後日談7「二度三度の孕ませ」 |
「ハイ撮影終わり、もういいですよ」 茉莉香がフッと相好を崩して、緊張を解きました。 「おい茉莉香、知らない人の精液って」 カメラの録画スイッチを切ると、金縛りから解かれたように正志は立ち上がり問いただします。 「ああ、これですか。ただの卵白でそれっぽく作った偽物ですよ」 そう言うが早いか、茉莉香はいきなり正志の口の中にゴム管を押しこんでチュッと残りの模造精液を押し出しました。 正志は反射的に「うげぇ」と声を上げて吐き出しましたが、強制的にお口の中にゴム管を押し込まれた分は味わってしまいます。 口の中に卵白の生っぽい味が広がります。正志は精液を飲み込んだことはありませんが経験上味は何となく知っているので別物だと分かります。 「ああっ、なんだ本当に偽物か……でもそんなに美味しくないなこれ」 ほっとしながらも、偽精液の不味さにやっぱりペッペと吐き出す正志。そこまでマズくはないのですが、卵の白身なんてそれだけで美味しいわけないですからね。 「ケーキ作るついでに擬似精液のレシピ見て作ってみたんですけど、精液っぽく見せるのに精一杯で味までは計算に入れてませんでしたね」 茉莉香は、自分もゴム管の先の卵白を舐めると美味しくないですねとペロリと舌を出しました。 「はあ……それにしてもビックリした。なんでこんな真似をしたんだ」 正志は少しめまいを感じました。疲れたのでしょう、よろっと倒れそうになったので、深いため息を吐きながら、ソファーにもたれかかるように座りました。 「そうですか……ふふっ、ちゃんと騙されてくれましたか。これは正志さんへの罰ゲームも入ってるんですから、ちょっとは驚くぐらいはしてもらわないと割りにあいませんからね」 正志が思ったよりも悄然としているので、茉莉香は驚かせるのに成功したのは嬉しいのですが、少し気遣わしげに寄り添いました。 「いや、もちろん驚いたけどさ、こんな映像を撮ってどうするつもりなんだよ」 「もちろんその動画は差し上げますよ、それをどうするかは正志さんの自由です」 「それってどういう……」 正志はこれの意味するところを考えました。例えば、浮気の証拠として茉莉香の夫の義昭に突きつければ、これは十分に離婚に追い込める映像です。 なにせこれまで撮ったものとは違って、正志は映ってないのですから自分はダメージを受けずに深谷家の家庭を崩壊させることができます。 「もう私の家庭を守れなんて約束はありませんからね、それをどうするかは正志さんの自由です」 はい、茉莉香さん大事なことなので二回いいました。
「そうか……、これは考えるまでもないな」 「おや、決断早いですね」 普段は察しの悪い正志にしては即断即決です。茉莉香は少し不安そうな瞳で、正志の顔を覗きこむように見つめました。 心配そうな茉莉香の瞳を見つめて、今度はハハハッと正志の方が笑い出しました。 「この映像は預かっておくよ、今は壊さないが『俺がその気になれば』茉莉香の家庭はいつでも壊せることを忘れるなよ」 「ふうっ、察しがいいんだか悪いんだか分かりませんね」 茉莉香は安心したように微笑み返します。 「これが正解なのかどうか、俺も少し不安だけどな」 不安だとは冗談のつもりで正志は言ったのですが、これはなぜか真に受けられてしまいました。 「不安にさせてごめんなさい、私が欲張りなのが悪いんですよね。今の夫との家庭も、正志さんも両方欲しいって思ってしまったから貴方に全部責任を押し付けるような真似をして私はズルイです」 俯き加減でそう辛そうに呟く茉莉香は、やはり強い負い目があるようです。罪悪感が拭えない、真面目過ぎる彼女だから、重荷は正志が受け取ってやらなければいけないのです。 「いや、悪いのは俺だろ。さっさと股を開けよ。ほら茉莉香、家庭を守りたければどうしたら良いかわかってるんだろうな」 正志は笑顔のままで、冗談めかしてそう茉莉香を脅しました。 「はい分かってます、私は家庭を守るために正志さんに抱かれます。排卵日の今日は特に濃ぃぃのを中にたっぷり出してもらいます。ホントに脅されて嫌々なんですからね」 そういうと、茉莉香も笑って嬉しそうに科を作ると、ピトッとひっつくように正志に身体をもたれかけました。 とりあえず身体を綺麗にしようと、二人はソファーから立ち上がってシャワールームに消えていきます。
それにしても相変わらず、この二人の中だけでは相通じているようですが、言ってることも意味することもわかりづらいです。 会話が二転三転した挙句、正志が茉莉香を落としたのか、茉莉香が正志を手玉に取ったのか、それとも何も変わっていないのか。 もしかすると、本人たちもわかっていないのかもしれません。
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正志が熱いシャワーを浴びている間、すでに準備よく張ってあった湯船のお湯で茉莉香は膣の中を綺麗にしています。 「今日排卵日って言うのは、仕込みじゃなくて事実ですから覚悟してくださいね」 「なあ茉莉香、本当に俺とまた子作りしていいのか」 熱いシャワーを止めると、正志はそんなことを呟きます。 「正志さん……、この後に及んでまだそれですか。それともまだ焦らすつもりなんですか、ここはこんなにカチカチになってるのに?」 茉莉香は呆れたとばかりに、正志のカチカチに勃起した元気な息子さんを指で握りました。 「いや、さっきの人工授精の寸劇ってやっぱり俺にも寝取られる側の気持ちを分かれって意味でやったんだろ」 それを考えてしまうと罪悪感があるとでも言うのでしょうか。神妙な顔でそういう割には股間は元気な正志です。股間と頭では、別のことを考えているのが男というものなのでしょうか。 「正志さん、それを考えてどうでした」 「……すごく興奮した」 正志がそう言うと茉莉香は苦笑しました。(正志さんらしい答えだ)と思ったようですね。 茉莉香は、たおやかな手で優しく正志のオチンチンの裏筋を撫でさすって刺激します。 「だったら、いいじゃないですか。その湧き上がった欲望のまま私を犯せばいいんですよ。貴方がそう望むなら、私はもう全部受け入れる覚悟ができてますから」 茉莉香はそういうと、しゃがみこんで正志のものを口に咥えました。 夫と三年以上も一緒に暮らしていてこうして舐めたことは数えるほどしかないのです、正志のモノを舐めた経験はもう百回を軽く超えているはずです。 茉莉香はもう正志の硬く持ち上がったオチンチンを見るだけで、反射的に舌先に唾液を溜めるぐらいに調教されています。 どちらが茉莉香の身体に馴染むのか、言うまでもないことでした。 「くうっ、その舌使い、たまらんな」 正志は呻きます。 「ふふっ、どうです。溜まってるなら一回出しておきますか」 茉莉香は、フェロフェロッと音を立てながら先っぽを強く舐めてから、誘うように提案します。 「でも中に出したいしな」 正志は出せるなら、それは生中のほうが良いと思います。 何せ今日は茉莉香の排卵日なのですから。 「時間たっぷりありますよ、夫は泊まりがけで出張ですからお望みでしたら明日もできますし」 茉莉香は、そう提案します。もしかしたら飲みたいのかもしれません。 「じゃあ、一回だけ口でお願いできるか」 こうも誘われて、正志に抗う力はありませんでした。実は茉莉香に操られているのは正志の方なのかもしれません。 犯すのか犯されるのか、どちらにしろそれは甘美な行為でした。 「ふぁい……」 茉莉香は深々と喉の奥まで、正志の固くつき上がった強ばりを飲み込みます。喉の奥を亀頭が擦れると、じわりと唾液が溢れだして口内はしっとりとします。 それで、正志のモノを柔らかく適度な刺激で暖かく包み込んでくれるのです。ジュルジュルと陰茎そのものを吸われるようにディープにフェラされると、まるで正志そのものが茉莉香に食べられてしまったような気がしました。 一心不乱に正志の陰茎を啜り立てている茉莉香に正志はゾクリとします。なんだか堪らなくなって、いっそこのまま食べられたいと半ば本気で思ってしまうほどです。 それほど、茉莉香の卓越した舌使いは心地良いのでした。ジュルジュルっとイヤラシい音を立てた激しいバキュームに、魂までもが吸い尽くされそうです。 正志そのものが食べられる変わりに、正志は腰から頭までが真っ白に焼かれるような快楽と共に、自らの分身を茉莉香の口内に弾けさせます。
「ああっ」と情けない声をあげて、正志は快楽の証を茉莉香の口内に放ちます。
茉莉香は、喉の奥にドピュルと放精された正志の熱い命のエキスをそのまま美味しそうに啜るのでした。 「ごちそうさまでした、気持よかったですか」 そうして、正志の精液を吸えば吸うほどに、茉莉香の肌はツルリとしてより妖艶さを増していきます。 正志の精を飲み干した茉莉香の形の良い唇が微笑みを形作ります。 「ああ、死ぬほど気持ちよかったよ」 正志は、腰が抜けてトロッと身体が蕩けそうなほどの心地よさをそう稚拙に表現するしかありませんでした。
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後日談6「約束破り」 |
二月十四日、バレンタインデーですね。 まだ夜も明けきらぬうちに眼を覚ました茉莉香は、隣で寝息を立てている夫を起こさないようにそっと起き出しました。そして、ベビーベットを覗きこんで娘がまだ寝ているのも確認するとクスリと笑いました。 夫の義昭と娘の茉悠。血は繋がってないはずなのに、雰囲気がよく似ていて寝息の立て方もそっくりです。家族として一緒に過ごすことで、似てくるってことがあるのかもしれません。 絵に描いたような暖かい家庭、茉莉香が守りたい全てでした。鏡を見ながらさっと、ロングの柔らかい質の髪に櫛を通すと、寝間着にしている野暮ったい授乳服を脱いでよそ行き用の着替えます。下着はブラは付けずに鮮やかなレースの付いたスケスケの純白の勝負パンツ(なんと珍しいことにTバックです)に変えて、茉莉香が普段身に付ける機会のない光沢のあるストッキングを穿きます。その上から身につけるのは、ケーブル柄のもこもこで暖かそうなニットのワンピースです。 「よっし!」 いつもはほんわかとしている茉莉香にしては、妙に気合が入っています。着替えた彼女はこんな早朝からどこかに出かけるんでしょうか。 そう思いきや、その上からエプロンを羽織り、料理を始めました。朝食を作っておくのかと思えば、そうではなくてチョコレートを湯煎し始めました。お菓子作りですね。あーなるほど、バレンタインデーですからね。 ラム酒とブランデーを溶かしたチョコと混ぜて型に流し込むだけのお手軽な手作りチョコを作る様子でした。 そこであとは冷やすだけかと思えば、今度は余ったチョコと生クリームを混ぜてチョコクリームを作り始めます。 どうやらチョコケーキを作るみたいですね。スポンジはどうするのかと思ったら下地はあらかじめ作りおきしておいたのを持ってきました。 そのようにして作った大きなチョコレートケーキを冷蔵庫に入れると、手作りチョコが自然に固まるのを待ちながら、茉莉香は朝食の準備を始めました。 チョコケーキはチョコが生地に馴染む時間がかかるのでしょうが、チョコは自然に温度をある程度冷ましてから冷蔵庫に入れると早く出来上がります。 夫が起きだしてくるまでに、出来上がったチョコをかわいい容器に納めてラッピングして、顔に薄化粧まで施す手際の良さは主婦として茉莉香もレベルが上がってきたというところでしょうか。 朝の適度な慌ただしさは、茉莉香にとってソワソワとする気持ちを落ち着けるのに調度良かったぐらいでした。彼女にとって、今日は勝負の日となるはずです。
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「おはよう、今日はやけに早いね」 「おはようございます」 義昭は、顔を洗ってから食卓につきます。いつも美しい妻が微笑んでこっちを見つめています。彼は、何か少し雰囲気が違うなと想いましたが、よくわかりません。 そう言えば、心なしか今日の朝食も少し手が込んでいます。 いつもならハムエッグか目玉焼きのところが、きちんとしたスクランブルエッグに肉厚のベーコンが添えてあります。サラダも生じゃなくてトマトがグリルしてあったりと、クロワッサンを齧りながら、義昭は少し寝癖のついた髪を手で押さえて(今日は何かの記念日だったかな)と考えます。 義昭は朝食を終えて、身だしなみを整え、背広のネクタイを結んでいる時に、妻から綺麗にラッピングされた箱を渡されてようやく気づきました。 「ああそうか、バレンタインデーだったんだな」 「ええ、義昭さんならモテるから会社でもたくさん貰えるんでしょうけれど、私からも。せっかくのバレンタインデーですからね」 箱の中のチョコレートはハート型でした。毎年の事とは言っても貰えると嬉しいものです。 「アハハッ、どうもありがとう。どうせ会社の子に貰えても義理だからね」 義昭はまだ若く同期ではかなりの出世頭ですから、独身なら放って置かれないでしょうが、既婚者であることは知れ渡ってるので、茉莉香が心配しているようなことはないよと笑いました。 会社ではなぜかむしろ既婚者の方が若い子にモテたりするんですが、如才ない義昭はもちろん妻にそんなことは言いません。 「もちろん、心配なんかしてません」 茉莉香は少し唇を震わせながらそう言いました。本当は、誠実な夫を裏切っているのは茉莉香の方なのです。でも義昭は、そんな茉莉香の変化に気が付きません。 「今日からしばらく出張だが、本当に独りで大丈夫かな」 「ええ、義昭さんの宿泊先はちゃんと確認してますから何かあれば連絡さしあげます」 いつも通りのやりとりです。 「ああいつでも電話してくれて構わないからな、俺も毎日メールするから」 義昭はそう言うと、冬用のオーバーを羽織って玄関先まで行きました。 「気をつけて行ってらっしゃいませ」 いつも通りの美しい妻の笑顔。 義昭はふっと真顔になると、茉莉香に問いかけました。 「おい、そういえばそれどうしたんだ……」
「えっ?」 もう出かけると思った夫にいきなり問われたので、茉莉香は驚いたのでしょうか激しく狼狽します。 そんなに茉莉香をびっくりさせるつもりはなかったので、義昭のほうが慌てたくらいでした。 「いや、違うよ。そうじゃなくて、その服見たことあるなと思って」 「ああっ、覚えていてくださったんですか」 茉莉香は安堵して、パァと花が咲くような明るい顔で微笑みます。 「たしか、独身時代のだな。カシミアかなって聞いて、アルパカのニットだって言われて笑った覚えがある」 「そうですそうです、久しぶりですけどまだ着れるみたいだから出してみたんです。もう三年前も昔のことですけどね」 そう言う妻は、どこか違うように義昭には思えるのです。よくよく見ても化粧を変えたわけでもないし、多少お洒落をしているといってもどうしてこうも今日に限って匂い立つような妖艶さが感じられるのでしょうか。 ほんわかと優しげに微笑んでいるのに、どこか憂いを帯びる濡れた大きな瞳。凛々しさと悩ましさが同居していて、どこか危なげな凄絶な美しささえ感じます。 すでに子供を産んだ身体だというのに、肉感的なプロポーションは結婚当初よりも鮮やかに魅惑的なラインを描いています。 (自分の妻は、ここまで美しかっただろうか)と義昭は息を飲みました。 朝に眼を合わせたときから、妻に対する欲情と愛情が高まっていく意味が分からず、義昭は衝動に任せて口づけをしました。 肉感的な薄紅色の唇は、少し湿っていて吸い付くようでたまりません。 「今日のお前はなんというか、綺麗だな……」 妻に言う言葉ではないと苦笑しながら、義昭はほんの少し独身時代に戻った気持ちで、そんな戯けたことを言います。部屋から差し込む朝日のせいでしょうか、なんだか茉莉香に後光がさしているみたいにキラキラと輝いて見えます。 「うふふっ、ありがとうございます。義昭さん、出張気をつけて行ってらっしゃい」 そう言われて、ハッと気がつくと「行ってくる」と足早に家を出ます。あまり長いお別れをしていると会社に遅れてしまいます。急がなければなりません。 後ろ髪引かれる想いなのは、きっと出張で愛妻としばらく会えなくなるからだ。そう義昭は思っていたのでした。
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二月十四日、バレンタインデーですね。大事なことなので二回言ってみました。 少し朝遅めに起きだした正志は、時計を見て「わわっ遅刻だ!」と飛び起きます。 今日は、茉莉香に大事な用事があるからちょっと早めに来てねと言われていたのです。もちろんバレンタインデーですから、そういうことかと期待しています。 正志も男の子ですから(まあ真那ちゃん辺りに言わせるとオッサンですが)バレンタインデーに胸踊らせる程度の若い気持ちは残っています。 閑話休題、慌てて髪を撫で付けると茉莉香に持ってきてくれと頼まれた道具を手提げカバンに荷物を詰めて、すぐ下の階まで走りました。 そうして、深谷家のマンションの呼び鈴を押し、扉が開くと同時に腰を抜かしそうになりました。 そこには、カボチャマスクの怪人が立っていたのです。
「うあっ!」 「うふふっ、ビックリしましたか」 もう一人のカボチャの怪人、それは普段はリビングに鎮座している大きなドテカボチャを被った茉莉香でした。ハロウィンの魔力がかかったそれは、ハロウィン以外の日にはタダの置物にすぎません。 「なんだ茉莉香さんか、あんまり驚かせないでよ」 「ふふっ、ごめんなさい」 茉莉香の方からイタズラを仕掛けてくるなんてついぞないことでした。今日の彼女はいつになくごきげんの様子です。 これまでの迷いが晴れたと言ったサッパリした感じを受けます。 リビングに誘い入れられながら、正志はこれは来るべき時が来たかと観念しました。 「あれ、茉悠(まゆ)はどうしたの」 いつもリビングのベビールームの囲いの中に居る娘の姿が見えないので尋ねました。 「ああ、今日はちょっと預かってもらったんですよ。正志さんとのお話がありますからね」 正志は重たい雰囲気を変えるために茉悠の話を持ちだしたのですが、返って本題を促してしまいました。 カボチャを被ったままの茉莉香は、正志の方を振り返ると唐突に告げました。 「これまでの約束をなかったことにしてください」 あまりにも単刀直入です。 「うん……分かったから、とりあえず頭のそれを取ろうよ」 「あっ、すいません……」 一刀両断にバッサリと関係を終わらされるにしても、せめて最後は顔ぐらい合わせたいものです。茉莉香が、カボチャマスクを取って棚の上に置くと正志はもう一度言ってくれと促しました。 「これまでの約束を破棄してください」 はい、茉莉香さん大事なことなので言い方を変えてもう一度言いました。 これでは正志も(えっ、なんて言ったの?)なんて誤魔化すわけにはいきませんね。
「それは茉莉香が、俺の性処理をするって約束のことかな」 それ以外あり得ないのですが、往生際わるく聞き返してしまいます。 「違います。それ以前のもまとめて全部です、私の家庭を守るとか、諸々の約束全部なしにしたいんです。良いですか」 良いも悪いもないと正志は思いました。 茉莉香に対するハロウィンの強制力はとっくの昔に無くなっています。 あくまで約束は善意によるもの。ハロウィンの名残のようなもので拘束力はありませんから、どちらかがナシと言ったらナシになる儚いものです。 「ああ、これまでありがとうな茉莉香……」 去る者は追わず。 いや、ここから去るべきなのは正志の方でした。 バッサリと正志を切り捨ててくれた茉莉香が、涼やかな表情のままではなくて、とても苦し気な表情で大粒の瞳に涙を浮かべくれている。 薄紅色の唇をフルフルと震わせて悲しんでくれているのが、正志にとってせめてもの慰めでした。 茉莉香も、別れを悲しんでくれているんだって思えました。 (諦めてまた、他の女を抱けばいいさ) 正志にとっては、茉莉香以上の女はどこにもいないと分かっているくせに、負け惜しみにそんなことを思いながら、重たい手提げカバンを背負って、さっと出て行こうとします。 「ちょっと、正志さんどこ行くんですか」 茉莉香は、すぐに呼び止めました。 「ええっ?」 正志は、クールでニヒルな(つもりの)表情のまま振り返りました。 「話はまだぜんぜん終わっていないんですけど……」 「えっ、もう終わりってことじゃないの」 正志は、間抜けな顔でポカーンと見ています。
「どうしてそうなるんですかもう! だったらビデオカメラを持ってきてとか頼まないでしょう。早とちりもいいところですよ」 茉莉香はそう呆れたように言いながら、正志に持ってきたビデオカメラを設置するように頼みました。 「ああそうか、もしかして記念に最後に一回セックスさせてくれるとか」 正志はそんな願望を口に出します。 関係は終わるけれども今後の性欲処理のために、映像を撮らせてくれるのかな、なんてことを思いました。相変わらずしょうもない発想です。 「なんで貴方はいっつもそうやって大事なところをズラしちゃうのかな。そういうとこ本当に貴方らしいですよね。本当にダメダメですよね」 茉莉香はそうやって、いつものように正志に冗談めいたダメ出しするかと思いきや、また微笑みが崩れて、見る見る目尻に涙が浮かび、ポロンポロンと真珠のような大粒の涙を落としました。 「どうしたんだよ」 突然泣きだした茉莉香に正志は狼狽します。正志は、茉莉香が泣いているだけで自分の心臓がギュッと握られた気持ちになります。 胸に迫るとは、このことかと思うのです。 「これを見たら分かってもらえますか」 茉莉香が、ニットのワンピースを脱ぐと上半身は裸でした。 タダの裸体ではありません、Hカップの乳首に洗濯バサミがぶら下がっていて、そのせいで母乳が滴り落ちています。 ほっそりとしたお腹に大きくマジックで『変態ビッチ妻浮気中』と書いてありました。ストッキングの太ももはツヤツヤして艶かしく、純白のTバックだってとてもセクシーだったのですが、正志はそれらに目を奪われませんでした。 茉莉香の洗濯ばさみを見て、すぐ非難の声をあげたのです。 「おいっ、バカなことをやるなよ」 「あうっ!」 正志は、すぐに乳首の洗濯バサミをパチンパチンと取り払ってしまいます。それが余計痛かったらしくて、茉莉香は思わず悲鳴を上げました。 「乳首を挟むのは、力を弱めたクリップでやるんだよ。こんなのでやったら、痛いに決まってるだろうが」 可哀想に強い力で挟まれた乳首が潰れるほどに凹んで、少し根本が切れて血が滲んでしまっていました。なんて無茶なことをするのでしょう。 茉莉香がずっと悲しそうな顔で、泣いていたのはこのためだったようです。 「クリトリスにもハサミをしようとしたんですけど、痛くてできませんでした」 「当たり前だよ、バカッ!」 正志はいつになく本気で叱りつけました。たとえ茉莉香本人でも、茉莉香の身体を傷つけられるのは許せないのです。 自分が一番傷つけているくせに、正志は勝手なものです。
「ごめんなさい」 正志に怒られて、茉莉香はシュンとリビングの床にしゃがみ込みシュンとうなだれてしまいました。 「いや、怒鳴ったりして悪かった」 「いいえ、いいんです。もっと私に怒ってください詰ってください優しくしないでください!」 乳首の洗濯バサミは取り除いてもジンジンと鈍い痛みが残るせいか、茉莉香の涙は止まりません。瞳からは後から後から涙が湧いてきます。 ついに、うわああーんと号泣し始めました。 「どういうことだよ……」 茉莉香はそのまま床に転がってバタバタと手足を振り回して、子供のように泣きじゃくります。 「どう゛い゛う゛ごどだよ゛じゃな゛い゛です゛よ゛」 そうして言葉を吐き出すように叫びました。美しい顔は、もう涙でグショグショになっています。 茉莉香がこんなに感情を剥き出しにするのは、あまり見たことがないので正志は当惑して何を言ったらいいのか、どうしたらいいのかわかりません。 「ああもう、鼻水まで、可愛い顔が台なしだろ。チーンとしろチン」 エグエグと鼻水まで垂らして号泣する茉莉香に、正志はティッシュを差し出します。 茉莉香は、利き腕でティッシュを何枚も取って顔を押さえつけるようにして留めなく溢れ出る涙を拭いています。 そして、正志にこれを見ろともう片方の手でお腹を指し示しています。 茉莉香のお腹に『変態ビッチ妻浮気中』と書かれていることに正志はようやく気が付きました。 「あ、ああ……。つまり浮気に耐えられないから泣いだのか」 察しの悪い正志にも、茉莉香の泣いているわけがようやく分かります。 正志との関係で罪悪感を貯め続けた茉莉香はついに爆発してしまって、洗濯バサミで自分の乳首を潰そうとした。正志はそのように理解しました。 こんなことで自分を罰しようとするところまで追い詰めてしまったのなら、それは茉莉香じゃなくて自分が悪いと正志は思いました。 「うぐっ、ごめんなさい……」 その茉莉香の謝罪の言葉は、正志に向けられているのかそれとも夫に向けられているのでしょうか。
正志は茉莉香の赤く腫れた痛々しい乳首を見ていると、辛くて苦しくてたまらない気持ちが胸から溢れそうでした。 なぜか一年前、茉莉香に頬をパチンと引っぱたかれたことを思い出しました。そのときの頬の痛みまでも痛烈に蘇って来ました。 その痛みの記憶が、正志にようやく自分の成したことの罪深さを自覚させたのです。 後悔してもどうしようもないことですが、正志が自分の気持を素直にぶつけたことが、結果的に茉莉香を追い詰めることになってしまったのです。 正志が茉莉香との関係を再開したときに感じた恐怖は『自分が苦しむかもしれない』ではなかったのかもしれません。正志にとって、この世界でたった一人の愛しい『彼女を苦しめてしまうだろう』という予感があったのかもしれません。 いまさらそんなことに気がついてしまうとは。 (俺は、なんて自分は愚かなのだろう) 茉莉香の号泣につられるように、正志の眼にもじんわりと涙が滲みました。 「俺のほうこそ、ごめんな」 正志は泣きじゃくる茉莉香の身体を強く抱きしめました。 そうして傷ついた茉莉香の乳首を消毒するように舐めて、正志は一心不乱に吸い付きました。噴きだした母乳も舌で全部舐めとりました。
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しばらく泣いて泣いて多少は満足したらしい茉莉香は、いつまでも心配そうに覗きこんでいる正志に、少し虚脱した顔で微笑みました。 そうしてしゃがんでいる正志の前に仁王立ちになってペロンとストッキングとTバックのパンティーをめくりました。 「どうですか、これ」 そう言いながら、股を剥き出しにして見せるのです。 「どうですかって、茉莉香……もしかして剃っちゃったのか!」 茉莉香の股の毛はすっかりと剪毛されてツルツルのパイパンになっています。子供を産んだとは思えないほど綺麗に閉じたワレメから、ピコンと大人の中指ぐらいの大きさのクリトリスが屹立しているのがとても目立ちます。 「そうですよ。ウフフッ、綺麗サッパリです」 「ウフフッじゃないよ、こんなことしたら……」 そうなのです。 茉莉香だって人妻ですから、剪毛しては夫に気づかれてしまいます。 いやクリトリスが肥大化しても気が付かなかった旦那ですから、もしかしたらセーフかもしれませんが、これまで絶対にそんな危険は犯さなかったはずです。 「もういいんですよ、バレたらバレたで。結婚指輪なんかこうしちゃいます」 茉莉香は、左手の薬指から銀の結婚指輪を外して、自分のクリトリスに根本まではめました。 「うわ、ハマっちゃうんだな」 「ぴったりなんですよ、自分でも驚きました」 男の中指の大きさにまで成長したクリトリスに見事にフィットするのです。結婚というものを少し神聖視している正志にとって、それは冒涜的にも思える行為でした。 「なんだったら、こうやってクリトリスに嵌めたままもっと肥大化させて抜けなくしちゃいましょうか」 だから、茉莉香がそんなことを言うので正志は息を飲みました。 「茉莉香、それは……」 「冗談ですよ、やだな正志さん。そんなことになったら私だって困っちゃいますし」 どこか自暴自棄にも思えるクスクスとした笑いに正志は少し怖くなったのです。
「茉莉香、お前やけっぱちになってるだろ」 「ウフフッ、そうですよー。今日の私はやけっぱちです」 その茉莉香のトロンと濡れた瞳に見つめられると、正志は背筋がゾクッとくるほどの色気を感じました。これまで見たこともないような淫蕩な表情です。 茉莉香はお酒なんか飲んでいません。もちろんシラフのはずですが、まるで酒に酔ってでもいるかのような酩酊感にたゆたっています。 「正志さんも悪いんですよ、欲求不満の人妻を焦らして焦らして、舐って舐って舐って、焚きつけてどうしようもないところまで追いやったんですから」 結婚指輪を嵌めたクリトリスを、さするようにしながら茉莉香は腰を突き上げて独白します。 茉莉香の怒張するクリトリスも、すでに濡れ始めた股も、艶やかで形の良い太ももも、足首に絡みつく脱げたストッキングとTバックも全てが淫靡でそれでいて美しい。 「茉莉香、俺が悪かったよ」 「そうですよ、正志さんが悪いんだから責任を取ってください!」 茉莉香はそう叫ぶとたわわな胸を正志の顔に押し付けるようにして、ギュッと抱きしめました。もう笑っていません。 「どうしたらいいんだ、俺は」 「そんなの私が聞きたいですよ。私は夫が好きなのに、今でも愛しているのに、今度こそ良い妻をやりたかったのに、どうしてくれるんですか」 茉莉香の声は濡れています。もう涙は乾いているのに、まだ泣いているように聞こえて正志は辛いのです。 「茉莉香……」 「どうして貴方のことを一番好きにさせたんですか」 淡々とした声なのに、それは身が引き裂かれそうな叫びでした。 強く触れたら壊れてしまいそうな茉莉香を、どうすることも出来ず正志はオロオロとするだけでした。
※※※
正志から身を離すと、茉莉香は仁王立ちに立って正志を見下ろしました。 「いいですか、正志さん。私が合図したらそこでカメラを回して黙って最後まで私を撮影してください。これはもうハロウィンの悪戯でも、約束でもありませんよ。これは私と、そして貴方への罰なんですから絶対に履行してもらいます」 決意を固めた茉莉香は、朗々と響く声でそう命じました。その姿も声も、まるで女神の宣託で正志に有無を言わさないだけの強制力があります。茉莉香は眉目も秀麗な美人ですから、本気を出せば正志などすっと睨めつけられただけで圧倒されます。 それにもまして罪悪感をさんざん刺激された後なので、正志には従うこと以外にの選択肢はありません。命じられるままに、茉莉香の言う道具を用意させられます。 リビングの真ん中にお風呂のプラスチック製の桶を置いた茉莉香は、冷酷なまでに表情を殺してしばし、何も入っていない桶の中を見つめています。 そうして、心の準備を終えたとばかりに正志に向かってさっと手を振って、撮影を始めるように指示しました。 「深谷 茉莉香(ふかたに まりか)二十四歳主婦、一児の母です」 ビデオカメラを覗きこんだ正志が固唾を飲んで見守る中、茉莉香の撮影が始まりました。 「ただの人妻はありません、私は『変態ビッチ妻』で今も『浮気中』の最低の女なのです」 カメラの前で仁王立ちになると、自分のお腹に自ら書いた文字を読み上げます。冷静なさっきまでの茉莉香とは様子が一変していて、頬を紅潮させてハァハァと吐息は熱くなっています。 「私は去年、夫に内緒で浮気をしました。行きずりの男性と関係を持って、娘を妊娠しました。そうなんです、私の娘は夫の子供ではなく誰とも知らない男の人との子供なのです」 ビデオカメラのレンズ越しにを見ている正志も、茉莉香の興奮に合わせてドキドキと興奮している自分を感じました。そうして、これは去年、正志が茉莉香に出演を強制したアダルトビデオ風の撮影と同じであることに気が付きました。 違いは茉莉香の本人の意志であるということと、正志が画面に映っていないということだけです。彼女が黙れと命じたのは、正志を巻き込まず自分だけで行う決意の現れでしょう。
「夫のではない赤ちゃんを孕んで、産み落としても、私の留まるところを知らない変態性欲は募るばかりで、クリトリスだって自分で弄んでるうちにこんなに大きくなってしまいました」 そんなセリフを情感を込めて歌い上げるように独白しながら、茉莉香はシコシコと自分のクリトリスを弄ります。赤く充血して勃起したクリトリスの根本に、銀色に光る結婚指輪がハマったままです。 夫との愛の象徴ともいえる結婚指輪を使って、背徳的なクリトリスオナニーを敢行する茉莉香は、自分の行為に興奮しているらしく頬は熟れたトマトみたいに真っ赤になっています。 (あーこれは、スイッチ入っちゃってるな) 正志はそう思いました。今年に入ってからは、こんな感じのセックスはしませんでしたから久しぶりにみた『淫蕩な人妻モード』の茉莉香です。 「いまから、カメラの前でオシッコするのでどうぞ見ててくださいね」 そう宣言すると、大陰唇をぺろっとめくりました。経産婦にも関わらず、内側の肉襞は綺麗なサーモンピンクです。 正志がじっくりと観察するまもなく、茉莉香は細い尿道の穴からショワワワーとタライめがけて黄金水をまき散らしました。 いや、仁王立ちでオシッコしているのにまき散らすといったほどではなくきちんと桶に向かって一筋のオシッコが出ていますね。 さすがは、やり慣れていると言った感じです。もちろん、桶に綺麗に注いでもわりと細かい粒子は辺りに飛び散ってしまうのですが、板張りですからあとで拭けばいいでしょう。 黙って見ている正志は大雑把なようで、後片付けのこととか気になってしまう性格なのです。わりと神経質な男ですね。 「ハァ……ハァ……はい、私は変態なので、おトイレじゃない場所でオシッコするのは気持ちいいんです!」 いちいち『変態なので』を頭に持ってくる茉莉香。そうやって自分を罰しているつもりなのか、それとも自分の気持ちを高めているのかもしれません。
「さてオシッコしたのは理由が無いわけじゃないんですよ」 茉莉香はそういうと、小さい紙袋から棒状のスティックを取り出してオシッコの中に突っ込みました。 「はい、カメラを手元にズームアップして。これ見てください、排卵検査薬に紫色の印が……くっきりとでてきていますよね。うん……出ていますね、本日、私は排卵日なんですね」 茉莉香の意図がつかめないと正志は思いました。 一体これは何の罰なんだろう、正志に黙って見てろとは一体どういうことなのでしょう。 「排卵日ってことは、赤ちゃんがすごくできやすい日ってことです」 (いや、それは知ってるよ) 小学生じゃあるまいしと、正志は声にならない呟きをもらします。呆れ半分と言った口調です。 でもほっそりとした指先でクチュクチュと愛液を垂らしている股をまさぐっている茉莉香はどこか誇らしげな笑みを浮かべて、しかも尋常ではないレベルで物凄く興奮しているらしく、普段は色素の薄い肌が桃色に紅潮しています。 カメラで撮影している正志の位置からでも、ドクンドクンと高なる茉莉香の心臓の音が聞こえてきそうでした。 触っても居ないのにHカップのミルクタンクの先がビンビンに勃起して、まるでヨダレでも垂らすかのようにビュルっと乳が漏れだして下乳の上でキラキラと輝いています。 (これ大丈夫なのかな) 人妻にカメラの前でエロイ痴態を晒させる。正志にとってはドンピシャの趣向で、見ていてとても興奮する光景ではあるのですが、なんだか見ているうちに正志はどんどん怖くなってきました。 「はい次はこれ、クスコです」 そんな正志の気持ちを知ってか知らずか、どんどん続けていく茉莉香。 「オマンコを開くための医療用具ですね、撮影用に透明になっているので中がよく見えると思うのですが、今からこれで私のオマンコを開きたいと思います」 すでにトロッとした愛液が滲み出しているマンコに、思いっきりクスコを突っ込むとグイッと開きました。
クパァではなくグイっと開く柔軟性が人妻マンコといったところでしょうか。 「はいカメラさん、私の子宮口にズームアップしてくださいね」 正志はカメラを構えると、命じられるままに子宮口に肉薄しました。側面が透明プラスチックでできているクスコは、見事に濡れたピンク色の秘裂を押し開き、茉莉香の赤ちゃんを作る入口を映し出しています。 あのプクッとした子宮口は、正志にとってもおなじみのものです。 「はい次は、これですね」 (んっ、なんだこれ) 大きな注射器のような医療器具です。中には白い液体が貯まり先端に柔らかいゴム管がついてます。 「ネットで買った人工受精用の精液を人肌に暖めたモノです」 (おおい!) 正志はさすがにビックリします。 「ただの人工精液ではありません。十人もの健康な男性の精液を集めて元気な精子だけを濃縮したスペシャルブレンド精液なんです」 (ちょっと待て) この展開は、マズいと正志は焦ります。 「この精液を本日排卵日の私の子宮に流し込めば、確実に妊娠するでしょう」 (待て待て) 正志は、すぐに撮影を止めようと思ったのに、カメラのファインダー越しに食い入るように見つめるだけで、声がでてきませんでした。 代わりにゴクリと生唾を飲み込むことができただけです。 人工精液がタップリと詰まったゴム管を、クスコで開いた子宮口に差し込むシーンをただ押し黙ったままで見つめています。 茉莉香は罰といいました。ハロウィンの魔術を弄んでいる正志は、自分も暗示にかかりやすくなっていたのかもしれません。 (止めろ! 止めろ!) 何度も叫ぼうとしても、声が出てこないのです。 「義昭さんゴメンナサイ、お仕事で留守中の間に貴方の変態妻は知らない男の精液で子作りしちゃいますぅ!」 (嘘だろぉ) 正志は身動きできません。何も出来ない、正志にとってはおなじみの無力感。
(せめて俺にゴメンナサイって言ってくれよ) 茉莉香が、たっぷりと人工精液の詰まった注射器の根本を押して、自分の子宮へと押しこむその瞬間。 何故か、そんなことを考えていました。 「ああっ、十回分の中出し精液が子宮の中に直接入っちゃってます! 受精アクメくるうっっ」 呆気無く、注射器から送り出されたトロッとした白濁色の液体はドクドクと茉莉香の子宮の中へと送り込まれていきます。 注射器の中のものを、ほとんど押し込んでしまうと、スポンとゴム管を引きぬきました。 そんなに粘性は強くなかったようで、トロッとしたおなじみの液体が後から後から茉莉香の股ぐらから溢れてリビングの床に白い水たまりを作り出しました。 「変態ビッチ妻、誰の精子か分からない子供を受精完了です! どうもありがとうございました」 硬直したまま正志が覗き込むファインダーの前で、茉莉香は指で開いた割れ目からドロドロと精液をこぼして、満足そうに頬を紅潮させて満面の笑みでニッコリと笑い大開脚のポーズを決めました。 他人ごとならば、正志もまさにシャッターチャンスと思ったであろう瞬間でした。
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後日談5「本当の父親」 |
慌ただしく年中行事が続く時期。 クリスマス、大晦日、そして何事も無く年が明けて一月がやってきました。 年末から正月に掛けては、深谷家も慌ただしく里帰りしたり元旦は旅行のついでに神社に参拝に行ったりと、夫婦水入らず過ごしていました。 その間は、正志も正月休みです。せっかくゆっくりと夫婦で過ごせる期間を邪魔しようとはしませんでした。 しかし、やはり独り身は堪えるのでしょう。正月休みも終わって早々、夫の義昭が仕事始めを迎えると、いそいそとまた茉莉香のところに出かけるようになりました。 「あっ、すまん」 深谷家を訪ねてすぐ、正志は間が悪いことに気が付いて謝りました。 ちょうど、オッパイを出して娘の茉悠(まゆ)に授乳しているところだったのです。 「いえいえ、いま茉悠のご飯の時間ですからちょっとだけ待っててくださいね」 「ああもちろん、ゆっくりやってくれよ」 茉莉香の生活を邪魔する権利は、正志にはないのです。 そろそろ一歳半になる茉悠は、母親によく似たふわふわの猫っ毛にクリクリの大きなお目目で、ちっちゃい身体に比べて母親のあまりに大きすぎる乳房に必死に食らいついてチュパチュパと母乳を吸っています。本当の父親が正志とは思えないほど、可愛らしい女の子に成長しています。 その愛らしい仕草を見るたびに、正志は心から(娘が俺に似なくてよかったな)と思うのです。 「オッパイ好きなのは、父親にそっくりですね」 正志は心が読まれたのかとドキッとしました。そんなわけありませんけどね。 お母さんの言う通り茉悠は、うんともすんとも言わず、母親の左の乳首に齧り付くようにしてグイグイ吸っている間も、右の乳首をこっちも渡さないと言わんばかりに指で弄って離さないのです。 その巨乳に対する執着心だけは、父親によく似ていると言えるかもしれません。
ゆっくり一時間もかけて授乳が終わると、茉莉香は手際よく娘のおむつをかえて背中をトントンしたり抱っこしてあやしたりするうちにベビーベットでスヤスヤと眠ってしまいました。 その間、正志はといえば勝手知ったる他人の家といった感じでコーヒーメーカーからコーヒーを注いで、リビングで飲みながら茉莉香が乳幼児を慈しむ姿を飽きずに眺めていました。 窓から差し込む陽射しの中で、子供の世話をする茉莉香はまるで聖母のようでした。出来れば自分も、茉莉香に寄り添って抱っこさせて欲しい。 そんなことを考えていたのです。 茉莉香の生活の邪魔にならないようにリビングの隅で静かにカップを傾ける正志と、暖かい陽射しの下で子供あやす茉莉香。彼にとって、ほんの数歩の距離が果てしなく遠いのでした。 「すいません、おまたせして」 茉莉香が、リビングにやってくると正志は労をねぎらうようにお茶を淹れてあげました。 「お疲れ様」 「あっ、ありがとうございます。熱っ……」 きっと茉莉香が挿れるようには美味くないのでしょうけど、紅茶は百度の基本は外さずに淹れてみました。ちょっと猫舌の茉莉香は熱すぎたようで、ふうふうしてから紅茶をゆっくりと飲んでいます。 午前中のちょっとホッと出来る一時です。
「茉悠がオッパイ好きってのは確かみたいだな」 「そうなんですよ、もう一歳半だからホントは離乳したいんですけど全然させてくれなくて、授乳する時間も長すぎだって助産師さんに言われちゃいましたよ。本当に誰に似たんですかねー」 茉莉香はそういうとクスクスと笑いました。 「俺の分のオッパイはないのかな」 「売り切れですって、言いたいところですけど、まだタップリとあるんです。こんなにたくさん飲ませてるのに胸が張って困るぐらい」 茉莉香の部屋着は、一見するとカーキ色のフリル付きワンピースに見えますが、胸が大きくなりすぎたお母さん用の授乳服なので前が全部開くデザインになっています。 だから茉莉香ほどの巨乳さんでも、楽にオッパイを出すことができるのです。彼女は、正志のところまでやってくると、たわわな両乳を惜しげも無くポロンと晒して冗談めいた口調で尋ねました。 「お客様、紅茶にミルクをお入れしましょうか」 これには正志も苦笑します。 「じゃあ頼むよ」 カップを持ち上げて茉莉香の乳首のところまで持っていきます。茉莉香が、ギュウウッと大きすぎる乳房を絞ると、褐色の乳首の先からオッパイが噴き出しました。さっきあれほど子供に飲ませたというのに、彼女のミルクタンクは無尽蔵なようです。 噴出された大量の母乳で、紅茶は見る見る淡い色になっていきます。 「お味はいかがですか」 「うん、もう茉莉香のミルクの味しかしないな」 正志がそう言って笑うと、茉莉香も可笑しそうに吹き出しました。 「直飲みもされますか」 茉莉香にそう言われるまでもありません。正志は、すぐ乳首にしゃぶりつくと甘いミルクを堪能しました。 「美味しいから、茉悠が夢中になる気持ちも分かるよ」 茉悠は左の乳首がお気に入りみたいだったので、正志は遠慮して右の乳首を啜りました。茉莉香の方は正志が飲みやすいように、両の指で乳房をゆっくりと押して乳を絞り出します。さすがは手慣れた授乳でした。 それにしても、なんで女性には左右二つの乳房がついているのでしょう。 きっと、子どもとお父さんの両方に吸わせるために付いているのではないか。一心不乱に甘い母乳を啜りながら正志は、そんな馬鹿なことを考えていました。 授乳にはそういう効果があるのか、茉莉香はただ恍惚と乳を吸う正志の短髪を優しく撫でさすっていました。
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茉莉香は暇なようであれこれと家事に忙しいのですが、正志は深谷家に居着いているだけなので時間はいくらでもあります。 茉莉香の寸暇を狙っては、ベットに押し倒して家事に疲れた節々を揉みほぐすところから始めて、たっぷりと時間をかけた前戯を行います。 身も心もほぐれたところで、今度は舌が痺れるまでクンニリングスです。クリトリスを吸って吸って舐め続けます。 「あっ、ああっ、あああぁぁぁあん」 茉莉香の股から飛び出る赤く充血した膨らみを舌で嬲るだけに一時間近くかけるのですから、これはもうどんな女でもトロトロに蕩けてしまいます。 最初は激しく身震いしていましたが、何度も何度もオーガズムの波に翻弄された茉莉香は、息も絶え絶えにグッタリとしていました。 「どうだ、気持いいか」 「はぁー、はぁー、はい最高です」 直接刺激していないのに、茉莉香のピンク色の割れ目からは絶頂の証が泉のように溢れて溢れだしています。 トロトロになった甘い蜜の溜まる女の器に口をつけて、正志はたっぷりと啜り込みました。濃厚な女のエキスの味わいは、男に活力を与えます。 「俺と一緒になれば、毎日舐めてやれるのにな」 「またその話ですか」 茉莉香は呼吸を整えてから、ウフフと笑いました。夫と別れて結婚してくれたら、正志は毎日クンニしてくれるそうです。 さすがにこのプロポーズは可笑しすぎて、冗談にしか思えませんから茉莉香も安心します。 「そうだよ、何回でも言ってやるよ」 自らの怒張した肉棒にコンドームをかぶせて正志は茉莉香の上に伸し掛かりました。 「うふんっ……はんっ」 正志が正常位で伸し掛かり、あえて乱暴に胸を掴むとビュルッと母乳が噴き上がりました。 それを舐めながら、ゆっくりと前後に腰を振るいます。
すでにトロトロになっている茉莉香の蜜壷は、一番深いところまで一気に届くぐらい柔らかく受け止めます。茉莉香の穴は完全に正志の形に馴染んでいるのです。 「やっぱり茉莉香の中は最高だな」 「ああっ、もっと奥にください奥がいいんです」 茉莉香がそう望むならと正志はさらに体重を乗せて深く挿し込みました。正志の先っぽが、茉莉香のコリコリっとした奥に擦れると、自分でもどうにもならないほど狂おしい気持ちになって声を上げながら抱きしめます。 「うあすごいな、からみついてくる」 「いきそう、いっちゃう……」 膣襞は、別の生き物みたいに正志に張り付いて離れません。茉莉香自身も、正志に張り付くように全身を絡ませて気をやりました。 ビクビクッと激しく震えますが、それでもどこか物足りない気がするのはやはりゴム越しだからでしょうか。 茉莉香の中で燃える尽きることのない女の欲望が、もっと強くもっと激しく欲しいととぐろを巻いています。 「あー、俺と結婚してくれたら生でできるのにな」 「ああっ、いっ、いまそんなこと言うなんて卑怯ですよ」 茉莉香は、ちょっとムッとして返しました。 「ホントは、茉莉香も、生でやりたいんだろ」 ゆっくりと浅いところで抜き挿ししながら、正志は誘うように言います。 「それはそうですけどぉ……」 さすがにここまでされては、茉莉香も否定できません。 「でも茉莉香は人妻だからなあ、夫に悪いもんなあ」 「ああもうぅ!」 茉莉香は、正志を押し倒して自ら上に伸し掛かると激しく腰を振るい始めました。騎乗位の体勢です。
「おおっ、いきなりどうした」 「正志さんは、いったい私をどうしたいんですか」 茉莉香は嬌声を上げながら、自ら深い快楽を求めるように騎乗位で腰を振るいます。 眼の前で揺れる茉莉香のバインバインの巨乳に圧倒されて、正志は呻くような悲鳴を上げました。 「おおっ、これはたまらん」 「私に、生でしてって、言わせたいんですか」 茉莉香は、自ら激しく腰を振るいます。女に上に乗られて支配されている感覚は、男にはたまらなく楽で気持ちいい奉仕なのです。 騎乗位の時に、下から見上げる女ほど美しく見えるものはありません。 「茉莉香、いきそうだよ」 「正志さんの番ですよ、どうぞいってください!」 茉莉香の激しい腰使いに圧倒されるように、正志は欲望を放出しました。
ドピューッ、ドプドプドプ……
ですが、噴き上がる精液はコンドームの壁に阻まれて、茉莉香の奥で膨らむだけなのです。 「ふうっ、いかされちゃったな」 これでも十二分に気持ちいいから、正志は満足げにため息をつきました。 なぜか急に積極的になった茉莉香は、正志から腰を抜くと自ら陰茎の根本からゆっくりゴムを外して、精液が中に溜まってるのを確認して口をキュッと縛りました。 「どうします、もう一回やるならお口でゴムつけてあげますけど」 「ちょちょ、待って……いきなり激しすぎる」 いきなり激しく責められて、射精させられた正志も少し疲労の色がみえます。 「じゃ、少し休憩にしてあげます」 これまでされるがままだったというのに、茉莉香はどうして急に乗り気になったのでしょう。相手のペースに飲まれるのも気持ちがいいものだとは思いますが、意図が見えない行為に当惑して正志は理由を尋ねました。 「急に責めに回って、どうしたんだい」 「正志さん、何かこう毎回気持よくさせられちゃってますけど、もともとは私が気持よくさせるって約束でしょ」 「君が気持ちよければ、俺だって気持ちいいからさ」 正志の返答に、茉莉香はむうっと唇を尖らせました。 「そういうことを言ってるんじゃないんです」 「じゃ、どういうことさ」 正志は彼なりに頑張っているはずなのですが、何が不満なのかいまいち分かりません。 「……あんまり優しくされると困るんですよ」 「俺のことを好きになっちゃうか」 正志はからかうように言いましたが、茉莉香は笑いませんでした。 「私、もとから好きですよ正志さんのこと」 いまさら、そんな理由で優しくされることを拒んだわけではないのです。 「じゃあ旦那より俺と結婚したくなっちゃうか」 「それとこれとは……」 茉莉香は優しさだけで男を選ぶような女ではありません。それは、正志にも分かっているはずなのです。 「茉莉香と関係を持つようになってから、俺はずっと奉仕に徹して快楽漬けにしてやろうと思ってたんだよ。そしたら、茉莉香のほうが音を上げて求めてくれるかなって」 確かに正志は、夫もしてくれないようなことをたくさんしてくれました。今も与え続けてくれているのです。 「そんなこと思ってたんですか」 でもそんな企みがあったなら、口にしてしまってはいけないのではないでしょうか。茉莉香だって、なんとなくそれを感じ取ったからストップをかけようとしたのに。
「そうだよ、でもそんなことで茉莉香が夫を捨てるわけないってことも分かっていた。茉莉香は優しい女だからな」 「そんなことありません……」 夫がいるのに正志ともこうなってしまっている茉莉香は、もう決して貞淑な妻とは言えません。そんな自分が優しいと言われても、茉莉香には素直に頷けませんでした。 「そんなことあるんだよ、だから俺がどれだけ頑張っても、旦那の代わりに俺を選んでくれることなんてないって分かっていたんだ」 「じゃあなんで」 「夢を見ていたんだ、茉莉香が俺の妻になってくれて、一緒に暖かい家庭を作るって夢を……」 「……」 茉莉香は絶句します。正志との関係を夫には申し訳ないって罪悪感でいっぱいでしたが、一方で夫との関係を続けながら正志がどんな気持ちでいるのかなんて、茉莉香は考えてもいませんでした。 いや今から考えると『わざと考えないようにしていた』のかもしれません。そうやって逃げていたのかもしれません。 だから正志に突きつけられた言葉は、茉莉香の胸にずっしりと重いのです。 「茉莉香と夫婦になれたら、俺はもう君と茉悠を遠くから見ていなくていい。あの子に、俺が父親だと言って抱き上げてやれる」 正志はいつの間にか、嗚咽を漏らしていました。 涙だけでなく、鼻水もダラダラと垂らし、それに気がついてティッシュで涙を拭いてビビビーと鼻をかんで「情けない顔してるだろ」と無理に笑いました。 それでも正志の目からは、あとからあとから涙が湧きだしていました。こういうのなんて言うんですかね、鬼の目にも涙でしょうか。 「正志さん、ごめんなさい。わたし貴方の気持ちまで考えてなくて……」 「良いんだ、無理だとは分かっているって言っただろ。でも頼むから、もう少しだけ夢を見させてくれ」 正志は苦しそうに詰め寄ってくる茉莉香をなだめながら、また茉莉香の身体をゆっくりと仰向けに倒して股を開き、クリトリスを舐め始めました。 もうエッチをするような雰囲気ではないのに、静かに涙を流しながら舐め続けます。 「ああっ、うああああぁぁぁん」 正志の悲しさが伝染してしまったのでしょうか、茉莉香も切なくなって泣いてしまいました。彼女は思いっきりむせび泣きながら、それなのに一番敏感な部分を激しく責められて、性感帯を優しく刺激されて、それでなぜか余計に感じてしまって、そんな自分のことを浅ましいと思って、悲しみと快楽と罪悪感が茉莉香の中で交じり合ってフワッと飽和します。 茉莉香はどこかに身体が吹き飛んでしまいそうなほどの強い快楽に、ベットのシーツを握りしめてじっと堪えていました。 それでも、いつしか堪え切れずに、「うあぁぁぁ」と激しく喘いで、その震える身体と意識を絶頂の海に沈めました。 正志は自分のクンニで悶え続ける茉莉香を眺めて、ただそれだけで心からの満足を味わって笑うのでした。
※※※
時刻はまたも深夜、深谷家のリビング。 少しぐずっていた娘も寝付き、茉莉香と義昭、夫婦水入らずのリビングです。 茉莉香の愛すべき夫は、今日会社であった他愛もない出来事を語るうちに、こんなことを言い出しました。 「そうだ茉莉香、お前もう一人欲しいんだろ」 急にそう言われて、茉莉香はびっくりしました。 「えっ、えっ?」 なんで、どうしてと思います。夫婦でもう一人といえば当然子供のことでしょう。そう言われたら欲しくないわけがありませんけれど、なぜ急に夫がそんなことを言い出したのかが分かりません。 「だってほらあれ、去年からのがまたおいてあるじゃないか」 夫の指さしたアレとは、大きなオレンジ色のドテカボチャマスクのことです。 「あー、気がついてらしたんですか」 気がついているのなら言って欲しいものです。それにすごくビックリしてしまうのは後ろ暗いところがある茉莉香が悪いのですが、彼女の少し焦った様子をどう取ったのか、義昭は苦笑しながら言います。 「そりゃあんな大きなカボチャがおいてあれば誰だって気がつくよ。去年のより綺麗だからリビングの飾りとしても悪くないが、あのカボチャは安産のお守りだって教えてくれたのはお前じゃなかったか」 リビングに飾られているカボチャを、夫は次の子供が欲しいって合図と解釈したようでした。 「そうでしたっけ、あのカボチャはその確かに安産のお守りって言えるかもしれないですけど、私はそんなつもりってわけでも……いえ、うーんそういうことなのかな」 子供をもう一人、ある意味でタイムリーな話題に、茉莉香は夫に浮気を気取られてしまったのではないかと内心でドギマギしているのです。 夫に全く気にされなければ寂しいのに、勘ぐられると不安になってしまう。我ながら情緒が不安定だと茉莉香は思います。 「アハハ、どっちだよ。茉悠もちょっと大きくなったし、もう一人作るなら時期的には今頃からがちょうどいいだろう。あれはそういう意思表示なんじゃなかったのか」 「うーんそうなんでしょうかね」 茉莉香としては、なんだかあのカボチャをそういう合図と取られるのは、何とも言えない微妙な気持ちです。 「金のことなら心配しなくていいぞ、まだ本決まりじゃないから言わなかったんだが、前々から出してた企画が通ってな、今度新しく立ち上がる事業推進部に抜擢されそうなんだ」 義昭は嬉しそうに言いました。どうやら、近頃特に機嫌が良いのは昇進のためだったようです。 「すごいじゃないですか」 妻の茉莉香に喜んでもらえて、夫の義昭も凄く得意げです。 「だろー。給料も係長待遇らしいぞ、係長待遇。まっ、待遇だけで実際は担当主任ぐらいだろうけど、新事業部に移れば手当も付くし先々も昇給は期待できるらしいからな」 義昭が語るソリューション営業やら、国内流通のロジスティクスの話は正直茉莉香にはよくわかりませんでしたが、夫が前々からやりたかった事業を担当できるというのは妻としても喜ばしい話です。 「ああもしかして、それで最近帰りが遅かったんですね」 「そうなんだよな、立ち上げの準備もあったから。お前にはぬか喜びさせちゃ悪いと思って昇進の話はしなかったんだが、もういいだろうと思って。ここんとこ忙しくてお前にも迷惑かけたな」 仕事で忙しいというのに、こうやっていつも茉莉香に気遣いの言葉をかけてくれるのは細かいことだけど嬉しいものです。 「迷惑だなんて、お仕事は大事ですもの」 「でもさ、お前がもう一人欲しいなら、あんまり疲れたとも言ってられないなと思ったんだよ」 義昭は、愛妻の腰を抱くようにして久しぶりにベットに誘いました。 もちろん茉莉香に断る理由ありません。
……夫は、茉莉香をひと通り抱いて中に射精すると、そのままシャワーも浴びずに寝入ってしまいました。 茉莉香は夫の疲れきった横顔を見て(やっぱり無理させたのはまずかったかな)と思います。朝に入るかもしれないから、お風呂にお湯を張っておいたほうがいいかもしれません。 茉莉香にしても、久しぶりの夫婦のまぐあいが嬉しくないわけでも、愛情を感じないわけではありません。 ……けれど。 なんだか、今日は……今日だけは少し気が入りませんでした。気乗りがしなかったといってもいいかもしれません。 「義昭さん、私お風呂に入ってきますね」 静かに寝入っている夫に声をかけると、茉莉香はシャワーを浴びにいきました。 お風呂場で、ふっと自分の太ももを見ると股から夫に出された中出し精液が溢れてきました。 (少し薄いかも) そんなことを思いました。 正志の精液はもっと粘っこくて濃かったのです。夫に抱かれたあとで、正志のことを考えるなんて、夫にすごく悪いと茉莉香は思うのです。けれど、止めどなく溢れてくる思いは止まりません。 薄いのは夫が仕事に疲れているせいなのでしょうか。こんなに薄くては、せっかく膣中に出してもらっても懐妊しないのではないかという予感がしました。 暖かいシャワーを浴びながら、茉莉香は止めどなく考えます。 茉悠を産んだ時、後悔はありませんでした。でも夫には心の底から申し訳ないと思いました。間男の子供を産んだのですから当然のことです。 贖罪にはならないと思いつつ、今度こそ夫の子供を産みたい。そう思っていたはずなのに、いつの間にかこんな風になってしまっています。 お湯は暖かいのに、ちっとも暖かい気持ちになりません。 あんなに夫に愛して大事にして貰っているのに、夫は悪くないのに、茉莉香の器の全てが夫では満たされないと感じてしまいます。 「義昭さん、ゴメンナサイ。どうか気がついてください。私はダメな妻なんですよ」 ザーザーと降り注ぐシャワーを浴びながら、茉莉香は嗚咽を漏らして泣きました。 夫の名前を何度も呼びながら、跪いて何度も何度も謝りました。 謝ってもどうにもならないことだとは茉莉香も分かっているのです。 どうすればいいのか分からない振りをするのは、自分の罪から逃げているのです。良心に苦しみ葛藤する振りをしていれば、その間は辛い選択を回避することができるというだけです。 茉莉香は自分のそんなズルさを自覚しつつも、開き直ることもできない中途半端さに自己嫌悪を強めます。あるいは、そんな弱さにもう少し浸っていたいだけなのかもしれません。 どちらにしろ二律背反な状況は長くは続けられるものではないのです。 いずれ、なんらかの答えを出すことになるでしょう。あるいは答えが出ないとしてもなるようになってしまうはずです。 いずれは決めなければならない、それは茉莉香にも分かっていました。
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後日談4「身体のこと」 |
季節外れの台風がやってきて真夏がぶり返したと思ったら、今度は寒波がやってきました。まったく近頃の地球の気候はどうなっているんでしょうね。 なんでも夏がいつまでも暑いと冬は急激に寒くなるそうです。放射冷却みたいな理屈なんですかね、十二月の晴れ渡った空は青々と高く、空気は冷たく澄んでいます。 田中正志がマンションの他の女全てと手切りを終えてからもう幾日も経ちました。 そして今日も、深谷家の静かで温かい雰囲気が漂う寝室で、田中正志と深谷茉莉香がお互いに一糸纏わぬ姿となってふざけあうようにして睦み合っていました。 恋人同士みたいに、あるいは若々しい夫婦のように。 もちろん久しく他人行儀にしていたわけですから、すぐに打ち解けるというわけにもいきません。 ですが何度か触れ合う回を重ねるごとに、二人は昔の調子を取り戻して茉莉香も正志のことを苗字ではなく元のように名前で呼ぶようになってきました。 正志は一度はもう完全にスッパリと茉莉香のことを諦めていたわけで、最初はなんとなくバツが悪い気持ちでしたが、耳元でくすぐられるように「正志さん」と呼ばれると「茉莉香」と返すしかありません。 何度か名前を呼び合い茉莉香の柔らかい身体をまさぐり甘い唇を吸うことで(そうだったこんな親しくて温かい関係だったのだ)と正志は思い出しました。身体が覚えているってやつでしょうか。 そうなってしまうと、心のどこかに蓋をして溜まっていたやるせない思いが止めどなく溢れでて、正志は茉莉香の柔らかい身体をもうどこにもやらないと強く抱きしめます。 やるせない気持ちをそのまま茉莉香の身体にぶつけるのです。肌から伝わるその強い気持ちを茉莉香は優しく手の平で受け止めて、硬さを確かめるように握りしめて、くすぐるようにその柔らかい先っぽを指で擦りました。 茉莉香の指が正志自身の先っぽを弄ると、止めどなくお汁が溢れてきます。指ですくい取るようにして先走り汁をぺろりと舐めると、少し辛いような酸っぱいような味がします。茉莉香にはもう慣れ親しんだ味。 彼女はそのまましゃがんで、固くそぼった正志自身の先をぷっくらした唇で咥えると、その溢れ出る想いをチュルッと音を立てて啜りました。 「ううっ……」 正志は小さく呻き、そんな淡い刺激だけでドピューッと呆気無いほど簡単に放精してしまいます。いくらなんでも早すぎですけど、我慢しないで惜しげも無く出してしまうほど安心しきっていると言えるのかもしれません。
茉莉香は慌てること無くどっと溢れでた熱い精液を、長い間に溜まった気持ちと一緒にお口の中に全て受け止めて、口の中いっぱいに溜めて濃い味を堪能します。 そして、そのままコクリと喉を鳴らして正志の熱いお汁を飲み下しました。 「ごちそうさまでした」 「ああ……ありがとう」 正志は満足げにため息を付くと、ベットに腰を下ろしました。
「なあ、お前の身体のこと、夫はなんて言ってるんだ」 正志の柔らかくなった陰茎を舌で綺麗に舐めとっている茉莉香に正志はそう聴きます。唐突な質問でしたが、前々から聞きたかったことをようやく尋ねるみたいな空気もありました。 「えっ、身体ですか? 確かに赤ちゃん産んだから体型も変わってしまったし、乳房もこんなですし、乳首も大きく黒くなっちゃいましたけどね」 茉莉香もまだ授乳中の経産婦ですから、ピンク色だった乳輪も大きくなり黒くなっています。乳首は、子供に吸われていることもあるだろうし、妊娠中に散々と正志に嬲られたせいで伸びきって長乳首になっています。 それでも大ぶりのツンと上を向いた乳房に、くびれたウエストからヒップにかけた優美さは一子がいるとは考えられないほど奇跡的なプロポーションの維持と言えます。むしろ肌の張りは出産前より向上しています。 正志の贔屓目だけではありません。それは何が茉莉香の肢体をこうまでも美しくさせたのか、美容の秘訣を小一時間は問いただしたくなるほどです。だからこそ、肥大化した乳首とそして下腹部にある女性器からはみ出している一部分が目立ちます。 「いやいや、乳首もそうだけどさ、俺が言ってるのはクリトリスのことだよ」 正志の指摘に、俯いた茉莉香の頬がすっと紅色に染まります。 そして、少し言いにくそうにつまりながら話し始めました。 「これはその、夫に聞かれたら授乳のために乳首が大きくなったのと同じように、出産に伴う身体の変化だって説明しようと思っていたんです」 その説明もちょっと、いやかなり無理があるような気がしますが、それよりも正志にはもっと気になるところがあります。 「説明しようと、思っていた?」 引っかかる言い方です。 「ええ、そうなんですよ……。当然その夫とは夜の営みをしてますから、見てすぐ分かると思うんですけど」 夫と『してます』という言葉を聞いた瞬間、正志は胸のあたりがズキリと痛みました。
この場合、間男は正志の方なのですけれど、茉莉香が夫と夜の営みをすることはごく当たり前のことなのですけれど、やっぱり茉莉香が他の男に抱かれていると聞いていい気持ちはしないのです。 嫉妬の炎は簡単に消えるものではありません。そもそも、その独占欲が茉莉香の乳首とクリトリスを肥大化させてしまった原因でもあるわけなのですが、胸の奥に燃えるわだかまりを抑えつけて、正志は続けます。 「君の旦那は、自分の妻のクリトリスがそんな風になってても何も言わなかったわけだな」 憤懣やるかたないと言った口調です。正志が言える義理ではないと思うのですが。 「はい……」 茉莉香の方も、なぜか申し訳なさそうに小さく頷きました。 赤黒く赤ちゃんのペニスぐらいの大きさに肥大化して、皮が剥けっぱなしになった茉莉香の大きな陰核。夫なら絶対に気が付かないわけがないのです。 旦那が気にしないということであれば、正志はむしろホッとすべき立場のはずです。 それなのに悔しいような、憎らしいようなそんな仄暗い憤りが胸にどんどんと広がっていきます。茉莉香の身体の変化を無視されたことで、茉莉香の夫、義昭に対するたった一つのアドバンテージが真っ向から否定されたような気がしました。 それは言葉にしてみると(お前はそんなに余裕なのかよ、なんで茉莉香のことを見てやれないんだよ)という怒りなのでしょうか。 全く自分勝手な言い分としか表現しようがありませんが、正志の素直な思いでした。 「よし茉莉香、今度は俺の舐める番だな。股を手で開いてクリトリスを差し出せ」 「はい……」 茉莉香は従順に、ベットの上でしゃがみ込むと屈んだ正志の前に股間を晒しました。一年ぶりの茉莉香のオマンコには、恥毛が生えそろっています。 外陰唇の周りに生えそろった恥毛があっても分かるぐらい、男の中指ほどの大きさに成長した茉莉香の赤黒いクリトリスの頭の先は剥けきっていて、茉莉香が自らの手でギューと押し開いた秘裂から飛び出ています。 肥大化して充血した陰核はグロテスクでしょうか? いえいえ、正志にとっては自分の手で育てた可愛い小豆との再会です。愛おしい茉莉香の小粒の表皮を傷つけないように、指を唾液を馴染ませてから優しく擦ります。
「クリオナは、まだやっているのか」 「はい、あの日からも毎日欠かさずに……してます」 あの日というのはやはり、正志と茉莉香の関係が終わった日でしょうか。それからも茉莉香は毎日自分で摩っていてくれていた。それが、正志にはとても嬉しいのです。 だからこそ皮が剥けたままでクリトリスは前と変わらない大きさで艶やかな光沢を保っているのかもしれません。 「茉莉香の旦那は、そのするときにクリトリスは弄ってくれないのか」 「夫は淡白ですから」 そうか、やっぱりなと正志は思います。きっと茉莉香の旦那だってフェラチオはさせているはずです。 それなのにクンニもしてやらないなんてなと正志は鼻息荒く憤ります。あるいは、男として勝てる部分がもうここにしか無いから必死になるのかもしれません。 「毎日クリトリスでオナニーしてたときは、何を考えてたんだ」 そう言いながら、さらに潤滑を増したシコシコと擦ります。茉莉香が自らの手で押し開いたピンク色の内蔵は、すでに愛液に湿っています。 「あっ、あの、正志さんにされた時のことをずっと思い出していました」 茉莉香は本当に久しぶりに、他の人に身体中で一番敏感な部分を嬲られる快楽に身を震わせます。 「そうか、もう今日からは自分で慰めるなんて寂しいことはしなくていいから」 そういうと、充血した茉莉香の小豆の先に優しくキスをしました。 「あっ、ああっ」 「俺が毎日舐めてやるよ、これからずっと毎日茉莉香が満足するまでずっとだ」 正志は優しく茉莉香の陰唇全体にキスの雨を振らせます。ペロリと、小陰唇の内側の愛液の味も確かめました。 ああー茉莉香の味だと思うと、それだけで奮い立つ思いがします。 全身に元気が湧いてきます。 「ありがとございます、舐めてもらって気持ちいいです」 「そうか、もっと強くするから痛ければ言えよ」 女性へのクリトリスの愛撫はフェラチオとそんなに変わりません。
クリトリスの先をチューと吸って、舌の腹でゴシゴシとこするようにしました。 「ああっ、いいっ、自分でするより正志さんに舐めてもらう方がずっと……イイッ」 そう呟いて、小さい嬌声と共に静かに身を震わせるようにして茉莉香は呆気無くイキました。 控えめな茉莉香らしく自分の声と気持ちを押し殺したような、控えめで慎ましいオーガズムの震えです。 それでも茉莉香がイッたときに吐き出す、ハァーという甘い吐息に正志は頭がクラクラとします。茉莉香の甘い息をもっと吸いたいと思って、そのまま脱力感でぐったりと仰向けにベットの上に寝そべった茉莉香を、上から抱きすくめるようにして、甘い唇を吸いました。 抱かれることはまったく拒絶しなかった茉莉香は、なぜか口づけされると慌てて拒もうとしました。 「んんっ、だめぇ、正志さん! 汚いですよ、さっき私フェラしましたから」 そう言えばまだ口を洗っていませんでしたね。 「いいよ、俺は気にしない」 正志だって自分の精液を飲む趣味はありませんが、茉莉香は女神です。たとえフェラチオしたあとでも、茉莉香の口内が汚いわけがないと思えました。 最初は「汚いです、ダメです」と拒んでいた茉莉香も、舌を絡めるようにされるとたまらず自ら求めるように舌を伸ばして正志と深いキスを交わしました。 正志の精液は、多くの女性の証言からすると濃くて苦いらしいですが、それを飲み込んだはずの茉莉香の口内はとても甘ったる味がして美味しかったのです。 茉莉香の唾液をたっぷりと心ゆくまで味わうと、今度はでんぐり返しにして股を開き、もうひとつの穴に舌を伸ばしました。 「あっ、そこはダメです」 舐めたのは前の穴ではなく後ろの穴でした。 「だから、茉莉香の身体に汚い場所なんてないって言ってるだろ」 正志が茉莉香の股ぐらに屈んで、太ももに手をついてアナルを犬のように舐めだしたのです。 「正志さん! お尻の穴は、本当に洗わないとダメですよぉ」 またクンニされるのだと思い込んでいた茉莉香はびっくりして瞳を大きく見開いて身をこわばらせました。
茉莉香の驚きが太ももの震え伝わってきて、正志は得意になりました。 お尻の穴も驚いたようにキュッと窄まります、でも悪い感触ではないと分かっているから細くなった肛門に舌をねじ入れるようにして舐めだしました。 いくらトイレがウォシュレットだといっても、穴の中までは綺麗に洗浄できていません。 「ふふ、後ろも使うのは久しぶりだがこっちはちょっと狭くなったんじゃないか」 「お尻の穴はほんとに汚いから、汚いからぁ……」 そう言いながらも、茉莉香は身動き取れません。やられてみると分かるのですが、お尻の穴は人間の急所なのです。 仰向けで倒れた状態でここを責められると、四肢の力が抜けてしまってどうしようもなくなります。 「そう言いながら、腸液でヌメって来てるぞ」 笑っている正志。 「正志さん、ほんとにダメッ!」 ついに怒られてしまいました。 「分かったよ、そう怒るなって」 正志が解放してくれたので、茉莉香はよろっと身を起こしてから正志の広い額にメッと指を突きつけて叱りました。 「私が汚くないって言ってくれるのは嬉しいのですけど、お尻の穴は洗わないと雑菌が多いからダメですよ」 「ああ、そうだったな」 いきなり尻を舐めだしたのは、びっくりさせたいってこともあったのでしょうが、こうやって茉莉香に怒られたいって気持ちがあったのもしれません。 珍しい茉莉香の怒り顔が見られたのがたまらないのか、正志は叱られてる癖に妙に嬉しそうにニコニコしています。 「お尻の穴がしたいんだったら言ってくれたらちゃんと洗ってからいくらでもさせてあげますから」 茉莉香も主婦です。衛生問題は、なおざりにしたくないってことなのでしょうか。 「じゃあ一緒にお風呂でも行こうか」 「そうですねえ、じゃあそうしましょうか」 一歳児の娘がきちんとまだベビーベットでお昼寝しているのを確認して(茉莉香は家事も育児もありますから、暇になるタイミングを見計らって正志はやっているのです)軽くシャワーを浴びることにしました。
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本当にアナルセックスをするつもりなら、浣腸まできちんとして直腸まで綺麗にしないといけないのですが、今日はそこまでするつもりはないと言うので、シャワーで軽く洗うだけにしました。 「その代わりといっちゃなんだが、アナルビーズ入れようぜ」 「ああ、正志さんそれ好きでしたよね」 茉莉香は、苦笑します。 お互いに裸体ですから、そのままシャワールームに行って交代にお湯を浴びました。こんなことなら、あらかじめお湯を張っておけば良かったと茉莉香は少し残念に思い、頭の中のこれから注意するリストに入れておきます。 茉莉香がシャワーのお湯でなるべく綺麗に肛門の中を洗うついでに、正志が馴染み深いアナルビーズを持って来ました。 ひも状の糸に、大小様々のカラフルなシリコンボールがついているものです。茉莉香のおしりの穴の洗浄が終わると、正志が丹念に洗ったボールにタップリとローションをかけたものを渡してきました。 「久しぶりだけど、自分で入れられるか? 俺がお尻に挿れてやろうか」 「自分でできると思います」 去年のことですから、できるかどうか迷いましたがアナルビーズを渡されたら茉莉香の手をお尻の穴が覚えていました。 固くて柔らかい不思議な感触、ピンボールの玉より少し小さい程度の大小様々なボールを、プツリプツリとお尻の穴に押し込んでいきます。 ローションの滑りのおかげか、久しぶりなのにやすやすと飲み込んでいきました。 全部で十個の玉を完全に挿入すると、窄まったお尻の穴からは引っ張りだすための輪っかがぶら下がるだけになります。 「今日一日――」 したり顔で宣言しようとする正志を手で制して、茉莉香は言いました。 「今日一日アナルにビーズを入れたまま過ごせばいいんですね」 正志のやりたいことなんて聞かなくても、茉莉香は全部分かっているのです。 「よくわかってるじゃないか。お尻の穴の方は、最近してなかったんだろ?」 もちろん茉莉香には、それが日常生活で穴を広げて具合よくして準備しておけと言う意味だと分かってます。 「だってお尻の方は……誰かは知りませんけどイタズラしてくれる人がいませんでしたからね」 分かりきったことだから、そうやって冗談で混ぜっかえして、茉莉香はウフフッと堪え切れない笑い声を漏らしました。 お尻の穴にたくさんの異物が入っている状態は、とても違和感があってソワソワしちゃうものですけれど、それに耐えることも茉莉香には決して不快ではありませんでした。
シャワーから上がったあとは、コンドームを使用してのセックスです。 茉莉香は、正志の分厚い肩にそっと手を回します。 ゆっくりとピンク色のコンドームを被った勃起した陰茎が自分の中に入ってきます。完全に入ってしまうと、正志は優しくキスをしてきました。 抱き合ったままで唇を重ねて、ゆっくりと腰の動きを合わせて生殖器を擦り合わせる快楽に耽る。 軽く息を弾ませる程度の穏やかで、それでいてうっとりとした至福の時間を堪能します。二人の境界線が融け合って、まるで蕩けて一つになってしまうようなセックス。 「ああっ、正志さん」 じわと温かいオーガズムの波が深々と埋められた膣奥から、全身に広がっていきます。満たされて、充実して、気持ちいのに、どこか狂おしいほどに切ない。 「茉莉香、茉莉香ぁ……」 そう正志に名前を呼ばれて、不意に夫のことを思い出しました。 新婚の頃は、夫ともこんな満たされた時間をゆっくり取れていたのだけど、忙しい日々にいつしかスレ違うようになって、ああダメと茉莉香は思います。 (いまは、夫のことは考えちゃダメ) 夫に悪いって気持ちはもちろんありますが、それより正志に抱かれているのに他の男と比べるなんて失礼なことだと茉莉香は自戒します。 正志の重たい体重を乗せた深いピストンが、子宮口まで突き上げてきて、ありがたいことに余計な思考を全部吹き飛ばしてくれます。 「ああっ、最高……」 茉莉香は久しぶりにポルチオ(子宮膣部)性感帯を刺激されてたまらない気持ちになりました。 夫だと届かない茉莉香の女の子の入り口に、正志のジャストサイズの陰茎だと届くのです。コンコンと入り口をノックされたら、頭が真っ白になってもう何も考えられなくなります。 これだけは、夫もしてくれない、正志にしかできないことです。 膣全体が、悲鳴を上げるようにギューと正志の硬いモノを絞りました。 「おおっ、茉莉香イクぞ」 正志がきゅうきゅうとからみついてくる粘膜のすみずみまで屹立ですりあげて、オッパイを思いっきり掴みました。 強く握りしめられた衝撃で、茉莉香の褐色の乳首の先からピュウッと母乳が噴き上がりました。 「ああああああぁ、お願い、中に、中にくださいっ!」 茉莉香はもう悲鳴を上げて、中出しを懇願しました。
ドピューッ、ドクッドクッ……
膣は精液を絞ろうと収縮を繰り返して痙攣しますが、いつもの熱い飛沫は茉莉香の女の子の中に入って来ません。 その代わり、膣の中で風船のようにコンドームの精液溜りが膨れて精液をシャットアウトします。 ツルッと射精を終えた陰茎を引き抜くと、正志は手慣れた様子で根本をつまむようにゴムを外して、入り口を固く縛りました。 ほらというように、先っぽにたっぷりと精液の詰まったピンク色のコンドームを茉莉香の鼻先にぶらぶら持ってきます。 「コンドーム入りの精液ってのも、なんかエロくていいもんだな」 「あの、中で出さなかったんですね」 茉莉香は、不思議なものでも見たというように瞳を丸くして精液入りのコンドームを見つめています。 「避妊しろって言ったのは茉莉香じゃないか」 「そうでしたね、でも正志さんのことだからてっきりコンドームが破れちゃったとか言って中出しするものだとばっかり思い込んでました」 そうですね、そういう印象ありますね。そうやって避妊してくれると思った女の方を慌てさせるイタズラをやるのが正志のいつものやり方ですよね。 でも正志は茉莉香に対してはそうはしなかったということなのでしょう。 「なんだ信用がないんだなあ、少なくとも俺の方からは茉莉香の家庭を壊すようなことはしないって約束したじゃないか」 「いえいえ、信用してないってことはないんですよ。でも……」 茉莉香は、ほんの少しだけ不満そうな顔をしています。 正志が約束を守ってくれたのは嬉しいし、茉莉香にも今の生活を守らなければならない気持ちもあります。 でも、茉莉香は(正志さんは私の中に出してくれなかったのか)と分かった瞬間にちょっと寂しい気持ちになったのも事実なのです。 「茉莉香の家庭を壊さないって約束を守った上で、中出しする方法も考えなくはなかったけどな」 「えっ、それってどういうことですか」 そんな方法があるのでしょうか。たまに突拍子もない意表を突くやり方で、ルールを打ち破ってしまうのが正志という男ですから。 ちょっと気になって、茉莉香は聴き返しました。
「簡単なことさ、俺と茉莉香が結婚して家庭を作ればいいだろう」 「なーんだ、そんなことですか」 茉莉香が夫の義昭と別れることはありませんから、根本から不可能な提案でした。いくら茉莉香でもフフンと鼻で笑ってしまいます。この前も、正志はそんな冗談を言っていましたが茉莉香はまったく本気にしていません。 「俺が茉莉香を惚れさせて、茉莉香が夫よりも俺を好きになれば離婚するだろ。そしたら……」 茉莉香は正志に最後まで言わせないで、被せ気味に話を遮りました。 「はいはい、前から思ってたんですけど正志さんって意外に自信家ですよね。私が夫に見放されて離婚することはあるかもしれないけど、私から夫と別れることは絶対にありませんからね!」 ちょっと自分でもキツイ言い方になってしまって、茉莉香は内心でドッキリしました。 (なんで私はこんなにムキになっているんだろ) 自分でも当惑するぐらい大きい声を出してしまっています。 どうせ冗談なのだから、こんなに怒ることもないはずです。 「なあ茉莉香、オッパイ飲んでもいいか」 不必要にキツイ言い方をしてしまったのに、正志は何の反応も見せずにちょっと困ったように微笑みながらそうお願いしました。 「へっ、ああどうぞどうぞ」 さっき正志が力いっぱい握ってしまったから、茉莉香の左右のオッパイから溢れでいてるのです。胸から溢れてしまった母乳までもったいないと言いながら舐め啜ってから、チュパチュパと美味しそうに啜ります。 ただでさえ巨乳の茉莉香の乳房にはたっぷりミルクが詰まっています。ちょっと絞り出したところで、吸えば吸うほど母乳はたくさん分泌されるのです。 乳が張って張って、もう一人赤ちゃんが入ればちょうど良いぐらいに思っていましたから、正志に乳を吸われることは茉莉香にとっても嬉しいことです。 母性に目覚めた恍惚とした表情で、正志のチクチクするいがぐり頭をイイコイイコと撫でてあげます。
「茉莉香の乳はほんとに美味しいな、甘くて濃厚で元気がでるよ」 口だけでなく、本当にエネルギーを回復したと言うようにギンギンに股間を膨らませています。 「喜んでもらえて嬉しいです。どうせ余ってますから私のミルクで良ければたくさんどうぞ」 「じゃお言葉に甘えてもっと飲ませてもらおうかな、本当に吸えば吸うほどいくらでも出てくるね。牧場でも開けばいいんじゃないかこのミルクタンクは」 そんな冗談を言ってくるので、茉莉香もホルスタインじゃあるまいしと笑いました。 「アハッ、さすがに他の人に飲ませる気にはなりませんね、私のは娘と正志さん専用のミルクですよ」 「おや、こんなに美味しいのに旦那は飲まないのか」 そう言われると茉莉香の笑いが少しだけ強ばります。 「あの人は、その……だって母乳は赤ちゃんにあげるものだから大人が飲むっておかしいでしょう」 茉莉香が妊娠しても夫は変わらずに優しいですが、胸にはあまり触れなくなってしまいました。夫がオッパイが出るのを、好ましく思ってないのではないかと密かにコンプレックスなのです。 もちろんそれで夫に不満があるわけではないのです。だけど、女の身体から母の身体に変化してしまったことを咎められているような、少しだけ距離が出来てしまったような寂しさがあります。 「そうか、そうだな。変態な俺みたいな男しか母乳は飲まないよな」 卑下しているのだか、自慢しているのだか、よくわからない口調でそういうとまた一心不乱に乳首を啜る作業に戻ります。 「変態っていうのはちょっと可哀想ですよね、正志さんは私の大きな赤ちゃんですよ」 間男ではなくて、もし正志がもう一人の大きな赤ちゃんだったら誰も苦しむことはないのにと茉莉香はそんなあり得ないことを思ってしまうのです。 いっそそうだったらどれほどいいことでしょう。それなら正志だって家族になることもできると茉莉香は思うのです。 「俺が茉莉香の夫だったら、毎日オッパイ吸ってやるのに」 「またその話ですか……」 冗談にしてはしつこいなと茉莉香は思います。
茉莉香は離婚しろなんて話は冗談でも怖いので、ちょっと焦った気持ちで何か違う話題に変えようとするのですが、なぜかこんな時に限って頭が空回りしてしまって思いつきません。 「俺と結婚してくれたら、オッパイだけじゃないぞクリトリスも、お尻の穴も、茉莉香の身体中を全部舐めて綺麗にしてやるよ、ずっと毎日二人で満足するまで……」 「それはまた、最悪のプロポーズですよね」 茉莉香もさすがに苦笑しました。本当にこんな変態的な告白は聞いたことがありませんが、正志らしい冗談と思えば微笑みを誘われます。 「うーん、このプロポーズはダメかな」 「それで落ちる女の子がいるとしたら、その子も立派な変態ですよね」 SMの女王樣みたいな人なら、毎日身体中を舐められるご奉仕を受けるというのは喜ぶかもしれませんけど。 どちらかといえば、茉莉香は奉仕したい方でした。 「まあいいか、じゃあもう一回やろう。もちろんゴム付きで」 「はーい、どうぞ正志さんが満足いくまで私の身体を使ってください」 正志は反り返る怒張に新しいコンドームを被せると、茉莉香の身体を抱きしめるようにゆっくりと覆いかぶさりました……。
※※※
……正志と茉莉香が仲睦まじく過ごした、その日の夜遅く。 仕事から帰宅した夫は食事もお風呂も終えて、茉莉香の方も娘をあやしつけて眠らせてからいつもの夜の営みの時刻となりました。 どちらから言うとも無く、そういう雰囲気になるわけですが今日の茉莉香は申し訳なさそうに断りを入れました。 「あっ、あのすいません。今日は生理がきちゃってまして……」 「気にしなくていいよ。俺も今日は仕事で疲れてたからさっさと寝るよ」 アハハと笑うと鷹揚に、夫の義昭は手を振りました。 「義昭さん、もしよろしかったらお口でしますよ。それでしたら疲れてても」 「いや、今日は本当にいいよ。それに俺はなんかフェラチオは、あんまり好きじゃないんだよね。俺の大事な奥さんを道具みたいに使ってるみたいで気分が良くないのかなあ」 言葉だけでなく爽やかに微笑みながら、義昭は茉莉香を抱きしめてくれます。 その抱き方は涙が出るほどに優しくて義昭の大きな胸は暖かくて、大事にされているってことが薄い寝間着越しからも伝わってきて、茉莉香に夫への愛情を再確認させるものでした。 やはり茉莉香の夫は優しくてカッコイイ、そう思うのです。 「ありがとございます、じゃあ生理あけたらまたお願いしますね」 「うん、でも無理しなくていいんだぞ、お前だって茉悠の世話もたいへんだろうしさ。急に寒くなってきたからお前も茉悠も体調に気をつけるように……。ああそういや、冬用の背広のコートってどうしたかな」 身体を気遣ってくれたあとに、不意にそんなことを聞かれます。もちろんいい奥さんをやっている茉莉香は育児だけでなく家事に余念がありません。 「それなら今日クリーニングから出して、換えの背広と一緒にいつもの場所に吊るしてありますから」 「おっ、ありがと。また近いうちに出張になるかもしれないから。今度は北の方の事業所だってさ、参るね」 義昭は、さっとカバンの整理をして明日着ていくカシミヤの暖かそうなロングコートがクローゼットに掛かっていることを確認すると、ベビーベットで眠る娘の茉悠を眺めて、しばらく幸せそうにわが子の柔らかいホッペタを指でつつくと、明日も早いからごめんと先に寝入ってしまいました。 「私もお風呂頂きますね」 小さな声で茉莉香は床に入った義昭に声をかけましたが、すでにすやすやと寝息を立てているようで返事がありません。
生後半年ぐらいまでは、娘の茉悠もグズがって頻繁に夜泣きしたりしたものですが、最近はそんなに手間もかからなくて、夜中にほんの少し開いたこの時間は茉莉香のささやかな自由時間になっています。 お風呂は、本当は昼間に正志とシャワーを浴びたわけですから必要ありません。 脱衣場で普段着にしているトレーナーやスエットやシャツを脱いで、申し訳ない程度にレースの飾りがついた妊婦用の大判のブラジャーに、パンティーを脱ぎ捨てて一糸まとわぬ裸体になると、お風呂場へと入りました。 「うっ、うううんっ……」 そしてお風呂場から、茉莉香の小さな呻き声が響きます。 何をしているかって? まるでお尻の穴から出産するように、パールビーズを引きぬいているのです。 ローションの滑りの助けを借りても、やはり久しぶりのパールビーズは抜くのにも難儀しました。 それだけ、強烈な刺激を与えてくれたとも言えるでしょう。 ビーズ十粒の出産を終えると、茉莉香は言い知れぬ解放感を感じました。 夫や娘の前で、いい母親を演じながら、お尻の穴にこんな大きな玉を埋め込んで喜んでいるなんて。 「私も立派な変態さんですよね」 誰も見ていないのを知っていても、いや知っているからこそ茉莉香はそう一人で独白して正志のことを笑えないなと苦笑しました。 茉莉香の出産はまだ終わりません。 膣口に貼られた、絆創膏(ちゃんと陰毛が絡んでも剥がれやすいタイプです)を剥がすと中からツルッとピンク色のビニール袋のようなものを取り出しました。 濡れた膣から引きぬいて、プラーンと目の前に持っていくと透明ピンクの中に白濁色の液体が溜まっている。 そう、これは精液入りの使用済みコンドームでした。 避妊しつつも、精液入りコンドームはプレイに利用する。さすがは変態な正志の発想といえます。 おかげで(もし万が一膣の中で袋が破れちゃったら、夫の前でまた正志の子供を妊娠してしまう)なんてことを考えさせて、茉莉香を興奮させることに成功したわけです。
取り出したコンドームは、きっちりと縛られていてどこからも漏れた形跡がありません。もしかしたらと思っていた茉莉香はホッとして、お口の中に精液入りコンドームを入れてクチャクチャと口の中で弄びました。 そして、もう一つ膣からツルリと精液入りコンドームを取り出します。 これも破れてません。 「ちょっと残念かも……」と茉莉香は呟いて、何を馬鹿なことを言ってるんだろうと首をブルブル振るいました。 変なことを考えてしまうのは、ちょっとエッチな気持ちになっているからです。 昼間にあれだけ正志とやっておいて、茉莉香はまた風呂場で肥大化したクリトリスをこすります。 「あっ、あっ……」 今日はなんだか気持ちが怖いほど盛り上がっています。 眼の前でコンドームを破いてしまうと、中から手に精液を取り出しました。 (中に入れなきゃ大丈夫だよね) 茉莉香は膣に入れていたせいでまだほのかに温かい精液を指先になじませると、勃起したクリトリスの先に塗りつけました。 確かにクリトリスと膣口とはほんの少し離れていますが、同じ膣の中に存在ます。 それは限りなくギリギリアウトな行為ではないでしょうか。 「うっ、ううっ……」 指で正志の精液を塗りつけては、クリトリスを擦り上げる行為に、茉莉香は切なくてたまらなくなります。 口の中で弄んでいたコンドームも取り出しました。 「垂らすだけ、垂らすだけなら……」 もう我慢できません。 茉莉香は、お風呂場に寝っ転がると天に向かって勃起しているクリトリスの先に乱暴に引きちぎったコンドームの中の精液を垂らしました。 「ああっ、イクッ、イクッ!」 べっとりと精液に濡れたクリトリスを擦り上げて、茉莉香は激しく身を震わせるようなオーガズムに達しました。 クリトリスに垂らされた精液は、そのまま膣口の方にも流れていきます。 ビクッ、ビクッとお風呂場で腰を振るいエビぞり反る茉莉香は声も出せないほどの絶頂にヨガり狂います。 茉莉香の穴は、べっとりと膣口表面を流れていく精液をまるで欲しがるようにヒクヒクと収縮して、膣中へと精液を啜り込んでいるのでした。
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後日談3「手切りの代償」 |
「ほら、真那ちゃん見てごらんお母さんの膣中にいっぱい白いの出てるだろう」 正志はベットの済みでうずくまっている真那ちゃんを呼ぶと、母親の股を開いてさっきまでセックスしていた接合部を見せました。 淫液に濡れたビラビラを指で捲ると、膣口からタップリと中出しされた白濁液がトロリとにじみ出てきます。 「これ、おじさんの精液?」 「そう真那ちゃんよく覚えていたね、お兄さんと呼ぶこともついでに覚えておいてね」 いまだお兄さんと呼ばれることを諦めていないのか、正志はしつこいです。 それにしても子供は吸収力が早い、教えたことはちゃんと覚えていました。 「この精液の中に、精虫ってちっさなオタマジャクシがたくさんいるんだ。それが君のお母さんのお腹の中まで泳いでいって卵と合体すると赤ちゃんになるんだよ」 「ふぇ……」 分かったのか分からないのか、真那ちゃんは眼を丸くしてなんと答えていいのかも分からないといった複雑な顔をしています。 正志なりに子供に噛んで含めるように教えてあげたつもりなのですが、セックスの実例を見せても目に見えない卵子と精子が受精することまでイメージさせるのは難しいことなのかもしれません。 「あの、せめて洗わせてください」 娘の前ですがもう恥ずかしがっている場合ではないと、佳寿美は意を決して正志に懇願しました。 すでにタップリと濃いのを出されてしまったのは仕方がないにしても、今すぐ洗浄すれば妊娠率を下げることもできるのではないかと考えたのです。 佳寿美は負けん気が強く諦めの悪い女性です。ここまでされてもまだ諦めてはいないようでした。 「おや、おやおやおや~。佳寿美は、俺の子供を妊娠したいんじゃなかったかな」 「ううんと、このままだと気持ち悪いでしょだから」 契約書によって『喜んで』正志の子種を受け入れなくてはならないのです。佳寿美は膣洗浄の言い訳を考えますが、この程度しか思い浮かびませんでした。 「気持ち悪いから、膣を綺麗にしたいわけか」 「したいです、お願いですから洗いに行かせてください」 佳寿美は、少しでも膣から精液が出て行くように何度もイカされて重たい身体をベットの上で起こしてしゃがみました。 ぷっくりと赤く膨れた陰唇からトロリ、トロリと白濁液が流れだしています。普段の佳寿美なら、お気に入りの北欧製のベットがこぼれ落ちる精液で汚れることが気にかかったでしょうが、今はそんなことどうでもいい様子でした。 「じゃあこうしよう、真那ちゃんに舐め取らせるならいいよ」 「ええっ、なんてことを……」 中出しした精液を洗うことは許さないが、真那に舐め取らせるなら構わないというのです。 なんという、なんという酷いことを言い出すのかと佳寿美は泣きそうに瞳を充血させて鬼のような形相で睨みつけました。 「嫌ならいいんだぜ」 佳寿美が困っているのを見て笑っている正志、この一年怒ってもすかしても、この男には何を言っても無駄だと思い知らされているのです。 「真那、お願い舐めて綺麗にしてちょうだい」 佳寿美は、躊躇なく娘に自分の女性器を舐めさせることを選択しました。 事態は一刻を争います。こうしている間にも目の前にいる気持ち悪い男の白いオタマジャクシが、自分の卵子をレイプしようと子宮の中へと群れをなして泳ぎまわっているのです。 精子の量を少なくすれば少なくするほど、望まぬ懐妊を避けられる。佳寿美は必死でした。 「ええっ、苦いのやだよぉ」 真那ちゃんは渋面です。そりゃそうでしょう、精液が苦いのも嫌なのでしょうが、それ以前に母親の股を舐めろと言われてスゴスゴと従う子供はいないでしょう。 「いいからお願い真那、綺麗にしてちょうだい!」 佳寿美が鬼のような形相のままだったのが功を奏したのか、真那ちゃんは気迫に押されるように四つん這いになり、しゃがみこんだ母親の股ぐらにイヤイヤ顔を突っ込んでペロペロと舐め始めました。 (自分でさせておいてなんだが……) 背徳的な光景だなこれはと、正志はドキドキしてきました。 録画しているビデオカメラの位置を、母親の股を舐める真那娘の揺れる小さいお尻がよく映るように調整します。 貴重な映像とはいえますからそれは記録しておいたほうがいいでしょうね。 正志は、そのついでに荷物から愛飲している三千円もする金のユンケルを取り出して蓋を開けて豪快にグビリとやります。 辛くて滋味深い味わいが正志の乾いた喉を潤しました。 こんなものを飲んでるから、精液苦いって真那ちゃんに言われてしまうのかもしれませんが、高級エナジードリンクのおかげか、真那ちゃんの幼いツルッとしたお尻のおかげか、またムクムクっと正志の股間が鎌首を持ち上げていきます。 正志は、ベットサイドにさっき佳寿美のお尻の穴に突っ込んで気が付かないうちに転げ落ちたバイブも見つけました。 また使えるかもしれないので、拾い上げてバイブに被せているコンドームを剥ぎ取り、新しいものに交換しておきます。
「うぇぇ、苦いよお……フェロフェロ」 そうこうするうちにも、母親の股ぐらから溢れる正志の中出し液を真那ちゃんは舐めさせられています。そりゃ苦しいでしょう、不味いでしょう。 「お願い啜って綺麗にして、真那ちゃん後でアイス上げるからね」 アイスぐらいで釣れるものなのかと正志は不思議に思います。 例えば正志なら、子供の頃でも父親のチンポ舐めてくれと言われたら想像するだけでうぇっと吐き気が来ます。絶対拒否だと思うのですが、女の子は平気なものでしょうか。 それとも、真那ちゃんが特別に聞き分けの良い純真な子なのでしょうか。 真那ちゃんは苦いだの不味いだのと不満を述べますが、お母さんは完全に綺麗にするまで許してくれません。グズグズと嗚咽を漏らしながら、お母さんの膣の中の精液を全部啜り出して飲み込みました。 佳寿美も、せめて舐めとった精液はペッと吐き出しても良いと教えてあげればいいのに。 正志は後ろから、真那ちゃんの揺れるツルツルのお尻と、おしりのワレメの中央にある窄んだ小さな肛門をじっくりと観察しつつそんなことを思いました。 真那ちゃんが正志の精液を飲んでくれるなら、それはそれで興奮するのですから正志にとっては都合がよいのでしょう。だから「飲まなくて良い」と教えないで、黙って眺めている正志も人が悪いです。 それにしても、お母さんのバイブでほじくられたガバガバのアナルと、真那ちゃんの未開発の窄まったアナル。 大きさも形も全くの別物でありながら、肛門のシワ、周辺部の小麦色から内側のピンク色になっていくグラデュエーションがそっくりだと正志は思うのです。 「うーんやはり母娘だな」 そんな分かったようなことを呟きながら、悦に入ったしたり顔で正志が頷いているのがなんか若干ムカつきます。 「お母さん綺麗になったよ、もういいよね?」 「本当に綺麗になったの?」 佳寿美は必死になって聴き返します。娘にあまりにも辛い当たりだと思うのですが、彼女にとっては懐妊するかどうかの瀬戸際なのですからしょうがないですね。 「うん、大丈夫。綺麗になったよぉ」 素直で親思いな娘は泣きそうになりながらも、指でビラビラを開いて内側まで白いのが残っていないかどうかをしっかり確認してからそう報告しました。
「よし、舐め取りは終わったか。じゃあ二ラウンドいこうぜ」 「ええっ、なんでー! 嘘でしょう?」 佳寿美は予想もしていないことを聞かされて目を剥きます。 「誰が種付けは一回だと言ったんだ、今日一日頑張るってあらかじめ言ってあるだろ」 「ううっそれは……、でも娘が、あんなに頑張って舐めてくれたんですよ」 せっかく綺麗にしたのに。そう言う佳寿美の理屈もわからないでもないですが、相手は猛った獣のような男です。そんな人情が通じる相手ではありません。 「そんなの俺に関係ないしー、佳寿美が約束破るつもりなら、こっちにも考えがあるんだぞ」 「わかりました、わかりましたよぉー」 約束破るのかと言われては、もう何も言い返せなくなります。佳寿美はベットに四つん這いになると、ほら勝手に犯せばいいでしょとばかりにお尻を突き出しました。 どうやら、さっき正常位でやったので今度は後背位でやるつもりらしいです。 (なんだ佳寿美、口では嫌だとか言いつつ、本当はノリノリじゃねーか) そう正志は、内心でほくそ笑みました。 後背位は、正常位よりも奥まで届きます。その上、バックから突いて射精すれば、子宮口は斜め下方向に付いてますから妊娠しやすくなるのです。 それを佳寿美は分かっていないのでしょうか、それとも頭では嫌がっても感じさせてくれる男の子供を孕みたいという女の無意識がさせたことなのでしょうか。 「よし、望みどおりバックから挿れてやるよ」 「ああっ、もう、また入ってくる……、またぁ!」 たっぷりと交合して、娘にペロペロと舐めてもらってふやけた蜜壷はやすやすとカチカチに反り返った正志の怒張を飲み込んでいく。 「奥さんさっきと一緒で、十回イケたら外に出してやるからな」 「そんなこといって、あっ、ああぁぁぁ、どうせぇ、嘘なくせにいぃ!」 さすがに、佳寿美はもう騙されないぞと身を固くします。 「そんなことねえよ、きちっとイケたら外に出す! でもここから十回もイケるわけないだろうが」 「ああっ、本当なら、私絶対に十回イッてやりますからっ!」 佳寿美がそう宣言すると、形の良い柔らかい弾力のお尻がグイッと持ち上がます。正志は突き上げた自分自身で、佳寿美の膣壁がキュウウウッと収縮するのを感じました。 絞めつけがきつくなり、肉襞の密度が上がった感じは、佳寿美のやる気を感じます。
まだまだ、佳寿美は勝負を諦めて無いわけですね。正志も、それは望むところだと熱を持った肉襞をカチカチの陰茎でかき回して、佳寿美をさらにゆっくりとこねくり回しました。 「そんなに俺の子供を孕むのがイヤなのかよ」 「イヤに決まってるでしょ、ハァハァ早く乳首弄ってもっと私を感じさせてェェ!」 ご要望通り、正志は後ろから尖った乳首をコリコリと刺激してやりました。そのたびに、佳寿美はアンアンと気持ちよさそうに喘ぎます。 赤く充血した佳寿美の乳首は、何度もイカされた性的興奮のせいか、プックラとこれ以上無いほどに勃起して、正志の太い指でもシコシコとこすれるほどに伸びきっています。硬くそぼった乳首を指先で弾きながら、(やっぱり授乳を経験した女は乳首が長くなるのかな)なんてことを正志は思っています。 佳寿美の乳首の根本から力いっぱい扱き上げてやると、ジュワッと蜜壷に愛液が音を立てて分泌されました。 正志は愛液で潤滑を増した佳寿美の膣襞の感触を楽しむように、反り返った陰茎をパンパンと小気味良い音を立てながら叩き込みます。 正志のがんばりに応えるように、ざわざわとうねる蜜肉が正志の分身を強く搾りたててくれる。熟れて来ています、絶妙な締め付け具合です。 「くうっ、これは……たまんねえ」 「きちゃうっ、ああっきちゃったああぁぁぁ、イク、イクッ、イグッ!」 わけのわからないことを喚きながら、佳寿美は背中をぐんと弓なりに反りました。パラっと宙を舞う佳寿美の髪の毛から、絶頂に達した女特有の甘ったるい香りが漂います。 正志はフワッと鼻先をくすぐる、熟した雌の匂いに気が狂いそうなほど情動を掻き立てられ、佳寿美の奥深くで自分の分身をさらに石のように硬く膨らませました。 「くそっ、これうああぁあぁ」 「いいっ、いくっ、いくっ、ああっ、いやああああああぁぁ」 正志は吠えます、佳寿美も叫びます。これは永久機関なのかもしれません。 佳寿美の絶頂が正志の気持ちを高ぶらせて股間を熱くします。正志の興奮がさらにピストンを激しいものにさせ、こすりあう粘膜から快楽の振動が佳寿美に伝わってさらなる絶頂へと導かれるのです。 正志は二回目とは思えないほどの焼けつくような強烈な射精欲に気が狂いそうでした。それでも、この瞬間の永遠を少しでも長く楽しみたいがために、ぐっと腰を打ち据えて力いっぱい佳寿美の美乳を手で握りつぶすように握りしめて、グワッと腰からこみ上げてくる射精の波動を精一杯我慢します。 自分の快楽は狂おしいほど我慢しつつ、奥までゆっくりと突いて、ズブリと突いて、絡みつくほど突いて、肉襞の感触をたっぷりと味わい、女を先にイかせる。 雄の充実とは、まさにこのことでしょうか。
「はぁ、佳寿美。もう限界だ、出すぞぉー」 「だめーっ、待って私まだっ、四回、五回? ああんっ、十回イケてないからぁー」 どうやら十回は、間に合わなかったようです。 一回戦目をあれだけ長々とやりまくった脱力感もありますし、二回戦目でさらに十回絶頂に達するとか、いくら女性が男よりは回数イキやすいとはいえ軽い絶頂を含めても、無理な話なのです。 「無理だ、もう俺も我慢……、できないから諦めて孕んどけっ!」 「そんなぁ、待って、待って、もう少しで六回目ェェ!」 正志が意地悪して、さっさと射精するわけではないのです。むしろ強い刺激に対して、我慢に我慢を重ねたほうでした。 女が本当にイケばその身体は怖いぐらいに痙攣し、膣はジュワワッといい具合に熱を持ってきますし、ギュッギュウッと締め付けて収縮しますし、プンプンと男を興奮させるフェロモンが毛穴という毛穴から発奮して匂い立つのです。 そんなに嬌声を上げて心底からイキ狂われたら男性の方も絶頂を耐え切れません。 「いくぞっ、佳寿美ぃぃ中に出すぞぉぉぉぉ!」 「はっ?! いやあああぁぁぁ!」 佳寿美、無念の叫び。 ビクンと跳ねるように、腰を打ち付けて正志の動きが止まると。 ドピューッ! と熱い精液の迸りが膣奥に注がれたのが分かった様子で、暴れていた佳寿美も静かに動きを止めました。 次々と勢い良く吹き出すしぶきが、肉壷の中にドクッドクッと注がれていきます。 同時に完全に開ききった子宮口の中に熱い塊を叩きこまれた佳寿美もまたエクスタシーに達した様子で、正志の脈動に合わせて背中を引きずらせて吐き出す欲望のすべてを完全に受け入れました。 「ふうっ」 満足気なため息と共に、射精が終わり緩まった陰茎を正志がツルリと引き抜くと、佳寿美のポッカリと空いたヴァギナからトルルッと、愛液と精液が交じり合った混合液がこぼれ落ちました。 ポタリ、ポタリとドロっとした精液の塊が垂れ下がりベットのシーツを汚します。
「あああ……また中にぃぃ」 佳寿美がハァハァと脱力感にベットに崩れ落ちます。 「ハハッ、また中出しだったな残念賞」 正志は笑いながら続けます。 「どうする、もう諦めて妊娠するか。それとも、また娘に中出し精液を舐めさせるのかな」 正志にそう耳元でつぶやかれて、佳寿美の瞳に精気が戻りました。彼女はまだ諦めていないのですね。 佳寿美は気合を振り絞るようにベットから起き上がると、娘を呼びつけます。 「真那ちゃんお願い!」 「うぇぇ、また舐めるのぉ?」 よろよろと嫌そうにやってきた真那ちゃんは、また母親のオマンコを舐めさせられるハメになりました。 彼女は、今回一番の犠牲者かもしれませんね。 あとは語るまでもありませんが、もうこの繰り返しです。 真那ちゃんが、佳寿美の股ぐらを綺麗にしている間に正志が滋養強壮剤を補給してまたセックス、またセックス……。 佳寿美と正志の排卵日種付けセックスは、五回戦目に突入していました。 すでにサドンデスの様相を呈していますから、今度はなぜか騎乗位で正志に跨っている佳寿美も息も絶え絶えになっていますし、正志もさすがに無駄にセックスだけに発揮される日頃の精悍な動きも鈍っています。 真那ちゃんはというと、約束のアイスクリームを冷蔵庫から勝手に取って食べています。母親と間男のまぐわいを冷めた瞳で見つめながら、グッタリとベットの片隅に座り込んでぼんやりと練乳入りアイスを齧っています。 「はぁぁ……もう勝手にしてよ」 真那ちゃんもため息なんか付いて、なんかもういろんなことに疲れてしまって、どうでも良くなってしまっている様子。彼女がグレてしまわないかと心配です。 アイスを綺麗に食べ終わると、そのままベットの隅っこで丸くなってスヤスヤと眠り込んでしまいました。
「なあ、もう諦めたらどうだ」 「はぁー、はぁー」 強い脱力感の中、佳寿美は深い息をつきながら精力を振り絞って自ら腰を振るっています。 「だからさ、俺がイクまでに十回イクなんて無理なんだって」 「イケますよ、絶対イキますよぉぉ……」 どうやら佳寿美は、十回イケば外出しという遊びを繰り返しているうちに目的が十回イクことに摩り替わってしまったようです。 赤黒く充血して感覚の鈍くなった乳首を強く強く自分の指で絞りながら、佳寿美はただ自分が性的エクスタシーを感じることだけを目標にして、必死に腰を振るいます。 正志の方もさすがに五回目ですから、勃起は維持できているものの強い刺激を与えられると陰茎に鈍い痛みが走るようになっています。 超強力な滋養強壮効果のあるユンケルスター、一万五千円分のパワーを持ってしても精力の限界なのでしょう。 「くうっ、もう無理だろ、キツすぎる」 「ああっ、ああっ、イッちゃダメですからね、私が、十回イクまで、絶対に我慢してください」 正志の精液タンクもカラカラですから、射精までの時間は長くなっていきます。佳寿美にとっても不利な条件ばかりではないのです。 メスの嬌声を上げつつ佳寿美がエクスタシーに達すると、彼女の頭の中はスイッチがカチリと音を立てて切れ変わったように快楽の脳内物質に満たされます。 それは視界がホワイトアウトして、ふわっと飛び上がるような感覚です。 今日はもう合計で何十回イッたかはわかりません。 佳寿美だって、夫とのセックスで絶頂は経験したことは何度も有りますが、それでもこれまでこんな激しくて深い経験をしたことは一度もありませんでした。 絶頂のスイッチが入りすぎて、ずっと入りのままバカになってしまったように頭の芯がぼんやりとしているのです。 身体は一切の重さを失い、まるで羽が生えたようにフワフワと快楽の空を飛んでいます。 没我に近い状態。佳寿美が何も思わなくても勝手に腰が勝手に動いてしまう、すでに身体の疲れは限界ですが、連続して絶頂を迎えやすいという点で有利にも思えてきます。もう今回のカウントも、四回、いえいま正志にしがみつくようにして深々と自らの奥に挿し込み、甘い喘ぎ声をあげながら今連続でイッた、五回・六回目に達しました。 がんばれ佳寿美、もう少しです。
(これなら、今回こそイケる) 切なげに眉をゆがませて、しがみついた正志の身体にすがりついた佳寿美がそう確信したとき。 「おい、佳寿美! そこまでして外出しを求めるっておかしくないか……約束を忘れたのかよ」 佳寿美が腰を振るう腹の下で、疲れきって目の隈が黒くなっている正志が少し不満そうに叫びました。 「えっ、ああっ、だって約束でしょう十回イッたら外出しって言ったじゃない!」 「それはそうだけど、喜んで孕むって約束でもあったわけじゃないか。そんなに外出しを求めるのっておかしいだろ」 「そんなっ、でも、約束って、私すごい頑張ったんだから、頑張ったんですよぉぉ!」 感情的に声を震わせながらも、佳寿美は満腔の力で七回目の絶頂を迎えました。もう喉もカラカラに乾いているのに、まだここに至ってもイク度に毛穴から汗が吹き出します。 だから佳寿美の身体は汗だくになっているはずです、それなのに肌は妙にすべすべして爽やかななのです。 ランナーズ・ハイにも似たようなこれは、オーガニズム・ハイ――そんなものがあるとしたら今の佳寿美がそうでした。 佳寿美は男の精をたっぷり啜って、ツヤツヤのスベスベになっています。 「頑張ったのはわかるよが、……しょうがないな」 「いいんですよね、約束ですからね! 十回イケたらぁ~、外にイクゥゥッ!」 謳うように呻きながら八回目の絶頂。 「わかったよ佳寿美も頑張ったしな、俺がイクまで我慢できたら外出しだ」 「よかった、イクッ、いぅ、イグッ!」 もう何を言っているのかも定かではありません。とにかく身体中を駆使して感覚の鈍った乳首を千切れそうなほど自らの指で握りつぶして、腰を一心不乱に振るいます。 佳寿美は確かに九回目の絶頂を数えました、新記録です。 「おおお、これはすごいな」 正志も、五回も射精してまだチンポがちゃんと気持いいとは不思議なものだと思っています。若い頃に一度に何回射精できるかやったことがありますが、五回目の射精なんかもう痛くて苦しいだけだったはずです。 愛液でトロトロに蕩けるマンコは連続射精で痛めつけられた陰茎も優しく包み込み癒してくれます。それなのに、海洋性の生物のように上へ上へと精液の迸りを吸い上げようと蠢くのです。 今射精してやったら、佳寿美のマンコは気持よく子宮口から啜り込むんだろうなと想像すると、このまま思いっきり中出しかましてやろうかと思いましたが、それではあまりにも佳寿美が可哀想で報われない。 正志は、疲れきっているのにまだ腰を打ち付けてくる女を哀れに思って射精を我慢することにしました。
「飛ぶっ、飛ぶっ、身体が吹き飛びそうですっ」 「おうっ、翔べ翔べぇ」 最後のラストスパート、正志も腰を合わせて下から突き上げてやります。 「十回目ェェ、イクゥグググーッ!」 佳寿美はぐいいいいんと身を反り返らせて、正志の顔にツバキを飛ばしながらうああああと叫びました。 唾を顔に飛ばされても、正志は汚いとも想いません。汗だくになって身体を絡め合って、体液を交換しあった仲です。正志が一方的になのかもしれませんが、佳寿美に愛情に近いものが芽生えています。 あれほど気位が高かった女が、死に物狂いで勝ち取った十回だったのです。 「よっしゃ、もう寝てろ、外出ししてやるよ」 「あああっ、ああああああぁ」 佳寿美は、もう何も言えずにそのままバタリと後ろに倒れこみました。 スルッと佳寿美の吸いつくマンコから勃起した陰茎を引き抜くと、まるで射精確認するAVみたいだなと内心の微苦笑を隠せずに、半笑いで陰茎を手で擦って佳寿美の顔に精液の雨を降り注がせました。 「ほら、顔射だー!」 五回目の射精ですから、白っぽい液も少なくなった量の少ないものですが、それでも勝ち取った外出しの飛沫を浴びながら、佳寿美は恍惚とした表情で微笑み。 「ありがとございます」 何故かお礼を言って、そのまま目をつぶって息絶えました。 「おや、おい佳寿美? おい……、なんだ死んだかと思ったぞ」 よく見ると、スヤスヤと小さい寝息を立てて眠っているだけです。 体力の限界だったのでしょうね。 正志だって、もう疲れきってヨレヨレなのですが、ベットの端を見ると真那ちゃんは裸のままで丸くなって寝っ転がっています。これは、このままにはしておけません。 「ふうぅ、後片付けすっか」 やはり後片付けは男の仕事だと、正志は苦笑してから萎えかける四肢に気合を入れます。まず白濁色の液体に汚れた佳寿美の顔を濡れタオルで拭いてやることから始めて――
※※※
「――ハッ?」 目を覚ますと、佳寿美は起き上がりました。 どうやら眠ってしまっていたようです。ついさっきまで、佳寿美は正志とセックスしていて最後に顔射されて……。 記憶が曖昧ですが、どうやらそこで気を失うようにして寝入ってしまったのでしょう。あれからどれぐらいの時間が経過したのか。 すぐ横には、疲れきってぐったりとしている娘が寝ていました。 起き上がろうとするとまだ身体の節々が軋みました。疲れが取れきっていない、寝入ってからいったい何時間経ったのやら。 季節外れの台風のせいで、ベットルームはカーテンも雨戸を閉めていますから今が昼か夜かも分かりません。 ただ、激しい風雨の音はもう聞こえないからいつの間にか季節外れの台風は過ぎ去ってしまったのでしょう。 そして風雨の音の代わりに、佳寿美の耳に「ブブブブッ、ブブブブッ」という不愉快な音が響き渡ることにようやく気が付きました。 まさかと思って身体にかかっていた毛布を跳ね除けます。 「あれ、私下着つけて……」 佳寿美は完全な裸体ではなく、なぜかレースのついたピンク色のパンティーを穿いていました。 でも電子音がするのとパンティーの股ぐらが異様に膨らんでいるのです。 すごくすごく、嫌な予感がしました。 そして、佳寿美のお腹にマジックで黒い文字が書かれているのに気が付きました。 読みたくないと思っても、目は文字を自然と追って頭の中に意味を送り込みます。 『人妻マンコ確かに約束通り種付けしましたごちそうさま 田中正志』 スルッとパンツを脱ぎすてると、佳寿美の股ぐらに大きなバイブが突き刺さりっぱなしになっていました。 「ううっ、なによこれぇ!」 こんなものを挿入されたままで寝ていたなんて、疲れきっていたとはいえ不覚としか思えません。
電動し続けるバイブを引き抜くと、明らかにピンク色のコンドームを付けられたバイブの先っぽに自分の愛液だけではない白っぽい粘液が付着しています。 バイブを引きぬいた後の膣はポッカリと穴が開いていて、そこからタップリと貯めこまれていた中出し精液が、ゴポゴポと音を立てて膣口から大量にこぼれ出てきました。 「うああぁ、もういやあだぁ、やだぁぁ」 こんな粘っこい精液をずっと排卵日の膣にずっと注ぎ込まれていたなんて受精確実じゃない。 「イヤァァァ」 恐ろしい想念を振り払うように、佳寿美はブルンブルンと首を振るいます。 「はあぁ……もう、あのクソ男ぉ!」 怒りに気力を取り戻した佳寿美は、娘を叩き起こしてすぐに一緒にシャワーを浴びにいきました。もう徹底的に身を綺麗に清めました。 水性マジックで書いた文字は跡形もなく消すことができます。膣からこぼれ落ちる精液も綺麗に中まで洗うこともできます。 でも、その時にはすでに排卵を終えた佳寿美の子宮の卵管まで泳ぎ着いていた正志の精子と佳寿美の卵子が早くも結合を果たそうとしていたことを当の佳寿美は知りませんでした。 確かに妊娠の確率は百パーセントではないと先に申し上げました。 でも排卵日中出しは、やはりアウトなのです。
そして残酷なことに出来上がった受精卵は、当の佳寿美が望まなければ望まないほど確かに子宮へと着床してしまいます。 佳寿美が十年ぶりの受胎を迎え、正志の子種をこの時しっかりと宿されてしまったことを知るのは、これから一ヶ月以上も先のことになるでしょう。
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