて中を見せつけるようにしました。 ここまでやって、終わりなのです。 「お疲れ様、いい映像が撮れたよ」 「はい……もう流してもいいですよね」 綾子は、トイレに漂っている自分の悪臭が気になって仕方がありませんでした。おトイレを汚すハメにならなかったことだけが幸い。 「ああいいよ、俺は気にならないんだけど消臭スプレーも一応振っとくか」 綾子がお尻を拭いてノズルを倒して水を流す間に、邪魔にならないように壁際まで下がっていた正志はスプレーまで振ってくれました。いつになく協力的でありがたいのですが、なんだか怖い気がします。 「ところで、私のお尻になんて書いたんですか」 「気になるなら、撮った映像を見せてあげるよ」 ハンディーカムをちまちま弄っていた正志は、ビデオカメラのモニターを開いて綾子に見せつけました。
そこには、綾子の大きな桃のような形の良い臀部がドアップで映っています。 「ちょっと、名前書いてあるじゃないですか!」 スリーサイズが書かれたのはもう覚悟していたのです、しかし『あやこ 二十七歳 既婚』とまで描かれていますのが読み取れます。 「大丈夫だろ、あやこなんてどこにでもある平凡な名前じゃないか」 「ででっ、でも制服着てますし」 現役時代のCAの制服を着てるんですから、そこから年齢と名前が合致すれば割り出される危険だってあります。 「お前がネットでなんて言われてるか知ってるか、スチュワーデスのコスプレしてる変態女だろって意見がほとんどじゃないか」 動画のコメント欄には、そういう綾子を馬鹿にしたコメントが並んでます。たまに本物の制服じゃないかと言う意見があっても、そういう成りきりの変態女だろって見解が大半を占めています。 「スチュワーデスじゃなくてキャビンアテンダントです」 綾子は憮然とした顔で言いました。 どちらにしろ、もう三年も前に辞めているんだから今更着たところでコスプレとなんの違いもないのですが、そのような罵倒も気位の高い綾子のプライドを傷つけるのでしょう。 「はいはい、キャビンアテンダントの綾子さんね。俺がウンコしながら読めって渡した紙に『あやこ』って書いてあったのに、『わたし』に言い換えただろ」 「だって、撮られているってわかってるのに名前なんて言えませんよ……」 でも治療の一貫なのに、勝手に言い換えたのはやっぱりマズかったのかと綾子はしょんぼりします。 「そういう非協力的な姿勢だから、何時まで経っても懐妊できないんだよ。わかってるだろう自分でも」 「はい……」 これには素直に頷いてしまいます。綾子も、もう三年も妊娠できないことでかなり焦り始めているのです。 たまに耳に挟む不妊治療をしても全然懐妊できないなんて悲惨な話が段々現実問題として感じられて来てそれも恐ろしい。 それに比べたら、カメラの前で名前を言うぐらいまだマシなのかもしれないと綾子は思い始めています。
「ほら、今すごい便利になってるんだよな。カメラのここのボタン押せば、アップロードできるようにしておいたから、自分で押してネットにあげなさい」 「自分でやれっていうんですか」 人に勝手にやられるのと、自らアップロードするのは全然違うことです。 「俺が書いたのはそういうシナリオで、そういう治療法なんだよ。キッチリできたら、その高いプライドも崩れて、きっと懐妊の確率も上がるから」 「わかりました」 綾子は、自らのおトイレ動画、しかもお尻に名前を含めたプロフィールまで記載されて、臀部の右側には『公衆便器です、誰でもファックミー』なんて馬鹿げたセリフまで書かれた映像を、アップロードしました。 (やってしまったああぁ……) 完全に一線を超えてしまいました。 これでもう綾子は、元CAの勝ち組のセレブ妻ではありません。言い逃れできないほど、ただの欲求不満の変態女に成り下がってしまったのです。 そうやって自らを貶めることが懐妊に繋がるならと、綾子は歯を食いしばってでも、そのエベレストのように高い気位を折り曲げる決心をことにしたのです。 「さてと、栗原さんには誰でもファックしていいそうだから、俺もやらせてもらおうかな」 正志は、綾子の艶やかなお尻を撫でながら誂うようにそう言いました。 「これも治療の一貫……なんですよね?」 綾子は確認するように言いました。そうでもなければ、こんな男に犯されるなんてとても認められることではなかったからです。 何度でも犯されるたび、自分を納得させるためにそう確認しなければなりません。 「そりゃそうだけどさ、栗原さんもウンコするところ撮られただけでマンコ濡らしてる癖によくそういうこと言うよね。本当は期待してるんだろ」 「そんなことないですよ」 馬鹿なことを言ってはいけません、綾子は嫌々とやられているだけなのです。自ら期待してるなんて、それこそ絶対に認められないことでした。 「そんなことあるだろ、嘘だと思うなら自分でマンコ広げてる動画見て見なよ」 「……うそっ」 ビデオの動画をもう一度確認して、よくよく見ると綾子の自分で押し広げた膣は、内側の肉襞がピンク色に光っていました。
「ほら見ろ、ビデオの映像は嘘を付かないよなあ」 「これはオシッコで濡れてただけで……ああんっ」 正志が綾子のマンコに指を入れて、出しました。それだけで濡れた膣襞はグジュ、ジュチュと音を立てます。 「これがオシッコなわけないだろ、いやらしくヌメってるじゃないか」 サーモンピンクの綾子の膣穴は、正志が指を挿入してかき回すたびにグジュジュチュといやらしい音を立てます。 「ああんっ、そんな、バカなこと……」 濡れている、まだ何も刺激されていなかったのに排泄行為をしただけで、自分は濡れてしまっている。そう否応なく自覚させられて、綾子はあまりの羞恥に頭がカッと熱くなって頬が紅潮しました。 「まあしょうがないさ、いくらセレブとか言ったってただのメス豚なんだから、こういうシュチュエーションでセックスしてれば、条件反射で濡れるんだろ。しかも今日は排卵日だし、久しぶりだし綾子のマンコも期待してるんだよなあ」 指でオマンコを弄られながら、こんな男に慰められるように言われるのが返って綾子のプライドをズタズタに引き裂きます。 「こんなのうそです、うそぉ……」 現実は残酷です。濡れたマンコを弄られただけで、膣襞は自分でも怖いほどに収縮して喜んで男の指に吸い付いています。 「そういうあんたの気位の高いところ俺は好きだけどさ、いい加減諦めて俺のものを喜んで迎えたほうが早く妊娠できるだろうよ」 指で弄るのをやめて、ズボンとパンツをさっと下ろした正志はその貧相な容姿に不釣り合いなほど立派なイチモツを、綾子の膣に擦りつけてきました。 直接生殖器を生殖器で刺激されて、綾子は怖いほど気持ちが高ぶってきます。 「あのっ、また生でやるんですか。私怖いんですけど」 せめてゴムを付けて欲しい。 万が一、夫以外の子供を妊娠してしまっては困るのです。いや、綾子は夫以外の子供というより正志の子供を孕まされるのが一番イヤなのです。 それも綾子にとっては、人生の破滅に繋がります。なんでそんな危険ばかり冒さなければならないのか、どうしても納得がいきません。
「それも説明しただろ、いくら中出ししたって俺の下賤な精子じゃ気位の高いお前の卵子は受け付けないから妊娠しないって」 「それは分かりますけど……」 確かに夫とはこれまで毎月のように仲良しをしているのに、三年も懐妊していないのはなにか強烈なガードがあるとしか思えないことでした。 綾子の高すぎるプライドが自ら男の精子を拒絶しているという説明にも、納得がいくところです。 「むしろお前が軽蔑している俺の精子で受精して妊娠したいと自ら望むぐらいで、ちょうどお前の旦那さんのが妊娠できるぐらいなんだよ」 「そんなになんですか……」 夫の子を妊娠するために、そこまでしなければならないのか。綾子は落胆しますが、今だけの辛抱だと思えば耐えられると思いました。 正志の精子では絶対に妊娠しないと保証されているのですから、今この瞬間だけやり過ごせばいいだけです。 「俺の精液でその頑なに閉じてる子宮を開いてやって、妊娠させてやるんだからむしろ旦那さんにも感謝して欲しいぐらいだよ」 「それは言わないでください……」 不妊治療のためとはいえ、妻が犯されていると聞いたら夫は激怒するはずです。そんなことを吹聴されては困るので、後でこの軽率な男をしっかりと口止めをしておかなければならないと綾子は思いました。 「それじゃあ入れるぞ」 綾子がそんなことを考えていた矢先、いきなり深々と正志の反り返る肉棒が挿入されました。 「ああンッ!」 思わず、そんな嬌声を漏らしてしまいます。 「どうだ久しぶりの俺のチンチンは気持いいかっ」 「そんなこと言われたって……ううっ」 男を迎え入れるための柔らかい穴を、そのために硬くそそり立った肉棒で何度も突き上げて刺激されれば、綾子の心はともかくとしてその熟れた肉体は、肉体的な反応を返すしかありません。 つまり、突かれるたびに綾子の肉襞はおののきながら収縮し、粘膜は熱を帯び、甘酸っぱい愛液を分泌するのです。
これは、気持ちいいと綾子の下の口が喋っているようなものでした。それなのに綾子は上の口ではそれを否定するのですから、亀頭に張り付いた肉襞の蠢きを楽しんでいる正志は苦笑するしかありません。 「マンコ突かれたら素直に気持ちいいって言えばいいんだよ、それが妊娠に繋がるんだから気持ちいいって言ってみろホラッ!」 「きっ、きもちいい……」 綾子は妊娠するため、妊娠するためと自分の心に言い聞かせて、絞り出すように声を出しました。 「よしよく言った、マンコ気持いいか」 「いいっ……、気持ちいい。ああっ……、マンコ気持ちいいのぉ!」 自分でそう言っているうちにそれが半ば暗示のようになったのかもしれません。本当に気持ちいいって気分がどんどん高まって来ました。 「なんだ素直に言えるじゃないか、それでいいんだよ。よしもっと気持ちよくしてやるからな」 正志は綾子のプリっとしたお尻を手でおさえながら、じょじょに抜き差しのスピードを早めてきます。 粗野な男の獣のような腰使い、おトイレでしゃがんだままでこんな酷い態勢で犯されている。そんなシチュエーションが綾子を興奮させて、陶然とさせます。 「きもちいいっ、いやっいやあっ、イクッイグウウッ」 ドンドンッとひときわ強い衝撃が綾子の子宮口を襲います。一番奥をエラの張った亀頭でこするように激しくかき回されて、綾子はたまらずに気をやりました。 硬くたくましいモノで赤ちゃん袋の入口を激しくノックされた振動で、下腹部から頭の先までぴーんと張り詰めたような快楽の波動が駆け登ってきます。 綾子の中で何かが破裂しそうです。心臓はドクンドクンと高鳴り、四肢を震わせて、膣穴は接合部からジュワーッとヨダレのように愛液を垂れ流して、独立した生き物みたいに、正志の肉棒を食いちぎらんばかりに締め付けます。 綾子は便座の上から落ちてしまわないように水洗タンクに必死にしがみつきながら、うわ言のように「イクッイクッ」と叫び続けています。
女の喘ぎ声というものは、どうしてこうも男を興奮させるのでしょうか。 綾子のエクスタシーが、繊細な襞を持った膣の収縮を通して正志の陰茎にもダイレクトに伝わってくるようです。 ヌチュ、ヌチュっとイヤラシい音をたてて粘膜と粘膜を擦り合わせるうちに、狭いトイレの中は綾子の全身から香るエッチな匂いで充満しています。 これは久しぶりにいい射精ができそうだ、そんな予感が正志を喜ばせます。 「絶対妊娠させてやるからな安心しろよ」 「ああっ、ありがとうございます」 綾子は妊娠するためにやっているのです。だから、正志に突き上げられながらそう言われて嬉しそうにお礼を言いました。 「いい返事だ、綾子は妊娠したいんだよな」 「ああーっ、早く妊娠したいですうううーっ」 妊娠したがってる女の膣に精液を注いでやる。なんと素晴らしい慈善事業でしょうか。正志はそんなことを思いながら、綾子との出会いに感謝しました。 こんないい女が都合よく同じマンションに居てくれて、本当はこっちがお礼を言いたいぐらいです。 「よし、俺の子種で孕ませてやるからな。お礼を言えっ!」 「はいっ、ありがとうございます。子種くださいっ」 綾子のお尻は本当に形が良くてセクシーです。白くて張りがあって艶やかで触れると桃色に火照って熱を帯びています。 その最高のケツに指がめり込むぐらい思いっきり掴んで、陰茎をピンク色にヌメるヴァギナに叩きこんでやるのです。 後背位で射精すると中出しした精液は子宮に溜りますから、図らずしもこの体位は妊娠しやすいものとなっています。 ほどなく綾子にとっても正志にとっても嬉しい瞬間がやってきます。 「くうっ、たまらん綾子ぉ、中に出すぞぉ!」 「あああっ、ありがとうございますうぅ!」 正志は叫びながら最後の激しいピストンを繰り返しました。 綾子は吹き飛ばされそうに快楽の嵐を水洗タンクに齧り付くようにして耐えていると、綾子の膣奥に深々と差し込まれた亀頭がドクンと膨れ上がり、鈴口から濃厚な精液を吐き出しました。 ドピューッ!
正志の放出した精液が綾子の瑞々しい膣道を駆け上り、準備万端になっていたピンク色の子宮口に殺到します。 ドクッドクッと、正志が陰茎を震わせるようにしながら自分の遺伝子を注ぎ込みます。綾子の膣もせわしない収縮でそれに答えました。 何度かの精液のほとばしりを綾子の子宮口は貪欲に飲み干していき、ピュルーッと最後の絞り出すような射精まで余さずに飲み込みました。 「ふうっ、これできっと妊娠するからな」 「ああ……ありがとうございます」 射精を受け止めた衝撃に綾子は大きく反り返らせていた背中を緩めながら、子宮の中に暖かいモノが流れこんでくる余韻に満足そうにため息をつきました。 ヌルッと引きぬかれた膣口はポッカリと正志のペニスの形に開いています。それぐらい激しい挿入を受け止めたのです。 綾子の下腹部には確かな充実感があって、確かにこれは妊娠しそうだと思いました。 もちろん綾子は正志の子供ではなく、夫の子供を妊娠するつもりです。 これらは全てそのための準備なのだと信じ込んでいるのです。 「よしじゃあ、撮影を再開しようか」 「えっ、まだ撮るんですか」 もう終わったと思っていた綾子は、さすがに不服そうな声をあげました。バックから犯していた正志も少し疲れていますが、それ以上にバランスの悪い態勢で犯され続けていた綾子は疲弊しているのです。 「最後にちょっとだけだから、さっさと終わらせてしまおう」 「ええ……」 乗り気がしなさそうな綾子にこれを読めと、無理やりシナリオを書いた紙を握らせます。
「ほら、終わりまでやらないと効果が期待できないんだよ」 「これはまた……、もうしょうがないですね。やればいいんでしょう!」 綾子は、渡された紙が読めるように水洗タンクの上に置きました。そうして正志が構えるハンディーカムのカメラに向かってお尻を突き上げて、また先ほどと同じように陰唇を指で広げました。 正志は仕上げとばかりに、綾子の大きなお尻の余白部分に『種付け済!』と書き足して録画を開始します。 さきほどとは違う部分があるとすれば、綾子の膣口だけです。激しいピストンを受けた綾子のマンコは、ぽっかりと穴が開いています。 そして、外陰唇を指で開いていますから、やがて開いた穴からとろ~んと綾子の愛液と正志の中出しした精液の塊が逆流して溢れだしてきました。 「おトイレで遊んでいたら知らない男の人に犯されてしまいました」 なんでこんなこと言ってるんだろうなと思いつつ、綾子は紙に書かれている文字を読み始めます。 「今日はちょうど排卵日なのに、たっぷりと生で中出しされてしまいました酷いです」 綾子の膣からは、太ももを伝うようにしてドロっと中出しされた精液が便座の中に零れ落ちているので、見ただけで中出しされたことは分かります。 それにしたって酷いセリフだと読みながら、綾子は眉根を顰めます。 「このままでは知らない男の人の赤ちゃんを妊娠してしまうかもしれません」 正志が言うにはレイプの方が妊娠の確率が高まるそうなのです。こういうシチュエーションが懐妊率を高めると説明されていますから、綾子だって従うのはやぶさかではないのですが、犯されたなんて言うだけでも結構キツいです。 心理的にキツければキツいほど、妊娠の確率は上がるはずだと綾子は覚悟を決めます。なにせ正志の言うことに間違いはないのですから。 「でも心配は入りません、わた……綾子は、既婚者なので妊娠してもぜんぜん平気なのです」 先ほど名前を言わないで怒られたのを思い出して、ちゃんと自分の名前を言うことにしました。どうせセリフを『わたし』と言い換えても、お尻にしっかりと『あやこ』としっかり書かれてしまっているので一緒のことです。 「あやこは皆様の公衆便所ですので、どうぞ……このお尻を見かけたら遠慮無く生で中出ししてください」 綾子はこんなセリフを言っているだけで、思わず声が震えてしまいます。本当に怖いセリフだなと思います。 誰かが、この動画の『あやこ』が私だと気がついて知らない男の人に本当に犯されたらなんて思うとゾクゾクとしてきます。 「どなたの子種で孕んでも、元気な赤ちゃんを産みますので、どうぞ誰でも気兼ねなく綾子のマンコを性処理にご利用ください」 綾子はこんなセリフを独白しながら、たぶん自分はもう二度と、公衆便所の類は利用できないだろうなと思いました。男女兼用の便器は特に二度と使わないでしょう。 そうしてほんの数秒の沈黙……。 綾子の膣から、ひときわ大きな精液の塊がドロっと溢れだしてぽちゃりと音をたてて水洗便所の中に落ちました。
「はい、お疲れ様でした。中出しされた膣は洗わないでタンポンでもハメて子宮の中に精液を溜めておいてね」 ようやく正志のオーケーが出て撮影は終了です。 「……了解しました」 綾子は、ようやく今日の辛い不妊治療が終わったと深々とため息をつきました。 忌まわしきトイレから一刻も早く出ようとする綾子に、正志は声をかけます。 「おっと、ちょっと待った」 「なんですか、まだ何かあるんですか……」 もう勘弁してと、綾子はちょっと涙声になってしまいます。 「ほら、さっき撮った動画を確認してから、インターネットへのアップロードのボタンを自分で押してね」 映像を無言で確認して、自分の情けない姿を見るだけで目尻から涙が溢れます。もう終わったと思ってしまったから、決めていた覚悟が揺らいでしまっていたのです。 こんな不意打ちみたいなやり方酷いと思いながら、震える指先で綾子はハンディーカムのカメラのボタンを押しました。 「……はい、これでいいですね」 正志が来る日は、いつもこんな感じでぐったりと疲れてしまうのです。彼が来る前は出かけようと思っていた予定も、キャンセルすることにしました。 そして今日もボロボロになった心身を引きずるようにシャワーだけ浴びて、ベットでふて寝してしまうことでしょう。 不妊治療と言う名の恥辱調教は、綾子が懐妊するまで、いえもしかすると懐妊してからも延々と続くことになるのです。
|
後日談9「二人目の受精」 |
「すごかったですね、何度も飛んじゃいました……」 茉莉香は正志と抱き合ったままで、そんな言葉を口にしました。 「ああっ、俺もこんな気持ちいいのは初めてだよ」 すでに正志は射精していますが、あまりの興奮と快楽に勃起が収まらないので、そのまま名残惜しげにくっついたままでいるのです。 しばらくこうやっていたほうが、受精率が上がるだろうって計算もありました。 「正志さん、わかりますか? 私の子宮口が精液吸ってますよ」 「おおっ、本当だ……すごいな」 茉莉香の膣の中で、少し柔くなった正志のイチモツですが、その先っぽ降りてきた子宮口と触れ合ったままなのです。 だから膣が別の生き物みたいに蠕動して正志の先っぽを吸い上げて、その赤ちゃんを作るためのコリコリっとしたピンク色の入り口へと導いているのが分かりました。 「こんなの私も初めてです」 さすがは排卵日です、こうやって女の生殖器は貪欲に受胎を求めて蠢くのだと思うとなんだか生命の神秘を感じます。 一説に、ポルチオ性感帯の真髄は経産婦だからこそ深く味わえると言われています。一度孕み、出産を経験した子宮口は、その相手にカスタマイズされた特別仕様になっているのかもしれません。 「……このまま抜かずにもう一回だそうか」 「できるんですか?」 もう正志も今日は二回だしています、さすがに回復させないと普段なら無理なペースです。 「そうだな、茉莉香がお願いしてくれるなら頑張れる」 「是非お願いします、精液多い方が正志さんの赤ちゃんを妊娠しやすいと思うから」 正志がそう言われて奮起しないわけがありません。 「じゃあ、栄養補給しないとな……」 そう言われて、少し考えた茉莉香はハッと察して自分の胸をむんずと掴んで差し出しました。 「どうぞ私のオッパイでよければいくらでも」 意をすぐ察してくれたので、正志は嬉しそうに笑うと差し出された乳首をチューチュー吸いました。 さっきみたいに吹き出るってことはありませんが、流石にHカップのミルクタンクです。どれだけ吸っても吸い付くせる気がしません。
「右乳だけじゃなくて、バランスよく左乳も吸っておくか」 そう言われた茉莉香が、さっともう片方の乳房を差し出すと正志はこっちもたっぷりと溢れんばかりに分泌する母乳を吸い味わいます。 「正志さん、なんだかオッパイ吸われてるだけで興奮してきちゃいました」 乳首をチュパチュパ吸われ続けている茉莉香は、頬を紅潮させて恍惚とした表情を浮かべています。 ポルチオ性感帯を刺激されたせいで、肌感覚が敏感になっているということもありますが、お母さんが授乳で気持よくなってしまうこともあるようです。 「俺も興奮してきたよ」 茉莉香のオッパイが好きな正志ですから、このままオッパイを揉み続けて性感を高めていくことにしました。 茉莉香の乳房は、巨大な円錐形です。まるで生クリームでできているような肌の白さでだからこそ乳輪の色の濃さが目立ちます。妊娠して出産したことで茶褐色になった乳輪は、今は色素沈着も薄れて濃い赤色になっています。 このまましばらくすればまた元の淡い桃色に戻るであろうところを(また孕ませて茶褐色に戻してやろう)そんなことを考えながら、柔らかいオッパイを無心に揉みしだいていると正志はまた段々と興奮していきます。
「んんっ、はぁ……」 胸を縦横無尽に強く揉みしだかれて気持ちいいのか、膣の中でまた正志の陰茎が硬くなって存在感を主張し始めたことが気持ちいいのか、茉莉香には分かりません。 でも今が気持ちよければ気持ちいいほどに茉莉香は段々と悲しくなってきてしまいました。 「正志さん、私のこと捨てないでくださいね」 「いや、捨てるわけないだろ。どうしてそんなことを言うんだ」 そんな雰囲気じゃなかったのに、茉莉香はふいに不安げな顔をして何を言い出すのかと正志は呆れました。 正志が茉莉香に愛想を尽かされることはあっても、正志が茉莉香を捨てることなどありえません。 「幸せすぎて、なんだか怖くなったんです」 いずれはこの最高の時間も終わるだろうと考えた途端に、人は寂しくて怖くなってしまう。そんなこともあるかもしれませんね。 「俺はどこにも行かないし、これからもずっと一緒にいる」 正志がいくらずっと一緒にいると約束しても、いつまでもこのままと言うわけにはいかないかもしれません。茉莉香は人妻なのですから、今は出張に行っている旦那だってそのうち帰ってきます。 そうなれば、茉莉香には茉莉香の生活が始まります。正志とはずっと一緒にはいられないのです。 だから茉莉香の言う方が本当は正しいのかもしれない。でも、正志は今そんなことを考えたくないのでした。 「正志さん。貴方の奥さんでも、奴隷でも、精液便所でも、なんでもいいですからずっと私のこと可愛がってくださいね」 「ああ、もちろんだよ一生愛して可愛がってやるからな」 一生愛すると、うわ言のように何度も呟く正志。こうして全身全霊で愛されることも、それがどんなに素晴らしいことでも終わりがあることも、きっと正志よりもずっと深い気持ちで茉莉香は感じているのです。 それは、覚悟していると言い換えてもいいかもしれません。 こういうところは、女性の方が現実的なんでしょうね。今日を夢見ながら、きちんと先のことを考えています。 「浮気は……しょうがないから許しますけど、私の赤ちゃん出来る日には毎月絶対セックスしてくださいね」 こんな絶対に断れない雰囲気のときに、しっかりと正志に釘を刺しておく茉莉香はちゃっかりとしています。 「ああ、ずっと茉莉香に種付けしてやるよ」 「忘れないでくださいね、私は正志さんがずっと好きです。大好きだから、ずっと愛してますからね。約束なんかしなくても、ですよ」 「ああ茉莉香、俺も愛してるよ……」 さすがにオッパイを揉みしだいているだけでは射精にまで至りませんでした。 正志は、愛を囁きながら最後に少しだけピストンして腰を何度か打ち付けると、約束通り茉莉香の中に挿入したままで、絞り出すように三度目の射精しました。 ドピューッと茉莉香の奥で吐き出された新鮮な精液は、膣奥にたっぷり溜まっていきます。茉莉香は射精されると同時に自然と腰を上げるので、奥に溜まった精液は子宮口から子宮の中へと吸い上げられていきます。 こうして茉莉香の子宮は、お腹いっぱいになりました。
「ほんとに出しましたね、連続で三回目なんて正志さんすごい」 三十二歳という年齢を考えれば、抜かずに三発というのは精力絶倫と言っていいでしょう。 正志が腰を引き、茉莉香の膣からゆっくりと柔らかくなった陰茎を引き抜くとその途端に精液がこぼれていきます。茉莉香はせっかく中に出してもらった精液がもったいないと腰をあげてなるべく溢さないようにしました。 それを見て、さっと茉莉香の腰に枕を挟んであげながら、正志は独り言のように呟きます。 「ふん、俺もまだまだ若いのかな」 こんなに出来るとは自分でも思っていなかったのですから、正志が若返ったような気持ちになってもおかしくありません。 若い茉莉香が相手だからこそ、ということもあるかもしれません。 「まだそんなこと言う歳じゃないじゃないですか、正志さんこれから毎年私と赤ちゃん作らないといけないんですよ」 「えっ、そうなのか……」 現実問題として、茉莉香が夫との婚姻関係を続けるとすればそれは難しいんじゃないだろうかと正志は思います。 (それともほんとに離婚してくれるつもりなのかな……) 正志はすぐ本気に取ってしまいますが、茉莉香の声のトーンは気軽なものですから、冗談のつもりなのかもしれません。 「そうですよ、これから正志さんといっぱいいっぱい赤ちゃん作るんですからね」 茉莉香は、そう言って微笑しました。 「一体何人ぐらい作るんだ」 いわゆるピロートークだろうと思って、正志はそう冗談めかして返します。 「うーん、最低でも十人ぐらいかな」 「あはは、そんなに出来るころには、ほんとにオジサンになっちゃうな俺も……」 冗談のつもりが、正志も言ってるうちになんとなく本気にしてしまいそうです。寝物語の戯言にしてはちょっとリアリティーのある数かもしれませんね。 なにせ今回、茉莉香は約束という手綱を離してしまいましたから、正志は他でも子作りするに違いないのです。他所も合わせてなら、十人ぐらい作ってしまうかもしれません。 「だから正志さんにも元気で頑張ってもらわないと」 「そうだな」 とりあえず、今日の中出しで本当に赤ちゃんが出来たらどうなることか。一緒に寝っ転がって茉莉香の背中をさするように抱きながら、正志もようやく先行きのことを考えています。 「あっ……正志さん、私たぶん、このまま排卵しますよ」 すると茉莉香は急にそんなことを言い始めました。
「えっ、そういうのって分かるのか?」 「分かるんじゃなくて、しようと思って出来ると思います」 不思議なことを言うものです。意識的に排卵なんて出来るわけがありません。まあこれも冗談でしょうね、面白いかもしれません。 「そうかやってみろ」 だから、笑って正志はそう返しました。 「じゃあ正志さん、手を握っててください」 正志は茉莉香と指と指を絡めて、両手をピッタリと合わせました。 「はぁ……はぁ……ああぁぁーっ、いま……排卵しました」 茉莉香が頬をフワッと紅潮させて、息んだあとでそう宣言しました。そんな顔で言われると本気で排卵しているんじゃないかと思ってしまいます。 「そうか、今排卵したんならきっと俺の精子で受精するな」 でもこれは、さすがに正志も完全に冗談だろうと考えています。意識的に排卵すると言われても、本気で取れる話ではありません。ただ触れている肌から、茉莉香の体温がやけに上がっているようには感じました。 下腹部を撫でると、なんだかすごく熱くなっています。 「……いま卵管に降りて受精しますからね」 たまに茉莉香はこういう不思議なことを言います。本当かどうかはわかりませんが、イメージを高めることで受精率が上がるという研究結果もあったりしますので、本当に意識的に排卵して受精するなんてことが出来る女性もいるのかもしれません。 「ああ、元気な子を孕んでくれよ」 正志も茉莉香のお腹をさすりながら、いまたっぷりと茉莉香の子宮に吐き出した精子が彼女の卵管へと流れていくことを思いました。 茉莉香の卵子と、自分の精子が結合することをイメージしました。 そうして受精できたとしても、今日できた正志と茉莉香の受精卵が本当に着床して新しい命となるかどうかは神のみぞ知ることですが、正志は笑っています。 本当に、この先が楽しみだと感じていたのです。
「あっ、正志さん」 正志はベットでしばらく気だるい気持ちで寝っ転がっていたのに、何か思い出したと言った顔で、ふいに茉莉香は起き上がりました。 「んっ?」 声をかけられて、正志も何事かと起き上がります。 「チョコレートケーキ作ってあるんですよ、一緒に食べませんか?」 「ふっ、フハハッ、ケーキか……そうだな。いただこうか」 正志はおかしくなって笑い出してしまいました。何かもっと大事なことかを言い出すかと思ったので拍子抜けしたのかもしれません。 「えー、正志さん。今日はバレンタインデーですよ? なんで笑うんですかー」 茉莉香はなんで笑われるのと解せない顔で、口を尖らせました。 「いや、ごめんごめん。茉莉香の作るお菓子は美味しいからな、期待してるよ」 こんなことで機嫌を損ねては面白く無いと、正志が慌ててフォローを入れたので、茉莉香はすぐ機嫌を直しました。 「そうですよ、せっかくだからお茶にしましょう」 正志が噴き出してしまうほどおかしかったのは、あんな雰囲気で子作りしたあとでも、冷蔵庫に入れてあったケーキのことをきちんと忘れずに振舞おうとする辺りが、実に茉莉香らしいなとおかしかったのです。 もちろん茉莉香の作ったあっさりとしたチョコレートケーキは、疲れきった身体に染み入るような甘味があって、とても美味しかったそうです。 絞りきった精力も、これできっと回復することでしょう。
|
|
|
|